JP3475389B2 - 風力発電機の航空障害灯点滅装置 - Google Patents

風力発電機の航空障害灯点滅装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、風力発電機に使
用する航空障害灯点滅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空障害灯は夜間における航空機の安全
を確保するために必要とされるものであり、地上からの
高さが60m以上の工作物は、高さ方向に一定間隔をお
いて、例えば高さ60〜150mの工作物の場合には、
45m以下の間隔をおいて等間隔に設置しなければなら
ないと規定されている。
【0003】ところで、風車の運動エネルギ−を利用し
て電力を得る風力発電機は、発電効率を高めるために上
空の強い風を利用する必要があり、風車を支える支柱は
高さが60m近辺のものが多く、風車の回転羽が支柱よ
りも高い位置にくると、回転羽の先端は60mを超える
ものが多くなっている。
【0004】したがって、風力発電機にも航空障害灯を
設置する必要があるが、従来風力発電機に使用されてい
る航空障害灯は、図2に示すように、複数の回転羽21
を有する風車22と支柱23からなる風力発電機24と
は別に、風力発電機24に近接して支柱25を設置し、
この支柱25に頂部障害灯26および中間障害灯27等
を配置している。そして、照度感知器28が一定値以下
の照度を感知したとき、支柱25に沿わせて配線した配
電線29により送電されて点灯するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の風力発電機に航空障害灯を点灯させるための設
備には、次のような問題点がある。
【0006】風力発電機の基礎の上に航空障害灯用の支
柱を建てると、風車が風の方向を追って左右に首を振る
構造となっているので、風車の回転羽が航空障害灯用の
支柱に当たる可能性があり、航空障害灯用の支柱は風力
発電機の基礎とは離れた別の基礎の上に設置しなければ
ならず、設置するための費用が高くなる。
【0007】また、風力発電機は山岳地帯に設置される
ことが多いので、風力発電機とは別に航空障害灯用の設
備を設置することは困難である。
【0008】この発明は、従来技術の上述したような問
題点を解消するためになされたものであり、航空障害灯
を風力発電機の支柱とは別の支柱に取り付ける必要がな
く、山岳地帯に設置された風力発電機にも容易に設置す
ることのできる風力発電機の航空障害灯点滅装置を提供
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る風力発電
機の航空障害灯点滅装置は、風力発電機の風車の回転羽
が航空障害領域に入ったときに航空障害灯を点灯させ、
航空障害領域を外れたときに航空障害灯を消灯させる航
空障害灯点滅装置であり、前記風力発電機の風車の回転
支軸の先端に設けた光源と、前記回転支軸の回りに回転
する風車の回転胴に取り付けた複数の回転羽の中空部の
それぞれに配置され、前記光源からの光を受光して回転
羽の先端部において外部に向けて発光する光ファイバ−
と、前記回転胴の中空部と光源との間に回転支軸から延
設され、回転羽が航空障害領域にある間のみ、前記光源
からの光を光ファイバ−が受光できるスリット部を有す
る遮光壁とから構成されるものである。
【0010】また、前記光ファイバ−が発光する部分
に、2次光源を接続したものである。この航空障害灯点
滅装置は、風力発電機の風車の回転羽の先端から外部に
向けて、航空障害灯の役目をする光を発光できるように
なっているので、航空障害灯を取り付けるための支柱を
必要としない。また、光源および光ファイバ−も、風車
に内蔵しているので、風力発電機が占める以上の設置ス
ペ−スを必要としない。
【0011】したがって、航空障害灯を取り付けるため
の費用が安くてすむとともに、山岳地帯に設置する風力
発電機にも、航空障害灯を容易に取り付けることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の風力発電機
の航空障害灯点滅装置を、図1により説明する。図1
(a)はこの航空障害灯点滅装置の装置構成を説明する
ための斜視図、図1(b)は風車の縦断面図、図1(c)
は風車の横断面図、図1(d)は、回転羽の先端部の部
分拡大図である。
【0013】この航空障害灯点滅装置は、風力発電機2
4の風車22の回転羽21が航空障害領域に入ったとき
に航空障害灯を点灯させ、航空障害領域を外れたときに
航空障害灯を消灯させる航空障害灯点滅装置であり、風
力発電機24の風車22の回転支軸30の先端に設けた
1次光源1と、前記回転支軸30の回りに回転する風車
22の回転胴31に取り付けた複数の回転羽21の中空
部のそれぞれに配置され、前記1次光源1からの光を受
光して回転羽21の先端部に配置した2次光源2に光を
送る光ファイバ−3(回転羽21内において固定されて
いる)と、回転胴31の中空部と1次光源1との間に回
転支軸30から延設され、回転羽21が航空障害領域
(Hが60m以上のとき)にある間のみ、前記1次光源
1からの光を光ファイバ−3が受光できるスリット部4
を有する遮光壁5とから構成されている。なお、図中符
号32は軸受、33は風車の首振り機構である。
【0014】この航空障害灯点滅装置においては、2次
光源2が航空障害灯の役目を果たすものであり、2次光
源2は複数ある回転羽21のそれぞれに設置してある。
【0015】そして、それぞれの回転羽21の先端が、
回転することにより航空障害領域(60m以上)の高さ
の位置(A点)に達すると、光ファイバ−3が遮光壁5
のスリット部4から漏れてくる1次光源1からの光を受
光し、光が光ファイバ−3を通って2次光源2に送ら
れ、航空障害灯としての2次光源2が点灯する。
【0016】回転羽21がさらに回転して、回転羽21
の先端が航空障害領域から外れる位置(B点)に達する
と、遮光壁5のスリット部4が終了するので、遮光壁5
により1次光源1からの光が遮光され、光が光ファイバ
−3を通って2次光源2に送られなくなるので、航空障
害灯としての2次光源2は消灯する。
【0017】なお、2次光源2は必ずしも必要ではな
く、光ファイバ−の先端から発光させてもよい。
【0018】本発明の航空障害灯点滅装置は、1次光源
1および2次光源2として、電灯のような照明器具を使
用すれば、ともに風力発電機24に内蔵可能なものであ
り、航空障害灯を取り付けるための支柱を別途必要とし
ない。
【0019】したがって、風力発電機に航空障害灯を安
価な費用で取り付けることができ、しかも山岳部の狭い
場所に設けられた風力発電機にも適用が可能である。
【0020】さらには、支柱23自体の高さが航空障害
領域である60mを超える場合においても、1次光源1
から支柱23の航空障害灯設置位置まで光ファイバ−3
を敷設することで、航空障害灯の役目を果たさせること
もできる。
【0021】なお、本発明の説明において、風力発電機
の発電機構については、本発明と直接関係ないので、説
明は省略した。
【0022】
【発明の効果】この発明により、風力発電機に航空障害
灯を安価に取り付けることができる。また、山岳地帯に
設けられた風力発電機に対する航空障害灯の設置が容易
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の航空障害灯点滅装置の説
明図であり、(a)はこの航空障害灯点滅装置の装置構
成を説明するための斜視図、(b)は風車の縦断面図、
(c)は風車の横断面図、(d)回転羽の先端部の部分拡
大図である。
【図2】従来の風力発電機の航空障害灯装置を示す側面
図である。
【符号の説明】
1 1次光源 2 2次光源 3 光ファイバ− 4 スリット部 5 遮光壁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風力発電機の風車の回転羽が航空障害領
    域に入ったときに航空障害灯を点灯させ、航空障害領域
    を外れたときに航空障害灯を消灯させる航空障害灯点滅
    装置であり、前記風力発電機の風車の回転支軸の先端に
    設けた光源と、前記回転支軸の回りに回転する風車の回
    転胴に取り付けた複数の回転羽の中空部のそれぞれに配
    置され、前記光源からの光を受光して回転羽の先端部に
    おいて外部に向けて発光する光ファイバ−と、前記回転
    胴の中空部と光源との間に回転支軸から延設され、回転
    羽が航空障害領域にある間のみ、前記光源からの光を光
    ファイバ−が受光できるスリット部を有する遮光壁とか
    ら構成されることを特徴とする風力発電機の航空障害灯
    点滅装置。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバ−が発光する部分に、2
    次光源を接続したことを特徴とする請求項1に記載の風
    力発電機の航空障害灯点滅装置。
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