JP3469238B2 - 染色体領域特異性dna配列の調製およびアミノ基転移 - Google Patents

染色体領域特異性dna配列の調製およびアミノ基転移

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願 本出願は先に出願された米国特許出願第585,875号(1
990年9月28日出願、M.L.ビトナー、L.E.モリソンおよ
びM.S.リゲーター)の部分継続出願である。
発明の分野 本発明は、一般に多重染色体(multi−chromosomal)
であるゲノムの個々の染色体内の予め選ばれた標的領域
に対して特異的に相補的であるクローン化DNA配列、そ
の調製法、それからプローブを調製する方法、およびそ
れらのプローブの使用に関するものである。
発明の背景 特異的染色体アルフォイド(alphoid)DNAに対して相
補的なDNA配列を含むプローブは、in situハイブリダイ
ゼーションアッセイ法においてエニューメレーター(en
umelator)として有用であることが知られている。先行
技術のアルフォイドDNA配列調製法のうち最も良く知ら
れているものは、アルフォイドDNA配列を単離するため
に共通の方法を用いる。すなわち反復DNAの物理的特性
に基づく富化法を適用し、富化されたプールからのDNA
をクローン化し、そしてこの富化されたプールからの個
々のクローンを別個にin situハイブリダイゼーション
アッセイ法における有用性に関して分析する。このよう
なプールの探索は、予め定められた染色体に対して高い
染色体特異性をもつ配列を得るのには効果がなく、かつ
信頼性のない方法であることが証明された。クローン化
アルフォイドDNAを得るためのこのような方式の最初の
ものは、富化されたDNA配列のプールを調製するために
アルフォイドDNAの浮遊密度特性を利用した(参照:マ
ニュエリディス(Manuelidis,L.)ら、Chromosoma 66:2
3−32(1978))。この方法は図1のフローシートにま
とめられており、説明を要しないであろう。アルフォイ
ドDNAクローンを得るための他の方式は、富化されたア
ルフォイドDNAのプールを調製する基礎として、DNA制限
部位の分配、またはゲノム内の非反復種に対するアルフ
ォイドDNAの急速再生を採用した(ヤング(Yang,T.P.)
ら、Pro.Natl.Acad.Sci.USA 79:6593−6597(1982)、
およびモイジス(Moyzis,R.K.)ら、Chromosoma 95:375
−386(1987))。しかしこれらの方法は本来、かなり
効果が少なく、かつエニューレメータープローブの迅速
な商業的開発には必ずしも好適ではない。
また、このような配列から調製された先行技術のプロ
ーブは間接標識プローブであり、従ってin situハイブ
リダイゼーションに際して、たとえばスライドに固定し
た検体のプローブ透過段階を1回必要とするにすぎない
直接標識プローブと対照的に、ハイブリッド検出を達成
するためにハイブリダイゼーション後プロセシングを必
要とした。間接標識プローブは、in situハイブリダイ
ゼーション多段階処理に際してスライド固定した各種の
蛋白試薬(抗体、アビジン、酵素など)の検体に効果的
に拡散することが必要である。
このような先行技術による染色体領域特異性の相補的
DNA配列を標識するための先行技術方法は、個々の配列
に結合した標識部分の数量を制御するのが困難である。
特定の染色体領域に存在する特異的染色体DNA反復セ
グメント−−たとえば特異的染色体中のアルフォイドDN
A−−に対して相補的な改良されたDNAセグメント、およ
びそれから直接標識プローブを調製するための改良法が
得られれば、極めて有用であろう。本発明はこれらのセ
グメントおよび方法を共に提供する。
発明の概要 本発明は、(a)DNA反復セグメントを含み、かつ一
般に多重染色体であるゲノムの個々の染色体内の予め選
ばれた領域に対して特異的に相補的である、新規かつ極
めて有用な一群のクローン化DNA配列、ならびに(b)
その調製法およびそれらをプローブ組成物に変換する方
法、特にカオトロピックアミノ基転移法を提供する。
本発明によれば、大規模なプールに由来する多数のク
ローンを個々に試験するという問題が避けられ、目的と
する予め選ばれた染色体に対して相補的な特異的配列を
調製する能力が向上する。
より詳細には、1観点においては本発明は(a)DNA
反復セグメントを含み、かつ多重染色体ゲノムの選ばれ
た1染色体の選ばれた1領域のみにユニークに生じる逐
次(sequential)DNA配列に対して相補的な、個々のク
ローン化DNA配列の調製法、および(b)こうして調製
された個々のクローン化DNA配列を提供する。この方法
は下記の特定の組み合わせを用いる: (a)多重染色体ゲノムの選ばれた出発単一全染色体を
一緒に構成するDNA配列から構成される鋳型DNAを、この
鋳型染色体中の選ばれた1領域に存在する隣接DNA反復
セグメント内またはセグメント間に共通かつ反復して存
在することが知られている合成オリゴヌクレオチドをプ
ライマーとして用いて、酵素により増幅し; (b)こうして酵素により増幅されたDNA反復セグメン
ト、またはこうして酵素により増幅されたDNA反復セグ
メントにより形成されたプローブを用いるハイブリダイ
ゼーションによって同定したのちゲノムDNAから分離さ
れたDNA反復セグメントを用いて、クローンコロニーを
調製し、サンプリングし;そして (c)サンプリング、培養および抽出されたコロニー由
来のベクターDNA配列の標識により形成されたプローブ
を、選ばれたゲノムDNA標的配列の試料とハイブリダイ
ズする。
得られたハイブリッドから、選ばれた出発単一染色体
の選ばれた1領域内に生じるDNA配列(1または2以
上)内に生じ、かつそのDNA配列に対して相補的であ
る、少なくとも1個のDNA反復セグメントの複数コピー
を含む個々のクローン化DNA配列少なくとも1個を選
ぶ。次いで、選ばれたクローン化DNA配列それぞれを培
養して、そのレプリケートを複数個調製する。
従って本発明は、上記により調製されたそれぞれの配
列が予め選ばれた染色体の予め選ばれた1領域に対して
相補的である、新規な一群のクローン化DNA配列を提供
する。また、それらの配列はそれぞれその1領域内に生
じる少なくとも1個のDNA反復セグメントを含む。
これらの新規なクローン化および複製されたDNA相補
肺列を標識して、核型に関する情報を得たい検体のハイ
ブリダイゼーションアッセイに用いる新規かつ有用なプ
ローブを調製することができる。一般にこれらのクロー
ン化DNA配列から調製されたプローブは反復配列系プロ
ーブとして分類しうる。
他の観点においては、本発明は直接標識プローブ組成
物の調製に有用な中間体を形成する方法を提供する。こ
の方法は、出発原料として(1)少なくとも1個の出発
DNA配列、たとえば本明細書に教示するもの、(2)結
合基化合物、および(3)発蛍光団を含む化合物を用い
る。このプローブ組成物調製法には、好ましくは下記の
組み合わせが採用される: (a)出発DNA配列をフラグメント化してDNAセグメント
となし; (b)これらのセグメントをアミノ基転移させてこれら
のDNAセグメントに結合基を導入し;そして (c)こうして導入された結合基に発蛍光団を共有結合
させる。
本発明のアミノ基転移法において、連結化合物は2官
能性である。その一方の官能部分はアミノ基であり、他
方は出発原料である蛍光化合物中に存在する他の反応性
基と反応性の基である。このアミノ基転移法は、水性液
相下に周囲温度条件で重亜硫酸塩(bisulfite)触媒の
存在下に実施される。選ばれた領域を含むDNA配列およ
び/またはそれらのフラグメント中に存在するデオキシ
シチジンヌクレオチドの制御されたアミノ基転移が、他
の点では配列構造または相補性を実質的に変化させるこ
となく行われ、従って得られるアミノ基転移したポリヌ
クレオチドは選ばれた染色体領域中のセグメントを含む
相補的標的DNA配列にハイブリダイズするそれらの能力
を保持する。
本発明の他の観点においては、ポリヌクレオチドがア
ミノ基転移処理に際して一本鎖状態に保持される、新規
なアミノ基転移法が提供される。この方法では、重亜硫
酸塩により触媒される水性反応媒質中に、反応体と共に
トリハロアセテートのカオトロープアニオンを存在させ
る。これらのカオトロープアニオンはアミノ基転移に際
して反応体の結晶化を誘導することなく、かつ反応体と
反応することなく、目的に従ったヌクレオチド配列変性
を誘導し、特にそれを維持する。また比較的大規模なバ
ッチのアミノ基転移したDNA配列および/またはセグメ
ントの合成が望まれる場合、この方法によれば先行技術
の酵素標識法の場合のように高い経費および低い信頼性
をもたらすことなくその合成が可能であるので、この方
法は有利である。
上記の重亜硫酸塩触媒によるカオトロピックアミノ基
転移法によって、一群の新規かつ極めて有用なアミノ基
転移したDNAセグメントが調製される。
直接標識プローブ組成物、特にこれらの新規な一群の
カオトロピックアミノ基転移したセグメントから調製さ
れたものは、卓越したハイブリダイゼーション能を示
し、これにより調製されたハイブリッドは卓越したシグ
ナル強度産生能を備えている。
他の、および詳細な特色、対象、意図、目的、利点、
用途、形態などは、添付の図面を考慮した本明細書の教
示から当業者に自明であろう。
図面の簡単な説明 図面において: 図1は、染色体特異性アルフォイドDNAの単一クロー
ンを調製するための先行技術による浮遊密度遠心分離法
を説明するフローシートである; 図2Aおよび2Bは合わせて、染色体特異的反復DNA配列
の単一クローンを調製するための本発明方法を説明する
フローシートを提示する; 図3は、本発明により調製されたDNA反復配列を標識
してそれらのプローブを形成するための各種方法を説明
するフローシートであり、それらの方法の1つは、結合
用化合物および重亜硫酸塩を用いる配列アミノ基転移を
伴う本発明方法を利用する;ならびに 図4、5および6はそれぞれ、本発明の実施により調
製された発蛍光団標識された領域特異的DNAセグメント
からなる直接標識プローブ組成物とハイブリダイズした
染色体を示す顕微鏡写真である。
詳細な記述 (A)定義 “配列”という語は、鎖状の、すなわち相互に連結し
た一連のDNAヌクレオチドを表す。
“フラグメント",“セグメント”または“DNAセグメ
ント”という語は、一般にたとえば1染色体またはその
1領域に生じる、より大きなDNAポリヌクレオチド、す
なわちDNA配列の一部のみを表す。たとえばポリヌクレ
オチドを複数のセグメントに破断すること、すなわちフ
ラグメント化することができる。
“DNA反復セグメント”という語は、特定のDNAセグメ
ント、またはほとんど等しいセグメントが、特定の1DNA
配列中または特定の複数のDNA配列中に複数回(すなわ
ち少なくとも2回)生じるという事実を表す。個々のDN
Aセグメントのサイズおよび/またはDNA反復セグメント
のサイズは、著しく広範に及ぶ可能性がある。たとえば
ヒトゲノムの場合、現在では各DNA反復セグメントは典
型的には一般に約5−約3,000bpの範囲のサイズである
と考えられている。一例として単一アルフォイドDNA配
列は、少なくとも約5種類の異なるDNA反復セグメント
を含むであろう。既知のように、染色体は特徴的にDNA
反復セグメントを含むDNA配列を有する領域を含む。個
々のセグメント反復体にはわずかな逐次変化が生じる可
能性がある;例えばウェイ(Waye,J.S.)ら、Molecular
and Cellular Biology :3156−3165(1986)を参照
されたい。
“ゲノム”という語は、生物のDNA内にコードされ
た、生物に関する完全な一組の遺伝指令の単一コピーを
表し、または意味する。本発明を実施するに際して、考
慮される特定のゲノムは一般に多重染色体性であり、従
ってそのDNAは細胞内で複数の個々の染色体(その数
は、たとえばヒトの場合、22対プラス伴性XX対またはXY
対である)の間に分布している。
本発明を実施するに際し、関与するゲノムはいずれの
場合も好ましくは霊長類由来のものであり、DNA反復セ
グメントを含むDNA配列は好ましくはアルフォイドであ
るか、または染色体タイプの動原体に付随する。本明細
書中でDNAに関して用いる“アルフォイド”または“ア
ルファ−サテライト”という語は、霊長類ゲノムに見ら
れる縦列反復DNAセグメントのコンプレックス群に関す
るものである。モノマー反復長さ約171塩基対を基礎と
する長い縦列アレイ状のアルファ−サテライトDNAは、
主として霊長類染色体の動原体の位置にある。
“染色体”という語は、生細胞の遺伝を担う遺伝子キ
ャリヤーを表し、これはクロマチンに由来し、DNAおよ
び蛋白質成分(特にヒストン)からなる。本明細書中で
は、国際的に認められている通常の個々のヒトゲノム染
色体番号付けによる同定方式を採用する。個々の染色体
のサイズは、特定の多重染色体ゲノムについてはタイプ
毎に、またゲノム毎に異なる可能性がある。(好まし
い)ヒトゲノムの場合、特定の染色体の全DNA質量は通
常は約100,000,000bp以上である。たとえば全ヒトゲノ
ムのサイズは約3×109bpである。最大の染色体である
染色体no.1は約2.4×108bpを含むのに対し、最小の染色
体である染色体no.22は約5.3×107bpを含む(ユニス(Y
unis,J.J.),Science 191:1268−1270(1976))、およ
びカベノフ(Kavenoff)ら、Cold SpringHarbor Sympos
ia on Qualitative Biology 38:1−8(1973))。
“領域”という語は、その一部を示し、これは好まし
くはアルフォイドであるか、または動原体に付随する、
DNA反復セグメントを含む。この個々の領域の実際の物
理的なサイズまたは範囲は広範に及ぶ可能性がある。そ
の領域の厳密な定量は、現在は可能性のあるすべての領
域についてなしうるわけではない。通常は1領域は少な
くとも、下記のDNA配列を少なくとも1個含むのに十分
な大きさである:(a)少なくとも1個のDNA反復セグ
メントの複数コピーを含み、かつ(b)直接標識された
プローブまたはプローブ組成物とのin situハイブリダ
イゼーション処理によりその領域における発蛍光団標識
ハイブリッドを形成したのち、蛍光顕微鏡検査により光
学的に同定および好ましくは計数しうる。現在得られる
情報によれば、1領域はこのようなDNA配列を2以上含
むことができ、そのDNA配列はそれぞれ1または2以上
のDNA反復セグメントを含むことが示唆される。1領域
内に生じるDNA配列はそれぞれ一般に約70,000−約20,00
0,000bpを含み、現在好ましい領域DNA配列サイズ推定値
は約80,000−約225,000bpであり、現在最も好ましい領
域DNA配列サイズ推定値は約100,000−約200,000bpであ
る。ただし染色体の1領域にこれより大きいか、または
小さいDNA配列が生じる可能性はある。
“領域”という語は、一般的かつ特徴的に、特定の染
色体の全DNA質量またはサイズより小さいDNA質量または
サイズよりなる染色体フラグメントである。既知のとお
り、染色体の特定の染色体領域のDNAすべてがDNA反復セ
グメントを含むか、またはそれからなるDNA配列として
存在するわけではない。たとえば1領域は約2×106
約40×106bpを包含するサイズをもつことができ、この
サイズ領域はたとえばヒト染色体の動原体を包含する。
従ってこのサイズは単一ヒト染色体のサイズの実質画分
である。このような領域サイズは現在では本発明を実施
する際の領域サイズとして好ましいが、これより大きい
か、または小さい領域サイズも採用しうる。小さいヒト
染色体の動原体領域ですら、顕微鏡で見える大きい染色
体部分であり、Y染色体上のDNA反復セグメントを構成
する1領域(アルフォイドまたは動原体ではない)は染
色体の大部分を占め、顕微鏡で見ることができる。
一般的には“領域”という語は特定の1(または2以
上の)遺伝子に決定的なものではない。“領域”は個々
の遺伝子の特定のコードセグメント(エクソン)を特別
に考慮したものではないからである。本明細書中で染色
体に関して用いる“領域”はむしろ、本発明のプローブ
組成物の形成および使用のために染色体のDNAセグメン
トを特に確認するという理由で、特定の染色体に特異な
ものである。
“動原体”という語は、真核生物の染色体の異質染色
質(ヘテロクロマチン)領域を表し、これは紡錘糸が付
着する染色体部位である。動原体は複製した染色体が分
離する直前に分裂し、従って対合染色分体を一緒に保有
する。
“遺伝子”という語は染色体に沿ったDNA配列を表
し、または意味し、これが機能性産生物(RNA、または
その翻訳産生物であるポリペプチド)をコードする。遺
伝子はコード領域を含み、かつこのコード領域の前後の
領域(それぞれ“リーダー”および“テイラー(taile
r)”と呼ばれる)を含む。コード領域は、複数のコー
ドセグメント(“エクソン”)、および個々のコードセ
グメント間の介在配列(“イントロン”)から構成され
る。
“プローブ”または“プローブ組成物”という語は、
個々の標識含有部分と化学的に結合したポリヌクレオチ
ドまたはポリヌクレオチド混合物、たとえばDNA配列
(1または2以上)またはDNAセグメント(1または2
以上)を表す。これらのプローブのポリヌクレオチドは
それぞれ、標的にハイブリダイズする時点では一般に一
本鎖である。
“標識”または“標識含有部分”という語は、一般に
放射性同位体またはそれを含む基などの部分、および非
同位体標識、たとえば酵素、ビオチン、アビジン、スト
レプトアビジン、ジゴキシゲニン、蛍光物質、色素、ハ
プテンなどを表す。蛍光性物質は励起エネルギーの供給
源に応じて放射線ルミネセント、化学ルミネセント、生
物ルミネセントおよび光ルミネセント(または蛍光)に
分類することができる。
好ましくは、本発明により提供される染色体領域配列
から調製されたプローブ組成物は、標識含有部分に化学
的に結合したDNAセグメントを含む。それぞれの標識含
有部分は少なくとも1個の発蛍光団(蛍光性基)を含
み、またそれぞれの標識含有部分は、単官能基を含みか
つ発蛍光団を含む蛍光性出発化合物に由来する。この発
蛍光団は結合基に共有結合しており、結合基自体は本明
細書に教示されるようにDNAセグメントにアミノ基転移
されている。
“直接標識プローブ”(または“直接標識プローブ組
成物”)という語は、標的とのハイブリッド形成後にハ
イブリッドをさらに反応性プロセシングすることなくそ
の標識を検出しうる核酸プローブを表し、または意味す
る。一般に直接標識プローブは発蛍光団または放射性同
位体を個々の標識部分として含む。
“間接標識プローブ”(または“間接標識プローブ組
成物”)という語は、標的とのハイブリッド形成後にそ
の標識を後続プロセシングにおいて1種または2種以上
の試薬とさらに反応させて、最終的に検出しうるものを
生じる1または2以上の部分をそれに結合させなければ
ならない核酸プローブを表し、または意味する。
“標的”、“DNA標的”または“DNA標的領域”という
語は、その一部または全部が特定のプローブのヌクレオ
チド配列(1または2以上)に対して相補的であり、か
つその配列とハイブリダイズしうる、少なくとも1種の
ヌクレオチド配列、たとえばDNA配列またはDNAセグメン
トを表す。その配列またはその一部は、一般にハイブリ
ダイゼーションの時点では一本鎖である。標的ヌクレオ
チド配列が特定の染色体の1領域または1画分のみに位
置する場合、“標的領域”という語が適用されることが
ある。特定の検体または試料がプローブ組成物に対して
標的相補性であるヌクレオチド配列を1または2以上含
むという疑いがあるにすぎない場合、本明細書中では時
に“標的”または“標的組成物”などという一般的な用
語が用いられる。
“ハイブリッド”という語は、プローブと標的とのハ
イブリダイゼーション処理生成物を表す。一般にハイブ
リッドは、相補的に対合した一本鎖分子、たとえばDNA2
分子(その一方は標的DNAヌクレオチド配列であり、他
方はプローブの標識DNAヌクレオチド配列である)から
なる二本鎖らせん状部分を含む分子である。
“蛍光(およびこれに類する用語)”という語は、一
般的に物質(たとえば発蛍光団)が放射エネルギー、た
とえば紫外線またはX線の作用を受けた際に光を発する
性質に関するものである。
本明細書中で用いる“蛍光性化合物”または“発蛍光
団”という語は、一般に有機化合物の部分を表す。蛍光
性化合物は結合基と反応することができ、発蛍光団は既
にそれと反応したものであろう。
“連結化合物”または“結合基”という語は、炭化水
素の部分を表す。結合用化合物はヌクレオチド(または
ヌクレオチド配列)と反応することができ、結合基は既
に反応したものであろう。連結化合物は蛍光性化合物と
も反応することができ、結合基は既に反応したものであ
ろう。
“in situハイブリダイゼーション”という語は、細
胞検体または組織検体内に存在する標的に対するプロー
ブのハイブリダイゼーション、および好ましくは検出に
関するものである。in situハイブリダイゼーション処
理の結果として、プローブ(またはプローブ組成物)と
標的(1または2以上)との間でハイブリッドが形成さ
れる。この“in situハイブリダイゼーション”という
語は、本明細書においては標的へのプローブのハイブリ
ダイゼーション後に実施されるハイブリッドまたはプロ
ーブの検出処理をも含みうる。検体をスライドの表面に
層として付着させることができる。また検体は、たとえ
ば変性条件下および標的へのプローブのハイブリダイゼ
ーション後に実施されるフローサイトメトリー分析に際
して一般に付与される条件下に、それらの形態を維持す
るように処理された個々の染色体または染色体領域から
なるか、またはそれらを含むことができる。“in situ
ハイブリダイゼーション”という語には、対比染色が含
まれるであろう。本発明の発蛍光団標識されたプローブ
またはプローブ組成物の場合、検出法は蛍光顕微鏡検
査、フローサイトメトリーなどを含みうる。
“ハイブリダイゼーション条件”という語は、ハイブ
リッドを形成するための特定のハイブリダイゼーション
処理に用いることができる条件の組み合わせ全般に関連
するものであり、それらの条件は一般に制御された温
度、液相、およびプローブ(またはプローブ組成物)と
標的組成物との接触を伴う。簡便には、また好ましく
は、プローブまたはプローブ組成物を標的に接触させる
段階に先立って、少なくとも1回の変性段階が行われ
る。あるいはDNA標的領域を含む検体とプローブとを接
触させ、両者を一緒に変性条件下に置くこともできる
(バット(Bhatt)ら、Nucleic Acids Research 16:395
1−3961の記載に従う)。変性および後続のプローブ
(またはプローブ組成物)と標的とのハイブリダイゼー
ションに必要な温度条件を低下させるのに有効な物質
(1または2以上)の存在が一般に好ましく、現在最も
好ましいこの種の物質はホルムアミドである。たとえば
約50:50の重量比の水とホルムアミドの混合物を用いる
と、熱変性のための温度はたとえば約35−約70℃であ
り、これがたとえば約1−約10分間適用され、プローブ
(またはプローブ組成物)と標的との接触およびハイブ
リダイゼーションのための温度はたとえば約35−約55℃
であり、これがたとえば約1−約16時間適用される。他
のハイブリダイゼーション条件も採用しうる。プローブ
の個数と標的配列または標的セグメントの個数との比は
広範に及びうるが、一般にこの比が高いほど、限定され
たハイブリダイゼーション条件下でのハイブリッド形成
の確率は高くなる。
本明細書中で個々の化合物、基または遊離基に関して
用いる“低級”という語は、これらの化合物、基または
遊離基が6個以下の炭素原子を含むことを意味する。
“クローン化する”、“クローニング”またはこれに
類する語は、特定のヌクレオチドセグメントまたはヌク
レオチド配列を適宜なベクターに挿入し、次いで宿主細
胞内へ導入し、次いで宿主細胞内のベクターを培養過程
で再生させ、これによりベクターおよびそれが保有する
各ヌクレオチド配列それぞれの多数のコピーを産生させ
る過程を表す。クローニングにより、特定のヌクレオチ
ドセグメントまたはヌクレオチド配列を含むベクターの
コピー1または2以上をそれぞれが内包する均等な宿主
細胞のコロニーまたはクローン(すなわち群)が形成さ
れる。この時点でこのヌクレオチドセグメントまたはヌ
クレオチド配列は“クローン化された”と言われ、産生
されたヌクレオチドセグメントまたはヌクレオチド配列
を“クローン”と呼ぶことができる。
“ライブラリー”という語は、本明細書中では一般的
な意味で用いられ、一緒になって全ゲノムまたはその特
定のフラグメント、たとえば単一染色体を形成する1組
のクローン化されたDNAフラグメントを表す。各種のラ
イブラリーが先行技術において知られており、各所の寄
託所から入手することができ、ゲノムおよびゲノムフラ
グメントの調製法、ならびにそれに由来するライブラリ
ーのクローニング法は周知である。現在、処理の上で好
ましいのは、流動選別などにより分離された選ばれた1
染色体をフラグメント化することである。クローニング
する前のフラグメント化は、好ましくは制限エンドヌク
レアーゼなどを用いる消化により達成される。この方法
により、特にベクターの挿入を受けやすいフラグメント
末端が形成される。ただしフラグメント化のための常法
または好都合な方法をいずれも採用しうることは、当業
者には自明であろう。次いでフラグメントを常法により
クローニングして、染色体ライブラリーを調製する。
(B)出発物質 (1)出発オリゴヌクレオチド 本発明の位置特異的クローン化DNAを製造する実験に
おいて、便宜上および好ましくは、少なくとも1種類の
オリゴヌクレオチドを用いる。このようなオリゴヌクレ
オチドはそれぞれ、染色体の予め選択された領域に存在
するDNA配列中の部位に対して相補的であり、そしてこ
のような予め選択された領域に存在している隣接したDN
A反復セグメントの間にほぼ位置している。単一のオリ
ゴヌクレオチドのみで十分であるが、与えられた染色体
の予め選択された領域に対して特異的なDNA反復セグメ
ントを結合した(すなわち、末端とする)少なくとも2
種類の構造的に異なる短い(すなわち、オリゴマーの)
一般的なDNA反復セグメントのオリゴヌクレオチド混合
物が現在のところ好適である。
個々のヒト染色体に関して、このようなDNA配列に存
在するこのよな縮重した(すなわち、合成可能な)一般
的に存在するオリゴヌクレオチドセグメントの構造は、
概して、それらを識別するための方法と同様に知られて
いる。例えば、コッホ(Koch),J.E.ら、Chromosoma 9
8:259〜265(1989)を参照されたい。典型的に、このよ
うなDNA反復セグメントに対して相補的な適当な合成オ
リゴヌクレオチドは、約17〜約50bp、好ましくは、約15
〜約30bpを有することができるが、所望ならば、更に大
型および更に小型のオリゴヌクレオチドを製造し且つ用
いることができる。
既知の識別方法は、当業者に容易に理解されるよう
に、何等かの多重染色体ゲノムにおいて、染色体のある
与えられた領域に存在するDNA反復セグメント、例え
ば、動原体領域中のアルフォイドDNAを識別するのに容
易に用いることができる。このような識別により、ある
与えられた染色体に関して望ましい相補的オリゴヌクレ
オチドセグメントを誘導し且つ合成することができる。
このようなDNA反復セグメントが天然に存在しているDNA
配列の完全なヌクレオチド構造は、当業者に容易に理解
されるように知る必要はないし、実際に通常は知られて
いない。
いったん誘導されると(すなわち、識別されると)、
オリゴヌクレオチドは従来の商業的に入手可能なヌクレ
オチド配列生成装置および方法を用いて容易に合成され
る。例えば、M.H.カルサーズ(Caruthers)、Science,2
81〜285(1985)を参照されたい。一つの現在好ましいD
NA合成機は、アプライド・バイオシステムズ(Applied
Biosystems)(フオスター・シティー、Ca)から商業
的に入手可能なアプライド・バイオシステムズ38D B
型DNAシンセサイザーである。本明細書中に記載の実施
例で用いた出発オリゴヌクレオチドの合成にはこの種の
機械を用いた。
(2)出発染色体鋳型DNA 本発明の実施において用いられる出発染色体DNA鋳型
配列は、予め選択された領域が存在している(多重染色
体ゲノムの)予め選択された全染色体からのDNAを含
む。この鋳型DNAは、典型的に、この種の染色体中およ
びその至る所の様々な部位に別個に存在し、しかも予め
選択された染色体に存在しているDNAを適当に代表する
ものである多数のDNAセグメントを一緒になって含む多
数のDNA配列の形である。その天然に存在する状態にお
いて、このような出発DNA配列は、典型的に、約100万塩
基対よりはるかに大きい寸法を有することがあるが、本
発明の実施において出発物質として用いるために有効な
時間中に、このような配列は、分離、単離等で用いられ
る方法などの因子に応じて既にある程度フラグメント化
されていてよい。好ましくは、このような染色体はヒト
ゲノム由来である。
本発明のクローン化DNA配列を製造するために、1種
類または複数の出発染色体DNA配列を種々の技法によっ
て得ることができる。例えば、この種のものは、(a)
生物の細胞内成分物質から流動選別等によって分離され
且つ精製される予め選択された染色体のDNA;(b)予め
選択された染色体のライブラリー;および(c)予め選
択された染色体からのDNAを組込む種間雑種に由来する
かまたはそれから得ることができる。現在好ましい出発
染色体DNAは、標準的な方法によって製造された染色体
ライブラリーであり、当業者に知られている伝統的な
源、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ション(American Type Culture Collection)(ATC
C)またはヒト若しくは他のクローン化遺伝物質の他の
貯蔵所から入手可能である。多数の特異的染色体ライブ
ラリーがATCCから入手可能であり、代表的なライブラリ
ーを下記の表Iに示す。
表IのATCC寄託は、アメリカン・タイプ・カルチャー
・コレクション、パークローン・ドライブ12301、ロッ
クビル、メリーランド州から入手可能である。
本発明の位置特異性DNA配列を製造するのに適当な出
発の予め選択された染色体鋳型配列の製造を例証する先
行技術内容の例としては(制限されないが)下記があ
る。
1.M.A.ヴァン・ディラ(Van Dilla)ら、Bio/Technogy
4:537〜552(1986)の場合と同一のものに由来する物
理的に分離された染色体またはライブラリー。
2.ルーデッケ(Ludecke),L.J.ら、Nature 338:348〜3
50(1989)の場合と同一のものに由来する顕微解剖染色
体、染色体のフラグメントまたはクローン化ライブラリ
ー。
3.齧歯類動物細胞系において増殖される単一ヒト染色体
またはそれらのフラグメント。ヒト単染色体雑種系の発
生法は、カーロック(Carlock),L.R.ら、Somatic Cel
l Mol.Gent.12:163〜174(1986)に記載されている。
出発染色体DNAは、典型的に、そこに存在しているデ
オキシヌクレオチドの全数に基づく約18〜約25モル%の
デオキシシチジンヌクレオチドを含む。典型的に、予め
選択された領域が存在している予め選択された単一染色
体の出発鋳型染色体DNAは、分子寸法の広範な変動を示
し、例えば、その寸法は約150〜約20,000,000bpの範囲
でありうる。
(3)出発連結化合物 本発明の実施において用いられる出発連結化合物は二
官能性有機化合物であり、すなわち、この種のものは出
発連結化合物1分子当り2個の置換基機能(すなわち、
反応性)置換基を有する。
連結化合物分子ごとのこのような官能性置換基の少な
くとも一方は、(例えば、本明細書中で提供されるよう
な)重亜硫酸塩に触媒された水性アミノ基転移条件下に
おいて、ポリヌクレオチド中のデオキシシチジンヌクレ
オチドと反応性である。このような置換基の例として
は、アルキル(第一級および第二級)アミノヒドラジ
ド、セミカルバジド、チオセミカルバジド等がある。ア
ミノ基が現在のところ最も好ましい。
アミノ基が第二級である場合、第二級置換基は低級ア
ルキル基であるのが好ましいが、所望ならば、他の非保
護のこのような第二級置換基を用いることができる。
連結化合物分子当り2個のこのような官能性置換基の
第二のもう一方は、(本明細書中に記載の)出発蛍光化
合物中にそれ自体組込まれている第三の官能性置換基と
反応性である。このような第二官能性置換基はそれ自体
保護されるかまたは保護されないことがある。第二置換
基が保護されない場合、それは、アミノ基転移の際にア
ミノ基転移媒質中に存在している他の物質(特に、ポリ
ヌクレオチド)と実質的に非反応性である。第二置換基
が保護される場合、それは、アミノ基転移の際にアミノ
基転移媒質中に存在している他の物質(特に、ポリヌク
レオチド)と実質的に非反応性である。
適当な非保護第二官能性置換基の例としては、アミ
ノ、カルボキシル、リン酸塩、スルホン酸塩、ヒドロキ
シル、ヒドラジド、セミカルバジド、チオセミカルバジ
ド等がある。現在のところ最も好ましい非保護第二官能
性置換基としては、(第一級および第二級)アミノ基お
よびカルボキシル基がある。
カルボキシル基は塩の形かまたは酸の形であるのが好
ましいが、時々エステルの形でありうる。塩の形である
場合、現在好ましい陽イオンはアルカリ金属、例えば、
ナトリウムおよびカリウムである。
適当な保護された第二官能性置換基の例としては、保
護されたスルホン酸塩、保護されたリン酸塩、保護され
たスルフヒドリル等がある。
適当な保護置換基の例としては、低級アルキル基、例
えば、メチル、エチル、プロピル等がある。
第一および第二官能性置換基はリンカー(または結合
性)部分を介して互いに連結している。この結合性部分
は何等かの好都合な構造を有することができるが、この
種のものは、アミノ基転移の際にアミノ基転移媒質中に
存在している他の物質と非反応性である。現在好ましい
のは、結合性部分が、非環状または環状であり且つ場合
により他の原子を組込むことができる炭化水素の二価の
基であるということである。
このような二官能性連結化合物中に存在する2個の官
能性置換基は結合性部分のそれぞれの置換基でありう
る。このような置換基は、互いに相対して隣接した炭素
原子上にあることができるし、またはそれらは多数の介
在する連結原子(好ましくは、炭素原子)によって連結
化合物分子中で互いに間隔をおいていることができる。
好ましくは、これらの官能基は、ある与えられた結合性
化合物分子中で互いにα、ω関係にある(すなわち、そ
れぞれ異なる反対側の末端領域にある)。
したがって、連結化合物中の2個の官能基は、完全に
炭化水素である(すなわち、炭素原子および水素原子の
みから成る)かまたは炭素原子および水素原子と、少な
くとも1個の追加の原子若しくは酸素、硫黄、窒素、リ
ン等から成る群より選択される少なくとも1個の原子を
含む基とから成る有機結合性基部分にそれぞれ結合して
いる。好ましくは、このような追加の1個または複数の
原子は、ある与えられた出発連結化合物中に存在するこ
のような上記の2個の官能基のどちらか一方よりも実質
的に反応性が劣っているようにこのような有機部分と関
係している。飽和脂肪族である炭化水素有機部分が現在
のところ好ましく、更に好ましくは、この種の残基は2
〜12個までの炭素原子を有する二価のアルキレン基であ
る。しかしながら、所望ならば、このような飽和脂肪族
基は、少なくとも1個のエーテル基(−O−)かまたは
少なくとも1個のチオ−エーテル基(−S−)を組込む
ことができるが、このようなエーテル基またはチオエー
テル基の一方のみが存在するのが現在のところ更に好ま
しい。結合性化合物は、少なくとも2個〜ほぼ全部で約
20個以下の炭素原子を有する有機基を組込むことが現在
好ましいが、所望ならば、分子当り更に多い炭素原子が
存在しうる。
現在好ましいのは、このような官能基がそれぞれアミ
ノ基である連結化合物である。非環状および環状ジアミ
ノ化合物の両方を用いることができる。
適当な脂肪族第一級ジアミンの例としては、アルキレ
ン基がプロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレ
ン、ノニレン等であるアルキレン第一級アミンがある。
適当な脂肪族第二級ジアミンの例としては、 CH3NH(CH22NH2、CH3NH(CH22NHCH3等がある。ヒド
ロキシル化炭化水素を組込んでいるジアミノ化合物を用
いることができる。非環状のこのような化合物の例とし
ては、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン;1,4−
ジアミノ−2,3−ジヒドロキシブタン;1,5−ジアミノ−
2,3,4−トリヒドロキシペンタン;1,6−ジアミノ−1,6−
ジデオキシ−D−マンニトール(またはD−グルシトー
ル若しくはD−ガラクチトール)、1,6−ジアミノ−2,
3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン等がある。
適当なポリヒドロキシル化環状次元の例としては、ジ
アミンが環に拘束されているシスまたはトランス環状ジ
アミノ化合物、例えば、1,4−ジアミノ−2,3,5,6−テト
ラヒドロキシシクロヘキサン、シスおよびトランス−1,
2−ジアミノシクロヘキサン、シスおよびトランス−1,2
−ジアミノシクロペンタンおよびそれらのヒドロキシル
化誘導体、例えば、1,2−ジアミノ−3,4,5,6−テトラヒ
ドロキシシクロヘキサン、1,2−ジアミノ−3,4,5−トリ
ヒドロキシシクロペンタン、ミオ−イノシトールの3,6
−ジアミノ−3,6−ジデオキシ誘導体、例えば、 等がある。
適当な複素環式ジアミンの例としては、ピペラジン、
N,N′−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、それ
らの誘導体等がある。
適当なエーテル基含有ジアミンの例としては、3−オ
キソ−1,5−ペンタンジアミン、3,6−ジオキソ−1,8−
ジアミノオクタン等がある。
アミノ基およびカルボキシル基両方を含む適当な連結
化合物の例としては、アミノ酸、例えば、サルコシン
(N−メチルグリシン)およびαアミノ酸、例えば、グ
リンシン、アラニン、グルタル酸、アスパラギン酸、プ
ロリン、ピペコリン酸(ピペリジン−2−カルボン
酸)、イソピペコリン酸(ピペリジン−4−カルボン
酸)、グルコサミン酸およびそれらの誘導体等がある。
α、ωアミノカルボン酸の例としては(前記に定義の
アミノ酸に加えて)、4−アミノ酪酸、6−アミノヘキ
サン酸、8−アミノオクタン酸等がある。
リン含有二官能性連結化合物の例としては、α、ωア
ミノアルキルリン酸、モノエステル、例えば、0−(2
−アミノエチル)リン酸二ナトリウム塩等がある。
適当な硫黄含有二官能性連結化合物の例としては、
α、ωアミノアルキルスルホン酸、例えば、タウリン
(2−アミノエチルスルホン酸)等がある。
一つの現在更に好ましい種類の二官能性連結化合物
は、下記の一般式 (式中、Xは、 から成る群より選択される二価の基であり; Rは、2個〜12個までの炭素原子を有するアルキレン
基またはヒドロキシル化された炭素環状環であり、そし
て R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、低級アルキル
から成る群より選択される) によって表わされる。
好ましくは、式(1)において、Rは7個以下の炭素
原子を有し、R1およびR2はそれぞれ水素であり、Xは、 であり、R1およびR2はそれぞれ水素であり、そしてRは
7個未満の炭素原子を有する。
種々の連結化合物の混合物、例えば、モノおよび/ま
たはジアミンの混合物含む連結化合物を用いることがで
きるが、このような混合物は、アミノ基転移の制御およ
び使用法に関係した問題ゆえに好ましくない。
ジアミンの大部分が約7のpH値で遊離した非プロトン
化種として存在していることを特徴とするジアミンは、
本アミノ基転移反応を促進させると考えられる。エチレ
ンジアミン(pK約7.6)は、この性質ゆえに反応性二官
能性アミンとして用いるのに現在最も好ましい。
例えば、以下に記載したように、このような連結化合
物をアミノ基転移反応を用いてDNA配列に結合させる場
合、そのアミノ基転移反応は、連結化合物中のアミノ基
がその配列またはセグメントに対して結合するように実
施される。次に、得られた結合性基において一方の官能
基は遊離した状態のままであり更に反応する。例えば、
第二官能基がアミノ基である場合、このような基は遊離
した状態のままであり、その後以下に記載したように蛍
光化合物と更に反応する。第二官能基がカルボキシル基
である場合、このような基は遊離した状態のままであ
り、その後以下に記載したように蛍光化合物と更に反応
する。
(C)クローン化された部分的染色体配列の製造 本発明は、(a)多重染色体ゲノムからであるのが好
ましい一つの選択された染色体の一つの選択された領域
に存在するDNA配列に対して相補的であり、そして更
に、(b)このような一つの選択された領域に存在する
少なくとも1種類のDNA反復セグメントの多数のコピー
を組込んでいるクローン化DNA配列を製造する方法を提
供する。
簡単にいうと、この方法は、第一工程として、(前記
に記載の)少なくとも1種類の出発オリゴヌクレオチド
を合成することを含む。このようなオリゴヌクレオチド
はそれぞれ、このような一つの領域に存在している少な
くとも1種類のDNA反復セグメントに対して相補的であ
るヌクレオチド配列を含む。次に、1種類または複数の
このような出発オリゴヌクレオチドを用いて、選択され
た領域が存在している全染色体の出発染色体DNAを酵素
的に増幅させるが、このような出発染色体DNAは前記の
通りである。1種類または複数のオリゴヌクレオチドを
プライマー組成物として用い、そして全染色体DNAを鋳
型として用いる。このようにして、このような一つの領
域に存在しているDNA反復セグメントの増幅された一群
のコピーが製造される。次に、このような一群の増幅さ
れたDNA反復セグメントコピー、それらの分離され且つ
サンプリングされたコピーの群を製造する。これらのサ
ンプリングされ分離されたコピーを別個に標識し、そし
て全ゲノムを代表している成分DNAから成る標的のそれ
ぞれの標品とハイブリッド形成させてハイブリッドを形
成するようにする。このようなハイブリッドから、一つ
の選択された領域にのみ存在するDNA配列を識別し且つ
選択し、そしてそれらのコピーを培養し且つ使用のため
に抽出する。
一つの染色体の一つの選択された領域に存在している
本発明のクローン化DNA配列を製造するのに用いられた
種々の成功した工程をほぼ自明の図2Aおよび図2Bにおい
て例証するが、そこにおいて、処理工程はそれぞれ実線
で描かれた標題付きの枠で示され、そして若干の具体的
な材料(「ゲノム」および「DNA配列」)はそれぞれ、
個々に破線で描かれた標題付きの枠で示されている。図
2Aおよび図2B(2A/2B)において、線の分岐を接続する
若干の位置に「A」という文字があるのは、(経路の組
合せ、混合等とは異なるような)別の経路の存在を示し
ている。更に、一つ一つの枠には、下記の説明において
参照するための番号が付けられている。
本明細書中に記載したように製造される本発明のクロ
ーン化DNA配列は、典型的に多重染色体である(すなわ
ち、生物学的由来が真核性である)特定のゲノムの一つ
の染色体の一つの選択された領域に存在するDNA配列に
対して相補的である(すなわち、実質的に正確且つ完全
なその複製物である)。更に、このようなクローン化DN
A配列はそれぞれ、それらに組込まれた少なくとも1種
類、好ましくは複数(すなわち、少なくとも2種類)の
DNA反復セグメント、更に好ましくは少なくとも5種類
の異なるDNA反復セグメントを含む。このようなクロー
ン化DNA配列、その中にある1種類または複数の個々のD
NA反復セグメントおよび、セグメントヌクレオチド配列
のような他の変異体の寸法(すなわち、含まれているヌ
クレオチドまたは塩基対の数);各配列におけるセグメ
ント配置;並びにDNA配列中のDNA反復セグメントの数等
は、典型的に知られていないが、しかしながら、このよ
うな情報は本発明を実施するためには知られている必要
がない。単一のこのようなクローン化DNA配列は、少な
くとも約1000bpのヌクレオチド配列を含むことができる
が、通常、約100,000bp以下である。例示的には、染色
体の単一領域に存在しうる単一のアルフォイドDNA配列
中には、約20,000bp〜無数の塩基対を含むことができ
る。2種類以上のDNA配列が選択された染色体領域中に
存在することがある。
更に具体的に、本発明のクローン化DNA配列を製造す
るには、一つの選択された染色体の一つの選択された領
域の少なくとも1種類のDNA配列中に存在している少な
くとも1種類のDNA反復セグメントの一部分に対して相
補的である少なくとも1種類の一般的に存在するオリゴ
ヌクレオチドを(前記のように)予め合成する(図2A/2
Bの枠10を参照されたい)。ヒトゲノムが現在のところ
好ましく、多数のアルフォイドDNA反復セグメントを含
む染色体領域が現在のところ好ましい。
単一の出発オリゴヌクレオチドセグメントのみを本発
明の実施においてプライマーとして用いることができる
が、酵素的増幅において現在好ましいのは、少なくとも
2種類、更に好ましくは少なくとも5種類であるが、概
して約64種類以下のオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌ
クレオチドの混合物を用いることである。様々な数のオ
リゴヌクレオチドをこのような出発オリゴヌクレオチド
混合物中で用いることができる。ある与えられたオリゴ
ヌクレオチド混合物中のこのような個々に異なるオリゴ
ヌクレオチドの一つ一つの重量比は、典型的に、それら
が合成された既知の方法のためにほぼ等しい。何等かの
ある選択された領域中のDNA反復セグメントの配列につ
いての先行情報が存在しない場合、何等かの与えられた
オリゴヌクレオチドの補足物のいくつのコピーが何等か
の与えられた配列または染色体領域中に存在するかとい
うことを正確に予想する方法は今のところ知られていな
い。酵素的増幅のための一般的な要件は、標的鋳型に対
して十分に相補的であり、反応で用いられるアニーリン
グ条件下でハイブリッド形成しうるプライマーが、有用
であるのに十分に多数の鋳型のコピーを合成させるのに
十分な量で存在しており、それによって鋳型配列の再現
および検出可能な増幅を達成することである。
出発DNA配列中の位置的縮重のために構造的相違が生
じる場合、最も好ましく実施されることは、約8種類の
オリゴヌクレオチドを含む一方の鎖に対するプライマー
セットおよび約12種類のオリゴヌクレオチドを含むもう
一方の鎖に対するプライマーセットを用いることであ
る。概して、アルフォイドDNA反復セグメントが好適で
ある。したがって、現在最も好ましい出発オリゴヌクレ
オチドは、具体的には、完全な多重染色体ゲノム、最も
好ましくはヒトゲノムの特定の選択された染色体の動原
体のαサテライトDNA反復セグメント領域中のDNA反復セ
グメントに対して相補性である。
本発明の実施において用いるのに、当業者に理解され
るように、1種類または複数のオリゴヌクレオチド濃度
がDNAの酵素的増幅反応を実施するのに用いられる方法
と一致している水性分散または組成物としてこのような
1種類またはそれ以上のオリゴヌクレオチドを最初に製
造することが現在のところ好都合であり且つ好適であ
る。
このような出発オリゴヌクレオチド組成物を酵素的DN
A増幅法においてプライマー組成物として用い、そこに
おいて鋳型は、選択された領域が存在している一つの完
全な選択された染色体を代表するDNA組成物である。DNA
鋳型は、選択されたゲノムから選択され且つ製造される
(図2A/2Bの枠11を参照されたい)。したがって、例え
ば、このような染色体鋳型組成物は、下記、すなわち、
(a)流動選別等によってゲノムから単離することがで
きる一つの染色体(図2A/2Bの枠12を参照されたい)
(b)一つの染色体を一緒になって含むDNAフラグメン
トであって、機械的に(すなわち、音波処理等)または
酵素的に製造することができる該フラグメント(図2A/2
Bの枠13を参照されたい)または(c)一つの染色体の
ライブラリーであって、染色体のDNAフラグメントをク
ローニングすることによって製造することができる該ラ
イブラリー(図2A/2Bの枠14を参照されたい)の内の一
つを含み且つそれに基づくことができる。好ましくは、
出発鋳型組成物は、当業者に理解されるように、鋳型DN
A濃度および条件が、酵素的増幅法を実施するのに用い
られる特定の方法と同様に一致している水性分散の状態
である。
現在好ましいのは、染色体DNAフラグメントが約150〜
約600,000bpの寸法範囲、更に好ましくは、約150〜約3
5,000bpの範囲、そして最も好ましくは、約150bp〜約1
0,000bpである染色体ライブラリーを鋳型として用いる
ことである。このようなDNAフラグメント寸法範囲は、
当業者に理解されるように、細菌かまたは真菌宿主での
増殖用に現在一般的に利用可能なベクター種の種々のメ
ンバーと一緒に用いることができる。
酵素的増幅法において、プライマーは、鋳型ヌクレオ
チド配列区域において見出されるDNA反復セグメントの
正確なコピーであるDNA反復セグメントを製造するため
の「構造ブロック」として用いられ、このような区域は
プライマー配列に対して相補的である。DNAの酵素的増
幅法(図2A/2Bの枠15を参照されたい)は、例えば、周
知のいわゆるポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を用いる
ことによって実施することができる。例えば、適当な一
般的に利用可能なPCR装置および方法は、パーキン・エ
ルマー・シータス(Perkin Elmer−Cetus)(ノーウォ
ーク、CT)から入手可能であり、例えば、パーキン・エ
ルマー・シータスDNAサーマル・サイクラー(Thermal
Cycler)およびそれと一緒に提供された操作用取扱い説
明書である。用いられる試薬は、いわゆるパーキン・エ
ルマー・シータス「ジーン・アンプ(Gene Amp)」キ
ットの形でありうる。このような装置および試薬を以下
に記載した実施例で用いた。K.B.マリス(Mullis)ら、
Methods in Enzymology 155:335〜350(1987)も参
照されたい。
現在好ましいのは、DNAの酵素的増幅法を自動的にま
たは半自動的に行なうことおよびある与えられた手順に
おいて各サイクル時間が約2〜約6分間の範囲である少
なくとも約20サイクルの増幅を用いることである。好ま
しくは、最終サイクルは前のサイクルに相対して幾分延
長される。増幅生成物は、特徴的に、一つの染色体の選
択された一つの領域に主として存在するDNA反復セグメ
ントのコピーを含むDNAポリヌクレオチドの混合物(ま
たはクラス)である。したがって実際上、選択された領
域は、オリゴヌクレオチドが主として存在している染色
体中の位置によって決定される 一つの染色体のDNA反復セグメントのコピーのこのよ
うに得られた酵素的増幅クラスを、便宜上、例えば、フ
ェノールおよびクロロホルム等のような溶媒混合物で抽
出した後にエタノール等で沈殿させることによって慣用
的に分離する。混合物はフラグメント化することができ
る。生成物混合物を、便宜上および好ましくは、相溶性
滅菌水性担体媒質中に、好ましくは、本明細書中に記載
の引続きの使用に好都合である濃度で懸濁させる。この
ような生成物混合物組成物中において、典型的におよび
好ましくは、DNAセグメントはそれぞれ約170〜約3000bp
を有することができるが、更に大型および更に小型のセ
グメントを用いることができる。
次に、位置決定法は、選択された一つの染色体の一つ
の選択された領域中に特徴的に見出される一群の(すな
わち、複数の)個々のDNAセグメントを選択し且つそれ
をサンプリングすることが試みられる。この位置決定法
は、酵素的に増幅されたクラスのDNAセグメントを用い
て行なわれる。その方法は、宿主細胞の個々のコロニー
メンバーが、一つの選択された染色体の少なくとも一つ
一つのベクターDNA反復セグメントを組込んでいるクロ
ーンコロニーのクラスを用いる。当業者は、種々の位置
決定法を用いることができることを理解する。2種類の
この種の位置決定法が現在好適であり、それぞれのこの
ような方法をここに記載し、そして更に、図2A/2Bで示
した2種類のそれぞれの別の経路によって例証するが、
一方の方法および経路(すなわち、多数の処理工程枠)
は前に付けた数字1で、そしてもう一方は前に付けた数
字2で定義される。
現在用いられる好ましい位置決定法において、クロー
ンコロニーのクラスの個々のメンバークローンコロニー
は、好ましくは、凝固した細胞培地の平らな表面部分に
おいて互いに不連続的に(すなわち、別個に)維持され
る。したがって、個々のコロニーはそれぞれ、多数の実
質的に同一の宿主細胞を含む。
このような酵素的に増幅された生成物はそれ自体種々
の異なるヌクレオチド配列の混合物であるので、そして
それぞれのベクターは典型的に単一のヌクレオチド配列
のみを組込んでいるので、このような酵素的に増幅され
た生成物を組込むベクターの群はそれ自体が混合物また
はクラスである。しかしながら、個々のコロニーそれぞ
れの細胞中のベクターは互いに同一である。本発明にお
いて用いられる選択法で用いられるクローニング処理
は、個々のベクターDNA配列の望ましい選択を達成する
能力を増大させるように適応される。
例えば、現在好ましい位置決定法の一つにおいて、DN
A反復セグメントのコピーの酵素的に増幅されたクラス
をクローン化する(図2A/2Bの枠1.16を参照された
い)。用いられるクローニング操作は、 (a)酵素的に増幅されたDNA反復セグメントクラスの
個々のメンバーを個々のベクターそれぞれに挿入し、 (b)該ベクターを宿主細胞中に宿主細胞当りベクター
約1個の比率で輸送し、 (c)そのように輸送された宿主細胞を凝固した細胞コ
ロニー培地上に播種し、そして (d)そのように播種された宿主細胞を培養して、培地
表面に分布した別個のクローン化コロニーの宿主細胞ク
ラスを製造し、それぞれのコロニーはその中に組込まれ
た個々のベクターDNA反復セグメントを主として含む 工程を用いる。
簡単にするために、クローニングにおけるこれらの工
程は図2A/2Bの別々の枠によって詳述されていないが、
枠1.16を用いて全部の操作を示している。
DNAセグメントの酵素的に増幅されたクラスをクロー
ニング用に製造するために、メンバーDNAセグメントを
制限酵素で予め消化して、個々のベクター中に組込まれ
ることができるヌクレオチド配列フラグメントを製造す
ることができる。現在好ましいのは、寸法が約170〜約3
000bp、最も好ましくは、約1500〜約3000bpの範囲のセ
グメントフラグメントを用いることであるが、更に大き
いおよび更に小さい寸法を用いることができる。何等か
の与えられた状況におけるフラグメント寸法の選択は、
当業者に理解されるように、多数の変数、例えば、用い
られるベクター、得られた生成物の最大寸法、酵素的増
幅生成物の挿入に利用可能な制限部位等によって影響さ
れる。
所望ならば、例えば、クローニング法、例えば、制限
酵素等による介在処理を伴うことなくゲノムDNAからの
酵素的に増幅された核酸の直接クローニングを可能にす
る、サン・ディエゴ、カリフォルニア州のインビトロジ
ェン・コーポレーション(Invitrogen corporation)
によって広告され且つ「TAクローニング」と称される方
法を用いることができる(インビトロジェン・コーポレ
ーション、Science 251,609(1991年2月8日)の広告
を参照されたい)。
クローニングベクターとして、プラスミド、例えば、
識別コードpUC18、pUC19、pBS1、pGEM3等によって識別
されるプラスミドを用いることが現在好適であり、それ
らはいずれも種々の市販元から入手可能である。DNAの
酵素的に増幅されたクラスの個々のメンバーの挿入はそ
れぞれの個々のベクター中に反復し、そしてこのような
ベクターの宿主細胞中への形質転換は慣用的に達成され
る。
現在好ましい宿主細胞は細菌であり、そして現在特に
好ましい細菌は、便利さ、入手可能性および信頼性の理
由で大腸菌(E.coli)である。輸送された宿主細胞の播
種は慣用的に達成され、そして凝固した細胞コロニー培
地は慣用的でありうる。感応大腸菌宿主細胞の製造法お
よび形質転換法並びに組換体プラスミドまたは繊維状フ
ァージの単一種で形質転換された細胞集団を単離するの
に必要な引続きの寒天平板培養工程は、例えば、J.サム
ブルック(Sambrook)らによる、コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press)、コールド・スプリング・
ハーバー、N.Y.(1989)によって公開された「分子クロ
ーニング、実験室マニュアル(Molecular Cloning:A
Laboratory Manual)」、第2版,1.35〜1.84頁および
4.21〜4.36頁に記載されている。
このようにして、固体様培地の表面上部分に分布して
いるコロニーの宿主細胞クラスが製造され、そのコロニ
ーメンバーが一緒になって、酵素的に増幅されたDNA配
列のクラスのメンバーのものと同一のベクターDNA配列
を含む。しかしながら、各メンバーコロニーの宿主細胞
は、コロニークラスの他のコロニー中に含まれたベクタ
ーDNA配列とは統計的構造的に異なる一つの特定ベクタ
ーDNA配列のみを主として組込む。
次に、コロニークラスを試料採取する(図2A/2Bの枠
1.17を参照されたい)。宿主細胞の少量の典型的な試料
を多数のコロニーそれぞれから得た後、このような細胞
試料それぞれを個々に培養する(すなわち、発酵させ
る)(図2A/2Bの枠18を参照されたい)。従来のコロニ
ーランダム試料採取技術を用いることができる。培地を
含む培養手順はそれぞれ、前記で参照したサムブルック
らの文献に記載されたのと同様でありうる。
このようにして、多数の選択されたおよび別個に増殖
された(すなわち、クローン化された)個々のベクター
DNA反復セグメントが提供される。
第二の現在好ましい選択法において、DNA反復セグメ
ントの酵素的に増幅されたクラスは、プローブ組成物を
製造するように標識される(図2A/2Bの枠2.19を参照さ
れたい)。例えば、標識は、標識されたDNA配列の混合
物から成るプローブ組成物を製造するように、例えば、
放射性同位体、ビオチン、ハプテン抗原等で達成するこ
とができる。
このような標識は、ニックトランスレーション、ラン
ダムオリゴヌクレオチドプライミングおよび当該技術分
野で知られている類似の方法を含む何等かの好都合な方
法によって達成することができる。本発明の実施に用い
られる現在好ましい方法は、酵素的増幅法の際にα32P
dCTPの組込みによってDNA反復セグメントの酵素的に
増幅されたクラスに直接標識を組込むことを行なう。し
たがって、例えば、約100マイクロキュリー(μCi)の
α32P dCTP(デオキシシチジン5′−三リン酸、テト
ラ−トリエチルアンモニウム塩、[α−32P]を、例え
ば、商業的に入手可能である従来のパーキン・エルマー
・シータスPCR反応混合物に対して、そしてこの会社に
よって供給されたPCR装置の添付の文献に記載されたよ
うに加えることができる。当業者に理解されるように、
標識または標識法の結果としての配列相補特性による干
渉はほとんど起こらないはずである。
本位置決定法または選択法の一部分として、一つの選
択された染色体を組込むゲノムのコロニー形成ゲノムラ
イブラリーを得るかまたは製造する。用いられる製造法
は、 (a)該ゲノムをDNA配列および/またはセグメントに
フラグメント化し(図2A/2Bの枠2.20を参照された
い);そして (b)該フラグメントをクローニングして、ゲノムのラ
イブラリーを生成する(図2A/2Bの枠2.21を参照された
い) 工程を用いる。
クローニング法は、DNA反復セグメントの酵素的に増
幅されたクラスに用いられたクローニング法に関して上
記に定義されたのと同一の工程および条件または、所望
ならば別な方法を必要とすることがある。
コロニー形成ゲノムライブラリーは、ニトロセルロー
ス等のような支持体基質を配列(アレイ)させている
(すなわち、その上に分布している)一本鎖DNA配列
(またはフラグメント)の別個のパッチに変換される
(図2A/2Bの枠2.22を参照されたい)。従来のアレイ法
を用いることができる。例えば、ライブラリーアレイの
マスターコピーを生成する。次に、好ましくは、下記の
追加手順の好ましい工程、すなわち、 (a)コロニー形成細胞のマスターコピーライブラリー
アレイを支持体基質上で複製し(図2A/2Bの枠2.23を参
照されたい);そして (b)複製されたライブラリーアレイ中のDNAコピーを
プロセッシングする(図2A/2Bの枠2.24を参照された
い) を用いる。
複製物コピープロセッシングは、枠2.24に示したよう
に、宿主細胞を溶解し、各コロニー区域においてDNAを
変性し、そしてそのDNAを支持マトリックスに固定する
ことを含む。
シートの形の従来の支持体基質を用いることができ、
現在最も好ましい支持体基質シートは、ニトロセルロー
ス、誘導ナイロンまたは同等の材料から成る。例えば、
サムブルックらによる上記に引用した文献の1.90〜1.10
4頁に記載された方法を用いて、栄養寒天プレート上で
増殖した大腸菌コロニーからのDNAを溶解し、変性さ
せ、そしてニトロセルロース膜に固定することができ
る。
次に、本位置決定法において、枠2.19の工程で製造さ
れたプローブ組成物をハイブリッド形成条件下におい
て、図2A/2Bの工程枠2.25で示されたように、このよう
に複製され且つ処理されたライブラリーのこのように処
理された区域それぞれにのDNAを含む標的とハイブリッ
ド形成させる。いずれの好都合なプロトコルも用いるこ
とができる。例えば、スクリーニングプロトコールは、
当該技術分野で知られているいわゆるコロニーハイブリ
ッド形成法において用いられるのと同様でありうる。例
えば、サムブルックらによる上記に引用した文献の1.90
〜1.104頁並びにIRLプレス(Press)によって1985年に
最初に出版されたB.D.ヘイムズ(Hames)およびS.J.ヒ
ギンズ(Higgins)監修のP.J.メーソン(Mason)ら、
「核酸ハイブリダイゼーション(Nucleic Acid Hybri
dization)」の119〜121頁に記載された方法を参照され
たい。
次に、得られたハイブリッド形成DNAおよび雑種を検
査する(図2A/2Bの枠2.26を参照されたい)。得られた
雑種から、複製され且つ処理されたライブラリー中に存
在する特定のDNA反復セグメントを識別する。これらの
反復セグメントは、特徴的に、一つの染色体の選択され
た一つの領域にのみ主として存在する。識別は、雑種形
成によって示したように枠2.19の工程において製造され
たプローブ組成物中のDNAセグメントに相補的であるDNA
セグメントを含むかまたはそれから成るこのようなライ
ブラリー標的DNAフラグメントに基づいている。枠2.26
の工程の検査識別法は、 (a)そのようにハイブリッド形成された基質にX線フ
ィルムによるオートライオグラフ法を行ない、それによ
って、雑種の位置に対応する得られたそのように感光さ
れ且つ現像されたフィルム上に個々の暗色区域を生じさ
せ; (b)フィルム上の個々の暗色区域に関係している複製
された配列中の特定の分離されたDNAフラグメントを最
初に識別し;そして次に、 (c)特定のそれぞれ最初に識別されたDNAフラグメン
トを組込むコロニー形成ゲノムライブラリーのマスター
コピー中のこのような宿主細胞コロニーを二番目に識別
することを用いる。
例えば、最初のおよび二番目の識別は、そのように感
光され且つ現像されたフィルムをマスターコピーの上に
置くことによって達成することができる。
検査および識別法は、好ましくは、最初に上に置かれ
且つそのようにハイブリッド形成された複製物基質に対
して適当に感光される従来の商業的に入手可能なX線フ
ィルムを用いる。当業者に理解されるように、種々の感
光条件を用いることができる。
相補的DNA反復セグメントを含む宿主細胞コロニーメ
ンバーをこのようにして識別した後、宿主細胞の適当な
試料をそのように識別されたコロニーそれぞれから回収
する(図2A/2Bの枠2.27を参照されたい)。
枠2.19の処理工程で製造されたプローブ組成物を用い
る枠2.25の処理工程におけるハイブリダイゼーション用
に枠2.20〜2.24までの処理工程で製造される完全なゲノ
ム由来のライブラリーを用いる代わりに、所望ならば、
特異的部分が一つの選択された出発染色体を含んでいる
このようなゲノムの特異的部分のみを用いることができ
る。例えば、ヒトゲノムの場合、流動選別された染色
体、種間雑種からの染色体DNA等から成るゲノム特異的
部分を用いることができる。
例示すると、特異的部分は、ヒトゲノムから流動選別
によって分離された単一ヒト染色体(図2A/2Bの枠12を
参照されたい)(すなわち、最初に選択されたのと同一
の染色体種)でありうる。次に、この染色体を、例え
ば、枠2.20の処理工程で用いられるのと同様の方法でフ
ラグメント化し(図2A/2Bの枠13を参照されたい)、そ
してそのフラグメントを、例えば、枠2.21の処理工程で
用いられるのと同様の方法でライブラリー中にクローン
化する(図2A/2Bの枠14を参照されたい)。次に、染色
体ライブラリーを、例えば、枠2.22の処理工程で用いら
れるのと同様の方法で配列させ(図2A/2Bの枠2.28を参
照されたい)、例えば、枠2.23の処理工程で用いられる
のと同様の方法で複製し(図2A/2Bの枠2.29を参照され
たい)、そして最後に、例えば、枠2.24の処理工程で用
いられるのと同様の方法で溶解し、変性させ、そして固
定する(図2A/2Bの枠2.30を参照されたい)。次に、枠
2.30の処理工程で製造されたマトリックスを、枠2.25の
処理工程において枠2.19の工程で製造されたプローブ組
成物とのハイブリッド形成条件下でハイブリッド形成す
るための標的複合体として用いる。次に、枠2.26の検査
および識別工程を用い、そして試料クローンを工程2.27
の処理によって回収する。
次に、このように個々に試料採取され且つ回収された
クローンをそれぞれ培養する(図2A/2Bの枠18を参照さ
れたい)。便宜上、培養手順および培地は、枠1.17の工
程(上記)から得られた試料クローンを培養するのに用
いられたのと同様でありうる。このように、経路1かま
たは経路2を行なうことによって多数の選択され且つ別
個に増殖された個々のDNA反復セグメントが提供され
る。便宜上、各経路は同一の終末培養法を用いる(図2A
/2Bの枠18を参照されたい)。
枠18の培養(発酵)工程で製造された個々のクローン
細胞コロニーそれぞれに、便宜上慣用的であり、そして
例えば、サムブルックらにより上記に引用した文献の12
5〜128頁に記載の通りでありうるプラスミド抽出法を行
なう(図2A/2Bの枠31を参照されたい)。次に、このよ
うにして各クローンコロニーから回収されたプラスミド
DNAを、個々の抽出されたプラスミドDNA材料それぞれを
別個のプローブまたはプローブ組成物に変換するように
標識する(図2A/2Bの枠32を参照されたい)。
手順選択の問題として、これらのプローブ組成物で用
いられる標識部分は酵素的増幅を用いる組込みによって
容易に導入されることが現在好ましい。したがって、例
えば、ビオチンに誘導されたヌクレオチドの直接標識が
現在好適である。しかしながら、所望ならば、他のハプ
テンに誘導されたヌクレオチドを用いることができる。
概して、当該技術分野で知られている適当で且つ好都合
な方法はいずれも、このような標識を達成するのに用い
ることができる。
もう一つの現在好ましい標識法は、以下の「プローブ
製造」の項に記載されている発蛍光団直接標識を用いる
方法である。
好ましくは、個々のDNA配列ごとに用いられる直接ま
たは間接標識部分の数は、ここでは約5〜約25重量%
(全プローブ組成物重量に基づいて)の範囲であるが、
所望ならば、この数はより小またはより大でありうる。
この種の標識の結果としての配列相補特性による干渉は
ほとんど起こらないはずである。好ましくは、各プロー
ブ組成物およびそれらの配列は、このようなプローブ組
成物のクラスの他のものに関して同様の標識法を用いて
実質的に同一に標識される。
一つの選択された染色体を含む完全なゲノムを代表す
るものであるゲノムDNA標的組成物を製造する(図2A/2B
の枠33を参照されたい)。標的組成物は下記、すなわ
ち、 (a)選択された領域の一つの染色体が一つの成分であ
る完全な全多重染色体ゲノム; (b)完全なゲノムのDNAを一緒になって含むDNAフラグ
メント; (c)一つの染色体または、一つの染色体を一緒になっ
て含む配列フラグメントを含むゲノムの少なくとも一つ
のフラグメントまたは一部分; (d)完全なゲノム由来のライブラリー;または (e)フラグメントが一つの染色体を含んでいるゲノム
の少なくとも一つのフラグメント(または一部分)該由
来のライブラリー の内の一つを含む。
標的組成物として(a)(上記)を用いることは、そ
れによって生じた雑種の観察の容易さ、特性決定および
正確な由来識別に関係した理由により現在極めて好まし
い。
次に、枠32の処理工程で製造されたプローブ組成物そ
れぞれを、枠33の工程で製造された標的組成物の試料と
ハイブリッド形成条件下でハイブリッド形成せる(図2A
/2Bの枠34を参照されたい)。
例えば、ハイブリッド形成されたビオチン誘導プロー
ブに対して蛍光標識されたアビジンを結合することによ
って雑種を直接的に観察することができるし、蛍光評価
用に備えられた顕微鏡下の顕微鏡検査により、与えられ
た染色体構造に沿ってハイブリッド形成が生じたところ
を確認することができる。このような位置情報は、評価
に基づく特定のプローブのDNA配列の性質およびその配
列が一つの染色体の選択された領域のDNA配列に相補的
であるかどうかを決定する目的に望ましい。
このようなハイブリッド形成法は何等かの好都合な技
法によって実施することができるが、in−situ型ハイブ
リッド形成法を用いるのが現在好適である。現在好まし
いin−situハイブリッド形成法は、D.ピンケル(Pinke
l)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:9138〜9142(198
8)に記載されており、RNAse処理、プロテイナーゼK処
理およびホルムアルデヒド固定を省略する。
例えば、標的組成物を、便宜上、従来のガラスの顕微
鏡用スライドの片面の中心部に標本層として付着させ
る。当該技術分野で周知のスライド製造法を用いること
ができ、例えば、適当な方法はJ.M.トレント(Trent)
ら、Methods in Enzymology 151:267〜279(1987)
に記載されている。
当然ながら、個々の標的組成物スライド層特性は大き
く変化しうる。細胞核および中期が十分に分散している
スライド標的区域を用いることが好都合であり且つ現在
好ましい。典型的に、約400mm2のスライド表面積を用い
るが、寸法特性が異なるスライド標本区域を用いること
ができる。標的層または区域はそれぞれ、与えられたプ
ローブ組成物クラスの全プローブ組成物の評価のために
与えられたハイブリッド形成法において同時に用いられ
ている他の層と実質的に同一であるのが好ましい。
更に、そして好ましくは、個々のプローブ組成物はそ
れぞれ、誤差を減少させ且つ結果の信頼性を増大させる
ように二つ以上の個々の付着スライド層を用いて評価さ
れるである。現在好ましいのは、2層に対する各プロー
ブ組成物を評価することである。
次に、枠34の工程で製造された雑種全部の検査および
識別操作を実施して(図2A/2Bの処理工程枠35を参照さ
れたい)、選択された染色体領域中にある標的DNA配列
に対してプローブ組成物が相補的であるものを識別す
る。例えば、そのように製造された雑種から、少なくと
も1種類のDNA反復セグメントに相補的であり且つ選択
された領域に存在しているプローブ組成物の少なくとも
1種類の単一DNA配列を識別する。好ましくは、1種類
のDNA配列のみを選択する。
視覚化に必要な単一の光点源での発蛍光団基の数は、
主として下記の4種類の特性に基づいて大きく変化す
る。1.用いられる発蛍光団の吸光度および量子収量。種
々の発蛍光団基の吸光度および収量は大きく異なる。2.
励起照明の強度。与えられた波長での全電力および強度
を変化させる多数のランプを一般的に用いる。試料に光
を供給する光学装置の効率は、種々の顕微鏡商標および
型によって広範囲に変化する。3.発光を集め且つ観察者
に伝える効率。観察される像を生じるのに用いられる光
学装置の品質もまた、種々の顕微鏡商標および型によっ
て広範囲に変化する。4.観察者の感受性。種々の色に対
する平均的なヒトの視覚反応はスペクトルによって異な
り、より低いおよびより高い波長でかなり急激に降下す
る。観察者は、その検出感受性を大きく増大させること
ができる電子映像装置に接近してよいしまたはしなくて
もよい。これらの理由全てにより、現在、その部位に存
在する発蛍光団の数と、このような発蛍光団を観察する
観察者の能力との関係において正確なまたは意味のある
定量的データを提供する満足な方法があると考えられ
る。シグナル強度を評価する場合に経験的道筋を用いる
ことが現在好適である。例えば、試薬は、知覚されるシ
グナル強度を各々評価する多数の観察者によって検査さ
れることができる。
この配列選択工程のための直接標識は、この標識およ
び選択を行なう条件が先行技術において既に研究されて
いるので現在好適である。本明細書中に示されような発
蛍光団による直接標識も望ましい。
便宜上、配列選択はハイブリッド形成法、好ましく
は、ピンケルら(上記に引用)によって示されたような
in situハイブリッド形成法を用いて行なわれる。
或いは、膜に対するハイブリッド形成は、標的染色体
からのDNAから成る試料スポットおよび非標的染色体か
らのDNAから成る他の試料スポットが存在する場合に実
施することができる。選択は、このような試料パネルに
対するハイブリッド形成を実施し且つ標的にはハイブリ
ッド形成するが非標的試料部位にはしないプローブを識
別することによって行なうことができる。
このような検査および識別(処理工程枠35)に基づい
て、そのように選択されたDNA配列それぞれの原クロー
ンコロニーを識別し且つ試料採取する(図2A/2B処理工
程枠36を参照されたい)。このような方法は、個々のプ
ローブ組成物それぞれを製造するのに用いられる原コロ
ニーを識別する操作記録から容易に達成される。
選択されたDNA配列を含む試料採取されたコロニーの
細胞を発酵させる(すなわち、培養する;図2A/2Bの処
理工程枠37を参照されたい)。各コロニー試料は別個に
培養することができる。培養の条件は、所望ならば、上
記に記載の通りでありうる。
2種類以上のDNA配列を識別し且つ選択する場合、各
配列を本明細書中に記載のように別個に更に処理するこ
とが好適である。当業者は、前述の操作工程を実施する
ことによって選択される2種類またはそれ以上のDNA配
列に関するいくつかの場合においてそれが可能であるこ
とを理解するが、1種類のみの選択が現在好ましい。
次に、得られた培養(発酵)コロニーを、上記に示し
たような方法を用いて抽出し(図2A/2Bの処理工程枠38
を参照されたい)、それによって使用可能な量のそれぞ
れ選択されたクローン化DNA配列を単離する。このクロ
ーン化DNA配列は一つの染色体の唯一の選択された領域
に相補的であり且つこの領域に存在している少なくとも
1種類のDNA反復セグメントを組込む。
典型的に且つ好ましくは、このような選択されたクロ
ーン化DNA反復セグメント含有配列は約1,000〜約12,000
bpを有するが、その寸法は上記のように更に大型または
小型でありうる。
典型的に、生成物クローン化DNA配列は、デオキシシ
チジン残基であるヌクレオチドを少なくとも約18モルパ
ーセント含む(全配列ヌクレオチド組成物に基づい
て)。ヒトゲノムの場合、典型的に、これらのDNA配列
のA/T含量はヒトの平均的ゲノム配列において観察され
るよりも高い。
そのように製造されたこの種の生成物クローン化DNA
配列は、多重染色体ゲノムの全染色体、その一つの染色
体の一つの選択された領域に関して独特であり且つ本明
細書中前記に記載したような特性を有する。
染色体特異的反復DNA位置のプローブを単離する方法
はいずれも、最終的には、問題のゲノム中の異なる反復
配列の利用可能性に拘束される。ハイブリッド形成検定
においてプローブとして役立つことができる配列を単離
するには、ハイブリッド形成によって区別するのに何等
かの他の染色体上の同様の反復とは十分に異なる望まし
い染色体の反復配列が存在する必要がある。このような
配列が全てのヒト染色体上に存在するかどうかは現在ま
だ知られていない。13および21のような若干の染色体に
関して、多数のアルフォイド配列が両方の染色体上に存
在していることは知られている。染色体13および21上に
存在する多数のアルフォイド配列の単離にもかかわら
ず、in situハイブリッド形成検定において由来の染色
体に対してのみ特異的にハイブリッド形成することがで
きる染色体13かまたは21由来のアルフォイドDNAは文献
に報告されていない。
(D)プローブ製造 (1)概論 当業者は、本明細書中前記に記載されたように製造さ
れた1種類または複数のヌクレオチド配列を1種類また
は複数の標識と組合せてプローブを製造する多数の方法
が先行技術で知られていることを理解する。種々の先行
技術方法を自明の図3に図示し且つ要約する。
このような配列からのプローブは、好ましくは、直接
検出可能な標識を有する。
プローブ組成物が、本発明のクローン化DNA配列由来
であるDNAセグメントの混合物から成る場合、in situ
ハイブリッド形成において優れた雑種形成能力および部
分的染色体選択染色のためのプローブ性能特性を有する
直接標識プローブ組成物を提供する。セグメントは、結
合性基を介して発蛍光団基に化学結合している。
したがって、現在好ましい且つ典型的な製造法におい
て、下記の工程、すなわち、 (a)選択された部分的染色体DNAを含む配列をDNAフラ
グメント(またはセグメント)にフラグメント化し; (b)該配列中に(結果として誘導セグメント中にも)
存在しているデオキシシチジンヌクレオチドを(前記
の)結合性化合物でトランスアミノ化し;そして (c)そのように製造されたアミノ基転移結合性基の残
基を(前記の)蛍光化合物と共有結合させることを行な
う。
この方法およびそれによって製造された直接標識プロ
ーブ組成物は、前述のビットナー(Bittner)らの原米
国特許出願第585,876号明細書に記載されており、更
に、それと同日出願で且つ譲受人事件整理番号30456で
確認されるビットナーらの米国特許出願第07/762,912号
明細書に記載されている。これらの出願並びにそれらの
内容および開示は本明細書中に参考として完全に包含さ
れる。
(2)フラグメント化 本発明のプローブ組成物で用いられるDNAセグメント
は、前に引用したビットナーらの出願に示された方法を
用いて(本明細書中前記に記載したように製造された)
出発クローン化部分的染色体DNA由来である。DNAセグメ
ントは、好ましくは、約150〜約600bpの範囲内にある平
均寸法を有し、現在更に好ましい平均寸法は約200〜約4
00bpであり、そして現在最も好ましい平均セグメント寸
法は約300bpである。
(3)アミノ基転移 ポリヌクレオチドのアミノ基転移において、出発部分
的染色体DNA配列およびそれらのセグメント中に含まれ
ている低百分率の全デオキシシチジン塩基は、デオキシ
シチジンヌクレオチドのアミノ基の炭素4(C−4)原
子位置において(前記の)二官能性連結化合物のアミノ
基でアミノ基転移されるようになる。このようなアミノ
基転移の程度は、特定の部分的染色体DNAを代表してい
るDNAセグメントの出発混合物中に存在している全デオ
キシシチジンヌクレオチドの約1〜約30モルパーセント
がこのような結合性基でこのように置換されるような程
度である。好ましくは、出発DNA配列またはDNAフラグメ
ントのこのような混合物中に含まれる全デオキシシチジ
ンヌクレオチドの約2〜約24モルパーセントがこのよう
にアミノ基転移される。したがって、概して、DNAフラ
グメントまたは配列中に存在する全ヌクレオチドの約0.
2〜約8モルパーセント、好ましくは、約0.2〜約6モル
パーセントがアミノ基転移される。このようなアミノ基
転移はいずれも、実質的にデオキシシチジンヌクレオチ
ドのみを必要とする。
何等かの与えられた状況において最も有効な百分率の
アミノ基転移は、典型的に、用いられる特定の蛍光標識
部分に影響される。配列中に存在する塩基対の平均数
は、好ましくは、前記のように少なくとも約150個であ
るので、したがって望まれるように、各配列はアミノ基
転移操作中に少なくとも1個のこのような結合性基で置
換されているのが好ましい。
アミノ基転移は、便宜上、前述のビットナーらの出願
に示されたように、重亜硫酸塩触媒存在下の水性液相条
件下において達成することができる。
本アミノ基転移法において、便宜上、重亜硫酸塩はア
ルカリ金属塩の形で導入され、ナトリウムおよびカリウ
ムが好ましいアルカリ金属である。
本アミノ基転移反応は、出発DNA配列またはセグメン
ト混合物の所望の程度のアミノ基転移が得られるまで実
施されるかまたは継続される。概して、最大量のアミノ
基転移は、関与したヌクレオチド配列若しくはセグメン
トの相補特性による悪影響かまたは、本発明のプローブ
組成物を用いるハイブリッド形成の際に標本、スライド
調製試料等に存在するような引続き標識されたプローブ
と標的DNA若しくは標的DNAの他の成分との非特異的組合
せの量の増大を引起こすかまたは引起こし始めるアミノ
基転移の程度によって決定される。
本発明の内容によるアミノ基転移法によって得られた
混合物は、便宜上、更に処理することができる。現在好
ましいのは、このような生成物混合物を希水性緩衝液、
例えば、ホウ酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン(TRIS)等に対して従来の透析膜およ
び周囲温度を用いてpH約8で透析することである。
次に、得られたアミノ基転移ヌクレオチド配列または
セグメント混合物をこのように透析された混合物から沈
殿させるのが好都合であり、続いてその配列を濾過、遠
心分離等によって上澄みから分離する。
(4)カオトロープによるアミノ基転移 本発明は、水性アミノ基転移媒質中においてカオトロ
ープ陰イオン存在下で実施される好ましいアミノ基転移
法を提供する。このようなカオトロープ陰イオンは、ア
ミノ基転移の際にヌクレオチド配列変性を維持しおよび
/または持続する。本発明によって提供されたカオトロ
ープ陰イオンは、水性重亜硫酸塩に触媒されたアミノ基
転移を受けるDNA配列を実質的に一本鎖または変性され
た状態で維持することを可能にする。このような状態が
存在しない場合、不可能ではないとしても、DNAを均一
に且つ制御可能にアミノ基転移すること、および結合性
基がデオキシシチジンヌクレオチド上で置換されるDNA
配列またはセグメント中の部位の数を調節することは極
めて困難である。
本明細書中で提供されたカオトロープによるアミノ基
転移を達成する本方法を本発明のプローブ組成物の製造
を論及することによって例証するが、この方法が、分子
ごとに少なくとも1個のデオキシシチジンヌクレオチド
を含むポリヌクレオチドDNA中のデオキシシチジン核を
水性液相重亜硫酸塩陰イオン触媒条件下において、アミ
ン基含有化合物、例えば、前記に定義の、少なくとも1
個の官能性(すなわち、反応性)基を有し、その一つの
基がアミノ基である結合性化合物によってアミノ基転移
するのに概して適当であることは理解される。
したがって、本発明によって提供されたカオトロープ
アミノ基転移技術は、ヌクレオチド配列分子当り少なく
とも1個のデオキシシチジンヌクレオチドを含む出発DN
Aヌクレオチド配列を用いる。その技術は、水性媒質中
においてその配列と、溶解した重亜硫酸塩、溶解したト
リハロ酢酸塩陰イオン性カオトロープおよび溶解した官
能性アミノ基含有化合物とを接触させることによって実
施される。接触条件および存在するカオトロープ陰イオ
ンの量を調節することにより、配列アミノ基転移の程度
は、統計的に望ましい百分率の各配列中に存在する全デ
オキシシチジンヌクレオチド部分がアミノ基転移される
ように調節することができる。好ましくは、陰イオン性
カオトロープの存在下でアミノ基転移されるポリヌクレ
オチドに予め熱変性操作を施す。例えば、出発ポリヌク
レオチドを水中で約1〜約12分間沸騰させた後、好まし
くは約4℃未満の温度まで冷却する。次に、カオトロー
プ陰イオンは、引続きのアミノ基転移反応の際にポリヌ
クレオチドを変性条件で維持する。
従来、DNAは水性重亜硫酸塩およびアミンでアミノ基
転移されたことがあるが、現在知られているようにこれ
までは、このようなカオトロープ陰イオンによるDNAの
アミノ基転移が以前に実施されたことはなかった。
本文脈において、カオトロープとは、、比較的大きい
半径、負電荷および、核酸の立体配置を有効に変更する
低電荷密度を有するイオンである。重亜硫酸塩水溶液を
用いるアミノ基転移において、カオトロープは、少なく
とも部分的に一本鎖の(すなわち、変性された)状態の
DNA配列を促進し、維持し、および/または持続するよ
うに機能する。
重亜硫酸塩水溶液によるDNA配列またはセグメントの
混合物のアミノ基転移において、カオトロープ塩変性剤
または有機溶媒変性剤は一般的理論では望ましいかもし
れないが、実際上、このような変性剤は、それがアミノ
基転移用水性媒質中に存在する1種類またはそれ以上の
成分の結晶化を引起こし、そしてそれによってそれらの
有効濃度を望ましくなく減少させるという理由でかまた
はそれが存在する1種類またはそれ以上の成分と反応性
であるという理由で発見するのがまたは使用するのが困
難である。意外にも、本発明のカオトロープ陰イオンは
このような欠点を示さない。
水性重亜硫酸塩によるDNAアミノ基転移において、意
外にも、トリハロアセテートのみがDNA変性用カオトロ
ープ陰イオンとして用いるのに適当な均衡のとれた性質
を有することが現在分かった。トリフルオロアセテート
アニオンは広範な濃度範囲にわたってカオトロープとし
て有用であるが、トリクロロアセテートアニオンは、水
性アミノ基転移媒質中に高濃度で存在する1種類または
それ以上の成分の結晶化を引起こすこの陰イオンの性質
ゆえに、約1M未満の濃度でのみ有用である。しかしなが
ら、トリクロロアセテートアニオンは、トリフルオロア
セテートアニオンとの混合物で用いることができる。他
の適当なこのようなDNAアミノ基転移変性用カオトロー
プは知られていない。
本アミノ基転移法においてカオトロープとして用いら
れるトリハロアセテートアニオンは、便宜上、水性アミ
ノ基転移媒質中にアルカリ金属塩として導入され、ナト
リウムおよびカリウム陽イオンが好ましいアルカリ金属
である。トリハロアセテートアニオンは、トリクロロア
セテートアニオン、トリフルオロアセテートアニオンお
よびそれらの混合物から成る群より選択される。トリフ
ルオロアセテートアニオンは、溶解性および比較的小型
の陰イオン寸法ゆえに好適である。
DNAおよび結合性化合物間のアミノ基転移後、結合性
化合物の1個の官能基は遊離した状態のまま残り、この
ような残留する官能基と反応しうる反応性基をそれ自体
含んでいる標識基含有化合物と更に反応する。
重亜硫酸塩によるトリハロアセテートカオトロープア
ニオンの追加の存在により、アミノ基転移反応変数は、
下記の表IIに例示的に示したような範囲内で変化しう
る。したがって、与えられた結合性化合物反応物による
望ましい程度のアミノ基転移を、ヌクレオチド配列中に
存在するデオキシシチジンヌクレオチド残基の完全(10
0%)〜部分的(例えば、約0.5モルパーセントまたはそ
れ未満)なアミノ基転移の何等かの望ましい程度で達成
することができる。しかしながら、プローブ製造用に予
定されている本中間体アミノ基転移配列に関する最大量
のアミノ基転移は、通常、このような残基の約30モルパ
ーセント以下である。
カオトロープによる本アミノ基転移反応は約4.5〜約
7.5の比較的広いpH範囲にわたって実施することができ
るが、約4.5〜約6.0の範囲のpHの使用は、若干のデオキ
シシチジン残基をデオキシウリジン残基に変換させる競
合する副反応を引起こすことが分かっている。概して、
このような変換は、それが、同一の標的DNA配列に対し
てもはや完全に相補的でない生成物DNA配列を生じがち
であるので望ましくない。したがって、プローブ製造の
実施において、本発明の内容による好ましいアミノ基転
移の際に約6.5〜約7.5の範囲のpH値、更に好ましくは、
pH約7±0.2を用いることが好ましい。
カオトロープによる本アミノ基転移反応は、出発配列
またはセグメント混合物の望ましい程度のアミノ基転移
が得られるまで実施されるかまたは継続される。概し
て、達成される最大量のアミノ基転移は、関与した1種
類または複数のヌクレオチド配列の相補特性による悪影
響を引起こすかまたは引起こし始めるアミノ基転移の程
度によって決定される。典型的に且つ例示的に、その時
間は上記の表IIに示した範囲であるのが一般的である。
本発明によるアミノ基転移によって得られた混合物
は、便宜上、前記に示したように更に処理することがで
きる。現在好ましいのは、このような生成物混合物をア
ルカリ金属低級モノアルカノエートに対して透析して、
存在するほとんど全部の非アルカノエート塩陰イオンを
そこから分離することである。好ましいアルカリ金属は
再度ナトリウムおよびカリウムであり、そして好ましい
低級モノアルカノエートはそれぞれ5個未満の炭素原子
を有する。
次に、得られたアミノ基転移ヌクレオチド配列をこの
ように透析された混合物から便宜上沈殿させた後、その
配列を濾過、遠心分離等によって上澄みから分離する。
概して、本発明のプローブ組成物を製造する目的で本
発明にしたがって実施されるトランスアミノ化は、存在
するアミノ化ヌクレオチドの重量百分率が前記に示した
範囲内になるまで継続される。
本明細書中に記載のカオトロープアニオンを用いるポ
リヌクレオチド(すなわち、DNA配列および/またはDNA
セグメント)の重亜硫酸塩に触媒されたトランスアミノ
化は、新規のおよび従来利用できなかったクラスのトラ
ンスアミノ化ポリヌクレオチドの製造を可能にすること
が分かった。このクラスは、 (a)溶解したポリヌクレオチドが少なくとも約20μg/
ml入っている水溶液、 (b)相補的配列のDNAコピー約1x1010個以上/μg
(該ポリヌクレオチド)(乾燥重量基準)を含むことを
特徴とする該ポリヌクレオチド、および (c)約12〜約30モル%のデオキシシチジンヌクレオチ
ドで結合性基によって置換されている該ポリヌクレオチ
ドを含む。
このクラスにおいて、先行技術内容によって達成しう
るよりも高い百分率での水溶液中の濃セグメント化DNA
のアミノ基転移は、ポリヌクレオチドのマイクログラム
(μg)当りの相補的配列コピーの定数で示される比較
的低い複雑さのポリヌクレオチドに関して達成された。
したがって、前述したような熱変性の使用は変性を達成
するのに有用であるが、このような変性されたポリヌク
レオチドは、引続きアミノ基転移の際にかなり急速に出
発または初期の二本鎖の状態にリアニールし且つ再生し
がちである。したがって、熱変性(本カオトロープを用
いることなく)および重亜硫酸塩触媒作用を用いて達成
しうるデオキシシチジンヌクレオチド上の結合性化合物
による最大量のアミノ基転移は、(そのようにアミノ基
転移されるポリヌクレオチド中に存在する全デオキシシ
チジンヌクレオチドに基づいて)約7〜約12モルパーセ
ント以下にすぎないと考えられる。
最初の熱変性の後にアミノ基転移媒質に加えられたカ
オトロープの存在は、ポリヌクレオチドをアミノ基転移
反応中に一本鎖状態で保持し、それによってアミノ基転
移の制御のみならず、従来可能であったよりも高い望ま
しい程度でのデオキシシチジンヌクレオチド上の結合性
化合物によるアミノ基転移の達成を可能にするのに役立
つ。
高濃度のアミノ基転移ポリヌクレオチドは、高いプロ
ーブ濃度を有する生成物水性プローブ組成物を製造させ
るのに望ましいので、そして本発明の内容によって製造
されるクローン化DNA配列は、一般的に、相補的配列のD
NAコピーを約30x1010〜約40x1010個/μg(この種の配
列)(乾燥重量基準)有するので、このカオトロープア
ミノ基転移法および得られた新規の中間体アミノ基転移
生成物(前記の)は本発明の重要な態様である。
したがって、カオトロープを用いる現在好ましい重亜
硫酸塩に触媒されたアミノ基転移において、水性反応媒
質中でアミノ基転移されるポリヌクレオチドは、平均寸
法が約150〜約600bpの範囲のDNAセグメントの形であ
る。このようなセグメントの濃度は少なくとも約20μg/
mlであり、そしてこのようなセグメントは、相補的配列
コピーを約1x1010個以上/μg(該配列)(乾燥重量基
準)含む。好ましくは、このようなセグメントは、一つ
の染色体の一つの領域に対して相補的である本発明の実
施によって製造されたクローン化DNA配列をフラグメン
ト化することによって製造される。
(5)蛍光化合物結合 上記のようにして製造され、アミノ基転移を受けたア
ミン置換ヌクレオチド誘導体は上記のような反応性発蛍
光団基含有蛍光化合物との共有結合形成に利用でき、そ
のような蛍光化合物を、上記のごとくデオキシシチジン
部分内へアミノ基が転移された連結化合物(すなわち、
連結基)の残基に付随する末端の機能性アミノまたはカ
ルボキシル基と反応させる。前に参照したBittner et a
lの出願に記載されている共有結合形成法が適してお
り、現在のところ好適である。
本反応において、共有結合形成は、出発蛍光化合物中
に存在する反応性基とDNA配列に付随するアミノ基転移
を受けた連結基の末端の反応性基(連結化合物から誘導
される)の間で起こると信じられる。分子当り一つの連
結基の少くとも一つの末端基が用いられた蛍光化合物と
反応する。典型的にはアミノ基転移を受けた連結基の末
端部位の約20から約100モルパーセントが反応し蛍光標
識される。好適には(効率の問題のため)、その少くと
も約80重量パーセントがそのように標識され、最も好適
にはその約90重量パーセントがそのように標識される。
反応時間終了時にプローブに共有結合で結合していな
い残りの標識化合物は、前に参照したBittner et alの
出願が教えているような種々の方法により除去できる。
得られるアミノ基転移されたDNA配列の反応生成物お
よび選択された蛍光化合物からプローブ組成物は成立っ
ている。
(E) 利 用 図4,5および6の顕微鏡写真は本発明のクローン化配
列および本発明によりそれらから生成されたカオトロピ
ックにアミノ基転移された配列の利点を図示している。
すなわち、そのような配列から形成されたプローブがこ
れらの図により例示されている。
図4の顕微鏡写真に使用されたプローブは、ヒト染色
体#8の動原体に特異的にハイブリダイズできる標識DN
Aセグメントから成っており、そのようなセグメントは
ヒト染色体#8の動原体に特異的なDNA配列の断片化に
より(ここで教えているような超音波処理により)生成
された。このDNA配列は下記の実施例12に特別に記載さ
れているように、本発明により提供されたクローニング
法により生成された。断片化されたセグメント(各々平
均300bp)は次にここに記載されているように、および
下記実施例16に例示されているようにエチレンジアミン
でアミノ基が転移された。その後アミノ基が転移された
DNAセグメント混合物は、下記実施例17に記載されてい
るごとくビオチンで標識された。ハイブリダイゼーショ
ン法は下記実施例17に記載されているごとく実施され、
続いての検出は下記実施例4に記載されている方法を用
いてストレプトアビジンに結合されたフルオレセインと
ハイブリダイゼーション後にインキュベーションするこ
とにより達成された。フルオレセインの蛍光に特異的な
フィルターを用いて(Bittner et alによる同時係属中
の出願の表Vにフィルター5として示されている)写真
が撮られ、対比染色などからのような染色(即ち、異な
った光周波数での発蛍光団発光による光の発光)は観察
されない。
この写真は従来の技術により提供されるような間接的
標識部分を持つ染色体#8の動原体領域に対する本発明
のクローン化DNA配列から形成されるハイブリッドの視
感度を図示している。また、この写真は間接的標識で標
識された場合でさえも、ヒト染色体#8の動原体にハイ
ブリダイズする目的のためのこの出発配列は優れた相補
性があることを示している。従って、この出発配列は間
接的標識の場合でもプローブとして使用するのに適して
いる。
図5を参照すると二つのヒト中期細胞核および一つの
ヒト間期細胞核を示している別のスライド標本の視野が
みられる。中期染色体は分散している。ここで、これら
の染色体および核はヒト染色体#8の動原体領域と特異
的にハイブリダイズ可能である本発明のプローブ組成物
とハイブリダイズ条件下でのin situハイブリダイゼー
ション後に示したものである。下記実施例17に記載され
ているハイブリダイゼーション法に従った。このプロー
ブ組成物には図4に示した標本の調製に使用された間接
標識プローブ組成物に用いられたものと同じDNAセグメ
ント混合物を用いた。このセグメント混合物は、同じよ
うにアミノ基が転移されたが、続いて下記実施例17に記
載されている本発明の方法を用いて発蛍光団CTMRで標識
された。図5に示されている写真はハイブリダイゼーシ
ョンおよび洗浄後に撮られた。間接標識プローブで必要
とされるような発蛍光団発色のためのさらなる処理を実
施する必要はない。この写真はCTMR発蛍光団に特異的な
フィルターを通して撮られた(引用した同時係属中のBi
ttner et alの出願の表Vのフィルター#7)。
図5の写真にみられるように、蛍光プローブ信号(4
ドット)のみが実質的に黒い視野に明らかに観察でき
る。図4および5の画像間の対照は明らかであり、標識
および付随する各々の使用方法を除いてプローブは同じ
ものであるのでその比較は適切である。
図6を参照すると図5に示したものと同じ顕微鏡スラ
イド標本の二重露光顕微鏡写真をみることができる。図
5で観察できるプローブ結合を信号化している明るいス
ポットがここでは比較の目的のため、従来の技術である
DNAの化学的蛍光染色、DAPIにより達成される全ゲノム
の染色を背景にして観察される。DNA化学的蛍光対比染
色DAPIもまた図6に写真で示されている。下記実施例17
に記載したごとく、この標本の処理にDAPIが使用され
た。この写真に用いられたフィルターは同時係属中のBi
ttner et alの出願の表V中の番号1のものであった。
このDAPI対比染色は明瞭に中期および間期核の両方の位
置を示している図6に示されている信号ドットの位置は
DAPIで対比染色されている染色体物質と一致している。
さらに染色が染色体の動原体に局在していることが観察
できる。図4と比較してもほとんどぼけは観察されない
(非特異的染色により起こる)。
実施態様 本発明は以下の実施例を参照することによりさらに例
示される。
実施例1.染色体ライブラリーに由来するDNAの酵素的増
幅のための鋳型 ヒト8番染色体のプラスミド ライブラリーはLawren
ce Livermore National Laboratories(LLNL)から得ら
れた。それは#57702としてATCCに寄託されているバク
テリオファージラムダライブラリーの誘導体であった。
この染色体特異的ライブラリーのバクテリオファージベ
クターへのクローニングはM.A.Van Dilla et al.Bio/Te
chnology :537−552(1986)に詳述されている。種
々のヒト染色体に対するバクテリオファージ ライブラ
リーはアメリカン タイプ カルチャーコレクションか
ら入手可能である。得られたライブラリーは次に大腸菌
宿主株上で増殖させることにより増幅された。増幅され
たファージは精製され、そのDNAが抽出された。このDNA
は制限酵素Hind IIIで消化された。挿入DNAはラムダベ
クターDNAから精製され、プラスミドベクターpBS(Stra
tagene,La Jolla,CA)のHind III部位内へクローン化さ
れた。これは高いコピー数を与え、アンピシリン耐性で
ある、pBR322のプラスミド誘導体である。得られたプラ
スミドは大腸菌株、DH5α(Bethesda Research Librari
es,Gaithersburg,Maryland)内で形質転換を起こさせ
た。誘導プラスミド ライブラリーは1mづつ凍結細胞
として貯蔵された。これらのバイアルは発酵のための種
貯蔵物産生の一次供給源として使用された。
LLNLから得られた本来のライブラリーの発酵による増
幅により発酵およびライブラリースクリーニングの両方
のための作業用貯蔵物が提供された。LLNLにより提供さ
れた本来のライブラリーからの増殖種貯蔵物の調製はBi
ttner et alの特許USSN585,876の実施例1および前に参
照したBittner et alの本発明と同じ日付で出願されたU
SSN07/762,912の実施例1に記載されているごとくして
達成される。このライブラリーからのDNAの大規模産生
は、USSN585,876の実施例1および前に参照したBittner
et alの同時係属中のUSSN07/762,912の実施例1に記載
されているごとく発酵および抽出により達成される。
実施例2.オリゴヌクレオチド プライマーの合成 合成オリゴヌクレオチドの縮重した混合物が製造され
た。縮重の程度はオリゴヌクレオチドがほとんどの既知
のアルフォイドDNA配列にプライマーとして機能させる
のに十分であり、それ故それらは染色体8の動原体のア
ルファサテライト領域での反応を開始させる(prime)
ことが期待された。
このオリゴヌクレオチド混合物は二つのオリゴヌクレ
オチドから成っており以下のごとく各々同定された: 実施例3 単一染色体鋳型を用いる酵素的増幅 鋳型として実施例1(前記)に記載したようにして調
製された染色体8のライブラリー、およびプライマー組
成物として実施例2(前記)に記載したようにして調製
されたオリゴヌクレオチド混合物を用いて以下のごとく
酵素的増幅が実施された: pBS8ライブラリーから抽出されたDNAのアルファサテ
ライトDNA領域がMullis,K.B.,et alによりMethods in E
nzymology 155:355−350(1987)に記載されているい
わゆるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により酵素的に増
幅されビオチニル化された。使用されたポリメラーゼ、
ヌクレオチドおよび塩はPerkin Elmer−Cetus GeneAmp
キットからのものであり、製造元により推奨されている
濃度で使用された。プライマー(実施例2参照)は制限
酵素認識部位を特定する5′末端で7つのヌクレオチド
および動原体の170の塩基対アルファサテライトリピー
ト領域に隣接するアルフォイド配列混合物に基づいた
3′ヌクレオチドの17から構成されている。プライマー
は反応混合物(100μ)中に1μMの濃度で存在し
た。プライマーは20mMのトリス−HCl pH8.3、50mM KC
l,1.5mM MgCl2および0.01%ゼラチンを含む緩衝液中で
2.5単位のTaqポリメラーゼと配合された。
pBS8ライブラリーから2つの異なった大きさの鋳型が
調製された;1つは超音波処理された二本鎖DNA(約300−
500塩基対の大きさ)から成り、他方はHind III制限消
化物であった。制限消化鋳型DNAは5μgのpBS8ライブ
ラリーDNAを20mMトリス−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2
50mM CaCl2および20単位の制限酵素Hind III(New Eng
land Biolabs,Beverly,MA)を含む50μの溶液中、37
℃で1時間インキュベートすることにより調製された。
消化DNAは25μのフェノールで抽出され、次に20μ
のクロロホルムを加え、溶液を再抽出した。水層を10,0
00xgで1分間遠心分離して回収し、5μの3M酢酸ナト
リウムおよび150μのエタノールの添加によりこの溶
液からDNAを沈殿させた。沈殿を10,000xgで5分間遠心
分離して回収し、真空乾燥した。得られたDNA消化物は5
0μの水に再懸濁した。機械的に切断されたDNA鋳型は
超音波処理により調製された。この工程にはBranson So
nifier450(Danbury,CT)が用いられた。前記実施例1
で調製された精製プラスミドDNAの4ミリグラムを12×7
5mmのポリエチレンチューブ中の2ミリリットルの水に
再懸濁する。超音波処理中の沸騰を防止するためこのチ
ューブはドライアイス/エタノール浴中に浸められた。
超音波処理装置のマイクロチップをチップがチューブの
底から2−5mmの所にくるように溶液中に浸めた。超音
波処理は5分間80%の仕事サイクル(時間の80%オン、
時間の20%オフ)で断続的に実施される。超音波処理
後、DNA溶液は16×100mmのスクリューキャップ ポリエ
チレンチューブに移される。0.2mの3M酢酸ナトリウム
(pH5.5)および4mのエタノールを加えることによりD
NA断片が沈殿する。沈殿物は8,000xgで5分間遠心分離
して回収される。上清を除き、ペレットは真空乾燥す
る。超音波されたDNAは3mg/mの濃度で水に再懸濁す
る。
反応混合物は0.75μgの両方の鋳型DNA、各々200μM
のdCTP,dGTP,dATP,100μMのdTTP,100μMのビオチン−
11−dUTP、各々1μMの2つの合成オリゴヌクレオチド
プライマー混合物を用いた100μの容量である。反応
混合物に100μの無菌鉱油が層積され、増幅はPerkin
Elmer Cetus(PEC)DNAサーマルサイクラーを用いて自
動的に実施された。増幅は25サイクル行われた。第一の
24サイクルの各々では92℃での1分間の変性、37℃での
2分間の鋳型プライミングおよび72℃での3分間の重合
であった。最後のサイクルは72℃で7分間の重合時間、
続いての4℃への冷却であった。PCR生成物はフェノー
ル−クロロホルムで抽出され、エタノールで沈殿されて
100μの無菌水に再懸濁された。
実施例4.評 価 PCR生成物の各々がin situハイブリダイゼーション
により試験された。標的DNAは、中期で停止され顕微鏡
スライド上に固定されている正常白血球細胞からのもの
である。各々のスライドは70%ホルムアミド/0.3M NaC
l/30mMクエン酸ナトリウムpH7を含む変性溶液中に70℃
で5分間置かれた。スライドは次に70%、85%および10
0%エタノール浴を通し(各々2分間)風乾することに
より脱水された。
10μのハイブリダイゼーション混合物の各々は1μ
のPCR増幅生成物を55%ホルムアミド/10%硫酸デキス
トラン/0.15M NaCl/15mMクエン酸ナトリウム/1μg超
音波処理サケ精子DNA(担体として使用された)中に含
んでいた。ハイブリダイゼーション混合物は70℃で5分
間変性され氷上に置かれた。スライドは37℃に前もって
暖められ、ハイブリダイゼーション混合物は直接スライ
ド上に加えられ、カバーガラスで覆って封じ加湿した室
内で37℃で一夜インキュベートした。未反応増幅DNAは
(すべて45℃にて)50%ホルムアミド/0.3M NaCl/30mM
クエン酸ナトリウム(pH7)溶液中で15分間3回洗浄
し、続いて0.3M NaCl/30mMクエン酸ナトリウム中で15
分間1回および次に0.1Mリン酸ナトリウム/0.1%NP40界
面活性剤(オクチルフェノキシポリエトキシエタノー
ル、Calbiochem,La Jolla,CAにより販売されている非イ
オン性界面活性剤)中で15分間洗浄して除去した。スラ
イドは5%(v/w)Carnationインスタントミルクを含む
0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液に加えられたフルオレセイ
ン標識ストレプトアビジン(5μg/m)の溶液中、室
温で20分間インキュベートされた。スライドは0.1Mリン
酸ナトリウム緩衝液中、室温で3回洗浄された(各々の
洗浄当り2分)。抗退色溶液中に0.2μg/mのヨウ化プ
ロピジウムを含む対比染色液7.5μを加えることによ
り、核および染色体の拡がりの可視化が可能になる。対
比染色領域上にカバーグラスを置き、スライドは蛍光顕
微鏡で観察された。
抗退色溶液はJ.Immuno.Methods,43,349(1981)に記
載されているごとく調製された。100ミリグラムのp−
フェニレンジアミン二塩酸塩(Sigma P1519)を10ミリ
リットルのリン酸緩衝化塩溶液に溶解する。この溶液の
pHは0.42gのNaHCO3を10ミリリットルの水に加えること
により調製された重炭酸塩緩衝液でpH8に調整され、次
に50%(w/v)NaOHを添加することにより9.0へpHを調整
された。p−フェニレンジアミン二塩酸塩のpH調整溶液
は90ミリリットルのグリセロールへ加えられ、得られた
溶液は0.22μ濾過装置を通して濾過された。この溶液は
暗所、−20℃にて保存された。
ハイブリダイゼーションの結果は、核ならびに中期染
色体の拡がり内に約8つの強度が変化した不連続な信号
を示した。ヒト染色体8以外の染色体に対するPCR生成
物の非特異的ハイブリダイゼーションは2つの非常に異
なった場合に引き起こされる。このことはもし増幅され
ている配列が実際に染色体8以外の染色体上にも存在す
る場合に期待されるが、他の染色体上には多くはないで
あろう。非特異的ハイブリダイゼーションをひき起こす
他の手段は鋳型の不完全合成の結果であるPCR産物の生
成であろう。そのような短い生成物はそれらが所望の標
的に忠実に結合するのを確かにする十分なDNAを含んで
いないであろう。これらの可能性を区別するため、反応
生成物から小さな(<170bp)DNAを除去することが決定
され、残りのより大きなDNA生成物の特異性が試験され
た。プローブ混合物から短い生成物を除去する為、PCR
生成物はDNAをその大きさに基づいて分画するカラム上
で精製された。ポリメラーゼ連鎖反応DNA生成物の各々
はファーストパフォーマンス液体クロマトグラフィー
(FPLC)自動化システムを用いてMono Qカラム(Pharma
ciaにより製造されたアニオン交換カラム)上で個々に
精製された。40μの試料が60%0.4M NaCl/20mMトリ
スpH8.3で始まり75%1.4M NaCl/20mMトリスpH8.3まで
の0.075%/分の直線濃度勾配を用いて分析された。流
速は0.25m/分であり、1ミリリットルの分画が集め
られ、260nmの吸光度でモニターされた。超音波処理さ
れたDNAを鋳型として用いたPCR生成物からモノマーの大
きさのDNAより大きな3つの集団が単離された(171bp,5
13bpおよび1026bp)。Hind III消化DNAから誘導されたP
CR生成物は2つの大きさ(513bpおよび1026bp)のみで
あった。PCR生成物の各々の集団はエタノールで沈殿さ
れ、25μの無菌水に再懸濁された。単離DNA集団の各
々はin situハイブリダイゼーションを用いて染色体8
に対する特異性が試験された。
分画化PCR生成物の2.5μの試料がこの実施例の前の
方に記載したようなin situハイブリダイゼーション
アッセイのプローブとして使用された。
超音波処理DNAを鋳型として用いるPCR反応から単離さ
れた増幅DNAのすべての集団は核および染色体中期拡散
物の両方の染色体8の動原体に対し、異なった強度の信
号での特異的信号を示した。Hind III消化DNA鋳型を用
いたポリメラーゼ連鎖反応から発生された1026bp組成物
のみが染色体8に対する特異的信号を産生した。従っ
て、この方法を通して染色体8に対して特異的な反復DN
A配列の混合物を発生させることは明らかに可能であっ
た。次に、個々のDNA配列の捕捉に進んだ。
実施例5.酵素的増幅生成物を用いた染色体8の動原体の
クローニング ヒト染色体8の動原体に特異的なDNA配列は鋳型とし
て実施例3(前記)に記載されたごとく調製された超音
波処理pBS8ライブラリーを用いた酵素的増幅法を用いて
発生させた。反応容量は、20mMトリス−HClpH8.3、50mM
KCl、1.5mM MgCl2からなる100μであり、0.75μg
の超音波処理pBS8二本鎖DNA、各々200μMのdCTP,dGTP,
dATPおよびdTTP、動原体のアルファサテライト領域にハ
イブリダイズする実施例2(前記)の各々1μMの合成
オリゴマープライマーおよび2.5単位のTaqポリメラーゼ
を含んでいる。反応混合物には100μの無菌鉱油が層
積され、増幅はPerkin Elmer Cetus(PEC)DNAサーマル
サイクラーを用いて自動的に実施された。25回の増幅サ
イクルが用いられた。最初の24サイクルの各々では92℃
での1分間の変性、37℃で2分間の鋳型プライミングお
よび72℃での3分間の重合であった。最後のサイクルに
は72℃での7分間の重合期に続いての4℃への冷却が存
在した。増幅物質はフェノール・クロロホルム抽出さ
れ、エタノール沈殿され、100μの無菌水に再懸濁さ
れた。その5μが0.04Mトリス酢酸、1mM EDTAおよび
1μg/mのエチジウム ブロミドを含む1%アガロー
スゲル上、150Vで1時間分析された。3つの異なった大
きさのDNA生成物が同定された:180bp.369bpおよび738bp
DNA。
増幅DNA生成物の一部40μが精製され、実施例4
(前記)に記載したようなファースト パフォーマンス
液体クロマトグラフィー(FPLC)自動化システムを用
い、Mono Qカラム(Pharmaciaにより製造されたアニ
オンカラム)上で分画された。3つの集団が再びポリメ
ラーゼ連鎖反応混合物から分離された。最も多い量の物
質を含んでいる第3の集団がエタノール沈殿され、20μ
の無菌水に再懸濁された。
第3の集団の一部10μが各々10単位のPst IおよびH
ind IIIを用いて50mMトリス−HCl pH8.0、10mM MgC
l2、50mM NaCl中で37℃にて1時間消化された。物質は
フェノール−クロロホルム抽出され、エタノール沈殿さ
れ10μの無菌水に再懸濁された。10μのPst Iおよ
びHind III制限消化M13mp18ベクターもまた同じ方法で
調製された。
得られた酵素的増幅反応の精製、制限生成物はSambro
ok et alにより“モレキュラー・クローニング:実験室
マニュアル"pp.4.2−4.33.Cold Spring Harbor,New Yor
k,1989に記載された方法により制限M13mp18ベクター内
へクローン化された。クローン化DNAはGene Pulser(Bi
o−Rad Richmond,CA)装置を用い(使用説明書に従っ
て)エレクトロポレーションにより宿主JM101大腸菌細
菌内へ導入された。特に: 制限消化PCR生成物は次に消化M13mp18ベクターと連結
された。50μの連結反応液は50mMトリス−HClpH7.6、
10mM MgCl2、1mM ATP、1mM DTT、5%(w/v)ポリエ
チレングリコール−8000、2単位T4リガーゼ中に0.5μ
gの制限酵素消化M13mp18ベクターに0.2μ、1μま
たは2μの消化PCR生成物を含んでいた。反応液は37
℃で2時間インキュベートされた。連結生成物はフェノ
ール−クロロホルム抽出され、エタノール沈殿させて乾
燥させ、15μの無菌水に再懸濁された。
大腸菌JM101細胞はエレクトロポレーションの為に調
製された。JM101の画線プレートからのコロニーを10g/
のトリプトン、5g/の酵母抽出物、5g/のNaCl、3g
/のKClを含む100mのTYEブロス中、通気しながら37
℃の水浴中で一夜増殖させた。500mのTYEブロスに5m
の一夜JM101培養物が接種された。細胞は通気下37℃
で600nmでの吸光度が0.5から1.0ODになるまで増殖させ
た。この細胞は30分間氷上に置かれた。培養物は4000xg
で15分間遠心分離され、細胞はペレット化された。細胞
ペレットは次に500mの1mM HEPES(N−2−ヒドロキ
シエチルピペラジン−N′−2−エタンスルホン酸、Gi
bco Laboratoriesにより製造)pH7に再懸濁され、再び
遠心分離された。細胞は次に1mM HEPES/10%グリセロ
ールに約3×1010細胞/mの濃度で再懸濁された。細胞
は一部づつに分けられ、液体窒素で凍結され、電気的形
質転換に必要とされるまで−80℃で保存された。
電気的形質転換は上に示した各々の連結物に対しGene
Pulser装器(Bio−Rad,Richmond,CA)により使用説明
書に従って実施された。調製された懸濁液は室温で融解
され、必要になるまで氷上で維持された。40μの細胞
懸濁液および1μの特定の連結物が混合され、1分間
氷上に置かれた。細胞および連結DNAの混合物は冷却し
た0.2cmのエレクトロポレーションキュベットに加えら
れた。Gene Pulse(Bio−Rad,Richmond,CA)装置は25μ
Fおよび2.5kVに設定された。パルスコントローラーは2
00オームに設定された。試料には示された設定値で一度
パルスをかけた。エレクトロポレーション直後、2%バ
クトトリプトン、0.5%バクト酵母抽出物、10mM NaC
l、2.5mM KCl、10mM MgCl2、10mM MgSO4、20mMグル
コースを含む培地0.5μをキュベットに加えた。細胞
懸濁液をキュベットから取り出し、播種するまで37℃で
インキュベートした。
得られた形質転換細胞はSambrook,J.,et alによる
“モレキュラー クローニング:実験室マニュアル"pp
4.2−4.33に記載されている方法により栄養寒天プレー
トの表面上に拡がった大腸菌の層上で培養された。
250μのエレクトロポレーションを受けた細胞を7g/
バクト寒天、8g/トリプトン、5g/酵母抽出物、5g
/ NaCl、200μgのX−ガル(5−ブロモ−4−クロ
ロ−3−インドリ−B−D−ガラクトシド、Bethesda R
esearch Laboratories,Gaitherburg,MD)および一夜JM1
01培養物の数滴を含む3mの培地に播種した。全混合物
は16g/トリプトン、10g/酵母抽出物および5g/M
NaClを含む1.5%バクト−寒天プレート(YT寒天プレ
ート)上に層積した。混合物は室温で放置して固化させ
た後37℃で一夜インキュベートした。
プラークを形成する細胞のコロニーは生成物のベクタ
ー内への酵素的連結および固定がうまくいったことを示
している。コロニー形成プラークが各々のプレートから
無作為に取り出され2mの2YT培地(16g/トリプト
ン、10g/酵母抽出物、5g/ NaCl)に播種された。
一夜JM101培養物の2滴を培地に加え、通気しながら37
℃で一夜インキュベートした。結果は下記表IIIに示さ
れている。
実施例6 試料プラーク ベクターはファージであるので、本来の形質転換の子
孫のコロニーのための術語はプラークである。結果は形
式的にはプラスミドと同じである。従って、クローン化
DNAの同一の断片を運んでいるエピソーム遺伝子要素の
コピーが存在する。
実施例5(前記)で応用された方法から得られたバク
テリオファージプラークを含む組換えDNA挿入物はプラ
ーク内へ無菌のつまようじを挿入することにより採取さ
れ、プラークからファージおよび感染細胞を2ミリリッ
トルの無菌2YT培地を含んだチューブ内へ移した。
実施例7.試料として取ったベクターDNAの別々での培養
および抽出 実施例6で得られた試料宿主細胞は激しくかき混ぜな
がら37℃で一夜インキュベートした。培養物はエッペン
ドルフ マイクロフュージ内で10分間遠心分離した。上
清液の1ミリリットルがファージ貯蔵物として4℃で保
存された。2.5M NaCl、10%ポリエチレングリコール60
00、0.015M NaEDTA pH8.0、40μgの熱不活性化RNase
を含む250μの緩衝液を上清液の次の1ミリリットル
に加え、4℃で2時間インキュベートした。試料はエッ
ペンドルフマイクロフュージ中で10分間遠心分離し、上
清液は捨てられた。各々の試料のペレットは0.2%サル
コシル、10mMトリスpH8.0、1mM NaEDTA、10μgのプロ
ティナーゼKを含む50μのファージコートダイジェッ
ション緩衝液に再懸濁し、55−65℃で1時間インキュベ
ートした。各々の試料はフェノール−クロロホルム抽出
され、エタノールで沈殿され、乾燥後10μの無菌水に
再懸濁された。
実施例8 プローブ群を形成する各々のベクターDNAの
標識 実施例7に記載されたごとくして産生された各々の発
酵および抽出ベクターDNA物質は、各々の単離DNAの2.5
μを前記実施例3に記載したような酵素的増幅および
ビオチニル化にかけることにより標識された。15の個々
のコロニーのプローブ組成物が調製された。
各々の組成物の5μが0.04Mトリス−酢酸1mMEDTAお
よび1μg/mのエチジウム ブロミドを含む1%アガ
ロースゲル上で分析された。123bpDNAラダー(Bethesda
Research Labs.Gaithersburg,MDにより製造)が大きさ
決定のための標準物質として使用された。得られた結果
は下記表IVに示されている: 実施例9 標的としてのゲノム試料への各々のプローブ
のハイブリダイゼーション 実施例7のプローブ組成物の各々がヒトゲノムの標的
試料へハイブリダイズされた。プローブ組成物の各々の
1μが実施例4(前記)に記載されているようなin
situハイブリダイゼーションにより評価された。
実施例1の生成物がハイブリダイズしたプローブ試料
が試験され、特定の染色体対に特異的信号を与えるプロ
ーブを産生するクローンが示された。in situハイブリ
ダイゼーションは15のうち13のクローンが染色体8に特
異的であったことを明らかにした。
結果は下記表Vに示されている。
上記表Vに示された情報から、良好な信号強度および
特異性を与えた3つのクローンが選択された。これらの
クローンは各々550,1100および3000塩基対挿入物を含ん
でいた。
ここで上に記載したようにクローン化された酵素的増
幅配列は少くとも多くの場合において特定の染色体のた
めの動原体特異的プローブとして標識および使用できる
DNA配列の発生のための鋳型として使用できることが結
論された。
これらM13クローンのうちの2つ、1−1および2−
2はここで提供される化学的方法によりアミノ基転移お
よびビオチニル化された場合(以下の実施例参照)にプ
ローブとして働くそれらの能力が試験された。
実施例10 反復DNA配列の単離、採取、発酵および抽出 染色体の単一の対に主要な信号を与えるコロニーがわ
かったら(単に記録を管理することにより行なわれる)
次にこのベクターの量を追加するために培養する。この
ことは以下のように実施された: M13クローン1−1および2−2の培養物は以下のご
とく調製された。大腸菌JM101はYTブロス中37℃で一夜
培養された。JM101培養物は3mの2YTブロスに1/100に
希釈し、3時間増殖させた。この培養液の0.5mに107
のファージを加え、3時間増殖させ、次に2.4リットル
のフェルンバッハフラスコ中の500mの2YTブロスに移
した。この培養液は定常的にかき混ぜながら37℃で一夜
増殖させた。この時点で細菌細胞はかなりの量のバクテ
リオファージDNAの環状二本鎖(複製形)を含んでい
る。DNAのこの形はプラスミドDNAの回収に使用されるも
のと同じ方法により回収できる。
DNAは以下のプロトコールを用いて培養細胞塊のすべ
てから抽出された。細胞は500mのポリプロピレン遠心
分離ビン中で遠心分離することにより増殖培地から回収
された。このビンにはキャップをし、冷蔵遠心分離機
中、7,000gで10分間遠心分離した。上清を捨てた後に湿
ったケーキ状物が回収された。細胞ペーストは40mの5
0mMグルコース(濾過滅菌)、10mM NaEDTA(pH7.5−8.
0)および25mMトリス−HCl(pH8.0)に再懸濁した。再
懸濁した細胞は80mの0.2M NaOHおよび1%(w/v)SD
S中で溶菌した。細胞溶菌物は500ミリリットル当り55.5
mの氷酢酸および147.5グラムの酢酸カリウムを含む60
mの溶液で処理された。これらの溶液を十分に混合す
ると柔毛性の沈殿が産生された。上清液が柔毛性沈殿か
ら除かれ、この上清液は残存する沈殿を除去するために
7000xgで15分間遠心分離された。
180mのエタノールを加え7000xgで10分間遠心分離す
ることにより、核酸が上清から沈殿した。核酸ペレット
は50mMトリス−HCl(pH8.0)、100mM酢酸ナトリウムを
含む全体で10ミリリットルの溶液に再懸濁された。核酸
は次に5mの中和フェノールおよび5mのクロロホルム
で抽出され、20mのエタノールで再沈殿された。十分
に水気を切った核酸ペレットは5.36mの水に再懸濁し
た。この溶液は15mのポリプロピレンチューブに移
し、0.64mの5M NaClおよび2.0mの50%(w/v)PEG
(M.W6000−8000)を加え十分に混合した。この溶液は
氷水上で1時間インキュベートし、10,000rpmで10分遠
心分離した。ペレットは50mMトリス−HCl(pH8.0)、10
0mM酢酸ナトリウムを含む5mの溶液に再懸濁された。
この溶液に10ミリグラム/ミリリットルの膵臓リボヌク
レアーゼA溶液(DNaseを不活性化するために熱処理さ
れている)を10μ加えた。RNAの酵素的分解は室温で3
0分間進行させた。20ミリグラム/ミリリットルのプロ
ティナーゼK溶液の10マイクロリットルを次に加えて55
℃で3時間インキュベートした。DNA溶液は次に2.5m
の中和フェノールおよび2.5mのクロロホルムで抽出さ
れ、10mのエタノールで再沈殿された。沈殿したDNAは
4500xgで15分遠心分離することにより集めた。得られた
ペレットは真空下で乾燥し続いて0.5の水に再懸濁し
た。DNA濃度は蛍光定量法により決定された。
M13mp18クローン1−1および2−2から得られたDNA
はM13mp18ベクターDNAの約7400塩基対および約1100塩基
対のクローン1−1の挿入物および約550塩基対のクロ
ーン2の挿入物から成っていた。
実施例11 増幅DNA配列の標識、プローブ組成物の形成 実施例3で製造されたような酵素的増幅生成物が以下
の方法により標識されプローブ組成物が生成された: 反復DNAを運ぶプラスミドを含むコロニーを同定する
ために使用される32P標識プローブの製造にポリメラー
ゼ連鎖反応が使用された。反応混合物は0.75μgのHind
III消化染色体8ライブラリーDNA鋳型、各々200μMの
dCTP、dGTP,dATP,dTTP 100μCiのアルファ32PdCTP、各
々1μMの2つの前に記載した実施例2のアルフォイド
特異性合成オリゴヌクレオチドプライマー混合物および
2.5単位のTaqポリメラーゼを、20mMトリス−HCl(pH8.
3)、50mM KCl、1.5mM MgCl2および0.01%ゼラチンを
含む緩衝液に溶解した容量100μの液である。反応混
合物には100μの無菌鉱油が層積され、増幅は前記のP
erkin Elmer Cetus(PEC)DNAサーマルサイクラーを用
いて自動的に実施された。酵素的に増幅された生成物は
Bio−Spin30カラム(BioRad,Richmond,CA)でゲル濾過
して(使用説明書に従って)取り込まれていないヌクレ
オチドを除去し、フェノール−クロロホルムで抽出し、
エタノールで沈殿させ、100μの無菌水に再懸濁し
た。放射性標識プローブ混合物は100℃で5分間加熱し
た後氷上で急速に冷却した。10mの新しく調製したハ
イブリダイゼーション溶液(下記参照)に希釈した4.5
×106cpmの変性プローブから成るハイブリダイゼーショ
ン混合物は次に単一のプリハイブリダイズしたフィルタ
ーを含む各々のバッグに加えられた。
実施例12 コロニー化した染色体ライブラリーのクロー
ニング、ハイブリッドの形成、配列の同定、コロニーの
採取、培養および抽出 ブルースクライブ(pBS)プラスミドベクター(Strat
agene)内へクローン化された流動選別Hind III制限染
色体8DNAを含むライブラリーDNAのスクリーニングはラ
イブラリーDNAを含む細菌コロニーを運ぶいくつかのニ
トロセルロースフィルター膜の調製で始まった。これら
のフィルターまたはコロニーリフトを調製するのに使用
される方法はすでに報告されている(Sambrook,et al
“モレキュラークローニング:実験室マニュアル"pp1.9
0−1.104)。10のコロニーリフト(フィルター当り約10
00細菌コロニー)は1.5×SSPE(0.27M NaCl、15mMリン
酸ナトリウム(pH7.7)、1.5mM EDTA)、0.5%(w/v)
BLOTTO(カーネーション脱脂粉乳)および1%(w/v)S
DSから成るハイブリダイゼーション溶液を含む個々のシ
ール−ア−ミールバッグ中、連続的にかき混ぜながら68
℃で一夜プリハイブリダイズされた。
実施例11に記載した標識プローブを導入後、連続的に
かき混ぜながら68℃で一夜ハイブリダイゼーションを進
行させた。次の日、ハイブリダイズしていないプローブ
はフィルター膜をバッチ様式(3回、激しくかき混ぜな
がら室温で各々5分)で、2×SSC(0.3M3 NaCl/30mM
クエン酸ナトリウム)、pH7.0、0.1%ドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)から成る低ストリンジェンシー溶液中に
て洗浄することにより除去された。最後の高ストリンジ
ェンシー洗浄に続いてフィルターはサランラップで包ま
れ、−70℃で一夜X線フィルム(XAR−5、Eastman Kod
ak,Rochester,NY)に暴露した。
10のフィルターの各々はいくつかの不連続な強いハイ
ブリダイゼーション信号を産生した。フィルターの配向
をその各々のマスター栄養寒天プレートと一致させた
後、フィルム上に強いハイブリダイゼーション信号を生
み出した60の細菌コロニーがさらなる分析のため選択さ
れた。大きさを調べるために可能なクローンの各々から
DNAを単離するため、寒天プレートから単一のコロニー
が取り出され、選択のため200μg/mのアンピシリンを
含む2mの2YT栄養ブロス(1.6%(w/v)トリプトン、
1%(w/v)酵母抽出物、0.5%(w/v)NaCl)に接種さ
れた。培養物は激しくかき混ぜながら一夜37℃で増殖さ
せた。
候補クローンの数をさらに減少させる手段として、こ
れらのクローンを最も高いアルフォイド含量に高め、ア
ルフォイドプローブへのハイブリダイゼーションの強度
でより定量的な様式で候補クローンが試験された。
ライブラリースクリーニングで選択されたコロニーか
ら増殖された60の細胞培養物の各々からプラスミドDNA
が抽出され精製された(Sambrook,et al.“モレキュラ
ークローニング:実験室マニュアル"pp1.25−1.28)。
標識および増幅されたアルファサテライト配列で調べら
れた場合、真のハイブリダイゼーション信号を産生する
クローンのみが選択されるようにドットブロット分析が
用いられた。アルカリ性溶菌精製プラスミドDNAの一部
(3μ)が50mMの水酸化ナトリウムの存在下変性さ
れ、次に10×SSC(150mMクエン酸ナトリウム,1.5M NaC
l)に前もって浸されたニトロセルロース膜フィルター
(SchleicherおよびSchnell,Keene,NH)上でドット分析
された。フィルターは風乾され、次に80℃、真空下で15
時間焼かれた。
フィルター、またはドットブロットは1.5×SSPE(0.2
7M NaCl,15Mリン酸ナトリウム(pH7.7)、1.5mM(EDT
A)、0.5%(w/v)BLOTTO(カーネーション脱脂粉乳)
および1%(w/v)SDSから成るハイブリダイゼーション
溶液中、激しくかき混ぜながら68℃で一夜ハイブリダイ
ズさせた。前記のPCR法により鋳型としてHind III制限p
BS染色体8ライブラリーDNAから発生させたビオチニル
化増幅アルファサテライトDNA配列がDNAのブロットのプ
ローブとして使用された。ビオチニル化プローブ(100
μのPCR反応の40μ)は5μg担体DNA(超音波処理
サケ精子DNA)および50%ホルムアミド/0.3M NaCl/30m
Mクエン酸ナトリウム/10%硫酸デキストラン、pH7.0の
存在下70℃で5分間変性させた。変性プローブ混合物は
迅速に氷上で冷却し、20m/sの新しく調製したハイブリ
ダイゼーション溶液(前記)に加え、続いてプリハイブ
リダイズされたドットブロットを含むシール−ア−ミー
ルバッグへ加えられた。ハイブリダイゼーションは連続
的にかき混ぜながら65℃で2.5時間進行させた。非結合
プローブはフィルター膜を2×SSC(0.3M NaCl/30mMク
エン酸ナトリウム)、pH7.0および0.1%ドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS)から成る低ストリンジェンシー溶液中
で洗浄することにより(3回、激しくかき混ぜながら室
温で各々5分)除去された。1×SSC(pH7.0)および0.
1%SDSから成る溶液中でフィルターを洗浄することによ
り(2回、激しくかき混ぜながら55−60℃で各々10分)
ストリンジェンシーが増加された。
ブロットされたDNA中に存在する相同的標的配列へハ
イブリダイズしたビオチニル化アルファサテライト配列
の検出は以下のようである。信号を検出するためのこの
方法はストレプトアビジンとビオチンの強い結合に基づ
いている。前の洗浄溶液を除去するためフィルターは簡
単にTTBS(0.1%(v/v)ツイーン20,100mMトリス−HCl
(pH7.5)、0.9%NaCl)中ですすがれた。フィルター上
の非標的部位が検出試薬と反応するのを防ぐため、新し
いTTBS中で30分間室温で緩やかに振とうさせながらフィ
ルターをインキュベートすることによりフィルターが塞
がれた。この期間に西洋ワサビペルオキシダーゼ(HR
P)−ストレプトアビジン複合体(Vectastain ABCKit,
Vector Labs,Burlingame,CA)が指示に従って調製され
た。HRP−ストレプトアビジン複合体は前もって塞がれ
たフィルターへ加えられ緩かに振とうしながら室温で30
分間インキュベートされた。過剰の複合体はTTBS中での
一連の洗浄により除去された(室温で緩かに振とうしな
がら15分間で4回緩衝液を交換)。最後に洗浄した後新
しく調製した基質溶液(0.1Mトリス−HCl(pH7.5)、0.
8mg/mジアミノベンジジン四塩酸塩(DAB)0.01%過酸
化水素、0.4mg/m塩化ニッケル)を添加すると急速な
信号の発生が起こった。発生したドットブロットは反応
を停止させるため蒸留水を2回換えてすすぎ、次に風乾
させた。この方法により半分を超えるクローンが信号を
発生させたが、さらなる分析には21のクローンのみが選
択された。これらのクローンはドットブロット分析で強
いハイブリダイゼーション信号を発生し、各々にアルフ
ォイド配列が存在していることを明らかに示している。
これらの21の候補クローンはそれらが含むヒトDNA制
限断片の大きさを決定することによりさらに特徴付けら
れた。21のクローン中の挿入物の大きさの決定は制限酵
素分析の使用により可能であった。pBS−染色体8ライ
ブラリーDNAは種々の異なった大きさのHind III切断染
色体8DNA断片をHind III切断ブルスクライブプラスミド
ベクターに連結することにより調製されている。単離さ
れたクローンのHind IIIによる制限消化はベクターバッ
クボーンから染色体8DNA挿入物を放出させる。消化液は
5μのアルカリ性溶菌精製プラスミドDNA、低塩緩衝
液(50mM,NaCl、10mMトリス−HCl(pH7.5)、10mM MgC
l2)および2μのHind III(20単位/μ、New Engl
and Biolabs)から成っている。消化は37℃で2時間進
行させた。Hind III制限DNAはサイズ標準物質存在下で
ゲル電気泳動された(1%アガロース、1×TAE実行緩
衝液、Sambrook,et al.“モレキュラークローニング:
実験室マニュアル"pp6.3−6.13)。これらのプラスミド
のHind III消化によりクローン当り1つまたはそれ以上
の染色体8DNA断片の存在が同定されそれらは約120塩基
対から9キロ塩基対の大きさの範囲であった。
染色体8に特異的な動原体配列を含むいくつかのクロ
ーンは1つ以上のHind III挿入物を含んでおり、これら
のクローン化断片のどちらが標識増幅アルファサテライ
トDNAプローブへのハイブリダイゼーションに関与して
いるか同定する必要がある。サザン分析は各々のクロー
ンのアルフォイド含量の決定を可能にする。挿入物の大
きさは広い範囲(約120塩基対から9キロ塩基対まで)
にわたっており、およびゲル電気泳動されたDNA断片の
フィルター膜への移動効率は主として断片の相対的な大
きさに依存しているので、この方法では2つの異なった
型のフィルター膜の使用が必要であった。大きなDNA断
片(>1キロ塩基対)は21のクローンの各々からアガロ
ースゲル上で分離され比較的良い効率でニトロセルロー
スフィルター膜(Schleicher and Schuell.Keene,NH)
へ移されるが、より小さなDNA断片(<1キロ塩基対)
は11のクローンにしか観察されず、ポリアクリルアミド
ゲル上で分離され、ナイロンフィルター膜(Zetaprobe,
Bio−Rad,Richmond,CA)に移された。
各々のクローンの制限消化液は、アルカリ性溶菌精製
プラスミドDNAの一部(3μ)、低塩緩衝液(50mM N
aCl,10mMトリス−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2および2
μのHind III(20単位/μ、New England Biolabs,
Beverly,MA)から成っている。反応は37℃で数時間進行
させ、次に1%アガロース/1×TAE実行緩衝液(Maniati
s et al.,Cold Spring Harbor)、または6%ポリアク
リルアミド/1×TBE実行緩衝液(Maniatis et al.,Cold
Spring Harbor)中、サイズ標準物質の存在下でゲル電
気泳動され、断片のニトロセルロースへの移動はVacuge
ne Vacuum Blotting System(PharmaciaLKB)の指示に
従って行われた。膜は真空下80℃にて1.5時間焼かれ
た。ポリアクリルアミドゲル分離DNA断片のナイロンへ
の移動はSemi−Dry Electroblottor(JKA−Biotech,De
nmark)の指示に使って行われた。ナイロン膜は焼く必
要がない。
両方のフィルター膜は1.5×SSPE(0.27M NaCl、15mM
リン酸ナトリウム(pH7.7)、1.5mM EDTA)、0.5%(w
/v)BLOTTO(カーネーション脱脂粉乳)および1%(w/
v)SDSからなるハイブリダイゼーション溶液中でプリハ
イブリダイズされた。プリハイブリダイゼーションは連
続的にかき混ぜながら68℃で24時間(ニトロセルロース
フィルター)または72時間(ナイロンフィルター)行わ
れた。鋳型としてHind III制限pBS染色体8DNAを用いて
発生させたビオチニル化増幅アルファサテライトDNAプ
ローブおよび縮重プライマー(U.Weler,LLNL)が各々の
ブロットのプローブとして使用された。ビオチニル化プ
ローブ(100μのPCR反応液の40μ)は50%ホルムア
ミド/0.3M NaCl/30mMクエン酸ナトリウム/10%硫酸デ
キストランpH7.0および5μgの担体DNA(超音波処理サ
ケ精子DNA)の存在下70℃で5分間変性させた。変性プ
ローブは氷上で急速に冷却し、20mの新しく調製した
ハイブリダイゼーション溶液(前記)に加えた。ハイブ
リダイゼーションは68℃で3時間進行させた。非結合プ
ローブはフィルター膜を2×SSC(0.3M NaCl/30mMクエ
ン酸ナトリウム、pH7.0)および0.1%ドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)から成る低ストリンジェンシー溶液中で
洗浄することにより(4回、激しくかき混ぜながら室温
で各々5分間)除去された。フィルターを1×SSC(pH
7.0)および0.1%SDSから成る溶液中で洗浄することに
より(2回、激しくかき混ぜながら55−60℃で各々10分
間)ストリンジェンシーが増加した。
各々のフィルター上に存在する相同的標的配列へハイ
ブリダイズしたビオチニル化アルファサテライト配列の
検出は以下のごとくである。信号を検出するこの方法は
ビオチンへのストレプトアビジンの強い結合性に基づい
ておりこの実施例の前に記載したごとく実施された。
ニトロセルロース膜のサザン分析により16のクローン
が同定され、その中の1つの非ベクター断片が強いハイ
ブリダイゼーション信号を発生させた。残りのクローン
の各々は両方のHind III断片中のアルフォイド配列の存
在を示す2つのハイブリダイゼーション信号を持ってい
た。アルフォイド配列を含んでいると同定された断片は
大きさにより分類できる: 1.2kbp,1.5kbp 1.9kbp, 2.3kbp,2.5kbp 3kbp 3.5−3.8kbp 5.5−5kbp 9kbp ナイロン膜のサザン分析もまた強いハイブリダイゼー
ション信号を発生し、そのどれも1200塩基対の長さより
小さなDNA断片を付随していなかった。
実施例13.各々のベクターDNAの標識、プローブ群の形成 実施例12に記載したごとく産生された各々の発酵およ
び抽出ベクターDNA物質が実施例7のポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)により標識され、それにより21のプローブ
組成物が調製された。
実施例14.標的としてのゲノム試料と各々のプローブの
ハイブリダイゼーション 実施例12のプローブ組成物の各々がヒトゲノムの標的
試料へハイブリダイズされた。
標的試料およびハイブリダイゼーション法は実施例8
に記載されている。
実施例15.反復DNA配列の同定、培養および抽出 実施例13の生成物ハイブリダイズ試料が試験され、染
色体8に特徴的な反復配列を含む単一のDNA配列が実施
例9の方法を用いて分離された。実施例9のごとく、DN
A配列は分離されなかった。どのプローブがどの特定の
コロニーから誘導されたかを決定するため記録管理を参
照した。さらなる使用のために増殖させるべきコロニー
が同定されたら、本来のコロニーを採取し、培養した。
当業者には明らかなようにプラスミド運搬細菌および
ファージ感染細菌の増殖にはほとんど相違はない。培養
物が同定されたら、実施例11に記載したごとくDNA抽出
が実施される。
適当なプラスミドを運ぶ大腸菌の培養物は以下のごと
く調製された: 適当なプラスミドを運ぶ細菌は200μg/mのアンピシ
リンを含むYT寒天プレートの表面に画線培養され、30℃
で一夜増殖させた。このプレートからの単一のコロニー
を2.4リットルのフェルンバッハフラスコ中の500ミリリ
ットルの2YT培地へ移し、200サイクルの一定のかき混ぜ
速度で30℃にて一夜増殖させた。実施例11のごとく、細
胞を遠心分離で集め、プラスミドDNAを抽出した。
現在のところ好適な染色体8の動原体のためのプラス
ミドプローブは約2800塩基対のベクターおよび約9000塩
基対の挿入物を持っている。
実施例16.カオトロープによるアミノ基転移 重亜硫酸塩触媒のアミノ基転移反応(ハイブリダイズ
でき二本鎖、相補DNAを形成する一本鎖DNAが含まれるこ
とにより達成できる)の程度はDNA基質の二本鎖形の形
成により制限されることが観察されている。塩基対合相
互作用に関与するデオキシシチジン残基はアミノ基転移
を受けない。この制限はアミノ基転移されるべきDNA配
列がクローン化アルフォイドDNAの場合のように主とし
て比較的に小さな繰返しから成っている場合より極端で
あることが観察されている。しかしながら、相補鎖の濃
度が増加するにつれて、そのハイブリダイゼーションの
速度も増加している。アミノ基転移反応中にカオトロー
プを含ませることがこの反応においてDNAが復元する速
度を減少させる方法になるかを評価した。この方法の有
効性がサケ精子DNAで試験された。
サケ精子DNA(Sigmaカタログ番号D−1626)は8mg/m
の濃度で水に希釈された。DNAは2mg/mの濃度まで水
で希釈され、その2mは超音波処理された。この溶液は
5mのポリプロピレンチューブに入れ、それは超音波処
理中の沸騰を防ぐためドライアイス/エタノール浴に浸
められた。超音波処理装置のマイクロチップはチップが
チューブの底から2−5mmになるようにこの溶液中に浸
められた。超音波処理は25−35ワットの出力で不連続的
に、80%の仕事サイクルで(時間の80%オン、時間の20
%オフ)5分間実施された。超音波処理後0.2mの3M酢
酸ナトリウム(pH5.5)および4mのエタノールを添加
することによりDNAが沈殿された。沈殿は8,000xgで5分
間遠心分離することにより回収され、真空下乾燥され
た。
カオトロープを含まない重亜硫酸塩緩衝液を調製する
には、1.7mの濃塩酸を2mの脱イオン水に氷上で徐々
に添加した。1mの新しいエチレンジアミン(Sigmaカ
タログ番号E−4379)を次に氷上で徐々に添加した。エ
チレンジアミンが溶解後、溶液を室温まで暖め、0.475g
のメタ重亜硫酸ナトリウム(Aldrichカタログ番号25,55
5−6)を加えた。pHが7.0になるまで重亜硫酸塩混合物
に濃HClを徐々に加え、溶液の液量を5.0mに調整し
た。
カオトロープ、トリフルオロ酢酸(TFA)を含む重亜
硫酸塩緩衝液を調製するには、1.53mのトリフルオロ
酢酸を氷上で2.5mの脱イオン水に加え、混合物は10分
間冷却させる。次に氷上で0.87mのエチレンジアミン
(Sigma,カタログ番号E−4379)を徐々に加えた。エチ
レンジアミンが溶解後、溶液を室温まで暖め、0.475gの
メタ重亜硫酸ナトリウム(Aldrich,カタログ番号25555
−6)を加えた。メタ重亜硫酸ナトリウムを溶解させる
ために溶液を45℃に暖めた。トリフルオロ酢酸を添加す
ることによりpHを7.0に調整し、溶液の容量は5.0mに
調整した。100ミリグラム/ミリリットルのハイドロキ
ノンの無水エタノール溶液を調製し、5mの重亜硫酸溶
液当り50μのハイドロキノン溶液の割合で重亜硫酸塩
緩衝液に加えた。
DNAのアミノ基転移には、1mgの超音波処理DNAセグメ
ントを300μの水に再懸濁した。DNAセグメントは100
℃で5分間煮沸することにより変性させ、続いてすぐ氷
水浴で冷却した。アミノ基転移反応は2.7mの重亜硫酸
塩緩衝液またはカオトロープを含む重亜硫酸塩緩衝液の
添加により開始された。カオトロープを含まない水性重
亜硫酸塩緩衝液中の反応は37℃で2日間進行させた。カ
オトロープを含む重亜硫酸塩緩衝液中の反応は45℃で18
時間進行させた。各々の場合のDNA溶液とも20mM酢酸ナ
トリウム(pH7)に対する通常の透析により脱塩され
た。透析後、0.1mの3M酢酸ナトリウム(pH5.5)が加
えられた。各々のアミノ化されたDNA生成物は2.5mの
エタノールにより沈殿され、8,000xgで10分間遠心分離
して回収された。ペレットは真空乾燥され、3mg/mの
濃度で水で再水和された。
各々のアミノ化DNA生成物(dC)のアミノ基転移の程
度はdCの酵素的分解に続いて、FPLCクロマトグラフィー
システム(Pharmacia LKB,Piscataway,NJ)による生じ
たヌクレオシドの分離により決定された。5−10μgの
アミノ化されたDNAを水で50μに希釈し、DNAはセファ
デックスG−50を含むスピンカラムで精製した(3プラ
イム−>5プライム カタログ番号5301−755608、West
Chester Pennsylvania)。DNAは次に乾燥させ、12.5μ
の2×DNase I緩衝液(20mMトリス、10mM MgCl2、pH
7.5)および0.5μのデオキシリボヌクレアーゼI(DN
ase I)(BRL,2mg/474μ、>10,000μ/mg)をDNAへ加
え溶液は37℃の水浴中1時間インキュベートした。50μ
の2×PDI/Alk,Phos.緩衝液(100mMトリス,200mM Na
Cl、28mM MgCl2、2mM ZnCl2、pH9.0)、19μの水、
5.0μのホスホジエステラーゼ(PDI)(Pharmacia L
KB,1,000μ/mが1×PDI/Alk,Phos.緩衝液に溶解され
ている)および1.0μのウシ腸アルカリ性ホスファタ
ーゼ(Promega,10,000μ/m)を次に加え溶液は更に37
℃にて2時間インキュベートした。消化試料は次にMino
PRCカラム(Pharmacia,LKB)に応用し、緩衝液A(97.
5:1イオン対合緩衝液:メタノール、イオン対合緩衝液
=50mM KH2PO4、0.05%ヘキサンスルホン酸、pH7.0)
および緩衝液B(50:50イオン対合緩衝液:メタノー
ル)間の直線濃度勾配を試料の溶出に使用し(40%緩衝
液Bになるまで流速は0.37m/分であり分当り緩衝液
Bを0.8%増加させ、続いて0.3m/分の流速で100%緩
衝液Bまで分当り緩衝液Bを3%増加させた)、DNA溶
出プロフィールは吸光度により記録した。4つの天然の
デオキシヌクレオシドの各々およびアミノ基転移された
デオキシシチジンの生成物は別々に溶出され、アミノ基
転移されたデオキシシチジンの量は、溶出プロフィール
中のデオキシシチジンおよびアミノ基転移されたデオキ
シシチジンピークの相対的面積から決定された。
カロトロープ不在下アミノ化されたサケ精子DNA中の
デオキシシチジン残基は15.2%の割合で誘導体化され
た。カロトロープ存在下でのアミノ化サケ精子DNA中の
デオキシシチジン残基は67%の割合で誘導体化された。
この結果はカオトロープの使用はアミノ基転移反応に
より達成できるアミノ化の程度を著しく増加させること
ができることを明瞭に示している。
実施例17.染色体#8の動原体と相補的な配列のアミノ
基転移 実施例12で産生されたpBS8ライブラリーおよび実施例
5で産生されたM13クローンから回収された種々のプラ
スミドを含むアルフォイドDNAのビオチン−ストレプト
アビジン様式を用いるin situハイブリダイゼーション
における性能を試験するにはこれらのDNAをビオチンで
修飾することが必要であった。このことは2工程法で達
成され、第1に前記の重亜硫酸塩触媒アミノ基転移反応
によるプラスミドDNA中のデオキシシトシン残基をエチ
レンジアミンによる誘導体化(アミノ基転移)し、およ
び第2にビオチンのスクシンイミジルエステルとの反応
により新しく導入された活性アミンにビオチンが結合さ
れる。
本アッセイにおいて高程度のビオチン置換がプローブ
の性能を改良するかどうかを決定するため、DNAのいく
つかがカオトロープ、トリフルオロ酢酸の存在または不
存在下の両方でアミノ基転移を受けた。
プラスミド1−1、2−2および10−4の培養は以下
のごとくである。適当なプラスミドを運んでいる細菌が
200μg/mのアンピシリンを含むYT寒天プレートの表面
で画線培養され、30℃で一夜増殖させた。このプレート
からの一つのコロニーを2.4リットルのフェルンバッハ
フラスコ中の500ミリリットルの2YT培地に移し、200
サイクル/分の速度で一定にかき混ぜながら30℃で一夜
増殖させた。
M13クローン1−1および2−2の培養物は以下のご
とく調製された。大腸菌JM101はYTブロス中37℃で一夜
培養された。JM101培養物は1/100に3mのYTブロス中で
希釈され、3時間増殖させた。0.5mのこの培養物に10
7のファージを加え、3時間増殖させた後、2.4リットル
のフェルンバッハ フラスコ中の500mのYTブロスへ移
した。この培養物は一定にかき混ぜながら37℃で一夜増
殖させた。この時点で、細菌細胞はかなりの量のバクテ
リオファージDNAの環状二本鎖(複製形)を含んでい
る。DNAのこの形はプラスミドDNAの回収に使用される方
法と同じ方法により回収できる。
DNAは前記実施例10に記載したごとく培養細胞塊のす
べてから抽出される。精製されたDNAはBranson Sonifer
450(Danbury,Connecticut)を用いる超音波処理によ
り約300塩基対の小さな断片へ分解された。プラスミド
試料からのDNAは2mの水中、100から350μg/mの範囲
の濃度で超音波処理された。溶液はチップがチューブの
底から2−5mmになるまでこの溶液に浸められた。超音
波処理は25−30ワットの出力で不連続的に、80%の仕事
サイクル(時間の80%がオン、時間の20%がオフ)で5
分間実施された。超音波処理後、0.2mの3M酢酸ナトリ
ウム(pH5.5)および4mのエタノールを加えてDNAを沈
殿させた。沈殿は8,000xgで5分間遠心分離して回収さ
れ、真空乾燥された。
カオトロープによりアミノ基転移されたDNAに対して
は、200−500μgの超音波処理DNAが100μの水に再懸
濁された。DNAは100℃で5分間煮沸することにより変性
され、次にすばやく氷水浴中で冷却された。アミノ基転
移反応は前記実施例15に記載したごとく、900μの重
亜硫酸塩緩衝液またはカオトロープを含む重亜硫酸塩緩
衝液の添加により開始された。重亜硫酸塩緩衝液中の反
応は37℃で2日間進行させた。カオトロープを含む重亜
硫酸塩緩衝液中の反応は45℃で18時間進行させた。
DNA溶液は20mM酢酸ナトリウム(pH7)に対して通常の
透析により脱塩された。透析後、0.1mの3M酢酸ナトリ
ウム(pH5.5)が加えられた。アミノ化されたDNAは2.5m
のエタノールにより沈殿され、8,000xgで10分間遠心
分離した後に回収された。ペレットは真空乾燥され、0.
2M3−〔N−モルホリノ〕プロパンスルホン酸(MOPS)
緩衝液中(pH7.4)、700−1400μg/mの濃度で再水和
された。
アミノ化されたDNAとビオチンのスクシンイミジルエ
ステルの反応によりDNAにビオチンが結合された。アミ
ノ化されたDNA溶液は、5分間煮沸することにより変性
され、続いてすばやく氷水浴中で冷却した。推定で100
倍モル過剰のスルホスクシンイミジル−6−(ビオチン
アミド)ヘキサノアート(Pierceカタログ番号21335C,R
ockford,IL)を0.2Mジメチルスルホキシド溶液としてア
ミノ化DNAへ加えた。アミノ化されたヌクレオチドの量
はすべての場合において、試料中に存在するヌクレオチ
ドの総モル数の5%であると推定されている。反応は一
定にかき混ぜながら室温で一夜進行させた。0.1容量の
酢酸ナトリウム(pH5.5)および3容量のエタノールの
添加によりDNAが反応液から沈殿された。沈殿は遠心分
離により回収された。沈殿は100μの水で再水和さ
れ、BioRad S30 カラム(Rockville Centre,NY)で脱
塩された。溶出液からのDNAは0.1容量の酢酸ナトリウム
(pH5.5)および3容量のエタノールの添加により沈殿
された。沈殿は遠心分離により集められ、真空乾燥され
た。DNAは約1ミリグラム/mで再懸濁された。プロー
ブ溶液の5μを600μの50mM NaOHで希釈した。正
確なプローブ濃度を提供するためこの溶液の260ナノメ
ーターでの吸光度が決定された。
これらのプローブの性能が前記実施例4に記載したin
situハイブリダイゼーションで評価された。カオトロ
ープなしでアミノ基転移されたプローブにより産生され
た信号強度とカオトロープでアミノ基転移されたプロー
ブにより産生された信号強度の比較から、カオトロー
プ、トリフルオロ酢酸の存在下でアミノ基転移すること
により製造されたビオチニル化プローブはカオトロープ
不在下でアミノ基転移することにより製造されたプロー
ブに比べ、より低いDNA濃度でより強い信号を産生する
ことが結論された。
実施例18.発蛍光団基によるアミノ基転移をうけた配列
の直接および間接標識およびin situハイブリダイゼー
ションにおける使用 ビオチン−アビジン相互作用および蛍光終点を使用す
るin situハイブリダイゼーションアッセイで機能する
ように前記のように生成されたDNA配列の能力は有用な
性質である。しかしながら、プローブの可視化には広範
囲な方法が存在する。本発明の実施により生成されたDN
A配列から製造されたプローブの一般的な有用性を示す
ため以下の実施例が提供されるが、それは、これらの配
列の1つが(前記実施例12の10−4)、プローブを直接
発蛍光団で標識する蛍光アッセイにおいての使用に容易
に適用されることの実例となることを示している。
(A)染色体#8の動原体に対するDNA配列10−4の直
接および間接標識 プラスミド10−4からのDNA配列は発酵により調製
(増幅)された。プラスミド10−4を含む細菌は200μg
/mのアンピシリンを含むYT寒天プレート上で画線培養
された。このプレートからの単一コロニーを2mの2YT
ブロスに移し、かき混ぜながら30℃で一夜増殖させた。
この細菌懸濁液は前に実施例1に記載した発酵過程の種
貯蔵物として働いた。発酵培養物の採取およびDNA配列
の抽出は前にこの実施例に記載したとおりである。発酵
により204グラムの細胞塊を得た。122グラムのこのペレ
ットの抽出により60ミリグラムのプラスミドDNAを得
た。得られたプラスミド10−4DNA配列の1ミリグラムが
前記実施例3のごとく超音波処理された。1ミリグラム
のこの超音波処理DNAは1mの蒸留水に再懸濁された。
このDNAは5分間煮沸することにより変性され、すばや
く氷上で冷却された。
9mのカオトロープを含む重亜硫酸塩緩衝液(実施例
15に記載)を加え、実施例15に記載したようなカオトロ
ープ存在下でのアミノ基転移反応を37℃で2日間進行さ
せた。得られるDNA生成物は10mMホウ酸ナトリウム(pH
8.0)に対する通常の透析により脱塩された。この得ら
れたDNAは0.1容量の3M酢酸ナトリウム(pH5.5)および
2.5容量のエタノールの添加により沈殿させ、沈殿DNAは
水に1ミリグラム/ミリリットルの濃度で再懸濁させ
た。
染色体#8の動原体に対するアミノ化されたDNA配列1
0−4の40マイクログラムを2mのチューブ内で乾燥さ
せ、続いて362μの0.20M MOPS(3−〔N−モルホリ
ノ〕プロパンスルホン酸)、pH7.4に再懸濁させた。蛍
光化合物5−(および6−)カルボキシテトラメチルロ
ーダミン(CTMR)、スクシンイミジルエステルをジメチ
ルホルムアミド中30mMに溶解した。150倍モル過剰のこ
の発蛍光団をアミノ化されたDNAに加えた(この場合37.
9μの30mM CTMR)。この標識反応は暗所にて室温で
チューブを一夜回転させて進行させた。
過剰の発蛍光団からの標識プローブの精製は続いての
3つの工程の方法であった。第1の工程はエタノール沈
殿であった。残っているエタノールを沈殿ペレットから
蒸発させた後、プローブを300μの水に再懸濁した。
この溶液は28cmの高さで1cmの直径のセファデックスG
−25カラムを通過させた。所望の分画(カラム空隙容
量)は水で溶出され、乾燥させて全容量を減少させた。
第2のエタノール沈殿で精製が完了し、乾燥ペレットは
300μの水に再懸濁した。得られた直接標識プローブ
組成物の吸光スペクトルは全ヌクレオチドの3.1%が標
識されていることを示した。
アミノ化されたDNAとビオチンのスクシンイミジルエ
ステルの反応によりDNAにビオチンが結合された。アミ
ノ基転移を受けた10−4DNA溶液の一部200μgが485μ
の0.2M MOPS緩衝液(pH7.4)として調製され5分間煮
沸することにより変性され、すばやく氷水浴で冷却され
た。スルホスクシンイミジル−6−(ビオチンアミド)
ヘキサノアート(Pierceカタログ番号21335C,Rockford,
IL)は0.2Mジメチルスルホキシド溶液として調製され
た。ビオチン溶液の15.2μがDNA溶液に添加され、反
応は一定にかき混ぜながら室温で一夜進行させた。0.1
容量の酢酸ナトリウム(pH5.5)および3容量のエタノ
ールを加えることにより反応液からDNAが沈殿された。
沈殿は遠心分離により回収された。沈殿は100μの水
で再水和され、BioRad S30カラム(Rockville Centre,N
Y)で脱塩された。溶出液に0.1容量の酢酸ナトリウム
(pH5.5)および3容量のエタノールを加えてDNAを沈殿
させた。沈殿を遠心分離により集め真空乾燥した。DNA
を約1ミリグラム/mで再懸濁させた。プローブ溶液の
5μを600μの50mM NaOHで希釈した。正確なプロ
ーブ濃度を提供するためこの溶液の260ナノメートルで
吸光度が決定された。
(B)10−4 CTMRプローブ組成物を用いるin situハ
イブリダイゼーション 前記直接標識プローブ組成物の16μgを固くしまるキ
ャップを持つ0.5mのチューブ内で乾燥させた。プロー
ブは10μの55%ホルムアミド/10%硫酸デキストラン/
0.15M NaCl/15mMクエン酸ナトリウムpH7.0(4.5μgの
超音波処理ヒト胎盤DNAがブロッカーとして加えられて
いる)に再懸濁された。このハイブリダイゼーション混
合物はチューブを70℃の水浴に5分間置くことにより変
性された。
前記実施例4に記載したように調製された標的スライ
ドは70%ホルムアミド/2×SSCの70℃溶液中で3分間変
性され、次に70%、85%および100%エタノール浴を連
続的に通すことにより(各々2分)脱水された。ハイブ
リダイゼーション混合物の一滴をピペットでスライドに
かけ、この液はカバーグラスで覆われた。カバーグラス
はゴムセメントによりスライド上に封ぜられた。ハイブ
リダイゼーションは光を遮断し、加湿された37℃のチャ
ンバー内で一夜進行させた。
次の日、残った非結合プローブはスライドを50%ホル
ムアミド/0.3M NaCl/30mMクエン酸ナトリウム、pH7.0
中で洗浄することにより(3回、45℃で各々15分間)除
去した。続いて0.3M NaCl/30mMクエン酸ナトリウム
(2×SSC、pH7.0)中で一回洗浄した(45℃で15分
間)。スライドは次に0.1Mリン酸ナトリウム/0.1%NP40
界面活性剤(PN緩衝液)で洗浄された。最後に、スライ
ドはPN緩衝液で2回洗浄され(室温で15分間)、風乾さ
れた。1μg/mDAPIの抗退色溶液7.5μを標的細胞に
かけ、その上へカバーガラスが置かれた。
得られた結果は下記表VIに示されている: 表VIに示された結果に基づいて、このようにして調製
された直接標識プローブ組成物は蛍光分光学的分析を用
いる特異的染色体動原体のin situハイブリダイゼーシ
ョンでの使用に非常に適していることが結論された。
実施例19.動原体12−特異的DNAプローブ (A)pBS12ライブラリーからの動原体12−特異的DNAク
ローンの回収 LLNLにより提供された染色体12のための本来のライブ
ラリーからの増幅された種貯蔵物の産生および発酵およ
び抽出によるDNAの大量生産はBittner et alの特許USSN
585,876号の実施例1および前に参照した本出願と同
じ日付で出願されたBittner et alのUSSN07/762,912の
実施例1に記載されているようにして達成された。
ブルースクライブ(pBS)プラスミドベクター(Strat
agene)内へクローン化された流動選別Hind III制限染
色体12DNAを含むライブラリーDNAのスクリーニングはラ
イブラリーDNAを含む細菌コロニーを持ついくつかのニ
トロセルロースフィルター膜の調製で始まった。フィル
ター当り約1000の細菌コロニーを持つ11のコロニーリフ
トが(前記実施例12のごとく調製された)前記実施例12
に記載したようにためされた。使用された放射性プロー
ブは前記実施例11に記載したように、0.75μgのHind I
II消化染色体12ライブラリーDNAを32PdCTPを含むPCR反
応にかけることにより調製された。
11のフィルターの各々がいくつかの不連続な強いハイ
ブリダイゼーション信号を引起こした。フィルターの配
向をその各々の元の栄養寒天プレートと一致させた後、
フィルム上強いハイブリダイゼーション信号を引起こし
た60の細菌コロニーがさらなる分析のために選択され
た。これらのコロニーの各々からのクローン化DNAの調
製およびこれらのコロニーの各々の中のHind III挿入物
の大きさの決定は、実施例12に記載したごとく達成され
た。これらのプラスミドのHind III消化によりクローン
当りの1つまたはそれ以上の染色体12DNA断片の存在が
同定され、それは約200塩基対から6キロ塩基対の大き
さの範囲であった。
これらのどちらが染色体12アルフォイド配列に相補的
なDNAを含んでいるかを決定するためのこれらのクロー
ンのドットブロット分析は実施例12に記載されている方
法により達成された。利用されたビオチニル化プローブ
DNAは0.75μgのHind III消化染色体12ライブラリーDNA
を実施例3に記載したPCR法にかけることにより調製さ
れた。
この方法でアッセイされたすべてのクローンが信号を
生成した;他よりも強いと思われるものはなかった。各
々1.5kbpから6kbpの大きさの範囲の染色体12断片を含む
13のクローンがさらなる分析のため選択された。
13のコロニーのうちの2つが一つ以上のHind III挿入
物を含んでおり、これらのクローン化断片のどちらが標
識され、増幅されたアルファサテライトDNAプローブへ
のハイブリダイゼーションに関与しているかを同定する
必要がある。ビオチニル化を使用し、前記実施例12に記
載されているようなサザン分析は各々のクローン中のア
ルフォイド含量の決定が可能である。
サザン分析により強いハイブリダイゼーション信号の
発生に関与した13のクローンの各々の中の一つの非ベク
ター断片が同定された。アルフォイド配列を含むと同定
された断片は大きさにより分類できる: 1.3−1.4Kbp 1.8Kbp 2.3−2.5Kbp 3Kbp 3.5−3.8Kbp 4.3−4.5Kbp 5.5−6Kbp (B)ビオチンを持ち、酵素的に誘導されたクローン化
動原体12特異的DNAの性能 pBS8ライブラリーから回収されたプラスミドを含む種
々のアルフォイドDNAのビオチン−ストレプトアビジン
様式を用いるin situハイブリダイゼーションにおける
性能を試験するためにはこれらのDNAをビオチンで修飾
する必要があった。染色体12動原体特異的プローブとし
て使用するのに適したクローンの同定に使用されるビオ
チン標識プローブの調製にPCRが使用された。各々のク
ローンからのHind III消化DNA鋳型の0.75μgが実施例
3に記載したPCRプロトコールで処理された。PCR生成物
はフェノール−クロロホルムで抽出され、次にBio−Spi
n30カラム(BioRad,Richmond,CA)により使用説明書に
従ってゲル濾過されて取り込まれていないヌクレオチド
が除去された。
精製ビオチニル化クローンの各々の1:50希釈物の3μ
がin situハイブリダイゼーションアッセイで評価さ
れた。
各々のスライドに置かれたハイブリダイゼーション混
合物はいつも55%ホルムアミド/10%硫酸デキストラン/
0.15M NaCl/15mMクエン酸ナトリウム、pH7.0であっ
た。この混合物は3μの希釈PCR反応混合物および0.5
μgの超音波処理サケ精子DNA(担体として加えられ
た)も含んでいる。10μの完全ハイブリダイゼーショ
ン混合物は70℃に5分間加熱することにより変性され、
ただちに氷で冷却された。この混合物は直接スライドに
のせられカバーグラスで覆われその端はゴムセメントで
封をされ、加湿したチャンバー内で42℃にて一夜ハイブ
リダイズされた。
結果は下記表VIIに示されている: これらの結果に基づくと、一つのプラスミドから誘導
されたプローブへの良好な強度および特異性が得られた
と結論される。
in situハイブリダイゼーションにおけるビオチニル
化クローンの評価からの結果に基づいて、クローン1−
1が直接蛍光標識に選択された。プラスミド1−1の培
養物は以下のように調製された。プラスミドを運ぶ細菌
は200μg/mのアンピシリンを含むYT寒天プレートの表
面で画線培養され、30℃で一夜増殖させた。このプレー
トからの一つのコロニーを2.4リットルのフェルンバッ
ハフラスコ中の500ミリリットルの2YT培地に移し、200
サイクル/分の一定のかき混ぜ速度で、30℃にて一夜増
殖させた。
実施例10に記載したプロトコールを用いて培養細胞塊
からDNAが抽出された。
(C)動原体−12に対するプローブ1−1の直接標識法 精製プラスミドDNA1−1は前記のごとく超音波処理に
より約300塩基対の小さな断片に分解され、DNAの断片は
前記実施例18に示されているようにアミノ基転移を受
け、蛍光化合物CTMRに共有結合で結合されてプローブ組
成物が生成された。このプローブ組成物はin situハイ
ブリダイゼーションに有用である。
以上の記述および実施例から、別のおよびさらなる実
施態様が当業者には明らかになるであろう。合理的な制
限などはそれらから引出されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ビットナー,マイケル・ルイス アメリカ合衆国イリノイ州60563,ナパ ーヴィル,ブルックデール・ロード 1768 (72)発明者 クルイックシャンク,ケネス・アレクサ ンダー アメリカ合衆国イリノイ州60540,ナパ ーヴィル,ロビン・ヒル・ドライブ 128 (56)参考文献 Genomics,1990年,Vol. 7,257−263 Biochemical and B iophysical Researc h Communications, 1990年,Vol.170,No.1,p. 243−250 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68 C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性液相条件下で、重亜硫酸塩触媒および
    アミノ基を含む反応性化合物の存在下において、1分子
    あたり少なくとも1つのデオキシシチジンヌクレオチド
    を含むポリヌクレオチドをアミノ基転移する、改良され
    た方法であって、該アミノ基転移を、溶解したトリハロ
    アセテートカオトロープアニオンの存在下において温度
    を20℃から60℃の範囲、pHを4.5から7.5の範囲に維持し
    ながら実施することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記トリハロアセテートカオトロープアニ
    オンが、トリフルオロアセテートおよびトリクロロアセ
    テートからなる群より選択される、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記トリハロアセテートカオトロープアニ
    オンが、トリフルオロアセテートである、請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】次の工程: (a)溶質として(1)アルカリ金属重亜硫酸塩;およ
    び(2)少なくとも1つの水溶性トリハロアセテート塩
    (ここで該トリハロアセテートアニオンはトリフルオロ
    アセテート、トリクロロアセテート、およびこれらの混
    合物から選択される);を含む水性溶液中において、前
    記ポリヌクレオチド配列を、前記反応性化合物としての
    水溶性二官能性連結化合物と接触させる(ここで前記連
    結化合物は1分子あたり2つの置換官能性ラジカルを含
    み、そのうちの1つが1級アミノラジカルおよび2級ア
    ミノラジカルからなる群より選択され、他の1つが1級
    アミノラジカル、2級アミノラジカル、カルボン酸ラジ
    カルおよびカルボキシレートラジカルからなる群より選
    択され、かつ前記官能性ラジカルがそれぞれ少なくとも
    2個かつ20個以下の炭素原子を含む有機ラジカルに結合
    している); (b)前記溶液を、前記連結化合物のアミノ基による前
    記デオキシシチジンヌクレオチドのアミノ基転移が予め
    定められた程度まで生ずるまで、4.5から7.5の範囲のpH
    および20から60℃の範囲の温度に維持する; (c)得られたアミノ基転移した溶液を、アルカリ金属
    低級アルカノエートに対して透析し、実質的にすべての
    非アルカノエート塩アニオンをそれから分離する; (d)そのように透析された溶液から、得られたアミノ
    基転移ヌクレオチド配列生成物を析出させる;および (e)そのように析出させた生成物を分離する; により実施される、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記二官能性連結化合物が次の式: [式中、 Xは、 からなる群より選択される二価ラジカルであり、 Rは、2個以上12個以下の炭素原子を有するアルキレン
    ラジカルであり、 R1およびR2は、それぞれ独立に、水素および低級アルキ
    ルからなる群より選択される] で表される、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記二官能性連結化合物がエチレンジアミ
    ンである、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記ポリヌクレオチドが、 (a)多重染色体ゲノムの1染色体の1領域に生ずるDN
    A配列に対して相補的であり、かつ少なくとも1つのDNA
    反復セグメントの複数コピーを含む、少なくとも1つの
    クローン化DNA配列生成物;および (b)それに由来するフラグメント化されたセグメント
    の混合物; からなる群より選択される、請求項4〜6のいずれか1
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】(a)前記ポリヌクレオチドが、前記フラ
    グメント化されたセグメントの混合物を含み、そして、
    前記混合物が、そこに存在するすべてのデオキシシチジ
    ンヌクレオチドの12から70モル%が前記連結化合物によ
    り前記のようにアミノ基転移される程度までアミノ基転
    移され; (b)前記セグメントが150から600塩基対の範囲の平均
    サイズを有し; (c)前記溶液中の前記セグメントの濃度が少なくとも
    20μg/mlであり; かつ (d)前記セグメントが、前記セグメント1μgあたり
    1×1010個以上の相補的配列のコピーを含む; ことを特徴とする、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】請求項4〜8のいずれか1項に記載の方法
    であって、前記そのようにアミノ基転移して得られたヌ
    クレオチド配列生成物を、該配列生成物中の前記連結化
    合物に由来する官能性ラジカルと反応性である反応性ラ
    ジカルを含む標識基含有化合物と反応させる工程を含む
    方法。
  10. 【請求項10】請求項7又は8に記載の方法によって得
    られる、アミノ基移転された一群のポリヌクレオチドで
    あって、 (a)少なくとも20μg/mlのポリヌクレオチドをその中
    に溶解させて含む水性溶液; (b)前記ポリヌクレオチド1μgあたり1×1010個以
    上の相補的配列DNAコピーを含むことにより特徴づけら
    れる前記ポリヌクレオチド;および (c)連結基で12から30モル%のデオキシシチジンヌク
    レオチドへの置換がなされている前記ポリヌクレオチ
    ド; を含んでなる一群のポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】請求項7に記載の方法であって、下記の
    各工程: (a)それぞれのヌクレオチド配列が前記1領域に存在
    する少なくとも1つの反復セグメントに対して相補的で
    ある、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを合成す
    る; (b)前記染色体に由来するポリヌクレオチドを含む鋳
    型組成物を、前記そのように合成されたオリゴヌクレオ
    チドをプライマー組成物として用いて酵素的に増幅し、
    前記1領域に存在するDNA反復セグメントの増幅された
    一群のコピーを製造する; (c)前記DNA反復セグメントのコピーを分離し、サン
    プリングする; (d)前記そのように増幅されクローン化され分離され
    サンプリングされたDNA反復セグメントを別個に標識す
    る; (e)前記そのように標識されたDNA反復セグメント
    を、前記ゲノムを代表する成分DNAを含む標的のそれぞ
    れの標本と、ハイブリダイズ条件下でハイブリダイズさ
    せてハイブリッドを形成する; (f)前記ハイブリッドから、前記1領域にのみ生じる
    DNA配列を同定し、選択する; (g)前記そのように選択されたDNA配列のコピーを培
    養し、抽出する;および (h)請求項7に記載のクローン化DNA配列生成物とし
    て、前記工程により製造されたクローン化DNA配列生成
    物を使用し、該クローン化DNA配列生成物を請求項4〜
    6のいずれか1項に記載の方法によりアミノ基転移す
    る; を含む方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の方法であって、 (A) 前記クローン化が、次の工程: (a) 前記一群のDNA反復セグメント個々の構成メン
    バーをそれぞれの個々のベクターに挿入する; (2) 前記ベクターを、宿主細胞1個あたり前記ベク
    ター1個の割合で宿主細胞に導入する; (3) 前記そのように導入された宿主を凝固した細胞
    コロニー培地上に播種する;および (4) 前記そのように播種された宿主細胞を培養し
    て、前記培地に分布する別々のコロニーであって、その
    それぞれのコロニーの構成メンバーが、その中に含まれ
    る前記DNA反復セグメントのクローンを含む一群の宿主
    細胞を製造する; によって実施され;かつ (B) 前記培養が次の工程: (1) 前記DNA反復セグメントを含む前記一群のコロ
    ニーの個々の構成メンバーコロニーをサンプリングし
    て、複数の別々の宿主細胞サンプルを得る; (2) 前記複数の宿主細胞サンプルのそれぞれを別々
    に培養する; (3) 前記そのように培養された宿主細胞サンプルの
    それぞれからベクターDNA反復セグメントを抽出し、複
    数の選択され別々に増殖した、前記1領域に見いだされ
    る個々のDNA反復セグメントを得る; によって実施される方法。
  13. 【請求項13】請求項11に記載の方法であって、前記工
    程(c)において、前記分離およびサンプリングが次の
    工程: (a) 前記一群のDNA反復セグメントのコピーを標識
    して、プローブ組成物を製造する; (b) 前記プローブ組成物と、クローン化され、コロ
    ニー化された前記ゲノムのライブラリーの複製されたア
    レイを含む標的を、ハイブリダイズ条件下でハイブリダ
    イズさせて、ハイブリッドを形成する; (c) 前記ハイブリッドから、DNA反復セグメントの
    前記コピーに対して相補的な標的DNAセグメントを同定
    する; (d) 前記ライブラリーのマスターアレイ中の前記そ
    のように同定された標的相補的DNAセグメントをサンプ
    リングする;および (e) 前記そのように同定されサンプリングされた、
    クローン化され分離されたライブラリーDNA反復セグメ
    ントのコピーを培養し、抽出する; によって実施される方法。
  14. 【請求項14】請求項11に記載の方法であって、 (A) 前記標識を放射性同位体を用いて実施し、プロ
    ーブ組成物を製造する; (B) 前記クローン化されコロニー化されたゲノムラ
    イブラリーを次の工程: (1) 前記ゲノムを一群のDNAセグメントにフラグメ
    ント化する; (2) 前記一群のDNAセグメントの個々の構成メンバ
    ーを、それぞれの個々のベクター中に挿入する; (3) 前記ベクターを宿主細胞1個あたり前記ベクタ
    ー1の割合で宿主細胞に導入する; (4) 前記そのように導入された宿主細胞を、凝固し
    た細胞コロニー培地上に播種する;および (5) 前記そのように播種された宿主細胞を培養し
    て、前記培地に分布する一群の別々のコロニーであっ
    て、その構成メンバーが前記ゲノムのライブラリーを一
    緒に含むコロニーを製造する; により調製する; (C) 前記そのように調製されたライブラリーを、次
    の工程: (1) 前記コロニー化されたゲノムライブラリーを支
    持基体上にレプリカする; (2) 前記レプリカされたライブラリーを保持する宿
    主細胞を溶解させる; (3) 宿主細胞DNAを前記基体上に固定化する;およ
    び (4) 前記固定化されたDNAを1本鎖標的にする; により、アレイとして支持基体に固定された1本鎖DNA
    フラグメントの分離された標的パッチに転換する; (D) 前記ハイブリッドからの前記DNAセグメントの
    同定を、次の工程: (1) 前記そのように調製された、ハイブリッドを含
    む基体を用いて、X線タイプの画像フィルムをオートラ
    ジオグラフさせて、現像後に得られたそのように感光さ
    れた前記フィルムの感光された領域を製造する; (2) 第1に、前記フィルムおよび前記基体を用い
    て、前記そのように感光された領域と関連する、前記コ
    ロニー化されたゲノムライブラリーの特定のDNAセグメ
    ントを同定する;および (3) 第2に、前記コロニー化されたゲノムライブラ
    リー中の、前記そのように第1に同定されたDNAフラグ
    メントを含むそれぞれの宿主細胞コロニーを同定する; により実施する;および (E) 前記培養を次の工程: (1) 前記コロニー化されたゲノムライブラリーをサ
    ンプリングして、前記そのように同定されたそれぞれの
    DNAセグメントを含む、代表的な複数の別々の宿主細胞
    サンプルを得る; (2) 前記宿主細胞コロニーサンプルのそれぞれを別
    々に培養する;および (3) 前記そのように培養された宿主細胞サンプルの
    それぞれからベクターDNAを抽出して、複数の、選択さ
    れ別々に増殖した前記1領域に見いだされる個々のDNA
    反復セグメントを得る; により実施する方法。
  15. 【請求項15】請求項11に記載の方法であって、前記工
    程(f)において、前記同定が次の工程: (a) 前記ハイブリッドを試験して、配列の中に前記
    標識DNA反復セグメント中のDNAセグメントに関連する相
    補的なセグメントの部分を含むDNA配列にハイブリダイ
    ズし、前記領域に局在化する、個々の標識DNA反復セグ
    メントの位置を決定する; (b) 前記そのように局在化されたプローブ中に含ま
    れるベクターDNAセグメントを特徴づける;および (c) 前記ベクターDNAセグメントを含む前記一群の
    クローン化コロニーの中の宿主細胞コロニーの構成メン
    バーを決定する; により実施される方法。
  16. 【請求項16】請求項11に記載の方法であって、前記工
    程(a)において、それぞれの前記オリゴヌクレオチド
    が7から50塩基対を含み、かつ、前記工程(f)におい
    て、前記そのように同定されたDNA配列が、前記領域で
    生ずる少なくとも1つのDNA反復セグメントの複数コピ
    ーを含む方法。
  17. 【請求項17】請求項11に記載の方法であって、前記工
    程(b)において、前記1染色体を代表する前記DNA組
    成物が、 (a) 前記1染色体; (b) 前記1染色体に生ずる逐次DNAを一緒に含むDNA
    セグメント;および (c) 前記1染色体のライブラリー; からなる群より選択される方法。
  18. 【請求項18】請求項11に記載の方法であって、前記ク
    ローン化DNA配列が、予め選択された染色体の予め選択
    された1領域に対して相補的であり、かつ、前記1領域
    に生じる少なくとも1つのDNA反復セグメントの複数コ
    ピーを含む方法。
  19. 【請求項19】請求項18に記載の方法であって、前記ク
    ローン化DNA配列が、前記1領域に各々生ずる少なくと
    も2つの異なるDNA反復セグメントの各々の複数コピー
    を含む方法。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の方法であって、前記ク
    ローン化DNA配列が、150から600塩基対の範囲の平均サ
    イズを有するDNAセグメントにフラグメント化されてい
    る方法。
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