JP3470062B2 - 液体クロマトグラフ質量分析装置 - Google Patents

液体クロマトグラフ質量分析装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は液体クロマトグラ
フ質量分析装置、特に血清中に含まれる極微量の糖およ
び糖アルコールの測定を可能にするのに適した液体クロ
マトグラフ質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、血清中の糖、糖アルコール分析
に関しては直接法である示差屈折法、ポストラベル反応
法、プレラベル反応法など、数多くの分析法が知られて
いる。しかし、糖、糖アルコール分析に関しては直接法
である示差屈折法を用いた測定がほとんどで、検出感度
不足のため低濃度の試料は測定できない。
【0003】そのため、検出感度向上をねらって検出器
として質量分析計を使用し、より選択性のある分析法が
採られてきている。しかし、質量分析するためには注目
すべき分子をイオン化し、各々の成分をイオンとして検
出する必要があるが、分離用カラム条件等によっては有
機物は全くイオン化されないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の経験によれ
ば、それらの原因の多くは、注目する分子をイオン化す
るとき金属が混在していると試料のイオン化効率が極端
に低下するためであることがわかった。すなわち、具体
的には、糖および糖アルコールを液体クロマトグラフ質
量分析装置で分析する場合には、母体としてスチレンジ
ビニルベンゼン共重合体のポリマを用い、更に配位子交
換基としてストロンチューム(Sr)やバリウム(B
a)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、カルシューム(C
a)等の金属イオンを化学結合させた充填剤を充填した
分離用カラムが用いられているが、それらの金属が溶出
することがイオン化効率、したがって感度を極端に低下
させていることが本発明者の経験によって明らかとなっ
た。
【0005】そのような金属は示差屈折計におけるよう
な感度ではほとんど問題とされないが、液体クロマトグ
ラフ質量分析装置では注目すべき試料成分のイオン化効
率を大幅に下げることとなり、成分が全く検出されない
という結果になることもある。本発明の目的は血清中の
糖や糖アルコールの分析を高感度で分析するのに適した
液体クロマトグラフ質量分析装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による液体クロマ
トグラフ質量分析装置は、金属イオンを化学結合させた
充填剤を用いた分離用カラムと、前記分離用カラムに溶
離液を供給する手段と、糖及び糖アルコールを含む試料
を導入する試料導入手段と、前記分離用カラムから溶出
された溶液をイオン化し、その生成されたイオンを質量
分析する質量分析計と、前記分離用カラムから溶出する
金属を前記質量分析計の前段において捕集する金属捕集
カラムとを備えていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明による一実施例を示
す液体クロマトグラフ質量分析装置のブロックである。
この実施例を用いて血清中に夾雑物とともに含まれてい
る糖および糖アルコールを分析する例を説明する。
【0008】溶離液源1からは溶離液である蒸留水がポ
ンプ2により試料導入部3、前処理カラムである夾雑物
除去カラム4およびバルブ5を介して分離用カラム6に
供給される。この状態で、分離用カラム6に血清試料を
添加すると、夾雑物除去カラム4において、試料中の夾
雑物である蛋白質と糖および糖アルコールとが分子篩法
(ゲル浸透クロマトグラフィ)により互いに分離され
る。蛋白質のような夾雑物は高分子なので、糖および糖
アルコールに比べて早く溶出する。その夾雑物は、夾雑
物カラム4と分離用カラム6の連通を遮断するようにバ
ルブ5が切り替えられることで、廃棄される。
【0009】夾雑物の廃棄が終了し、バルブが切り替え
られて夾雑物除去カラム4と分離用カラム6が連通する
と、糖および糖アルコールは分離用カラム6に送り出さ
れ、分離用カラム6で成分毎に互いに分離されて、分離
用カラム6から流出する。後述するように、分離用カラ
ム6からは金属も流出するが、該金属はバルブ7を介し
て、スチレンジビニルベンゼン共重合体を母体としこれ
にスルホン基を結合させた陽イオン交換樹脂を充填した
金属捕集カラム11に導かれ、該金属捕集カラムによっ
て捕集される。したがって、質量分析器12には金属を
含まない、糖および糖アルコール有機成分が導入され
る。
【0010】金属捕集カラム11に金属が大量に捕集さ
れる頃を見計らって、バルブ7が切り替えられる。この
切り替えによって、金属捕集カラム11が分離用カラム
6および質量分析器12から流路的に切り離され、金属
捕集カラム再生洗浄流路系が形成される。この金属捕集
カラム再生洗浄流路系は再生液源8の再生液および洗浄
液源9の洗浄液を送液するポンプ10、バルブ7、金属
捕集カラム11および廃棄口からなるもので、その流路
が形成されると、ポンプ10により再生液8が金属捕集
カラム11に送られて該カラムが再生され、更にポンプ
10により洗浄液が金属捕集カラム11に送られて該カ
ラムが洗浄される。金属捕集カラム11からの使用済み
の再生液および洗浄液は廃棄される。この再生および洗
浄はポンプ2のプログラムと連動しているポンプ10の
プログラムにしたがって実行される。
【0011】一方、質量分析器12に導入された糖およ
び糖アルコール成分は質量分析される。すなわち、それ
らの成分はイオン源で効率よくイオン化され、それによ
って生成されたイオンは質量分析部で質量分散され、そ
の質量分散されたイオンは検出器によって検出される。
このようにして検出されたイオンの信号はデータ処理器
13に導かれ、質量スペクトルが与えられ、各成分の定
性および定量分析が行われる。質量分析器12での質量
分析後、溶離液は廃液される。
【0012】糖および糖アルコールの分離は一般的に配
位子イオン交換法によって行われる。配位子交換法によ
る糖及び糖アルコールの分離法の原理を図2を参照して
説明する。
【0013】1)糖及び糖アルコールを分析する場合の
分離用カラム6は、その母体がスチレンジビニルベンゼ
ン共重合体である。更に、スルホン酸基が化学結合さ
れ、配位子としてストロンチュームやバリウム、カルシ
ュウム等の金属イオンが化学結合されている。ここで
は、金属イオンと水のOH基が配位し糖の分離状態を形
成している。
【0014】2)分離用カラム6の充填剤はスルホン基
とストロンチュームが化学結合した状態にあり、試料で
ある糖及び糖アルコールが溶出してきて糖のOH基が金
属イオンと錯体を形成する。
【0015】3)試料は金属イオンと錯体を形成しなが
らカラム内で徐々に分離する。しかし、この時点で糖は
微量の金属イオンを含み溶出する。
【0016】本発明者は、溶離液に金属が何ppb含有す
ると、糖および糖アルコール(代表的なフラクトースと
ソルビトールの測定を行った)は質量分析装置のイオン
源にてイオン化効率が下がり、イオン化できなくなるか
を確認するために実験を行った。すなわち、溶離液に分
離用カラム6からの流出金属である1)ストロンチュー
ム、2)バリウム、3)カルシウムを添加し、それぞれ
濃度を変化させてイオン化後ピーク面積で各々の感度を
確認した。図3はその実験データである。各金属ともに
1〜5ppb含有すると感度は著しく低下することが確認で
きた。、このことから金属捕集カラム11は糖及び糖ア
ルコール成分のイオン化には極めて有効であることが解
る。
【0017】図4は糖及び糖アルコール6成分の本発明
者による分析例を示す。1)は金属捕集カラム11を使
用しない場合の糖及び糖アルコールの分析例を示す。各
成分共に検出できないことがわかる。2)は金属捕集カ
ラム11を使用した場合の分析例である。試料濃度は各
1ppmであるが、これらのデータから明らかなように、試
料成分を分離用カラム6で分離後、該カラムより溶出す
る金属を金属補集カラムを使って補集し、試料成分のみ
を質量分析装置に導いてイオン化することにより、高感
度測定が可能となる。なお、1)及び2)の縦軸のスケ
ールは同じである。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、血清中の糖や糖アルコ
ールの分析を高感度で分析するのに適した液体クロマト
グラフ質量分析装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実例を示す液体クロマトグラフ質量
分析装置のブロック図。
【図2】糖の分離法である配位子交換法の原理説明図。
【図3】溶離液に各々3種類の金属を添加した場合の糖
および糖アルコール成分の感度を示す図。
【図4】本発明例及び従来例による糖および糖アルコー
ル成分の分析結果を示す図。
【符号の説明】
1: 溶離液源、2、10: ポンプ、3:試料導入部、
4:夾雑物除去カラム、5:、7: バルブ、6:分離
カラム、8:再生液源、9:洗浄液源、11:金属捕集
カラム、12:質量分析器、13:データ処理器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 陽子 茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株式会社 日立サイエンスシステムズ内 (72)発明者 雫石 賢一 茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株式会社 日立サイエンスシステムズ内 (56)参考文献 特開 平5−87787(JP,A) 特開 平5−209870(JP,A) 特開 昭59−100856(JP,A) 特開 昭50−46193(JP,A) 特開 平10−300743(JP,A) 特開 平3−111758(JP,A) 特表 平8−502830(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/72 G01N 27/62 G01N 30/02 G01N 30/84

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属イオンを化学結合させた充填剤を用い
    分離用カラムと、該分離用カラムに溶離液を供給する
    手段と、糖及び糖アルコールを含む試料を導入する試料
    導入手段と、前記分離用カラムから溶出された溶液をイ
    オン化し、その生成されたイオンを質量分析する質量分
    析計と、前記分離用カラムから溶出する金属を前記質量
    析計の前段において捕集する金属捕集カラムとを備え
    ていることを特徴とする液体クロマトグラフ質量分析装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記分離用カラムの前
    段に前記試料中に含まれる夾雑物を前記試料から分離す
    る夾雑物除去カラムを設け、かつ該夾雑物除去カラムと
    前記分離カラムとの間に、前記夾雑物除去カラムと分
    離用カラムの連通状態を切り替えるバルブを設けて、該
    バルブの切り替えにより前記分離された夾雑物を廃棄し
    た後に、前記試料を前記分離用カラムに送り込むように
    したことを特徴とする液体クロマトグラフ質量分析装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記分離用カラムと前
    記金属捕集カラムとの間に、前記分離用カラムと金属捕
    集カラムの連通状態を切り替えるバルブを設けて、該バ
    ルブを切り替えることにより前記金属捕集カラムを前記
    分離用カラム及び前記質量分析計から独立化させ、その
    独立化された金属捕集カラムに再生液及び洗浄液を流し
    てその活性化を行うようにしたことを特徴とする液体ク
    ロマトグラフ質量分析装置。
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