JP3484358B2 - 超音波探触子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は超音波探触子を利用
分野とし、特に圧電素子のシールドに関する。 【０００２】 【従来の技術】（発明の背景）超音波探触子は、例えば
医用の超音波診断装置に超音波の送受波部として有用さ
れている。近年では、電気機器の普及もあって、外部か
らの雑音侵入を防止して受信精度を高めた超音波探触子
の要求がある。 【０００３】（従来技術の一例）第３図は、この種の一
従来例を説明する超音波探触子の断面図である。超音波
探触子は、概ね圧電素子１と筒状ケース２とからなる。
圧電素子１は両主面に電極３（ａｂ）を有し、送受波面
となる一主面にはアース接地電極３ａを、他主面には信
号印加電極３ｂを有する。そして、一主面のアース接地
電極３ａは他主面の一部に折り返し電極３ｃを延出す
る。筒状ケース２は内部ケース４と外部ケース５とから
なる。内部ケース４の開口端には段差６を有する。外部
ケース５の内周にはシールド電極８を有し、引き出し線
１３が導出する。 【０００４】このようなものでは、圧電素子１の外周を
内部ケース４の段差６に仮保持される。そして、樹脂の
流入によって充填されたバッキング材７に固着される。
アース接地電極３ａの折り返し電極３ｃと信号印加電極
３ｂとを同軸ケーブル９のアース先及び芯線に接続して
外部に導出する。また、圧電素子１の一主面には二層構
造とした音響整合層１０（ａｂ）が形成される。一層目
１０ａは例えばガラス板の貼着とする。そして、二層目
１０ｂは溶融樹脂を一層目上に塗布するとともにケース
表面を覆って固化させ、コーテングにより形成する。ま
た、内部ケース４と外部ケース５とは接着剤１１により
接合する。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】（従来技術の問題点）
しかしながら、上記構成の超音波探触子では、外部ケー
ス５の内周面にシールド電極８を形成するものの、超音
波の送受波面となる開口端外周は電気的な間隙を有す
る。したがって、開口端外周から雑音が侵入し、生体か
らの受信信号と混信して受信精度の低下を招く原因とな
っていた。 【０００６】（発明の目的）本発明はシールドを十分に
して受信精度を高めた超音波探触子を提供することを目
的とする。 【０００７】 【解決手段】本発明は、圧電素子のアース接地電極と接
続するシールド電極を筒状ケースの外表面に形成したこ
とを基本的な解決手段とする。 【０００８】 【作用】本発明では、圧電素子のアース接地電極とシー
ルド電極を接続したので、超音波の送受波面となる開口
端外周も電気的に遮蔽する。したがって、圧電素子の送
受波面側からの雑音の侵入をも防止する。以下、本発明
の一実施例を説明する。 【０００９】 【実施例】第１図は本発明の一実施例を説明する超音波
探触子の断面図である。なお、前従来例図と同一部分に
は同番号を付与してその説明は簡略する。超音波探触子
は、前述同様に、送受波面となる一主面にはアース接地
電極３ａを、他主面には信号印加電極３ｂを有する圧電
素子１と、これを保持して収容する内部ケース４と外部
ケース５からなる筒状ケース２とから、概ね、構成され
る。 【００１０】この実施例では、先ず、圧電素子１の折り
返し電極３ｃ及び信号印加電極３ｂに同軸ケーブル９を
接続する。そして、圧電素子１の外周を内部ケース４の
開口面における段差６に仮保持し、背面側からバッキン
グ材７となる樹脂を流入して固化させ、両者を固着す
る。次に、圧電素子１及び内部ケース４の外周に例えば
蒸着によりシールド電極８の一部となる金属膜を形成
し、圧電素子１のアース接地電極３ａと内部ケース４の
外表面に予め形成したシールド電極８とを接続する。 【００１１】次に、内部ケース４の底面側には全面的に
導電性接着剤１２を塗布し、内部ケース４のシールド電
極８と電気的に接続する。そして、接着剤１１により外
部ケース５を接合して、内部ケース４を覆う。次に、圧
電素子１上に音響整合層１０（ａｂ）の一層目となるガ
ラス１０ａを貼着し、さらに二層目１０ｂを樹脂のコー
ティングにより形成する。 【００１２】このようなものでは、送受波面の全面をシ
ールドして電気的な隙間がないので、外部からの雑音の
侵入を完全に防止する。したがって、生体からの超音波
の受信精度を高めることができる。また、アース接地電
極３ａとシールド電極８とを共通接続したので、シール
ド電極８の引き出し線１３を不要にし、アース線と芯線
の同軸ケーブル９のみで済む。 【００１３】 【他の事項】上記実施例では、圧電素子１にアース接地
電極３ａの折り返し電極３ｃを形成したが、例えば第２
図に示したように、アース接地電極３ａとシールド電極
は共通なので、折り返し電極３ｃを設けることなく、信
号印加電極３ｂとシールド電極８とから導出すればよ
い。この場合、折り返し電極３ｃがなく、両主面の全面
が超音波の送受波面となり開口面積を有効にする。 【００１４】また、導電性接着剤に１２により底面側を
シールドしたが、底面を密閉する銅板等であっても、外
部ケース５の内周面に金属膜を設けてもよいものであ
る。また、筒状ケース２は内部ケース４と外部ケース５
から形成したが、内部ケース４のみであったとしても、
その効果は同様である。 【発明の効果】本発明は、圧電素子のアース接地電極と
接続するシールド電極を筒状ケースの外表面に形成した
ので、シールドを十分にして受信精度を高めた超音波探
触子を提供できる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の一実施例を説明する超音波探触子の断
面図である。 【図２】本発明の他の実施例を説明する超音波探触子の
一部断面図である。 【図３】従来例を説明する超音波探触子の断面図であ
る。 【符号の説明】 １ 圧電素子、２ 筒状ケース、３ 電極、４ 内部ケ
ース、５ 外部ケース、６ 段差、７ バッキング材、
８ シールド電極、９ 同軸ケーブル、１０音響整合
層、１１ 接着剤、１２ 導電性接着剤、１３ 引き出
し線．

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】送受波面側となる一主面にアース接地電極
   を他主面に信号印加電極を有する圧電素子と、前記圧電
   素子の外周端部を開口端で保持して前記アース接地電極
   と前記開口端面を略同一面上とした筒状ケースと、前記
   アース接地電極と前記信号印加電極とに接続して外部に
   導出する線路を具備してなる超音波探触子において、前
   記圧電素子のアース接地電極と直接的に接続するシール
   ド電極を前記筒状ケースの前記開口端面を含む外表面に
   形成したことを特徴とする超音波探触子。