JP3469430B2 - 放射線検出方法 - Google Patents

放射線検出方法

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JP3469430B2 JP15826797A JP15826797A JP3469430B2 JP 3469430 B2 JP3469430 B2 JP 3469430B2 JP 15826797 A JP15826797 A JP 15826797A JP 15826797 A JP15826797 A JP 15826797A JP 3469430 B2 JP3469430 B2 JP 3469430B2
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良和 津高
徹 岡
裕明 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、連続的に堆積し
ており放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵している容
器の周辺外部に放射線強度連続分布を測定できる能力を
備えた放射線検出器における放射線検出系を設置するこ
とによって、放射線の入射位置および放射線量率を検出
し、検出結果に基づいて放射性物質の3次元分布形状お
よび量を逆推定する放射線検出方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】放射線検出方法としては、例えば特願平
8−82844号明細書に示された、放射線の入射位置
と線量の情報から、逆問題解析手法の一つであるサンプ
ルドパターンマッチング(Sampled patte
rn matching)法を用いて2次元或いは3次
元の放射線分布を推定する方法がある。
【0003】図22は放射線強度連続分布を測定できる
能力を備えた放射線検出器のブロック図である。図にお
いて、100はモニタが必要とされる環境空間で、10
1は測定対象となる放射性物質、102はモニタ環境空
間100の周囲に沿って配置された放射線強度連続分布
を測定できる能力を備えた放射線検出器における放射線
検出系であるシンチレーションファイバ、103a,1
03bはシンチレーションファイバ102の両端に接続
された受光素子、104a,104bは受光素子103
a,103bが出力する電気パルスを増幅する増幅器、
105a,105bは増幅器104a,104bが出力
する信号の波形整形を行うコンスタントフラクションデ
ィスクリミネータ、106はコンスタントフラクション
ディスクリミネータ105bが出力する信号を遅延する
信号遅延回路、107はコンスタントフラクションディ
スクリミネータ105aからの信号の到着時間と信号遅
延回路106からの信号の到着時間との差に応じた波高
を有する信号を生成する時間波高変換器、108は時間
波高変換器107の出力をA−D変換するA−D変換
器、109はA−D変換器108の出力に基づいて波高
弁別を行うマルチチャンネル波高分析器、110はマル
チチャンネル波高分析器109の出力に基づいて逆問題
解析を行い放射性物質の2次元または3次元分布を推定
するマイクロコンピュータ、111は推定された放射性
物質の2次元分布および3次元分布を表示するCRTデ
ィスプレイなどの表示器である。
【0004】次に図22に示された放射線検出器の動作
について説明する。シンチレーションファイバ102に
放射線が入射するとシンチレーションファイバ102内
で蛍光が起こり、蛍光によって発生した光パルスがシン
チレーションファイバ102の両端に向かって伝搬す
る。光パルスはシンチレーションファイバ102内を伝
搬した後、受光素子103a,103bに入射する。受
光素子103a,103bは光パルスを電気パルスに変
換する。受光素子103a,103bからの電気信号は
増幅器104a,104bで増幅され、コンスタントフ
ラクションディスクリミネータ105a,105bに入
力する。コンスタントフラクションディスクリミネータ
105a,105bは、入力した信号をタイミングパル
スとして適当な波形に整える。
【0005】信号遅延回路106はコンスタントフラク
ションディスクリミネータ105bの出力信号をn+t
だけ遅らせて出力する。ここでnは光パルスがシンチレ
ーションファイバ102の全長を伝搬する時間、tは時
間波高変換器107に入力される2つの信号が必ず持た
なければいけない遅延時間である。即ち、nは一方の信
号が他方の信号よりも早く時間波高変換器107に到着
することを保証するための時間であり、tは時間波高変
換器107の不感時間に相当する時間である。時間波高
変換器107はコンスタントフラクションディスクリミ
ネータ105aから入力される信号の到着時間と信号遅
延回路106から入力される信号の到着時間との差に比
例した電気パルスを出力する。
【0006】A−D変換器108は、時間波高変換器1
07からの信号をA−D変換した後、マルチチャンネル
波高分析器109に供給する。マルチチャンネル波高分
析器109は、 A−D変換器108からのデジタル信
号を波高値別に計数する。
【0007】A−D変換器108からのデジタル信号が
示す波高値は放射線の入射位置に対応し、デジタル信号
の入力数は放射線の線量に対応しているので、デジタル
信号を波高値別に計数すれば、放射線の入射位置と線量
が測定できる。
【0008】マイクロコンピュータ110は、マルチチ
ャンネル波高分析器109で計数された放射線の入射位
置および入射位置における放射線の線量から放射線分布
を推定するために、逆問題解析手法の一つであるサンプ
ルドパターンマッチング(Sampled patte
rn matching)法を用いる。サンプルドパタ
ーンマッチング法は、モニタ環境空間をいくつかの要素
に分割し、各要素に放射性物質101が存在すると仮定
した場合の放射線強度分布パターンに対応した放射性物
質の位置を逐次的に探索する手法である。
【0009】サンプルドパターンマッチング法をマルチ
チャンネル波高分析器109で計数された放射線の入射
位置および入射位置における放射線の線量に適用するこ
とにより、モニタ環境空間内に存在する放射性物質10
1の分布を求めることができる。
【0010】次にサンプルドパターンマッチング法につ
いて説明する。図23の説明図に示すように、分布推定
の対象となるモニタ環境空間100を9個の要素に分割
し、要素名を図に示すようにC1,C2,・・・,C9
とする。モニタ環境空間100の外周に12個の放射線
検出部A1,A2,・・・,A12が設けられていると
仮定する。そして、各放射線検出部A1〜A12による
実際の放射線強度の測定結果をa1,a2,・・・,A
12とし、測定された放射線強度分布のパターンベクト
ルAをA=( a1,a2,・・・,a12)とおく。
【0011】次いで、ある要素の重心に単位強度の放射
性物質が存在すると仮定し、このとき外周に置かれた各
放射線検出部A1〜A12で測定されるであろう値を理
論計算より求める。測定されるであろう値すなわち理論
値をb1,b2,・・・,b12とし、計算された放射
線強度分布のパターンベクトルBをB=(b1,b2,
・・・,b12)と定義する。放射線強度は距離の2乗
に逆比例するので、ベクトルBを算出することは容易で
ある。そして、それぞれの要素の重心に単位強度の放射
性物質が存在すると仮定した場合の各パターンベクトル
Bを求める。さらに、実測によるパターンベクトルAの
向きに最も近い向きを持つパターンベクトルBを求め
る。
【0012】2つのベクトルA、Bの内積A・Bは、 A・B=cosθ×(|A||B|) と表されるので、θを最小にするパターンベクトルBを
求める。すなわち、 cosθ= A・B/(|A||B|) (パターン
一致度) を最大にするパターンベクトルBを求める。ここで、|
A|、|B|はベクトルA、Bの大きさを示す。なお、
仮定される放射線性物質の個数は複数であっても良い。
【0013】具体的には、まず、放射性物質の個数を
「1」としてどの位置に放射性物質をおくと、cosθ
が最大になるかを調べる。そして、cosθを最大にす
る位置に放射性物質があるとする。次に、放射性物質の
個数を「2」とする。すなわち、2個目の放射性物質の
存在を各要素の重心に仮定して、さらにcosθを大き
くする位置があるか否かを調べる。もしあれば、2個目
の放射性物質がその位置にあるとする。次いで、cos
θが最大に達するまで、さらに放射性物質の存在を各要
素の重心に仮定してcosθを調べる処理を繰り返す。
【0014】cosθが最大値に達するまでに放射性物
質があるとした全ての位置に放射性物質があり、モニタ
環境空間内の放射性物質分布がわかる。同様の処理で3
次元分布を推定できる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の放
射線検出方法において、管理区域内の作業を円滑にする
ため、リアルタイム性が望まれていた。また、3次元の
放射線強度連続分布を測定するためには、多数の放射線
検出器を設置する必要があり、多大なコストが掛かると
いう課題があった。また、放射性物質の配置によっては
上記cosθの値が2つ以上のピークを持つ場合があ
り、真の解を得たか否かの判定が困難であった。
【0016】また、上記のような放射線検出方法におい
ては、測定対象領域を要素分割し、各要素内の放射性物
質の代表として各要素の重心に要素内の全放射性物質が
集中して存在すると仮定しており、この重心を計算点と
して解析を行っている。しかし、計算点を単に各要素の
重心としているため、要素の形状によって左右され、解
析精度にバラツキを生じていた。
【0017】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、計算手順に改良を加えること
によって、放射性物質の3次元分布形状および体積を短
時間で逆推定でき、且つ、推定精度を向上できる放射線
検出方法を得ることを目的とする。
【0018】また、この発明は上記のような課題を解決
するためになされたものであり、放射線検出器の設置方
法を考案することにより、3次元分布形状および体積を
逆推定するために、必要な放射線検出器の数(個数)を
減少させ、コストを削減することができる放射線検出方
法を得ることを目的としている。
【0019】また、この発明は上記のような課題を解決
するためになされたものであり、逆問題解析において、
終了条件および判定条件に改良を加えることにより、放
射性物質の3次元分布形状および体積を高精度で逆推定
できる放射線検出方法を得ることを目的とする。
【0020】また、この発明は最適な計算点を設定する
ことにより、放射性物質の3次元分布形状および体積を
高精度で逆推定できる放射線検出方法を得ることを目的
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明の放射線検出方
法の第1の方法は、放射線強度の線状連続分布を測定で
きる能力を備えた放射線検出器における放射線検出系
を、連続的に堆積しており放射線強度が一様な放射性物
質を貯蔵している容器の周辺外部に設置することによっ
て求められた放射線の入射位置および入射位置における
放射線量率に応じたパターンベクトルを作成し、前記容
器全体を計算領域として複数に分割した要素の代表点を
計算点とし、ここに単位放射能強度の放射性物質がある
と仮定した場合に測定されるであろう放射線強度分布の
計算パターンベクトルを算出し、下段の要素からはじめ
る加算ループにおける反復計算によって確定された各放
射性物質の位置に基づき、前記容器内に存在する放射性
物質の3次元分布形状および体積を逆推定するものであ
る。
【0022】この発明の放射線検出方法の第2の方法
は、放射線強度の線状連続分布を測定できる能力を備え
た放射線検出器における放射線検出系を、連続的に堆積
しており放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵している
容器の周辺外部に設置することによって求められた放射
線の入射位置および入射位置における放射線量率に応じ
たパターンベクトルを作成し、前記容器全体を計算領域
として複数に分割した要素の代表点を計算点とし、ここ
に単位放射能強度の放射性物質があると仮定した場合に
測定されるであろう放射線強度分布の計算パターンベク
トルを算出し、前記計算領域内の全要素における計算パ
ターンベクトルの和をとり初期パターンベクトルとし、
上段の要素からはじめる減算ループにおける反復計算に
よって確定された各放射性物質の存在しない位置にもと
づき、前記容器内に存在する放射性物質の3次元分布形
状および体積を逆推定するものである。
【0023】この発明の放射線検出方法の第3の方法
は、放射線強度の線状連続分布を測定できる能力を備え
た放射線検出器における放射線検出系を、連続的に堆積
しており放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵している
容器の周辺外部に設置し、第1の放射線検出方法と第2
の放射線検出方法による各々の結果を平均することによ
り前記容器内に存在する放射性物質の3次元分布形状お
よび体積を逆推定するものである。
【0024】この発明の放射線検出方法の第4の方法
は、第1ないし第3の方法のいずれかにおいて、放射線
強度の線状連続分布を測定できる能力を備えた放射線検
出器の検出部をシンチレーションファイバとしたもので
ある。
【0025】この発明の放射線検出方法の第5の方法
は、第1ないし第4の方法のいずれかにおいて、第1な
いし第4の方法のいずれかにおいて、計算領域の形状如
何に関わらず、前記計算領域を複数の立方体要素に分割
し、これら複数の立方体要素のそれぞれの重心を計算点
とするものである。
【0026】この発明の放射線検出方法の第6の方法
は、第1ないし第4の方法のいずれかにおいて、計算領
域の形状如何に関わらず、前記計算領域を複数の六角柱
要素に分割し、これら複数の六角柱要素のそれぞれの重
心を計算点とするものである。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】この発明の放射線検出方法の第の方法
は、第1ないし第の方法のいずれかにおいて、上記放
射線強度連続分布を測定できる能力を備えた放射線検出
器における放射線検出系を、連続的に堆積しており放射
線強度が一様な放射性物質を貯蔵している容器の外部側
面に設置する際に、前記放射線検出系を前記容器の底面
よりも下方まで設置するものである。
【0031】この発明の放射線検出方法の第の方法
は、第1ないし第4の方法のいずれかにおいて、上記放
射線強度連続分布を測定できる能力を備えた放射線検出
器における放射線検出系を、連続的に堆積しており放射
線強度が一様な放射性物質を貯蔵している容器の外部上
面または外部側面に設置し、放射線強度連続分布を測定
した後、前記放射線検出系を移動させことにより他の
位置における放射線空間分布を測定し、この操作を数度
繰り返すことにより、前記容器の外部の放射線空間分布
測定するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による解
析対象である放射性物質を貯蔵している容器と放射線強
度連続分布を測定できる能力を備えた放射線検出器にお
ける放射線検出系の配置の一例を示すブロック図であ
る。図において、200は放射性物質201を貯蔵して
いる容器である。放射性物質201は、単位体積当り一
様な放射能強度を持っており、容器200内に連続的に
堆積している。
【0033】202a,202bは放射線強度連続分布
を測定できる能力を備えた放射線検出器における放射線
検出系として、シンチレーションファイバを示してい
る。この例では、シンチレーションファイバを用いてい
るが、放射線強度連続分布を測定できる能力を備えた放
射線検出器の放射線検出系であれば良く、また、放射線
強度強度分布を測定できる能力を有しない放射線検出器
であっても複数の放射線検出系を配置することによって
放射線強度連続分布を測定できれば良い。
【0034】容器200の外部全面をシンチレーション
ファイバ202a,202bが覆っており、全方向での
放射線強度連続分布の測定を行っている。
【0035】203a,203bはシンチレーションフ
ァイバ202aの両端に接続された受光素子、203
c,203dはシンチレーションファイバ202bの両
端に接続された受光素子、204a,204bは受光素
子203a,203bが出力する電気パルスを増幅する
増幅器、204c,204dは受光素子203c,20
3dが出力する電気パルスを増幅する増幅器、205
a,205bは増幅器204a,204bが出力する信
号の波形整形を行うコンスタントフラクションディスク
リミネータ、205c,205dは増幅器204c,2
04dが出力する信号の波形整形を行うコンスタントフ
ラクションディスクリミネータ、206aはコンスタン
トフラクションディスクリミネータ205bが出力する
信号を遅延する信号遅延回路、206bはコンスタント
フラクションディスクリミネータ205dが出力する信
号を遅延する信号遅延回路、207aはコンスタントフ
ラクションディスクリミネータ205aからの信号の到
着時間と信号遅延回路206aからの信号の到着時間と
の差に応じた波高を有する信号を生成する時間波高変換
器、207bはコンスタントフラクションディスクリミ
ネータ205bからの信号の到着時間と信号遅延回路2
06bからの信号の到着時間との差に応じた波高を有す
る信号を生成する時間波高変換器、208aは時間波高
変換器207aの出力をA−D変換するA−D変換器、
208bは時間波高変換器207bの出力をA−D変換
するA−D変換器、209aはA−D変換器208aの
出力に基づいて波高弁別を行うマルチチャンネル波高分
析器、209bはA−D変換器208bの出力に基づい
て波高弁別を行うマルチチャンネル波高分析器である。
なお、マルチチャンネル波高分析器209a,209b
は放射線分析器の一実現例である。
【0036】210はマルチチャンネル波高分析器20
9a,209bの出力に基づいて逆問題解析を行い放射
性物質の3次元分布を推定するマイクロコンピュータ、
211は推定された放射性物質の3次元分布を表示する
CRTディスプレイなどの表示器である。なお、マイク
ロコンピュータは解析手段の一実現例である。
【0037】次に図1に示された放射線検出器の動作に
ついて説明する。シンチレーションファイバ202a,
202bに入射した放射線の入射位置と線量の検出方法
は、シンチレーションファイバ202a,202bのい
ずれについても同様であるから、ここではシンチレーシ
ョンファイバ202aについてのみ説明する。
【0038】シンチレーションファイバ202aに放射
線が入射するとシンチレーションファバイ202a内で
蛍光が起こり、蛍光によって発生した光パルスがシンチ
レーションファイバ202aの両端に向かって伝搬す
る。光パルスはシンチレーションファイバ202a内を
伝搬した後、受光素子203a,203bに入射する。
受光素子203a,203bは光パルスを電気パルスに
変換する。受光素子203a,203bからの電気信号
は増幅器204a,204bで増幅され、コンスタント
フラクションディスクリミネータ205a,205bに
入力する。コンスタントフラクションディスクリミネー
タ205a,205bは、入力した信号をタイミングパ
ルスとして適当な波形に整える。
【0039】信号遅延回路206aはコンスタントフラ
クションディスクリミネータ205bの出力信号をn+
tだけ遅らせて出力する。ここでnは光パルスがシンチ
レーションファイバ202aの全長を伝搬する時間、t
は時間波高変換器207aに入力される2つの信号が必
ず持たなければいけない遅延時間である。即ち、nは一
方の信号が他方の信号よりも早く時間波高変換器207
aに到着することを保証するための時間であり、tは時
間波高変換器207aの不感時間に相当する時間であ
る。時間波高変換器207aはコンスタントフラクショ
ンディスクリミネータ205aから入力される信号の到
着時間と信号遅延回路206aから入力される信号の到
着時間との差に比例した電気パルスを出力する。
【0040】A−D変換器208aは、時間波高変換器
207aからの信号をA−D変換した後、マルチチャン
ネル波高分析器209aに供給する。マルチチャンネル
波高分析器209aは、A−D変換器208aからのデ
ジタル信号を波高値別に計数する。
【0041】A−D変換器208aらのデジタル信号が
示す波高値は放射線の入射位置に対応し、デジタル信号
の入力数は放射線の線量に対応しているので、デジタル
信号を波高値別に計数すれば、放射線の入射位置と線量
が測定できる。
【0042】同様の検出方法でシンチレーションファイ
バ202bに入射した放射線の入射位置と線量もマルチ
チャンネル波高分析器209bで計数できる。
【0043】マイクロコンピュータ210は、マルチチ
ャンネル波高分析器209a,209bで計数された放
射線の入射位置および入射位置における放射線の線量か
ら放射線分布を推定するために、逆問題解析手法の一つ
であるサンプルドパターンマッチング(Sampled
pattern matching)法を用いる。サ
ンプルドパターンマッチング法は、容器内を計算領域と
していくつかの要素に分割し、各要素に放射性物質が存
在すると仮定した場合の放射線強度分布パターンに対応
した放射性物質の位置を逐次的に探索する手法である。
【0044】容器内に連続的に隙間なく放射性物質が堆
積している場合、容器内に存在する放射性物質の3次元
分布形状および体積を推定する有効な解析手法として、
サンプルドパターンマッチング法の一種に、計算領域内
の底からそれぞれの要素における放射性物質の有無を上
方向に向かって順に判定していく積み木積み上げ法があ
る。
【0045】次に積み木積み上げ法について説明する。
まず、説明を簡単にするために2次元分布の推定を例に
する。図2は分布推定の対象となる放射性物質を貯蔵し
ている2次元の容器の一例である。この容器を計算領域
200として36個の要素に分割し、要素名を図に示す
ようにD1,D2,・・・,D36とする。この時、要
素D6,D12,D18,D24,D30,D36を容
器の底とする。また、計算領域200の外周に放射線検
出系にシンチレーションファイバを用い、放射線強度連
続分布を測定している。このとき放射線検出系を12分
割し、それぞれを放射線検出部E1,E2,・・・,E
12とする。そして各放射線検出部E1〜E12による
実際の放射線強度の測定結果をe1,e2,・・・,e
12とし、測定された放射線強度分布のパターンベクト
ルをE=(e1,e2,・・・,e12)とおく。
【0046】次いで、ある要素の代表点、例えば中心に
単位強度の放射性物質が存在すると仮定し、このとき外
周に置かれた各放射線検出部E1〜E12で測定される
であろう値を理論計算より求める。測定されるであろう
値、すなわち理論値をf1,f2,・・・,f12と
し、放射線強度分布の計算パターンベクトルFをf=
(f1,f2,・・・,f12)と定義する。放射線強
度は距離の2乗に逆比例するので、計算ベクトルFを算
出することは容易である。そして、それぞれの要素の中
心に単位強度の放射性物質が存在すると仮定した場合の
各計算パターンベクトルFを求める。更に、複数の計算
パターンベクトルFを組み合わせた積算パターンベクト
ルGを求める。次に放射性物質の存在する要素を判定す
る指標として実測によるパターンベクトルEと積算パタ
ーンベクトルGの向きが近いほど大きな値を持つパター
ン一致度を計算する。パターン一致度は放射性物質の存
在する要素を判定する指標であり、例えばcosθ=
E・G/(|E||G|)を用いることができる。次に
パターン一致度が最大値を持つときの積算パターンベク
トルGを構成する計算パターンベクトルFを算出する要
素が放射性物質の存在する要素である。
【0047】積み木積み上げ法では、放射性物質の存在
する要素の確定をパターン一致度が最大値をとるまで繰
り返し行う。この反復計算ループを加算ループとする。
【0048】加算ループについて説明する。まず、容器
の底の要素の内、実測によるパターンベクトルEの向き
に最も近い向きを持つ計算パターンベクトルFを生成す
る要素に放射性物質が存在するとする。実測によるパタ
ーンベクトルEの向きに最も近い向きを持つ計算パター
ンベクトルGを探索する基準としてパターン一致度を用
いる。次に放射性物質が存在する要素の鉛直上方に接す
る要素と容器の底の要素の内、残りの放射性物質の存在
しない要素のそれぞれについて計算パターンベクトルF
を算出し、前計算手順における積算パターンベクトル
(先に放射性物質が存在するとした全ての要素による計
算パターンベクトルFの和)との和をとり、各要素につ
いての積算パターンベクトルGとする。最大のパターン
一致度を示す積算パターンベクトルGを生成する要素に
放射性物質が存在するとする。以降、要素の組合せの変
更、各積算パターンベクトルGの計算、放射性物質の存
在要素の確定の手順をパターン一致度が最大値をとるま
で繰り返し行う。
【0049】具体的には、まず、放射性物質の数を
「1」として図3の様に図2の計算領域の最下段の要素
D6,D12,D18,D24,D30,D36のどの
位置に放射性物質をおくと、パターン一致度が最大にな
るかを調べる。そして、パターン一致度を最大にする位
置に放射性物質があるとする。次に放射性物質の数を
「2」とする。すなわち、2個目の放射性物質の存在を
各要素の中心に仮定して、さらにパターン一致度を大き
くする位置があるか否かを調べる。その際、放射性物質
の存在が確定した要素の鉛直上方に隣接している要素と
前計算手順の残りの要素について、さらにパターン一致
度を大きくする位置があるか否かを調べる。例えば図3
に示すように、1つ目の放射性物質がD18に存在する
とすると、その鉛直上方に隣接しているD17と残りの
要素D6,D12,D24,D30,D36の内でパタ
ーン一致度を大きくする位置があるか否かを調べる。も
しあれば、2個目の放射性物質がその位置にあるとす
る。次いで、パターン一致度が最大に達するまで、さら
に放射性物質の存在を各要素の中心に仮定してパターン
一致度を調べる処理を繰り返す。
【0050】加算ループが終了したときまでに、すなわ
ち、パターン一致度が最大に達するときまでに、放射性
物質が存在するとした全要素によって、容器内の放射性
物質の分布形状および面積が推定できる。
【0051】次に、パターン一致度を説明する。2つの
ベクトルE、Gの内積E・Gは、 E・G=cosθ×(|E||G|) と表されるので、θを最小にするパターンベクトルGを
求める。すなわち、 cosθ= E・G/(|E||G|) (パターン
一致度) を最大にするパターンベクトルBを求める。ここで、|
E|、|G|はベクトルE、Gの大きさを示す。ここで
示したcosθは、パターン一致度の一例である。
【0052】次に前記処理手順のフローチャートを図4
に示す。まず、パターンベクトル測定ステップにおい
て、放射線検出部で測定された放射線強度連続分布に基
づいてパターンベクトルEを作成する(ステップST
1)。続いて、パターンベクトル作成ステップにおい
て、要素(D1〜D36)の中心に放射性物質があると
仮定し、各計算パターンベクトルFを作成する(ステッ
プST2)。
【0053】次に反復計算の同一手順において、比較を
行う要素の組み合わせを決定する。まず、初期設定とし
ては同一計算手順で比較を行う要素に計算領域の最下段
の全要素を用いる。また、反復計算における2回目以降
の計算手順では前計算手順のステップST4(次のステ
ップ)で確定された要素の鉛直上方に隣接している要素
と前計算手順のステップST4で確定されなかった残り
の要素を同一手順において比較を行う要素とする(ステ
ップST3)。
【0054】そして放射性物質設定ステップにおいて、
ステップST3で決定した各要素の計算パターンベクト
ルFを前計算手順においての最大値を与える積算パター
ンベクトルGに加算して積算パターンベクトルGを更新
する。次に更新した積算パターンベクトルGについて、
それぞれのパターン一致度を計算し、パターン一致度の
値が最大値をとる積算パターンベクトルGを作成した要
素に放射性物質が存在することを確定する。ただし、反
復計算の第1回目の計算手順においては、各要素の計算
パターンベクトルFについてパターン一致度を計算し、
最も大きな値を与える要素に放射性物質が存在すること
を確定する(ステップST4)。
【0055】増加判定ステップにおいて、前計算手順ま
でに得られたパターン一致度の最大値に対して、ステッ
プST4で得られたパターン一致度の値の大きさを比較
する(ステップST5)。ステップST4で得られたパ
ターン一致度の値の方が小さい場合、ステップST6に
移行し、ステップST4で得られたパターン一致度の値
の方が大きい場合、ステップST3以下の処理を繰り返
し実行する。ただし、反復計算において第1回目の増加
判定ステップ(ステップST5)では、無条件にステッ
プST3以下の処理を行う。
【0056】放射性物質分布作成ステップにおいて、ス
テップST4で確定された各放射性物質の位置を用いて
放射性物質の分布を作成する(ステップST6)。
【0057】次に積み木積み上げ法を用いた放射性物質
の3次元分布の推定について説明する。積み木積み上げ
法において、放射性物質の2次元分布の逆推定方法と3
次元分布の逆推定方法では基本的に同様の処理を行う。
【0058】具体的には、放射性物質と各放射線検出部
の位置関係を各放射線検出部での放射線強度として数値
化し、この値を要素とするベクトルから放射性物質の存
在位置を逆推定するたのパターン一致度を算出するの
で、数値解析において放射性物質の2次元分布の逆推定
方法と3次元分布の逆推定方法は、全く同じである。
【0059】故に、放射性物質の2次元分布の逆推定方
法と3次元分布の逆推定方法における異なる点は、計算
領域の要素分割方法、放射線検出器における放射線検出
部の配置、要素の積み上げ方法の3点のみである。
【0060】まず、図1の放射性物質を貯蔵している容
器200を計算領域とし、図5の様に27個に分割し、
要素名をH1,H2,・・・,H27とする。また、図
1では放射線検出部にシンチレーションファイバを用
い、容器外周の放射線強度連続分布を測定しているが、
図6の様に放射線検出系を複数の放射線検出部に分割し
て放射線強度を連続的に測定している(図6の202
a,202bは図1でのシンチレーションファイバの設
置位置)。それぞれの放射線検出部をI1,I2,・・
・,I24とする。各放射線検出部で測定された放射線
強度をそれぞれi1,i2,・・・,i24とおく。
【0061】各要素に放射線物質を置いた時の各放射線
検出部での放射線強度の相対的な関係は、放射線強度が
距離の2乗に反比例するため、放射性物質の位置によっ
て一意に決まる。即ち、各放射線検出部での放射線強度
の値自身が位置情報を持つため、図6の様に容器の全面
を覆う複数の放射線検出系を用いて、測定を行った場合
でも、各放射線検出部での放射線強度を一行のベクトル
として扱って良い。各放射線検出部で測定された放射線
強度をベクトルI=(i1,i2,・・・,i24)と
おく。
【0062】また、放射性物質の2次元分布を逆推定す
る方法と同様に、3次元分布を逆推定を行う場合も、そ
れぞれの要素の代表点に単位強度の放射性物質が存在す
ると仮定し、各計算パターンベクトルJ及び、積算パタ
ーンベクトルKを求める。更に、パターン一致度が最大
値を持つ要素を求め、放射性物質の存在する要素を確定
する。以下順次、放射性物質の存在する要素を積み上げ
ていく。
【0063】具体的には、放射性物質の数を「1」とし
て、図7の様に計算領域の最下段の9個の要素H3,H
6,H9,H12,H15,H18,H21,H24,
H27のどの要素に放射性物質が存在するかを求める。
次に放射性物質の数を「2」とする。その際、放射性物
質の存在が確定した要素の鉛直上方に隣接している要素
と前計算手順の残りの要素において、放射性物質が存在
する要素を求める。例えば図7に示すように、1つ目の
放射性物質がH6に存在するとすると、その鉛直上方に
隣接しているH5と残りの8個の要素H3,H9,H1
2,H15,H18,H21,H24,H27の内で放
射性物質が存在する要素の有無を調べる。もしあれば、
2個目の放射性物質がその位置にあるとする。次いで、
放射性物質が存在する要素が無くなるまで(パターン一
致度が最大値を持つまで)、この処理を繰り返す。すな
わち、パターン一致度が最大に達するときまでに、放射
性物質が存在するとした全要素によって、容器内の放射
性物質の分布形状および体積が推定できる。
【0064】この積み木積み上げ法を用いれば、容器外
部の放射線強度連続分布を測定することで、容器内部の
連続的に堆積している放射性物質の分布を精度良く推定
することができる。故に、この積み木積み上げ法を放射
性廃棄物貯蔵タンク等、放射性物質を貯蔵している容器
に適用することによって、放射性物質の管理が容易にな
る。
【0065】また、放射性物質の分布を知ることができ
れば、空間の放射線強度分布は容易に計算できる。これ
は放射線強度が放射性物質からの距離の2乗に反比例す
るからである。実際には障害物があり、単純に距離の2
乗に反比例するわけではないが、障害物による放射線の
挙動をあらかじめ把握し、計算に反映することによって
対応できる。空間の放射線強度分布がわかると放射線作
業従事者の被ばく量管理が容易になり、ひいては被ばく
低減につながる。
【0066】実施の形態2.本実施の形態では上記の実
施の形態1に述べた放射線検出方法において、放射性物
質の存在する要素を積み上げるのではなく、計算領域全
体が放射性物質で満たされた状態から出発して、放射性
物質が存在しない要素を削除する計算方法を用いる。こ
れを積み木崩し法という。
【0067】積み木崩し法でも上記の実施の形態1に述
べた積み木積み上げ法と同様に、放射性物質の存在しな
い要素の確定をパターン一致度が最大値をとるまで繰り
返し行う。この反復計算ループを減算ループとする。
【0068】まず、図5の計算領域200内の全要素が
放射性物質で満たされているとして、各要素の計算パタ
ーンベクトルLを算出し、和を取ったものを初期ベクト
ルMとする。
【0069】次に減算ループによって反復計算を行う。
まず、各要素の計算パターンベクトルLを初期ベクトル
Mから削除した残存パターンベクトルNとする。このと
き計算領域の天辺の要素の内で、実測によるパターンベ
クトルIの向きに最も近い向きを持つ残存パターンベク
トルを生成する要素には放射性物質が存在しないとす
る。次に放射性物質が存在しない要素の鉛直下方に接す
る要素と計算領域の天辺の要素の内、残りの放射性物質
が存在する要素において、最大のパターン一致度を示す
残存パターンベクトルNを生成する要素には放射性物質
が存在しないとする。以降、要素の組合せの変更、各残
存パターンベクトルGの計算、放射性物質の存在要素の
確定の手順をパターン一致度が最大値をとるまで繰り返
し行う。
【0070】具体的には、まず、計算領域200内の全
ての要素に放射性物質が満たされているとする。次に存
在しない放射性物質の数を「1」として、図8の様に計
算領域の最上段の9個の要素H1,H4,H7,H1
0,H13,H16,H19,H22,H25のどの要
素に放射性物質が存在しないかを求める。次に存在しな
い放射性物質の数を「2」とする。その際、放射性物質
の存在しないことが確定した要素の鉛直下方に隣接して
いる要素と前計算手順の残りの要素において、放射性物
質が存在する要素を求める。例えば図8に示すように、
1つ目の放射性物質の存在しない要素がH4とすると、
その鉛直下方に隣接しているH5と残りの8個の要素H
1,H7,H10,H13,H16,H19,H22,
H25の内で放射性物質が存在しない要素の有無を調べ
る。もしあれば、2個目の放射性物質の存在しない要素
とする。次いで、放射性物質が存在しない要素が無くな
るまで(パターン一致度が最大値を持つまで)、この処
理を繰り返す。
【0071】減算ループが終了したときまでに、すなわ
ち、パターン一致度が最大に達するときまでに、計算領
域200内の全ての要素から放射性物質が存在しない要
素を削除した残りの要素によって、容器内の放射性物質
の分布形状および体積が推定できる。
【0072】次に前記処理手順のフローチャートを図9
に示す。まず、パターンベクトル測定ステップにおい
て、放射線検出部で測定された放射線強度連続分布に基
づいてパターンベクトルIを作成する(ステップST
1)。続いて、パターンベクトル作成ステップにおい
て、要素(H1〜H27)の中心に放射性物質があると
仮定し、各計算パターンベクトルLを作成する(ステッ
プST2)。また、計算領域内の全要素によって算出さ
れる計算パターンベクトルLの和を取り、初期ベクトル
Mを作成する(ステップST3)。
【0073】次に反復計算の同一手順において、比較を
行う要素の組み合わせを決定する。まず、初期設定とし
ては同一計算手順で比較を行う要素に計算領域の最上段
の全要素を用いる。また、反復計算における2回目以降
の計算手順では前計算手順のステップST5(次のステ
ップ)で削除された要素の鉛直下方に隣接している要素
と前計算手順のステップST5で削除されなかった残り
の要素を同一手順において比較を行う要素とする(ステ
ップST4)。
【0074】そして放射性物質設定ステップにおいて、
ステップST4で決定した各要素の計算パターンベクト
ルLを前計算手順においてパターン一致度の最大値を与
える残存パターンベクトルNから減算して残存パターン
ベクトルNを更新する。次に更新した残存パターンベク
トルNについて、それぞれのパターン一致度を計算し、
パターン一致度の値が最大値をとる残存パターンベクト
ルNを作成した要素には放射性物質が存在しないことを
確定する。(ステップST5)。
【0075】増加判定ステップにおいて、前計算手順ま
でに得られたパターン一致度の最大値に対して、ステッ
プST5で得られたパターン一致度の値の大きさを比較
する(ステップST6)。ステップST5で得られたパ
ターン一致度の値の方が小さい場合、ステップST6に
移行し、ステップST5で得られたパターン一致度の値
の方が大きい場合、ステップST4以下の処理を繰り返
し実行する。ただし、反復計算において第1回目の増加
判定ステップ(ステップST6)では、無条件にステッ
プST4以下の処理を行う。
【0076】放射性物質分布作成ステップにおいて、ス
テップST5で確定された各放射性物質の位置を用いて
放射性物分布を作成する(ステップST7)。
【0077】実施の形態3.上記の実施の形態1に述べ
た放射線検出方法によって得られた放射性物質の分布形
状と上記の実施の形態2に述べた放射線検出方法によっ
て得られた放射性物質の分布形状が異なった場合、平均
することでより正確に容器内に貯蔵されている放射性物
質の分布形状および体積を得ることが可能である。図1
0は推定結果の一例を示す。300は容器(計算領
域)、301は実際の放射性物質の分布形状、302は
各放射線検出方法によって得られた放射性物質の分布形
状である。
【0078】実施の形態4.本実施の形態では上記の実
施の形態1に述べた放射線検出方法の放射性物質の存在
する要素の探索を行っている反復計算の終了条件を変更
し、計算領域200内の全ての要素に放射性物質の存在
が確定するまで繰り返す計算方法を用いる。
【0079】すなわち、上記の実施の形態1では、反復
計算の終了条件をパターン一致度が最大値を持つときと
し、それまでに放射性物質が存在するとした全要素によ
って、容器内の放射性物質の分布形状および体積を逆推
定している。これに対し、本実施の形態では計算領域2
00内の全ての要素に放射性物質の存在が確定するまで
繰り返し計算を行う。そして計算終了後、パターン一致
度の最大値を調べ、パターン一致度が最大値に達する以
前に放射性物質が存在するとした全ての要素によって、
容器内の放射性物質の分布形状および体積を推定する放
射線検出方法である。
【0080】次に前記処理手順のフローチャートを図1
1に示す。まず、パターンベクトル測定ステップにおい
て、放射線検出部で測定された放射線強度連続分布にも
とづいてパターンベクトルIを作成する(ステップST
1)。続いて、パターンベクトル作成ステップにおい
て、要素(H1〜H27)の中心に放射性物質があると
仮定し、各計算パターンベクトルJを作成する(ステッ
プST2)。
【0081】次に反復計算の同一手順において、比較を
行う要素の組み合わせを決定する。まず、初期設定とし
ては同一計算手順で比較を行う要素に計算領域の最下段
の全要素を用いる。また、反復計算における2回目以降
の計算手順では前計算手順のステップST4(次のステ
ップ)で確定された要素の鉛直上方に隣接している要素
と全計算手順のステップST4で確定されなかった残り
の要素を同一手順において比較を行う要素とする(ステ
ップST3)。
【0082】そして放射性物質設定ステップにおいて、
ステップST3で決定した各要素の計算パターンベクト
ルJを前計算手順においてパターン一致度の最大値を与
える積算パターンベクトルKに加算して積算パターンベ
クトルKを更新する。次に更新した積算パターンベクト
ルKについて、それぞれのパターン一致度を計算し、パ
ターン一致度の値が最大値をとる積算パターンベクトル
Kを作成した要素に放射性物質が存在することを確定す
る。ただし、反復計算の第1回目の計算手順において
は、各要素の計算パターベクトルJについてパターン一
致度を計算し、最も大きな値を与える要素に放射性物質
が存在することを確定する(ステップST4)。
【0083】反復計算の終了ステップにおいて、全ての
要素に放射性物質の存在が確定したかを調べる(ステッ
プST5)。全ての要素に放射性物質の存在の確定が終
了していた場合、ステップST6に移行し、全ての要素
に放射性物質の存在の確定が終了していない場合ステッ
プST3以下の処理を繰り返し実行する。
【0084】放射性物質分布作成ステップにおいて、パ
ターン一致度の最大値を調べ、 パターン一致度が最大
値に達する以前に放射性物質が存在するとした全ての要
素によって、放射性物質の分布を作成する(ステップS
T6)。本実施の形態の計算手法によれば、計算の過程
でパターン一致度に複数の極大値が存在する場合におい
ても、確実に最大値を確定できる利点がある。
【0085】実施の形態5.本実施の形態は、本発明を
円筒型の放射物質貯蔵容器に適用する場合の体積要素の
分割法に関する。図12(a)は放射性物質貯蔵用のタ
ンク400の一例を示している。このタンク400内に
一様な放射線強度を持つ放射性物質401が連続的に堆
積している。この様な形態の対象に対して、実施の形態
1で述べた放射線検出方法を適用し、タンク内の放射性
物質の分布形状および体積を推定する場合、タンク40
0を等体積に、且つ過不足なく分割することが望ましい
ので、図12(b)の様に要素分割し、要素の形状を扇
形要素403とすることが望ましい。
【0086】実施の形態6.実施の形態1で述べた放射
線検出方法では、各要素内の放射性物質が重心に集中し
て存在するという仮定を用い、この点を計算点としてい
る。
【0087】また、実施の形態1で述べた放射線検出方
法では、仮想の放射性物質を代表とする計算点を用いて
タンク400内の放射性物質を模擬して、各放射線検出
部での放射線強度を算出し、実測値と比較することで放
射性物質の分布形状および体積を推定する。そのため仮
想の放射性物質(計算点)の配置も、実際の放射性物質
と同じように均等に分布している方が良い。
【0088】故に、図13(a)に示すように各計算点
の相対的な位置を立方体の頂点になるように配置する。
また、図13(b)は、計算点を図13(a)の様に配
置するための、要素分割方法および要素の一例である。
【0089】図13(b)の様に円柱形状のタンク40
0を要素分割すると全要素の体積の和とタンク400の
体積では過不足が生じるが、計算点を均等に配置するこ
とで実際の放射性物質を正確に模擬する効果の方が大き
く、正確に放射性物質の分布形状および体積を推定でき
る。
【0090】上記の実施の形態5と同じ体系において、
図14(a)に示すように各計算点の相対的な位置を水
平面内では正三角形に配置し、鉛直方向には前記の正三
角形を重ねて層状に配置しても良い。
【0091】また、図14(b)は、計算点600を図
14(a)の様に配置するための、要素分割方法および
要素の一例である。
【0092】実施の形態7.上記の実施の形態1で用い
た図1の様な体系(容器内に一様な放射能強度を持った
放射性物質が連続的に堆積している)に上記の実施の形
態1で述べた放射線検出方法を適用する場合、容器の底
面に設置している放射線強度連続分布を測定できる能力
を備えた放射線検出器における放射線検出系を省略して
も、容器内の放射性物質の分布形状および体積を推定で
きる。
【0093】図15(a)の様に2次元の容器700に
一様な放射能強度を持った放射性物質702が連続的に
堆積しており、容器700の底面を除く3面に放射線強
度連続分布を測定できる能力を備えた放射線検出器にお
ける放射線検出系、シンチレーションファイバ701を
設置し放射性強度連続分布を測定する。703は逆推定
によって得られた放射性物質である。
【0094】この測定された放射線強度連続分布に従来
の放射線検出方法を適用すると、容器700の底面のデ
ータが不足するため、推定精度が不十分となり、図15
(b)の様な結果を得る。
【0095】これに対し、上記の実施の形態1で述べた
放射線検出方法を適用すると、放射性物質が存在する要
素を下から順に積み上げていくので、容器700の底面
に放射線検出系を設置しなくとも、図15(c)の様に
精度良く容器700内の放射性物質の分布形状および面
積を推定できる。
【0096】上記の実施の形態2で述べた放射線検出方
法においても、全要素が放射性物質で満たされた状態か
ら、放射性物質が存在しない要素を削除していくため、
常に容器下部は放射性物質で満たされている。そのため
容器700の底面に放射線検出系を設置しなくとも、精
度良く容器700内の放射性物質の分布形状および面積
を推定できる。
【0097】すなわち、容器内に堆積している一様な放
射能強度を持つ放射性物質の分布形状および面積又は体
積を推定する方法として上記の実施の形態1および上記
の実施の形態2で述べた放射線検出方法を適用すること
によって、必要とされる放射線検出系の量を減らすこと
が可能である。故に、コストを削減することが可能であ
る。
【0098】実施の形態8.図16の構成図は一様な放
射能強度を持つ放射性物質801が貯蔵されており、且
つ、放射性物質の上部に遮蔽材として水802を満たし
ている容器800の一例である。この様な状態の放射性
物資の分布形状および体積の推定に上記の実施の形態1
で述べた放射線検出方法を適用する場合、図17に示す
ように放射線検出系、シンチレーションファイバ803
を容器側面に鉛直方向にのみ設置するだけで良い。
【0099】上記の実施の形態1で述べた放射線検出方
法は容器内の各要素における放射性物質による放射線を
各放射線検出部で検出した放射能強度を位置情報を持つ
分布として推定に用いている。言い換えると、各放射線
検出部での放射能強度は、容器内の放射性物質が存在す
る全ての要素の位置情報を有している。故に、放射線検
出系は容器側面に鉛直方向にのみ設置するだけでも、容
器内の放射性物質の分布形状および体積を推定可能であ
る。
【0100】また、容器内に貯蔵されている放射性物質
と容器上面に設置されている放射線検出系の間に、水の
様な遮蔽材が存在する場合、遮蔽材の容器上面に設置さ
れている放射線検出系における放射線検出部での放射線
強度は遮蔽材の存在しない容器側面に設置された放射線
検出系における放射線検出部での放射線強度に比して、
値が小さく、放射性物資の分布形状および体積の推定に
対する寄与が小さい。
【0101】よって、容器内に貯蔵されている放射性物
質の上に遮蔽材として水が張られている場合、放射線検
出系は容器側面に鉛直方向にのみ設置するだけで良く、
コストを削減するこが可能である。
【0102】実施の形態9.上記の実施の形態8と同様
の理由より、図16の様な一様な放射能強度を持つ放射
性物質801が貯蔵されており、且つ、放射性物質の上
部に遮蔽材として水802を張っている容器800にお
いて、容器800内に貯蔵されている放射性物質の分布
形状および体積の推定に上記の実施の形態1で述べた放
射線検出方法を適用する場合、図18の構成図に示すよ
うに放射線検出系、シンチレーションファイバ803を
容器側面に周方向にのみ設置するだけで良く、コストを
削減することが可能である。この実施の形態の放射線検
出系の配置では、放射線検出部で測定された放射性強度
分布情報(パターンベクトルI)にはZ(上下)方向の
放射性物質分布情報が含まれていないが、本発明の計算
手順と、単位体積当りの放射能強度が一定であるという
仮定により、XY(水平)面内の放射線強度情報がZ方
向の放射性物質分布情報に変換されるからである。
【0103】実施の形態10.容器内に一様な放射能強
度を持つ放射性物質が貯蔵されており、上記の実施の形
態1で述べた放射線検出方法を用いて、容器800内の
放射性物質の分布形状および体積を推定する場合、上記
の実施の形態7で述べた放射線検出系、シンチレーショ
ンファイバ803の設置方法に、実施の形態9で述べた
放射線検出系、シンチレーションファイバ803の設置
方法を合わせることによって、容器内の放射性物質の分
布形状および体積の推定精度が向上する。図19(a)は
上記の本実施の形態の放射線検出系の設置方法の一例を
示す構成図である。
【0104】また、容器内に貯蔵されている放射性物質
と容器上面に設置されている放射線検出系の間に、水8
02の様な遮蔽材が存在する場合は、上記の実施の形態
8で述べた、放射線検出系の設置方法に実施の形態9で
述べた、放射線検出系の設置方法を合わせることによっ
て、容器内の放射性物質の分布形状および体積の推定精
度が向上する。図19(b)は上記の本実施の形態の放
射線検出系の設置方法の一例を示す構成図である。
【0105】すなわち、放射線検出系を鉛直方向に設置
することで、容器側面の鉛直方向の放射線強度連続分布
分布が得られる。しかし、放射線検出系の数が少ないと
容器側面での周方向の放射線強度分布が不連続となる。
そのため周方向には放射線検出系を設置することで、放
射線強度分布の不連続性を補完でき、容器内の放射性物
質の分布形状および体積を推定する精度が向上する。
【0106】実施の形態11.図20は一様な放射能強
度を持つ放射性物質901が貯蔵されている容器900
および放射線強度連続分布を測定できる能力を備えた放
射線検出器における放射線検出系の設置の一例を示す構
成図である。この図の様に容器900が床に直接設置さ
れているわけではなく、台座903の上等にのってお
り、容器側面下方に放射線検出系、シンチレーションフ
ァイバ902を設置する空間がある場合、放射線検出系
を容器底面より下方まで設置することによって、容器内
の放射性物質の分布形状および体積を推定する精度が向
上する。
【0107】実施の形態12.図21は本実施の形態の
放射線検出系の設置方法の一例を示す構成図である。一
様な放射能強度を持つ放射性物質1001が貯蔵されて
いる容器1000内の放射性物質の分布形状および体積
を上記の実施の形態1で述べた放射線検出方法で推定す
る場合、一つの放射線強度連続分布を測定できる能力を
備えた放射線検出器における放射線検出系、シンチレー
ションファイバ1002を用いて、計測毎にシンチレー
ションファイバ1002の位置を移動させることによ
り、複数の放射線強度連続分布を測定できる能力を備え
た放射線検出器における放射線検出系を容器の周囲に設
置した場合と同様の推定精度を得ることができる。10
03は移動後のシンチレーションファイバを示す。
【0108】上記の実施の形態1で述べた放射線検出方
法では、推定に用いる容器周囲の放射線強度分布が同時
に測定される必要なく、測定対象の放射性物質の放射能
が劣化によって有為な差を持たない程度の時間であれ
ば、測定時間に差があっても良い。
【0109】故に、上記の実施の形態7から実施の形態
11で述べた、放射線検出系の位置へ順次放射線強度連
続分布を測定できる能力を備えた放射線検出器における
放射線検出系を設置して測定を行うことで、一つの放射
線検出系によって容器内の放射性物資の分布形状および
体積を推定すことができる。これにより、コスト削減が
可能である。
【0110】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0111】この発明の放射線検出方法の第1の方法に
よれば、放射線強度の線状連続分布を測定できる能力を
備えた放射線検出器における放射線検出系を、連続的に
堆積しており放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵して
いる容器の周辺外部に設置することによって求められた
放射線の入射位置および入射位置における放射線量率に
応じたパターンベクトルを作成し、前記容器全体を計算
領域として複数に分割した要素の代表点を計算点とし、
ここに単位放射能強度の放射性物質があると仮定した場
合に測定されるであろう放射線強度分布の計算パターン
ベクトルを算出し、加算ループにおける反復計算によっ
て確定された各放射性物質の位置に基づき、前記容器内
に存在する放射性物質の3次元分布形状および体積を逆
推定することにより、高精度で放射性物質の3次元分布
形状および体積を得ることができ、また同一計算手順で
扱う計算点の数を減らすことができ、大幅に計算時間の
短縮できる効果がある。
【0112】この発明の放射線検出方法の第2の方法に
よれば、放射線強度の線状連続分布を測定できる能力を
備えた放射線検出器における放射線検出系を、連続的に
堆積しており放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵して
いる容器の周辺外部に設置することによって求められた
放射線の入射位置および入射位置における放射線量率に
応じたパターンベクトルを作成し、前記容器全体を計算
領域として複数に分割した要素の代表点を計算点とし、
ここに単位放射能強度の放射性物質があると仮定した場
合に測定されるであろう放射線強度分布の計算パターン
ベクトルを算出し、前記計算領域内の全要素における計
算パターンベクトルの和をとり初期パターンベクトルと
し、減算ループにおける反復計算によって確定された各
放射性物質の存在しない位置にもとづき、前記容器内に
存在する放射性物質の3次元分布形状および体積を逆推
定することにより、高精度で放射性物質の3次元分布形
状および体積を得ることができ、また同一計算手順で扱
う計算点の数を減らすことができ、大幅に計算時間の短
縮できる効果がある。
【0113】この発明の放射線検出方法の第3の方法に
よれば、放射線強度の線状連続分布を測定できる能力を
備えた放射線検出器における放射線検出系を、連続的に
堆積しており放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵して
いる容器の周辺外部に設置し、第1の放射線検出方法と
第2の放射線検出方法による各々の結果を平均すること
により前記容器内に存在する放射性物質の3次元分布形
状および体積を逆推定するので、さらに高精度で放射性
物質の3次元分布形状および体積を得ることができる効
果がある。
【0114】この発明の放射線検出方法の第4の方法に
よれば、第1ないし第3の方法のいずれかにおいて、放
射線強度の線状連続分布を測定できる能力を備えた放射
線検出器の検出部をシンチレーションファイバとしたの
で、第1ないし第3の方法と同様の効果がある。
【0115】この発明の放射線検出方法の第5の方法に
よれば、第1ないし第4の方法のいずれかにおいて、計
算領域の形状如何に関わらず、前記計算領域を複数の立
方体要素に分割し、これら複数の立方体要素のそれぞれ
の重心を計算点とすることにより、空間的に連続な計算
点を用いて解析を行うことができ、更に高精度で放射性
物質の3次元分布形状および体積を得ることができる効
果がある。
【0116】この発明の放射線検出方法の第6の方法に
よれば、、第1ないし第4の方法のいずれかにおいて、
計算領域の形状如何に関わらず、前記計算領域を複数の
六角柱要素に分割し、これら複数の六角柱要素のそれぞ
れの重心を計算点とすることにより、更に空間的に連続
な計算点を用いて解析を行うことができ、より一層、高
精度で放射性物質の3次元分布形状および体積を得るこ
とができる効果がある。
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】この発明の放射線検出方法の第の方法に
よれば、第1ないし第の方法のいずれかにおいて、上
記放射線強度連続分布を測定できる能力を備えた放射線
検出器における放射線検出系を、連続的に堆積しており
放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵している容器の外
部側面に設置する際に、前記放射線検出系を前記容器の
底面よりも下方まで設置することにより、更に高精度で
放射性物質の3次元分布形状および体積を得ることがで
きる効果がある。
【0121】この発明の放射線検出方法の第の方法に
よれば、第1ないし第4の方法のいずれかにおいて、上
記放射線強度連続分布を測定できる能力を備えた放射線
検出器における放射線検出系を、連続的に堆積しており
放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵している容器の外
部上面または外部側面に設置し、放射線強度連続分布を
測定した後、前記放射線検出系を移動させことにより
他の位置における放射線空間分布を測定し、この操作を
数度繰り返すことにより、前記容器の外部の放射線空間
分布測定することにより、即ち放射線検出系を測定毎に
移動させて、放射線強度連続分布を分割して測定するこ
とにより、必要とされる放射線検出系の量を減少させる
ことができるのでコストを削減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による放射線検出器
を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における2次元の要
素分割を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における2次元放射
線分布の推定方法を示す説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における放射線分布
の推定方法を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1における3次元の要
素分割方法を示す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1における放射線検出
部の配置を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1における3次元放射
線分布の推定方法を示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における3次元放射
線分布の推定方法を示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態2における放射線分布
の推定方法を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態3における2次元放
射線分布の推定方法を示す説明図である。
【図11】 この発明の実施の形態4における放射線分
布の推定方法を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態5における単純な要
素分割方法の例を示す説明図である。
【図13】 この発明の実施の形態5における計算点の
配置および要素分割方法を示す説明図である。
【図14】 この発明の実施の形態6における計算点の
配置および要素分割方法を示す説明図である。
【図15】 この発明の実施の形態7における放射線検
出部の配置を示す説明図である。
【図16】 この発明の実施の形態8における適用対象
の構成図である。
【図17】 この発明の実施の形態8における放射線検
出部の配置を示す構成図である。
【図18】 この発明の実施の形態9における放射線検
出部の配置を示す構成図である。
【図19】 この発明の実施の形態10における放射線
検出部の配置を示す構成図である。
【図20】 この発明の実施の形態11における放射線
検出部の配置を示す構成図である。
【図21】 この発明の実施の形態12における放射線
検出部の配置を示す構成図である。
【図22】 従来技術による放射線検出器を示すブロッ
ク図である。
【図23】 従来技術における放射線分布の推定方法を
示す説明図である。
【符号の説明】
100 モニタ環境空間、200,300,400,7
00,800,900,1000 放射性物質を貯蔵し
ている容器、101,201,401,702,80
1,901,1001 一様な放射能強度を持つ放射性
物質、102,202a,202b,701,803,
902,1002,1003 シンチレーションファイ
バ、103a,103b,203a,203b,202
c,202d 受光素子、109,209a,209b
マルチチャンネル波高分析器、110,210 マイ
クロコンピュータ、301 実際の放射性物質の分布形
状、302,703 推定された放射性物質の分布形
状、403,503,603要素形状の例、500,6
00 計算点、802 遮蔽材(水)、903 台座。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 徹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 中村 裕明 京都府相楽郡精華町大字南稲八妻小字大 谷123番地株式会社原子力安全システム 研究所内 (72)発明者 松岡 由了 京都府相楽郡精華町大字南稲八妻小字大 谷123番地株式会社原子力安全システム 研究所内 (56)参考文献 特開 平9−15335(JP,A) 特開 平8−334538(JP,A) 特開 平9−152363(JP,A) 特開 平9−80156(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線強度の線状連続分布を測定できる
    能力を備えた放射線検出器における放射線検出系を、連
    続的に堆積しており放射線強度が一様な放射性物質を貯
    蔵している容器の周辺外部に設置することによって求め
    られた放射線の入射位置および入射位置における放射線
    量率に応じたパターンベクトルを作成し、前記容器全体
    を計算領域として複数に分割した要素の代表点を計算点
    とし、ここに単位放射能強度の放射性物質があると仮定
    した場合に測定されるであろう放射線強度分布の計算パ
    ターンベクトルを算出し、下段の要素からはじめる加算
    ループにおける反復計算によって確定された各放射性物
    質の位置に基づき、前記容器内に存在する放射性物質の
    3次元分布形状および体積を逆推定することを特徴とす
    る放射線検出方法。
  2. 【請求項2】 放射線強度の線状連続分布を測定できる
    能力を備えた放射線検出器における放射線検出系を、連
    続的に堆積しており放射線強度が一様な放射性物質を貯
    蔵している容器の周辺外部に設置することによって求め
    られた放射線の入射位置および入射位置における放射線
    量率に応じたパターンベクトルを作成し、前記容器全体
    を計算領域として複数に分割した要素の代表点を計算点
    とし、ここに単位放射能強度の放射性物質があると仮定
    した場合に測定されるであろう放射線強度分布の計算パ
    ターンベクトルを算出し、前記計算領域内の全要素にお
    ける計算パターンベクトルの和をとり初期パターンベク
    トルとし、上段の要素からはじめる減算ループにおける
    反復計算によって確定された各放射性物質の存在しない
    位置に基づき、前記容器内に存在する放射性物質の3次
    元分布形状および体積を逆推定することを特徴とする放
    射線検出方法。
  3. 【請求項3】 放射線強度の線状連続分布を測定できる
    能力を備えた放射線検出器における放射線検出系を、連
    続的に堆積しており放射線強度が一様な放射性物質を貯
    蔵している容器の周辺外部に設置し、請求項1記載の放
    射線検出方法と請求項2記載の放射線検出方法による各
    々の結果を平均することにより前記容器内に存在する放
    射性物質の3次元分布形状および体積を逆推定すること
    を特徴とする放射線検出方法。
  4. 【請求項4】 放射線強度の線状連続分布を測定できる
    能力を備えた放射線検出器の検出部がシンチレーション
    ファイバであること特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の放射線検出方法。
  5. 【請求項5】 計算領域の形状如何に関わらず、前記計
    算領域を複数の立方体要素に分割し、これら複数の立方
    体要素のそれぞれの重心を計算点とすることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の放射線検出方
    法。
  6. 【請求項6】 計算領域の形状如何に関わらず、前記計
    算領域を複数の六角柱要素に分割し、これら複数の六角
    柱要素のそれぞれの重心を計算点とすることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の放射線検出方
    法。
  7. 【請求項7】 放射線強度連続分布を測定できる能力を
    備えた放射線検出器における放射線検出系を、連続的に
    堆積しており放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵して
    いる容器の外部側面に設置する際に、前記放射線検出系
    を前記容器の底面よりも下方まで設置することを特徴と
    する請求項1ないしのいずれかに記載の放射線検出方
    法。
  8. 【請求項8】 放射線強度連続分布を測定できる能力を
    備えた放射線検出器における放射線検出系を、連続的に
    堆積しており放射線強度が一様な放射性物質を貯蔵して
    いる容器の外部上面または外部側面に設置し、放射線強
    度連続分布を測定した後、前記放射線検出系を移動させ
    ことにより他の位置における放射線空間分布を測定
    し、この操作を数度繰り返すことにより、前記容器の外
    部の放射線空間分布測定することを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の放射線検出方法。
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