JP3470479B2 - 単結晶引上装置 - Google Patents

単結晶引上装置

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JP3470479B2 JP34170295A JP34170295A JP3470479B2 JP 3470479 B2 JP3470479 B2 JP 3470479B2 JP 34170295 A JP34170295 A JP 34170295A JP 34170295 A JP34170295 A JP 34170295A JP 3470479 B2 JP3470479 B2 JP 3470479B2
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貴 熱海
久 降屋
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三菱住友シリコン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二重構造のルツボ
を用いて貯留された半導体融液より半導体単結晶を引き
上げる単結晶引上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン(Si)やガリウムヒ素
(GaAs)等の半導体単結晶を成長する方法の一つと
して、CZ法が知られている。このCZ法は、大口径、
高純度の単結晶が無転位あるいは格子欠陥の極めて少な
い状態で容易に得られること等の特徴を有することか
ら、様々な半導体結晶の成長に用いられている方法であ
る。
【0003】近年、単結晶の大口径化、高純度化、酸素
濃度および不純物濃度等の均一化の要求に伴いこのCZ
法も様々に改良され実用に供されている。上記CZ法の
改良型の一つにいわゆる二重ルツボを用いた連続チャー
ジ型磁界印加CZ法(以下、CMCZ法と略称する)が
提案されている。この方法は、外部からルツボ内の半導
体融液に磁界を印加することにより、前記半導体融液内
の対流を抑制し極めて酸素濃度の制御性が良く単結晶化
率が良い単結晶を成長することができ、外側のルツボと
内側のルツボとの間に原料を連続供給し長尺の半導体単
結晶を容易に得ることができる等の特徴を有する。した
がって、大口径かつ長尺の半導体単結晶を得るには最も
優れた方法の一つである。
【0004】図8は、特開平4−305091号公報に
記載されている上記のCMCZ法を用いたシリコンの単
結晶引上装置の一例である。この単結晶引上装置1は、
中空の気密容器であるチャンバ2内に、二重ルツボ3、
ヒーター4、原料供給装置5がそれぞれ配置され、該チ
ャンバ2の外部にマグネット6が配置されている。
【0005】二重ルツボ3は、略半球状の石英(SiO
2)製の外ルツボ11と、図9に示すように、該外ルツ
ボ11内に設けられた円筒状の仕切り体である石英(S
iO2)製の内ルツボ12とから形成され、該内ルツボ
12の側壁には、内ルツボ12と外ルツボ11との間
(原料融解領域)と内ルツボ12の内側(結晶成長領
域)とを連通する連通孔13が複数個形成されている。
【0006】この二重ルツボ3は、チャンバ2の中央下
部に垂直に立設されたシャフト14上のサセプタ15に
載置されており、前記シャフト14の軸線を中心として
水平面上で所定の角速度で回転する構成になっている。
そして、この二重ルツボ3内には半導体融液(加熱融解
された半導体単結晶の原料)21が貯留されている。
【0007】ヒーター4は、半導体の原料をルツボ内で
加熱・融解するとともに生じた半導体融液21を保温す
るもので、通常、抵抗加熱が用いられる。原料供給装置
5は、所定量の半導体の原料22を外ルツボ11と内ル
ツボ12との間の半導体融液21面上に連続的に投入す
るものである。
【0008】マグネット6は、二重ルツボ3の外方から
二重ルツボ3内の半導体融液21に磁界を印加すること
で、半導体融液21内で発生するローレンツ力により該
半導体融液21の対流の制御および酸素濃度の制御、液
面振動の抑制等を行うものである。
【0009】上記原料供給装置5から供給される原料2
2としては、例えば、多結晶シリコンのインゴットを破
砕機等で破砕してフレーク状にしたもの、あるいは、気
体原料から熱分解法により粒状に析出させた多結晶シリ
コンの顆粒が好適に用いられ、必要に応じてホウ素
(B)(p型シリコン単結晶を作る場合)やリン(P)
(n型シリコン単結晶を作る場合)等のドーパントと呼
ばれる添加元素がさらに供給される。また、ガリウムヒ
素(GaAs)の場合も同様で、この場合、添加元素は
亜鉛(Zn)もしくはシリコン(Si)等となる。
【0010】上記の単結晶引上装置1により、内ルツボ
12の上方かつ軸線上に配された引上軸24に種結晶2
5を吊り下げ、半導体融液21上部において種結晶25
を核として半導体単結晶26を成長させる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内ルツボ1
2に形成された連通孔13は、原料供給時に半導体融液
21を内ルツボ12の外側から内ルツボ12の内側にの
み流入させるように一定の開口径以下に設定されてい
る。すなわち、この理由は連通孔13の開口面積が大き
すぎると、結晶成長領域から半導体融液21が対流によ
り原料融解領域に戻る現象が生じると単結晶成長におけ
る不純物濃度および融液温度等の制御が困難になってし
まうため、連通孔13の開口面積を小さくする必要があ
る。
【0012】しかしながら、連通孔13の開口面積が小
さくなると、内ルツボ12の外側から内ルツボ12の内
側へ半導体融液21が流入し難くなり、単結晶の成長に
対する内ルツボ12内への半導体融液21の流入が不足
し、図10に示すように、内ルツボ12の外側と内ルツ
ボ12の内側における半導体融液21の液位に差が生じ
易くなるとともに、この差を相殺させようとする力で液
面が揺れてしまい単結晶成長に悪影響を及ぼしてしまう
不都合がある。すなわち、連通孔は、上記半導体融液の
流入性低下により半導体融液の液位差が生じない開口面
積以上に制限されてしまうため、半導体融液の逆流現象
を有効に抑制することが困難であった。
【0013】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、連通孔における半導体融液の流入性を向上させ、
長尺大口径の単結晶を安定して引き上げる装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明
の単結晶引上装置では、気密容器の内部に設けられた外
ルツボと該外ルツボ内に設けられた筒状仕切り体である
内ルツボとからなる二重ルツボに半導体融液を貯留し、
前記内ルツボ内の半導体融液より半導体単結晶を引き上
げる単結晶引上装置において、前記二重ルツボは、内ル
ツボの内外を連通させ半導体融液を内ルツボ内部に流入
させる連通孔を有し、該連通孔の内ルツボ外側の開口部
周辺には、内ルツボと外ルツボとの間に貯留された半導
体融液の下降流の一部を連通孔へ誘導するガイド面が形
成されている。
【0015】この単結晶引上装置では、連通孔の内ルツ
ボ外側の開口部周辺にガイド面が形成されているので、
内ルツボと外ルツボとの間に貯留された半導体融液に生
じる熱対流のうち内ルツボ外面に沿って下降する下降流
の一部が、ガイド面により強制的に連通孔に誘導される
ことから、該連通孔において、半導体融液が外ルツボ側
から内ルツボ内部へ流入しやすくなる。
【0016】本発明の単結晶引上装置では、上記の単結
晶引上装置において、前記連通孔は、内ルツボの下端部
分に形成されるとともに内ルツボ外側の開口部の下縁が
外ルツボの内面で構成され、該外ルツボの内面を、前記
ガイド面とする。
【0017】この単結晶引上装置では、内ルツボ外面に
沿って下降する半導体融液の下降流の一部が、ガイド面
とされた外ルツボの内面によりその方向が変えられ、内
ルツボ下端部分の連通孔に強制的に誘導されることか
ら、該連通孔において、半導体融液が内ルツボの外側か
ら内ルツボ内部へ流入しやすくなる。
【0018】本発明の単結晶引上装置では、上記の単結
晶引上装置において、前記連通孔は、内ルツボの側壁に
形成されるとともに、連通孔の内ルツボ外側の開口部に
は、その下縁部に内ルツボ外方に突出する突起部が設け
られ、該突起部の上面を前記ガイド面とする。
【0019】この単結晶引上装置では、内ルツボ外面に
沿って下降する半導体融液の下降流の一部が、ガイド面
とされた突起部上面によりその方向が変えられ、連通孔
に強制的に誘導されることから、該連通孔において、半
導体融液が内ルツボの外側から内ルツボの内部へ流入し
やすくなる。また、連通孔の高さ位置、突起部の突出量
および突出角度等を任意に設定することにより、連通孔
における半導体融液の流入量を調整することが可能とな
る。本発明の単結晶引上装置では、気密容器の内部に設
けられた外ルツボと該外ルツボ内に設けられた筒状仕切
り体である内ルツボとからなる二重ルツボに半導体融液
を貯留し、前記内ルツボ内の半導体融液より半導体単結
晶を引き上げる単結晶引上装置において、前記二重ルツ
ボは、内ルツボの内外を連通させ半導体融液を内ルツボ
内部に流入させる連通孔を有し、該連通孔の内ルツボ外
側の開口部周辺には、内ルツボと外ルツボとの間に貯留
された半導体融液の下降流の一部を連通孔へ誘導するガ
イド面が形成され、上記の単結晶引上装置において、前
記外ルツボの内面に直接、軸線を中心とした放射状に溝
部を設け、これら溝部上に前記内ルツボを載置すること
により連通孔を形成する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の第1形態を
図1から図3を参照しながら説明する。これらの図にあ
って、符号31はシリコンの単結晶引上装置、32は連
通孔、33は内ルツボを示している。
【0021】第1形態の単結晶引上装置31は、図1に
示すように、従来例で説明した単結晶引上装置1におい
て連通孔13が側壁に形成された内ルツボ12の代わり
に、連通孔32が下端部分に形成された内ルツボ33を
用いたものであり、図1において図8に示す構成要素と
同一の要素には同一符号を付してあり、この同一要素に
ついては説明を省略する。
【0022】単結晶引上装置31は、図2に示すよう
に、円筒状の仕切り体である石英製の内ルツボ33を半
導体融液21が貯留された外ルツボ11内に載置した二
重ルツボ構造を有するものである。前記内ルツボ33
は、その下端の2カ所に互いに軸線に対して対称な位置
に断面矩形状の切欠部32aが形成されている。これら
の切欠部32aは、図1および図3に示すように、二重
ルツボを形成した状態で半導体融液21を内部に流入さ
せる連通孔32を形成するものである。すなわち、該連
通孔32は、その内ルツボ33外側の開口部下縁が外ル
ツボ11の内面11aで構成されている。
【0023】次に、本発明に係る単結晶引上装置の一形
態におけるシリコンの半導体単結晶を成長させる方法に
ついて説明する。
【0024】〔初期原料融解工程〕まず、多結晶シリコ
ン塊の多結晶原料を所定量だけ外ルツボ11内に入れ、
チャンバ2内を真空ポンプ等で排気し真空状態とする。
また、該チャンバ2内にアルゴン(Ar)等の不活性ガ
スを導入し、シャフト14を軸線を中心として所定の角
速度で水平面上で回転させることで外ルツボ11を所定
の角速度で回転させながら、ヒーター4に通電し外ルツ
ボ11内の多結晶原料を単結晶成長温度以上の温度まで
加熱し、この原料を完全に融解する。
【0025】〔二重ルツボ形成工程〕原料が完全に融解
した後、ヒーター4による加熱を若干弱めるとともに、
外ルツボ11の上方に軸線を同じくして配される内ルツ
ボ33を半導体融液21内に載置し、形成する。したが
って、内ルツボ33が外ルツボ11内に載置されて二重
ルツボを形成した状態では、前記切欠部32aは、半導
体融液21を内部に流入させる連通孔32となる。
【0026】〔単結晶成長工程〕二重ルツボ3を形成し
た後、マグネット6に通電し所定の磁界を印加し、ヒー
ター4の電力を調整して半導体融液21の中央液面23
付近を単結晶成長温度に保ち、引上軸24により吊り下
げられた種結晶25を半導体融液21になじませた後、
この種結晶25を核として半導体単結晶26を成長させ
る。ここでは、種結晶を無転位化した後にこの単結晶の
径を徐々に大口径化し所定の径の半導体単結晶26とす
る。
【0027】この結晶成長過程においては、半導体単結
晶26の成長量(引上量)に応じてシリコンの粒状の原
料22が連続的に投入され(必要に応じてドーパントを
入れる。)、この投入された原料22は外ルツボ11内
で融解し、連通孔32を通って内ルツボ33内に連続的
に供給される。以上により、半導体単結晶26を成長す
ることができる。
【0028】上記単結晶成長工程において、内ルツボ3
3と外ルツボ11との間の半導体融液21は、磁場印加
により熱対流が抑制されているが、完全に対流を止める
ことは困難であり、一定の対流が生じている。該対流
は、高温状態の外ルツボ内面周辺では、上昇流となり、
逆に、内ルツボ33の外面周辺では、下降流となって循
環している。
【0029】この内ルツボ33の外面周辺を流れる下降
流(図3中の矢印A)の一部は、外ルツボ11底部の内
面11aによりその方向が変えられ、強制的に連通孔3
2に誘導されることから、連通孔32において、半導体
融液21が内ルツボ33の外側から内ルツボ33の内部
へ流入しやすくなる。すなわち、外ルツボ11の内面1
1aが、半導体融液21の下降流のガイド面として作用
する。したがって、半導体融液21の逆流現象を抑制す
るため、連通孔32の開口面積を小さく設定しても高い
流入性が得られるので、内ルツボ33内外の半導体融液
21の液位差が生じ難くなる。
【0030】次に、本発明の実施の第2形態を図4およ
び図5を参照しながら説明する。これらの図にあって、
符号41は内ルツボ、42は連通孔を示している。
【0031】第2形態と第1形態との異なる点は、第2
形態における内ルツボ41は切欠部ではなく連通孔42
が側壁に形成されているとともに、該連通孔42の内ル
ツボ41外側の開口部には、図4に示すように、その下
縁部に内ルツボ41外方に突出する突起部42aが設け
られている点である。該突起部42aは、図5に示すよ
うに、断面円形状の連通孔42の下縁部に沿って水平方
向に突出した半円筒状のものであり、その上面42b
は、連通孔42の内周面と面一に形成されている。
【0032】すなわち、単結晶成長時において、内ルツ
ボ41外面に沿って下降する半導体融液21の下降流
(図4中の矢印B)の一部は、突起部42aの上面42
bによりその方向が変えられ、連通孔42に強制的に誘
導されることから、連通孔42において、半導体融液2
1が内ルツボ41の外側から内ルツボ41の内部へ流入
しやすくなる。したがって、突起部42aの上面42b
が、半導体融液21の下降流のガイド面として作用す
る。
【0033】次に、本発明の実施の第3形態を図6およ
び図7を参照しながら説明する。これらの図にあって、
符号51は内ルツボ、52は外ルツボ、53は台部を示
している。
【0034】第3形態と第1形態との異なる点は、第3
形態における内ルツボ51はその下端部分に切欠部が形
成されていない単純な円筒形状であるとともに、外ルツ
ボ52は内ルツボ51を載置する部分に、2つの溝部5
3aを有する台部53が形成されている点である。該台
部53は、外ルツボ52の軸線を中心とした円形状に形
成され、外ルツボ52の内面から内方に向かって隆起し
たものであり、その上面は水平面とされている。
【0035】また、台部53は、互いに前記軸線に対し
て対称な位置に溝部53aが形成され、これら溝部53
aは、内ルツボ51を載置した際に該内ルツボ51の下
端部分と接触せず、半導体融液21を流通させる連通孔
54を形成するものである。なお、溝部53aの底面5
3bは、溝部53a周辺の外ルツボ52の内面52aに
沿って連続して形成されている。
【0036】すなわち、単結晶成長時において、図7に
示すように、内ルツボ51外面に沿って下降する半導体
融液21の下降流(図7中の矢印C)の一部が、前記外
ルツボ52の内面52aおよび溝部53aの底面53b
によりその方向が変えられ、溝部53aと内ルツボ51
の下端部分とによって形成された連通孔54に強制的に
誘導されることから、連通孔54において、半導体融液
21が内ルツボ51の外側から内ルツボ51の内部へ流
入しやすくなる。したがって、前記外ルツボ52の前記
内面52aおよび溝部53aの底面53bが、半導体融
液21の下降流のガイド面として作用する。
【0037】なお、本発明は、次のような実施形態をも
含むものである。 (1)内ルツボ33、41、51をそれぞれ外ルツボ1
1、52に載置して二重ルツボを形成したが、内ルツボ
と外ルツボを予め一体として二重ルツボを形成したもの
を適用しても構わない。
【0038】(2)第2形態では、連通孔42を液位の
中間程度の高さ位置に形成し、突起部42aを水平方向
に突出させたが、連通孔の高さ位置、突起部の突出量お
よび突出角度等を任意に設定することにより、連通孔に
おける半導体融液の流入量を調整することが可能とな
る。
【0039】(3)内ルツボ33、41、51は円筒状
に形成された仕切り体であるが、筒状、かつ二重ルツボ
形成時に連通孔を有する形状であれば他の形状でも構わ
ない。例えば、連通孔を有する有底円筒状の仕切り体と
してもよい。
【0040】(4)内ルツボ33、41、51に切欠部
32a、連通孔42、連通孔54をそれぞれ2個設けた
が、単数または3ヶ以上設けても構わない。特に、成長
する単結晶の大口径化にともなってルツボを大口径化す
る場合は、内ルツボの周方向に多数箇所設けることが望
ましい。
【0041】(5)単結晶引上装置としてCMCZ法を
採用したが、二重ルツボ構造であるなら、他の単結晶製
造方法を適用しても構わない。例えば、磁場印加を行わ
ない連続チャージ型CZ法(CCZ法)を採用してもよ
い。この場合、半導体融液の熱対流が抑制されず、内ル
ツボ外面周辺に半導体融液の強い下降流が生じることか
ら、連通孔における流入性がさらに向上する。
【0042】(6)第3形態において外ルツボ52に溝
部53aを有する台部53を形成したが、内ルツボを載
置した際に、連通孔が形成される溝部を有するならば他
の形態による外ルツボでも構わない。例えば、外ルツボ
の内面に直接、軸線を中心とした放射状に溝部を設け、
これら溝部上に内ルツボを載置することにより連通孔を
形成するものでも構わない。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載の単結晶引上装置によれば、連通孔
の内ルツボ外側の開口部周辺にガイド面が形成されてい
るので、内ルツボ外面に沿って下降する半導体融液の下
降流の一部を、ガイド面により強制的に連通孔に誘導す
ることにより、該連通孔における半導体融液の流入性を
向上させることができる。したがって、半導体融液の逆
流現象を抑制するため、連通孔の開口面積を小さく設定
しても高い流入性が得られるので、内ルツボ内外の半導
体融液の液位が同レベルに維持されて、良好な単結晶成
長を行うことができる。
【0044】(2)請求項2記載の単結晶引上装置によ
れば、内ルツボ外面に沿って下降する半導体融液の下降
流の一部を、ガイド面とされた外ルツボの内面自体で内
ルツボ下端部分の連通孔に強制的に誘導することによ
り、連通孔における半導体融液の流入性を、簡便な構成
で容易に向上させることができる。
【0045】(3)請求項3記載の単結晶引上装置によ
れば、内ルツボ外面に沿って下降する半導体融液の下降
流の一部を、突起部上面で連通孔に強制的に誘導するこ
とにより、該連通孔における半導体融液の流入性を向上
させることができる。また、同一開口面積の連通孔であ
っても、該連通孔の高さ位置および突起部の突出量およ
び突出角度等を任意に設定することにより、半導体融液
の連通孔への流入量を調整し、単結晶成長の制御性をさ
らに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶引上装置の第1形態を示す
断面図である。
【図2】本発明に係る単結晶引上装置の第1形態におけ
る内ルツボを示す斜視図である。
【図3】本発明に係る単結晶引上装置の第1形態におけ
る二重ルツボを示す断面図である。
【図4】本発明に係る単結晶引上装置の第2形態におけ
る二重ルツボを示す断面図である。
【図5】本発明に係る単結晶引上装置の第2形態におけ
る内ルツボを示す要部を拡大した斜視図である。
【図6】本発明に係る単結晶引上装置の第3形態におけ
る外ルツボを示す平面図である。
【図7】内ルツボを載置した状態における図6のX−X
線矢視断面図である。
【図8】本発明に係る単結晶引上装置の従来例を示す断
面図である。
【図9】本発明に係る単結晶引上装置の従来例における
内ルツボを示す斜視図である。
【図10】本発明に係る単結晶引上装置の従来例におけ
る二重ルツボを示す断面図である。
【符号の説明】
11、52 外ルツボ 11a、52a 外ルツボの内面 22 原料 31 単結晶引上装置 32、42、54 連通孔 32a 切欠部 33、41、51 内ルツボ 42a 突起部 42b 突起部の上面 53 台部 53a 溝部 53b 溝部の底面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−305091(JP,A) 特開 昭57−183392(JP,A) 特開 平3−5393(JP,A) 特開 昭64−45796(JP,A) 特開 昭64−72987(JP,A) 特開 平4−305090(JP,A) 特開 平9−175884(JP,A) 実開 平6−12477(JP,U) 実開 昭57−150560(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密容器の内部に設けられた外ルツボと
    該外ルツボ内に設けられた筒状仕切り体である内ルツボ
    とからなる二重ルツボに半導体融液を貯留し、前記内ル
    ツボ内の半導体融液より半導体単結晶を引き上げる単結
    晶引上装置において、 前記二重ルツボは、内ルツボの内外を連通させ半導体融
    液を内ルツボ内部に流入させる連通孔を有し、 該連通孔の内ルツボ外側の開口部周辺には、内ルツボと
    外ルツボとの間に貯留された半導体融液の下降流の一部
    を連通孔へ誘導するガイド面が形成され 前記連通孔は、内ルツボの側壁に形成されるとともに、
    連通孔の内ルツボ外側の開口部には、その下縁部に内ル
    ツボ外方に突出する突起部が設けられ、該突起部の上面
    を前記ガイド面とされ ていることを特徴とする単結晶引
    上装置。
  2. 【請求項2】 気密容器の内部に設けられた外ルツボと
    該外ルツボ内に設けられた筒状仕切り体である内ルツボ
    とからなる二重ルツボに半導体融液を貯留し、前記内ル
    ツボ内の半導体融液より半導体単結晶を引き上げる単結
    晶引上装置において、前記二重ルツボは、内ルツボの内
    外を連通させ半導体融液を内ルツボ内部に流入させる連
    通孔を有し、該連通孔の内ルツボ外側の開口部周辺に
    は、内ルツボと外ルツボとの間に貯留された半導体融液
    の下降流の一部を連通孔へ誘導するガイド面が形成さ
    れ、 前記外ルツボの内面に直接、軸線を中心とした放射状に
    溝部を設け、これら溝部上に前記内ルツボを載置するこ
    とにより連通孔を形成する ことを特徴とする単結晶引上
    装置。
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