JP3473739B2 - Tvインナーシールド材 - Google Patents
Tvインナーシールド材Info
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Description
にともない、色ずれの少ないブラウン管が求められてい
る。この色ずれの主な原因は地磁気による電子線の偏向
であり、このためブラウン管内の磁気シールドが強く要
求されている。磁気シールド用の部材として、TVイン
ナーシールド材がブラウン管内に組み込まれており、通
常、板厚0.15mm程度の薄物材が使用されている。このT
Vインナーシールド材に要求される特性として、低磁場
域での透磁率が高いことがあげられる。
て、例えば、特開平2−61029号公報には、C:0.
005%以下、Si:0.3%以下、S:0.01%以下、Mn: 0.1
〜1.0%、P:0.1〜0.4%、sol.Al:0.01%以下、N:
0.01%以下であって、残部が鉄及び不可避不純物からな
る鋼の板厚を0.10〜0.25mmとし、結晶粒径をフェライト
粒度番号で7番以下、硬度HV:90以上、0.3Oeでの
透磁率を750以上としたTVブラウン管用インナーシー
ルド材が開示されている。
C:0.08%以下、Si:0.5%以下、 Mn: 0.1〜0.3%、
sol.Al:0.005〜0.08%、N:0.008%以下であって、残
部が鉄及び不可避不純物からなる鋼を熱間圧延し、冷間
圧延した後、これに焼鈍を施してC含有量が0.01%以下
の再結晶板となし、次いで圧下率5〜17%の中間焼鈍を
施してから580〜800℃して焼鈍することで、粒度番号5
番以上の粗大粒とし、その後更に圧下率50%以上の冷間
圧延を施すことを特徴とする磁気シールド部材用素材鋼
板の製造方法が開示されている。
高精細化のニーズに伴い、より一層透磁率の優れた材料
が望まれているのが現状である。本発明はこのような事
情に鑑みてなされたもので、前述の従来技術で示される
TVインナーシールドよりも、低磁場域での透磁率の優
れたTVインナーシールド材を提供することを課題とす
る。
又はSnとSbの両方を微量添加することにより、TV
インナーシールド材に要求される低磁場域での高い透磁
率を得ることにある。すなわち、前記課題を解決するた
めの第1の手段は、重量%でC:0.005%以下、S
i:0.5%以下、Al:0.1%未満、S:0.01
%以下、Mn:0.05%以上1.0%未満、P:0.
2%以下、N:0.005%以下、V:0.01%未満
を含有し、さらにSbを0.001〜0.005%含有
し、残部が実質的にFeからなり、板厚が0.1〜0.
5mmであるTVインナーシールド材(請求項1)であ
る。
は、重量%でC:0.005%以下、Si:0.5%以
下、Al:0.1%未満、S:0.01%以下、Mn:
0.05%以上1.0%未満、P:0.2%以下、N:
0.005%以下、V:0.01%未満を含有し、さら
にSbとSnの両方をSb+Sn/2で0.001〜
0.005%含有し、残部が実質的にFeからなり、板
厚が0.1〜0.5mmであるTVインナーシールド材
(請求項2)である。
は、本発明の作用効果を無くさない範囲で、不可避不純
物をはじめ、他の微量元素を含むものが本発明の範囲に
入ることを意味する。なお、本明細書(表を含む)にお
いて、TVインナーシールド材の成分値を表す%は、特
に断らない限り重量%であり、ppmも重量ppmである。
発明者らがTVインナーシールド材として要求される特
性を満足する材料を鋭意検討した結果、SbもしくはSnを
微量含有させることにより良好な磁気特性が得られるこ
とを見いだした。以下、本発明に至る経緯とSb、Snの限
定理由を、実験結果に基づいて説明する。
め、C:0.0020%、Si:0.05%、 Al:0.002%、N:0.
0018%、P:0.05%、S:0.002%、V:0.005%、残部
Feとした鋼を、実機炉にて製造した。そして、板厚2.3m
mまで熱間圧延後、酸洗し、0.15mmに冷間圧延し、10%
H2-90%N2中にて750℃×1min間の仕上げ焼鈍を施
し、その後0.5%の調質圧延を行った。引き続き、外径4
5mm、内径33mmのリングサンプルを作製し、水蒸気、空
気の混合雰囲気中にて590℃×15minの黒化処理を施し
た。
磁化した際の透磁率)を測定したところ710であった。
しかし、近年の高精細TVにおいては電子線の偏向を極
力低減する必要があるため、さらに磁気特性に優れた材
料が望まれている。
査するため、SEMによる組織観察を行った。その結
果、鋼板表層部に微細なAlN、VN等の窒化物が認めら
れた。これらの内、前者は脱酸目的で添加したAlに起因
しており、後者は鉄鉱石より不可避的に混入するVに起
因しているものと考えられる。
表層窒化に関しては、非常に軽微であるため、従来全く
考慮されてはいない。しかし、TVインナーシールド材
のような板厚が0.15mm程度と非常に薄い材料において
は、通常の磁気シールド材では問題とならないレベルの
微量な表層窒化といえども磁気特性に大きな影響を及ぼ
しているのではないかと考えた。そこで、本発明者らは
表層窒化物低減による透磁率の向上について検討した。
すなわち、表面偏析型のSbを微量添加することによる窒
素の鋼板表面への吸着防止について検討した。
002%、N:0.0016%、P:0.05%、S:0.002%、Sb:
tr.〜600ppm、V:0.005%、残部Feとした鋼を実機炉に
て溶解して製造した。そして、板厚2.3mmまで熱間圧延
後、酸洗し、0.15mmに冷間圧延し、10%H2-90%N2中
にて750℃×1min間の仕上げ焼鈍を施し、0.5%の調質
圧延を行った。引き続き、外径45mm、内径33mmのリング
サンプルを作製し、水蒸気、空気の混合雰囲気中にて59
0℃×15minの黒化処理を施した。
す。図1よりSb=10ppm以上の添加により透磁率が向上す
ることがわかる。このSb添加鋼の組織をSEMにて調査
したところ窒化物は観察されなかった。このSb添加によ
る窒化抑制のメカニズムは明確ではないが、Sbが表面偏
析型の元素であることから、焼鈍時にSbが鋼板表面に偏
析し、窒素の吸着を抑制したものと考えられる。
なった場合には、透磁率は若干低下することもわかる。
このSb>50ppmの領域での透磁率低下原因を調査するた
め、光学顕微鏡による組織観察を行った。その結果、表
層窒化は認められなかったものの、平均結晶粒径が若干
小さくなっていた。この原因は明確ではないが、Sbが粒
界に偏析しやすい元素であるため、Sbの粒界ドラッグ効
果により粒成長性が低下したものと考えられる。
+Sn/2で10ppm以上添加した場合に透磁率が向上し、Sb+S
n/2で50ppm以上添加した場合に若干の透磁率の低下が認
められた。このことより、請求項2の発明においては、
このように限定する。
材においては、ブラウン管軽量化の観点から板厚0.5mm
以下の材料が使用される。このため、本発明においては
板厚の上限を0.5mmとする。一方、板厚が0.1mm未満とな
った場合には、TVインナーシールド材の剛性が低下
し、成形も困難になるため、本発明においては下限を0.
1mmとする。
る。 Si:黒化膜の密着性が低下するため0.5%以下とす
る。 Al:本発明においては表層部におけるAlNの形成は
Sb、Snにより効果的に抑制できるため脱酸目的でA
lを添加することは問題ない。但し、0.1%以上添加
した場合には、Si同様黒化膜の密着性を低下させるた
め0.1%未満とする。 Mn:熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために、0.0
5%以上必要であるが、1.0%以上になると磁束密度
が低下するため0.05%以上1.0%未満とする。
ため、0.02%以下とする。 P:0.2%を超えて含有させると鋼板が脆化するため上
限を0.2%とする。 V:0.01%以上となった場合には粒成長性を著しく阻害
するため、上限を0.01%とし、より望ましくは0.004%
以下とする。 N:0.005%以上となると磁気特性を劣化させるため、
0.005%以下とする。
ド材の製造方法の一例を以下に述べる。転炉で吹練した
溶鋼成分を所定の範囲内にした後、鋳造を行う。脱酸は
アルミ、珪素等なにで行っても構わない。引き続きスラ
ブを加熱し、熱間圧延を行う。熱間圧延条件、及び熱間
圧延後の熱延板焼鈍は、特に制限する必要はなく、従来
のTVインナーシールド材を製造する条件と同じでかま
わない。次いで一回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をは
さんだ2回以上の冷間圧延により所定の板厚とした後
に、仕上焼鈍をおこなう。引き続き調質圧延を行うこと
が望ましいが必須ではない。その後、需要家にてインナ
ーシールド材に成形され、550〜590℃×15min程度の黒
化処理が施される。
熱間圧延を行い、酸洗後、板厚0.15mmまで冷間圧延を行
った。その後、表1に示す焼鈍温度で仕上焼鈍を行い、
調圧後、590℃×15min(水蒸気、空気の混合雰囲気)で
黒化処理を施した。磁気測定は外径45mm、内径33mmのリ
ング試験片を用いて行った。各鋼板の磁気特性を表1に
併せて示す。
所定の範囲に制限した実施例(No.1〜No.6)において、μ
0.35は、前述した従来のTVインナーシールド材の
710よりはるかに高い820〜900という値を有しているこ
とが分かる。
n/2の範囲が本発明の範囲を外れているので、μ
0.35の値が実施例に比して低い。No.9の比較例は、
V含有量が本発明の範囲を超えているので、やはりμ
0.35の値が実施例に比して低い。
囲を超えているので、μ0.35の値が実施例に比して
低いばかりでなく、磁気時効の問題を有している。No.1
1の比較例は、Mn含有量が本発明の範囲を下回ってお
り、No.12の比較例はMnの範囲が本発明の範囲を超えて
いるので、共にμ0.35の値が実施例に比して低い。
No.13の比較例は、N含有量が本発明の範囲を超えてい
るので、μ0.35の値がが実施例に比して低い。
は、Sb、Snの含有量をはじめ、所定の成分を所定の範囲
に規定し、かつ、板厚も所定の範囲に規定しているの
で、TVインナーシールド材に必要とされる高い透磁率
μ0.35の値を有するものとなる。よって、従来品よりも
優れたTVインナーシールド材を得ることができる。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%でC:0.005%以下、Si:
0.5%以下、Al:0.1%未満、S:0.01%以
下、Mn:0.05%以上1.0%未満、P:0.2%
以下、N:0.005%以下、V:0.01%未満を含
有し、さらにSbを0.001〜0.005%含有し、
残部が実質的にFeからなり、板厚が0.1〜0.5m
mであるTVインナーシールド材。 - 【請求項2】 重量%でC:0.005%以下、Si:
0.5%以下、Al:0.1%未満、S:0.01%以
下、Mn:0.05%以上1.0%未満、P:0.2%
以下、N:0.005%以下、V:0.01%未満を含
有し、さらにSbとSnの両方をSb+Sn/2で0.
001〜0.005%含有し、残部が実質的にFeから
なり、板厚が0.1〜0.5mmであるTVインナーシ
ールド材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19816098A JP3473739B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | Tvインナーシールド材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2000021616A JP2000021616A (ja) | 2000-01-21 |
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1998
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