JP3482792B2 - 自動変速機の歯車装置 - Google Patents

自動変速機の歯車装置

Info

Publication number
JP3482792B2
JP3482792B2 JP32692496A JP32692496A JP3482792B2 JP 3482792 B2 JP3482792 B2 JP 3482792B2 JP 32692496 A JP32692496 A JP 32692496A JP 32692496 A JP32692496 A JP 32692496A JP 3482792 B2 JP3482792 B2 JP 3482792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
pinion
planetary gear
planetary
central support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32692496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10169729A (ja
Inventor
知 山田
昇 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP32692496A priority Critical patent/JP3482792B2/ja
Publication of JPH10169729A publication Critical patent/JPH10169729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3482792B2 publication Critical patent/JP3482792B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structure Of Transmissions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる自動変速機の歯車装置、特に遊星歯車装置の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から車両などに搭載される自動変速
機には、複数の遊星歯車が採用されており、このなかで
も、自動変速機の軸方向寸法を短縮するため、同軸的に
配置された2組の遊星歯車を、一つのプラネットピニオ
ンを介して連結した、いわゆるラビニョウ型の遊星歯車
が知られており、本願出願人が提案した特開平2−22
9944号などが知られている。
【0003】これは、第1及び第2の遊星歯車を構成す
る、プラネットピニオンをダブルピニオンで構成すると
ともに、このダブルピニオンの内の一方を全長の長いロ
ングピニオンで構成して、第1及び第2遊星歯車のサン
ギアまたはリングギアにこのロングピニオンがそれぞれ
歯合して、第1及び第2遊星歯車が一体に連結され、自
動変速機の軸方向寸法を短縮して、小型、軽量化を推進
するものである。
【0004】そして、入力軸からの駆動力は、3つのク
ラッチを介して第1または第2遊星歯車装置へ選択的に
入力され、また、第1及び第2遊星歯車の各回転要素
は、3つのブレーキを介して選択的に締結されて、5つ
の回転メンバを構成し、これらクラッチ及びブレーキの
動作の組み合わせによって、任意の変速段と前進、後進
を選択している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機の歯車装置にあっては、上記5つの回転
メンバのうち、入力側を構成する回転メンバは5重構造
となっているため、同軸的に配置された第1及び第2遊
星歯車の入力側の軸構造を5重の管構造にする必要が生
じ、各回転メンバの軸受構造が複雑となるだけでなく、
加工または組立時の寸法公差などによって、5重の軸を
所定の同軸度以内に収めるのは非常に難しく、自動変速
機の振動、騒音が増大するのに加えて、製造コストが増
大するという問題があった。
【0006】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、同軸上で重複する軸の数を低減して、振
動、騒音及び製造コストの低減が可能な自動変速機の歯
車装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、互いに歯
合する第1リングギア、第1サンギア及び第1ピニオン
と、該第1ピニオンを回転自在に支持する第1キャリア
とからなる第1遊星歯車と、互いに歯合する第2リング
ギア、第2サンギア及び第2ピニオンと、該第2ピニオ
ンを回転自在に支持する第2キャリアとからなる第2遊
星歯車と、前記第1ピニオンと第2ピニオンとに歯合し
て、第1遊星歯車と第2遊星歯車とを一体に連結するロ
ングピニオンと、前記第1遊星歯車と第2遊星歯車の間
で前記第1ピニオンと第2ピニオンとを自転自在に支持
するとともに、前記第1キャリア及び第2キャリアと一
体的に回転軸まわりに公転可能な中央支持部材と、前記
第1リングギア、第1サンギア、第1キャリア、第2リ
ングギア、第2サンギア、第2キャリア及び中央支持部
材から構成された複数の回転メンバとを備えた自動変速
機の歯車装置において、前記回転メンバのうちの少なく
とも3つに第1ないし第3の締結部材を設けて、入力軸
と選択的に結合するとともに、他の回転メンバのうちの
一つを出力軸と連結し、前記中央支持部材をケーシング
側へ選択的に係止する第4の締結部材を、第1遊星歯車
と第2遊星歯車と同軸的に配置するとともに、一体に連
結された第1遊星歯車または第2遊星歯車よりも出力軸
側に配置し、前記中央支持部材と第4締結部材の間には
筒状の連結部材を設けるとともに、この連結部材の一端
を前記第1遊星歯車または第2遊星歯車の外径より小さ
くなるように形成し、この連結部材の一端で前記第4の
締結部材と結合する一方、他端で前記中央支持部材と結
合する。
【0008】
【0009】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記中央支持部材は、スプラインを介して前記
結部材と連結する。
【0010】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、第1遊星歯
車と第2遊星歯車の間で第1ピニオンと第2ピニオンと
を回転自在に支持する中央支持部材を設けて、この中央
締結部材をケーシング側へ選択的に係止する第4締結部
材を設けることで、入力軸からの駆動力を第1または第
2遊星歯車へ伝達する回転メンバの軸の数を少なくとも
3つとすることができ、これら3つの軸は同軸上に配置
されて3重構造となり、少なくとも2つの軸を中空軸と
すれば自動変速機を容易に構成でき、前記従来例のよう
な5重構造の軸に比して軸の数を低減することができ、
各回転メンバの軸受構造を簡易にするとともに、加工ま
たは組立時の寸法公差などによる3重の軸の同軸度を所
定値以内に収めることが容易となり、ラビニョウ型遊星
歯車を用いた自動変速機の振動、騒音及び製造コストを
低減することが可能となるのである。
【0011】そして、前記中央支持部材をケーシング側
へ選択的に係止する第4の締結部材を、第1遊星歯車と
第2遊星歯車と同軸的に配置するとともに、一体に連結
された第1遊星歯車または第2遊星歯車よりも出力軸側
に配置し、前記中央支持部材と第4締結部材の間には筒
状の連結部材を設けるとともに、この連結部材の一端を
前記第1遊星歯車または第2遊星歯車の外径より小さく
なるように形成し、この連結部材の一端で前記第4の締
結部材と結合したため、第1及び第2遊星歯車近傍のケ
ーシングの外径を増大することなく中央支持部材と第4
締結部材をケーシング内に収装することができ、例え
ば、ケーシングは入力軸側から出力軸へ向かうにつれて
徐々に外径を縮小するように形成され、中央支持部材を
備えたラビニョウ型遊星歯車を用いる自動変速機の小型
化、軽量化を推進することが可能となる。
【0012】また、第2の発明は、連結部材と中央支持
部材の結合は、スプラインを介して入出力軸の軸線と平
行して行われるため、例えば、第4締結部材と連結部材
を入力軸側からケーシング内周へ組み付けた後、第1及
び第2遊星歯車に予め組み付けられた中央支持部材を、
同様に入力軸側からケーシング内周へ回転軸に沿って挿
入すれば、スプラインを介して中央支持部材と連結部材
を容易に結合することができ、自動変速機の組付け作業
を容易かつ迅速に行って生産性を向上することができ、
中央支持部材を備えたラビニョウ型遊星歯車を用いる自
動変速機の小型化、軽量化と生産性の向上を両立させる
ことが可能となるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0014】図1〜図4において、遊星歯車列は同軸上
に配置された第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2
から構成され、第1遊星歯車PG1側に入力軸1が配置
され、第2遊星歯車PG2側に出力軸2が配置される。
【0015】第1遊星歯車PG1は、第1リングギアR
1と第1サンギアS1の間に、相互に歯合するとともに
第1サンギアS1のまわりを公転する第1ショートピニ
オンPS1とロングピニオンPLから構成されたダブル
ピニオン型のキャリアを介装しており、第1ショートピ
ニオンPS1が第1リングギアR1と歯合する一方、ロ
ングピニオンPLが第1サンギアS1と歯合し、これら
第1ショートピニオンPS1とロングピニオンPLとを
回転自在に支持するフロントプレート4が第1キャリア
を構成する。
【0016】そして、ロングピニオンPLは、第2遊星
歯車PG2へ向けて突出して、後述するように、第2遊
星歯車PG2のショートピニオンPS2と歯合する。
【0017】第2遊星歯車PG2は、第2リングギアR
2と第2サンギアS2の間に、ダブるピニオン型のキャ
リアを介装しており、このキャリアは、上記第1遊星歯
車PG1から突出したロングピニオンPLと相互に歯合
する第2ショートピニオンS2から構成されて第2サン
ギアS2のまわりを公転する。
【0018】そして、第2ショートピニオンPS2が第
2リングギアR2と歯合する一方、ロングピニオンPL
が第2サンギアS2と歯合し、これら第2ショートピニ
オンPS2とロングピニオンPLとを回転自在に支持す
るリアプレート5が第2キャリアを構成する。
【0019】第1及び第2遊星歯車PG1、PG2は、
それぞれのサンギアS1、S2まわりを公転するロング
ピニオンPLを介して連結される。
【0020】第1及び第2遊星歯車PG1、PG2のキ
ャリアは、図1、図2に示すように、ロングピニオンP
Lを中心とする回転メンバM3を構成し、ロングピニオ
ンPLの両端はフロントプレート4及びリアプレート5
を介して軸支される。
【0021】フロントプレート4は第1遊星歯車PG1
の第1ショートピニオンPS1を自転自在に軸支し、リ
アプレート5が第2遊星歯車PG2の第2ショートピニ
オンPS2を自転自在に軸支しており、このうちリアプ
レート5は入出力軸1、2と同軸的に配置された軸A1
に連結されて、ロングピニオンPLと第1及び第2ショ
ートピニオンPS1、PS2を公転可能に支持する。ま
た、ロングピニオンPL両端のフロントプレート4及び
リアプレート5を介して第1遊星歯車PG1と第2遊星
歯車PG2が一体に連結される。
【0022】ここで、第1及び第2遊星歯車PG1、P
G2の第1及び第2ショートピニオンPS1、PS2
は、図1、図2のように、ロングピニオンPLの軸方向
の途中に設けた中央支持部材としてのセンタープレート
6を介して第4締結部材としてのブレーキB2と連結す
る。
【0023】ロングピニオンPLは、図2〜図4のよう
に、第1遊星歯車PG1の第1サンギアS1と歯合する
ギアG1と、第2遊星歯車PG2の第2リングギアR1
と歯合するギアG2を備え、これらギアG1、G2の間
の軸部PLsでセンタープレート6に設けた貫通孔6A
に挿通される。なお、本実施例においては、ギアG1の
歯数がギアG2の歯数よりも大きく設定される。
【0024】このセンタープレート6は、図2に示すよ
うに、ほぼ「L」字状の板状部材で形成され、上記貫通
孔6Aを形成した一端でロングピニオンPLと連結する
一方、出力軸2側へ屈曲して筒状に形成された他端で
は、内周に設けたスプライン部7を介して筒状の連結部
材8と結合する。なお、スプライン部7は入出力1、
2の軸線と平行に形成される。
【0025】そして、連結部材8の出力軸2側の端部と
ケーシング3との間には、連結部材8を介してセンター
プレート6を選択的に係止可能なブレーキB2が設けら
れ、また、屈曲したセンタープレート6の端部で結合し
た筒状の連結部材8によって、ブレーキB2を第2遊星
歯車PG2よりも出力軸2側に配置することができ、第
2遊星歯車PG2近傍のケーシング3の外径を増大する
必要がなくなって、ケーシング3は入力軸1側から出力
軸2へ向かうにつれて徐々に外径を縮小することができ
る。
【0026】ロングピニオンPLは、リアプレート5を
介して軸A1と連結されるため、センタープレート6も
軸A1と一体となって回転する回転メンバM3を構成
し、この回転メンバM3は、一端に設けたクラッチC1
(第1締結部材)を介して入力軸1と選択的に結合する
一方、回転メンバM3の他端となるセンタープレート6
側に設けたブレーキB2によってケーシング3側へ選択
的に係止される。
【0027】軸A1の外周には筒状の軸A2が軸支さ
れ、この軸A2の一端には第2締結部材としてのクラッ
チC2が配設されて入力軸1と選択的に結合する一方、
他端には第2遊星歯車PG2の第2サンギアS2が結合
され、これら軸A2、第2サンギアS2が回転メンバM
1を構成する。
【0028】さらに、軸A2の外周には、筒状の軸A3
が軸支され、この軸A3の一端には第3締結部材として
のクラッチC3が配設されて入力軸1と選択的に結合す
る一方、他端には第1遊星歯車PG1の第1サンギアS
1が結合され、この軸A3の途中とケーシング3の間に
はブレーキB1が配設されて、軸A3が選択的に係止さ
れる。そして、これら軸A3、第1サンギアS1が、回
転メンバM5を構成する。
【0029】また、回転メンバM4を構成する第1遊星
歯車PG1の第1リングギアR1とケーシング3との間
にはブレーキB3が介装され、ブレーキB3の作動に応
じて第1リングギアR1は選択的に係止される。
【0030】そして、第2遊星歯車PG2の第2リング
ギアR2は出力軸2と結合して、回転メンバM2を構成
する。
【0031】したがって、各回転メンバM1〜M5の構
成要素及び締結要素は次のようになる。
【0032】回転メンバM1;クラッチC2、軸A2、
第2サンギアS2 回転メンバM2;第2リングギアR2、出力軸2 回転メンバM3;クラッチC1、軸A1、ロングピニオ
ンPL、センタープレート6、第1及び第2ショートピ
ニオンPS1、PS2、ブレーキB2 回転メンバM4;第1リングギアR1、ブレーキB3 回転メンバM5;クラッチC3、軸A3、第1サンギア
S1、ブレーキB1 なお、第2リングギアR2と出力軸2を結合する回転メ
ンバM2は、図2に示すように、端部内周に形成したス
プライン部9を介して出力軸2と結合する。
【0033】以上のように構成されて、次に作用につい
て説明する。
【0034】各クラッチC1〜C3及びブレーキB1〜
B3を、図11に示すように、選択的に締結、解除する
ことにより回転メンバM1〜M5の相対回転が変更さ
れ、所定の変速段に変速される。
【0035】以下に各変速段における各変速メンバM1
〜M5の動作について、図5〜図10及び図11を参照
しながら詳述する。
【0036】[第1速]第1速に設定するには、図11
及び図5(A)に示すように、クラッチC2及びブレー
キB2を締結して、回転メンバM1の第2サンギアS2
を入力とし、ブレーキB2の締結によって公転を停止し
た回転メンバM3を介して、出力軸2と結合した回転メ
ンバM2から駆動力を出力する。
【0037】すなわち、ブレーキB2の締結によってセ
ンタープレート6がケーシング3側に係止されて公転を
停止するため、ロングピニオンPLの第2サンギアS2
へ入力された駆動力は、第2遊星歯車の第2ショートピ
ニオンPS2、ロングピニオンPLの自転によって第2
リングギアR2を駆動する。
【0038】なお、図5(A)において、図中斜線で示
した締結要素(クラッチ、ブレーキ)は締結状態を、そ
の他は解放状態をそれぞれ示し、同じく図中斜線で示し
た回転要素が動力伝達経路を示す。
【0039】この第1速における変速比は、図5(B)
の変速線図のようになる。この変速線図は、横軸が各回
転メンバの歯数比を示し、縦軸がその回転数を示してお
り、0以上の正の回転数が前進方向となり、負の回転数
が更新となる。そして、横軸上には、各回転メンバM1
〜M5が構成するギアの歯数比に応じて配置される。
【0040】回転メンバM3はブレーキB2によって係
止されて回転数=0となり、クラッチC2を介して入力
軸1と連結した回転メンバ1が入力軸回転数となって、
図中C2、B2を結ぶ直線と回転メンバM2の歯数比と
の交点が出力軸2と結合した回転メンバM2の回転数と
なり、この場合では、最も小さい回転数、すなわち、最
大の変速比に設定される。
【0041】[第2速]第2速に設定するには、図11
及び図6(A)に示すように、クラッチC2及びブレー
キB3を締結して、回転メンバM1の第2サンギアS2
を入力とし、ブレーキB3の締結によって回転メンバM
4が公転を停止するため、第1及び第2リングギアR
1、R2と第2サンギアS2との間を公転する回転メン
バM3を介して、出力軸2と結合した回転メンバM2へ
駆動力が伝達される。
【0042】すなわち、ブレーキB3の解放によってセ
ンタープレート6が公転自在となり、第2サンギアS2
へ入力された駆動力は、第1リングギアR1が停止する
ため、第1ショートピニオンPS1と第2遊星歯車の第
2ショートピニオンPS2、ロングピニオンPLの公転
及び自転に応じて第2リングギアを駆動する。
【0043】この第1速における変速比は、図6(B)
の変速線図のように、第1速よりも増大する。
【0044】[第3速]第3速に設定するには、図11
及び図7(A)に示すように、クラッチC2及びブレー
キB1を締結して、回転メンバM1の第2サンギアS2
を入力とし、ブレーキB1の締結によって回転メンバM
5を構成する第1サンギアS1が公転を停止するため、
第2リングギアR2と第2サンギアS2との間を公転す
る回転メンバM3を介して、出力軸2と結合した回転メ
ンバM2へ駆動力が伝達される。
【0045】すなわち、ブレーキB3の解放によってセ
ンタープレート6が公転自在となる一方、ブレーキB1
の締結によって回転メンバM5の第1サンギアS1が停
止するため、第2サンギアS2へ入力された駆動力は、
第1遊星歯車PG1の第1サンギアS1の歯数に応じて
公転及び自転するロングピニオンPLと、第2遊星歯車
の第2ショートピニオンPS2の公転及び自転に応じて
第2リングギアR2を駆動する。
【0046】この第2速における変速比は、図7(B)
の変速線図のように、第2速よりもさらに増大する。
【0047】[第4速]第4速に設定するには、図11
及び図8(A)に示すように、クラッチC1、C2を締
結する一方、すべてのブレーキを解放し、回転メンバM
1と回転メンバM3を入力軸に結合する。
【0048】ブレーキB2は解放状態となって回転メン
バM3は公転自在となって、第2遊星歯車PG2のロン
グピニオンPL及び第2ショートピニオンPS2の公転
速度とサンギアS2の回転速度が一致するため、入力軸
1の回転数がそのまま回転メンバM2へ出力される直結
状態となり、図8(B)にも示すように、変速比は1と
なる。
【0049】[第5速]第5速に設定するには、図11
及び図9(A)に示すように、クラッチC1及びブレー
キB1を締結して、回転メンバM3のロングピニオンP
Lを入力とし、ブレーキB1の締結によって回転メンバ
M5を構成する第1サンギアS1が公転を停止するた
め、第2リングギアR2と第1サンギアS1の間を公転
及び自転するロングピニオンPLを介して、出力軸2と
結合した回転メンバM2へ駆動力が伝達される。
【0050】変速比は第1サンギアS1と第2リングギ
アR2の歯数比となるため、図9(B)のように出力軸
2(回転メンバM2)の回転数は入力軸1(回転メンバ
M3)よりも大きくなり、いわゆるオーバートップに設
定される。
【0051】[後進]後進位置に設定するには、図11
及び図10(A)に示すように、クラッチC3及びブレ
ーキB2を締結して、回転メンバM5の第1サンギアS
1を入力とする一方、ブレーキB3の締結によって回転
メンバM3は、センタープレート6がケーシング3側に
係止されて公転を停止するため、ロングピニオンPLの
自転によって第1サンギアS1から第2リングギアR2
へ駆動力が伝達される。
【0052】このとき、出力軸2と連結した第2リング
ギアR2は、図10(B)にも示すように上記第1速〜
第5速に対して逆転するため車両を後進させることがで
き、この変速比は、第2リングギアR2と第1サンギア
S1との歯数比となる。
【0053】以上のように、各締結要素(クラッチ及び
ブレーキ)を選択的に作動させることにより、駆動力の
入力経路を第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2と
の間で切り替えることができ、上記のように任意の変速
段と前後進を設置することができるのである。
【0054】ここで、図1に示したように、入力軸1か
らの駆動力を第1または第2遊星歯車PG1、PG2へ
伝達する回転メンバM3、M1、M5の軸A1、A2、
A3は、同軸上に配置されて3重構造となり、少なくと
も軸A2、A3を中空軸として軸支すれば自動変速機を
容易に構成でき、前記従来例のような5重構造の軸に比
して軸の数を低減することができ、各回転メンバの軸受
構造を簡易にして、加工または組立時の寸法公差などに
よる3重の軸の同軸度を所定値以内に収めることが容易
となり、ラビニョウ型遊星歯車を用いた自動変速機の振
動、騒音及び製造コストを低減することが可能となるの
である。
【0055】また、センタープレート6を選択的に係止
するブレーキB2を、図2に示したように、第2遊星歯
車PG2よりも出力軸2側に配置するとともに、筒状の
連結部材8を介してセンタープレート6とブレーキB2
を連結するようにしたため、第1及び第2遊星歯車PG
1、PG2近傍のケーシング3の外径を増大することな
くブレーキB2を配設でき、ケーシング3は入力軸1側
から出力軸2へ向かうにつれて徐々に外径を縮小すこと
ができ、センタープレート6を備えたラビニョウ型遊星
歯車を用いる自動変速機の小型化を推進できるのであ
る。
【0056】さらに、連結部材8とセンタープレートの
結合は、スプライン部7を介して入出力軸1、2の軸線
と平行して行われるため、例えば、図2において、ブレ
ーキB2及び連結部材8を図中左側の入力軸1(図示せ
ず)側からケーシング3内周へ組み付けた後、第1及び
第2遊星歯車PG1、PG2に予め組み付けられたセン
タープレート6を、同様に図中左側の入力軸側からケー
シング3内周へ回転軸(入出力軸1、2)に沿って挿入
すれば、スプライン部7を介して連結部材8とセンター
プレート6を容易に結合することができる。
【0057】したがって、第1及び第2遊星歯車PG
1、PG2とブレーキB2を回転軸上で順次配置した場
合の組付け作業を容易かつ迅速に行って生産性を向上す
ることができ、センタープレート6を備えたラビニョウ
型遊星歯車を用いる自動変速機の小型化と生産性を両立
させることが可能となるのである。
【0058】なお、上記実施形態において、スプライン
部7を介してセンタープレート6と連結部材8を結合し
たが、このスプライン部7に代わってセレーションによ
って結合する構造としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動変速機のスケル
トン図。
【図2】同じく自動変速機の遊星歯車機構を示す要部の
半断面図。
【図3】同じく、第1遊星歯車の径方向の概略断面図。
【図4】同じく、第2遊星歯車の径方向の概略断面図。
【図5】第1速を選択した場合の、クラッチ、ブレーキ
及び回転メンバの関係を示し、(A)はスケルトン図
で、図中斜線の部分が駆動力の伝達経路となる要素を示
し、(B)は変速線図を示す。
【図6】第2速を選択した場合の、クラッチ、ブレーキ
及び回転メンバの関係を示し、(A)はスケルトン図
で、図中斜線の部分が駆動力の伝達経路となる要素を示
し、(B)は変速線図を示す。
【図7】第3速を選択した場合の、クラッチ、ブレーキ
及び回転メンバの関係を示し、(A)はスケルトン図
で、図中斜線の部分が駆動力の伝達経路となる要素を示
し、(B)は変速線図を示す。
【図8】第4速を選択した場合の、クラッチ、ブレーキ
及び回転メンバの関係を示し、(A)はスケルトン図
で、図中斜線の部分が駆動力の伝達経路となる要素を示
し、(B)は変速線図を示す。
【図9】第5速を選択した場合の、クラッチ、ブレーキ
及び回転メンバの関係を示し、(A)はスケルトン図
で、図中斜線の部分が駆動力の伝達経路となる要素を示
し、(B)は変速線図を示す。
【図10】後進を選択した場合の、クラッチ、ブレーキ
及び回転メンバの関係を示し、(A)はスケルトン図
で、図中斜線の部分が駆動力の伝達経路となる要素を示
し、(B)は変速線図を示す。
【図11】各クラッチ及びブレーキの作動に応じた変速
段の設定を示す変速論理図で、図中○印のものがクラッ
チまたはブレーキの締結状態を示し、その他空欄のもの
が解放状態であることを示している。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 ケーシング 4 フロントプレート 5 リアプレート 6 センタープレート 7 スプライン部 8 連結部材 9 スプライン部 PG1 第1遊星歯車 PL ロングピニオン PS1 第1ショートピニオン S1 第1サンギア R1 第1リングギア PG2 第2遊星歯車 S2 第2サンギア R2 第2リングギア PS2 第2ショートピニオン M1〜M5 回転メンバ C1、C2、C3 クラッチ B1、B2、B3 ブレーキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−172199(JP,A) 特開 平1−141256(JP,A) 特開 平2−229944(JP,A) 特開 平8−93864(JP,A) 特開 平1−247850(JP,A) 特開 平2−129442(JP,A) 特開 昭62−141344(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/00 - 3/78

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに歯合する第1リングギア、第1サン
    ギア及び第1ピニオンと、該第1ピニオンを回転自在に
    支持する第1キャリアとからなる第1遊星歯車と、 互いに歯合する第2リングギア、第2サンギア及び第2
    ピニオンと、該第2ピニオンを回転自在に支持する第2
    キャリアとからなる第2遊星歯車と、 前記第1ピニオンと第2ピニオンとに歯合して、第1遊
    星歯車と第2遊星歯車とを一体に連結するロングピニオ
    ンと、 前記第1遊星歯車と第2遊星歯車の間で前記第1ピニオ
    ンと第2ピニオンとを自転自在に支持するとともに、前
    記第1キャリア及び第2キャリアと一体的に回転軸まわ
    りに公転可能な中央支持部材と、 前記第1リングギア、第1サンギア、第1キャリア、第
    2リングギア、第2サンギア、第2キャリア及び中央支
    持部材から構成された複数の回転メンバとを備えた自動
    変速機の歯車装置において、 前記回転メンバのうちの少なくとも3つに第1ないし第
    3の締結部材を設けて、入力軸と選択的に結合するとと
    もに、他の回転メンバのうちの一つを出力軸と連結し、
    前記中央支持部材をケーシング側へ選択的に係止する第
    4の締結部材を、第1遊星歯車と第2遊星歯車と同軸的
    に配置するとともに、一体に連結された第1遊星歯車ま
    たは第2遊星歯車よりも出力軸側に配置して、 前記中央支持部材と第4締結部材の間には筒状の連結部
    材を設けるとともに、この連結部材の一端を前記第1遊
    星歯車または第2遊星歯車の外径より小さくなるように
    形成し、この連結部材の一端で前記第4の締結部材と結
    合する一方、他端で前記中央支持部材と結合した ことを
    特徴とする自動変速機の歯車装置。
  2. 【請求項2】前記中央支持部材は、スプラインを介して
    前記連結部材と連結したことを特徴とする請求項1に記
    載の自動変速機の歯車装置。
JP32692496A 1996-12-06 1996-12-06 自動変速機の歯車装置 Expired - Fee Related JP3482792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32692496A JP3482792B2 (ja) 1996-12-06 1996-12-06 自動変速機の歯車装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32692496A JP3482792B2 (ja) 1996-12-06 1996-12-06 自動変速機の歯車装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10169729A JPH10169729A (ja) 1998-06-26
JP3482792B2 true JP3482792B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=18193288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32692496A Expired - Fee Related JP3482792B2 (ja) 1996-12-06 1996-12-06 自動変速機の歯車装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3482792B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10169729A (ja) 1998-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6699150B2 (en) Automatic transmission apparatus
US8480528B2 (en) Coaxial transmission
JP2004522097A (ja) 多段変速機
US11448298B2 (en) Multi-speed planetary transmission for a vehicle with at least one electric machine
WO2021073184A1 (zh) 无动力中断的两挡变速电桥驱动系统
TWI693355B (zh) 利用變速馬達和行星齒輪機構的自行車變速裝置
JP4140267B2 (ja) 車両用差動歯車装置
JP2001315543A (ja) 四輪駆動車用トランスファ装置
JP3482792B2 (ja) 自動変速機の歯車装置
JP3830448B2 (ja) 自動変速機用歯車変速装置
JPH0776581B2 (ja) 自動変速機のギアトレーン
JP3998932B2 (ja) 車両用四輪駆動装置
JP2004114945A (ja) 車両用駆動装置およびその組み立て方法
WO2023171054A1 (ja) 装置
JP2003106387A (ja) 自動変速機
JP3473190B2 (ja) 自動変速機
JP2003184965A (ja) 自動変速機
CN218777402U (zh) 两电机驱动桥结构
WO2023074806A1 (ja) 車両用駆動伝達装置
WO2023238400A1 (ja) 遊星歯車減速機
JP2011157055A (ja) 車両のトランスファ
JPS63243551A (ja) 遊星歯車変速装置
JP2007327536A (ja) 変速機
JP2979762B2 (ja) 遊星歯車式差動装置
JPH07167230A (ja) 車両用自動変速装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees