JP3481603B2 - 光ディスクからのデータ再生システム - Google Patents

光ディスクからのデータ再生システム

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JP3481603B2
JP3481603B2 JP2001079593A JP2001079593A JP3481603B2 JP 3481603 B2 JP3481603 B2 JP 3481603B2 JP 2001079593 A JP2001079593 A JP 2001079593A JP 2001079593 A JP2001079593 A JP 2001079593A JP 3481603 B2 JP3481603 B2 JP 3481603B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気ディスク装
置等の光ディスク装置に適用される記録データ再生シス
テムに関する。
【0002】光磁気ディスク装置は、大容量、可換性、
高信頼性等により、イメージ情報の記録再生からコンピ
ュータ用のコード記録可能なものまで急速に広まりつつ
ある。
【0003】
【従来の技術】従来の光ディスクの記録系の基本構成を
図74に示す。図74において、光ディスク1、光学ヘ
ッド2、データ出力ユニット3、変調器4及びレーザ駆
動ユニット5が設けられている。まず、データ出力ユニ
ット3からのデータは変調器4で変調され、その変調信
号がレーザ駆動ユニット5に送られる。そして、レーザ
駆動ユニット5が変調信号に基づいて光学ヘッド2のレ
ーザダイオード(LD)を駆動して光ディスク1にデー
タを記録する。このときのデータ、レーザ(LD)駆動
信号及び光ディスク1上に形成されるピットは例えば図
75に示すようになる。即ち、記録データに応じてレー
ザダイオード(LD)を点灯させた位置にピットが形成
される。また、光磁気ディスクでは磁区によってピット
が形成される。
【0004】次に、再生系の基本構成が図76に示され
る。図76において、光ディスク1、光学ヘッド2、ア
ンプ6、フィルタ/イコライザ7、ピークディテクタ
8、PLL回路9及び復調器10が設けられている。光
学ヘッド2のレーザダイオード(LD)をパワーPrで
点灯させてレーザ光を光ディスク1に照射する。光ディ
スク1から得られる反射光により図77に示すような再
生信号を得る。その再生信号はアンプ6を通り、AGC
(オートゲインコントローラ)、LPF(ローパスフィ
ルタ)及びEq(イコライザ)で波形整形された後にピ
ークディテクタ8に供給される。ピークディテクタ8
は、再生信号を微分し、その微分信号のゼロクロス点を
検出することにより当該再生信号のピーク点を検出し、
ローデータ(Row Data) と呼ばれるパルス信号を出力す
る。このローデータはPLL回路9に送られ、PLL回
路9からクロックに同期したセパレートデータが出力さ
れる。そして、このセパレートデータが復調器10で元
のデータに復調される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光ディスク1における
データ記録密度が低い場合の再生信号の状態は、例え
ば、図78(a)に示すようになる。また、光ディスク
1におけるデータの記録密度が高い場合の再生信号の状
態は、例えば、図78(b)に示すようになる。再生信
号波形にはレーザダイオード(LD)による雑音や光デ
ィスクの雑音に加えて回路内で発生する雑音が重畳され
ている。光ディスクにおけるデータの記録密度を高くす
ると、記録時の熱干渉や再生時の波形干渉によって再生
信号の振幅が小さくなる。そのため、従来の検出系で
は、検出マージンが小さくなって、エラーが発生し易く
なる。
【0006】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、光ディスクにおける記録密度を向上させた場合で
も、データ検出のための検出マージンを確保して正しい
データ検出が行なえる光ディスクの記録データ再生シス
テムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1に記載されるように、記録デー
タを所定のパーシャルレスポンス特性に対応した記録規
則に従って変調することにより得られる信号を前エッジ
及び後エッジによって情報を表現する記録ピットを形成
することによって記録した光ディスクからデータを再生
するシステムにおいて、光ディスクから信号を再生する
信号再生手段と、該信号再生手段からの再生信号を所定
のタイミングでサンプリングし、そのサンプリングデー
タを出力するサンプリング手段と、該サンプリング手段
からのサンプリングデータに基づいて、記録ピットの前
エッジによって表される最も確からしい第一のデータを
確定する第一の最尤データ検出手段と、上記サンプリン
グ手段からのサンプリングデータに基づいて、記録ピッ
トの後エッジによって表現される最も確からしい第二の
データを確定する第二の最尤データ検出手段と、上記第
一のデータ及び第二のデータを合成して再生データを生
成するデータ合成手段とを有するように構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0009】本発明の実施の一形態に係る光ディスク装
置の記録系は、例えば、図1に示すように構成されてい
る。図1において、光ディスク1、光学ヘッド2、デー
タ出力ユニット3、レーザ駆動ユニット5、走長制限変
調器11及びパーシャルレスポンス変調プリコーダ(P
R変調プリコーダ)12が設けられている。走長制限変
調器11は、図3に示すような2ビットデータから3ビ
ットデータに変換する規則に従って、データ出力ユニッ
ト3からのデータ(ビット列)の1/7変調が行なわれ
る。走長制限器11にて1/7変調されたデータは、P
Rプリコーダ12によって更にパーシャルレスポンスク
ラス1に対応した特性に従って変調される。このPRプ
リコーダ12は、図2に示すように、1データ分の遅延
時間が設定された遅延素子(D)15を有しており、出
力データがこの遅延素子(D)15を介して入力データ
に帰還されている。この場合、PR変調プリコーダ12
では〔1/(1+D)〕mod2変調が行なわれる。〔1/
(1+D)〕mod2変調にて得られたデータはレーザ駆動
ユニット5に供給され、レーザ駆動ユニット5は、入力
データに対応したレーザ駆動信号を出力する。レーザ駆
動ユニット5からのレーザ駆動信号(記録信号)が光学
ヘッド2のレーザダイオード(LD)に供給され、この
レーザ駆動信号により駆動されるレーザダイオードによ
り光ディスク1へのデータの記録がなされる。上述した
ような、データ出力ユニット3からのデータからレーザ
駆動信号(記録信号)への変換は、例えば、図7
(1)、(2)、(3)及び(4)に示される。
【0010】次に、上述したような記録系によりデータ
の記録がなされた光ディスク1からデータを再生するた
めの再生系は、例えば、図4に示すように構成されてい
る。図4において、光ディスク1、光学ヘッド2、アン
プ6、フィルタ/イコライザ7、PLL回路9、復調器
10、A/D変換器13、最尤復号器14及び二値化回
路17が設けられている。光ディスク1から光学ヘッド
2を介して記録データに対応した再生信号が得られ、該
再生信号がアンプ6にて増幅された後にフィルタ/イコ
ライザ7にて波形整形される。波形整形された信号はA
/D変換器13によってデジタル信号に変換され、この
デジタル信号は最尤復号器14により復調される。二値
化回路17は、フィルタ/イコライザ7にて波形整形さ
れた信号を、例えば、あるスライスレベルを用いて二値
化信号に変換する。そして、この二値化信号に基づいて
PLL回路9がタイミングクロック信号を生成する。A
/D変換器13及び最尤復号器14は、PLL回路9か
らのタイミングクロック信号に同期して動作する。この
ような、再生信号の生成から最尤復号までの各信号の状
態が、例えば、図7(5)、(6)、(7)、(8)及
び図8(9)、(18)に示される。(なお、図7
(8)及び図8(8)は同じ信号遷移状態を示す。)そ
して、最尤復号にて得られた信号は、更に復調器10に
よって最終的なデータに復調される(1/7復調)。
【0011】図7において、上記記録信号(4)からフ
ィルタ/イコライザ7の出力である再生信号(6)に変
換される特性は、パーシャルレスポンスクラス1の特性
に対応している。従って、この再生信号(6)は、記録
信号(4)を(1+D)変換して得られる信号に対応す
る。この記録信号(4)を(1+D)変換した信号は、
図7(6)の破線で示すように3つの値をとり得る。
今、その値を−2、0、2に対応させる。そして、最尤
復号器14は再生信号(6)のA/D変換器13による
変換信号を記録信号に復調する。最尤復号器14におい
て、入力信号から確からしいデータを検出したときに、
その検出データに至る最も確からしいデータ遷移パスを
確定し、そのパス上のデータを再生すべき記録信号デー
タとして確定する。記録信号データ“+1”と“0”の
間においては、図5のトレリス線図に示すように、
“1”から“1”へのデータ遷移パス、“0”から
“0”へのデータ遷移パス、“1”から“0”へのデー
タ遷移パス及び“0”から“1”へのデータ遷移パスが
とり得る。そして、これらの状態遷移は、図6の状態遷
移図にまとめて表わされる。“1”から“1”へのデー
タ遷移パスは、上記(1+D)変換で得られた信号(図
7(6)参照)の“+2”に対応し、このデータ遷移の
状態を+merge(プラスマージ)と定義する。“0”か
ら“0”へのデータ遷移パスは、上記(1+D)変換で
得られた信号の“−2”に対応し、このデータ遷移の状
態を−merge (マイナスマージ)と定義する。また、
“0”から“1”および“1”から“0”への遷移パス
は上記(1+D)変換で得られた信号の“0”に対応
し、これらのデータ遷移のいずれかであるが確定してい
ない状態をno merge(ノーマージ)と定義する。
【0012】上述したような最尤復号器14は、例え
ば、図9に示すように構成されている。図9において、
A/D変換器13に接続される最尤復号器14は、第一
の加算器51、第一の比較器52、第一の符号反転器5
3、第二の加算器54、Δメモリ55、第二の比較器5
6、第二の符号反転器57、スイッチ回路SW1 及び第
三の加算器58を有している。この最尤復号器14は更
に、メモリ制御器59、データメモリ60、比較器6
1、レジスタ62、(1+D)mod2変換器63及び出力
レジスタ64を有している。
【0013】第一の加算器51はA/D変換器13から
の入力データy(ノイズを含んだ再生信号に対応)と後
述する基準値Δとを加算して、加算値Z(=y+Δ)を
出力する。第一の比較器52は、加算値ZがZ>1、Z
<−1及び−1≦Z≦1のいずれの範囲にあるかを判別
し、Z>1のとき“+1”、Z<−1のとき“−1”、
及び−1≦Z≦1のとき“0”を出力する。第一の符号
反転器53は、第一の比較器52からの出力値の符号を
反転してデータaを出力する。即ち、第一の比較器52
からの出力値が“+1”のときには、第一の符号反転器
53から“−1”のデータa(a=−1)が出力され、
第一の比較器52からの出力値が“−1”のときには、
第一の符号反転器53から“+1”のデータa(a=+
1)が出力される。また、第一の比較器52からの出力
値が“0”のときには、第一の符号反転器53から
“0”のデータa(a=0)が出力される。第二の加算
器54はA/D変換器13からの入力データyと上記デ
ータaを加算して加算値y+aを出力する。スイッチ回
路SW1 は、第二の符号反転回路57に接続された端子
(1)と第二の加算器54に接続された端子(2)とを
有し、端子(1)又は端子(2)がデータaの状態に応
じて選択される。データaが“0”でないとき(a=+
1またはa=−1)端子(2)が選択され、第二の加算
器54からの加算値y+aが基準値Δとしてスイッチ回
路SW1 を介してΔメモリ55に格納される(Δ=y+
a)。一方、データaが“0”のとき端子(1)が選択
され、Δメモリ55からの基準値Δの符号を反転する第
二の符号反転器57からの出力値−Δが新たな基準値と
してスイッチ回路SW1 を介してΔメモリ55に格納さ
れる(Δ=−Δ)。第二の比較器56は、Δメモリ55
から供給される基準値Δの符号SGN(Δ)が正である
か負であるかを判別する。基準値Δの符号SGN(Δ)
が正のとき第2の比較器56は判別信号“+1”を出力
し、基準値Δの符号SGN(Δ)が負のとき第二の比較
器56は判別信号“−1”を出力する。第三の加算器5
8は、第一の比較器52からの判別信号(0、±1)と
第二の比較器56からの判別信号(±1)とを加算して
その加算値(0、±1、±2)をメモリ制御器59に供
給する。
【0014】第二の比較器56からの判別信号(+1又
は−1)がデータメモリ60に書込まれる。そして、メ
モリ制御器59は、加算値(0、±1、±2)を制御信
号として入力し、表1に示すアルゴリズムに従ってデー
タメモリ60を制御する。
【0015】
【表1】 データメモリ60に書込まれた各データ(+1又は−
1)は比較器61にて基準値“0”と比較され、“+
1”が“1”に“−1”が“0”に夫々変換される。こ
の比較器61にて得られた2値データはレジスタ62に
セットされ、そのセットデータがレジスタ62から(1
+D)mod2変換器63に供給される。そして、(1+
D)mod2変換器63は入力データに対して(1+D)mo
d2変換を行ない、元の1/7変調されたデータが得られ
る。1/7変調されたデータは出力レジスタ64にセッ
トされる。そして、出力レジスタ64にセットされたデ
ータは、復調器10に供給され、1/7走長制限に従っ
て復調される。
【0016】上記のように構成された最尤復号器14
は、図10に示すフローチャートに従って動作する。最
尤復号器14の動作を図8(10)〜(18)に示す例
を参照して説明する。
【0017】A/D変換器13からの入力データyk
が、図8(10)に示すように、 k yk k yk 1 −1.98 8 −0.1 2 −2.05 9 +1.9 3 0.1 10 +2.0 4 +1.95 11 +2.1 5 +1.85 12 +0.1 6 −0.1 13 −1.9 7 −2.1 と変化する。この入力データyk は図7(6)に示す再
生データのサンプリング値であり、ノイズ成分を含んで
いる。
【0018】例えば、k=2において、入力データyk
=−2.05が入力すると(S100)、第一の加算器
51がΔメモリ55からのk=1で得られた基準値Δ=
−0.98と入力データyk =−2.05とを加算して
その加算値Z=−3.03(=−0.98−2.05)
を出力する(S101)。ここで、この加算値Zは−1
より小さいのでデータ遷移の状態が−merge であると判
定され(S102、S103)、第一の比較器52から
判定結果“−1”が出力される。その結果、“+1”の
データaが符号反転器53から第二の加算器54に供給
される(S110)。また、Δメモリ55からの基準値
Δ(=−0.98)が負であるので、第二の比較器56
から判定結果“−1”が出力される(S111)。上記
“+1”のデータaによりスイッチ回路SW1 は端子
(2)を選択しており、第二の加算器54での加算値y
+a(=−2.05+1=−1.05)がΔメモリ55
に格納される(S113)。そして、メモリ制御器59
は、第三の加算器58から制御信号“−2”を入力して
おり、データメモリ60のポインタPを“0”にリセッ
トする(S114)(表1参照)。そして、データメモ
リ60内のデータがa i →ai-1 となるようシフトされ
ると共に、第二の比較器56から出力される判定結果
“−1”(SGN(Δ))がデータメモリ60のa0
(p=0に対応)に書込まれる(S105)。
【0019】次に、k=3において、入力データyk
0.1が入力すると(S100)、第一の加算器51が
Δメモリ55からのk=2で得られた基準値Δ=−1.
05と入力データyk =0.1を加算してその加算値Z
=−0.95(−1.05+0.1)を出力する(S1
01)。ここで、この加算値Zは−1≦Z≦1の範囲に
あるので、データ遷移の状態がno mergeであると判定さ
れ(S102、S103)、第一の比較器52から判定
結果“0”が出力される。その結果、“0”のデータa
が符号反転器53から出力され、このデータa
(“0”)によってスイッチ回路SW1 が端子(2)か
ら端子(1)に切換えられる。このとき、第二の比較器
56からは、Δメモリ55内の基準値Δ=−1.05に
基づいた判定結果“−1”(SGN(Δ))が出力され
ている。従って、メモリ制御器59は、第三の加算器5
8から制御信号“−1”を入力しており、データメモリ
60のポインタPをP+1にインクリメントする(S1
04)(表1参照)。そして、Δメモリ55に格納され
た基準値Δ=−1.05の符号が第二の符号反転器57
によって反転され、新たな基準値Δ=1.05がΔメモ
リ55に格納される(S104)。この新たな基準値Δ
=1.05はΔメモリ55から第二の比較器56に供給
され、第二の比較器56は判定結果“+1”を出力す
る。その後、データメモリ60内のデータがai →a
i-1 となるようにシフトされ、第二の比較器56から出
力される判定結果“+1”(SGN(Δ))がデータメ
モリ60のa0 に書込まれる(S105)。
【0020】更に、k=4において、入力データyk
+1.95が入力すると(S100)、第一の加算器5
1がΔメモリ55からのk=3で得られた基準値Δ=
1.05と入力データyk =1.95を加算してその加
算値Z=3.0(=1.05+1.95)を出力する
(S101)。
【0021】ここで、この加算値Zは1より大きいの
で、データ遷移の状態が+merge であると判定され(S
102)、第一の比較器52から判定結果“+1”が出
力される。その結果、“−1”のデータaが符号反転器
53から第二の加算器54に供給される(S120)。
また、Δメモリ55からの基準値Δ(=1.05)が正
であるので、第二の比較器56から判定結果“+1”
(SGN(Δ))が出力される(S121)。上記“−
1”のデータaによりスイッチ回路SW1 は端子(1)
から端子(2)に切換わり、第二の加算器54での加算
値y+a(=+1.95−1=0.95)がΔメモリ5
5に格納される(S123)。そして、メモリ制御器5
9は、第三の加算器58から制御信号“+2”を入力し
ており、データメモリ60のポインタP(=1)が
“0”にリセットされる(S114)(表1参照)。そ
して、データメモリ60内のデータがai →ai-1 とな
るようにシフトされると共に、第二の比較器56から出
力される判定結果“+1”(SGN(Δ))がデータメ
モリ60のa0 (P=0に対応)に書込まれる(S10
5)。
【0022】上記のような処理が繰り返し行なわれる。
その処理の過程で、ポインタPが“0”にリセットされ
るごとにデータメモリ60の内容が確定する。上述した
ように、no merge状態である場合には、ポインタPがイ
ンクリメントされると共に、基準値Δの符号に対応した
“+1”又は“−1”が順次データメモリ60に書込ま
れる。その後、+merge の状態で基準値Δが正又は−me
rge の状態で基準値Δが負になると、no merge状態にて
データメモリ60に格納されたデータ及び、その後の+
merge 又は− merge状態でデータメモリに格納されたデ
ータが確定する。一方、no merge状態の後において、+
merge の状態で基準値Δが負又は− mergeの状態で基準
値Δが正になるなど、本来、受け入れられない状態(di
sagree)になると、no mergeの状態でデータメモリ60
に格納されたデータa0 〜aP (PはポインタPの値)
の補数が演算され(S112、S122)、データメモ
リ60内のデータa0 〜aP がその補数に書換えられ
る。その後、ポインタPが“0”にリセットされて(S
113、S123)データメモリ60の内容が確定す
る。
【0023】上記の処理は、no mergeの状態では、デー
タ遷移パスが確定していないことに基づいている。即
ち、+ mergeの状態になるか又は− mergeの状態になる
かに応じてそのno merge状態でのデータ遷移パスが0→
1又は1→0(図5参照)に確定される。このようにし
て、最も確からしい遷移パスが確定する。
【0024】データメモリ60には、上述したように、
“+1”又は“−1”が格納される。各データ(“+
1”又は“−1”)が比較器61によって基準値“0”
と比較されることによって“1”又は“0”に変換さ
れ、その比較器61の出力データ(図8(17)参照)
はレジスタ62に格納される。このレジスタ62内に格
納されたデータ列は、図8(8)に示すデータ遷移パス
に対応している。その後、(1+D)mod2変換器63が
レジスタ62内のデータを(1+D)mod2に従って変換
し、その変換データが出力レジスタ64に格納される
(図8(18)参照)。この(1+D)mod2変換にて得
られるデータは、元の1/7変調されたデータ(図7
(2)参照)に対応している。そして、出力レジスタ6
4に格納されたデータが復調器10に供給され、復調器
10が1/7走長制限復調を行なって元のデータ(図7
(1)参照)が得られる。
【0025】次に、図11及び図12を参照して、1/
7走長制限の規則を考慮して最尤信号を行う最尤復号器
の実施例を説明する。
【0026】1/7走長制限の規則に従って配列された
ビット列においては、“1”と“1”との間は必ず1つ
以上の“0”が存在し、かつ8個以上の“0”が連続し
ていない。このような規則により、“1”の次のビット
は必ず“0”となり、また、7個連続した“0”の次の
ビットは必ず“1”となる。入力データからこの1/7
走長制限のデータ(以降1/7データという)が復調さ
れる。
【0027】本実施例に係る最尤復号器は、例えば、図
11のように構成される。図11において、図9に示す
ものと同様に、第一の加算器51、第一の比較器52、
第一の符号反転器53、第二の加算器54、Δメモリ5
5、第二の比較器56、第二の符号反転器57、スイッ
チSW1 、第三の加算器58、メモリ制御部59、デー
タメモリ60、比較器61、レジスタ62、(1+D)
mod2変換器63及び出力レジスタ64が設けられてい
る。この最尤復号器は更に、第四の加算器70、第三の
比較器71、第五の加算器72、第四の比較器73、ス
イッチ制御器74及びスイッチSW2 、SW3 を有して
いる。
【0028】第四の加算器70は、データメモリ60内
の最下位ビットa0 及びその次のビットa1 を加算し
(a0 +a1 )、その加算結果Σ2を第三の比較器71
に供給する。第三の比較器71は、第四の加算器70で
の加算結果Σ2が“0”のとき(Σ2=0)、“1”を
出力し、その加算結果Σ2が“0”でないとき(Σ2≠
0)、“0”を出力する。a0 及びa1 のとり得る値及
び対応する加算結果Σ2は次の通りである。
【0029】 a01 Σ2 +1 +1 +2 +1 −1 0 −1 +1 0 −1 −1 −2 従って、第三の比較器71は、a0 =+1、a1 =−1
及びa0 =−1、a1=+1のとき“1”を出力し、a0
=+1、a1 =+1及びa0 =−1、a1 =−1のと
き“0”を出力する。a0 に対応したc0 及びa1 に対
応したc1 を用いて(1+D)mod2変換後のd0 が得ら
れる。この場合、第三の比較器71の出力が“1”のと
きd0 =1であり、第三の比較器71の出力が“0”の
ときd0=0である。ここで、上述した“1”の次のビ
ットは必ず“0”でなければいけないという条件を満足
するためには、第三の比較器71の出力が“1”となっ
た場合、次の入力yでデータメモリ60のa0 にd0
0となるような値がセットされなければならない。
【0030】第五の加算器72は、データメモリ60内
の全ビット(8ビット)a0 〜a7を加算し(a0 +a1
+a2 +…+a7 )、その加算結果Σ8を第四の比較
器73に供給する。第四の比較器73は、第五の加算器
72での加算結果Σ8が±8のとき(Σ8=±8)、
“1”を出力し、その加算結果Σ8が±8でないとき
(Σ8≠±8)、“0”を出力する。即ち、データメモ
リ60内の全てのビットa 0 〜a7 が“+1”又は全て
のビットa0 〜a7 が“−1”のときに、第四の比較器
73は“1”を出力し、それ以外の場合に、第四の比較
器73は“0”を出力する。データメモリ60内の全て
のビットa0 〜a7 が“+1”又はその全ビットが“−
1”のとき、1/7データの全てのビットd0 〜d6
“0”になる。従って、上述した7個連続した“0”の
次のビットは必ず“1”でなければいけないという条件
を満足するためには、第四の比較器73の出力が“1”
となった場合、次の入力yで、データメモリ60のa0
にd0 =1となるような値がセットされなければならな
い。
【0031】A/D変換器13からの入力データyはス
イッチSW2 の端子aに供給され、このスイッチSW2
の端子bがスイッチSW3 の出力端子に接続されてい
る。また、スイッチSW2 の出力端子は第一及び第二の
加算器51、54に接続されると共にスイッチSW3
端子aに接続されている。スイッチSW2 を介して入力
された入力データyは更に第三の符号反転器75に供給
され、その第三の符号反転器75の出力がスイッチSW
3 の端子bに接続されている。スイッチ制御部74は、
第三の比較器71及び第四の比較器73からの出力信号
を入力し、これらの出力信号の状態に応じて、上述した
条件が満たされるように、上記スイッチSW2 及びスイ
ッチSW3 の切換え制御を行なう。即ち、表2の規則に
従って、スイッチSW2 及びSW3 の切換え制御を行な
う。
【0032】
【表2】 上記のように構成された最尤復号器は図12に示すフロ
ーチャートに従って動作する。
【0033】図12において、新たな入力データyが当
該最尤復号器に与えられると(S200)、前回与えら
れた入力データy0 が前データy1 として定義され、新
たな入力データyが現データy0 として定義される(S
201)。そして、データメモリ60の全ビットa0
7 の総和Σ8が“±8”でなく、a0 とa1 の和(Σ
2)が“0”でない場合(第三の比較器71の出力が
“0”及び第四の比較器72の出力が“0”の場合)
(S202、S203)、現データy0 が処理データy
2 として定義される。。即ち、スイッチSW2 が端子a
を選択し(表2参照)、現データy0 が処理すべきデー
タy2 として、第一及び第二の加算器51及び54に供
給される。(S207、S223、S233)。この場
合、図9及び図10で説明した場合と同様にデータy2
が処理される。即ち、データ遷移の状態が+merge と判
定されると(S208)、図10におけるステップS1
20、S121、S123、S114、S105と同様
に、ステップS230、S231、S233、S22
4、S211に従って処理が行なわれ、データメモリ6
0の各ビットa0 〜a7 が1ビットずつシフトされると
共に、ステップS233でΔメモリ55に格納された基
準値Δ(=y2 −1)の符号データSGN(Δ)がデー
タメモリ60の最下位ビットa0 に格納される。そし
て、第三及び第四の加算器71、73が更新されたa0
〜a7 のデータを用いて加算結果Σ2及びΣ8を出力す
る(ステップS212)。また、データ遷移の状態が−
merge と判定されると(S208、S209)、図10
におけるステップS110、S111、S113、S1
14、S105と同様に、ステップS220、S22
1、S223、S224、S211に従って処理が行な
われ、a0 〜a7 がシフトされると共に、ステップS2
23でΔメモリ55に格納された基準値Δ(=y2 +
1)の符号データAGN(Δ)がデータメモリ60の最
下位ビットa0 に格納される。更に、データ遷移の状態
がno mergeと判定されると(S208、S209)、図
10におけるS104、S105と同様に、ステップS
210、S211、S212に従って処理が行なわれ
る。即ち、ポインタPが1だけインクリメントされ、第
二の符号反転器57からの符号が反転された基準値Δが
Δメモリ55に格納され、更にa0 〜a7 がシフトされ
ると共に、ステップS210でΔメモリ55に格納され
た基準値Δ(=−Δ)の符号データSGN(Δ)がデー
タメモリ60の最下位ビットa0 に格納される。
【0034】一方、データメモリ60のa0 及びa1
和Σ2が“0”になると(S202、S204)、即
ち、第三の比較器71の出力が“1”及び第四の比較器
73の出力が“0”になると、スイッチSW2 が端子a
から端子bに切換わりスイッチSW3 が端子aを選択す
る(表2参照)。その結果、前回の入力データyが、ス
イッチSW3 、SW2 を介して第一の加算器51に再度
供給される。即ち、前データy1 が処理すべきデータy
2 として定義される(S205)。a0 及びa1の和Σ
2が“0”であることは、前回得られたa0 及びa2
値が異なる(+1及び−1)ことであり、この場合、1
/7データ現在の最下位ビットd0 は“1”である。こ
こで、上記のように、前データy1 を処理すべきデータ
y2 として定義すると、今回の処理で得られるa0 の値
と前回の処理で得られたa0 (今回の処理で得られるa
1 )の値は等しくなる。この場合、対応する比較器61
の出力ビットc0 及びc1 の値も等しくなるので、新た
に得られる1/7データの最下位ビットd0 は“0”と
なる。即ち、上述した、“1”と“1”の間には1つ以
上の“0”が存在するという1/7走長制限の規則を満
足することになる。
【0035】上述したように、データメモリ60のa0
及びa1 の和Σ2が“0”となると、どんな入力データ
yが与えられたとしても、前データy1 が処理すべきデ
ータy2 として定義されることにより、1/7走長制限
の規則が満足される。
【0036】また、一方、データメモリ60の全ビット
0 〜a7 の総和Σ8が“±8”になると(S20
2)、即ち、第三の比較器71の出力が“0”及び第四
の比較器73の出力が“1”になると、スイッチSW2
が端子bを保持し、スイッチSW 3 が端子aから端子b
に切換わる(表2参照)。その結果、入力データy
三の符号反転器75、スイッチSW3 及びSW2 を介し
て第一の加算器51に供給される。即ち、前データy1
の符号を反転したデータ−y1 が処理すべきデータy2
として定義される(S203)。データメモリ60の全
ビットa0 〜a7 の総和Σ8が“±8”であることは、
当該全ビットa0 〜a7 の値が全て等しい(−1又は+
1)ことであり、この場合、1/7データの7ビットd
0 〜d6 は全て“0”である。ここで、上記のように、
前データの符号を反転したデータ−y1 を処理すべきデ
ータとして定義すると、今回の処理で得られるa0 の値
と前回の処理で得られたa0 (今回の処理で得られるa
1 )の値は異なる。この場合、対応する比較器61の出
力ビットc0 及びc1 の値も異なるので(“1”及び
“0”又は“0”及び“1”)、新たに得られる1/7
データの最下位ビットd0は“1”となる。即ち、上述
した8個以上の“0”が連続していないという1/7走
長制限の規則を満足する。
【0037】上述したように、データメモリ60の全ビ
ットa0 〜a7 の総和Σ8が“±8”になると、どんな
入力データyが与えられたとしても、前データy1 の符
号を反転したデータ−y1 が処理すべきデータy2 とし
て定義されることにより、1/7走長制限の規則が満足
される。
【0038】なお、データ遷移の状態が+merge 及び−
merge の場合において、第二の比較器56での比較結果
SGN(Δ)(符号データ)が本来とり得るべき値と異
なる場合(disagree) 、図9、図10の実施例と同様
に、データメモリ60のa0 からポインタpで指定され
るaP までの値がそれらの補数に入れ替えられる。
【0039】上記実施例によれば、1/7走長制限の規
則を考慮して最尤復号が行なわれているので、光ディス
クから更に確実なデータの再生を行なうことが可能とな
る。
【0040】なお、上記実施例では、1/7データの最
下位ビットd0 が“0”であるか否かを、データメモリ
60のa0 とa1 の和Σ2の値に基づいて判定してい
る。更に、比較器61の出力ビットc0 及びc1 の値に
基づいて判定することも可能である。比較器61の出力
ビットc0 及びc1 の排他的論理和(c0 EXOR c1
は次のようになる。
【0041】 a01010 EXOR c1 +1 +1 1 1 0 +1 −1 1 0 1 −1 +1 0 1 1 −1 −1 0 0 0 1/7データの最下位ビットd0 が“0”になるのは、
排他的論理和(c0 EXOR c1 )が0のときである。従
って、比較器61の出力ビットc0 及びc1 の排他的論
和(c0 EXOR c1 )に基づいて、1/7データの最下
位ビットd0 が“0”であるか否かを判定することがで
きる。
【0042】また更に、出力レジスタ64の格納された
1/7データの最下位ビットd0 の値に基づいて直接ス
イッチSW2 及びSW3 の制御を行なうことも可能であ
る。
【0043】次に、図13及び図14を参照して、2/
7走長制限の規則を考慮して最尤復号を行なう最尤復号
器の実施例を説明する。この場合、記録系において2/
7走長制限の規則に従って、光ディスクへのデータの書
込みが行なわれている。
【0044】2/7走長制限の規則に従って配列された
ビット列においては、“1”と“1”の間は必ず2つ以
上の“0”が存在し、かつ8個以上の“0”が連続して
いない。この規則により、“1”の次のビットは必ず
“0”となり、“1、0”の次のビットは必ず“0”と
なり、そして、7個連続した“0”の次のビットは必ず
“1”となる。入力データから、この2/7走長制限の
データ(以下、2/7データという)が復調される。
【0045】本実施例に係る最尤復号器は、例えば、図
13に示すように構成されている。図13において、図
11に示すものと同様のものには同一の符号を付してあ
る。この例では、図11に示す第四の加算器70に替え
て加算器70’が設けられている。この加算器70’は
データメモリ60の最下位ビットa0 及び三番目のビッ
トa2 を加算し、(a0 +a2 )、その加算結果Σ3を
第三の比較器71に供給する。第三の比較器71は、図
11に示すものと同様に、加算器70’での加算結果Σ
3が“0”のとき(Σ3=0)、“1”を出力し、その
加算結果Σ3が“0”でないとき(Σ3≠0)、“0”
を出力する。a0 、a1 及びa0 のとり得る値及び対応
する加算結果Σ3は次の通りである。
【0046】 a012 Σ3 +1 +1 +1 +2 +1 +1 −1 0 +1 −1 +1 +2 −1 +1 +1 0 +1 −1 −1 0 −1 +1 −1 −2 −1 −1 +1 0 −1 −1 −1 −2 従って、第三の比較器71は(a0 ,a1 ,a2 )=
(+1,+1,−1)、(−1,+1,+1)、(+
1,−1,−1)、(−1,−1,+1)のとき“1”
を出力し、(a0 ,a1 ,a2 )=(+1,+1,+
1)、(+1,−1,+1)、(−1,+1,−1)、
(−1,−1,−1)のとき“0”を出力する。上記a
0 、a1 、a2 に対して、比較器61の出力ビットc
0 、c1 、c2 及び対応する2/7データは次のように
なる。
【0047】 a01201201 +1 +1 +1 1 1 1 0 0 +1 +1 −1 1 1 0 0 1 +1 −1 +1 1 0 1 1 1 −1 +1 +1 0 1 1 1 0 +1 −1 −1 1 0 0 1 0 −1 +1 −1 0 1 0 1 1 −1 −1 +1 0 0 1 0 1 −1 −1 −1 0 0 0 0 0 ここで、上述した“1”の次のビットは必ず“0”とな
り、また“1、0”の次のビットは必ず“0”となると
いう条件を満足するためには、第三の比較器71の出力
が“1”となった場合、次の入力yでデータメモリ60
のa0 にd0 =0となるような値がセットされなければ
ならない。
【0048】第五の加算器72及び第四の比較器73は
図11に示すものと同様であり、再生された2/7デー
タ(d0 〜d6 )において“0”が連続して7回並んで
いるか否かを判定する。
【0049】上述した2/7走長制限の規則を考慮して
最尤復号を行なうため、スイッチ制御器74は、図11
に示すものと同様に、第三の比較器71及び第四の比較
器73からの出力信号を入力し、表2の規則に従ってス
イッチSW2 及びSW3 を制御する。
【0050】上述したように構成された最尤復号器は図
14に示すフローチャートに従って動作する。
【0051】この動作は、図12に示すフローチャート
に従った動作とほぼ同じである。即ち、第三の比較器7
1及び第四の比較器73の出力が“0”のとき(S20
2、S204’)、通常の最尤復号が行なわれる。ただ
し、起こり得ない(d0 ,d 1 )=(1,1)の場合に
対応した(a0 ,a2 ,a3 )=(+1,−1,+
1)、(−1,+1,−1)の場合にも第三の比較器71
の出力は“0”になる。本実施例ではもしこのような場
合が発生したときは、このような状態を許容したうえで
(特に訂正せずに)通常の最尤復号が行なわれる。
【0052】一方、第三の比較器71の出力が“1”,
第四の比較器73の出力が“0”の場合、2/7データ
の最下位ビットd0 が“0”となるように、前データy
1 が処理すべきデータy2 として定義される。また、第
三の比較器の出力が“0”,第四の比較器73の出力が
“1”の場合、2/7データの最下位ビットd0
“1”となるように前データy1 の符号を反転したデー
タ−y1 が処理すべきデータy2 として定義される。以
下の処理は、図12に示す処理と同様である。
【0053】上記の実施例において、比較器61の出力
ビットc0 とc2 の排他的論理和(c0 EXOR c2 )又
は、2/7データの最下位ビットd0 と二番目のビット
1との排他的論理和(d0 EXOR d1 )に基づいて、2
/7データの最下位ビットd0 に“0”をセットすべき
場合((d0 ,d1 )=(0,1),(1,0))か否
かを判定することが可能である。
【0054】この実施例においても、2/7走長制限の
規則を考慮して最尤復号が行なわれるので、光ディスク
から更に確実なデータの再生を行なうことが可能とな
る。
【0055】ところで、光ディスクの再生波形は直流
(DC)までの帯域を有しているが、その再生波形を処
理するための実際の回路は、DCオフセット等の影響を
除去するために、帯域をDC等の低域をカットした領域
に制限しているため、該回路で処理された信号波形は、
記録パターンにより低域変動を起こす。また、光ディス
クにポリカーボネイト製の基板が用いられることが多い
が、一般に、光ディスクの基板の材料となるポリカーボ
ネイトは復屈折による反射光のむらが大きく、再生信号
のエンベロープが変動して信号検出(スライス検出)の
マージンが小さくなるという不利な点を有する。すなわ
ち、図15に示すように、記録信号(LD駆動信号)に
対応した再生信号がゼロレベル(0)を中心に変化する
のではなく、その中心レベルCk が緩やかに変動する。
このように、再生信号がDCにより低域変動したりエン
ベロープ変動してA/D変換時に振幅方向にずれると、
例えば、図10に示す最尤復号処理において求めた、基
準値Δとサンプリング値yの加算値ZはDC成分を強調
することになる。また、検出されるデータは、該基準値
Δの符号を表わす符号SNG(Δ)であるため、再生信
号のDC成分によりその符号SNG(Δ)が影響を受け
る。その結果、正確なデータ検出を損ね、エラーレート
が劣化してしまう。
【0056】また、上述した最尤復号器14では、検出
データをプリコード前の走長制限符号(例えば、1/7
変調信号)に復号するために検出データを(1+D)mo
d2変換する必要がある。(1+D)mod2変換は隣り合う
タイミングでの2つの検出データを用いて行われるた
め、(図8(18)参照)、1つの検出データに誤りが
発生すると、最終的に2つの復調データに誤りが生じて
しまう。
【0057】そこで、次に示す実施例は上記のような不
具合を更に改善するものである。
【0058】当該実施例に係る最尤復号器14は、図1
6に示すように構成される。図16において、最尤復号
器14は、マージ(Merge)判定ユニット141、中心値
演算ユニット142、基準値演算ユニット143及びマ
ージ(Merge)検出ユニット144を有している。マージ
判定ユニット141は、A/D変換器13からの入力デ
ータyk と後述する基準値演算ユニット143からの基
準値Δk とを用いて当該入力データyk に対するマージ
判定を行い、その判定値Mk を出力する。
【0059】このマージ判定ユニット141は、図17
に示すフローに従った処理を行う。すなわち、新たな入
力データyk と基準値Δk とを用いてZk (=yk −Δ
k )を演算し、その値に応じて+merge、-merge、no mer
ge を判定する。+merge(Zk>1)のとき判定値Mk
(mk1,mk2)=01を出力し、-merge(Zk <−1)
のとき判定値Mk =10を出力し、更にno merge
【0060】
【数1】 のとき判定値Mk =00を出力する。このマージ判定ユ
ニット141での処理は、図10におけるステップS1
00〜S103に対応する。上記のような処理を実現す
るため、マージ判定ユニット141は、例えば、図21
に示すように減算器1411(Zk =yk −Δk )、第
一の比較器1412(Zk <−1)及び第二の比較器1
413(Zk >1)にて構成される。
【0061】中心値演算ユニット142は、図18に示
すフローに従って処理を行う。すなわち、新たな入力信
号yk が与えられると、マージ判定ユニット141で得
られたZk 値に応じた中心値データCkdを演算する。Z
k >2の場合、中心値データCkdが、 Ckd=yk −2 に従って演算され、
【0062】
【数2】 の場合、中心値データCkdが、 Ckd=Ck-1ave に従って演算され、また、Zk <−2の場合、中心値デ
ータCkdが、 Ckd=yk +2 に従って演算される。Zk >2の場合とは、確実に入力
データyk が+mergeの状態であるので、その入力データ
k から理想的な振幅値“2”を減ずることにより、中
心値データCkdを求めている(図7(6)参照)。Zk
<−2の場合とは、確実に入力データyk が-mergeの状
態であるので、その入力データyk から理想的な負の振
幅値“−2”を減ずることにより、中心値データCkd
求めている。また
【0063】
【数3】 の場合とは、確実に+merge又は-mergeと判定できない場
合(no mergeを含む)であるので、後述するように演算
された前回の中心値Ck-1aveを中心値データCkdとして
用いる。上記のように演算された中心値データCkdと前
回得られている中心値Ck-1aveを用いて、中心値Ckave
が、 CkKave=〔(n−1)Ck-1ave+Ckd〕/n に従って、演算される。このように演算される中心値C
kaveは、n個の中心値データCkdの平均値に相当する。
中心値Ckaveを連ねた曲線は図15に示す再生信号の中
心レベルCk を表わす。
【0064】上記のような処理を実現するため、中心値
演算ユニット142は、例えば、図23に示すように構
成される。図23において、中心値演算ユニット142
は、Zk <−2を判定する第一の比較器1421,Zk
>2を判定する第二の比較器1422,定数出力回路1
423(Rk )、加算器1424、マルチプレクサ14
25、減算器1426、除算器1427、加算器142
8、乗算器1429及びカウント値nがセットされるレ
ジスタ1430を有している。第一の比較器1421か
らのZk <−2の判定結果l1 と第二の比較器1422
からのZk >2の判定結果l2 に応じて定数出力回路1
423が定数Rk (8ビット)を出力する。この定数R
k は、−2(l1 =0、l2 =1)又は2(l1 =1、
2 =0)である。加算器1424は入力データyk
定数Rk (−2又は2)を加算する。マルチプレクサ1
425は第一及び第二の比較器1421,1422から
の判定結果Lk =(l1 ,l2 )に応じて加算器142
4からの加算結果yk +R k 又は加算器1428にて前
回演算された中心値Ck-1aveのいずれかを中心値データ
kdとして選択する。該判定結果Lk =(l1 ,l2
が(0,0)のとき(no mergeに対応) に前回演算され
た中心値Ck-1aveが選択される。減算器1426はマル
チプレクサ1425からの中心値データCkdから前回演
算された中心値Ck-1aveを減算する。除算器1427は
減算器1426からの演算結果Ckd−Ck-1aveをレジス
タ1430にセットされたカウント値nにて除し、演算
値(〔Ckd−Ck-1ave〕/n)を出力する。加算器14
28は除算器1427からの演算値(〔Ckd
k-1ave〕/n)及び前回演算された中心値Ck-1aveを
加算して今回の中心値Ckave kave=Ck-1ave+〔Ckd−Ck-1ave〕/n を出力する。乗算器1429は加算器1428からの中
心値Cave を2倍して2Ckaveを出力する。この2倍の
中心値2Ckaveは基準値演算ユニット143にて用いら
れる。
【0065】基準値演算ユニット143は、例えば、図
19に示すフローに従って処理を行う。即ち、マージ判
定ユニット141からの判定値Mk に応じた基準値Δ
k+1 を出力する。判定値Mk =01(Zk >1:+merg
e)の場合、基準値Δk+1 =2C kave−yk +1が出力
される。判定値Mk =10(Zk <−1:-merge)の場
合、基準値Δk+1 =2Ckave−yk −1が出力される。
また、判定値Mk =00の場合
【0066】
【数4】 の場合、基準値Δk+1 =2Ckave−Δk が出力される。
これらの基準値Δk+1 は、図10の処理にて得られる基
準値(Δk+1 =yk −1)、(Δk+1 =yk +1)及び
(Δk+1 =−Δk )を中心値Ckaveで補正したものであ
る。
【0067】上記のような処理を実現するため、基準値
演算ユニット143は、例えば、図22に示すように構
成される。即ち、基準値演算ユニット143は、定数出
力回路1431、加算器1432、マルチプレクサ14
33及び減算器1434にて構成されている。定数出力
回路1431は、判定値Mk に応じた定数Qk (8ビッ
ト)を出力する。判定値Mk =01(+merge)の場合、
定数Qk =−1が出力され、判定値Mk =10(-merg
e)の場合、定数Qk =1が出力され、更に、判定値Mk
=00(no merge)の場合、定数Qk =0が出力され
る。加算器1432は、入力データyk と定数出力回路
1431からの定数Qk を加算してその加算値yk +Q
k を出力する。マルチプレクサ1433は、マージ判定
器141からの判定値Mに従って加算器1432からの
加算値yk +Qk 又は減算器1434からの前回演算さ
れた基準値Δk のいずれかを選択する。即ち、Mk =0
1及び10のとき、加算器1432からの加算値yk
k が選択され、判定値Mk=00のとき、前回演算さ
れた基準値Δk が選択される。減算器1434は、中心
値演算ユニット142からの2Ckaveからマルチプレク
サ1433にて選択された値Wk (yk +Qk 又はΔ
k )を減算して前述した次回の基準値Δk+1 を出力す
る。
【0068】マージ検出ユニット144は、マージ判定
ユニット141からの判定値Mk に基づいて入力データ
k の-mergeから+mergeへの変化及び+mergeから-merge
への変化を検出する。マージ検出ユニット144の具体
的な処理は、図20に示すフローに従って行われる。当
該処理において、変数Ak =(ak1,ak2)≠(0,
0)(1,1)が定義され、Mk =00(no merge) 及
びMk =Ak (+merge又は-mergeで変化なし)の場合、
前回の変数Ak を変化させない(Ak =Ak+1 )。ま
た、Mk ≠Ak (+mergeから-mergeへの変化又は-merge
から+mergeへの変化)の場合、変数Ak+1 は前回の判定
値Mk に設定される(Ak+1 =Mk )。そして、データ
k が、
【0069】
【数5】 に従って演算される。上記no merge及び+merge又は-mer
geで変化がない場合には、dk =0となり、入力データ
k の+mergeから-mergeへの変化及び-mergeから+merge
への変化がある場合には、dk =1となる(図25参
照)。このマージ検出ユニット144からの出力データ
k が更に1/7復調されて当該最尤復号器14の出力
データとなる。
【0070】上記のような処理を実現するために、マー
ジ検出ユニット144は、例えば、図24に示すように
構成される。即ち、マージ検出ユニット144は、判定
値M k とAk+1 とからak+11
【0071】
【数6】 に従って演算する第一の演算器1441、ak+12
【0072】
【数7】 に従って演算する第二の演算器1442及び判定値Mk
とak+11とak+12とからデータdk
【0073】
【数8】 に従って演算する第三の演算器1443とから構成され
ている。
【0074】上記のような構成の最尤復号器14によれ
ば、図25に示すように、再生信号に低域のエンベロー
プ変動があっても、merge の状態を判定するための基準
値Δ k が入力データyk の中心値Ck に追従して緩やか
に変動するので、その基準値Δk によってより確からし
いデータを復調することが可能となる。また、(1+
D)mod2変換を用いることなく、マージ判定ユニット1
41からの判定値Mk に基づいて直接入力データの立ち
上がり(-mergeから+mergeへの変化)及び立ち下がり
(+mergeから-mergeへの変化)を検出するため、仮に入
力データyk が1つ誤った場合でも、その誤りは、1つ
の復調データにしか影響を与えない。従って、エラーレ
ートの改善が図られる。
【0075】図26に、低域雑音振幅(%)とエラーレ
ートとの関係を示す。図10に示す処理に従った最尤復
号の特性Q1に対して当該実施例に係る最尤復号の特性
Q2は、改善されたものとなった。なお、図26におい
て、再生信号の振幅を100(%)として低域雑音振幅
が表わされている。
【0076】光ディスクの感度むら、データ記録時にお
ける環境温度変化、光点制御の変動によって光ディスク
に記録されるマークの大きさ(トラックが延びる方向の
長さ)が変動する。このように、光ディスクに記録され
るマークの大きさが変動すると、該光ディスクから得ら
れる再生信号波形が変動する。特に、最尤復号器14に
て記録マークのエッジに対応したデータ信号を再生して
いるので、前エッジに対応した再生データ信号と後エッ
ジに対応した再生データ信号では、マークの大きさの変
動に伴う位相の変化方向が異なる。即ち、図27に示す
ように、高温時における光ディスクへのデータの書き込
みにより記録ピット(記録マーク)が大きくなった場合
と、図28に示すように、低温時における光ディスクへ
のデータ書き込みにより記録ピット(記録マーク)が小
さくなった場合では、各記録ピットにおける前エッジと
後エッジとの間隔が異なる。このため、各エッジに対応
したデータを1つの同期信号によって得ることができな
い。しかし、環境温度の変化によって各記録ピットが変
化しても、隣接する記録ピットの前エッジ間隔及び後エ
ッジ間隔は、図27及び図28に示すように、ほぼ一定
である。従って、記録ピットの前エッジ(再生信号の立
ち上がりに対応)に同期した前エッジ同期クロックと、
記録ピットの後エッジ(再生信号の立ち下がりに対応)
に同期した後エッジクロックによってデータのサンプリ
ングを行うことによって正確な復調が可能となる。この
場合、信号再生系の構成は図29に示すようになる。
【0077】図29において、この信号再生系は、セン
タレベル二値化回路21、エッジ検出回路22、第一の
PLL回路23及び第二のPLL回路24を有してい
る。センタレベル二値化回路21は、再生信号波形
(1)の振幅の中点に対応した基準レベル(Lc )を用
いて該再生信号波形を二値化している。エッジ検出回路
22は、センタレベル二値化回路21から供給される二
値信号(2)の立ち上がり及び立ち下がりを検出し、立
ち上がりに対応した前エッジ検出信号(3)及び立ち下
がりに対応した後エッジ検出信号(4)を出力する。そ
して、第一のPLL回路23は、前エンジ検出信号
(3)に基づいて前エッジ同期クロック(5)を生成
し、第二のPLL回路24は、後エッジ検出信号(4)
に基づいて後エッジ同期クロック(6)を生成する。
【0078】上記各信号(1)〜(6)の状態が図30
に示される。
【0079】該信号再生系は、更に、第一の最尤データ
検出回路25a、第二の最尤データ検出回路25b及び
オア回路26を有している。第一の最尤データ検出回路
25aは、前エッジ同期クロック(5)に同期して作動
し、第二の最尤データ検出回路25bは、後エッジ同期
クロック(6)に同期して作動する。第一及び第二の最
尤データ検出回路25a及び25bは、図16に示す構
成と同様になっている。そして、マージ検出ユニット1
44が図31のように構成され、また、図32に示すフ
ローに従って処理を行う。即ち、前記実施例と同様に、
マージ検出ユニット144は、ak+11を演算する第一の
演算回路1441、ak+12を演算する第二の演算回路1
442を有し、更に前エッジデータ defk
【0080】
【数9】 に従って演算する第三の演算回路1444及び後エッジ
データ derk
【0081】
【数10】 に従って演算する第四の演算回路1445を有してい
る。前エッジ同期クロック(5)に同期して動作する第
一の最尤データ検出回路25aにおいては、入力信号y
k の立ち上がりに対応した-mergeから+mergeへの変化に
て前エッジデータ defk =1となる。また、後エッジ同
期クロック(6)に同期して動作する第二の最尤データ
検出回路25bにおいては、入力信号yk の立ち下がり
に対応した+mergeから-mergeへの変化にて後エッジデー
タ derk =1となる。第一の最尤データ検出回路25a
からの前エッジデータ defk 及び第二の最尤データ検出
回路25aからの後エッジデータ derk がオア回路26
にて合成され、最終的な復号データが得られる。
【0082】上記のような実施例によれば、再生信号の
立ち上がりに対応した前エッジと、再生信号の立ち下が
りに対応した後エッジを独立して検出できる最尤データ
検出回路を提供することが可能となる。その結果、環境
温度などにより記録ピット(記録マーク)の大きさが変
動しても、正確なデータを最尤復調によって得ることが
可能となる。
【0083】上述した各実施例においては、光ディスク
(光磁気ディスク)に、いわゆる、長穴方式にてデータ
記録がなされ、再生信号のエッジがデータとしての意味
を持つものであった。従って、上記実施例は、いわゆる
記録ピットそのものがデータ“1”に対応する短穴方式
にてデータ記録がなされた光ディスクからは直接データ
の再生ができなかった。そこで、次に、長穴方式及び短
穴方式のいずれかにてデータ記録がなされた光ディスク
であっても最尤復号によるデータ再生が可能なシステム
について説明する。
【0084】図33は、当該実施例に係る光磁気ディス
ク装置の再生系を示す。図33において、再生系は、図
4に示すものと同様に、光ディスク1、光学ヘッド2、
アンプ6、フィルタ/イコライザ7、第一及び第二のP
LL回路9a,9b、復調器10、第一及び第二のA/
D変換器13a,13b、最尤復号器14、二値化回路
21及びエッジ検出回路22を有している。この再生系
は、更に、切り換えロジック回路15及び記録方式検出
器16を有している。最尤復号器14は図29と同様第
一の回路,第二の回路から構成され、夫々が図16に示
すように構成されるとともに、そのマージ検出ユニット
144は図31に示すように構成され、第一の回路が前
エッジデータ defk を検出し、第二の回路が後エッジデ
ータ der k を検出するようになっている。記録方式検出
器16は、光ディスク1に長穴方式にてデータ記録がな
されている場合にレベル“1”の選択信号sel を出力
し、短穴方式にてデータ記録がなされている場合にレベ
ル“0”の選択信号sel を出力する。切り換えロジック
回路15は、例えば、図34に示すように、最尤復号器
14からの前エッジデータ defk 及び記録方式検出器1
6からの選択信号selを入力するアンド回路151と該
アンド回路151との出力信号と最尤復号器14からの
後エッジデータ derk とを入力するオア回路152とを
有している。
【0085】上記のような構成の光磁気ディスク装置で
は、記録方式検出器16が当該光ディスク1に長穴方式
にてデータが記録されていることを検出すると、レベル
“1”(ハイレベル)の選択信号sel を出力する。その
結果、アンド回路151が許容状態となり、最尤復号器
14からの前エッジデータ信号 defk 及び後エッジデー
タ信号 derk が切換えロジック回路15を介して後段の
復調回路10に供給される。一方、記録方式検出器16
が当該光ディスク1に短穴記録方式にてデータ記録がさ
れていることを検出すると、レベル“0”(ローレベ
ル)の選択信号sel を出力する。その結果、アンド回路
151が禁止状態となり、最尤復号器14からの後エッ
ジデータ信号 derk だけが切換えロジック回路15を介
して復調回路10に供給される。
【0086】図35に、短穴記録データ最尤復号検出の
信号処理例を示す。この場合、レーザ駆動信号及び再生
信号は、図7及び図8に示す長穴記録データ最尤復号検
出の場合と異なる。そして、後エッジデータ derk だけ
が最終的なデータとして、1/7復調される。
【0087】上記実施例によれば、長穴方式及び短穴方
式の双方で記録された記録データを最尤復号処理により
再生することが可能となる。
【0088】上述した実施例では、各データが8ビット
で扱われていたが、7ビット以上であればよい。
【0089】上述した前エッジと後エッジを独立して最
尤検出する方式と、長穴方式及び短穴方式で記録された
記録データを最尤検出する方式とを共に行なう場合に
は、図29のオア回路26を図34のロジック制御回路
15に置き換えればよい。
【0090】上述のように最尤復号器14を用いた光デ
ィスク装置における再生系では、図29,図33に示す
ように、フィルタ/イコライザ7にて波形整形された再
生信号を、あるスライスレベルを用いて二値化信号に変
換し、PLL回路9(9a,9b)が該二値化信号を同
期用信号として用いてクロック信号を生成している。
【0091】再生信号は前述したように直流(DC)ま
での帯域を有しているので、再生系を構成する実際の回
路の周波数特性が直流(DC)まで及んでいれば、該回
路にて生成される信号は、図36(a)に示すように、
グランドレベルGNDに対して正しく正負に振り分けら
れる。この場合は、該グランドレベルにてスライス検出
を行えば、図36(b)に示すような、正確な二値化信
号が得られ、該二値化信号に基づいて生成されるクロッ
ク信号も再生信号に同期する。しかし、再生系の実際の
回路では、前述したように、直流(DC)等の低域をカ
ットされた周波数特性となることから、該再生系回路で
は、図37(a)に示すように、正弦波とは異なってオ
ン時間とオフ時間が等しくない再生信号は正または負の
方向にレベルシフトする。このような再生信号をグラン
ドレベルGNDをスライスレベルとして二値化信号に変
換すると、図37(b)に示すように、正確に再生信号
に同期した二値化信号が得られない。このように、記録
パターンの相違によって再生信号レベルがシフトするこ
とにより、前述したように、再生信号のエンベロープが
変動する。さらに、前述したように、光ディスクの基板
(ポリカーボネート等)での復屈折むらによっても生成
信号のエンベロープが変動する。従って、二値化信号を
得るために必要なスライスレベルは、該再生信号のエン
ベロープ変動に追従して変動しなければならない。
【0092】しかし、図38に示すように、記録パター
ンの相違に起因した再生信号のエンベロープ変動は比較
的緩やかであるのに対して、光ディスク基板の復屈折む
らに起因した再生信号のエンベロープ変動は比較的急激
である。従って、記録パターンの相違に起因した再生信
号のエンベロープ変動に追従するようにスライスレベル
検出を行おうとすると(例えば、積分スライス検出)、
図38に示すように、光ディスク基板の復屈折むらに起
因した再生信号のエンベロープ変動に追従したスライス
レベルの検出ができない。一方、光ディスク基板の復屈
折むらに起因した再生信号のエンベロープ変動に追従す
るようにスライスレベル検出を行おうとすると(例え
ば、積分スライス検出)、図39に示すように、再生信
号の緩やかなエンベロープ変動であっても、検出される
スライスレベルが再生信号の細かい変動にまで追従して
しまう。この場合は、安定したスライスレベルを得るこ
とができない。
【0093】そこで、次の実施例は、再生信号が緩やか
あるいは急激にエンベロープ変動しても、PLL回路に
て同期信号として使用される安定した二値化信号を再生
信号から抽出することを目的としている。
【0094】図40は、当該実施例に係る光磁気ディス
ク装置の再生系を示すブロック図である。
【0095】図40において、当該再生系は、図4に示
すものと同様に、光ディスク1、光学ヘッド2、アンプ
6、イコライザ7a、ローパスフィルタ7b、PLL回
路9、復調器10、A/D変換器13、最尤復号器14
及び二値化回路17を有している。この再生系は、更
に、D/A変換器18を有している。最尤復号器14
は、前述した実施例と同様に、マージ判定ユニット14
1、中心値演算ユニット142、基準値演算ユニット1
43及びマージ検出ユニット144を備えている。最尤
復号器14の各ユニット141,142,143,14
5は、PLL回路9からのクロック信号に同期して動作
する。中心値演算ユニット142は、再生信号レベルの
中心値Ckdを演算する。中心値データCkdは中心値演算
ユニット142においてデジタル値として得られ、この
中心値データCkdがD/A変換器18によってアナログ
の信号レベルに変換される。D/A変換器18から出力
される信号レベルは常に再生信号の中心値を表してお
り、この信号(中心値信号という)がスライスレベルを
表す信号として二値化回路17に供給される。二値化回
路17はD/A変換器18からの中心値信号レベルをス
ライスレベルとして二値化信号を生成する。
【0096】二値化回路17からの二値化信号はPLL
回路9に供給され、このPLL回路9が該二値化信号に
基づいて同期用のクロック信号を生成する。そして、P
LL回路9にて生成されたクロック信号に同期して、A
/D変換器13、最尤復号器14及びD/A変換器18
が動作する。
【0097】上記のように、最尤復号器14内の中心値
演算ユニット142によって演算される中心値データC
kdに対応した中心値信号レベルを再生信号のスライスレ
ベルとしたので、再生信号のエンベロープが緩やかある
いは急激に変動しても、図41に示すように、スライス
レベルが再生信号の中心レベルに維持されながら該エン
ベロープ変動に追従して変動する。このスライスレベル
によって再生信号が二値化され、その二値化信号に基づ
いてPLL回路9がクロック信号を生成する。従って、
PLL回路9は、再生信号と安定的に同期するクロック
信号を生成することができ、最尤復号器14での安定し
た同期処理が可能となる。
【0098】ところで、上記のようにしてPLL回路9
を用いて生成されるクロック信号は、再生信号の立ち上
がり点(前エッジ点)と立ち下がり点(後エッジ点)に
同期するようになる。しかし、更に高密度にてデータ記
録のなされた光ディスクからのデータ再生を行う場合、
再生信号からクロック信号を生成する回路(二値化回路
17、PLL回路9等)での遅延により、A/D変換器
13において、再生信号の前エッジ点や後エッジ点とク
ロック信号の位相が僅かにずれてくる。このように、A
/D変換器13において再生信号の前エッジ点や後エッ
ジ点とクロック信号の位相がずれると、再生信号が適正
な位相にてA/D変換されず、正確なデータ再生が保証
できなくなる。そこで、以下の実施例は、A/D変換器
13に供給される再生信号の前エッジ点や後エッジ点と
クロック信号との位相ずれを補償するようにして、上記
のような不具合を改善するものである。
【0099】当該実施例に係る再生系は、例えば図42
に示すように構成される。図42において、当該再生系
は、図40に示す実施例と同様に、光ディスク1、光学
ヘッド2、アンプ6、イコライザ7a、ローパスフィル
タ7b、復号器10、A/D変換器13、最尤復号器1
4、二値化回路17及びD/A変換器18を有してい
る。この再生系は、更に、新たな構成となるPLL回路
30及びD/A変換器35を有している。
【0100】最尤復号器14は、例えば、図43のよう
に構成されている。図43において、この最尤復号器1
4は、前述した実施例と同様に、マージ判定ユニット1
41、中心値演算ユニット142、基準値演算ユニット
143及びマージ検出ユニット144を備えている。そ
して、更に、この最尤復号器14は、位相誤差検出ユニ
ット145を有している。この位相誤差検出ユニット1
45は、中心値演算ユニット142からの中心値
kave、A/D変換器13でのサンプリングデータy k
及びマージ検出ユニット144からの前エッジデータ d
efk 及び後エッジデータ derk に基づいて位相誤差デー
タdTk を演算する。この位相誤差データdTk の演算は、
図44に示す手順に従ってなされる。即ち、クロックタ
イミングkでマージ検出ユニット144から新たな前エ
ッジデータ defk ("1"又は"0")及び後エッジデータ der
k ("1"又は"0")が出力される毎に(S1)、前エッジ位
相誤差データ dTfk が、前のクロックタイミングk-1 に
て得られた中心値Ck-1ave及びサンプリングデータy
k-1 と前エッジデータ defk を用いて、次式に従って演
算され、dTfk =(Ck-1ave − yk-1 )・defk また、後
エッジ位相誤差データ dTrk が、前のクロックタイミン
グk-1 にて得られた中心値Ck-1ave及びサンプリングデ
ータyk-1 と後エッジデータ derk を用いて、次式に従
って演算される(S2)。
【0101】dTrk = (yk-1 − Ck-1ave)・derk 前エッジデータ defk は、再生信号の前エッジ点( 立ち
上がり) のみで"1" となるので、前エッジ位相誤差デー
タ dTfk は、前エッジ点での再生信号の中心値とサンプ
リングデータとの差に対応することになる。また、同様
に、後エッジ位相誤差データ dTrk は、後エッジ点での
再生信号の中心値とサンプリングデータとの差に対応す
る。そして、位相誤差データdTk は、上記前エッジ位相
誤差データ dTfk と後エッジ位相誤差データ dTrk との
和によって得られる(S3)。得られた位相誤差データ
dTk は、D/A変換器35に供給される(S4)。
【0102】前エッジデータ defk 及び後エッジデータ
derk は、理想的には、再生信号の前エッジ点及び後エ
ッジ点に対応したクロックタイミングにて得られるはず
である。即ち、この位相誤差データdTk は、再生信号の
前エッジ点及び後エッジ点と同期用クロック信号(A/
D変換器13及び最尤復号器14に供給される)との位
相誤差を数量的に表現する。
【0103】上記のような手順に従って位相誤差データ
dTk を演算する位相誤差検出ユニット145は、例え
ば、図45に示すように構成される。
【0104】図45において、この位相誤差検出ユニッ
ト145は、第一のシフトレジスタ1451、第二のシ
フトレジスタ1452、定数設定器1453、第一の減
算器1454、第二の減算器1455及びセレクタ14
56を備えている。第一のシフトレジスタ1451には
中心値演算ユニット142からの中心値Ckaveが次のク
ロックタイミングまで保持される。第二のシフトレジス
タ1452にはA/D変換器13でのサンプリング値y
k が次のクロックタイミングまで保持される。第一の減
算器1454は第一のシフトレジスタ1451からの中
心値Ck-1aveから第二のシフトレジスタ1452からの
サンプリング値yk-1 を減算する。前エッジ点に対応し
たクロックタイミングにてこの第一の減算器1454か
ら出力される値は、図44のS2に示されるように演算
された前エッジ位相誤差データ dTfk となる(前エッジ
データ defk は"1" ) 。第二の減算器1455は第二の
シフトレジスタ1452からのサンプリング値yk-1
ら第一のシフトレジスタ1451からの中心値Ck-1ave
を減算する。後エッジ点に対応するクロックタイミング
にてこの第二の減算器1455から出力される値は、図
44のS2に示されるように演算された後エッジ位相誤
差データ dTrk となる(後エッジデータ der k は"1" )
。定数設定器1453には、例えば、定数"0" が予め
設定されている。セレクタ1456は3つの入力端子
A,B,Cを有している。定数設定器1453に設定さ
れた定数値"0" が入力端子Aに、第一の減算器1454
からの値が入力端子Bに、第二の減算器1455からの
値が入力端子Cに夫々供給されている。セレクタ145
6は3つの入力端子A,B,Cから次表に従って前エッ
ジデータ defk 及び後エッジデータ derk に対応した入
力端子を選択する。
【0105】
【表3】 即ち、再生信号の前エッジ点に対応したクロックタイミ
ングでは( defk = "1"、derk = "0")、入力端子Bに入
力する前エッジ位相誤差データ(Ck-1ave −yk-1
がセレクタ1456から出力され、再生信号の後エッジ
点に対応したクロックタイミングでは( defk = "0"、d
erk = "1")、入力端子Cに入力する後エッジ位相誤差デ
ータ(yk-1 − Ck-1ave )がセレクタ1456から出
力される。また、再生信号の前エッジ点及び後エッジ点
以外の点に対応したクロックタイミングでは( defk =
"0"、derk = "0")、入力端子Aに入力する定数値"0"
がセレクタ1456から出力される。なお、前エッジデ
ータ defk 及び後エッジデータ derk 双方が同時に"1"
となることは理論的にあり得ないが、回路の誤動作等で
このような状態となった場合には、セレクタ1456か
らは入力端子Aに入力する定数値"0" が出力される。
【0106】上記のようにして最尤復号器14の位相誤
差検出ユニット145から、前エッジ点及び後エッジ点
に対応したクロックタイミング毎に位相誤差データdTk
が出力される。この位相誤差データdTk はD/A変換器
35に供給され、このD/A変換器35からは、例え
ば、図46及び図47に示すような、位相誤差データdT
k に応じた振幅の矩形波信号(位相誤差信号)が出力さ
れる。図46は、実際のクロック信号の位相(●印)と
再生信号の理想的なサンプル点(○印)(前エッジ点及
び後エッジ点を含む)との間の位相誤差dτが正(+)
である場合を示している。この場合、前エッジ点及び後
エッジ点に対応したタイミング毎に位相誤差データdTk
に対応した正(+)の振幅値となる位相誤差信号がD/
A変換器13から出力される。また、図47は、実際の
クロック信号の位相(●印)と再生信号の理想的なサン
プル点(○印)との間の位相誤差dτが負(−)である
場合を示している。この場合、前エッジ点及び後エッジ
点に対応したタイミング毎に位相誤差データdTk に対応
した負(−)の振幅値となる位相誤差信号がD/A変換
器35から出力される。
【0107】また、図42に示すPLL回路30は、例
えば、図48に示すように構成される。図48におい
て、PLL回路30は、位相比較器31、ローパスフィ
ルタ(LPF)32−1、32−2及び電圧制御発振器
(VCO)33を備えている。二値化回路17からは、
再生信号をその中心値をスライスレベルとて二値化して
得られる二値化信号の立ち上がり及び立ち下がりに対応
したエッジ検出信号(再生信号の前エッジ及び後エッジ
に対応)が出力される。位相比較器31はこのPLL回
路30から出力されるクロック信号と二値化回路17か
らのエッジ検出信号(入力1)との位相を比較し、その
位相差に応じた信号を出力する。位相比較器31からの
信号はローパスフィルタ32−1にて当該位相差に対応
した電圧レベルに変換される。また、上述したD/A変
換器35からの位相誤差信号がローパスフィルタ32−
2にて当該位相誤差信号に対応した電圧レベルに変換さ
れる。上述した位相誤差が正(+)の場合には、このロ
ーパスフィルタ32−2から出力される電圧レベルは、
図46に示すように正(+)となり、また、位相誤差が
負(−)の場合には、ローパスフィルタ32−2からの
出力電圧レベルは、図47に示すように負(−)とな
る。各ローパスフィルタ32−1及び32−2から出力
された電圧レベルが加算されて電圧制御発振器33に供
給される。電圧制御発振器33は、例えば、データ記録
に用いた基準クロック信号と同一の周波数のクロック信
号の位相を入力される電圧レベルに応じて制御し、この
位相調整されたクロック信号を出力する。この電圧制御
発振器33からのクロック信号がPLL回路30の出力
クロック信号としてA/D変換器13及び最尤復号器1
4に供給される。このPLL回路30は、位相差信号が
位相誤差分だけオフセットした状態で動作するので、こ
のPLL回路30から出力されるクロック信号の位相
は、該位相誤差がキャンセルされるようにロックされ
る。即ち、A/D変換器13及び最尤復号器14に供給
される同期用クロック信号の位相は、A/D変換器13
に入力する再生信号の理想的なサンプル点に収束する。
【0108】また、図49に示すように、電圧制御発振
器33に供給される電圧を最初はロータパスフィルタ3
2−1の電圧でPLLを引込み動作し、後から切り換え
スイッチ100で当該位相誤差信号からローパスフィル
タ32−2を経て得られた電圧に切り換えても同様に該
位相誤差がキャンセルされるようにクロックがロック
し、理想的なサンプル点に収束する。
【0109】このクロック信号に同期するA/D変換器
13及び最尤復号器14の動作は、図40に示す実施例
の場合と同様である。例えば、図50に示すように、前
エッジ点に対応したクロックタイミング毎(k=4,9,・・
・) に演算される位相誤差データ(C3 −y3 ,C8
8 ・・・)及び後エッジ点に対応したクロックタイミ
ング毎(k=7,13, ・・・) に演算される位相誤差データ
(y6 −C6 ,y12−C12・・・)に基づいて位相調整
されたクロック信号に同期して再生信号がサンプリング
され、更にそのサンプリング値に基いた中心値Ck 、判
定値Mk 、及び変数Ak が演算される。そして、この判
定値Mk 及び変数Ak に基づいて得られる前エッジデー
タ defk び後エッジデータ derk が上記位相調整された
クロック信号に同期して最尤復号器14から出力され、こ
の前エッジデータ defk 及び後エッジデータ derk が交
互に並んだデータ列が復号器10によって復号される。
【0110】図51は、図27から図32に示す実施例
と同様に再生信号の立ち上がりに同期した前エッジ同期
クロック信号及び再生信号の立ち下がりに同期した後エ
ッジ同期クロック信号を用いて前エッジデータ及び後エ
ッジデータを独立して演算するようにした再生系の実施
例を示しており、この再生系において、上述したように
位相調整された前エッジ同期クロック信号及び後エッジ
同期クロック信号がそれぞれ得られる。
【0111】図51において、この再生系は、光ディス
ク1、光学ヘッド2、アンプ6、イコライザ7a、ロー
パスフィルタ7b、D/A変換器18及び二値化回路1
7を有している。また、前エッジ同期クロック信号に係
る系として、第一のA/D変換器13−1、第一の最尤
復号器14−1、第一のPLL回路30−1及び第一の
D/A変換器35−1が設けられ、後エッジ同期クロッ
ク信号に係る系として、第二のA/D変換器13−2、
第二の最尤復号器14−2、第二のPLL回路30−2
及び第二のD/A変換器35−2が設けられている。第
一の最尤復号器14−1及び第二の最尤復号器14−2
の基本構成は図43に示すものと同様に構成されてお
り、そして、マージ検出ユニット144が特に図31に
示すものと同様に構成されている。そして、第一の最尤
復号器14−1におけるマージ検出ユニット144から
は前エッジデータdefkだけが出力され、第二の最尤復号
器14−2からは後エッジデータderkだけが出力され
る。第一の最尤復号器14−1における位相誤差検出ユ
ニット145は図45と同様に構成され、そのセレクタ
1456は3つの入力端子A,B,Cから次表に従って
前エッジデータ defk 及び後エッジデータ derk に対応
した入力端子を選択する。
【0112】
【表4】 即ち、再生信号の前エッジ点に対応したクロックタイミ
ングでのみ( defk ="1"、derk = "0")、入力端子Bに
入力する前エッジ位相誤差データ(Ck-1ave− y
k-1 )がセレクタ1456から出力され、他のタイミン
グでは、常に入力端子Aに入力する定数値"0" がセレク
タ1456から出力される。
【0113】第一の最尤復号器14−1からの中心値C
k がD/A変換器18にて信号レベルに変換され、この
信号レベルをスライスレベルとして二値化回路17が二
値化信号を生成し、生成された二値化信号の立ち上がり
に対応した前エッジ検出信号と該二値化信号の立ち下が
りに対応した後エッジ検出信号が二値化回路17から出
力される。そして、第一の最尤復号器14−1からの前
エッジ位相誤差データdTfk が第一のD/A変換器35
−1にて位相誤差信号に変換され、上記前エッジ検出信
号と位相誤差信号が、図48に示すように構成される第
一のPLL回路30−1に供給される。第一のPLL回
路30−1が位相誤差信号及び前エッジ検出信号に基づ
いて、上述したのと同様に、該前エッジ点での位相誤差
がなくなるように内部で発生されるクロック信号の位相
調整を行い、この位相調整されたクロック信号が前エッ
ジ同期クロック信号として第一のPLL回路30−1か
ら出力される。
【0114】また、第二の最尤復号器14−2 における
位相誤差検出ユニット145は図45と同様に構成さ
れ、そのセレクタ1456は3つの入力端子A,B,C
から次表に従って前エッジデータ defk 及び後エッジデ
ータ derk に対応した入力端子を選択する。
【0115】
【表5】 即ち、再生信号の後エッジ点に対応したクロックタイミ
ングでのみ( defk ="0"、derk = "1")、入力端子Cに
入力する後エッジ位相誤差データ(yk-1 −C
k-1ave )がセレクタ1456から出力され、他のタイ
ミングでは、入力端子Aに入力する定数値"0" がセレク
タ1456から出力される。二値化回路17から出力さ
れる後エッジ検出信号と第二の最尤復号器14−2から
の後エッジ位相誤差データに基づいて、第二のPLL回
路30−2、第二のD/A変換器35−2を含む系にて
クロック信号の位相調整される。その結果、第二のPL
L回路30−2から後エッジ点での位相誤差がなくなる
ように位相調整された後エッジ同期クロック信号が出力
される。
【0116】上記のようにして位相調整された前エッジ
同期クロック信号及び後エッジ同期クロック信号それぞ
れに同期して第一及び第二の最尤復号器14−1、14
−2から出力される前エッジデータ defk 及び後エッジ
データ derk がOR回路等の合成回路36にて合成され
る。そして、合成回路36からの合成データが復号器1
0によって復号される。
【0117】図52は、再生信号から生成される二値化
信号を用いないで同期クロック信号を生成するようにし
た再生系の実施例を示す。図52において、この再生系
は、光ディスク1、光学ヘッド2、アンプ6、イコライ
ザ7a、ローパスフィルタ7b、A/D変換器13、最
尤復号器14、復号器10を有している。この再生系は
更にD/A変換器35、ローパスフィルタ32及び電圧
制御発振器33(VCO)を有している。最尤復号器1
4は図43に示すように構成され、前述した実施例と同
様に位相誤差データを出力する。そして、最尤復号器1
4からの位相誤差データがD/A変換器35にて位相誤
差信号(矩形波信号)に変換される。位相誤差信号はロ
ーパスフィルタ32によって電圧レベルに変換され、そ
の電圧レベルに応じて電圧制御発振器33が出力クロッ
ク信号の位相を制御する。電圧制御発振器33はデータ
記録用の同期信号と同じクロック信号を基準クロック信
号として生成しており、この基準クロック信号の位相が
上記位相誤差データに対応した電圧レベルにて応じて調
整される。そして、電圧調整発振器33からのクロック
信号がA/D変換器13及び最尤復号器14に供給さ
れ、A/D変換器13及び最尤復号器14はこのクロッ
ク信号に同期して作動する。
【0118】図52に示す構成の再生系では、最尤復号
器14の位相誤差検出ユニット145、D/A変換器3
5、ローパスフィルタ32及び電圧制御発振器33によ
って所謂PLL回路が構成される。再生信号の位相が大
きく変化しない場合に、このような簡易な構成の再生系
でも、再生信号に正しく同期したクロック信号が得られ
る。
【0119】図53は、前エッジデータと後エッジデー
タを独立して検出する再生系に図52に示す位相調整の
手法を適用した実施例である。図53において、再生系
は、光ディスク1、光学ヘッド2、アンプ6、イコライ
ザ7a及びローパスフィルタ7bを備えている。更にこ
の再生系は、前エッジ同期クロック信号に係る系とし
て、第一のA/D変換器13−1、第一の最尤復号器1
4−1、第一のD/A変換器35−1、第一のローパス
フィルタ32−1及び第一の電圧制御発振器33−1を
有しており、後エッジ同期クロック信号に係る系とし
て、第二のA/D変換器13−2、第二の最尤復号器1
4−2、第二のD/A変換器35−2、第二のローパス
フィルタ32−2及び第二の電圧制御発振器33−2を
有している。第一及び第二の最尤復号器14−1、14
−2は図51に示す実施例と同様に構成されている。そ
して、前エッジ同期クロック信号に係る系及び後エッジ
同期クロック信号に係る系は、図52に示すA/D変換
器13、最尤復号器14、D/A変換器35、ローパス
フィルタ32及び電圧制御発振器33と同様に構成され
ている。位相調整された前エッジ同期クロック信号に同
期して第一の最尤復号器14−1から出力される前エッ
ジデータ及び位相調整された後エッジ同期クロック信号
に同期して第二の最尤復号器14−2から出力される後
エッジデータが合成回路36によって合成される。この
合成回路36は、例えば、FIFO(First-In, First-
Out )メモリを利用して構成され、前エッジ同期クロッ
ク信号に同期して前エッジデータが、また、後エッジ同
期クロック信号に同期して後エッジデータが夫々FIF
Oに格納される。そして、格納された前エッジデータ及
び後エッジデータが前エッジ同期クロック信号及び後エ
ッジ同期クロック信号のいずれかに同期して交互にFI
FOから読みだされ、データ列が合成される。この合成
されたデータ列が復号器10によって復号される。
【0120】図54もまた、前エッジ同期クロック信号
に係る系と後エッジ同期クロック信号に係る系とを有し
た再生系の実施例を示す。各系において、再生信号から
二値化信号を生成するためのスライスレベルを位相誤差
がキャンセルされるように補正している。その結果、前
エッジ同期クロック信号及び後エッジ同期クロック信号
がそれぞれ再生信号の前エッジ点及び後エッジ点に正し
く同期するようになる。
【0121】図54において、再生系は、光ディスク
1、光学ヘッド2、アンプ6、イコライザ7a、ローパ
スフィルタ7bを備えている。この再生系は、更に、前
エッジ同期クロック信号に係る系として、第一のA/D
変換器13−1、第一の最尤復号器14−1、第一の中
心値D/A変換器18−1,第一の二値化回路17−
1、第一の位相誤差D/A変換器35−1及び第一のP
LL回路9−1を有し、後エッジ同期クロック信号に係
る系として、第二のA/D変換器13−2、第二の最尤
復号器14−2、第二の中心値D/A変換器18−2、
第二の二値化回路17−2、第二の位相誤差D/A変換
器35−2及び第二のPLL回路9−2を有している。
【0122】前エッジ同期クロック信号に係る系におい
て、第一のA/D変換器13−1、第一の最尤復号器1
4−1及び第一の位相誤差D/A変換器35−1は、図
51に示すものと同様に構成され、第一の位相誤差D/
A変換器35−1から前エッジ位相誤差信号が出力され
る。また、第一の最尤復号器14−1からの中心値C k
が第一の中心値D/A変換器18−1にて電圧レベルに
変換され、この電圧レベルに第一の位相誤差D/A変換
器35−1からの前エッジ位相誤差信号のレベルが加算
される。そして、その加算電圧レベルがスライスレベル
として第一の二値化回路17−1に供給される。即ち、
このスライスレベルは、再生信号の中心値から前エッジ
位相誤差に対応したレベルだけオフセットしたものとな
る。そして、第一の二値化回路17−1は供給されるス
ライスレベルに基づいて二値化信号を生成し、その二値
化信号の立ち上がりに対応した前エッジ検出信号を出力
する。第一のPLL回路9−1は第一の二値化回路17
−1からの前エッジ検出信号に同期するように内部のク
ロック信号の位相を調整する。第一のPLL回路9−1
から出力される位相調整されたクロック信号が、前エッ
ジ同期クロック信号として、第一のA/D変換器13−
1及び第一の最尤復号器14−1に供給される。
【0123】前エッジデータは、図46及び図47に示
すように、理想的には、再生信号が中心値となるとき
(no mergeの状態に対応) 得られる。ここで、再生信号
の前エッジ点でサンプリング値yk が中心値Ck からず
れた場合、そのずれ量で表された前エッジ位相誤差がキ
ャンセルされるように中心値を補正( オフセット) し、
その補正された中心値をスライスレベルとして二値化信
号が生成される。この二値化信号の立ち上がりに対応し
た前エッジ検出信号に基づいて得られる前エッジ同期ク
ロック信号は、再生信号の前エッジ点に正確に同期する
ようになる。
【0124】後エッジ同期クロック信号に係る系におい
ても、第二のA/D変換器13−2、第二の最尤復号器
14−2及び第二の位相誤差D/A変換器35−2は、
図51に示すものと同様に構成されいる。更に、第二の
中心値D/A変換器18−1、第二の二値化回路17−
2及び第二のPLL回路9−2が、前記前エッジ同期ク
ロック信号に係る系のものと対応するように構成されて
いる。この場合、再生信号の中心値に対応した電圧レベ
ルが後エッジ位相誤差に対応したレベルだけ補正された
レベルをスライスレベルとして第二の二値化回路17−
2が再生信号から二値化信号を生成する。そして、この
二値化信号の立ち下がりに対応した後エッジ検出信号に
同期するように第二のPLL回路9−2の内部クロック
信号の位相調整が行われ、この位相調整されたクロック
信号が後エッジ同期クロック信号として第二のPLL回
路9−2から第二のA/D変換器13−2及び第二の最
尤復号器14−2に供給される。この後エッジ同期クロ
ック信号に係る系においても、再生信号の後エッジ点で
サンプリング値yk が中心値Ck からずれた場合、その
ずれ量で表された後エッジ位相誤差がキャンセルされる
ように中心値が補正( オフセット) され、その補正され
た中心値をスライスレベルとして二値化信号が生成され
る。この二値化信号の立ち下がりに対応した後エッジ検
出信号に基づいて得られる後エッジ同期クロック信号
は、再生信号の後エッジ点に正確に同期するようにな
る。
【0125】図55は、位相調整素子を用いてクロック
信号の位相調整を行うようにした再生系の実施例を示
す。図55において、この再生系は、図40に示すもの
と同様に、光ディスク1、光学ヘッド2、アンプ6、イ
コライザ7a、ローパスフィルタ7b、A/D変換器1
3、最尤復号器14、D/A変換器18、二値化回路1
7、PLL回路9及び復号器10を備えている。最尤復
号器14は、図43に示すように、位相誤差検出ユニッ
ト145を備えるように構成される。この再生系は、更
に、位相調整素子40を有する。この位相調整素子40
は、最尤復号器14の位相誤差検出ユニット145から
の位相誤差データに基づいて当該位相誤差をキャンセル
するようにPLL回路9からのクロック信号の位相を調
整する。位相調整素子40は、例えば、複数のディレイ
ラインを位相誤差信号に応じてその接続を切り換えるよ
うにした遅延量可変型のディレイ回路等で構成される。
【0126】このような再生系によれば、PLL回路9
から出力するクロック信号の位相が位相調整素子40に
よって位相誤差がキャンセルされるように調整されるの
で、該クロック信号の位相を再生信号の理想的なサンプ
リング点に近づけることが可能となる。
【0127】なお、最尤復号器14の位相誤差検出ユニ
ット145からの位相誤差データをD/A変換器にてア
ナログ信号の位相誤差信号に変換し、この位相誤差信号
に基づいてクロック信号の位相を調整するように位相調
整素子40を構成することも可能である。
【0128】図56は、前エッジデータと後エッジデー
タを独立して検出する再生系に図55に示す位相調整の
手法を適用した実施例である。図56において、再生系
は、光ディスク1、光学ヘッド2、アンプ6、イコライ
ザ7a、ローパスフィルタ7b及び復号器10を備えて
いる。この再生系は、更に、前エッジ同期クロック信号
に係る系として、第一のA/D変換器13−1、第一の
最尤復号器14−1、第一のD/A変換器18−1、第
一の二値化回路17−1、第一のPLL回路9−1及び
第一の位相調整素子40−1を備え、後エッジ同期クロ
ック信号に係る系として、第二のA/D変換器13−
2、第二の最尤復号器14−2、第二のD/A変換器1
8−2、第二の二値化回路17−2、第二のPLL回路
9−2及び第二の位相調整素子40−2を備えている。
【0129】第一の最尤復号器14−1の位相誤差検出
ユニット145は前エッジ位相誤差データを出力し、第
一の二値化回路17−1は前エッジ検出信号を出力す
る。第一のPLL回路9−1から出力される前エッジ検
出信号に同期したクロック信号の位相が第一の位相調整
素子40−1により前エッジ位相誤差データに応じて調
整される。この第一の位相調整素子40−1によって位
相調整されたクロック信号が前エッジ同期クロック信号
として第一のA/D変換器13−1及び第一の最尤復号
器14−1に供給される。
【0130】第二の最尤復号器14l−2の位相誤差検
出ユニット145は後エッジ位相誤差データを出力し、
第二の二値化回路17−2は後エッジ検出信号を出力す
る。第二のPLL回路9−1から出力される後エッジ検
出信号に同期したクロック信号の位相が第二の位相調整
素子40−2により後エッジ位相誤差データに応じて調
整される。この第二の位相調整素子40−2によって位
相調整されたクロック信号が後エッジ同期クロックとし
て第二のA/D変換器13−2及び第二の最尤復号器1
4−2に供給される。
【0131】通常、上述した光磁気ディスク装置の記録
媒体として用いられる光ディスク1では、トラック上に
配列されたセクタに情報が記録される。その記録フォー
マットは、例えば、図59に示すようになっている。図
59において、各セクタは、VFO領域、Sync領域
及びデータ(DATA)領域を有している。VFO領域
には、パーシャルレスポンス特性に従って変調した最密
の連続的な繰り返しパターンが記録されており、この繰
り返しパターンに対応したパルス信号にPLL回路を引
込んでロックさせて同期信号が生成される。従って、光
ディスク1に回転変動があっても、その変動に追従した
同期信号が得られ、この同期信号を用いて確実なデータ
サンプリングが行える。Sync領域は、データ領域の
開始位置を表す特定のパターンが記録されている。デー
タ(DATA)領域には、前述したように所望のデータ
をパーシャルレスポンス特性に従って変調して得られる
信号が記録されている。
【0132】ところで、各セクタのデータ(DATA)
領域において、上述した最尤データ検出が行われるが、
その最尤データ検出において用いられる各種定数値は、
各セクタにデータが同時に記録されないことから、その
記録条件の変動により、その最適値が異なる。そこで、
次の実施例では、最尤データ検出において用いられる各
種定数値を各セクタのVFO領域からの再生信号(最密
の連続繰り返しパターン)に基づいて決定している。
【0133】また、VFO領域からの再生信号に基づい
て最尤データ検出において用いられる各種定数を決定す
るために最尤データ検出器(最尤復号器)にて得られる
情報を用いる場合、最適な初期値を最尤データ検出器に
提供しなければならない。
【0134】AC結合の回路を有する当該光磁気ディス
ク装置の再生系では、VFO領域の先頭部分から開始さ
れる繰り返しパターンの再生信号に図57に示すような
トランジェントが発生する。即ち、A/D変換器13に
入力する再生信号が、VFO領域の先頭部分で、大きく
変動する。このような状況では、上述したように再生信
号の中心値Ckaveを用いて最尤データ検出を行う最尤デ
ータ検出器14では、固定的な中心値の初期値を用いる
と再生信号のトランジェントに追従した正確な最尤デー
タ検出が行えない。そこで、次の実施例では、更に、最
尤データ検出において用いられる各種定数値を各セクタ
のVFO領域からの再生信号に基づいて得る際に、該再
生信号の変動に追従した正確な中心値Ckaveの初期値を
最尤データ検出器に提供している。
【0135】更に、前述した再生系においては、イコラ
イザ(等化器)7aにて再生信号の波形等化が行われて
いるが、このイコライザ(等化器)7aは、例えば、ア
ナログのトランスバーサル型等化器にて構成されてい
る。しかし、光ディスク1に、例えば、MCAV(Modi
fied-Constant Angular Velocity) 方式にて高密度のデ
ータ記録が行われた場合、光ディスク1の内側と外側で
(セクタの光ディスク1の径方向の位置に応じて)、等
化器内での遅延時間を変えなければならず、その調整が
アナログのトランスバーサル型等化器では難しい。ま
た、単に等化器をディジタル化しても、等化目標値をセ
クタの位置に応じて細かく可変設定することが難しい。
そこで、更にまた、次の実施例では、セクタの位置に応
じて特性を変えながら適応等化させることが可能となる
等化器を提供している。
【0136】当該実施例に係る最尤復号器14(最尤デ
ータ検出器)は、例えば、図58に示すように構成され
ている。
【0137】図58において、この最尤復号器14は、
図43に示す実施例と同様に、マージ判定ユニット14
1、中心値演算ユニット142、基準値演算ユニット1
43、マージ検出ユニット144及び位相誤差検出ユニ
ット145を有している。そして、更に、この最尤復号
器14は、初期中心値設定ユニット146、演算ユニッ
ト147、比較基準値設定ユニット148、タイミング
設定ユニット149及び比較器151を有し、また、ア
ナログのイコライザ7aに代わるデジタルのトランスバ
ーサル型等化器150を含んでいる。
【0138】この最尤復号器14では、図60に示すタ
イミングチャートに従い、各セクタのVFO領域にて各
種の処理を行う。即ち、電源投入または強制リセットに
よってパワー・オン・リセット信号が立ち上がった時点
では、当該最尤復号器14はリセット状態にある。そし
て、VFO領域の先頭部分の近傍でMOリードゲート信
号RDGTが立ち上がると、タイミング設定ユニット1
49内のクロックカウンタが有効となり、初期中心値設
定ユニット146がVFO領域からの再生信号に基づい
て中心値の初期値を演算するための処理を開始する。な
お、この場合、再生信号のサンプル値yk がPLL回路
からのクロック信号CLKに同期して動作するA/D変
換器13からトランスバーサル型等化器150を介して
初期中心値設定ユニット146に提供される。トランス
バーサル型等化器150内の定数はデフォルト値に設定
されている。タイミング設定ユニット149内のクロッ
クカウンタの値がj1 に達したときに得られている中心
値が初期値として初期中心値設定ユニット146内にラ
ッチされる。
【0139】クロックカウンタの値がj1に達して中心値
の初期値が設定ユニット146内にラッチされ、かつP
LL回路がロック状態となったことを示すゲート信号I
NITGTが立ち上がると、クロックカウンタの値i
が”0”にリセットされ、最尤復号器14で使用される
各種定数の演算が開始される。この実施例では、後述す
る比較基準値Δ1及びΔ2と、トランスバーサル型等化
器150にて用いられる適応等化の目標値が演算され
る。比較基準値Δ1 及びΔ2 は比較基準設定ユニット1
48によって演算され、また、適応等化の目標値は演算
ユニット147にて演算される。そして、クロックカウ
ンタの値がj2に達した時点で、比較基準値Δ1 及びΔ2
が比較基準値設定ユニット148にラッチされると共
に、適応化の目標値が演算ユニット147から比較器1
51に提供され、該比較器151内にラッチされる。
【0140】上記比較基準値Δ1及びΔ2は次のような
値である。
【0141】最尤復号器14のマージ判定ユニット14
1では、前述したように、図17に示す手順に従って各
サンプリング値に対応したマージ(merge)状態( データ
の遷移状態) を判定している。この場合、+merge (Mk
=01)、-merge (Mk =10)及びno merge(Mk
00)の判定基準となる
【0142】
【数11】 は、図25に示すように、再生信号の正ピーク値を”
2”、負のピーク値を”−2”に仮定したときに最適と
なる値である。この定数”1”及び”−1”は、図19
に示す基準値演算ユニット143での処理においても使
用されている(Δk+ 1 =2Ckave−yk −1、Δk+1
2Ckave−yk +1)。このマージ状態の判定に用いら
れる定数を一般的に比較基準値Δ1と定義する。上記定
数(1、−1)の絶対値は、理想的な再生信号の振幅
値”4(=2−(−2))”の四分の一の値である。従
って、この比較基準値Δ1も再生信号の振幅値の四分の
一の値とする。
【0143】また、最尤復号器14の中心値演算ユニッ
ト142では、前述したように、図18に示す手順に従
って中心値データCkdを演算している。この場合、中心
値データCkdを求めるための演算式を選択するための判
定基準となる
【0144】
【数12】 もまた、再生信号の正ピーク値を”2”、負のピーク値
を”−2”に仮定したときに最適となる値である。この
判定基準として用いられる定数を一般的に比較基準値Δ
2と定義する。この定数(2、−2)の絶対値は、理想
的な再生信号の振幅値”4”の二分の一の値である。従
って、この比較基準値Δ2も再生信号の振幅値の二分の
一の値とする。
【0145】最尤データ検出に使用すべき中心値Ckave
の初期値を得るための演算の原理が図61に示される。
即ち、サンプリング値の最大値ymax と最小値ymin
の差が所定値ycom 以上となったときに、VFO領域の
繰り返しパターンに対応した再生信号が立ち上がったと
判定し、その後、j1 個のサンプリング値の平均値を演
算する。この平均値が中心値の初期値として設定され
る。ここで、サンプルリング数j1 は、再生信号1周期
のサンプルリング数の整数倍となってる。このように、
サンプルリング数jを再生信号1周期のサンプルリング
数の整数倍とすることにより、位相同期のとれていない
PLL回路からのクロックCLKに同期したサンプリン
グ動作であっても、そのサンプリング値の平均値は常に
再生信号の中心値となる。
【0146】上記原理に従って中心値の初期値を演算す
る初期中心値設定ユニット146は、例えば、図62に
示すような手順で処理を実行するようになっている。
【0147】サンプリング値yk を入力すると、その値
が今までに得られた最大値ymax より大きいか否かが判
定され、もし、大きければ、その値に最大値ymax が更
新される(ymax =yk )。また、そのサンプリング値
k が今までに得られた最小値ymin より小さいと、最
小値ymin がそのサンプリング値yk に更新される(y
min =yk )。そして、最大値ymax 及び最小値ymin
のいずれかが更新されると、該最大値ymax と該最小値
min との差yd (=ymax −ymin )が演算される。
そして、この差yd が所定値ycom より大きくなるまで
最大値ymax と最小値ymin の更新処理が行われる。こ
こで、最大値ymax と最小値ymin との差yd が所定値
com を超えると、VFO領域の繰り返しパターンに対
応した再生信号が立ち上がったと判定され、中心値の演
算が行われる。中心値の演算処理においては、クロック
信号のカウント値iが”0”に初期化され、その後、新
たなサンプリング値yk が与えられる毎に、 Ciinit ={( j1-1 )・Ci-1init +yk }/j1 に基づいてCiinit が演算される。そして、カウント値
iがインクリメントされ(i=i+1)、サンプリング
値がj1個(i=j1) に達するまでこの演算が実行され
る。カウント値iがj1に達したときの演算値C
j1initは、j1個のサンプリング値の平均値であり、即
ち、サンプリングされた再生信号の中心値を示す。従っ
て、カウント値iがj1に達したときに、その時点で得ら
れている演算値Cj1initが中心値Ckaveの初期値として
初期中心値設定ユニット146内にラッチされる(C
kave=Cj1init)。
【0148】上記のように、中心値の初期値が初期中心
値設定ユニット146にラッチされると、その初期値が
中心値演算ユニット142に与えられ、この中心値の初
期値を用いて基準値演算ユニット143での演算が行わ
れ(図19参照)、以後、中心値演算ユニット142が
この初期値からサンプリング値に基づいて中心値を順次
更新していく(図18参照)。なお、中心値の初期値が
決定した後、後述する比較基準値Δ1及びΔ2が決定す
るまでの間、マージ判定ユニット141及び基準値演算
ユニット143において、比較基準値Δ1として定数”
1”が用いられる。また、その間、中心値演算ユニット
142において、比較基準値Δ2として定数”2”が用
いられる。
【0149】上記比較基準値Δ1及びΔ2は、演算ユニ
ット147及び比較基準値設定ユニット148によって
次のように演算される。
【0150】まず、VFO領域の繰り返しパターンに対
応した再生信号の振幅値を得るための演算の原理が図6
3に示される。PLL回路がロックした状態において
(INITGTが立ち上がった状態)、このPLL回路
からのクロック信号に同期して該再生信号の略正及び負
のピーク値がサンプリングされる。そして、正のピーク
値がサンプリングされるときは、マージ判定ユニット1
41は、+mergeの判定結果(Mk =01)を出力してお
り、また、負のピーク値がサンプリングされるときは、
マージ判定ユニット141は、-mergeの判定結果(Mk
=10)を出力している。従って、比較基準値設定ユニ
ット148は、マージ判定ユニット141からの判定結
果が +merge のときのサンプリング値yp の平均値と、
該判定結果が -merge のときのサンプリング値ym の平
均値を求め、その差dypm(=yp−ym )を該再生信
号の振幅値とて演算する。
【0151】演算ユニット147及び比較基準値設定ユ
ニット148は、図64に示す手順に従って処理を実行
する。まず、演算ユニット147では、クロックカウン
タ値iを”0”にリセットした後に、サンプリング値y
k に対するマージ判定ユニット141からの判定結果に
基づいて、サンプリング値の正のピーク値yp の平均値
を得るための演算及びサンプリング値の負のピーク値y
m の平均値を得るための演算を行う。そして、正のピー
ク値yp の平均値と負のピーク値ym の平均値との差d
pmを演算する。その後、比較基準値設定ユニット14
8が、この差dypmを四分の一にして比較基準値Δ1を
求め、更に、この差dypmを二分の一にして比較基準値
Δ2を求める。演算ユニット147及び比較基準値設定
ユニット148での上記の処理をクロックカウント値i
(サンプリング数)がj2に達するまで行い、演算ユニ
ット147はクロックカウント値がj2の時点での上記
差dypmを最終的な再生信号の振幅値として得、その時
点での比較基準値Δ1及びΔ2が最終値として比較基準
値設定ユニット148にラッチされる。
【0152】演算ユニット147は、上記正のピーク値
p の平均値を得るための演算及び負のピーク値ym
平均値を得るための演算をそれぞれ図65及び図66に
示す手順に従って行っている。
【0153】即ち、マージ判定ユニット141から+me
rge (Zk >1)の判定結果が得られると、変数ykpd
としてサンプリング値yk を用いて(ykpd =yk )、 ykp={(i−1)・yk-1p+ykpd }/i に従って正のピーク値の平均値ykpが演算される(図6
5参照)。この場合(+merge )、新たなサンプリング
値yk を用いて正のピーク値の平均値ykpの更新演算が
なされる。また、マージ判定ユニット141での判定結
果が+merge の場合、変数ykmd として前回(i=k−
1)の演算で得られた負のピーク値の平均値yk-1mを用
いて(ykmd =yk-1m)、 ykm={(i−1)・yk-1m+ykmd }/i に従って負のピーク値の平均値ykmが演算される(図6
6参照)。この場合(+merge )、今回(i=k)の負
のピーク値の平均値ykmは前回(i=k−1)の負のピ
ーク値の平均値yk-1mと等しくなり、今回のサンプリン
グ値yk は実質的に負のピーク値の平均値の更新演算に
は用いられない。
【0154】マージ判定ユニット141から−merge
(Zk <−1)の判定結果が得られると、変数ykpd
して前回(i=k−1)の演算で得られた正のピーク値
の平均値yk-1pを用いて(ykpd =yk-1p)、上式に従
って正のピーク値の平均値ykpが演算される(図65参
照)。この場合(−merge)、今回(i=k)の正のピー
ク値の平均値ykpは前回(i=k−1)の正のピーク値
の平均値yk-1pと等しくなり、今回のサンプリング値y
k は実質的に正のピーク値の平均値の更新演算には用い
られない。また、マージ判定ユニットでの判定結果が−
merge の場合、変数ykmd としてサンプリング値yk
用いて(ykmd =yk )、上式に従って負のピーク値の
平均値ykmが演算される(図66参照)。この場合(−
merge)、新たなサンプリング値yk を用いて負のピーク
値の平均値ykmの更新演算が行われる。
【0155】マージ判定ユニット141からno merge
(−1<Zk <1)の判定結果が得られると、正のピー
ク値の平均値ykpの更新演算及び負のピーク値の平均値
kmの更新演算のそれぞれにおいて、変数ykpd 、y
kmd として前回(i=k−1)の演算にて得られた正及
び負のピーク値の平均値yk-1p及びyk-1mを用いて(y
kp d =yk-1p ,ykmd =yk-1m),上式に従って正及び
負のピーク値の平均値ykp及びykmが演算される(図6
5及び図66参照)。この場合(no merge)、今回(i
=k)の正及び負のピーク値の平均値ykp及びykmはそ
れぞれ前回(i=k−1)の正及び負のピーク値の平均
値yk-1p及びyk-1mに等しくなり、今回のサンプリング
値yk が実質的に正及び負のピーク値の平均値の更新演
算には用いられない。
【0156】上記のようにして、クロックカウント値が
j2に達した時点で比較基準値Δ1及びΔ2がラッチさ
れると、その比較基準値Δ1がマージ判定ユニット14
1及び基準値演算ユニット143に与えられる。その結
果、以後、マージ判定ユニット141及び基準値演算ユ
ニット143は、それぞれ図17及び図19に示す手順
に代えて図67に示す手順に従って処理を行う。また、
比較基準値Δ2が中心値演算ユニット142に与えら
れ、以後、中心値演算ユニット142は図18に示す手
順に代えて図68に示す手順に従って処理を行う。
【0157】上述したように、VFO領域において、中
心値の初期値が得られた後に比較基準値Δ1及びΔ2の
演算が行われるが、この比較基準値Δ1及びΔ2を得る
ための演算の過程でクロックカウント値がj2の時点で
得られた正のピーク値の平均値ykpと負のピーク値の平
均値ykmとの差dykpm (VFO領域における繰り返し
パルス信号の振幅値に対応)が信号等化の目標値dy
lat として比較器151内にラッチされる。
【0158】トランスバーサル型等化器150は、例え
ば、図69に示すように、遅延素子1501、及び15
02と、二段の遅延素子1501及び1502を介した
サンプリング値に等化係数(ゲイン)kを乗ずる乗算器
1503と、A/D変換器13からのサンプリング値に
直接等化係数(ゲイン)kを乗ずる乗算器1504と、
一段の遅延素子1501を介したサンプリング値と、乗
算器1053の出力値の反転値と、更に乗算器1504
の出力値の反転値とを加算して等化値を得る加算器15
05と、乗算器1503及び1504にて用いられるゲ
インkの値を制御するゲインコントローラ1510とを
有している。このゲインコントローラ1510は、比較
器151からのゲインコントロール信号(kコントロー
ル信号)に基づいて等化係数(ゲイン)kを制御する。
【0159】上記VFO領域では、トランスバーサル型
等化器150のゲインkは、デフォルト値に固定される
ように制御される。各セクタのVFO領域以降の領域に
おいては、トランスバーサル型等化器150の等化係数
kは、上記の目標値dylat及びマージ判定ユニット1
41からの判定結果に基づいて制御される。
【0160】即ち、演算ユニット147は、上記のよう
に決定された比較基準値Δ1を用いて判定演算を行うマ
ージ判定ユニット141からの判定結果に基づいて信号
の正のピーク値の平均値ykpを図70に示す手順にて演
算し(図65の手順に対応する)、マージ演算ユニット
141からのその判定結果に基づいて信号の負のピーク
値ykmを図71に示す手順に従って演算する(図66に
示す手順に対応する)。このように演算された正のピー
ク値の平均値ykpと負のピーク値の平均値ykmとの差d
pmが更に演算される。この差dypmがクロック信号に
同期して等化目標値dylat がラッチされた比較器15
1に提供される。
【0161】比較器151及びトランスバーサル型等化
器150のゲインコントローラ1510は、図72に示
す手順に従って処理を行う。
【0162】先ず、演算ユニット147から比較器15
1に正のピーク値の平均値ykpと負のピーク値の平均値
kmとの差dypmが与えられる毎に、比較器151がそ
の差dypmと等化目標値dylat との差、即ち振幅差d
diffを演算して、この演算された振幅差dydiffをゲ
インコントロール信号としてトランスバーサル型等化器
150のゲインコントローラ1510に与える。次に、
ゲインコントローラ1510は、所定の等化係数ko を
基準値として用いて等化係数kをk=ko +dydiff
mに従って決定し、乗算器1503及び1504にて用
いられる等化係数(ゲイン)をこの決定された等化係数
値kとなるように制御する。ここで、mは、振幅差dy
diffを補正すべき等化係数の大きさに調整するための定
数である。各乗算器1503及び1504は、A/D変
換器13からのサンプリング値に上記のように制御され
る等化係数を乗じてその結果を加算器1505に供給す
る。
【0163】上述したようにトランスバーサル型等化器
150の等化係数を制御すれば、信号振幅値dypmが変
動して等化目標値dylat からずれると、上式に従って
そのずれdydiffを補正するように等化係数kが制御さ
れる。従って、安定した等化出力が得られる。
【0164】また、上記等化目標値は、各セクタのVF
O領域においてその再生信号の振幅値dypmに基づいて
容易に決定することができる。即ち、等化器において、
等化目標値をセクタ位置に応じて容易に可変設定でき
る。
【0165】更に、上記等化器がディジタル処理にて等
化出力を得ているので、アナログ等化では困難であった
光ディスク1の内周及び外周によって遅延時間を変える
ことが、クロックの周期を変えることで容易に達成され
る。
【0166】なお、トランスバーサル型等化器150の
各乗算器1503及び1504は、二数の乗算を行う通
常の回路にて実現できるが、図73に示すように、サン
プル値と等化係数との乗算を簡易的かつ高速にに行うよ
う構成することも可能である。
【0167】図73において、この乗算器は、A/D変
換器13からのデータX(t)(7ビット)または遅延
素子1501及び1052を介したデータX(t−2
τ)(7ビット)を順次1ビットずつシフトして格納す
るレジスタRg1,Rg2,Rg3,Rg4,Rg5,
Rg6及びRg7と、セレクタSel1及びSel2
と、加算器ADDとを有している。レジスタRg1には
入力データがそのままセットされ、レジスタRg2には
入力データを1ビットシフトした該入力データの1/2
のデータがセットされ、レジスタRg3には入力データ
を2ビットシフトした該入力データの1/4のデータが
セットされ、レジスタRg4には入力データを3ビット
シフトした該入力データの1/8のデータがセットさ
れ、レジスタRg5には入力データを4ビットシフトし
た該入力データの1/16のデータがセットされ、レジ
スタRg6には入力データを5ビットシフトした該入力
データの1/32のデータがセットされ、そして、レジ
スタRg7には入力データを6ビットシフトした該入力
データの1/64がセットされる。各セレクタSel1
及びSel2は比較器151からのゲインコントロール
信号に従って、各レジスタにセットされた入力データの
1/4,1/8,1/16、1/32及び1/64の値
のうちのいずれかの値を選択する。そして、加算器AD
DがセレクタSel1にて選択された値にセレクタSe
l2にて選択された値(+) またはその符号反転値(-) を
加算して、最終的な乗算値(k・X(t)またはk・X
(t−2τ))を出力するこのように、各乗算器150
2及び1503を構成すれば、シフト動作及び加算にて
乗算が可能となるので、簡単かつ高速に乗算処理ができ
る。
【0168】
【発明の効果】上述の如く、本発明の光ディスク記録再
生装置によれば、光ディスクからのデータ再生に最尤復
号を適用することができ、記録密度の高度化によって再
生信号波形の振幅が小さくなって対雑音比が小さくなっ
ても、最尤復号により最も確からしいデータが検出でき
る。また、データの記録時にディスクに形成される記録
ピットの大きさが環境温度等に起因して変動しても、隣
接する記録ピットの前エッジ間のインターバル及び隣接
する記録ピットの後エッジ間のインターバルの変動は少
ないので、そのエッジ部分に対応したデータを正確に再
生できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク記録系の実施例を示すブロ
ック図である。
【図2】PRプリコーダの構成を示すブロック図であ
る。
【図3】1/7変調の規則を示す図表である。
【図4】本発明の光ディスク再生系の実施例を示すブロ
ック図である。
【図5】クラス1のパーシャルレスポンス特性のトレリ
ス図である。
【図6】クラス1のパーシャルレスポンス特性の状態遷
移を示す図である。
【図7】記録系及び再生系での信号処理を示すタイミン
グチャート(その1)である。
【図8】再生系での信号処理を示すタイミングチャート
(その2)である。
【図9】図4に示す最尤復号器の構成例を示すブロック
図である。
【図10】最尤復号信号を示すフローチャートである。
【図11】図4に示す最尤復号器の他の構成例を示すブ
ロック図である。
【図12】図10に示す最尤復号器での処理を示すフロ
ーチャートである。
【図13】図4に示す最尤復号器の更に他の構成例を示
すブロック図である。
【図14】図12に示す最尤復号器での処理を示すフロ
ーチャートである。
【図15】エンベロープ変動を含む再生信号を示す図で
ある。
【図16】最尤復号器の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【図17】図16に示すマージ判定ユニットでの処理を
示すフローチャートである。
【図18】図16に示す中心値演算ユニットでの処理を
示すフローチャートである。
【図19】図4に示す基準値演算ユニットでの処理を示
すフローチャートである。
【図20】図16に示すマージ検出ユニットでの処理を
示すフローチャートである。
【図21】図16に示すマージ判定ユニットの構成を示
すブロック図である。
【図22】図16に示す基準値演算ユニットの構成を示
すブロック図である。
【図23】図16に示す中心値演算ユニットの構成を示
すブロック図である。
【図24】図16に示すマージ検出ユニットの構成を示
すブロック図である。
【図25】記録系及び再生系での信号処理タイミングを
示すタイミングチャートである。
【図26】低域雑音振幅に対するエラーレートの状態を
示すグラフである。
【図27】高温時に記録された記録ピットに対するデー
タを示す図である。
【図28】低温時に記録された記録ピットに対するデー
タを示す図である。
【図29】最尤復号器の他の適用例を示すブロック図で
ある。
【図30】同期クロックの生成タイミングを示すタイミ
ングチャートである。
【図31】図29に示す最尤データ検出におけるマージ
検出ユニットの構成例を示すブロック図である。
【図32】図31に示すマージ検出ユニットでの処理を
示すフローチャートである。
【図33】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図34】図33に示す切り換えロジック回路の構成例
を示す図である。
【図35】短穴方式による記録系と再生系の信号処理状
態を示すタイミングチャートである。
【図36】理想的な再生信号及びその再生信号から得ら
れる二値化信号(同期用信号)を示す波形図である。
【図37】実際の再生信号及びその再生信号をグランド
レベルにてスライス検出して得られる二値化信号(同期
用信号)を示す波形図である。
【図38】エンベロープ変動する再生信号から検出され
るスライスレベルの例を示す波形図である。
【図39】エンベロープ変動する再生信号から検出され
るスライスレベルの他の例を示す波形図である。
【図40】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図41】図40に示す再生系にて得られるスライスレ
ベルの例を示す波形図である。
【図42】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図43】図42に示す再生系における最尤復号器の構
成例を示すブロック図である。
【図44】位相誤差データを得るための演算の手順を示
すフロー図である。
【図45】位相誤差検出ユニットの構成例を示すブロッ
ク図である。
【図46】正の位相誤差を示す図である。
【図47】負の位相誤差を示す図である。
【図48】図42に示す再生系におけるPLL回路の構
成例を示すブロック図である。
【図49】PLL回路の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【図50】記録系及び再生系での信号処理を示すタイミ
ングチャートである。
【図51】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図52】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図53】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図54】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図55】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図56】光磁気ディスク装置の再生系の他の例を示す
ブロック図である。
【図57】VFO領域での再生信号の状態を示す波形図
である。
【図58】最尤復号器の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【図59】光ディスクの記録フォーマットの一例を示す
図である。
【図60】各セクタでの処理タイミングを示すタイミン
グチャートである。
【図61】中心値の初期値を得るための演算の原理を示
す図である。
【図62】中心値の初期値を得るための手順を示すフロ
ーチャートである。
【図63】比較基準値Δ1及びΔ2を得るための原理を
示す図である。
【図64】比較基準値Δ1及びΔ2を得るための手順を
示すフローチャートである。
【図65】正のピーク値の平均値を演算する手順を示す
フローチャートである。
【図66】負のピーク値の平均値を演算する手順を示す
フローチャートである。
【図67】比較基準値Δ1が設定されたマージ判定ユニ
ット及び基準値演算ユニットでの処理手順を示すフロー
チャートである。
【図68】比較基準値Δ2が設定された中心値演算ユニ
ットでの処理手順を示すフローチャートである。
【図69】トランスバーサル型等化器の構成を示すブロ
ック図である。
【図70】比較基準値Δ1を用いて正のピーク値の平均
値を演算する手順を示すフローチャートである。
【図71】比較基準値Δ1を用いて負のピーク値の平均
値を演算する手順を示すフローチャートである。
【図72】トランスバーサル型等化器における等化係数
を制御する手順を示すフローチャートである。
【図73】トランスバーサル型等化器における乗算器の
構成例を示すブロック図である。
【図74】従来の光ディスク記録系を示すブロック図で
ある。
【図75】記録データと光ディスク上に形成されるピッ
トとの関係を示す図である。
【図76】従来の光ディスク再生系を示すブロック図で
ある。
【図77】従来の再生信号系と復調データとの関係を示
す図である。
【図78】高密度記録と低密度記録における再生信号波
形を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク 2 光学ヘッド 3 データ出力ユニット 4 変調器 5 レーザ駆動ユニット 6 アンプ 7 フィルタ/イコライザ 8 ピークディテクタ 9 PLL回路 10 復調器 11 走長制限変調器 12 PR変調プリコーダ 13 A/D変換器 14 走長制限最尤復号器 17 二値化回路 18 D/A変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−167206 (32)優先日 平成6年7月19日(1994.7.19) (33)優先権主張国 日本(JP) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 20/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録データを所定のパーシャルレスポンス
    特性に対応した記録規則に従って変調することにより得
    られる信号を前エッジ及び後エッジによって情報を表現
    する記録ピットを形成することによって記録した光ディ
    スクからデータを再生するシステムにおいて、 光ディスクから信号を再生する信号再生手段と、 該信号再生手段からの再生信号を所定のタイミングでサ
    ンプリングし、そのサンプリングデータを出力するサン
    プリング手段と、 該サンプリング手段からのサンプリングデータに基づい
    て、記録ピットの前エッジによって表される最も確から
    しい第一のデータを確定する第一の最尤データ検出手段
    と、 上記サンプリング手段からのサンプリングデータに基づ
    いて、記録ピットの後エッジによって表現される最も確
    からしい第二のデータを確定する第二の最尤データ検出
    手段と、 上記第一のデータ及び第二のデータを合成して再生デー
    タを生成するデータ合成手段とを有するデータ再生シス
    テム。
  2. 【請求項2】請求項1記載のデータ再生システムにおい
    て、 信号再生手段にて再生される信号に基づいてサンプリン
    グ手段でのサンプリングタイミングを規定する同期クロ
    ック信号を生成するクロック生成手段を有し、 該クロック生成手段にて生成された同期クロック信号に
    同期してサンプリング手段が再生信号をサンプリングす
    るようにしたデータ再生システム。
  3. 【請求項3】請求項2記載のデータ再生システムにおい
    て、 クロック生成手段は、サンプリングデータの遷移状態を
    判定した結果に基づいて計算される再生信号の中心値と
    再生されたサンプリングデータとの差に応じて位相誤差
    を検出する位相誤差検出手段と、 該位相誤差検出手段にて検出された位相誤差をなくすよ
    うに同期クロック信号の位相を調整する位相調整手段と
    を備えるデータ再生システム。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載のデータ再生システ
    ムにおいて、 クロック生成手段は、記録ピットの前エッジに同期した
    第一の同期クロック信号を生成する第一のクロック生成
    手段と、 記録ピットの後エッジに同期した第二の同期クロック信
    号を生成する第二のクロック生成手段とを備え、 上記第一の最尤データ検出手段は、上記第一の同期クロ
    ック信号に同期して上記サンプリング手段から得られる
    サンプリングデータに基づいて第一のデータを確定し、
    上記第二の最尤データ検出手段は、上記第二の同期クロ
    ック信号に同期して上記サンプリング手段から得られる
    サンプリングデータに基づいて第二のデータを確定する
    ようにしたデータ再生システム。
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