JP3470485B2 - ディーゼル機関の燃料性状推定装置及び制御装置 - Google Patents

ディーゼル機関の燃料性状推定装置及び制御装置

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JP3470485B2
JP3470485B2 JP03101996A JP3101996A JP3470485B2 JP 3470485 B2 JP3470485 B2 JP 3470485B2 JP 03101996 A JP03101996 A JP 03101996A JP 3101996 A JP3101996 A JP 3101996A JP 3470485 B2 JP3470485 B2 JP 3470485B2
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼル機関に
おいて使用される燃料の性状を推定する技術及び該推定
された燃料性状に基づいて機関制御を補正する技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関では、燃料噴射量調整機
構 (分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ、
列型燃料噴射ポンプではコントロールラック) の位置を
制御することによって燃料噴射量が制御される[木原良
治、ディーゼル乗用車、 (株)グランプリ出版 (198
4)、130頁〜141頁]。
【0003】一方、ディーゼル機関では、空気過剰率の
高い雰囲気下で燃焼を行うため、一般的には、NOx低
減と排気微粒子 (PM) 低減との両立を図ることは困難
とされてきたが、近年の研究成果により、機関の回転速
度や負荷で定まる運転領域毎に、燃料の噴射時期やスワ
ール比等を適切に調節することにより、EGR量を従来
より増大しても、PM排出量が増大しなかったり、逆に
PM排出量が低減したりする領域があるようなことが判
明してきた (例えば特開平4−263570公報等参
照) 。
【0004】このため、噴射時期、EGR、スワール比
等を機関の回転速度と負荷とに基づいて高精度に制御し
ようとする場合、前記燃料噴射量調整機構の動作位置に
よって決定される燃料噴射量を負荷 (トルク) を高精度
に表す値として用いている (特開昭63−94036号
公報等参照) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ように燃料噴射量を燃料噴射量調整機構の動作位置によ
って検出する従来方式では、検出された燃料噴射量が燃
料性状により実際の燃料噴射量に対して誤差を生じ、そ
のため、該検出された燃料噴射量に基づく制御の精度を
低下させていた。
【0006】例えば、燃料が基準燃料に比較して軽質で
ある場合、燃料の粘度が小さいため燃料噴射ポンプのポ
ンプ効率が低下し、プランジャ圧送行程での燃料リーク
量が多くなるため、燃料粘度の大きい基準燃料使用時の
場合に比較して、コントロールスリーブやコントロール
ラックの位置が同一でも、燃料噴射量が減少する。逆
に、基準燃料より粘度の大きい重質燃料使用時には、同
一の燃料噴射量調整機構の動作位置に対して燃料噴射量
が増大することとなる (図22参照) 。
【0007】このように、燃料性状の相違によって燃料
噴射量の検出値に誤差を生じると、該誤差による噴射時
期、EGR、スワール比等の制御誤差を生じるのみなら
ず、燃料性状の相違によって排気浄化性能が最適となる
噴射時期やEGR率の最適値が変化することが確認され
ているので (図23参照) 、該燃料性状によって噴射時期
やEGR率の目標値を補正することが好ましいが、該目
標値の補正も行うことができなかった。
【0008】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
なされたもので、特別なセンサを設けることなく、燃料
性状を簡易にかつ精度良く推定することを目的とする。
また、前記燃料性状の推定結果に基づいて、ディーゼル
機関における各種制御を補正することにより、該制御精
度を良好に維持することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、トルクコンバータ付自動変速機が接続された
ディーゼル機関において、以下の特徴を備える。前記ト
ルクコンバータの入出力軸の速度比を算出し、該速度比
から求めたトルクコンバータの容量係数と機関回転速度
とに基づいて機関トルクを算出する。
【0010】ここで、機関トルクTは、トルクコンバー
タの容量係数Cと、トルクコンバータの入力軸回転速度
Nt (=機関回転速度Ne) とに基づいて次式のように
算出される。 T=C×Nt2 =C×Ne2 前記機関トルクと機関回転速度とに基づいて得られた基
準燃料噴射量と、燃料噴射量調整機構の動作位置を検出
し、この動作位置に基づいて求めた燃料噴射量と、を
較して燃料の性状を推定する。
【0011】ここで、前記基準燃料噴射量は、予め基準
となる燃料 (標準的な粘度の燃料)を用いて標準的な運
転条件で実験的に計測されたものを、前記のようにして
検出された機関トルクTと機関回転速度Neとに基づい
て求める。燃料噴射量調整機構の動作位置に基づいて検
出される燃料噴射量は、燃料性状が例えば軽質であれ
ば、燃料のリーク量が増大して基準燃料噴射量に比較し
て減少し、逆に重質であれば、基準燃料噴射量より増大
するため、これら2種類の燃料噴射量の比較により燃料
の性状を推定する。
【0012】また、請求項2に係る発明は、図1に示す
ように、前記燃料性状を推定するための各手段を備えて
構成される。前記各手段は、以下に列挙するとおりであ
る。機関回転速度検出手段は、機関回転速度を検出す
る。出力軸回転速度検出手段は、トルクコンバータの出
力軸回転速度を検出する。
【0013】速度比算出手段は、検出された機関回転速
度とトルクコンバータの出力軸回転速度とに基づいてト
ルクコンバータの速度比を算出する。容量係数算出手段
は、トルクコンバータの速度比に基づいてトルクコンバ
ータの容量係数を算出する。機関トルク算出手段は、ト
ルクコンバータの容量係数と機関回転速度とに基づい
て、機関トルクを算出する。
【0014】基準燃料噴射量算出手段は、機関トルクと
機関回転速度とに基づいて基準燃料噴射量を算出する。
燃料噴射量検出手段は、燃料噴射量調整機構の動作位置
に基づいて燃料噴射量を検出する。燃料性状推定手段
は、基準燃料噴射量と検出された燃料噴射量とを比較し
て燃料の性状を推定する。
【0015】また、請求項3に係る発明は、前記出力軸
回転速度検出手段が、トルクコンバータの出力軸の回転
速度を直接検出するセンサで構成されていることを特徴
とする。また、請求項4に係る発明は、前記出力軸回転
速度検出手段が、車速を検出する手段と、トルクコンバ
ータの出力軸に連結される機械式変速機の変速段を検出
する手段と、該機械式変速機の出力軸回転速度と車速と
の速度比を予め記憶する手段と、を含む。
【0016】そして、該車速、変速段、速度比に基づい
てトルクコンバータの出力軸回転速度を算出して間接的
に検出することを特徴とする。また、請求項5に係る発
明は、トルクコンバータ内の油温を検出する手段を含
み、前記容量係数算出手段が、トルクコンバータの速度
比に基づいて得られたトルクコンバータの容量係数を、
前記トルクコンバータ内の油温に応じて補正して算出す
ることを特徴とする。
【0017】即ち、トルクコンバータの容量係数は、ト
ルクコンバータ内の作動油の温度によって変化するの
で、それに応じた補正を行って算出する。また、請求項
6に係る発明は、図2に示すように、前記のディーゼル
機関の燃料性状推定装置によって推定された燃料性状に
基づいて、機関の制御を補正する制御補正手段を含んで
構成したことを特徴とする。
【0018】また、請求項7に係る発明は、前記制御補
正手段が、前記燃料噴射量調整機構の動作位置に基づい
て検出された燃料噴射量を入力して実行される機関制御
において、前記燃料噴射量を推定された燃料性状で補正
することを特徴とする。例えば、燃料噴射時期、EG
R、スワール比等の機関制御を行う場合には、機関の負
荷として燃料噴射量調整機構の動作位置に基づいて検出
された燃料噴射量を用いるが、その場合に、推定された
燃料性状によって該制御に使用する燃料噴射量を補正す
る。
【0019】また、請求項8に係る発明は、前記制御補
正手段が、推定された燃料性状に基づいて燃料の目標噴
射時期を補正することを特徴とする。例えば、燃料が軽
質の場合は、動的燃料噴射時期が遅れ気味となるため、
目標噴射時期を進角補正し、重質の場合はその逆に遅角
補正を行う。
【0020】また、請求項9に係る発明は、前記制御補
正手段が、推定された燃料性状に基づいてアクセル開度
信号を補正することを特徴とする。例えば燃料が軽質の
場合は、燃料噴射量のリークによる不足を補って燃料噴
射量調整機構を燃料噴射量増大側に調整するようにアク
セル開度が増大気味となるので、燃料噴射量の設定に用
いるアクセル開度信号は、入力されたアクセル開度より
増大補正したアクセル開度信号を制御パラメータとして
使用する場合には、アクセル開度を減少補正する。重質
の場合は逆にアクセル開度を増大補正する。
【0021】また、請求項10に係る発明は、機関の排気
の一部を吸気系に還流するEGR装置を備え、前記制御
補正手段は、推定された燃料性状に基づいて目標EGR
率及び燃料の噴射時期を補正することを特徴とする。燃
料性状によって排気浄化性能を最適にする目標EGR率
及び燃料噴射時期が相違するので、それらを燃料性状に
応じて補正する。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、燃料の性
状を特別なセンサ等を設けることなく、各種状態量に基
づいて精度良く推定することができる。請求項2に係る
発明によれば、各手段により得られた各種状態量に基づ
いて燃料性状を精度良く推定することができる。
【0023】請求項3に係る発明によれば、トルクコン
バータの出力軸の回転速度を、センサによって精度良く
検出することができる。請求項4に係る発明によれば、
トルクコンバータの出力軸の回転速度を、センサを設け
ることなく、各手段によって得られた各種状態量に基づ
いて算出して間接的に検出することができ、コスト低減
を図れる。
【0024】請求項5に係る発明によれば、外気温度や
運転中で変化するトルクコンバータ内の油温に応じてト
ルクコンバータの容量係数を補正することにより、安定
的かつ高精度に容量係数を求めることができる。請求項
6に係る発明によれば、前記のディーゼル機関の燃料性
状推定装置によって推定された燃料性状に基づいて、機
関の制御を補正することにより、燃料性状に影響される
ことのない、良好な機関制御を得ることができる。
【0025】請求項6に係る発明によれば、例えば、E
GR率やスワール比等の機関制御に、機関負荷の代表値
として使用する燃料噴射量調整機構の動作位置に基づい
て検出された燃料噴射量を、推定された燃料性状によっ
て補正することにより、これら制御の精度を高めること
ができる。
【0026】請求項8に係る発明によれば、例えば、燃
料の重軽質に応じて変化してくる動的燃料噴射時期に対
応して噴射時期を補正することにより、良好な噴射時期
に制御することができる。請求項9に係る発明によれ
ば、例えば、燃料の重軽質に応じて異なろうとするアク
セル開度信号を補正することにより、燃料性状の変化に
よる不快な運転性の変化を抑制することができる。
【0027】請求項10に係る発明によれば、燃料性状に
よって目標EGR率及び燃料噴射時期を設定することに
より、燃料性状に影響されず、最適な排気浄化性能が得
られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図3〜図5は本発明の第1の実施形態のシステム
図である。尚、図2と図3とは*印部分でつながり、図
3と図4とは**印部分でつながる。図3を参照し、デ
ィーゼル機関(本体)1には、分配型電子制御燃料噴射
ポンプ2からの高圧燃料が各気筒毎に設けられた燃料噴
射ノズル3により噴射供給される。
【0029】ディーゼル機関1の出力軸4は、トルクコ
ンバータ5を介して、遊星歯車式自動変速機6に接続さ
れている。7は変速機6のシフトノブ、8は変速機6の
出力軸である。先ず、分配型電子制御燃料噴射ポンプ2
について、図4により説明する。分配型電子制御燃料噴
射ポンプ2は、機関と同期して回転するドライブシャフ
ト10と、ドライブシャフト10によって駆動され、燃料タ
ンクから吸入した燃料を予圧するフィードポンプ11と、
フィードポンプ11によって加圧された燃料を蓄えると共
に内部を潤滑させるポンプ室12と、ドライブシャフト10
を囲むように配置されたローラホルダ13と、ドライブシ
ャフト10によってローラホルダ13上を回転することで、
回転しながら往復運動するフェイスカム14と、フェイス
カム14と一体に回転しながら往復運動し、ポンプ室12内
の燃料を吸入・加圧して、分配するプランジャ15と、各
気筒毎の分配路に設けられて各燃料噴射ノズル3へ高圧
燃料を送出する送出弁16と、を備えている。
【0030】また、分配型電子制御燃料噴射ポンプ2
は、燃料噴射量制御装置として、プランジャ15によって
加圧された燃料をポンプ室12に洩らすことによって噴射
終りを制御して燃料噴射量を調整することのできるコン
トロールスリーブ17と、コントロールスリーブ17の位置
を制御する燃料噴射量調整用のロータリーソレノイド18
と、燃料供給を停止させて機関を停止させることのでき
る燃料カット弁19と、を備えている。
【0031】更に、分配型電子制御燃料噴射ポンプ2
は、燃料噴射時期制御装置として、ローラホルダ13に結
合するレバー20と、ローラホルダ13にレバー20を介して
結合され、ローラホルダ13の回転位置を変化させること
によりフェイスカム14の往復運動の位相を変化させて、
燃料噴射時期を調整することのできるタイマピストン21
と、タイマピストン21の一端側の高圧室の燃料を他端側
の低圧室へ洩らすことによって両室の差圧を制御してタ
イマピストン21の位置を制御する燃料噴射時期調整用の
タイミング制御弁22と、を備えている。
【0032】次に、EGR制御装置について、図5によ
り説明する。EGR制御装置は、吸気通路23と排気通路
24とを結ぶEGR通路25と、EGR通路25中に設けら
れ、バキュームポンプで作られる負圧で作動し、EGR
量を調整するEGR制御弁26と、EGR制御弁26の開度
(リフト量)を制御するための制御負圧を調整するデュ
ーティ制御弁27と、を備えている。
【0033】次に、吸気絞り制御装置について、図5に
より説明する。吸気絞り制御装置は、吸気通路23中に設
けられ、バキュームポンプで作られる負圧で作動し、イ
ンマニコレクタ部の圧力を調整する吸気絞り弁28と、吸
気絞り弁28の開度を制御するための制御負圧を調整する
ソレノイド弁29と、を備えている。
【0034】次に、スワール制御装置について、図3に
より説明する。スワール制御装置は、インマニブランチ
部に設けられ、バキュームポンプで作られる負圧で作動
し、シリンダ内のスワール比を制御するスワール制御弁
30と、スワール制御弁30の開度を制御するための制御負
圧を調整するソレノイド弁(図示せず)と、を備えてい
る。
【0035】次に、コントロールユニット31及び各種セ
ンサについて説明する。コントロールユニット31は、各
センサの信号を受取って演算処理し、各アクチュエータ
に指令信号を出力する。センサとしては、図3を参照
し、燃料噴射ポンプの回転速度を検出するポンプ回転速
度センサ32と、コントロールスリーブ17の位置を検出す
るコントロールスリーブ位置センサ33と、燃料噴射ポン
プに供給される燃料の温度を検出する燃温センサ34と、
燃料噴射ノズル3の針弁リフトより開弁時期(実噴射時
期)を検出するノズルリフトセンサ36と、機関冷却水温
を検出する水温センサ37と、アクセル開度を検出するア
クセル開度センサ38と、を備えている。
【0036】また、図4を参照し、吸入空気の質量流量
を計測するエアフローメータ39と、EGR制御弁26のリ
フト量(実EGR量)を検出するEGR制御弁リフトセ
ンサ40と、を備えている。また、図2を参照し、機関出
力軸(トルクコンバータの入力軸)4に取付けられたリ
ングギヤ41と、リングギヤ41の歯のピッチ間の時間を入
力して、トルクコンバータ入力軸回転速度(機関回転速
度)を検出するトルクコンバータ入力軸回転速度センサ
(機関回転速度センサ)42と、トルクコンバータ5の出
力軸に取付けられたタイミングプレート43と、タイミン
グプレート43の歯のピッチ間の時間を入力して、トルク
コンバータ出力軸回転速度を検出するトルクコンバータ
出力軸回転速度センサ44と、を備えている。
【0037】次に、制御の概要について説明する。本発
明は、コントロールスリーブ位置により推測する燃料噴
射量が、燃料性状、燃温、運転による摩耗、生産バラツ
キにより負荷検出を必ずしも正確に行えないので、自動
変速機のトルクコンバータの入出力軸の速度比とトルク
コンバータ固有の容量係数とを用いて機関トルクが推定
できることに着目したもので、この機関トルクと機関回
転速度とに応じた基準燃料噴射量を記憶しておき、該基
準燃料噴射量とコントロールスリーブ位置より求められ
る燃料噴射量とを比較し、その差により燃料性状を推定
すると共に、その差に応じて燃料噴射量を補正し、その
補正された燃料噴射量と機関回転速度とに応じて機関の
諸変数、即ち、ディーゼル機関の噴射時期、EGR量、
スワール比等を制御することにより、これらの制御に関
わる問題を完全に解決し、制御精度とロバスト性とを向
上させ、排気を大幅に清浄化すると共に、瞬時所要トル
クの検出や制御ロジックの簡略化・適合工数低減を可能
とした。
【0038】機関トルクは、トルクコンバータの入力軸
回転速度と出力軸回転速度との比から速度比を算出する
と共に、トルクコンバータの速度比に応じた容量係数を
予め記憶しておき、トルクコンバータの速度比と容量係
数とから算出する。 T=C・Ne2 ここで、Tは機関トルク(Nm)、Cは容量係数(Nm
/rpm2)、Neはトルクコンバータ入力軸回転速度=機
関回転速度(rpm )である。
【0039】尚、トルクコンバータの速度比と容量係数
とを用いて機関トルクを求める方法は公知であり、次式
のとおりであるが(1990年、社団法人自動車技術会発行
「自動車技術ハンドブック基礎・理論編」 105頁参
照)、本発明では、機関負荷として上記の式から算出し
た機関トルクを用いて、基準燃料噴射量を算出し、燃料
性状と燃料噴射量補正とを行うことを特徴とする。
【0040】また、機関摩擦損失の固体毎の相違や走行
距離・運転状態による変化は、概ねトルクコンバータか
ら算出されたトルクにより検索する基準燃料噴射量で補
償される。図6は機関負荷算出のフローチャートであ
る。このフローは、瞬時トルクの変化を正確に算出する
ため、4msジョブ等の比較的速いジョブで行われる。
【0041】S1では、トルクコンバータ入力軸回転速
度センサ42からの信号に基づいて、トルクコンバータ入
力軸回転速度(=機関回転速度)Neを読込む。この部
分がトルクコンバータ入力軸回転速度検出手段に相当す
る。S2では、トルクコンバータ出力軸回転速度センサ
44からの信号に基づいて、トルクコンバータ出力軸回転
速度Npを読込む。この部分がトルクコンバータ出力軸
回転速度検出手段に相当する。
【0042】S3では、トルクコンバータ入力軸回転速
度Neと出力軸回転速度Npとから、次式により、トル
クコンバータの速度比eを算出する。この部分が速度比
算出手段に相当する。 e=Np/Ne S4では、トルクコンバータ単体で計測された容量係数
を速度比に応じて割付けた少なくとも16格子以上データ
により構成されたテーブルから、S1で算出した速度比
eに対応する容量係数Cを検索する。この部分が容量係
数算出手段に相当する。
【0043】S5では、トルクコンバータ入力軸回転速
度Neと容量係数Cとから、次式により、機関トルクT
を算出する。この部分が機関トルク算出手段に相当す
る。 T=C・Ne2 次に、燃料噴射量制御について、図7のフローチャート
により説明する。尚、燃料噴射量制御については、従来
技術と同様である。
【0044】S11では、機関が始動時であるかどうかを
判断する。具体的には、キースイッチがスタート位置で
あるかどうかと、機関回転速度が所定値以内であるかど
うかで判断する。S12では、始動時の場合に、冷却水温
と機関回転速度とから、始動時の燃料噴射量Qstを検索
し、これを目標燃料噴射量Q=Qstとする。
【0045】S13では、機関回転速度とアクセル開度と
に応じて、燃料噴射量マップから、基本燃料噴射量Qdr
v を検索する。S14では、アイドル運転時の場合に、目
標アイドル回転数になるように、実際の機関回転速度と
目標アイドル回転数とからPID制御で燃料噴射量補正
値Qidl を算出する。アイドル運転時でない場合は、燃
料噴射量補正値Qidl =0とする。尚、アイドル運転時
であるかどうかは、アクセル開度と機関回転速度とが各
々所定値内に入っているかどうかで判断する。
【0046】S15では、補機類によるエンジン負荷の増
大に対する燃料噴射量の増分Qastを算出する。具体的
には、エアコン、バッテリ電圧、パワステ各々について
燃料噴射量の増分を決めておき、エアコンスイッチ、バ
ッテリ電圧モニタ値、パワステスイッチのON−OFF
から、合計の燃料噴射量の増分を算出する。S16では、
目標燃料噴射量Q1を次式により算出する。
【0047】Q1=Qdrv +Qidl +Qast S17では、スモーク防止等のため、最大燃料噴射量Qma
x を算出する。具体的には、回転と過給圧(ターボ車の
み)に応じて設定された最大燃料噴射量マップから検索
する。S18では、目標燃料噴射量Q1と最大燃料噴射量
Qmax とを比較する。
【0048】S19では、Q1>Qmax の場合に、Q1=
Qmax に規制する。S20では、燃温センサで検出した燃
料温度と機関回転速度とに応じて目標燃料噴射量1を補
正するための修正係数K-Qtfを検索する。S21では、次
式のごとく、目標燃料噴射量Q1に修正係数K-Qtfを乗
じて、補正目標燃料噴射量Q2を算出する。
【0049】Q2=Q1・K-Qtf S22では、S21で求めた目標燃料噴射量Q2と機関回転
速度Neとに基づいて、対応する目標コントロールスリ
ーブ位置Uα0を検索する。S23では、S22で求めた目
標コントロールスリーブ位置Uα0に基づき、に基づ
き、コントロールスリーブ位置センサで検出した実コン
トロールスリーブ位置と比較しつつ、PID制御でロー
タリーソレノイドのPWM(デューティ比)を算出し、
出力する。
【0050】尚、フローチャートでは省略したが、制御
中は、燃料噴射ポンプやエンジンに異常があるかどうか
を監視していて、異常が検出された場合には、エンジン
が停止するように、コントロールスリーブを洩流位置に
すると共に、燃料カット弁を閉じる。次に、本発明に係
る燃料性状を推定するルーチンを、図5のフローチャー
トに従って説明する。
【0051】S31では、前記算出された機関トルクT
と、検出された機関回転速度Neとを入力する。S32で
は、予め標準的な運転条件で実験的に計測された基準燃
料噴射量Qbを、前記機関トルクTと機関回転速度Ne
とから検索する。S33では、前記目標コントロールスリ
ーブ位置Uα2に対応する目標燃料噴射量Q2を、燃料
噴射量調整機構の動作位置から検出される燃料噴射量と
して入力する。したがって、前記目標燃料噴射量Q2を
算出する機能が、燃料噴射量検出手段に相当する。
【0052】S34では、前記基準燃料噴射量Qbと目標
燃料噴射量Q2との差ΔQf (=Q2−Qb) を、燃料
性状係数として算出する。S35では、機関回転速度Ne
と前記ΔQfとによって割り付けられた燃料性状判別テ
ーブル (又はマップ) から、燃料性状Fvisを検索す
る。なお、機関回転速度Ne毎に割り当てられ、図のよ
うな特性になっている理由は、低回転時ほど噴射圧が低
く、燃料噴射量のバラツキが大きいためである。
【0053】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図9は、本実施形態のシステム図を示す。即
ち、本実施形態では、前記第1の実施形態で使用されて
いたトルクコンバータ出力軸回転速度センサを廃止し、
代わりに出力軸8の回転速度つまり車速VSPを検出す
る車速センサ51と、遊星歯車式変速機6の変速段を検出
するインヒビタスイッチ52とを設ける。
【0054】本実施形態では、以下のようにしてトルク
コンバータの出力軸回転速度Npを検出する。まず、車
速センサ51により検出された現在の車速VSPと、前記
インヒビタスイッチ52により検出された変速段imとを
入力し、予め記憶してあるタイヤ有効半径rと最終減速
比ifとから、トルクコンバータの出力軸回転速度 (ポ
ンプ回転速度) を次式により算出する。
【0055】Np= (VSP・im・if×1000) /
(2・π・r×60) 上式で算出した入力軸回転速度Ntと、出力軸回転速度
Npとに基づいて、トルクコンバータの速度比eを算出
して求める。機関トルクの算出及び機関制御のブロック
図については、第1の実施形態と同様である。
【0056】本実施形態では、一般的なディーゼル機関
と電子制御式自動変速機に既に備えられているセンサを
用いて、第1の実施形態と同様な機関トルクの検出が行
え、コスト低減を図れる。次に、本発明の第3の実施形
態について説明する。本実施形態では、機関トルク算出
に使用されるトルクコンバータの容量係数Cを、トルク
コンバータ内の油温によって補正するようにしたもので
ある。
【0057】したがって、本実施形態では図10に示すよ
うに、トルクコンバータにトルクコンバータ内の作動油
の温度を検出する油温センサ53を設ける。本実施形態に
よる機関トルク算出ルーチンを、図11に示したフローチ
ャートに従って説明する。S51〜S54については、第1
の実施形態の図6のS1〜S4と同様であり、説明を省
略する。
【0058】S55では、トルクコンバータの油温に応じ
て容量係数を補正するテーブルから、前記油温センサに
より検出されたトルクコンバータ内の作動油の温度To
ilに応じた修正係数αを、検索する。S56では、S54
で検索した容量係数Cを前記修正係数αを乗じて補正す
る。S57では、トルクコンバータの入力軸回転速度Nt
つまり機関回転速度Neと、容量係数Cとから機関トル
クTを次式により算出し、機関負荷変数とする。
【0059】T=C×Ne2 本実施形態では、外気温度や運転時間によってトルクコ
ンバータ内の作動油の温度が変化することによって容量
係数が変化しても、該油温に応じて容量係数を補正して
算出することにより、油温に影響されることなく、高精
度に機関トルクを検出でき、延いては、燃料性状の推定
精度、さらには該燃料性状による機関制御補正の精度を
も向上できる。
【0060】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。本実施形態では、前記のようにして推定した燃
料性状に基づいて機関制御の負荷パラメータとして使用
される燃料噴射量を補正すると共に、噴射時期、EG
R、スワール比等の制御を補正して精度を向上させたも
のである。本実施形態による燃料噴射量補正ルーチン
を、図12に示したフローチャートに従って説明する。
【0061】S61では、前記第1〜第3の実施形態のよ
うにして基準燃料噴射量とコントロールスリーブ位置で
決定される燃料噴射量との差として燃料性状係数ΔQf
を求めた後、該燃料性状係数ΔQfから燃料性状係数F
visを検索する。S62では、S61で検索した燃料性状
補正係数Fvisを用いて次式により補正燃料噴射量Q
frを算出する。
【0062】Qfr=Fvis×β×Q2 ここで、βは、燃料性状重み係数で、推定された燃料性
状Fvisをどれくらい信用できるかを決めるマッチン
グ係数で、0<β≦1の値を用いる。また、目標燃料噴
射量Q2を、コントロールスリーブ位置から決定される
燃料噴射量として用いる。
【0063】次に、本実施形態に係る燃料噴射時期制御
を図13のフローチャートに従って説明する。S71では、
機関回転速度Neと、前記図12のルーチンで補正した燃
料噴射量Qfrとを入力する。S72では、機関回転速度
Nと燃料噴射量Qfrとで設定された目標噴射時期IT
を検索する。
【0064】S73では、燃温センサ114 によって検出さ
れた燃料温度Tf、水温センサ115で検出された水温T
wを入力し、該燃料温度Tf、水温Twに応じてS72で
検索した目標噴射時期ITを補正する。S74では、噴射
ノズルの針弁リフトから検出した実噴射時期と目標噴射
時期とを比較し、PID制御により噴射時期制御用アク
チュエータ (タイミング制御弁22) への噴射時期指令信
号を算出して、出力する。
【0065】次に、本実施形態に係るEGR制御につい
て、図14のフローチャートにより説明する。S81では、
機関回転速度Neと、前記補正された燃料噴射量Qfr
とを入力する。S82では、機関回転速度Neと、燃料噴
射量Qfrとから、EGR量マップを参照して、目標E
GR量(EGR制御弁リフト量)を検索する。
【0066】S83では、燃温及び水温を読込み、これら
に応じて、S82で求めた目標EGR量を補正する。S84
では、補正後の目標EGR量に基づき、EGR制御弁リ
フトセンサで検出した実EGR量と比較しつつ、PID
制御により、EGR制御弁駆動用アクチュエータ(デュ
ーティ制御弁27)への制御指令信号を算出して、出力す
る。
【0067】次に、吸気絞り制御について、図15のフロ
ーチャートにより説明する。S91では、機関回転速度N
eと、前記補正された燃料噴射量Qfrとを入力する。
S92では、機関回転速度Neと、燃料噴射量Qfrとか
ら、吸気絞り弁開度マップを参照して、目標吸気絞り弁
開度を検索する。
【0068】S93では、目標吸気絞り弁開度を制御指令
信号に変換して、吸気絞り弁駆動用アクチュエータ(ソ
レノイド弁29)へ出力する。次に、本実施形態に係るス
ワール制御について、図16のフローチャートにより説明
する。S101 では、機関回転速度Neと、前記補正され
た燃料噴射量Qfrとを入力する。
【0069】S102 では、機関回転速度Neと、燃料噴
射量Qfrとから、スワール比マップを参照して、目標
スワール比を検索する。S103 では、目標スワール比を
制御指令信号に変換して、スワール制御弁駆動用アクチ
ュエータ(ソレノイド弁)へ出力する。このように、デ
ィーゼル機関の噴射時期、EGR量、吸気制御弁開度、
スワール比等の制御マップを機関回転速度Neと補正燃
料噴射量Qfrとに基づいて補正することにより、負荷
の検出精度を大幅に向上する (図17参照) 。また、諸々
のバラツキ要因が大幅に減少するため、負荷検出精度の
ロバスト性が向上し、排気を大幅に清浄化できる (図18
参照) 。
【0070】次に、本発明の第5の実施形態について説
明する。本実施形態では、前記のようにして燃料性状が
推定され、軽質燃料であると推定された場合は、噴射時
期を進角補正するようにしたものである。これは、軽質
燃料使用時に燃料粘度が低くなると、既述したように燃
料リーク量の増大により燃料噴射ポンプ内部のポンプ効
率が低下するため、同一タイマ位置での動的噴射時期
(ノズルの開弁時期) は遅角する。ノズルリフトセンサ
信号に基づき動的噴射時期はフィードバックされるの
で、目標噴射時期となるはずであるが、プランジャ圧送
行程でのリーク量は常に一定ではなく不安定なので、噴
射毎の噴射時期のバラツキが生じ、運転が不安定になっ
たり、失火するおそれもある。そこで、軽質燃料使用時
は進角補正し、燃焼を安定させるのである[進角補正
(約4°CA) することにより、燃焼を安定させられる
ことは実験的に確認されている]。
【0071】本実施形態に係る噴射時期補正を、図19の
フローチャートに従って説明する。S111 では、前記の
ようにして基準燃料噴射量とコントロールスリーブ位置
で決定される燃料噴射量との差として燃料性状係数ΔQ
fを求めた後、該燃料性状係数ΔQfから燃料性状係数
Fvisを検索する。S112 では、前記燃料性状補正係
数Fvisに基づき、燃料性状噴射時期補正値FvIT
を検索する。
【0072】S113 では、前記図13で示すようにして機
関回転速度Neと補正燃料噴射量Qfrとから目標噴射
時期ITを検索し、該目標噴射時期ITを水温Twや燃
温Tfによって補正する。S114 では、前記S113 で補
正した目標噴射時期ITに、前記S112 で検索した燃料
噴射時期補正値FvITを加算し、最終的な目標噴射時
期ITとする。
【0073】S115 では、噴射ノズルの針弁リフトから
検出した実噴射時期と目標噴射時期とを比較し、PID
制御により噴射時期制御用アクチュエータ (タイミング
制御弁22) への噴射時期指令信号を算出して、出力す
る。このように、動的噴射時期制御にあっても、軽質燃
料使用時に噴射時期を進角補正することにより、軽質燃
料使用時の運転性の悪化を解決できる。
【0074】次に、本発明の第6の実施形態について説
明する。本実施形態では、既述した方法で推定した燃料
性状に基づいて、アクセル開度信号を補正するようにし
たものである。これは、既述したように燃料の粘度の変
化により燃料噴射ポンプのポンプ効率が変化し、また、
プランジャ圧送行程でのリーク量が変化するため、噴射
圧力が変化する。
【0075】このため、同一コントロールスリーブ位置
での燃料噴射量が変化し、その結果、同一のドライブQ
特性では同一負荷であるにも係わらずアクセルの踏込み
量に変化が生じ、ドライバが不快に感じるおそれがある
(例えば、軽質燃料使用時は踏込みが増えるため、あた
かも加速性能が悪くなったようにドライバは感じる)
段。そこで、燃料性状に応じて入力されたアクセル開度
信号を補正することにより、燃料性状変化に対するアク
セル踏込み量の増減を無くして一定のアクセル操作フィ
ーリングが得られるようにしたものである。
【0076】本実施形態に係るアクセル開度補正を図20
のフローチャートに従って説明する。S121 では、前記
同様にして燃料性状係数ΔQfから燃料性状係数Fvi
sを検索する。S122 ではS121 で検索した燃料性状補
正係数Fvisに基づいて、アクセル開度補正係数Fv
aclを検索する。
【0077】S123 では、アクセル開度センサからのア
クセル開度信号ACLを入力する。S124 では、入力さ
れたアクセル開度ACLに、前記のようにして求めたア
クセル開度補正係数Fvaclを乗じて補正する。この
ように、燃料性状によりアクセル開度信号を補正するこ
とによって、例えば補正されたアクセル開度ACLに基
づく燃料噴射量が燃料性状に応じて補正されることにな
るので、ドライバにとって不快な燃料性状による運転性
の変化を抑制できる。
【0078】次に、本発明の第7の実施形態について説
明する。本実施形態では、既述した方法で推定された燃
料性状に基づいて、目標噴射時期と目標EGR量とを同
時に補正するようにしたものである。これについて説明
すると、既述したように燃料粘度の変化により、単位燃
料重量当りの発熱量が変化するため、最適な噴射時期と
EGR制御量が変化する。
【0079】軽質燃料の場合、略運転条件に関係なく噴
射時期は進角側、EGR量は増加側に最良点が有り、反
対に重質燃料の場合も略運転条件に関係なく噴射時期は
遅角側、EGR量は軽減側に最良点が有ることが実験的
に確認された。そこで、燃料性状に応じて最適な噴射時
期とEGR量とに補正することにより、常に排気浄化性
能を良好に維持することができる。
【0080】本実施形態に係る噴射時期補正及びEGR
量制御を、図21のフローチャートに従って説明する。S
131 では、前記同様にして燃料性状係数ΔQfから燃料
性状係数Fvisを検索する。S132 ではS121 で検索
した燃料性状補正係数Fvisに基づいて、燃料性状噴
射時期補正値FvITを検索する。
【0081】S133 では、既述したようにして機関回転
速度Neと補正燃料噴射量Qfrとから目標噴射時期I
Tを検索し、該目標噴射時期ITを燃温Tf及び水温T
wによって補正する。S134 では、前記S133 で補正し
た目標噴射時期ITに、前記S132 で検索した燃料噴射
時期補正値FvITを加算し、最終的な目標噴射時期I
Tとする。
【0082】S135 では、噴射ノズルの針弁リフトから
検出した実噴射時期と前記目標噴射時期ITとを比較し
つつ、PID制御により噴射時期制御用アクチュエータ
(タイミング制御弁22) への噴射時期指令信号を算出し
て、出力する。S136 では、前記燃料性状補正係数Fv
isに基づいて、燃料性状EGR補正係数FvEGRを
検索する。
【0083】S137 では、機関回転速度Neと、燃料噴
射量Qfrとから、目標EGR量(EGR制御弁リフト
量)を検索し、該目標EGR量を燃温Tf及び水温Tw
によって補正する。S138 では、前記補正後の目標EG
R量に前記燃料性状EGR補正係数FvEGRを乗じて
最終的な目標EGR弁リフト量EGRAとする。
【0084】S139 では、EGR制御弁リフトセンサで
検出した実EGR量と、前記目標EGR弁リフト量とを
比較しつつ、PID制御によりEGR制御弁駆動用アク
チュエータ(デューティ制御弁27)への制御指令信号を
算出して、出力する。このように、燃料性状により最適
な噴射時期とEGR量とに補正することによって、燃料
性状に関係なく常に排気浄化性能を良好に維持できる。
【0085】吸気絞り弁開度についても同様に機関回転
速度Neと補正燃料噴射量とで補正した目標吸気絞り弁
開度を、更に燃料性状で補正を行うようにしてもによ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る燃料性状推定装置の構成・機能
を示すブロック図
【図2】 本発明に係る制御装置の構成・機能を示すブ
ロック図
【図3】 本発明の第1の実施形態のシステム図(その
1)
【図4】 同上のシステム図(その2)
【図5】 同上のシステム図(その3)
【図6】 機関負荷算出のフローチャート
【図7】 燃料噴射量制御のフローチャート
【図8】 燃料性状推定のフローチャート
【図9】 本発明の第2の実施形態のシステム図
【図10】 本発明の第3の実施形態のシステム図
【図11】 前記第3の実施形態における機関負荷算出の
フローチャート
【図12】 本発明の第4の実施形態における燃料噴射量
制御のフローチャート
【図13】 同じく燃料噴射時期制御のフローチャート
【図14】 同じくEGR制御のフローチャート
【図15】 同じく吸気絞り制御のフローチャート
【図16】 同じくスワール制御のフローチャート
【図17】 本発明の検出精度上の効果を示す図
【図18】 本発明の排気性能上の効果を示す図
【図19】 本発明の第5の実施形態に於ける燃料噴射時
期制御のフローチャート
【図20】 本発明の第6の実施形態におけるアクセル開
度補正のフローチャート
【図21】 本発明の第7の実施形態における燃料噴射時
期及びEGR制御のフローチャート
【図22】 従来の問題点を示す図
【図23】 従来の問題点を示す図
【符号の説明】
1 ディーゼル機関(本体) 2 分配型電子制御燃料噴射ポンプ 3 燃料噴射ノズル 4 機関出力軸 5 トルクコンバータ 6 遊星歯車式自動変速機 15 プランジャ 17 コントロールスリーブ 18 ロータリーソレノイド 21 タイマピストン 22 タイミング制御弁 23 吸気通路 24 排気通路 25 EGR通路 26 EGR制御弁 27 デューティ制御弁 28 吸気絞り弁 29 ソレノイド弁 30 スワール制御弁 31 コントロールユニット 41 リングギヤ 42 トルクコンバータ入力軸回転速度センサ 43 タイミングプレート 44 トルクコンバータ出力軸回転速度センサ 51 車速センサ 52 インヒビタスイッチ 53 油温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 9/00 - 45/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トルクコンバータ付自動変速機が接続され
    たディーゼル機関において、 前記トルクコンバータの入出力軸の速度比を算出し、該
    速度比から求めたトルクコンバータの容量係数と機関回
    転速度とに基づいて機関トルクを算出し、該機関トルク
    と機関回転速度とに基づいて基準燃料噴射量を算出し、
    燃料噴射量調整機構の動作位置を検出し、この動作位置
    に基づいて求めた燃料噴射量と前記準燃料噴射量と
    比較して燃料の性状を推定することを特徴とするディー
    ゼル機関の燃料性状推定装置。
  2. 【請求項2】機関回転速度を検出する機関回転速度検出
    手段と、 トルクコンバータの出力軸回転速度を検出する出力軸回
    転速度検出手段と、 検出された機関回転速度とトルクコンバータの出力軸回
    転速度とに基づいてトルクコンバータの入出力軸の速度
    比を算出する速度比算出手段と、 トルクコンバータの速度比に基づいてトルクコンバータ
    の容量係数を算出する容量係数算出手段と、 トルクコンバータの容量係数と機関回転速度とに基づい
    て、機関トルクを算出する機関トルク算出手段と、 機関トルクと機関回転速度とに基づいて基準燃料噴射量
    を算出する基準燃料噴射量算出手段と、 燃料噴射量調整機構の動作位置に基づいて燃料噴射量を
    検出する燃料噴射量検出手段と、 基準燃料噴射量と検出された燃料噴射量とを比較して燃
    料の性状を推定する燃料性状推定手段と、 を含んで構成したことを特徴とする請求項1に記載のデ
    ィーゼル機関の燃料性状推定装置。
  3. 【請求項3】前記出力軸回転速度検出手段は、トルクコ
    ンバータの出力軸の回転速度を直接検出するセンサで構
    成されていることを特徴とする請求項2に記載のディー
    ゼル機関の燃料性状推定装置。
  4. 【請求項4】前記出力軸回転速度検出手段は、車速を検
    出する手段と、トルクコンバータの出力軸に連結される
    機械式変速機の変速段を検出する手段と、該機械式変速
    機の出力軸回転速度と車速との速度比を予め記憶する手
    段と、を含み、該車速、変速段、速度比に基づいてトル
    クコンバータの出力軸回転速度を算出することを特徴と
    する請求項2に記載のディーゼル機関の燃料性状推定装
    置。
  5. 【請求項5】トルクコンバータ内の油温を検出する手段
    を含み、 前記容量係数算出手段は、トルクコンバータの速度比に
    基づいて得られたトルクコンバータの容量係数を、前記
    トルクコンバータ内の油温に応じて補正して算出するこ
    とを特徴とする請求項2に記載のディーゼル機関の燃料
    性状推定装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載
    のディーゼル機関の燃料性状推定装置によって推定され
    た燃料性状に基づいて、機関の制御を補正する制御補正
    手段を含んで構成したことを特徴とするディーゼル機関
    の制御装置。
  7. 【請求項7】前記制御補正手段は、前記燃料噴射量調整
    機構の動作位置に基づいて検出された燃料噴射量を入力
    して実行される機関制御において、前記燃料噴射量を推
    定された燃料性状で補正することを特徴とする請求項6
    に記載のディーゼル機関の制御装置。
  8. 【請求項8】前記制御補正手段は、推定された燃料性状
    に基づいて燃料の目標噴射時期を補正することを特徴と
    する請求項6に記載のディーゼル機関の制御装置。
  9. 【請求項9】前記制御補正手段は、推定された燃料性状
    に基づいてアクセル開度信号を補正することを特徴とす
    る請求項6に記載のディーゼル機関の制御装置。
  10. 【請求項10】機関の排気の一部を吸気系に還流するEG
    R装置を備え、 前記制御補正手段は、推定された燃料性状に基づいて目
    標EGR率及び燃料の噴射時期を補正することを特徴と
    する請求項6に記載のディーゼル機関の制御装置。
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