JP3484110B2 - キャリア取付構造 - Google Patents

キャリア取付構造

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JP3484110B2
JP3484110B2 JP26411199A JP26411199A JP3484110B2 JP 3484110 B2 JP3484110 B2 JP 3484110B2 JP 26411199 A JP26411199 A JP 26411199A JP 26411199 A JP26411199 A JP 26411199A JP 3484110 B2 JP3484110 B2 JP 3484110B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像読取装置にお
いて画像情報担体が装填されたキャリアを防振する画像
読取手段のキャリア台に取り付けるためのキャリア取付
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、画像読取装置において、画像
読取手段に対する外部からの振動による影響を回避する
ために防振ゴムを用いる防振構造が採用されている。
【0003】画像読取装置は、一般的に、写真フィルム
等の画像情報担体に記録されている画像を、画像読取手
段(例えば、CCD等の読取センサ)によって光学的に
読み取る。この画像読取装置による読み取りで得られた
デジタル画像データに対して、拡大縮小や各種補正等の
画像処理を実行し、画像処理済のデジタル画像データに
基づき変調したレーザ光により記録材料へ画像を形成す
ることができる。
【0004】このように、CCD等の読取センサによっ
て画像を光学的に読み取る場合、極めて高い読取精度が
要求される。
【0005】しかし、例えば、画像読取装置の設置場所
等により床面からの定常的な振動(いわゆる「動作振
動」)が画像読取手段に伝達されたり、画像読取装置の
操作を行う操作部を操作する際の振動(いわゆる「動作
衝撃」)が画像読取手段に伝達された場合には、画像の
読取精度が低下してしまうおそれがある。
【0006】そこで、写真フィルム等を収納するフィル
ムキャリアを支持するキャリア台やCCD等を含むレン
ズユニットを含む画像読取手段を防振構造にして画像読
取精度を確保している。
【0007】具体的には、画像読取装置を構成する本体
フレームに対して防振ゴムを介してキャリア台やレンズ
ユニットを含む支持フレームを接続(支持)することに
より、動作振動や動作衝撃の影響を回避している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キャリ
ア台にフィルムキャリアを設置する際に、その衝撃によ
って防振ゴムが過度に変形し、破断してしまうおそれが
ある。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、防振ゴムへの
影響を低減するキャリア取付構造を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
外部からの振動の影響を低減させる防振ゴムで画像読取
装置本体に支持された画像読取手段と、前記画像読取手
段の読取位置に形成され画像情報担体が装填されるキャ
リアが取り付けられるキャリア取付部と、を備えたキャ
リア取付構造であって、前記キャリアをスライドさせる
画像読取装置本体の上面と、前記上面をスライドした前
記キャリアが取り付けられる前記キャリア取付部の取付
面と、前記上面と前記キャリア取付部の相互に対向する
角部のうち、少なくとも一方の角部に形成された前記キ
ャリアをガイドする傾斜面と、を備えることを特徴とす
る。
【0011】請求項1に記載の発明の作用について説明
する。
【0012】画像読取装置本体の上面でキャリアをスラ
イドさせてキャリア取付部の取付面に取り付ける際、キ
ャリア取付部の取付面と画像読取装置の上面との間に高
低差が生じていても、画像読取装置本体の上面またはキ
ャリア取付部の角部に形成された傾斜面によってキャリ
アが案内され、上面から取付面にスムーズに移動して当
該取付面に取り付けられる。この際、例えば取付面が上
面よりも高い場合にキャリア取付部の角部に傾斜面を形
成し、傾斜面の端部を上面よりも低くすれば、キャリア
の端部がキャリア取付部の角部に衝突することが回避さ
れ、取付面に移動する際の衝撃が緩和される。また、上
面が取付面よりも高い場合には、画像読取装置本体の上
面の角部に傾斜面を形成し、傾斜面の端部を取付面より
も高くすれば、キャリアが上面から取付面に移動する際
の衝撃が緩和される。すなわち、上面をスライドしてき
たキャリアがキャリア取付部に移動する際の衝撃によっ
て防振ゴムが過度に変形して破壊されることを確実に防
止できる。
【0013】特に、取付面が装置本体の上面よりも高い
位置にある場合には、取付面に取り付けられたキャリア
が上面に接触することはない。したがって、キャリア取
付部およびキャリアが外部の振動からの影響を防振ゴム
によって確実に回避することができる。
【0014】キャリアがキャリア取付部に取り付けられ
た後、防振された画像読取手段によって精度良く画像読
取を行うことができる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記傾斜面には、当該傾斜面よりも摩擦係
数が低い摺動部材が貼り付けられることを特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明の作用について説明す
る。
【0017】傾斜面に傾斜面よりも摩擦係数の低い摺動
部材が貼りつけられることによって、キャリアが摺動部
材上をスライドすることになり、一層スムーズに取付面
上に案内されることになる。
【0018】 請求項3記載の発明は、外部からの振動
の影響を低減させる防振ゴムで画像読取装置本体に支持
された画像読取手段と、前記画像読取手段の読取位置に
形成され画像情報担体が装填されるキャリアが取り付け
られるキャリア取付部と、を備えたキャリア取付構造で
あって、キャリア取付時に前記キャリア取付部を画像読
取装置本体に一時的に固定する固定手段を備えることを
特徴とする。
【0019】請求項3記載の発明の作用について説明す
る。
【0020】 本発明では、キャリア取付部にキャリア
を取り付ける際に、固定手段によってキャリア取付部を
装置本体に一時的に固定する。これによって、取り付け
の際に防振ゴムに支持されたキャリア取付部が振動して
キャリアを取り付け難い、あるいは取り付けの衝撃によ
って防振ゴムが過度に変形して破壊されてしまうという
不都合を回避することができる。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の
発明において、前記固定手段は、前記キャリア取付部に
形成された被係合部と、前記画像読取装置本体に設けら
れ、前記被係合部に挿入抜出可能に構成された係合部材
と、から構成されることを特徴とする。
【0022】請求項4に記載の発明の作用について説明
する。
【0023】キャリア取付部に設けられた被係合部に画
像読取装置本体に設けられた係合部材が挿入されること
により、画像読取装置本体に対してキャリア取付部が一
時的に固定される。そこで、キャリアをキャリア取付部
に取り付ける際にのみ係合部材を被係合部に挿入するこ
とによって、取り付けの衝撃によるキャリア取付部の振
動を防止できる。したがって、キャリアをキャリア取付
部に取り付ける際の衝撃によってキャリア取付部が過度
に振動して(防振ゴムが過度に変形して)防振ゴムが破
壊されることを防止できる。
【0024】また、取り付け後には、被係合部から係合
部材を抜き出すことによってキャリア取付部および画像
読取手段に対する防振作用を回復させる。したがって、
キャリアの画像情報担体の画像読取時には、画像読取手
段およびキャリア取付部(キャリア)が防振されている
ため、精度良く画像読取が行える。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の発明において、前記固定手段は、画像読取手段が
画像情報担体の画像情報を読み取る時を除いて前記画像
読取手段を前記画像読取装置本体に固定していることを
特徴とする。
【0026】請求項5記載の発明の作用について説明す
る。
【0027】画像読取時以外の時は、固定手段によって
画像読取手段が画像読取装置本体に固定されているた
め、防振ゴムの負担が小さくなる。したがって、防振ゴ
ムの劣化が抑制され、使用可能期間が延びる。
【0028】請求項6記載の発明は、外部からの振動の
影響を低減させる防振ゴムで画像読取装置本体に支持さ
れた画像読取手段と、前記画像読取手段の読取位置に形
成され画像情報担体が装填されるキャリアが取り付けら
れるキャリア取付部と、を備えたキャリア取付構造であ
って、前記キャリア取付部の振幅を制限する規制手段を
備えることを特徴とする。
【0029】請求項6に記載の発明の作用について説明
する。
【0030】キャリア取付部にキャリアを取り付ける際
に、取り付けの衝撃によってキャリア取付部が振動す
る。しかしながら、キャリア取付部の振幅が規制部材に
よって制限されているため、キャリア取付部の振動によ
って防振ゴムが過度に変形することはない。すなわち、
防振ゴムの破壊を確実に防止できる。
【0031】請求項7に記載の発明は、請求項6記載の
発明において、前記規制手段は、前記キャリア取付部ま
たは前記画像読取装置本体の一方に形成された孔部と、
前記キャリア取付部または前記画像読取装置本体の他方
に設けられ、前記孔部に挿入され前記孔部よりも断面積
の小さいピンと、から構成されることを特徴とする。
【0032】請求項7記載の発明の作用について説明す
る。
【0033】キャリア取付部または画像読取装置本体の
一方に形成された孔部に、キャリア取付部または画像読
取装置本体の他方に設けられたピンを挿入している。こ
の際、ピンの断面積は孔部よりも小さいため、孔部とピ
ンの間に間隙を生ずる。この間隙の量がキャリア取付部
の移動可能な範囲となる。したがって、孔部とピンの断
面積を適切に設定しておくことにより、キャリアをキャ
リア取付部に取り付ける際のキャリア取付部の振幅が適
度な範囲内に制限される。この結果、キャリア取付部が
過度に振動することによって防振ゴムが過度に変形して
破壊されることを防止できる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態に係るキ
ャリア取付構造が適用された画像読取装置10について
説明する。先ず、図1〜図7を参照して画像読取装置1
0の全体構成について説明し、次に図8〜図11を参照
してキャリア取付構造について詳細に説明する。 (画像読取装置の全体構成)この画像読取装置10は、
ラインCCDスキャナ14と、作業テーブル27、作業
テーブル27に設けられた画像処理部16、マウス2
0、2種類のキーボード12A、12B、及びディスプ
レイ18を有している。
【0035】作業テーブル27は、床面に設置される略
U字状の設置フレーム122を有している。設置フレー
ム122には複数(本実施の形態では4個)のキャスタ
ー124が取り付けられており、作業テーブル27を床
面F(図2及び図3参照)上で自由に移動させることが
できる。また、設置フレーム122にはストッパ126
が取り付けられており、このストッパ126を下方に延
ばして床面Fに押し当てることで、床面F上での作業テ
ーブル27の不用意な移動を阻止することができる。
【0036】設置フレーム122には、2つのハウジン
グ128、130が取り付けられている。図1からも分
かるように、一方のハウジング128は、天面が平面視
にて略L字状となるように片持ち状に形成され、他方の
ハウジング130は、ハウジング128と一体で平面視
にて略長方形状となるように所定の形状に形成されてい
る。また、これら2つのハウジング128、130の間
には、平面視にて略L字状の間隙132が所定幅で構成
されている。この間隙132によって、ハウジング12
8とハウジング130との振動伝達経路の一部が分断さ
れている。
【0037】ハウジング128の天面は、作業テーブル
27の作業面27Uとされており、一方のキーボード1
2Aが、この作業面27Uを部分的に下方に凹設した収
容部に収容されて埋設されている。他方のキーボード1
2Bは、不使用時は、作業テーブル27の引出し24内
に収納され、使用時は、引出し24から取り出され、一
方のキーボード12A上に重ねられる。また、この状態
で、キーボード12Bのコードが、画像処理部16に接
続されたジャック110に接続される。
【0038】マウス20のコードは作業テーブル27に
設けられた孔108を介して画像処理部16に接続され
ている。
【0039】画像処理部16は、作業テーブル27に設
けられた収納部16Aに収納されており、この収納部1
6Aは開閉扉25によって密閉される。開閉扉25を開
放することにより、画像処理部16を取り出すことがで
きる。
【0040】ラインCCDスキャナ14は、ネガフィル
ムやリバーサルフィルム等の写真フィルムに記録されて
いるフィルム画像を読み取るためのものである。ここで
いう「写真フィルム」とは、被写体を撮影後、現像処理
され、ネガ画像又はポジ画像が可視化されたフィルムを
いう。例えば135サイズの写真フィルム、110サイ
ズの写真フィルム、透明な磁気層が形成された写真フィ
ルム(240サイズの写真フィルム:所謂APSフィル
ム)、120サイズ及び220サイズ(ブローニサイ
ズ)の写真フィルム等が含まれ、これらの写真フィルム
のフィルム画像を読取対象とすることができる。ライン
CCDスキャナ14は、上記の読取対象のフィルム画像
を、後述するラインCCD116で読み取り、読み取っ
た画像データを画像処理部16へ出力する。
【0041】画像処理部16は、ラインCCDスキャナ
14から出力された画像データが入力されると共に、入
力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を
行って、記録用画像データとして、図示しないレーザプ
リンタ部へ出力する。
【0042】図2及び図3に示すように、ラインCCD
スキャナ14の光学系は、ハウジング130の下方に配
置された光源部30、ハウジング130に支持された拡
散ボックス40、ハウジング130にセットされるフィ
ルムキャリア38、及びハウジング130の天面を挟ん
で光源部30の反対側に配置された読取部43を備えて
いる。
【0043】光源部30は金属製のケーシング31内に
収容されている。このケーシング31の内部には、ハロ
ゲンランプやメタルハライドランプ等から成るランプ3
2が配置されている。
【0044】ランプ32の周囲にはリフレクタ33が設
けられており、ランプ32から射出された光の一部はリ
フレクタ33によって反射され、一定の方向へ射出され
る。リフレクタ33の側方には、複数のファン34が設
けられている(図2では1つのファン34のみ図示し、
他は図示省略)。ファン34はランプ32が点灯してい
る間作動され、ケーシング31の内部が過熱状態となる
ことを防止する。
【0045】リフレクタ33の光射出側には、リフレク
タ33からの射出光の光軸Lに沿って、UV/IRカッ
トフィルタ35、絞り39、ターレット36が順に設け
られている。UV/IRカットフィルタ35は、紫外域
及び赤外域の波長の光をカットすることで写真フィルム
22の温度上昇を防止し読取精度を向上させる。
【0046】図4(A)に詳細に示すように、絞り39
は、光軸Lを挟んで配置された一対の板材39Bによっ
て構成されており、これら一対の板材39Bがスライド
して接近離間するようになっている。絞り39の一対の
板材は、スライド方向に沿った一端側から他端側に向け
て、一端側に切り欠き39Aが各々形成されており、ス
ライド方向に直交する方向に沿った断面積が連続的に変
化している。また、板材39Bはそれぞれ、切り欠き3
9Aが形成されている側が対向するように配置されてい
る。一対の板材39Bがスライドして接近又は離間する
ことにより、ランプ32からの光及びリフレクタ33か
らの射出光の光量を調整する。
【0047】ターレット36には、写真フィルム22及
び読取部43に到達する光の色成分を、写真フィルムの
種類(ネガフィルム/リバーサルフィルム)に応じて適
切に設定するネガフィルム用のバランスフィルタ36N
及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pが
嵌め込まれている。
【0048】従って、上記構成とされた本実施の形態で
は、所望の光成分の光となるように、写真フィルムの種
類に応じたフィルタ(36N、36P)の何れかが光軸
L上に位置し、絞り39の位置によって絞り39を通過
する光の光量を所望の光量に調整する。
【0049】拡散ボックス40は、上部になるに従っ
て、即ち、写真フィルム22に近づくに従って、フィル
ムキャリア38によって搬送される写真フィルム22の
搬送方向の長さが狭くなり(図2参照)、この搬送方向
に直交する方向(写真フィルム22の幅方向)の長さが
広がる(図3参照)形状とされている。また、拡散ボッ
クス40の光入射側及び光射出側には光拡散板(図示せ
ず)が各々取付けられている。なお、上記の拡散ボック
ス40は、135サイズの写真フィルム用であるが、他
の写真フィルムに応じた形状の拡散ボックスも用意され
ている。
【0050】拡散ボックス40に入射された光は、フィ
ルムキャリア38(すなわち写真フィルム22)に向け
て、写真フィルム22の幅方向を長手方向とするスリッ
ト光とされ、また、光拡散板によって拡散光とされて射
出される。このように、拡散ボックス40から射出され
る光が拡散光とされることにより、写真フィルム22に
照射される光の光量むらが低減され、フィルム画像に均
一な光量のスリット光が照射されると共に、フィルム画
像に傷が付いていたとしても、この傷が目立ちにくくな
る。
【0051】なお、フィルムキャリア38も拡散ボック
ス40と同様、写真フィルム22の種類毎に各種用意さ
れており、写真フィルム22に応じて選択される。
【0052】フィルムキャリア38の上面及び下面に
は、光軸Lに対応する位置に、開口(図示しない)が形
成されている。これらの開口は、写真フィルム22の幅
方向に、写真フィルム22の幅より長く形成されてい
る。拡散ボックス40からのスリット光は、フィルムキ
ャリア38の下面に設けられた開口を通って写真フィル
ム22に照射され、写真フィルム22の透過光が、フィ
ルムキャリア38の上面に設けられた開口を通って、読
取部43に到達する。
【0053】フィルムキャリア38には、拡散ボックス
40からのスリット光が照射される位置(読取位置)で
写真フィルム22が長手方向に湾曲するように(図2参
照)、写真フィルム22をガイドする図示しないガイド
が設けられている。これにより、読取位置での写真フィ
ルム22は、図3に示すように、幅方向に湾曲すること
なく平面性が確保される。
【0054】なお、フィルムキャリア38は、プレスキ
ャン(予備読み取り)時やファインスキャン(本読み取
り)時において、スキャンされるフィルム画像の濃度等
に応じた複数の速度で写真フィルム22を搬送可能なよ
うに構成されている。レンズユニット50は複数枚のレ
ンズ(各々のレンズは図示省略)から成り、複数枚のレ
ンズの間にはレンズ絞り51が設けられている。図4
(C)に示すように、レンズ絞り51は略C字状に成形
された絞り板51Aを複数枚備えている。各絞り板51
Aは光軸Lの周囲に均等に配置されると共に、一端部が
ピンに軸支されて、このピンを中心として回動可能にな
っている。複数枚の絞り板51Aは図示しないリンクを
介して連結されており、レンズ絞り駆動モータ(後述)
の駆動力が伝達されると同一の方向に回動する。この絞
り板51Aの回動に伴って、光軸Lを中心として絞り板
51Aにより遮光されていない部分(図4(C)におけ
る略星型の部分)の面積が変化し、レンズ絞り51を通
過する光の光量が変化する。
【0055】ラインCCD116は、CCDセル及びフ
ォトダイオード等の光電変換素子が、写真フィルム22
の幅方向に一列に多数配置され、かつ電子シャッタ機構
が設けられたセンシング部が、間隔を空けて互いに平行
に3ライン設けられている。さらに、各センシング部の
光入射側にR、G、Bの色分解フィルタの何れかが各々
取付けられて構成されている(所謂3ラインカラーCC
D)。従って、R、G、Bの各色ごとに異なる光軸が構
成され、これらの光軸からR、G、Bの色分解フィルタ
によって各色ごとに所望の色成分が取り出されて光電変
換素子に入射する。また、各センシング部の近傍には、
多数のCCDセルから成る転送部が各センシング部に対
応して各々設けられており、各センシング部の各CCD
セルに蓄積された電荷は、対応する転送部を介して順に
転送される。
【0056】またラインCCD116の光入射側には、
CCDシャッタ52が設けられている。図4(D)に示
すように、このCCDシャッタ52にはNDフィルタ5
2NDが嵌め込まれている。CCDシャッタ52は、矢
印u方向に回転して、暗補正のためにラインCCD11
6に入射される光を遮光する全閉状態(NDフィルタ5
2NDが嵌め込まれていない部分52B等が、光軸Lを
含む位置52Cに位置する)、通常の読み取りや明補正
のためにラインCCD116に光を入射させる全開状態
(図4(D)の位置)、リニアリティ補正のためにライ
ンCCD116に入射される光をNDフィルタ52ND
によって減光する減光状態(NDフィルタ52NDが位
置52Cに位置する)の何れかの状態に切り替わる。
【0057】図3に示すように、作業テーブル27に
は、写真フィルム22を冷却するための冷却風を生成す
るコンプレッサ94が配置されている。コンプレッサ9
4により生成された冷却風は、案内管95によりフィル
ムキャリア38の図示しない読取部に案内されて、供給
される。これにより、写真フィルム22の読取部に位置
する領域を冷却することができる。なお、案内管95
は、冷却風の流量を検出する流量センサ96を貫通して
いる。
【0058】図5に示したラインCCDスキャナ14の
光学系の主要部を参照しながら、ラインCCDスキャナ
14及び画像処理部16の電気系の概略構成を、図6を
用いて説明する。
【0059】ラインCCDスキャナ14は、ラインCC
Dスキャナ14全体の制御を司るマイクロプロセッサ4
6を備えている。マイクロプロセッサ46には、バス6
6を介してRAM68(例えばSRAM)、ROM70
(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、ランプドラ
イバ53、コンプレッサ94、流量センサ96、及びモ
ータドライバ48が接続されている。ランプドライバ5
3は、マイクロプロセッサ46からの指示に応じてラン
プ32を点消灯させる。また、写真フィルム22のフィ
ルム画像の読み取りの際、写真フィルム22に冷却風を
供給するために、マイクロプロセッサ46は、コンプレ
ッサ94を稼働させる。なお、流量センサ96により冷
却風の流量が検出され、マイクロプロセッサ46は、異
常を検知する。
【0060】また、モータドライバ48には、ターレッ
ト駆動モータ54及びターレット位置センサ55が接続
されている。ターレット駆動モータ54は、図4(B)
に示すように、ターレット36のネガフィルム用のバラ
ンスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバラン
スフィルタ36Pの何れかが光軸Lに位置するようにタ
ーレット36を図4(B)矢印t方向に回転駆動する。
ターレット位置センサ55は、ターレット36の基準位
置(図示しない切り欠け)を検出する。
【0061】さらに、モータドライバ48には、絞り3
9をスライドさせる絞り駆動モータ56、絞り39の位
置を検出する絞り位置センサ57、載置台47(即ち、
ラインCCD116及びレンズユニット50)をガイド
レール42に沿ってスライドさせる読取部駆動モータ5
8、載置台47の位置を検出する読取部位置センサ5
9、レンズユニット50を支持レール49に沿ってスラ
イドさせるレンズ駆動モータ60、レンズユニット50
の位置を検出するレンズ位置センサ61、レンズ絞り5
1の絞り板51Aを回動させるレンズ絞り駆動モータ6
2、レンズ絞り51の位置(絞り板51Aの位置)を検
出するレンズ絞り位置センサ63、CCDシャッタ52
を全閉状態、全開状態及び減光状態の何れかの状態に切
り換えるシャッタ駆動モータ64、シャッタ位置を検出
するシャッタ位置センサ65、ファン34を駆動するフ
ァン駆動モータ37が接続されている。
【0062】マイクロプロセッサ46は、ラインCCD
116によるプレスキャン及びファインスキャンを行う
際に、ターレット位置センサ55によって検出されるタ
ーレット36の位置、及び絞り位置センサ57によって
検出される絞り39の位置に基づき、ターレット駆動モ
ータ54によってターレット36を回転駆動させると共
に、絞り駆動モータ56によって絞り39をスライドさ
せ、フィルム画像に照射される光を調節する。
【0063】また、マイクロプロセッサ46は、レンズ
位置センサ61によって検出されるレンズユニット50
の位置に基づいてレンズ駆動モータ60を駆動させ、レ
ンズユニット50をスライドさせる。
【0064】さらに、マイクロプロセッサ46は、フィ
ルム画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じて
ズーム倍率(読取倍率)を決定する。そして、決定され
たズーム倍率でフィルム画像がラインCCD116によ
って読み取られるように、読取部位置センサ59によっ
て検出される載置台47の位置に基づいて読取部駆動モ
ータ58を駆動させ、載置台47をスライドさせる。こ
のとき、マイクロプロセッサ46は、フィルム画像から
レンズユニット50間での距離と、レンズユニット50
からラインCCD116までの距離が共役長の関係を満
たすように、載置台47とレンズユニット50とを連動
させる。
【0065】なお、ラインCCD116の受光面をレン
ズユニット50によるフィルム画像の結像位置に一致さ
せる合焦制御(オートフォーカス制御)を行う場合に
は、マイクロプロセッサ46は、読取部駆動モータ58
を駆動させて載置台47のみをスライドさせる。この合
焦制御は、一例としてラインCCD116によって読み
取られたフィルム画像のコントラストが最大となるよう
に行う(所謂画像コントラスト法)ことができるが、こ
れに代えて写真フィルム22とレンズユニット50(又
はラインCCD116)との距離を赤外線等により測定
する距離センサを設け、フィルム画像のデータに代えて
距離センサによって検出された距離に基づいて行うよう
にしてもよい。
【0066】一方、ラインCCD116にはタイミング
ジェネレータ74が接続されている。タイミングジェネ
レータ74は、ラインCCD116や後述するA/D変
換器82等を動作させるための各種のタイミング信号
(クロック信号)を発生する。ラインCCD116の信
号出力端は、増幅器76を介してA/D変換器82に接
続されており、ラインCCD116から出力された信号
は、増幅器76で増幅されA/D変換器82でディジタ
ルデータに変換される。
【0067】A/D変換器82の出力端は、相関二重サ
ンプリング回路(CDS)88、インタフェース(I/
F)回路90を順に介して画像処理部16に接続されて
いる。CDS88では、フィードスルー信号のレベルを
表すフィードスルーデータ及び画素信号のレベルを表す
画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素デー
タからフィードスルーデータを減算する。そして、演算
結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応する画
素データ)を、I/F回路90を介してスキャン画像デ
ータとして画像処理部16へ順次出力する。
【0068】なお、ラインCCD116からはR、G、
Bの測光信号が並列に出力されるので、増幅器76、A
/D変換器82、CDS88から成る信号処理系も3系
統設けられており、I/F回路90からは、スキャン画
像データとしてR、G、Bの画像データが並列に、画像
処理部16に入力される。
【0069】更に、画像処理部16には、前述したディ
スプレイ18、キーボード12A、12B、マウス2
0、及びフィルムキャリア38が接続されている。
【0070】また、以上説明したターレット(図4
(B)参照)に限定されず、図7に示すように、赤光を
吸収するシアンフィルタ用のターレット36C、緑光を
吸収するマゼンタフィルタ用のターレット36M、及び
青紫光を吸収するイエローフィルタ用のターレット36
Yにより構成してもよい。ターレット36Cは、濃度の
異なる複数のシアンフィルタ36C1、36C2、36
C3が嵌め込まれている。なお、シアンフィルタ36C
1、36C2、36C3の順に濃度が濃くなっている。
その他のターレット36M、36Yも同様の構成となっ
ている。そして、各ターレット36C、36M、36Y
は、各ターレットの選択されたフィルタ各々が光軸L上
で重なるように、回転可能に支持されている。 (キャリア取付構造の構成)次に、キャリア取付構造に
ついて図8〜図11を参照して詳細に説明する。図9に
示すように、作業テーブル27の上部は、ハウジング1
30を構成するハウジング本体フレーム131と、この
ハウジング本体フレーム131の上部に配置された天板
133と、で構成されている。
【0071】作業テーブル27には、その上面に凹部1
34が形成されている。この凹部134には、支持フレ
ーム45が載置される。また、天板133には、凹部1
34に対応して、略長方形状で後述する枠体136より
若干大きい開口141が形成されている。
【0072】支持フレーム45は、略直方体の偏平な箱
状に形成されると共に下面が開放された枠体136と、
この枠体136の上板136Aに固定されたフレーム体
138と、を有している。さらに、フレーム体138に
は、略箱状に形成されたケーシング44が固定されてい
る。
【0073】図8に示すように、ケーシング44の内部
には、上面にラインCCD116が取付けられた載置台
47が設けられている。
【0074】載置台47は、フレーム体138に取り付
けられたガイドレール42に、変倍やオートフォーカス
時に共役長を確保するために作業テーブル27と接近離
間する方向(矢印A方向)にスライド可能に支持されて
いる。
【0075】載置台47からは支持レール49が複数本
垂下されている。支持レール49には、縮小・拡大等の
変倍のために作業テーブル27と接近離間する方向(矢
印A方向)にスライド可能にレンズユニット50が支持
されている。
【0076】図11に詳細に示すように、枠体136の
上面からは、略円筒状に形成された1又は複数(本実施
の形態では、上面のコーナー近傍に4つ)の筒部140
が、下方、すなわちハウジング128の凹部134の底
面134Aに向かって突設されている。
【0077】筒部140と凹部134の底面134Aと
の間には、防振部材142が介在されている。この防振
部材142を介して枠体136が支持されている。
【0078】防振部材142は、略円柱体形状で軸方向
(上下方向)中央から両端へ向かって次第に縮径された
加硫ゴム製の防振ゴム体144と、この防振ゴム体14
4の上面及び下面に貼着された円板146、148、及
び、これら円板146、148の中央から上方及び下方
に突設された軸部150、152で構成されている。軸
部150の外周には雄ねじが形成されており、筒部14
0の内面に形成された雌ねじに螺合されている。また、
軸部152にも雄ねじが形成されており、軸部152は
スペーサー154を介して、凹部134の下面に形成さ
れた挿通孔156に挿通され、さらにナット158が螺
合されている。以上により、支持フレーム45はハウジ
ング本体フレーム131に対して所定の間隙160を構
成して(換言すれば、支持フレーム45がハウジング本
体フレーム131から浮いた状態で)防振部材142に
よって支持されている。また、読取部43が、ハウジン
グ130を介して設置フレーム122に搭載されている
ことになる。
【0079】本実施形態では、防振部材142を複数
(4つ)設けているため、防振部材142を構成する弾
性体としての防振ゴム体144も複数(4つ)設けられ
ている。これら複数の防振ゴム体144は、全て同一の
固有振動数を有するように、防振ゴム体144に作用す
る支持フレーム45からの荷重を考慮して、所定の弾性
定数に設定されている。
【0080】枠体136の上面には、フィルムキャリア
38を設置するためのキャリア台170が形成されてい
る。キャリア台170は、図10に示すように、中央部
の開口部(図示せず)にプレート172を介して拡散ボ
ックス40が設置されており、両端部にフィルムキャリ
ア38用の一対のガイド部材174とスライド台176
が形成されている。
【0081】ガイド部材174には、複数の回転自在な
コロが配設されており、スライド台176上をスライド
するフィルムキャリア38を所定の方向に案内する。
【0082】なお、キャリア台170においてフィルム
キャリア38の取付面となる上面170Aは天板133
よりも高い位置に形成されている。したがって、上面1
70Aに装着されたフィルムキャリア38が天板133
と接触することはない。
【0083】また、キャリア台170において、フィル
ムキャリア38がスライドしてくる側の角部には、傾斜
面178が形成されている。傾斜面178は、キャリア
台170の上面170Aから作業テーブル27の天板1
33よりも下側まで所定角度に傾斜して形成されてい
る。
【0084】傾斜面178には、傾斜面178よりも摩
擦係数の小さい超高分子ポリエチレンから形成された摺
動部材が貼り付けられている。
【0085】このキャリア台170にスライドさせて装
着されるフィルムキャリア38は、装着(スライド)時
にフィルムキャリア38の端面がキャリア台170に衝
突することのないように、端面にテーパ面200が形成
されている(図8参照)。
【0086】また、フィルムキャリア38の下面には、
図10に示すように、キャリア台170のガイド部材1
74の外側に当接する角柱形状の当接部材202が一組
形成されている。さらに、フィルムキャリア38には、
装着時にフィルムキャリア38と拡散ボックス40が干
渉しないように、切欠部204が形成されている。 (画像読取装置の作用)次に、本実施の形態の画像読取
装置の作用を説明する。
【0087】ラインCCDスキャナ14によって写真フ
ィルム22の画像を読み取るために、オペレータは、ま
ず、写真フィルム22をフィルムキャリア38に装填す
る。この場合、フィルムキャリア38を作業テーブル2
7(天板133)上でキャリア台170に向かって矢印
X方向(図10参照)にスライドさせる。フィルムキャ
リア38の端部に形成されたテーパ面200がキャリア
台170の角部に形成された傾斜面178上を上り、フ
ィルムキャリア38をキャリア台170の上面170A
に到達させる。上面170Aにおいて、フィルムキャリ
ア38の当接部材202がガイド部材174の外側に当
接されてスライド台176上を所定方向に案内され、所
定位置で図示しない係合手段により装着(固定)され
る。この際、キャリア台170に形成された傾斜面17
8にフィルムキャリア38のテーパ面200が乗り上げ
るため、また傾斜面178が天板133より低い位置か
ら形成されているため、フィルムキャリア38の端部が
キャリア台170の角部に衝突することなく、スムーズ
に装着できる。
【0088】このようにして、フィルムキャリア38に
装填された写真フィルム22はラインCCDスキャナ1
4にセットされる。もちろん、フィルムキャリア38を
作業テーブル27にセットし、その後、写真フィルム2
2をフィルムキャリア38に装填するようにしてもよ
い。
【0089】この状態で光源部30から射出された光
は、拡散ボックス40によってスリット光とされ、写真
フィルム22を透過する。さらにこの光は、レンズユニ
ット50を透過してラインCCD116に入射し、写真
フィルム22の画像が読み取られる。
【0090】写真フィルム22の画像を読み取っている
ときに、例えば、作業テーブル27が設置された床面F
(図2及び図3参照)を歩行等すると、床面Fが振動す
る(いわゆる「動作振動」)。この振動は、キャスター
124やストッパ126を介して作業テーブル27に伝
達される。また、画像読取装置10を構成する各部材等
の動作によっても、作業テーブル27が振動する。しか
し、支持フレーム45とハウジング130との間に間隙
160が構成されているので、作業テーブル27の振動
は支持フレーム45に伝達されず、支持フレーム45お
よびフィルムキャリア38が防振される。また、作業テ
ーブル27の振動は防振部材142を振動させるが、防
振部材142を構成する防振ゴム体144が弾性変形す
ることにより、振動のエネルギーが熱エネルギーとして
散逸されるので、支持フレーム45に振動が伝達され
ず、支持フレーム45およびフィルムキャリア38は防
振される。
【0091】また、画像読取の途中で、オペレーターが
キーボードやマウスを操作することによって、ハウジン
グ128に断続的な衝撃(いわゆる「動作衝撃」)が作
用し、ハウジング128が振動する。しかし、ハウジン
グ128とハウジング130との間には間隙132が構
成されているので、ハウジング130はハウジング12
8に対して防振され、ハウジング130の振動が僅かに
なる。さらに、支持フレーム45がハウジング130に
対して、間隙160及び防振部材142によって防振さ
れているので、読取部43全体としても防振され、色ず
れ等が発生することなく高い読取精度で写真フィルム2
2の原稿を読み取ることができる。
【0092】さらに、本実施形態では、防振部材142
が加硫ゴム製の防振ゴム体144によって構成されてお
り、加硫ゴムは一般に内部摩擦が大きいので、振動を効
果的に減衰させることができる。また、防振ゴム体14
4の振動特性を、本実施形態のようなラインCCDスキ
ャナ14において特に画像の読取精度に影響を与える高
周波(例えば100Hz及びその近傍の周波数)の振動
が効果的に減衰されるような振動特性とすることも可能
となる。
【0093】さらにまた、本実施形態では、防振ゴム体
144に作用する支持フレーム45からの荷重を考慮し
て、防振ゴム体144の弾性定数をそれぞれ所定の弾性
定数とし、複数の防振ゴム体144の固有振動数を同一
にしている。このため、支持フレーム45をより効果的
に防振することができる。
【0094】以上のように効果的に防振するキャリア取
付構造において、本実施形態では、特に、フィルムキャ
リア38を作業テーブル27の天板133上をスライド
させてキャリア台170上に装着できるため、装着作業
が容易である。また、装着時にキャリア台170の角部
に設けられた傾斜面178によってフィルムキャリア3
8のテーパ面200が案内されてスムーズに装着され
る。すなわち、装着時にフィルムキャリア38の端部が
キャリア台170の角部に衝突してキャリア台170に
振動を与えることがない。さらに、傾斜面178には、
傾斜面178よりも摩擦係数の小さい摺動部材が貼りつ
けてあるため、フィルムキャリア38のスライドが一層
容易になる。
【0095】キャリア台170に振動を与えてしまう
と、枠体136を介して支持フレーム45全体が振動す
る。したがって、画像読取時にも支持フレーム45およ
びフィルムキャリア38の振動が収束せずに、画像読取
精度が低下してしまうおそれがあった。
【0096】これに対して本実施形態では、フィルムキ
ャリア38が作業テーブル27の天板133上をスライ
ドさせたまま、キャリア台170の傾斜面178を上ら
せて上面170Aにスムーズに装着させることができ
る。すなわち、フィルムキャリア38をキャリア台17
0に衝突させることなく当該キャリア台170に装着さ
せることができるため、装着時にキャリア台170(支
持フレーム45)を振動させることがない。したがっ
て、所定の画像読取精度を確保することができる。
【0097】なお、天板130を嵩上げしてキャリア台
170よりも高くした場合には、天板130側にキャリ
ア台170に向かって下がる傾斜面を形成することによ
っても同様の作用効果を奏することができる。この場合
には、傾斜面の端部の高さがキャリア台170の上面よ
りも高くしてあれば、キャリア台が天板130をスライ
ドした時に角部がキャリア台170に衝突せずに好適で
ある。
【0098】また、フィルムキャリア38の装着時に衝
突等によってキャリア台170等に衝撃を与えないた
め、衝撃によって防振部材142を構成する防振ゴム体
144が過度に弾性変形して破断してしまうことを防止
できる。
【0099】次に、第2の実施形態に係るキャリア取付
構造を適用した画像読取装置について図12および図1
3を参照して説明する。第1実施形態と同様の構成要素
については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省
略する。なお、画像読取装置の概略構成は図1〜図7と
略同様なので省略する。
【0100】第1実施形態のキャリア取付構造と異なる
のは、ソレノイド220が凹部134の底面134Aの
防振部材142近傍に1または複数(本実施形態では4
個)配設されたことである。また、枠体136の上板1
36Aの下部には凹部222が設けられており、ソレノ
イド220が付勢されることによってプランジャ224
が挿入されるようになっている。なお、プランジャ22
4と凹部222の断面形状は略同一である。
【0101】以下、本実施形態の作用について説明す
る。
【0102】第1実施形態と同様にフィルムキャリア3
8を作業テーブル27の天板133上をキャリア台17
0に向かってスライドさせる。フィルムキャリア38の
テーパ面200がキャリア台170の傾斜面178に案
内されてキャリア台170の上面170Aに装着され
る。この際、ソレノイド220が付勢されて断面円形の
プランジャ224が枠体136の上板136Aの凹部2
22に挿入される。ここで、凹部222とプランジャ2
24は断面形状が略同一であるため、凹部222とプラ
ンジャ224の間には遊び(間隙)がほとんどない。し
たがって、プランジャ224が凹部222に挿入される
ことにより、キャリア台170の水平方向への移動が防
止される。例えば、フィルムキャリア38をキャリア台
170に装着する動作によって何らかの衝撃がキャリア
台170に付与されても、キャリア台170が水平方向
に振動することはない。また、この衝撃による振動によ
って防振部材142を構成する防振ゴム体144が過度
に弾性変形して破断してしまうこともない。
【0103】なお、フィルムキャリア38のキャリア台
170に対する装着が終了すると、ソレノイド220が
滅勢されてプランジャ224が凹部222から抜け出
し、枠体136の水平方向の変位を自由にする。したが
って、防振部材142によって支持フレーム45とフィ
ルムキャリア38が防振され、画像読取を精度良く行う
ことができる。
【0104】本実施形態では、ソレノイド220を凹部
134の底面134Aにおいて各防振部材142近傍の
4か所に設けたが、中央に1か所でも良いし、それ以外
の個数でも良い。また、凹部222の形状を断面円形と
したが、凹部222を長孔形状に形成することによっ
て、長孔の長手方向と直角方向への枠体136の移動の
みを防止することもできる。
【0105】また、ソレノイド220の付勢(プランジ
ャ224の凹部222に対する挿入)をフィルムキャリ
ア38の装着時のみに限定しているが、逆に画像読取時
のみ、ソレノイド220を滅勢する(プランジャ224
を凹部222から抜き出す)ように制御しても良い。
【0106】すなわち、図17に示すように、プレスキ
ャン、ファインスキャン時のみソレノイドを滅勢するよ
うにしても良い。このようにすることにより、画像読取
時以外の場合には、防振ゴム体144に負担がかかるこ
とはない。したがって、防振ゴム体144の耐用時間が
延び、コスト的に有利である。
【0107】この際、ソレノイドの滅勢をCCDの駆動
よりも所定時間(図17、A、C参照)早くしなければ
ならない。これは、キャリア台170の振動を収束させ
るためである。また、ソレノイドの付勢もCCDの停止
よりも所定時間(図17、B、D参照)遅くすると好適
である。
【0108】なお、ソレノイド220のプランジャ22
4を直接凹部222に挿入する構成に代えて、図14に
示すような構成にすることもできる。すなわち、凹部1
34の底面134Aに立設された支持部材230に揺動
自在に支持された揺動部材232の一端にソレノイド2
20のプランジャ224を係合させると共に、一端側を
スプリング234で底面134Aと係合させる。一方、
揺動部材232の他端には断面円形の凸部236が形成
されている。したがって、ソレノイド220を付勢する
ことにより凸部236が凹部222に挿入されて枠体1
36の水平方向の振動を防止することができる。
【0109】このように構成することにとより、ソレノ
イド220のプランジャ224の変位量が小さくても凸
部236が凹部222に挿入可能となり、枠体136の
水平方向の振動を防止できる。
【0110】次に、第3の実施形態に係るキャリア取付
構造を適用した画像読取装置について図15および図1
6を参照して説明する。第1実施形態と同様の構成要素
については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省
略する。なお、画像読取装置の概略構成は図1〜図7と
略同様なので省略する。
【0111】第1実施形態のキャリア取付構造と異なる
のは、凹部134の底面134Aに1たまは複数(本実
施形態では4本)のピン部材240が立設されると共
に、枠体136の上板136Aにピン部材240に対応
する孔部242が形成されていることである。
【0112】円形の孔部242は、断面円形のピン部材
240の断面半径よりも所定間隔D分大きく形成されて
いる(図16参照)。
【0113】なお、孔部を凹部134の底面134Aに
設け、ピン部材を枠体136の上板136Aに設けるこ
とによっても同様の効果を奏する。
【0114】また、枠体136の振幅(変位量)が制限
されているため、枠体136が振動した場合にも素早く
振動が収束する。
【0115】なお、本実施形態では、規制手段としてピ
ン部材240と孔部242の構成としたが、凹部134
にストッパーを取り付け、枠体136の変位量を制限す
る構成でも良い。
【0116】また、第2および第3実施形態の画像読取
装置では、フィルムキャリア38をキャリア台170に
スライドさせて取り付けることを前提にして説明してき
たが、スライドさせずにキャリア台170の上部から載
置するタイプにも適用可能である。
【0117】なお、第1〜第3実施形態では、防振構造
として防振ゴム体144を示したが、これに限定される
ものではない。スプリング等、装置本体の振動を画像読
取装置に伝達しないものであれば良い。
【0118】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、キャリアが傾
斜面をスライドしてキャリア取付部に取り付けられるた
め、防振ゴムが過度に変形して破壊されることを防止で
きる。したがって、キャリアに装填された画像情報担体
の画像情報を精度良く読み取ることができる。
【0119】請求項3記載の発明では、キャリアをキャ
リア取付部に装着する時に固定手段によってキャリア取
付部を画像読取装置本体に対して一時的に固定すること
により、装着時の衝撃によって防振ゴムが過度に弾性変
形して破壊されることを防止できるとともに、装着後に
固定を解除することによって防振ゴムによって画像読取
手段およびキャリア取付部(キャリア)を防振する。し
たがって、キャリアに装填された画像情報担体の画像情
報を精度良く読み取ることができる。
【0120】請求項5記載の発明では、規制手段によっ
てキャリア取付部の振幅が制限されているため、振動に
よって防振ゴムが過度に弾性変形して破壊されることを
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第3実施形態に係る画像読取装
置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1〜第3実施形態に係る画像読取装
置の概略的構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1〜第3実施形態に係る画像読取装
置の概略的構成を示す側面図である。
【図4】本発明の第1〜第3実施形態に係る画像読取装
置の(A)は絞り、(B)はターレット、(C)はレン
ズ絞り、(D)はCCDシャッタをそれぞれ示す平面図
である。
【図5】本発明の第1〜第3実施形態に係る画像読取装
置の光学系の主要部を示す概略図である。
【図6】本発明の第1〜第3実施形態に係る画像読取装
置の電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1〜第3実施形態に係る画像読取装
置のターレットの変形例を示す平面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像読取装置にお
けるキャリア取付構造を示す全体概略図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る画像読取装置にお
けるキャリア取付構造を示す分解斜視図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る画像読取装置に
おけるフィルムキャリアの取付方法を示す部分拡大斜視
図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る防振部材及びそ
の近傍を拡大して示す断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る画像読取装置に
おけるキャリア取付構造を示す全体概略図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る防振部材及びソ
レノイドの近傍を拡大して示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る防振部材及びソ
レノイドの近傍を拡大して示す断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る画像読取装置に
おけるキャリア取付構造を示す分解斜視図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る防振部材及びピ
ン部材の近傍を拡大して示す断面図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係るソレノイドの付
勢タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】 10 画像読取装置 38 フィルムキャリア(キャリア) 130 ハウジング(画像読取装置本体) 133 天板(上面) 136 枠体(キャリア取付部) 144 防振ゴム体(防振ゴム) 170 キャリア台(キャリア取付部) 170A 上面(取付面) 178 傾斜面 220 ソレノイド(固定手段) 222 凹部(固定手段) 240 ピン部材(規制手段) 242 孔部(規制手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの振動の影響を低減させる防振
    ゴムで画像読取装置本体に支持された画像読取手段と、
    前記画像読取手段の読取位置に形成され画像情報担体が
    装填されるキャリアが取り付けられるキャリア取付部
    と、を備えたキャリア取付構造であって、 前記キャリアをスライドさせる画像読取装置本体の上面
    と、 前記上面をスライドした前記キャリアが取り付けられる
    前記キャリア取付部の取付面と、 前記上面と前記キャリア取付部の相互に対向する角部の
    うち、少なくとも一方の角部に形成された前記キャリア
    をガイドする傾斜面と、 を備えることを特徴とするキャリア取付構造。
  2. 【請求項2】 前記傾斜面には、当該傾斜面よりも摩擦
    係数が低い摺動部材が貼り付けられることを特徴とする
    請求項1記載のキャリア取付構造。
  3. 【請求項3】 外部からの振動の影響を低減させる防振
    ゴムで画像読取装置本体に支持された画像読取手段と、
    前記画像読取手段の読取位置に形成され画像情報担体が
    装填されるキャリアが取り付けられるキャリア取付部
    と、を備えたキャリア取付構造であって、キャリア取付時に 前記キャリア取付部を画像読取装置本
    体に一時的に固定する固定手段を備えることを特徴とす
    るキャリア取付構造。
  4. 【請求項4】 前記固定手段は、前記キャリア取付部に
    形成された被係合部と、 前記画像読取装置本体に設けられ、前記被係合部に挿入
    抜出可能に構成された係合部材と、 から構成されることを特徴とする請求項3記載のキャリ
    ア取付構造。
  5. 【請求項5】 前記固定手段は、画像読取手段が画像情
    報担体の画像情報を読み取る時を除いて前記画像読取手
    段を前記画像読取装置本体に固定していることを特徴と
    する請求項3または4記載のキャリア取付構造。
  6. 【請求項6】 外部からの振動の影響を低減させる防振
    ゴムで画像読取装置本体に支持された画像読取手段と、
    前記画像読取手段の読取位置に形成され画像情報担体が
    装填されるキャリアが取り付けられるキャリア取付部
    と、を備えたキャリア取付構造であって、 前記キャリア取付部の振幅を制限する規制手段を備える
    ことを特徴とするキャリア取付構造。
  7. 【請求項7】 前記規制手段は、前記キャリア取付部ま
    たは前記画像読取装置本体の一方に形成された孔部と、 前記キャリア取付部または前記画像読取装置本体の他方
    に設けられ、前記孔部に挿入され前記孔部よりも断面積
    の小さいピンと、 から構成されることを特徴とする請求項6記載のキャリ
    ア取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4006497A1 (de) * 2020-11-28 2022-06-01 Netzsch-Gerätebau GmbH Messgerät mit vibrationsdämpfer und verfahren zum abschirmen eines messgeräts gegenüber vibrationen
RU2789887C1 (ru) * 2020-11-28 2023-02-14 Неч-Геретебау Гмбх Измерительный прибор с виброгасителем и способ изолирования измерительного прибора от вибраций

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