JP3469292B2 - 非晶質チタン酸シリカアルミネート定形粒子及びその製造方法 - Google Patents

非晶質チタン酸シリカアルミネート定形粒子及びその製造方法

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JP3469292B2 JP03420994A JP3420994A JP3469292B2 JP 3469292 B2 JP3469292 B2 JP 3469292B2 JP 03420994 A JP03420994 A JP 03420994A JP 3420994 A JP3420994 A JP 3420994A JP 3469292 B2 JP3469292 B2 JP 3469292B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質チタン酸シリカ
アルミネート定形粒子及びその製造方法に関するもの
で、より詳細には個々の粒子が独立した明確な非晶質定
形粒子であって、200乃至400nmの範囲の紫外線
の吸収に優れると共に、1300乃至400cm−1
赤外領域にわたって吸収帯を有するチタン含有非晶質
形粒子及びその製造方法に関する。本発明は更に上記非
晶質定形粒子の紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、アンチブ
ロッキング剤、紙、化粧品等への用途にも適している
加剤に関する
【0002】
【従来の技術】フィルム等の樹脂成形品に、種々の機能
を付与するために、無機充填剤等の各種配合剤を配合す
ることが行われている。この配合剤は、樹脂の化学改質
用配合剤と、樹脂成形品の物理的性質の改質を目的とし
た物性改質用配合剤とに大別される。前者の例として
は、ポリエチレン等のポリオレフィンやポリエステル、
ポリ塩化ビニル等の樹脂が200〜400nmの範囲の
紫外線によって、変色、脆化等のダメージを受けるた
め、これらの樹脂に、紫外線吸収能を有する配合剤が使
用されている。
【0003】上記樹脂に配合される紫外線吸収剤は、樹
脂の特性に合わせた波長範囲の吸光性が優れているこ
と、ポリマーに添加した場合相溶性が良く、吸光性を保
持すること、ポリマーに影響を与えずに紫外線を放散さ
せ、ポリマーとの有害な反応がないこと、及び水に溶解
しないこと等の条件を満足することが必要である。後者
の例としては、延伸樹脂フィルムのブロッキングを防止
するためのアンチブロッキング剤、赤外線を吸収して薄
いフィルムに保温性を付与させる赤外線吸収剤等であ
る。
【0004】このような条件を満足する紫外線吸収剤と
しては、従来上記樹脂には、サリチル酸誘導体、ベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダートアミン
系等の有機系の紫外線吸収剤が多く用いられているが、
これらは安全性や耐熱性等の物性面から種類や添加量が
制限されるため、その効果に限界があった。また酸化チ
タンや亜鉛華等の無機系の紫外線吸収剤も知られている
が、これらから成る紫外線吸収剤は超微粒子であるた
め、樹脂中での分散性に劣るという問題を有していた。
更にまた上記のような無機の紫外線吸収剤には延伸樹脂
フィルムのブロッキングを防止する性能が無いことか
ら、そのためにカオリクレー、非晶質シリカ、非晶質シ
リカアルミナ等のアンチブロッキン剤が配合されてい
る。一方、カオリンに酸化チタンを被覆した紫外線吸収
剤(特公平5−51028号公報)やシリカに酸化チタ
ンを分散させたものも開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の無機系の紫外線
吸収剤は、酸化チタンや亜鉛華等の顔料は紫外線吸収能
に優れているが超微粒子であるため、樹脂中での分散
性、ハンドリング性に劣ると共に樹脂配合剤としてアン
チブロッキング性等の特性に劣るという問題がある。一
方カオリン、シリカ等の核粒子に酸化チタンを物理的に
被覆させたものでは核粒子の粒子形状が不定形であるた
め、その被覆粒子は不定形で凝集体を形成し、粒度分布
がブロードで、樹脂中での分散性に問題があり、樹脂と
混練したとき被覆粒子が破壊され紫外線吸収性を低下さ
せる傾向がある。
【0006】本発明は、紫外線吸収性に優れたチタン成
分を含有する非晶質定形粒子の製造に成功し、この定形
粒子が上記の欠点を有効に解消することを見出した。即
ち、本発明の目的は、粒子が明確に独立した定形粒子
で、粒径の均斉さに優れた非晶質チタン酸シリカアルミ
ネート定形粒子及びその製造方法を提供するにある。本
発明の他の目的は、非晶質のチタン酸シリカアルミネー
ト定形粒子が、紫外線吸収剤であり且つ赤外線吸収能を
有し、樹脂中への優れた分散性、優れたフィルムの耐擦
傷性及び優れたアンチブロッキング性を有する樹脂配合
剤を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、酸化物
基準の重量%で表わして、下記成分を、 TiOとして1乃至20%、 SiOとして40乃至70%、 Alとして10乃至40%、 NaOとして3乃至10%、 の範囲で含有して成る個々の粒子が独立した明確な非晶
質定形粒子であって、走査型電子顕微鏡法による一次粒
子径が0.3乃至40μmで、300nmにおける紫外
線吸収が80%以上であり且つ赤外吸収スペクトル測定
において1300乃至400cm −1 の波数領域にわた
って吸収帯を有する非晶質チタン酸シリカアルミネート
定形粒子が提供される。
【0008】本発明によれば、また、Na O/SiO
のモル比が0.1乃至0.6であるP型ゼオライト、
A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、ソ
ーダライト及びアナルサイムから選ばれた少なくとも1
種からなり且つ個々の粒子が独立した明確な定形粒子で
あるアルカリアルミノシリケートの水分散スラリーに、
酸性のチタン塩溶液をスラリーpHが2乃至6.5の範
囲になるように注加して、該定形粒子の一部のアルカリ
成分が脱アルカリされての非晶質化を伴う該粒子上への
チタン成分の沈着を行い、次いで濾過、洗浄することを
特徴とする非晶質チタン酸シリカアルミネート定形粒子
の製造方法が提供される。
【0009】本発明においては、上記の濾過、洗浄後、
必要により、200℃以上の温度で仮焼することができ
る。
【0010】本発明の別の態様によれば、上記非晶質チ
タン酸シリカアルミネートの定形粒子から成るアンチブ
ロッキング性に優れしかも赤外線領域にも吸収性能を有
する紫外線吸収剤が提供される。
【0011】
【作用】本発明のチタンを含有する非晶質定形粒子は、
前記した通り、前駆体粒子であるアルカリ性のゼオライ
ト定形粒子の水分散体に酸性のチタン塩溶液を最終pH
が2乃至6.5の範囲になるように反応させて得られた
ものである。その詳細は不明であるが、両者の反応にお
いてゼオライト粒子の内部及び表面のアルカリ部位、即
ちゼオライト粒子の結晶骨格のナトリウムと酸性のチタ
ン塩が反応し、チタン成分がチタン酸及び/又はチタン
酸ソーダとして前駆体粒子上に沈着し、同時に前駆体粒
子の一部のアルカリ成分が脱アルカリされてX線回折学
的に非晶質になり、チタン含有の非晶質定形粒子となる
ものと想定される。従って、上記の沈着は、化学反応を
伴う化学的沈着と呼ぶことができる
【0012】従って本発明の非晶質定形粒子は、チタン
成分がチタン酸として粒子の内部及び表面に化学的に均
質に沈着されたものであり、これらはX線回折学的には
非晶質であるが、個々の粒子は前駆体のゼオライトであ
るアルカリアルミノシリケートの定形な粒子形状をその
まま保持している点に重要な特徴がある。又は必要に応
じて200℃以上好ましくは400℃以上で仮焼するこ
とにより、化学的に均質さが向上し、ゼオライト性がさ
らに消失した新規な非晶質チタン酸シリカアルミネート
定形粒子であることも顕著な特徴である。
【0013】本発明の非晶質チタン酸シリカアルミネー
トの非晶質定形粒子と対応する前駆体のP型ゼオライト
のX線回折パターンを比較すると、図1に示す結晶性粒
子のX線回折パターンにおいては、結晶性粒子に特有の
ピークが出現しているのに対して、図2に示す本発明の
チタン含有非晶質粒子のX線回折パターンにおいては、
これらのピークがすべて消失し、完全に非晶質化されて
いることが理解される。
【0014】一方、本発明の非晶質定形粒子と対応する
前駆体のゼオライト定形粒子の粒子形状を示す電子顕微
鏡写真を図3、図4に示した。図3は前駆体粒子のP型
ゼオライトであり、図4はP型ゼオライトを前駆体粒子
とする本発明の非晶質定形粒子である。
【0015】同様に、図5はA型ゼオライト粒子のX線
回折パターン、図6はA型ゼオライトを前駆体とした本
発明の非晶質定形粒子のX線回折パターンであり、図7
はA型ゼオライト粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写
真、図8はA型ゼオライトを前駆体とした本発明の非晶
質定形粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【0016】図1乃至図8から明らかなように、本発明
のチタン酸シリカアルミネートはX線回折学的には非晶
質であり、その粒子形状は前駆体のゼオライト粒子の形
状をそのまま保持し、且つほぼ同じ粒径の定形粒子であ
ることが理解される。
【0017】更にまた、図4の本発明による粒子の電子
顕微鏡写真の視野からも理解されるように、明確な独立
した定形粒子の表面、近傍又は粒子間にチタン成分と思
われる不定形の凝集粒子が全く観察されない。その詳細
は不明であるが、従来から被覆粒子を調製する優れた方
法として周知である共沈法においても、粒子表面に酸性
のチタン塩とアルカリとを同時注加させて、効率よくし
かも均質に粒子表面にチタンを被覆させることは、極め
て困難であり不定形な凝集体が混在して所望の粒子径が
均斉なものが得にくいのが一般的である。
【0018】従って本発明の製造方法は、粒子そのもの
がアルカリ性の定形ゼオライトに酸性のチタン塩を反応
させて、化学的にチタン成分を沈着させて新規な非晶質
チタン酸シリカアルミネートの定形粒子とし、しかも前
駆体、ゼオライトの粒径の均斉さをそのまま保持する方
法として顕著な特徴である。
【0019】前述したように、ポリオレフィン等の樹脂
は紫外線により変色、脆化等の破壊作用を受け、中でも
下記表1に示すように300〜400nm領域の紫外線
がきわめて高い破壊エネルギーを持つと言われている。
【0020】
【表1】
【0021】本発明のチタン含有非晶質粒子は、上記の
粒子構造を有するので、後述する実施例に示すように優
れた分散性及びアンチブロッキング性をそのまま保持
し、しかも微細なチタン成分が均一に粒子内部、表面に
含有するチタン酸シリカアルミネート定形粒子であるこ
とから、酸化チタンと同様に200〜400nm領域に
高い紫外線吸収能を持った粒子であることが良く理解さ
れ(図13、15参照)、よって樹脂、塗料、インク、
化粧品、紙、鮮度保持剤等の紫外線吸収剤として好適に
使用できるのである。
【0022】また本発明の前駆体定形粒子の一つである
A型ゼオライト、ルチル型酸化チタン及び前駆体の定形
粒子がA型ゼオライトである本発明の非晶質チタン酸シ
リカアルミネート定形粒子の赤外線吸収スペクトルをそ
れぞれ図9、図10及び図11に示す。図9に示すA型
ゼオライト自体は、1000cm-1、600cm-1付近
にするどい赤外線の吸収があり、図10に示すルチル型
酸化チタンには700cm-1乃至500cm-1領域に大
きな吸収が認められる。
【0023】これに対し本発明のチタン含有の非晶質定
形粒子の赤外線吸収スペクトルを示す図11では、ルチ
ル型チタンに認められた赤外吸収領域よりも広い130
cm−1乃至400cm−1範囲の赤外吸収領域が認
められているのである。従って本発明のチタン含有の非
晶質定形粒子は、例えば農業用フィルム/シートに配合
した場合には、紫外線吸収効果によるフィルムの変色等
を有効に防止できると共に、赤外線吸収効果によりビニ
ールハウス内の保温効果も得られることから、新規な非
晶質チタン酸シリカアルミネートの定形粒子から成る赤
外線吸収能を有する紫外線吸収剤ともいえる。
【0024】更にまた、本発明の非晶質チタン酸シリカ
アルミネートの定形粒子を農業用ビニール等のフィルム
に使用することにより虫害及び病害を有効に防止するこ
とができ、作物も生き生きとする。
【0025】
【発明の好適態様】
(アルカリアルミノシリケート)本発明の非晶質チタン
酸シリカアルミネート定形粒子の前駆体となる、アルカ
リアルミノシリケートは、一般に(1.0±0.2)M
2 O・Al23 ・xSiO2 ・yH2 O(但し、Mは
Naまたはそれと当量の1価又は多価金属、xは多くの
場合1.5〜20、yは0〜10の値)で表わされるゼ
オライトであって、天然鉱物及び合成品の結晶形及び非
晶質形を含めて各種のものが知られている。本発明に
は、その合成の定形ゼオライトが好適に使用され、以下
本発明の前駆体定形粒子という。
【0026】本発明においては、この前駆体の中でも、
特にNaO/SiOのモル比が0.1乃至0.6、
特に0.15乃至0.5で、SiO/Alのモ
ル比が8以下、特に1.8乃至6のものがその粒子状態
が均斉であることから好ましく、具体的には、P型ゼオ
ライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオラ
イト、ソーダライト、アナルサイムが特に好適であり、
これらの一種または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0027】また上記ゼオライトは、本発明の非晶質チ
タン酸シリカアルミネート粒子の前駆体粒子であり、且
つ本発明の用途を考慮すると、その前駆体の粒径は0.
1乃至40μmの範囲のものが使用でき、好ましくは1
0μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
【0028】(酸性チタン塩)本発明において、アルカ
リアルミノシリケートの前駆体と反応させるチタン成分
の原料となるチタン塩を含有する酸性溶液としては、硫
酸チタン、硫酸チタニール、塩化チタン(四塩化チタ
ン、三塩化チタン、二塩化チタン)、オキシ塩化チタ
ン、硝酸チタン等の鉱酸類のチタン化合物、またシュウ
酸、酢酸、ギ酸、クエン酸等の有機酸のチタン化合物を
一種または組合せで用いることができる。またこれらの
酸性チタン塩と、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類、シュウ
酸、酢酸、ギ酸、クエン酸等の有機酸の少なくとも一つ
を組合せて用いることができる。
【0029】この酸性チタン塩溶液は、後述する実施例
の結果から明らかなように、用いるアルカリアルミノシ
リケートの種類によって好適な組合せが得られる。例え
ば、A型ゼオライトのように比較的高いpHで非晶質化
が行われ、pHが低いと粒子の骨格が崩れ易いものは、
わずかな酸の量で酸処理を行う必要があるが、P型ゼオ
ライトのように比較的低いpHで非晶質化が行われるも
のは、チタンを含有する酸単独では、チタンが過剰とな
って微細且つ均一な被覆が困難になると共に経済的にも
不利であるため、鉱酸類及び有機酸のチタン化合物と、
鉱酸及び有機酸を組合せて用いることが特に好ましい。
【0030】(チタン含有非晶質粒子及び用途)本発明
の非晶質チタン酸シリカアルミネートの定形粒子は、上
記前駆体粒子の水性懸濁液に徐々に上記酸性チタン塩溶
液を添加し、濾過水洗し乾燥した後、必要により300
乃至900℃の温度で焼成することにより得られる。
尚、チタン溶液注加の際、必要に応じて加熱してもよ
い。酸の添加量は、用いるアルカリアルミノシリケート
及びチタンを含有する酸性溶液の種類によっても異なる
が、その一例を下記表2に示す。尚、酸の添加量は、前
駆体のアルカリアルミノシリケートのNa2 Oに対する
チタンを含有する酸根のモル数で規定する。
【0031】
【表2】
【0032】このように前駆体のアルカリアルミノシリ
ケートをチタンを含有する酸性溶液と反応させることに
より得られた、本発明の非晶質定形粒子は、チタン含有
量が酸化チタンとして20重量%以下、特に3乃至12
重量%の範囲にあることが好ましい。この範囲よりもチ
タン含有量が多いと、粒子に微細且つ均一にチタン成分
が化学的に沈着されなくなるおそれがあるからであり、
また上記範囲よりも少なければ所望の紫外線吸収能が得
られなくなるおそれがあるからである。
【0033】以上のようにして得られる本発明のチタン
含有非晶質定形粒子は、図4、図8から明らかなように
前駆体の粒子形状をそのまま保持していることから、そ
の粒子形状は球状、サイコロ状、アナルサイム形の多面
体等の多種にわたるものが得られる。
【0034】また、その性状は、粒子径が0.3乃至4
0μm、吸油量が10乃至100ml/100g、ハン
ター白色度が80%以上、5%水性分散体のpHが4乃
至10等の粉体物性を有し、特に200乃至400nm
領域の紫外線吸収に優れ、且つ1300乃至400cm
-1領域に広範な赤外線吸収スペクトルを有する新規な非
晶質定形粒子である。
【0035】また、この非晶質定形粒子は、その粒子表
面を任意のシリカゾル、シリカゲル、金属石けん、樹脂
酸石けん、各種樹脂乃至ワックス類、シラン系、アルミ
ナ系、チタン系、ジルコニア系、亜鉛系、スズ系等のカ
ップリング剤、各種金属の酸化物もしくは水酸化物やシ
リカコーティング等を所望により施すことができる。
【0036】これらの特性を利用して種々の熱可塑性樹
脂、例えば結晶性プロピレン系重合体としてプロピレン
のホモポリマー、又はエチレン−プロピレン共重合体、
低−、中−、高−密度の或いは線状低密度のポリエチレ
ン、イオン架橋オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステ
ル、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,8−ナイロ
ン等のポリアミド樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン等
の塩素含有樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホン類、
ポリアセタール、アクリル系樹脂等に配合して形成され
る例えば各種延伸、無延伸、インフレーションフィルム
等の樹脂成形品に、スリップ性、アンチブロッキング性
を与えるために使用することができる。
【0037】この目的に対して、本発明による非晶質定
形粒子は熱可塑性樹脂100重量部当り0.01乃至1
0重量部、特に0.02乃至2重量部の量で配合するこ
とが出来る。更にまた、本発明による非晶質定形粒子
は、その紫外線吸収能、赤外線吸収能を考慮して各種塗
料、インク用体質顔料、紙用添加剤、鮮度保持剤、農業
用被覆資材、接着剤、コーティング樹脂組成物に配合し
て種々の用途に使用する事ができ、また各種充填剤とし
て配合することができ具体的には、トナーの流動性改良
剤、流動性改良剤、ゴム用充填剤、セラミックス基剤、
パウダーファンデーション、ペースト状ファンデーショ
ン、ベビーパウダー、クリーム制汗剤等の化粧料基剤等
に使用できる。
【0038】
【実施例】本発明の次の実施例で説明する。なお、以下
の実施例において化学組成、物性等は以下の方法により
測定する。
【0039】(化学組成)JIS M−8852 ケイ
石分析法に準拠して測定した。 (見掛比重)JIS K−6220.6.8に準じて測
定した。 (吸油量)JIS K−5101.19に準じて測定し
た。 (白色度)東京電色(株)製 AUTOMATIC REFRECTO METE
R Model TR-600で測定した。 (SEMにおける粒径)走査型電子顕微鏡(日立製S−
570)で得られた写真像から、代表的な粒子を選ん
で、スケールを用いて粒子像の直径を測定し一次粒子径
として示した。
【0040】実施例1 市販のケイ酸ソーダ(SiO2 27%、Na2 O 9
%)、アルミン酸ソーダ(Al23 22.5%、Na
2 O 18.6%)、市販の49%NaOHを用いて下
記モル比で全体が32kgになるように希ケイ酸ソーダ
液と希アルミン酸ソーダ液を調製した。 Na2 O/SiO2 =0.7 SiO2 /Al23 =5.5 H2 O/Na2 O=60
【0041】次に内容積約35Lのステンレス製容器中
で希ケイ酸ソーダ液16kgと希アルミン酸ソーダ液1
6kgを撹拌下でゆっくりと混合し、全体が均一なアル
ミノケイ酸アルカリゲルとした。次いでこのアルミノケ
イ酸アルカリゲルを撹拌しながら95℃迄昇温し、その
温度で10時間かけて結晶化した。結晶化終了後、濾
過、水洗し固形分濃度42.6%のNa−Pc型ゼオラ
イト含水ケーキ約5.9kgを得た。この原料ゼオライ
トのX線回折パターンを図1に、電子顕微鏡写真(以
下、SEM写真という)を図3に示す。
【0042】次に15Lのステンレス製容器に上記含水
ケーキ2.35kg(無水物換算:1kg)を固形分濃
度20%となるように水2.65L中に入れ充分撹拌分
散した後、ゼオライト中のNa2 O分に対し、0.3モ
ル当量に相当する硫酸チタンの5%水溶液と同じくゼオ
ライト中のNa2 O分に対し、1.2モル当量に相当す
る14%硫酸を混合して調製されたチタン含有酸溶液を
室温撹拌下にて、定量ポンプを用い8時間で注加した
後、2時間撹拌保持した。この時のスラリーのpHは
3.5であった。以後、濾過、水洗、乾燥した後、電気
炉にて550℃×3時間熱処理せしめ、粉砕して、X線
的に非晶質な本発明のチタン含有定形粒子を得た。この
実施例1で得られた酸化チタン被覆粒子のX線回折パタ
ーンを図2に、SEM写真を図4に、紫外線吸収パター
ンを図13に示す。また、粉末性状について表3に示し
た。
【0043】実施例2 実施例1で得られたゼオライト含水ケーキ2.35kg
を15Lのステンレス製容器に固形分濃度20%となる
ように水2.65L中に入れ充分撹拌分散した後、ゼオ
ライト中のNa2 O分に対し、0.4モル当量に相当す
る5%塩化チタン溶液と、同じくゼオライト中のNa2
O分に対し、3.4モル当量に相当する10%塩酸を混
合して調製されたチタン含有酸溶液を室温撹拌下にて、
定量ポンプを用い8時間で注加した後、2時間撹拌保持
した。この時のスラリーのpHは2.5であった。以
後、濾過、水洗、乾燥した後、電気炉にて550℃×3
時間熱処理せしめ、粉砕して、X線的に非晶質な本発明
のチタン含有定形粒子を得た。粉末性状について表3に
示した。
【0044】実施例3 市販のケイ酸ソーダ(SiO2 27%、Na2 O 9
%)、アルミン酸ソーダ(Al23 22.5%、Na
2 O 18.6%)、市販の49%NaOHを用いて下
記モル比で全体が16kgになるように希ケイ酸ソーダ
液と希アルミン酸ソーダ液を調製した。 Na2 O/SiO2 =0.6 SiO2 /Al23 =6.0 H2 O/Na2 O=60 次に内容積約20Lのステンレス製容器中で希ケイ酸ソ
ーダ液8kgと希アルミン酸ソーダ液8kgを撹拌下ゆ
っくりと混合し、全体が均一なアルミノケイ酸アルカリ
ゲルとした。次いでこのアルミノケイ酸アルカリゲルを
撹拌しながら95℃迄昇温し、その温度で16時間かけ
て結晶化した。結晶化終了後、濾過、水洗し固形分濃度
46.5%のNa−Pc型ゼオライト含水ケーキ約2.
9kgを得た。
【0045】次に15Lのステンレス製容器に上記含水
ケート2.15kg(無水物換算:1kg)を固形分濃
度20%となるように水2.85L中に入れ充分撹拌分
散した後、ゼオライト中のNa2 O分に対し、0.3モ
ル当量に相当する硫酸チタンの5%水溶液と、同じくゼ
オライト中のNa2 O分に対し、1.2モル当量に相当
する14%硫酸を混合して調製されたチタン含有酸溶液
を室温撹拌下にて、定量ポンプを用い8時間で注加した
後、2時間撹拌保持した。この時のスラリーのpHは
3.7であった。以後、濾過、水洗、乾燥した後、電気
炉にて550℃×3時間熱処理せしめ、粉砕して、X線
的に非晶質な本発明のチタン含有定形粒子を得た。粉末
性状について表3に示した。
【0046】実施例4 市販のケイ酸ソーダ(SiO2 27%、Na2 O 9
%)、アルミン酸ソーダ(Al23 22.5%、Na
2 O 18.6%)、市販の49%NaOHを用いて下
記モル比で全体が32kgになるように希ケイ酸ソーダ
液と希アルミン酸ソーダ液を調製した。 Na2 O/SiO2 =1.6 SiO2 /Al23 =1.8 H2 O/Na2 O=35
【0047】次に内容積約35Lのステンレス製容器中
で希ケイ酸ソーダ液16kgと希アルミン酸ソーダ液1
6kgを撹拌下ゆっくりと混合し、全体が均一なアルミ
ノケイ酸アルカリゲルとした。次いでこのアルミノケイ
酸アルカリゲルを撹拌しながら90℃迄昇温し、その温
度で4時間かけて結晶化した。結晶化終了後、濾過、水
洗し固形分濃度(無水物換算:以下、特に断らない限
り、固形分濃度とは無水物換算濃度を示す。)53.3
%のNa−A型ゼオライト含水ケーキ約7.2kgを得
た。この原料ゼオライトのX線回折パターンを図5に、
SEM写真を図7に、紫外線吸収パターンを図14に示
す。
【0048】次に10Lのステンレス製容器に上記含水
ケーキ1.87kg(無水物換算:1kg)を固形分濃
度20%となるように水3.13L中に入れ充分撹拌分
散した後、ゼオライト中のNa2 O分に対し、0.2モ
ル当量に相当する硫酸チタンの5%水溶液を室温撹拌下
にて定量ポンプを用い6時間で注加した後、2時間撹拌
保持した。この時のスラリーのpHは5.3であった。
尚、硫酸チタン溶液は市販の和光純薬工業(株)製、試
薬30%硫酸チタン溶液(H2 SO4 /TiO2 =約
2.4)を希釈して使用した。以後、濾過、水洗、乾燥
した後、電気炉にて550℃×3時間熱処理せしめ、粉
砕して、X線的に非晶質な本発明のチタン含有定形粒子
を得た。この粉末の性状について表3に示した。
【0049】実施例5 実施例4で得られたゼオライト含水ケーキ1.87kg
を10Lステンレス製容器に固形分濃度20%となるよ
うに水3.13L中に入れ充分撹拌分散した後、ゼオラ
イト中のNa2 O分に対し、0.4モル当量に相当する
14%硫酸を室温撹拌下にて、定量ポンプを用い6時間
で注加した後、さらにゼオライト中のNa2 O分に対し
て、0.18モル当量に相当する硫酸チタンの5%溶液
を同様に6時間で注加した後、2時間撹拌保持した。こ
の時のスラリーのpHは4.3であった。以後、濾過、
水洗、乾燥した後、電気炉にて550℃×3時間熱処理
せしめ、粉砕して、X線的に非晶質な本発明のチタン含
有定形粒子を得た。この実施例5で得られたチタン含有
定形粒子のX線回折パターンを図6に、SEM写真を図
8に、紫外線吸収パターン及び赤外線吸収スペクトルパ
ターンを図15、11に示す。また、粉末性状について
表3に示した。
【0050】実施例6 実施例4で得られたゼオライト含水ケーキ1.87kg
を10Lステンレス製容器に固形分濃度20%となるよ
うに水3.13L中に入れ充分撹拌した後、ゼオライト
中のNa2 O分に対し、0.4モル当量に相当する5%
塩化チタン溶液を室温攪拌下にて定量ポンプを用い6時
間で注合した後、2時間攪拌保持した。この時のスラリ
ーのpHは5.1であった。塩化チタン溶液は市販の和
光純薬工業(株)製、試薬(HCl/TiO2 =約2.
9)を希釈して使用した。以後、濾過、水洗、乾燥した
後、電気炉にて550℃×3時間熱処理せしめ、粉砕し
て、X線的に非晶質な本発明のチタン含有定形粒子を得
た。粉末性状について表3に示した。
【0051】実施例7 市販のケイ酸ソーダ(SiO2 27%、Na2 O 9
%)、アルミン酸ソーダ(Al23 22.5%、Na
2 O 18.6%)、市販の49%NaOHを用いて下
記モル比で全体が32kgになるように希ケイ酸ソーダ
液と希アルミン酸ソーダ液を調製した。 Na2 O/SiO2 =1.6 SiO2 /Al23 =1.8 H2 O/Na2 O=120 次に内容積約35Lのステンレス製容器中で希ケイ酸ソ
ーダ液16kgと希アルミン酸ソーダ液16kgを撹拌
下ゆっくりと混合し、全体が均一なアルミノケイ酸アル
カリゲルとした。次いでこのアルミノケイ酸アルカリゲ
ルを撹拌しながら95℃迄昇温し、その温度で12時間
かけて結晶化した。結晶化終了後、濾過、水洗し固形分
濃度(無水物換算濃度)58.5%のNa−A型ゼオラ
イト含水ケーキ約2.1kgを得た。
【0052】次に10Lのステンレス製容器に上記含水
ケーキ1.71kg(無水物換算:1kg)を固形分濃
度20%となるように水3.29L中に入れ充分撹拌分
散した後、ゼオライト中のNa2 O分に対し、0.2モ
ル当量に相当する硫酸チタンの5%水溶液を室温撹拌下
にて定量ポンプを用い6時間で注加した後、2時間撹拌
保持した。この時のスラリーのpHは5.4であった。
以後、濾過、水洗、乾燥した後、電気炉にて550℃×
3時間熱処理せしめ、粉砕して、X線的に非晶質な本発
明のチタン含有定形粒子を得た。粉末性状について表3
に示した。
【0053】実施例8 市販のケイ酸ソーダ(SiO2 27%、Na2 O 9
%)、アルミン酸ソーダ(Al23 22.5%、N
2 O 18.6%)、市販の49%NaOHを用いて
下記モル比で全体が36kgになるように希ケイ酸ソー
ダ液と希アルミン酸ソーダ液を調製した。 Na2 O/SiO2 =1.0 SiO2 /Al23 =8.0 H2 O/Na2 O=82.5 次に内容積約40Lのステンレス製容器中で希ケイ酸ソ
ーダ液18kgと希アルミン酸ソーダ液18kgを撹拌
下ゆっくりと混合し、全体が均一なアルミノケイ酸アル
カリゲルとした。次いでこのアルミノケイ酸アルカリゲ
ルを撹拌しながら95℃迄昇温し、その温度で8時間か
けて結晶化した。結晶化終了後、濾過、水洗し固形分濃
度43.5%のNa−Y型ゼオライト含水ケーキ約2.
6kgを得た。
【0054】次に15Lのステンレス製容器に上記含水
ケーキ2.30kg(無水物換算:1kg)を固形分濃
度20%となるように水2.70L中に入れ充分撹拌分
散した後、ゼオライト中のNa2 O分に対し、0.3モ
ル当量に相当する硫酸チタンの5%水溶液と同じくゼオ
ライト中のNa2 O分に対し、1.2モル当量に相当す
る14%硫酸を混合して調製されたチタン含有酸溶液を
室温撹拌下にて、定量ポンプを用いて8時間で注加した
後、2時間撹拌保持した。この時のスラリーのpHは
3.4であった。以後、濾過、水洗、乾燥した後、電気
炉にて550℃×3時間熱処理せしめ、粉砕して、X線
的に非晶質な本発明のチタン含有定形粒子を得た。粉末
性状について表3に示した。
【0055】比較例1 2Lガラス製ビーカーに市販の和光純薬工業(株)製、
試薬30%硫酸チタン溶液(HSO)/TiO
約2.4)312gを5%溶液になるようにイオン交換
水で希釈し、予め調製しておいた5%アンモニア水10
00gを室温攪拌下にて、定量ポンプを用い4時間で注
加した後、2時間攪拌保持し、水酸化チタンを析出せし
めた。尚、この時の反応液のpHは5.6であった。以
後、濾過、水洗、乾燥した後、電気炉にて550℃×3
時間熱処理せしめ、粉砕して、酸化チタン粒子を得た。
次に、比較例1で得た酸化チタン粒子と、A型ゼオライ
トを酸処理して得られる非晶質シリカアルミナ系粒子
シルトンAMT−25(水澤化学工業(株)製)を10
部:90部の割合で混合し、紫外線吸収を測定した。図
16にその紫外線吸収パターンを示す。
【0056】比較例2 比較例1で得た酸化チタン粒子とPc型ゼオライトを酸
処理して得られるシルトンAMT−シリカ300BTE
(水澤化学工業(株)製)を10部:90部の割合で混
合し、紫外線吸収を測定した。図17にその紫外線吸収
パターンを示す。
【0057】応用例1 二軸延伸ポリプロピレンフィルムへの応用 ポリプロピレン樹脂粉末(三井石油化学工業製ハイポー
ルF657P)100重量部に対し2.6ジターシャリ
ーブチルパラクレゾール0.15部、ステアリン酸カル
シウシム0.1部及び表4に示した添加剤を各々加え、
スーパーミキサーで1分混合後、1軸押出機を用いて混
練温度230℃で溶融混合してペレタイズした。このペ
レットをTダイ成形により原反フィルムを作成し、次い
で二軸延伸成型機を用いて縦方向に5倍、更に横方向に
10倍に延伸し厚さ25μmの2軸延伸フィルムを得
た。得られたフィルムについて以下の試験を行い、その
結果について表4に示した。
【0058】ヘーズ:JIS K−6714に基づい
て、日本電色(株)製オートマチックデジタルヘイズメ
ーターNDH−20Dにより測定した。 ブロッキング性:2枚のフィルムを重ね、200g/c
2 の荷重をかけ40℃で24時間放置後、フィルムの
はがれ易さにより以下のように評価した。 ◎ 抵抗無くはがれるもの ○ ややはがれにくいもの △ はがれにくいもの × 極めてはがれにくいもの フィッシュアイ:光学顕微鏡により、フィルム400c
2 中の0.1m/m以上の個数で示した。
【0059】スクラッチ性:製膜5時間後フィルム2枚
を重ね指でこすった時の傷付きの程度により以下のよう
に示した。 ◎ ほとんど傷がつかない ○ わずかに傷がつく △ 少し傷がつく × 傷がつく
【0060】応用例2 無延伸ポリプロピレンフィルムへの応用 ポリプロピレン樹脂粉末100重量部に対し2.6ジタ
ーシャリーブチルパラクレゾール0.15部、ステアリ
ン酸カルシウム0.1部及び表5に示した添加剤を各々
加え、スーパーミキサーで1分混合後、1軸押出機を用
いて混練温度230℃で溶融混合してペレタイズした。
このペレットを用いて同温度でTダイ成形により厚さ2
5μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムにつ
いて応用例1と同様にフィルム評価を行った。その結果
を表5に示した。
【0061】応用例3 ポリエチレンフィルムへの応用 MI 1.3/10分、密度が0.92の直鎖状低密度
ポリエチレン及びMI1.1/10分、密度が0.93
の低密度ポリエチレンの混合物に表6に示す試料を添加
し、押出機で180℃の温度で溶融混合後ペレタイズし
た。次にこのペレットを押出機に供給し、Tダイ法で厚
さ30μmのフィルムに製膜し、得られたフィルムにつ
いて応用例1と同様にフィルム評価を行った。その結果
を表6に示した。
【0062】応用例4 塩ビシートへの応用 硬質塩ビ粉末に実施例の試料を0.5%添加混合し、混
練後、175℃にて圧延機により、厚さ1mmのプレス
シートを調製し、シート評価を行った。結果にを表7に
示す。
【0063】応用例5 塗料への応用 アクリルウレタン塗料(関ペ(株)ディープブラック#
400)に実施例に示した試料を加え、高速ホモミキサ
ー(2,500rpm)で5分間分散後ガラス板に5M
ilのフィルム・アプリケーターを用いて150μmの
膜厚で塗布し、60度鏡面反射率、平滑性(ブツ)及び
スクラッチ性について測定した。結果を表8に示した。
スクラッチ性についてはコインで擦ったときの傷の状態
を観察し、次のように示した。 ○:殆ど傷がつかない △:少し傷がつく
×:かなり傷がつく
【0064】応用例6 パウダーファンデーションへの応用 実施例1で得られた試料を用いて以下の処方によりパウ
ダーファンデーションを作った。 成分(A) マイカ 40部 タルク 12部 着色顔料 8部 チタン含有非晶質粒子 20部 (実施例1) 成分(B) スクワレン 7部 ラノリン 6部 ミリスチン酸イソプロピル 5部 界面活性剤 1部 香料 適量 成分(A)のマイカ、タルク、着色顔料、酸化チタン被
覆非晶質粒子を該当部数秤量した後、ステンレス製容器
にいれ十分混合してから、アトマエザーで粉砕した。
【0065】次いでヘンシェルミキサーで十分混合し、
この中に成分(B)の加熱混合物を添加し十分混合して
製品とした。得られたファンデーションと、本発明のチ
タン含有非晶質粒子を含まないファンデーションとを比
較したところ、本発明の非晶質粒子を使用した物は伸び
が良く、なめらかでさっぱりした仕上がりとなり、紫外
線カットをも備えるファンデーションを調製することが
できた。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
【表8】
【0072】
【発明の効果】本発明の非晶質チタン酸シリカアルミネ
ートの定形粒子は、非晶質でありながら前駆体のゼオラ
イト粒子とほぼ同様の粒子構造を有しているため、分散
性、アンチブロッキング性に優れると共に、300〜4
00nm付近の紫外線吸収に優れたものであり、樹脂成
形品、フィルム等の樹脂素材、塗料、インク、化粧料、
鮮度保持剤等の配合剤として有効に使用することができ
る。また赤外線吸収能にも優れているため、農業用フィ
ルム等に使用した場合には、紫外線によるフィルムの変
色等を有効に防止できると共に、夜用の保温効果をも得
ることが可能となるのである。
【0073】また本発明のチタン含有の非晶質粒子の製
造方法によれば、アルカリ性のアルミノシリケートに酸
性チタン塩溶液を反応させて微細なチタン成分を均一に
粒子に化学的に沈着させることが可能となり、上記性質
を有する非晶質チタン酸シリカアルミネートの定形粒子
を容易に製造することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】P型ゼオライトのX線回折パターンを示す図で
ある。
【図2】P型ゼオライトを前駆体粒子とする非晶質チタ
ン酸シリカアルミネート粒子のX線回折パターンを示す
図である。
【図3】P型ゼオライトの粒子構造を示す電子顕微鏡写
真である。
【図4】P型ゼオライトを前駆体粒子とする非晶質チタ
ン酸シリカアルミネート粒子の粒子構造を示す電子顕微
鏡写真である。
【図5】A型ゼオライトのX線回折パターンを示す図で
ある。
【図6】A型ゼオライトを前駆体粒子とする非晶質チタ
ン酸シリカアルミネート粒子のX線回折パターンを示す
図である。
【図7】A型ゼオライトの粒子構造を示す電子顕微鏡写
真である。
【図8】A型ゼオライトの前駆体粒子とする非晶質チタ
ン酸シリカアルミネート粒子の粒子構造を示す電子顕微
鏡写真である。
【図9】A型ゼオライトの赤外吸収スペクトルを示す図
である。
【図10】ルチル型チタンの赤外吸収スペクトルを示す
図である。
【図11】A型ゼオライトを前駆体粒子とする本発明の
チタン含有非晶質粒子の赤外線吸収スペクトルを示す図
である。
【図12】紫外線吸収の測定方法を示す図である。
【図13】実施例1で得た本発明のチタン含有非晶質粒
子の紫外線吸収パターンを示す図である。
【図14】Na−A型ゼオライトの紫外線吸収パターン
を示す図である。
【図15】実施例5で得た本発明のチタン含有非晶質粒
子の紫外線吸収パターンを示す図である。
【図16】比較例1で得たチタン含有非晶質粒子の紫外
線吸収パターンを示す図である。
【図17】比較例2で得たチタン含有非晶質粒子の紫外
線吸収パターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−300650(JP,A) 特開 昭59−213616(JP,A) 特開 平3−153743(JP,A) 特開 平1−148340(JP,A) 特開 昭61−168503(JP,A) 特開 平2−302314(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/00 CA(STN) JSTPLUSファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物基準の重量%で表わして、下記成
    分を、 TiOとして1乃至20%、 SiOとして40乃至70%、 Alとして10乃至40%、 NaOとして3乃至10%、 の範囲で含有して成る個々の粒子が独立した明確な非晶
    質定形粒子であって、走査型電子顕微鏡法による一次粒
    子径が0.3乃至40μmで、300nmにおける紫外
    線吸収が80%以上であり且つ赤外吸収スペクトル測定
    において1300乃至400cm −1 の波数領域にわた
    って吸収帯を有する非晶質チタン酸シリカアルミネート
    定形粒子。
  2. 【請求項2】 吸油量が80ml/100g以下で、ハ
    ンター白色度が80乃至100%であることを特徴とす
    る請求項1記載の非晶質チタン酸シリカアルミネート定
    形粒子。
  3. 【請求項3】 5%水性分散体のpHが4乃至10であ
    ることを特徴とする請求項1記載の非晶質チタン酸シリ
    カアルミネート定形粒子。
  4. 【請求項4】 コールターカウンター法による平均粒子
    径が0.5乃至40μmである請求項2記載の非晶質チ
    タン酸シリカアルミネート定形粒子から成る樹脂用添加
    剤。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂100重量部当たり請求項
    4記載の樹脂用添加剤を0.01乃至10重量部を添加
    して成ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 Na O/SiO のモル比が0.1乃
    至0.6であるP型ゼオライト、A型ゼオライト、X型
    ゼオライト、Y型ゼオライト、ソーダライト及びアナル
    サイムから選ばれた少なくとも1種からなり且つ個々の
    粒子が独立した明確な定形粒子であるアルカリアルミノ
    シリケートの水分散スラリーに、酸性のチタン塩溶液を
    スラリーpHが2乃至6.5の範囲になるように注加し
    て、該定形粒子の一部のアルカリ成分が脱アルカリされ
    ての非晶質化を伴う該粒子上へのチタン成分の沈着を行
    い、次いで濾過、洗浄することを特徴とする非晶質チタ
    ン酸シリカアルミネート定形粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 濾過、洗浄後、200℃以上の温度で仮
    焼することを特徴とする請求項6に記載の非晶質チタン
    酸シリカアルミネート定形粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記チタン酸塩溶液が、硫酸チタン、塩
    化チタン、及び硝酸チタンから選ばれた少なくとも1種
    と必要に応じて硫酸、塩酸、硝酸及び有機酸から選ばれ
    た少なくとも1種の酸との組合せからなることを特徴と
    する請求項6記載の非晶質チタン酸シリカアルミネート
    定形粒子の製造方法。
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