JP3481537B2 - 二周波共用ヘリカルアンテナ - Google Patents
二周波共用ヘリカルアンテナInfo
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Description
に巻いて放射素子とした二周波共用単一型ヘリカルアン
テナに関し、特に、小型の無線機器に使用すると好都合
なものである。 【0002】 【従来の技術、発明が解決しようとする課題】例えば、
デュープレックス通信において送・受周波数が接近して
いる場合にあっては、通常の小型アンテナでは使用可能
な周波数帯域が狭くなるため、いずれかの周波数に同調
させざるを得ず、両方の周波数をカバーし切れない。 【0003】このような異なる二つの周波数帯に対応で
きる様にするためには、例えば図4に示す様に、複雑な
マッチング回路4´をアンテナ回路中に組み込まなけれ
ばならない。これに代わるものとして、通常のアンテナ
の下部、すなわち、アンテナ給電部に並列共振回路B´
を入れたり(図5参照)、あるいは、アンテナエレメン
ト1´の途中に並列共振回路B´を入れたものがある
(図6参照)。 【0004】これらの場合に用いられる並列共振回路B
´は、コイル2´とコンデンサ3´とを並列に接続して
アンテナエレメント1´の共振周波数f1´とほぼ同じ
周波数に共振させることができるようにしたもので、こ
の並列共振回路B´により第一の周波数f1´帯と第二
の周波数f2´帯の間に共振周波数を有するものとする
ことができ、それによって異なる二つの周波数f1´、
f2´帯でアンテナの使用を可能ならしめたものであ
る。 【0005】ところが、図5に示すアンテナの場合に
は、VHF帯とUHF帯で使用可能なアンテナの様に、
使用可能な二つの周波数f1´、f2´の間隔が、例え
ば、150MHz帯と400MHz帯という様に大きく
離れてしまう。 【0006】一方、図6に示すアンテナの場合には、並
列共振回路B´より上側にもアンテナエレメント1¨を
配置しなければならない。このアンテナエレメント1¨
を配置することにより、一つの周波数f1´帯では接合
部のインピーダンスが無限大となり、それより上側の並
列共振回路B´とアンテナエレメント1¨は電気的に切
り離され、また、一つの周波数f1´帯よりも低い周波
数f2´帯では、並列共振回路B´が短縮コイルとして
作用し、異なる二つの周波数f1´、f2´帯での使用
が可能となる。 【0007】 【課題を解決するための手段】このように、従来の場合
には、二周波共用アンテナとするために複雑な構造とせ
ざるを得なかったり、使用可能な二つの周波数の間隔が
大きく離れているなどの欠点を有しており、それらの改
善が望まれていた。そこで、本発明では、導体線をらせ
ん状に巻いて放射素子としたヘリカルアンテナを取り入
れ、図1に示すように、このヘリカルエレメント1の先
端に、その共振周波数f1に接近した共振周波数Φf1
を有する並列共振回路Bを備えたものとする。 【0008】この並列共振回路Bはコイル2とコンデン
サ3とを並列に接続したもので、前記ヘリカルエレメン
ト1の巻き方向とこの並列共振回路Bのコイル2の巻き
方向とを逆向きとする。 【0009】このようにすることにより、第一の周波数
f1帯と第二の周波数f2帯の間に共振周波数Φf1を
有するものとすることができ、それによって使用可能な
二つの周波数の間隔を従来の場合における使用可能な周
波数f1とf2の間隔より接近させることができる。 【0010】その理由としては、以下のことが考えられ
る。すなわち、ある共振周波数を持つヘリカルエレメン
ト1の先端に、そのヘリカルエレメント1の共振周波数
に近い共振周波数を持つ並列共振回路Bを配置すると、
相互インダクタンスの影響によってそれぞれの共振周波
数は変化するが、相互インダクタンスの影響を考慮して
ヘリカルエレメント1と並列共振回路Bを設計すれば、
ヘリカルエレメント1と並列共振回路Bの接合部付近に
インピーダンスが無限大になる部分が生じる。これによ
り、先端に並列共振回路Bを設けたヘリカルアンテナも
図6に示すアンテナの場合と同様に、インピーダンスが
無限大となる部分から上側が電気的に切り離された共振
周波数f1と、ヘリカルエレメント1+並列共振回路B
のインダクタンス+相互インダクタンスにより、f1の
共振周波数より低い所にf2の共振周波数を持つ二波共
用アンテナになると考えられる。 【0011】ヘリカルエレメント1の巻き方向と並列共
振回路Bのコイル2の巻き方向とを同じ向きにして実験
したところ、図3(a)のグラフに示す様に、140M
Hz帯で127.5MHz(点1)と149.3MHz
(点2)という20MHz近くにまで接近した二つの周
波数を持つアンテナとして動作することを確認できた。
なお、図3(a)はこの場合のSWR(Standin
gWaveRatio)特性を示すグラフである。 【0012】これに対して、図1(b)に示すように、
ヘリカルエレメント1の巻き方向と並列共振回路Bのコ
イル2の巻き方向とを逆向きにすると、使用可能な二つ
の周波数の間隔を図1(a)に示す構成とした場合より
さらに接近させることができる。すなわち、ヘリカルエ
レメント1の巻き方向と並列共振回路Bのコイル2の巻
き方向とを逆向きにした方が、二つの共振周波数の差が
小さくなる。 【0013】その理由としては、以下のことが考えられ
る。すなわち、ヘリカルエレメント1と並列共振回路B
のコイル2とを同一線上に直列に接続したとき、両者の
巻き方向が同じ場合と逆の場合のそれぞれの合成インダ
クタンスL、L´は、以下の様になる。 (a)両者の巻き方向が同じ場合 L=L1+L2+2M (b)両者の巻き方向が逆の場合 L´=L1+L2−2M ここに、 L1:ヘリカルエレメント1の自己インダクタンス L2:コイル2の自己インダクタンス 2M:相互インダクタンス 【0014】両式から明らかな様に、ヘリカルエレメン
ト1の巻き方向とコイル2の巻き方向とを逆向きにした
場合の方が同じ向きとした場合より合成インダクタンス
は小さい。この場合において、並列共振回路Bの共振周
波数以下では、ヘリカルエレメント1の巻き方向とコイ
ル2の巻き方向とが逆向きとなるため、互いに合成され
る(打ち消し合う)ことで共振周波数f2の共振点がで
き、また、並列共振回路Bの共振周波数以上になると、
並列共振回路 Bの特徴として共振点を越えると位相が1
80°反転するため、ヘリカルエレメント1の先端にヘ
リカルエレメントと同相のコイルを取り付けたように働
いて、互いの合成で共振周波数f1の共振点ができ、そ
の結果として、共振周波数f1と共振周波数f2との差
は小さくなる。すなわち、上述した第一の共振周波数f
1とそれより低い所に現れる第二の共振周波数f2との
差は、両者の巻き方向を逆にした場合(図1(b)に示
す構成とした場合)の方が同じ向きにした場合(図1
(a)に示す構成とした場合)よりも小さくなる。 【0015】ヘリカルエレメント1の巻き方向と並列共
振回路Bのコイル2の巻き方向とを逆向きにして実験し
た結果、図3(b)のグラフに示す様に、140MHz
帯で137.5MHz(点1)と149.3MHz(点
2)という10MHz程度にまで極めて接近した二つの
周波数を持つアンテナとして動作することを確認でき
た。なお、図3(b)はこの場合のSWR(Stand
ingWaveRatio)特性を示すグラフである。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明によるヘリカルアンテナの
好ましい実施の形態を、図1に示す。図1において、図
面符号4はケーブルなどからなる導体線で、この導体線
4にヘリカルエレメント1が直列に接続され、さらに、
その先端に並列共振回路Bが直列に接続されている。こ
の並列共振回路Bはコイル2とコンデンサ3とを並列に
接続したもので、ヘリカルエレメント1の共振周波数f
1に接近した共振周波数Φf1を有し、前記共振周波数
f1に接近した周波数に共振させることができるもので
ある。 【0017】図1に示すように、この並列共振回路Bは
ヘリカルエレメント1と同一線上に配置することがで
き、それによってヘリカルアンテナAを通常のヘリカル
アンテナとほぼ同じ形状とすることができる。ヘリカル
エレメント1と並列共振回路Bのコイル2は、例えば、
銅線からなるものとすることができる。なお、図1にお
いて、図面符号5は前記導体線4に接続されているコン
デンサである。 【0018】図1(a)に示す場合にあっては、ヘリカ
ルエレメント1の巻き方向と並列共振回路Bのコイル2
の巻き方向とを同じ向きとし、図1(b)に示す場合に
あっては、ヘリカルエレメント1の巻き方向と並列共振
回路Bのコイル2の巻き方向とを逆向きとしてある。両
図に示す場合とも、使用可能な二つの周波数の間隔を少
なくとも従来の場合より接近させることができるが、特
に、図1(b)に示すように、ヘリカルエレメント1の
巻き方向と並列共振回路Bのコイル2の巻き方向とを逆
向きとした場合には、上述したように、使用可能な二つ
の周波数の間隔を両者の巻き方向を同じ向きとした(図
1(a)に示す)場合よりさらに接近させることができ
る。なお、ヘリカルエレメント1の巻き方向は右巻き、
左巻きのいずれでも良く、それと同じ向きにするか、逆
向きにするかによって並列共振回路Bのコイル2の巻き
方向が自ずと決まる。 【0019】本発明によるヘリカルアンテナは、使用可
能な二つの周波数とも1/4波長のアンテナとして動作
するものである。従って、従来の場合のように、複雑な
マッチング回路を必要とせず、低コストのアンテナとす
ることができる。また、本発明によるヘリカルアンテナ
は小型化が可能であるから、小型化・デザイン化された
無線機器に対しても違和感がない。 【0020】 【実施例】本発明によるヘリカルアンテナの最も好まし
い一例を図2に示す。なお、図2において、図1に示す
品名と同じものについては同じ図面符号で示す。図2に
おいて、図面符号6は、ABS(アクリルニトリル−ブ
タジエン−スチレン)樹脂などからなるカバーであり、
ナット7によりシャーシー8に取り付けられている。カ
バー6は黒色その他の色に着色することができる。な
お、カバー6の実際の寸法は大径部分の外径が18m
m、それより先側の小径部分の外径が15mm、長さは
114mmで、全体として極めて小さいものである。 【0021】そして、このカバー6内には絶縁体9を介
してらせん状のヘリカルエレメント1が配置されてい
る。このヘリカルエレメント1の先端には、このヘリカ
ルエレメント1の巻き方向と逆方向に巻かれているコイ
ル2とコンデンサ3とが接続されている。コイル2とコ
ンデンサ3とは並列に接続されており、これが図1にお
いて図面符号Bで示す並列共振回路である。この並列共
振回路Bはヘリカルエレメント1と同一線上に配置する
ことができ、それによってヘリカルアンテナAを通常の
ヘリカルアンテナとほぼ同じ形状とすることができる。 【0022】ヘリカルエレメント1と並列共振回路Bの
コイル2は、ともに直径1mm程度の銅線からなってい
る。前記ヘリカルエレメント1の下端は、上部金具10
を介して同軸ケーブル11(図1の導体線4がこれに相
当する)に接続されており、また、この同軸ケーブル1
1にはコンデンサ5が接続されている。その他図面にお
いて、12はケーブルクランプ、13は基部金具、14
は歯付座金、15はスポンジテープである。 【0023】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、使用可能
な二つの周波数の間隔がより接近した二つの周波数を持
つアンテナとすることができる。 【0024】また、請求項1記載のアンテナは、使用可
能な二つの周波数とも1/4波長のアンテナとして動作
するから、従来の場合のように、複雑なマッチング回路
を必要とせず、低コストのアンテナとすることができ
る。 【0025】さらに、請求項1記載の発明によれば、小
型のアンテナとすることができるから、小型化・デザイ
ン化された無線機器に対し違和感のないアンテナを提供
することができる。
続した二周波共用ヘリカルアンテナの回路図の一例を示
すもので、(a)はヘリカルエレメントの巻き方向と並
列共振回路のコイルの巻き方向とを同じ向きとした場合
(従来例)を、(b)はヘリカルエレメントの巻き方向
と並列共振回路のコイルの巻き方向とを逆向きとした場
合(本発明)を示す。 【図2】本発明によるヘリカルアンテナの最も好ましい
一例を示す縦断面図である。 【図3】ヘリカルアンテナのSWR特性を示すグラフ
で、(a)はヘリカルエレメントの巻き方向と並列共振
回路のコイルの巻き方向とを同じ向きとした場合(従来
例)のSWR特性を、(b)はヘリカルエレメントの巻
き方向と並列共振回路のコイルの巻き方向とを逆向きと
した場合(本発明)のSWR特性を示す。 【図4】マッチング回路を備えた従来の二周波共用アン
テナの一例を示す概略図である。 【図5】アンテナの下部、すなわち、アンテナ給電部に
並列共振回路を入れた通常の二周波共用アンテナの一例
を示す概略図である。 【図6】アンテナの途中に、並列共振回路を入れた通常
の二周波共用アンテナの一例を示す概略図である。 【符号の説明】 A…ヘリカルアンテナ、B…並列共振回路、1…ヘリカ
ルエレメント、2…コイル、3…コンデンサ、4…導体
線、6…カバー、8…シャーシー、11…同軸ケーブ
ル。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ヘリカルエレメント1の先端に、その共振
周波数f1に接近した共振周波数Φf1を有する並列共
振回路Bを備えるとともに、前記ヘリカルエレメント1
の巻き方向と前記並列共振回路Bのコイル2の巻き方向
とを逆向きとしたことを特徴とする二周波共用ヘリカル
アンテナ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP2000002152A Expired - Lifetime JP3481537B2 (ja) | 2000-01-11 | 2000-01-11 | 二周波共用ヘリカルアンテナ |
Country Status (1)
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- 2000-01-11 JP JP2000002152A patent/JP3481537B2/ja not_active Expired - Lifetime
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