JP3481811B2 - 色相に優れたニトリル系共重合体樹脂組成物 - Google Patents
色相に優れたニトリル系共重合体樹脂組成物Info
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Description
合体樹脂組成物に関し、特に例えば各種電気製品、事務
機器のハウジングや内部部品、及び玩具や日用品等の雑
貨製品、さらに具体的に例えれば、電気冷蔵庫の内部部
品や化粧品容器等に用いられる共重合体樹脂組成物に関
し、特に優れた色相を有する樹脂材料として使用される
ものである。
性、成形安定性、寸法安定性、機械的強度のバランスが
優れているため、各種製品の成形材料に使用されてい
る。特にニトリル系共重合体は耐薬品性、剛性が優れて
いるため、電気冷蔵庫のトレーやドアポケット、食品容
器、化粧品容器などに使用されている。これらの成形品
は清潔感を得るため色相が重視され、黄味の無い透明
性、または透明ではなくともスーパーホワイトと呼ばれ
るような鮮やかな白色が要求されている。
トリル基を有する為、熱的に不安定で、従来から鮮やか
で優れた色相の成形物を得るためには問題があり、十分
に要求に応えることが困難であった。
め、160℃以上の熱履歴により黄変が生じやすく、安
定した色相を得る上でも問題があった。
るため、補色系の青系の染料を添加したり、共重合体中
のニトリル系単量体の含有量を減じることが行われてき
た。しかし、前者は熱による黄変化を防止するには十分
ではなく、後者は黄変化は防止できるがニトリル系単量
体を含むスチレン系樹脂の特徴である耐薬品性や剛性が
損なわれてしまい充分ではなかった。
具体的に説明するが、例えば、成形加工物の黄味が小さ
いこと、及び成形加工温度が変化しても色相が変化しに
くく、黄変度が小さいこと、またニトリル系重合体の押
出しを繰り返しても色相の変化が少なく黄味が大きくな
らないことをいうものである。
共重合体の特徴である耐薬品性や剛性、及び成形加工性
を損なうことなく、色相及び熱による黄変性を改良する
ことを目的とする。
を解決するため鋭意検討した結果、驚くべき事に、特定
の条件でニトリルを含む単量体の共重合反応を行い、な
おかつ得られた共重合体の分子量分布が特定の範囲にあ
り、更に特別の構造をもつ化合物を極めて微量含有させ
ることにより、成形物の色相や熱による変色性を改善で
きることを見いだし本発明に到達した。すなわち本発明
はいかにより構成される。
成分として含む共重合体が、(1)溶液もしくは、塊状
重合で製造され、なおかつ(2)分子量分布指数(PD
I)が、1.8≦PDI≦2.7の範囲にあり、なおか
つ(3)該共重合体100重量部に対して、0.002
〜1.0重量部の一般式(1)(化2)の化合物を含有
することを特徴とするニトリル系共重合体樹脂組成物。
ロキシアルキル基を、R 2 及びR 3 は、水素、アルキル基
またはヒドロキシアルキル基を表し、R 2 とR 3 は同一で
も、異っていても良い。) 一般式(1)のR1が炭
素数1〜26のアルキル基またはヒドロキシアルキル
基、R2が水素、炭素数1〜6のアルキル基またはヒド
ロキシアルキル基、R3が水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基またはヒドロキシアルキル基であることを特徴とす
る記載のニトリル系共重合体樹脂組成物。
0〜40重量%であることを特徴とするまたは記載
のニトリル系共重合体樹脂組成物。
に炭素数12〜24の高級アルコール0.03〜0.3
重量部を含有することを特徴とする〜のおのおの記
載のニトリル系共重合体樹脂組成物。
が、1.9≦PDI≦2.4の範囲にあることを特徴と
する〜のいずれか記載のニトリル系共重合体樹脂組
成物。
に、分子量調節剤として硫黄化合物を存在させて得られ
た共重合体であって、該共重合体中の硫黄化合物の量が
共重合体100重量部に対して、硫黄として測定したと
き0.0005〜0.05重量部である事を特徴とする
〜のいずれか記載のニトリル系共重合体樹脂組成
物。
ン系単量体の少なくとも二成分を必須の共重合体成分と
して含むことを特徴とする〜のいずれか記載のニト
リル系共重合体樹脂組成物。
する。
用され、これはニトリル系単量体とこれと共重合できる
単量体との共重合体である。本発明のニトリル系共重合
体に使用されるニトリル系単量体としては、不飽和二重
結合を有するニトリル化合物またはその誘導体であり、
例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、α
−クロロアクリロニトリル、ブチロニトリル、ペンチロ
ニトリル、ヘキシロニトリル、ヘプチロニトリル等の一
種以上が用いられ、アクリロニトリル及びメタアクリロ
ニトリルが好ましく用いられる。
量体はニトリル系単量体と共重合できるものであれば特
に限定するものではないが、スチレン系単量体、アルキ
ルアクリレート系単量体、アルキルメタクリレート系単
量体、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド等のマ
レイミド系単量体等の単量体が用いられる。好ましくは
スチレン系単量体、アクリレート系単量体が用いられ
る。
ば、スチレン、α−メチルスチレン、o,m,p−メチ
ルスチレン、o,m,p−エチルスチレン類、o,m,
p−イソプロピルスチレン類、o,m,p−ブチルスチ
レン類のビニル置換又は各置換のアルキルスチレン類、
α,o,m,p−プロモスチレン、α,o,m,p−ク
ロスチレン類等のビニル置換又は核置換のハロゲン化ス
チレン類、ハロゲン化アルキルスチレン類等の一種以上
が用いられる。これらの中では、特にスチレン及びパラ
メチルスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
は、ブタジエン系ゴム、ブタジエンスチレン系ゴム、ア
クリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム等ゴム状
重合体に少なくとも一つのニトリル系単量体をグラフト
共重合したものも含まれる。
含有量は特に制限されないが、共重合体を100重量部
とするとき、好ましくは10〜40重量部、特に好まし
くは13〜35重量部の量が、共重合体の組成として含
まれるものである。
量体が好ましく、共重合体が上記の二成分の単量体系よ
り成る時は、好ましくは、共重合体を100重量部とす
るとき、ニトリル系単量体が10〜40重量部、スチレ
ン系単量体が90〜60重量部、特に好ましくはニトリ
ル系単量体が13〜35重量部、スチレン系単量体が8
7〜65重量部である。
有するニトリル系共重合体樹脂組成物の場合、該共重合
体を100重量部としたゴム状重合体の含量は1〜35
重量部、好ましくは5〜25重量部である。
重合法で製造されねばならない。溶液、もしくは塊状重
合法以外の方法、例えば、乳化重合法あるいは、懸濁重
合法によって製造されるニトリル系共重合体を用いても
本発明の効果が得られない。本発明の効果が溶液、もし
くは塊状重合法で製造された共重合体に対して発現する
理由は明確ではないが、本発明で熱安定性に寄与する特
別な添加剤の効果が、共重合体中に残留する懸濁分散剤
や乳化剤により、著しく減殺される事、及び明確ではな
いが副反応で生成する物質との相互作用の影響等による
ためであると推定する。
は一般に知られている方法であり、原料と必要により重
合開始剤、分子量調節剤、及び溶液重合の場合は、更に
エチルベンゼン、メチルエチルケトン等の溶剤を反応器
に挿入し、該反応容器で重合を行い、重合後共重合体と
未反応の原料、及び溶液重合の場合は更に溶剤も含んで
分離する工程を経て、共重合体を回収するものである。
ここにおいて、後述する特定の化合物は、重合時もしく
は重合後添加され得るものである。
指数(PDI)は1.8≦PID≦2.7を満足しなけ
ればならない。PDIは好ましくは1.9≦PID≦
2.4、さらに好ましくは1.9≦PID≦2.2であ
る。
が得られなくなる理由は明かではないが、一般的にPD
Iが2.7を越えると、高分子量成分及び低分子量成分
の量が多くなり、本発明の溶液もしくは塊状重合の特徴
である副反応で生成する物質の抑制効果が減殺される為
に本発明の特別の効果が無くなる為であると推察する。
用いられるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィ)で求められる。即ち、本発明でいう共重合体樹脂
組成物をテトラヒドロフラン等の溶剤に溶解し、不溶解
成分をろ過で除去した後GPC測定を行い、ポリスチレ
ン基準の検量線からMw、Mnを求め、PDI=Mw/
Mnを計算することによって求められる。この際、分子
量2000未満のピークについては除外して計算し、P
DIを求めるものである。
述した如く、溶液もしくは、塊状重合法で製造した共重
合体であり、なおかつPDIが1.8以上2.7以下の
共重合体の組み合わせにおいてのみ効果を発現するもの
であり、本発明者らはかかる組み合わせにおいてのみ発
現する化合物を発見し、本発明に到達し得たものであ
る。PDIの量の調整は、ニトリル系共重合体の重合に
おける反応器での撹拌混合や、反応器の様式、滞留時間
及び滞留時間分布により、当業者であればトライアル&
エラーにて調整される。一般的に撹拌混合を良くすると
PDIは1.8に近づき、また滞留時間分布及び滞留時
間が長くなると2.7を越える傾向にある。
では比較的狭い1.8〜2.3にコントロールし得る。
反応器を、二ケ以上又はピストンフロー型の反応器では
一般に2.4以上になりやすい傾向がある。本発明にお
いて、当業者で調整しうる好ましい方法としては、連続
式一槽又は2槽の撹拌機(列)が用いられ、滞留時間
は、1〜5時間が好ましい。
を用いることができ、分子量調節剤としては、t,n−
ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等及
びα−メチルスチレンダイマー等が用いられ得る。例え
ばメルカプタン類は共重合体中に残存し含まれ得るが、
その残存量は共重合体100重量部に対して硫黄化合部
を硫黄として計算した時0.0005〜0.05重量部
が好ましい。
当であり、また本発明で十分な色相改良効果が得られ
る。
5重量部以上になるように、重合時、分子量調節剤を加
えた場合は連鎖移動効果が十分であり、0.05重量部
以下を加えると、十分な本発明の色相改良の効果が得ら
れる。
式(数1)で表される量である。
(1)(化3)が添加される。
ロキシアルキル基を、R 2 及びR 3 は、水素、アルキル基
またはヒドロキシアルキル基を表し、R 2 とR 3 は同一で
も、異っていても良い。)一般式(1)の化合物におい
て、好ましくはR1はC6〜C26のアルキル基または
ヒドロキシアルキル基、R2はHまたはC1〜C6のア
ルキル基またはヒドロキシアルキル基、R3はHまたは
C1〜C6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で
ある。より好ましくはR2はHまたは炭素数1〜4のヒ
ドロキシルアルキル基、特に好ましくはHまたは炭素数
1〜2のヒドロキシアルキル基、Hが格別に好ましい。
R3は、好ましくは炭素数1〜4のヒドロキシルアルキ
ル基、特に好ましくは炭素数1〜2のヒドロキシアルキ
ル基である。
良く、アルキル基やヒドロキシアルキル基は長さの異な
るものの混合物でも良い。
n−ヒドロキシアルキル−n−(2−ヒドロキシアルキ
ル)アミン、アルキルアミン類、n−ヒドロキシアルキ
ルアミン、n,nビス(ヒドロキシエチル)アルキルア
ミン等のアミン型の化合物が挙げられ、好ましくはn−
ヒドロキシアルキル−n−(2−ヒドロキシアルキル)
アミンが用いられる。
合体100重量部に対して0.002〜1.0重量部、
好ましくは0.01〜0.2重量部、特に好ましくは
0.02〜0.06重量部である。かかる化合物の量が
0.002未満でも1.0重量部を越えても本発明の効
果は見られない。即ち、0.002未満では、耐熱履歴
性が改善されず、1.0重量部を越えると逆に高温にお
ける熱安定性が悪くなる。特に、1.0重量部を越える
と共重合体組成物から、かかる化合物が成形加工時に揮
発し、成形加工機に付着したり、成形物の表面に付着
し、成形加工性を著しく阻害し、ニトリル系共重合体組
成物の長所である成形加工性を損なわせ、商品価値を低
下させるものである。
は、上述の如く添加量が多い場合、十分な効果が得られ
ないのみならず、ニトリル系共重合体の本来の成形加工
性の良さが損なわれるという大きな問題が発生するの
で、本発明の効果を得るうえでは、この添加量が極めて
重要である。かかる少量での効果は、従来全く予期され
ないものであり、かかる量用いられる例は見られないも
のである。
もできる。滑剤の添加は、樹脂の成形加工時の流動性の
改善、成形加工機への粘着防止あるいは金型からの離型
性改良等に効果がある。このような目的のために滑剤を
添加しても本発明の効果に悪影響を及ぼさない。
ましくは炭素数12〜24の高級アルコールであり、添
加量は共重合体100重量部に対して0.03〜0.3
重量部、好ましくは0.1〜0.2重量部である。
成形物は優れた色相を有する。本発明でいう優れた色相
とは、実施例にて具体的に説明するが、例えば、成形加
工物の黄味が小さいこと、及び成形加工温度が変化して
も色相が変化しにくく、黄変度が小さいこと、またニト
リル系重合体の押出しを繰り返しても色相の変化が少な
く黄味が大きくならないことをいうものである。
コールや酸類の添加についても検討したが、本発明の効
果は得られず、後者においては逆に色相が悪化するとい
うことも分かった。特に、本発明の効果発現の上では、
添加化合物の構造が重要であることを解明し発明に到達
しえたものである。
脂組成物の製造方法には特に制限は無く、例えば、ニト
リル系共重合体及び上記一般式(1)の化合物及び、を
予めヘンシェルミキサータンブラー等で混合し、その混
合物を押出機、ニーダー等を使用してペレット化する方
法や、ニトリル系共重合体の重合時に一般式(1)の化
合物を添加して得たニトリル系共重合体樹脂組成物を押
出機に直接、連続的にフィードする方法等が行われる。
組成物は、ニトリル系樹脂の特徴である優れた機械的性
質や、低いガス透過性及び耐化学薬品性を損なうことな
く成形加工時の熱履歴による黄変化が著しく低減し、色
相が飛躍的に改良されることを特徴とし、産業上、極め
て有用な共重合体樹脂組成物である。
ミン化合物以外の添加剤、例えば着色剤、可塑剤、紫外
線吸収剤等を添加することができる。
混合して用いることができる。他の樹脂としてはAS、
ABS、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合
体、MS、MBS、PC等が例示される。
例1により本発明を説明するが本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
重量%を示す。また、AN量は、アクリロニトリル系共
重合体中に含まれる共重合成分のアクリロニトリル単量
体の重量%を示す。 黄色度は、日本電色工業社製ND−101D型の測
色色差計により、JISK 7103に基づき測定し
た。黄色度は、標準酸化マグネシュウム蒸着白土板に対
する可視波長領域(400〜700μm)に於いて分光
反射特性曲線から標準光に対する三刺激値x,y,zを
求め、次式(数2)により算出した。
における黄色度2と200℃における黄色度1との差で
表した。 黄変度(A)=黄色度2−黄色度1 黄変度(B)は、かかる成形物を紛糾し、再度押出し及
び射出成形したものを上記と同様にして黄色度を測定し
(黄色度3)、黄色度1との差で表した。 黄変度(B)=黄色度3−黄色度1 本例上において、黄色度Aが小さい値ほど黄味の小さい
成形物ということであり、即ち成形温度による色相の変
化を示し、この値はなるだけ小さい方が安定した色相の
成形物を得る上で好ましい事を示している。また、黄色
度Bは、樹脂組成物の繰り返しの熱履歴(今回の場合
は、2回の押出による熱履歴を示している)による色相
の変化を示しており、小さい値ほど、熱履歴の影響が少
ないことを示している。
拠して、成形物から試験片を切りだしたサンプルを用い
て評価した。
を塗布して24時間放置し、クラックが生じた最小の歪
を測定した。この時、測定値が0.3%以上であれば使
用可能と考えられ、○とした。逆に使用不可の場合はΧ
とした。
ー温度200℃、金型温度50℃で成形を行い、金型の
ガス抜け口の内部の付着物を目視により視察し、付着物
が見られるようになった時のショット数で評価した。
ンダー温度200℃、金型温度50℃、100ショット
後の金型のガス抜け口の内部の付着物を目視により観察
し、付着物が無ければ○、有るとХの判定を行った。
クリロニトリル22重量部、エチルベンゼン12重量部
および分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン
0.2重量部を原料をして140℃で重合し、その後共
重合体と未反応モノマーを分離して、分子量分布指数
2.05、アクリロニトリル含量24.5%のスチレン
−アクリロニトリル共重合体を得た。
100重量部に、下記構造の化合物(a)0.05重量
部を予備混合した後、押出機に供給して210℃でペレ
ット化した。得られたペレットを射出成形機(日精樹脂
工業社製PS40E5ASE)を用いて、シリンダー温
度200℃、スクリュー回転数200rpm、スクリュ
ー背圧10kg/cm2 、金型温度50℃にて厚さ3.
0mmのプレートを射出成形し、試験片を得た。この試
験片を用い、黄色度1及び黄変度(A)、(B)を測定
した。
1が1.5、黄変度(B)が1.2と黄味が極めて小さ
く、又熱履歴による変化が少なく色相に関して優れた性
質を示した。その結果並びに以下に記載する実施例及び
比較例の結果を表1に示す。
24重量部、エチルベンゼン16重量部および分子量調
節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.2重量部に変
更した以外は実施例1と同様に塊状重合を行い、分子量
分布指数2.2、アクリロニトリル含量27.5%のス
チレン−アクリロニトリル共重合体を得た。
(a)0.15重量部添加し、実施例1と同様にして成
形し、黄色度1及び黄変度(A)、(B)を測定した
が、得られた製品の黄色度1及び黄変度(B)は低くか
った。
体100重量部に対して、化合物(a)を添加しない
か、または表1で示す量を添加し、実施例1と同様にし
て成形し試験片を得た。同様に黄色度1及び黄変度
(A)、(B)を測定したところ、得られた製品は実施
例1、2に比べて著しく黄変度(B)が大きかった。
中のアクリロニトリル含量とPDIが異なったスチレン
−アクリロニトリル共重合体を得た。
1に示した割合で混合し、以下実施例1と同様にして成
形し試験片を得、黄色度1及び黄変度(A)、(B)を
測定した。その結果、比較例のようにPDIが大きい場
合について著しい黄変化が見られた。
ニトリル含量24.5%のスチレンアクリロニトリル共
重合体100重量部に対して、化合物(a)と、添加剤
としてステアリルアルコールをそれぞれ表1で示す量を
添加し、実施例1と同様にして成形し試験片を得た。同
様に黄色度1及び黄変度(A)(B)を測定したとこ
ろ、樹脂の滑剤としての目的でステアリルアルコールを
加えても、化合物(a)による黄変化防止効果にはなん
ら影響を及ぼさなかった。
ニトリル含量24.5%のスチレン−アクリロニトリル
共重合体100重量部に対して、化合物(b)を表1で
示す量を添加し、実施例1と同様にして成形し試験片を
得た。同様に黄色度1及び黄変度(A)、(B)測定し
たところ、得られた製品は比較例8、9に比べて黄変化
が小さかった。
ニトリル含量24.5%のスチレン−アクリロニトリル
共重合体100重量部に対して、一般に樹脂の滑剤とし
て使用されている化合物(c)または(d)を表1で示
す量を添加し、実施例1と同様にして成形し試験片を得
た。同様に黄色度1及び黄変度(A)、(B)、を測定
したところ、得られた製品は実施例1、6に比べて著し
い黄変化が見られた。
ニトリル含量24.5%のスチレン−アクリロニトリル
共重合体100重量部に対して、化合物(a)及び
(b)をそれぞれ0.05重量部添加し、実施例1と同
様にして成形し試験片を得た。同様に黄色度1を測定す
ると共に、曲げ強度、耐薬品性、繰り返し成形性を評価
したところ、これらの物性を損なう事無く良好な色相の
ものが得られた。その結果を比較例10と共に表2に示
す。
ニトリル含量24.5%のスチレン−アクリロニトリル
共重合体100重量部に対して、化合物(a)を1.5
重量部添加し、実施例1と同様にして成形し試験片を得
た。
曲げ強度、耐薬品性、繰り返し成形性を評価したとこ
ろ、黄色度が大きく、耐薬品性も低下した。また、成形
時金型への付着物が多く、繰り返し成形を70shot
o以上行うことは不可能であった。
1部添加
の特徴である、耐薬品性や剛性を損なうことなく、射出
成形等の成形加工時の熱による着色、あるいは黄変を改
良する方法を見出したものであり、本発明の工業的価値
は大きい。
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくともニトリル系単量体を共重合成
分として含む共重合体が、(1)溶液もしくは、塊状重
合で製造され、なおかつ(2)分子量分布指数(PD
I)が、1.8≦PDI≦2.7の範囲にあり、なおか
つ(3)該共重合体100重量部に対して、0.002
〜1.0重量部の一般式(1)(化1)の化合物を含有
することを特徴とするニトリル系共重合体樹脂組成物。 【化1】 (一般式(1)において、R1 はアルキル基またはヒド
ロキシアルキル基を、R 2 及びR 3 は、水素、アルキル基
またはヒドロキシアルキル基を表し、R 2 とR 3 は同一で
も、異っていても良い。) - 【請求項2】 一般式(1)のR1が炭素数1〜26の
アルキル基またはヒドロヒドロキシアルキル基、R2が
水素、炭素数1〜6のアルキル基またはヒドロキシアル
キル基、R3が水素、炭素数1〜6のアルキル基または
ヒドロキシアルキル基であることを特徴とする請求項1
記載のニトリル系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項3】 該共重合体中のニトリル系単量体が10
〜40重量%であることを特徴とする請求項1または請
求項2記載のニトリル系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項4】 共重合体100重量部に対して、さらに
炭素数12〜24の高級アルコール0.03〜0.3重
量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のおのお
の記載のニトリル系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項5】 共重合体の分子量分布指数(PDI)
が、1.9≦PDI≦2.4の範囲にあることを特徴と
する請求項1〜4のいずれか記載のニトリル系共重合体
樹脂組成物。 - 【請求項6】 該ニトリル系共重合体が、共重合の際
に、分子量調節剤として硫黄化合物を存在させて得られ
た共重合体であって、該共重合体中の硫黄化合物の量が
共重合体100重量部に対して、硫黄として測定したと
き0.0005〜0.05重量部である事を特徴とする
請求項1〜5のいずれか記載のニトリル系共重合体樹脂
組成物。 - 【請求項7】 共重合体がニトリル系単量体とスチレン
系単量体の少なくとも二成分を必須の共重合体成分とし
て含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の
ニトリル系共重合体樹脂組成物。
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JP7175642B2 (ja) * | 2018-06-20 | 2022-11-21 | 株式会社カネカ | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 |
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1997
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JPH10219054A (ja) | 1998-08-18 |
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