JP3468839B2 - 電解水製造装置 - Google Patents
電解水製造装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生鮮食品の洗浄及び殺
菌、冷凍魚肉の解凍などの食品処理や、お絞り用、手洗
い用などに使用する電解水の製造装置に関する。
菌、冷凍魚肉の解凍などの食品処理や、お絞り用、手洗
い用などに使用する電解水の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電解水の製造装置においては、
例えば図3に示すように、中間部に隔膜2を挟んで張設
したスペーサ2aの両側に、板状の陽極3、陰極4及び
ケーシング1a,1bを当接固定して電解槽を形成し、
この電解槽内に隔膜2により仕切られて形成した陽極室
及び陰極室内に希釈食塩水タンク5内の食塩水を供給管
7を通してポンプ6により送り込み、電気分解により陽
極室及び陰極室内に生成された酸性水とアルカリ性水を
それぞれ酸性水取出し管8aとアルカリ性水取出し管8
bにより取り出して用途に応じて使用している。
例えば図3に示すように、中間部に隔膜2を挟んで張設
したスペーサ2aの両側に、板状の陽極3、陰極4及び
ケーシング1a,1bを当接固定して電解槽を形成し、
この電解槽内に隔膜2により仕切られて形成した陽極室
及び陰極室内に希釈食塩水タンク5内の食塩水を供給管
7を通してポンプ6により送り込み、電気分解により陽
極室及び陰極室内に生成された酸性水とアルカリ性水を
それぞれ酸性水取出し管8aとアルカリ性水取出し管8
bにより取り出して用途に応じて使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の電解水製造装置では、供給された食塩水は
電解されたものと未電解のものが分離されることなく全
てそのまま取り出されていたので大半の食塩が無駄に消
費されるという問題があった。このような食塩の無駄な
消費をなるべく少なくするために、通常は 0.1パーセン
ト程度の希薄な食塩水を使用しているので食塩水の電気
伝導度が低く、このため所定の電解を行うための消費電
力が増大するという問題もあった。本発明はこのような
各問題を解決することを目的とする。
ような従来の電解水製造装置では、供給された食塩水は
電解されたものと未電解のものが分離されることなく全
てそのまま取り出されていたので大半の食塩が無駄に消
費されるという問題があった。このような食塩の無駄な
消費をなるべく少なくするために、通常は 0.1パーセン
ト程度の希薄な食塩水を使用しているので食塩水の電気
伝導度が低く、このため所定の電解を行うための消費電
力が増大するという問題もあった。本発明はこのような
各問題を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る電解水製造装置は、図1に例示したように、電解槽1
0の内部を、イオンが通過可能な1対の隔膜17によ
り、中央室Cとその両側の陽極室A及び陰極室Bに分離
し、陽極室A内及び陰極室B内にそれぞれ設けた陽極2
0及び陰極21に、直流電源22から電解用電力を供給
する。陽極室Aの底部と上部には、原水導入管25aと
酸性水取出し管26を連通接続し、また陰極室Bの底部
と上部には、原水導入管25bとアルカリ性水取出し管
27を連通接続する。一方,中央室Cの上部には同中央
室内に塩を投入するための塩投入開口15aを形成し、
この塩投入開口は着脱可能な蓋19により密閉する。
る電解水製造装置は、図1に例示したように、電解槽1
0の内部を、イオンが通過可能な1対の隔膜17によ
り、中央室Cとその両側の陽極室A及び陰極室Bに分離
し、陽極室A内及び陰極室B内にそれぞれ設けた陽極2
0及び陰極21に、直流電源22から電解用電力を供給
する。陽極室Aの底部と上部には、原水導入管25aと
酸性水取出し管26を連通接続し、また陰極室Bの底部
と上部には、原水導入管25bとアルカリ性水取出し管
27を連通接続する。一方,中央室Cの上部には同中央
室内に塩を投入するための塩投入開口15aを形成し、
この塩投入開口は着脱可能な蓋19により密閉する。
【0005】前記電解槽10内には、各隔膜17に沿っ
て液体の通過が自由な支持体18を配置して取付けるこ
とが望ましい。 また、中央室C内には、加圧した水を
導入することが望ましい。
て液体の通過が自由な支持体18を配置して取付けるこ
とが望ましい。 また、中央室C内には、加圧した水を
導入することが望ましい。
【0006】
【0007】前記中央室C内に投入する塩は、同塩の微
細な結晶も実質的に通さない程度の細かい布目を有する
袋30内に封入して中央室C内に投入することが望まし
い。
細な結晶も実質的に通さない程度の細かい布目を有する
袋30内に封入して中央室C内に投入することが望まし
い。
【0008】本発明による電解水製造装置の実施にあた
っては、前述のように塩投入開口15aを形成して着脱
可能な蓋19により密閉するのに代えて、図2に例示し
たように、濃塩水を収容する濃塩水タンク45を設け、
この濃食塩水タンク内の濃塩水を連通管41を通して重
力のみにより中央室C内に供給するようにしてもよい。
この場合、電解水製造装置の電解槽10内には、各隔膜
17に沿って液体の通過が自由な支持体18を配置して
取付け、濃塩水タンク45内の濃塩水を陽極室A及び陰
極室B内の圧力よりも高圧にて前記中央室C内に供給す
ることが望ましい。
っては、前述のように塩投入開口15aを形成して着脱
可能な蓋19により密閉するのに代えて、図2に例示し
たように、濃塩水を収容する濃塩水タンク45を設け、
この濃食塩水タンク内の濃塩水を連通管41を通して重
力のみにより中央室C内に供給するようにしてもよい。
この場合、電解水製造装置の電解槽10内には、各隔膜
17に沿って液体の通過が自由な支持体18を配置して
取付け、濃塩水タンク45内の濃塩水を陽極室A及び陰
極室B内の圧力よりも高圧にて前記中央室C内に供給す
ることが望ましい。
【0009】
【0010】上記のように構成した電解水製造装置にお
いては、1対の隔膜17を全周にて接合して袋状隔膜4
0とし、その全周が前記電解槽10の内面に当接して陽
極室Aと陰極室Bを実質的に分離するようにし、濃塩水
タンク45内の濃塩水を袋状隔膜40内に供給するよう
にしてもよい。なお、前記濃塩水は飽和食塩水としても
よい。
いては、1対の隔膜17を全周にて接合して袋状隔膜4
0とし、その全周が前記電解槽10の内面に当接して陽
極室Aと陰極室Bを実質的に分離するようにし、濃塩水
タンク45内の濃塩水を袋状隔膜40内に供給するよう
にしてもよい。なお、前記濃塩水は飽和食塩水としても
よい。
【0011】
【0012】
【作用】図1に示した電解水製造装置を使用する場合に
は、中央室Cの上部に設けた塩投入開口15aから塩を
投入して、蓋19により密閉すれば、特別な手段を要す
ることなく飽和状態に近い濃塩水が中央室C内だけに貯
えられる。この状態にて、陽極20及び陰極21に直流
電源22からの電圧を印加すれば、各隔膜17はイオン
の通過が可能であるので、中央室C内の濃塩水が電気分
解されて陽極室A及び陰極室B内に導入された原水をそ
れぞれ酸性水とアルカリ性水に生成する。このようにし
て生成された酸性水及びアルカリ性水は、それぞれ酸性
水取出し管26とアルカリ性水取出し管27から取り出
される。中央室C内の電解されない濃塩水は両隔膜17
に遮られて、各取出し管26,27から取り出される酸
性水またはアルカリ性水に混入することはほとんどな
い。
は、中央室Cの上部に設けた塩投入開口15aから塩を
投入して、蓋19により密閉すれば、特別な手段を要す
ることなく飽和状態に近い濃塩水が中央室C内だけに貯
えられる。この状態にて、陽極20及び陰極21に直流
電源22からの電圧を印加すれば、各隔膜17はイオン
の通過が可能であるので、中央室C内の濃塩水が電気分
解されて陽極室A及び陰極室B内に導入された原水をそ
れぞれ酸性水とアルカリ性水に生成する。このようにし
て生成された酸性水及びアルカリ性水は、それぞれ酸性
水取出し管26とアルカリ性水取出し管27から取り出
される。中央室C内の電解されない濃塩水は両隔膜17
に遮られて、各取出し管26,27から取り出される酸
性水またはアルカリ性水に混入することはほとんどな
い。
【0013】支持体18を設けた電解槽10においては、
各隔膜17が各支持体18により補強される。中央室C
内に加圧した水を導入する場合には、隔膜17として水
を透過させる半透膜を使用しても、陽極室Aと陰極室B
から中央室C内への水の透過により中央室C内の濃塩水
が希釈されることはなくなる。また、細かい布目の袋3
0を備えた場合には、電解により中央室C内の塩が消費
されてなくなると所望量の塩をこの袋30内に封入して
中央室C内に投入される。
各隔膜17が各支持体18により補強される。中央室C
内に加圧した水を導入する場合には、隔膜17として水
を透過させる半透膜を使用しても、陽極室Aと陰極室B
から中央室C内への水の透過により中央室C内の濃塩水
が希釈されることはなくなる。また、細かい布目の袋3
0を備えた場合には、電解により中央室C内の塩が消費
されてなくなると所望量の塩をこの袋30内に封入して
中央室C内に投入される。
【0014】濃塩水タンク45内の濃塩水を重力のみに
より中央室C内に供給するようにした場合にも、特別な
手段を要することなく濃塩水が中央室C内だけに調整さ
れる。この場合にも、陽極20と陰極21に直流電源2
2からの電圧を印加して電解を行えば、前述の場合と同
様、酸性水及びアルカリ性水が酸性水取出し管26及び
アルカリ性水取出し管27から取り出され、中央室C内
の電解されない濃塩水は両隔膜17に遮られて、陽極室
A及び陰極室B内に混入することはほとんどない。
より中央室C内に供給するようにした場合にも、特別な
手段を要することなく濃塩水が中央室C内だけに調整さ
れる。この場合にも、陽極20と陰極21に直流電源2
2からの電圧を印加して電解を行えば、前述の場合と同
様、酸性水及びアルカリ性水が酸性水取出し管26及び
アルカリ性水取出し管27から取り出され、中央室C内
の電解されない濃塩水は両隔膜17に遮られて、陽極室
A及び陰極室B内に混入することはほとんどない。
【0015】各隔膜17に沿って支持体18を配置し、
濃塩水タンク45内の濃塩水を陽極室A及び陰極室B内
よりも高圧で中央室C内に供給した場合には、隔膜17
として水を透過させる半透膜を使用しても、陽極室A及
び陰極室Bから中央室C内への水の透過により中央室C
内の濃塩水が希釈されることはなくなり、隔膜17に加
わる圧力は支持体18により受け止められる。また、各
隔膜17の全周を連結して袋状隔膜40を形成した場合
には、袋状隔膜40の全周が電解槽10の内面に当接さ
れて陽極室Aと陰極室Bを実質的に分離する。
濃塩水タンク45内の濃塩水を陽極室A及び陰極室B内
よりも高圧で中央室C内に供給した場合には、隔膜17
として水を透過させる半透膜を使用しても、陽極室A及
び陰極室Bから中央室C内への水の透過により中央室C
内の濃塩水が希釈されることはなくなり、隔膜17に加
わる圧力は支持体18により受け止められる。また、各
隔膜17の全周を連結して袋状隔膜40を形成した場合
には、袋状隔膜40の全周が電解槽10の内面に当接さ
れて陽極室Aと陰極室Bを実質的に分離する。
【0016】
【実施例】以下に、図1及び図2を参照して本発明の第
1実施例の説明をする。図1に示したように、電解槽1
0は、中央スペーサ15の両側に保持枠16、サイドス
ペーサ13,14及びサイドケーシング11,12をそ
れぞれ順次液密に当接して一体結合することにより形成
されている。各保持枠16には隔膜17がそれぞれ張設
され、これら1対の隔膜17により電解槽10の内部が
陽極室A、陰極室B及び中央室Cに分離されている。電
解槽10を形成するサイドケーシング11,12、サイ
ドスペーサ13,14及び中央スペーサ15は何れも絶
縁物であり、その材質は例えば塩化ビニールである。中
央スペーサ15の上壁に形成した塩投入開口15aは、
着脱可能な蓋19により密閉されている。
1実施例の説明をする。図1に示したように、電解槽1
0は、中央スペーサ15の両側に保持枠16、サイドス
ペーサ13,14及びサイドケーシング11,12をそ
れぞれ順次液密に当接して一体結合することにより形成
されている。各保持枠16には隔膜17がそれぞれ張設
され、これら1対の隔膜17により電解槽10の内部が
陽極室A、陰極室B及び中央室Cに分離されている。電
解槽10を形成するサイドケーシング11,12、サイ
ドスペーサ13,14及び中央スペーサ15は何れも絶
縁物であり、その材質は例えば塩化ビニールである。中
央スペーサ15の上壁に形成した塩投入開口15aは、
着脱可能な蓋19により密閉されている。
【0017】陽極室A側となるサイドケーシング11の
内面には陽極20が固定され、また陰極室B側となるサ
イドケーシング12の内面には陰極21が固定されてい
る。各隔膜17は例えばポリエステル不織布を基材とす
るポリフッカビニリデンと酸化チタンよりなる1ミクロ
ン以下の細孔があけられた膜で、その外周全縁は保持枠
16に固着されている。各隔膜17に沿って液体の通過
が自由な支持体18が設けられている。この支持体18
は例えば保持枠16と一体成形された複数の補強リブで
あり、隔膜17と一体結合されその面を横切って設けら
れている。この第1実施例における陽極20及び陰極2
1は、例えばチタンあるいはチタンに白金コーティング
を施したものよりなる単純な板状の電極であって電解用
の直流電源22に接続されている。
内面には陽極20が固定され、また陰極室B側となるサ
イドケーシング12の内面には陰極21が固定されてい
る。各隔膜17は例えばポリエステル不織布を基材とす
るポリフッカビニリデンと酸化チタンよりなる1ミクロ
ン以下の細孔があけられた膜で、その外周全縁は保持枠
16に固着されている。各隔膜17に沿って液体の通過
が自由な支持体18が設けられている。この支持体18
は例えば保持枠16と一体成形された複数の補強リブで
あり、隔膜17と一体結合されその面を横切って設けら
れている。この第1実施例における陽極20及び陰極2
1は、例えばチタンあるいはチタンに白金コーティング
を施したものよりなる単純な板状の電極であって電解用
の直流電源22に接続されている。
【0018】前述したポリフッカビニリデンと酸化チタ
ンよりなる膜はイオン及び水は分子レベルで透過させる
膜であって、この膜によって隔てられた2つの液相が数
時間程度の短時間では入り交じり合わないので、この種
の電解水製造装置に使用するのに好ましい。なお、隔膜
17はイオン及び水を分子レベルでは透過させて巨視的
な液相レベルでは透過させない膜であればよい。
ンよりなる膜はイオン及び水は分子レベルで透過させる
膜であって、この膜によって隔てられた2つの液相が数
時間程度の短時間では入り交じり合わないので、この種
の電解水製造装置に使用するのに好ましい。なお、隔膜
17はイオン及び水を分子レベルでは透過させて巨視的
な液相レベルでは透過させない膜であればよい。
【0019】図に示すように、中央室Cよりも高い位置
に設けた水タンク35の底壁と、中央室Cを形成する中
央スペーサ15の底壁とは、開閉弁33を設けた連通管
32により連通されている。水タンク35にはフロート
スイッチ37により制御される電磁弁38を備えた水供
給管36により水道水が供給され、これにより水タンク
35内の水位は所定範囲に保たれて、中央室C内に必要
な水圧を加えている。この水圧は陽極室A及び陰極室B
内の圧力と同程度またはそれ以上とすることが望まし
く、中央室C内の圧力と陽極室A及び陰極室B内の圧力
の差により各隔膜17に加わる力は、支持体18により
支持される。
に設けた水タンク35の底壁と、中央室Cを形成する中
央スペーサ15の底壁とは、開閉弁33を設けた連通管
32により連通されている。水タンク35にはフロート
スイッチ37により制御される電磁弁38を備えた水供
給管36により水道水が供給され、これにより水タンク
35内の水位は所定範囲に保たれて、中央室C内に必要
な水圧を加えている。この水圧は陽極室A及び陰極室B
内の圧力と同程度またはそれ以上とすることが望まし
く、中央室C内の圧力と陽極室A及び陰極室B内の圧力
の差により各隔膜17に加わる力は、支持体18により
支持される。
【0020】中央室C内には、食塩の微細な結晶を実質
的に通さない程度の細かい布目を有する不織布の布地3
0により形成した袋(以下単に袋30という)内に封入
された食塩31が投入されている。なお、布地30は織
布を用いたものでもよい。また、水道管に接続した開閉
弁28を設けた原水供給管25は2つの原水導入管25
a,25bに分岐され、各原水導入管25a,25bは
それぞれサイドスペーサ13,14を介して陽極室A及
び陰極室Bの底部に連通されている。陽極室A及び陰極
室Bの上部にはそれぞれ酸性水取出し管26及びアルカ
リ性水取出し管27が連通されている。
的に通さない程度の細かい布目を有する不織布の布地3
0により形成した袋(以下単に袋30という)内に封入
された食塩31が投入されている。なお、布地30は織
布を用いたものでもよい。また、水道管に接続した開閉
弁28を設けた原水供給管25は2つの原水導入管25
a,25bに分岐され、各原水導入管25a,25bは
それぞれサイドスペーサ13,14を介して陽極室A及
び陰極室Bの底部に連通されている。陽極室A及び陰極
室Bの上部にはそれぞれ酸性水取出し管26及びアルカ
リ性水取出し管27が連通されている。
【0021】次に上記第1実施例の作動の説明をする。
この電解水製造装置の使用開始に先立ち、予め塩投入開
口15aを開いて袋30内に封入した食塩31を中央室
C内に投入した後、蓋19により塩投入開口15aを密
閉し、これと前後して開閉弁33を開いて中央室C内に
水を供給する。この水は布目を通って袋30内に入って
食塩31を溶解し、生じた食塩水は袋30の布目を通っ
て中央室C内全体に拡散し、相当な時間が経過すれば、
中央室C内は飽和状態に近い濃食塩水で充満される。次
いで原水供給管25の制御弁28を開き、水道管からの
原水を陽極室A及び陰極室B内に送り込み、酸性水取出
し管26及びアルカリ性水取出し管27から排出させ
る。
この電解水製造装置の使用開始に先立ち、予め塩投入開
口15aを開いて袋30内に封入した食塩31を中央室
C内に投入した後、蓋19により塩投入開口15aを密
閉し、これと前後して開閉弁33を開いて中央室C内に
水を供給する。この水は布目を通って袋30内に入って
食塩31を溶解し、生じた食塩水は袋30の布目を通っ
て中央室C内全体に拡散し、相当な時間が経過すれば、
中央室C内は飽和状態に近い濃食塩水で充満される。次
いで原水供給管25の制御弁28を開き、水道管からの
原水を陽極室A及び陰極室B内に送り込み、酸性水取出
し管26及びアルカリ性水取出し管27から排出させ
る。
【0022】この状態で陽極20及び陰極21に直流電
源22からの電解用電力を供給すれば、中央室C内の食
塩水中の塩素イオン(陰イオン)は一方の隔膜17を通
って陽極室A内に入り陽極20に接触し電価を失って塩
素となる。この塩素の一部はそのまま陽極20付近の水
中に溶解し、一部は水と反応して次亜塩素酸あるいは次
亜塩素酸イオンを生じ、これらにより殺菌作用のある有
効塩素濃度が与えられる。残る塩素の一部は塩酸となり
あるいは塩素ガスとなって遊離される。これにより陽極
室A内の原水は酸性水となる。また中央室C内の食塩水
中のナトリウムイオン(陽イオン)は他方の隔膜17を
通って陰極室B内に入り陰極21に接触して電価を失
い、陰極21付近の水と反応して苛性ソーダ及び遊離水
素を生じ、これにより陰極室B内の原水はアルカリ性水
となる。このようにして陽極室A及び陰極室B内にそれ
ぞれ生成された酸性水及びアルカリ性水は、酸性水取出
し管26及びアルカリ性水取出し管27から取り出さ
れ、それぞれの用途に使用される。なお、陽極室A及び
陰極室Bを通る原水の流れにより各隔膜17に加わる力
は、支持体18により支持される。
源22からの電解用電力を供給すれば、中央室C内の食
塩水中の塩素イオン(陰イオン)は一方の隔膜17を通
って陽極室A内に入り陽極20に接触し電価を失って塩
素となる。この塩素の一部はそのまま陽極20付近の水
中に溶解し、一部は水と反応して次亜塩素酸あるいは次
亜塩素酸イオンを生じ、これらにより殺菌作用のある有
効塩素濃度が与えられる。残る塩素の一部は塩酸となり
あるいは塩素ガスとなって遊離される。これにより陽極
室A内の原水は酸性水となる。また中央室C内の食塩水
中のナトリウムイオン(陽イオン)は他方の隔膜17を
通って陰極室B内に入り陰極21に接触して電価を失
い、陰極21付近の水と反応して苛性ソーダ及び遊離水
素を生じ、これにより陰極室B内の原水はアルカリ性水
となる。このようにして陽極室A及び陰極室B内にそれ
ぞれ生成された酸性水及びアルカリ性水は、酸性水取出
し管26及びアルカリ性水取出し管27から取り出さ
れ、それぞれの用途に使用される。なお、陽極室A及び
陰極室Bを通る原水の流れにより各隔膜17に加わる力
は、支持体18により支持される。
【0023】中央室C内の電解されなかった食塩水は両
隔膜17に遮られて陽極室Aまたは陰極室B内に入るこ
とはほとんどなく、引き続き電解に使用される。従っ
て、未電解の食塩水が酸性水取出し管26及びアルカリ
性水取出し管27から排出されることがほとんどないの
で食塩が無駄に消費されることがない。また、中央室C
内の食塩水は濃度が高く、その電気伝導度が高いので、
電気分解に必要な消費電力が減少する。電解により中央
室C内の溶解した食塩が消費されて濃度が低下したと
き、袋30内の食塩31が溶解されてこれを補うので、
中央室C内の食塩水の濃度は引き続き飽和状態近くに維
持される。
隔膜17に遮られて陽極室Aまたは陰極室B内に入るこ
とはほとんどなく、引き続き電解に使用される。従っ
て、未電解の食塩水が酸性水取出し管26及びアルカリ
性水取出し管27から排出されることがほとんどないの
で食塩が無駄に消費されることがない。また、中央室C
内の食塩水は濃度が高く、その電気伝導度が高いので、
電気分解に必要な消費電力が減少する。電解により中央
室C内の溶解した食塩が消費されて濃度が低下したと
き、袋30内の食塩31が溶解されてこれを補うので、
中央室C内の食塩水の濃度は引き続き飽和状態近くに維
持される。
【0024】袋30内の食塩31が消費されて無くなれ
ば、電解水製造装置を一時停止して開閉弁33を閉じ、
蓋19を外して塩投入開口15aを開いて、袋30を食
塩31が充満された新しいものと交換し、再び塩投入開
口15aを閉じた後に、開閉弁33を開いて電解水製造
装置の作動を再開させる。電解水製造装置を停止した場
合に、未溶解の食塩31を取り除く必要があるならば、
塩投入開口15aから袋30を引き出せばよい。従っ
て、この実施例においては、予め所定量の食塩31を封
入した袋30を用意することにより、食塩31の補給を
簡単に行うことができ、また作動停止時の未溶解の食塩
31の除去も簡単に行うことができる。しかしながら、
袋30は必ずしも使用しなくともよく、その場合は食塩
31の補給及び除去に手間はかかるが、それ以外の効果
はすべて得られる。
ば、電解水製造装置を一時停止して開閉弁33を閉じ、
蓋19を外して塩投入開口15aを開いて、袋30を食
塩31が充満された新しいものと交換し、再び塩投入開
口15aを閉じた後に、開閉弁33を開いて電解水製造
装置の作動を再開させる。電解水製造装置を停止した場
合に、未溶解の食塩31を取り除く必要があるならば、
塩投入開口15aから袋30を引き出せばよい。従っ
て、この実施例においては、予め所定量の食塩31を封
入した袋30を用意することにより、食塩31の補給を
簡単に行うことができ、また作動停止時の未溶解の食塩
31の除去も簡単に行うことができる。しかしながら、
袋30は必ずしも使用しなくともよく、その場合は食塩
31の補給及び除去に手間はかかるが、それ以外の効果
はすべて得られる。
【0025】隔膜17として水を透過させる半透膜を使
用した場合は、陽極室A及び陰極室B内の原水(水道
水)と中央室C内の濃食塩水の浸透圧の差により、中央
室C内に水道水が浸透して中央室C内の濃食塩水を希釈
するおそれがある。しかしながら、このような原因によ
る中央室C内の濃食塩水の希釈は、中央室Cに加える水
圧を浸透圧の差に相当する分だけ陽極室A及び陰極室B
内の水圧よりも高圧にすることことにより防止できる。
なお、水圧の差により各隔膜17に加わる外向きの力は
支持体18により受け止められる。
用した場合は、陽極室A及び陰極室B内の原水(水道
水)と中央室C内の濃食塩水の浸透圧の差により、中央
室C内に水道水が浸透して中央室C内の濃食塩水を希釈
するおそれがある。しかしながら、このような原因によ
る中央室C内の濃食塩水の希釈は、中央室Cに加える水
圧を浸透圧の差に相当する分だけ陽極室A及び陰極室B
内の水圧よりも高圧にすることことにより防止できる。
なお、水圧の差により各隔膜17に加わる外向きの力は
支持体18により受け止められる。
【0026】図2に示す第2実施例においては、電解槽
10の構造は塩投入開口15a及びこれを閉じる蓋19
がない点を除き、第1実施例と実質的に同じである。し
かし、両電極20,21の構造、隔膜17が袋状に形成
されている点、及び中央室C内に濃食塩水タンク45か
らの濃食塩水を供給した点においては、第1実施例と相
違している。なお、サイドケーシング11とサイドスペ
ーサ13及びサイドケーシング12とサイドスペーサ1
4は一体形成してもよい。
10の構造は塩投入開口15a及びこれを閉じる蓋19
がない点を除き、第1実施例と実質的に同じである。し
かし、両電極20,21の構造、隔膜17が袋状に形成
されている点、及び中央室C内に濃食塩水タンク45か
らの濃食塩水を供給した点においては、第1実施例と相
違している。なお、サイドケーシング11とサイドスペ
ーサ13及びサイドケーシング12とサイドスペーサ1
4は一体形成してもよい。
【0027】図2に示すように、中央室Cをその間に形
成する両隔膜17は全周にて接合されて袋状隔膜40に
形成され、その全外周は電解槽10を形成する中央スペ
ーサ15の内面に当接されて陽極室Aと陰極室Bを実質
的に分離している。本実施例の支持体18は保持枠16
と一体的に形成されており、その形態は液体の通過が自
由な網状あるいは格子状である。この支持体18は袋状
隔膜40の両外側に隣接して設けられている。
成する両隔膜17は全周にて接合されて袋状隔膜40に
形成され、その全外周は電解槽10を形成する中央スペ
ーサ15の内面に当接されて陽極室Aと陰極室Bを実質
的に分離している。本実施例の支持体18は保持枠16
と一体的に形成されており、その形態は液体の通過が自
由な網状あるいは格子状である。この支持体18は袋状
隔膜40の両外側に隣接して設けられている。
【0028】液体の通過が自由な陽極20及び陰極21
は、各支持体18の陽極室Aまたは陰極室B側に隣接し
て配置されてサイドスペーサ13,14に取り付けら
れ、直流電源22に接続されている。この実施例におい
ては、各電極20,21として平板に多数の菱形の穴を
形成したエキスパンデッド・メタルラスを使用したが、
これに限らず液体の通過が自由なものであればワイヤ・
ラスまたはパンチド・メタルラス、あるいは棒状の素材
を格子状に多数並べたものでもよく、その材質は第1実
施例と同様、チタンあるいはチタンに白金コーティング
を施したものである。
は、各支持体18の陽極室Aまたは陰極室B側に隣接し
て配置されてサイドスペーサ13,14に取り付けら
れ、直流電源22に接続されている。この実施例におい
ては、各電極20,21として平板に多数の菱形の穴を
形成したエキスパンデッド・メタルラスを使用したが、
これに限らず液体の通過が自由なものであればワイヤ・
ラスまたはパンチド・メタルラス、あるいは棒状の素材
を格子状に多数並べたものでもよく、その材質は第1実
施例と同様、チタンあるいはチタンに白金コーティング
を施したものである。
【0029】陽極室A及び陰極室Bの下部には、第1実
施例と同様、開閉弁28を設けた原水供給管25から分
岐された原水導入管25a,25bが接続され、同陽極
室及び陰極室の上部には酸性水取出し管26及びアルカ
リ性水取出し管27が接続されている。
施例と同様、開閉弁28を設けた原水供給管25から分
岐された原水導入管25a,25bが接続され、同陽極
室及び陰極室の上部には酸性水取出し管26及びアルカ
リ性水取出し管27が接続されている。
【0030】図に示すように、中央室Cよりも高い位置
に設けた濃食塩水タンク45は、上縁よりも低い高さの
仕切板45aにより濃食塩水室Dと食塩投入室Eに分離
され、食塩投入室E内には多量の食塩50が投入されて
いる。食塩投入室E内には、フロートスイッチ47によ
り制御される電磁弁48を備えた水供給管46により水
道水が供給され、これにより濃食塩水タンク45内の水
位は、仕切板45aの上縁より常に高い所定範囲に保た
れる。濃食塩水タンク45内の水は先端部を食塩投入室
E内に入れた撹拌モータ49により撹拌され、濃食塩水
タンク45内全体に飽和状態に近い濃食塩水が形成され
る。
に設けた濃食塩水タンク45は、上縁よりも低い高さの
仕切板45aにより濃食塩水室Dと食塩投入室Eに分離
され、食塩投入室E内には多量の食塩50が投入されて
いる。食塩投入室E内には、フロートスイッチ47によ
り制御される電磁弁48を備えた水供給管46により水
道水が供給され、これにより濃食塩水タンク45内の水
位は、仕切板45aの上縁より常に高い所定範囲に保た
れる。濃食塩水タンク45内の水は先端部を食塩投入室
E内に入れた撹拌モータ49により撹拌され、濃食塩水
タンク45内全体に飽和状態に近い濃食塩水が形成され
る。
【0031】濃食塩水室Dの底部は、中央スペーサ15
の上壁を液密に貫通する連通管41により袋状隔膜40
に連通され、重力により袋状隔膜40内に濃食塩水を供
給すると同時に、その内部に必要な水圧を加えている。
袋状隔膜40内に加える水圧は陽極室A及び陰極室B内
の水圧よりも大とし、これにより袋状隔膜40の全外周
は中央スペーサ15の内面に当接される。陽極室A及び
陰極室B内の水圧との差により各隔膜17に外向きに加
わる力は支持体18により支持される。場合によって
は、両電極20,21をも支持体18により支持する。な
お、この第2実施例におけるように流体の通過が自由な
電極20,21を各隔膜17の陽極室A及び陰極室B側
に隣接して設けた場合には、各支持体18を省略して両
電極20,21により各隔膜17に外向きに加わる力を
支持するようにしてもよい。
の上壁を液密に貫通する連通管41により袋状隔膜40
に連通され、重力により袋状隔膜40内に濃食塩水を供
給すると同時に、その内部に必要な水圧を加えている。
袋状隔膜40内に加える水圧は陽極室A及び陰極室B内
の水圧よりも大とし、これにより袋状隔膜40の全外周
は中央スペーサ15の内面に当接される。陽極室A及び
陰極室B内の水圧との差により各隔膜17に外向きに加
わる力は支持体18により支持される。場合によって
は、両電極20,21をも支持体18により支持する。な
お、この第2実施例におけるように流体の通過が自由な
電極20,21を各隔膜17の陽極室A及び陰極室B側
に隣接して設けた場合には、各支持体18を省略して両
電極20,21により各隔膜17に外向きに加わる力を
支持するようにしてもよい。
【0032】次に上記第2実施例の作動の説明をする。
この電解水製造装置の使用開始に先立ち、前述のように
して濃食塩水タンク45内にて調整した濃食塩水を連通
管41を通して重力により袋状隔膜40内に供給してそ
の内部に充満させ、袋状隔膜40により陽極室Aと陰極
室Bを分離させてその両側の隔膜17の間に中央室Cを
形成する。次いで、原水供給管25の制御弁28を開い
て水道管からの原水を陽極室A及び陰極室B内に送り込
み、酸性水取出し管26及びアルカリ性水取出し管27
から排出させる。
この電解水製造装置の使用開始に先立ち、前述のように
して濃食塩水タンク45内にて調整した濃食塩水を連通
管41を通して重力により袋状隔膜40内に供給してそ
の内部に充満させ、袋状隔膜40により陽極室Aと陰極
室Bを分離させてその両側の隔膜17の間に中央室Cを
形成する。次いで、原水供給管25の制御弁28を開い
て水道管からの原水を陽極室A及び陰極室B内に送り込
み、酸性水取出し管26及びアルカリ性水取出し管27
から排出させる。
【0033】この状態で陽極20及び陰極21に直流電
源22からの電解用電力を供給すれば、第1実施例の場
合と同様にして、陽極室A内の原水は酸性水となり、陰
極室B内の原水はアルカリ性水となる。なお第2実施例
の場合は、陽極20及び陰極21の中央室C側に生じた
酸性水及びアルカリ性水は、液体の通過が自由な各電極
20,21を通って陽極室A及び陰極室B内に拡散す
る。このようにして陽極室A及び陰極室B内にそれぞれ
生成された酸性水及びアルカリ性水は、酸性水取出し管
26及びアルカリ性水取出し管27から取り出され、そ
れぞれの用途に使用される。
源22からの電解用電力を供給すれば、第1実施例の場
合と同様にして、陽極室A内の原水は酸性水となり、陰
極室B内の原水はアルカリ性水となる。なお第2実施例
の場合は、陽極20及び陰極21の中央室C側に生じた
酸性水及びアルカリ性水は、液体の通過が自由な各電極
20,21を通って陽極室A及び陰極室B内に拡散す
る。このようにして陽極室A及び陰極室B内にそれぞれ
生成された酸性水及びアルカリ性水は、酸性水取出し管
26及びアルカリ性水取出し管27から取り出され、そ
れぞれの用途に使用される。
【0034】第1実施例の場合と同様、中央室C内の電
解されなかった食塩水は陽極室Aまたは陰極室B内に入
ることはほとんどなく、未電解の食塩水が酸性水取出し
管26及びアルカリ性水取出し管27から排出されるこ
とがほとんどないので食塩が無駄に消費されることがな
い。また、中央室C内の食塩水は濃度が高いのでその電
気伝導度が高く、しかも各電極20,21は各隔膜17
に接近して設けられているので電気分解に必要な消費電
力は一層減少する。電解により中央室C内の溶解した食
塩が消費されて濃度が低下したときには、濃食塩水室D
内の濃食塩水が拡散作用により連通管41を通って供給
されるので、中央室C内の食塩水の濃度は引き続き飽和
状態近くに維持される。
解されなかった食塩水は陽極室Aまたは陰極室B内に入
ることはほとんどなく、未電解の食塩水が酸性水取出し
管26及びアルカリ性水取出し管27から排出されるこ
とがほとんどないので食塩が無駄に消費されることがな
い。また、中央室C内の食塩水は濃度が高いのでその電
気伝導度が高く、しかも各電極20,21は各隔膜17
に接近して設けられているので電気分解に必要な消費電
力は一層減少する。電解により中央室C内の溶解した食
塩が消費されて濃度が低下したときには、濃食塩水室D
内の濃食塩水が拡散作用により連通管41を通って供給
されるので、中央室C内の食塩水の濃度は引き続き飽和
状態近くに維持される。
【0035】隔膜17(すなわち袋状隔膜40)として
水を透過させる半透膜を使用した場合は、陽極室A及び
陰極室B内の原水(水道水)と中央室C内の濃食塩水の
浸透圧の差により、中央室C内に水道水が浸透して中央
室C内の濃食塩水を希釈するおそれがある。しかしなが
ら、中央室Cに加える水圧を浸透圧の差に相当する分だ
け陽極室A及び陰極室B内の水圧よりも高圧にすること
により、このような原因による中央室C内の濃食塩水の
希釈は防止できる。また、電解により中央室C内の食塩
が消費されて濃度が低下した場合には、中央室C内の水
分だけが陽極室A及び陰極室B内に透過して、中央室C
内の食塩水濃度が回復する。この場合には、陽極室A及
び陰極室B内に透過した水分の量だけ連通管41を通し
て濃食塩水室D内の濃食塩水が補われる。なお、水圧の
差により各隔膜17に加わる外向きの力は各支持体18
及び電極20,21により受け止められる。
水を透過させる半透膜を使用した場合は、陽極室A及び
陰極室B内の原水(水道水)と中央室C内の濃食塩水の
浸透圧の差により、中央室C内に水道水が浸透して中央
室C内の濃食塩水を希釈するおそれがある。しかしなが
ら、中央室Cに加える水圧を浸透圧の差に相当する分だ
け陽極室A及び陰極室B内の水圧よりも高圧にすること
により、このような原因による中央室C内の濃食塩水の
希釈は防止できる。また、電解により中央室C内の食塩
が消費されて濃度が低下した場合には、中央室C内の水
分だけが陽極室A及び陰極室B内に透過して、中央室C
内の食塩水濃度が回復する。この場合には、陽極室A及
び陰極室B内に透過した水分の量だけ連通管41を通し
て濃食塩水室D内の濃食塩水が補われる。なお、水圧の
差により各隔膜17に加わる外向きの力は各支持体18
及び電極20,21により受け止められる。
【0036】この第2実施例においては、袋状隔膜40
と中央室C側に設けた液体の通過が可能な電極A,Bを
組み合わせて使用し、一方、前述の第1実施例において
は別体に分割した1対の隔膜17と中央室Cと反対側に
設けた液体を通過させない板状の電極A,Bを組み合わ
せて使用しているが、これらと逆の組み合わせ、すなわ
ち分割した隔膜17と液体の通過が可能な電極A,Bと
の組み合わせ、あるいは袋状隔膜40と板状の電極A,
Bとの組み合わせを使用して実施してもよい。あるい
は、第2実施例の支持体18を第1実施例に使用して実
施してもよい。
と中央室C側に設けた液体の通過が可能な電極A,Bを
組み合わせて使用し、一方、前述の第1実施例において
は別体に分割した1対の隔膜17と中央室Cと反対側に
設けた液体を通過させない板状の電極A,Bを組み合わ
せて使用しているが、これらと逆の組み合わせ、すなわ
ち分割した隔膜17と液体の通過が可能な電極A,Bと
の組み合わせ、あるいは袋状隔膜40と板状の電極A,
Bとの組み合わせを使用して実施してもよい。あるい
は、第2実施例の支持体18を第1実施例に使用して実
施してもよい。
【0037】上記各実施例では、電解用電源として単純
な直流電源22を使用したが、電解用電源は所定時間
(例えば120分)毎に極性が交代する直流電源として
もよい。この場合には、各取出し管26,27からは、
酸性水とアルカリ性水が交互に取り出されることになる
ので、極性の交代と連動して作動する切換弁を必要に応
じて用いればよい。
な直流電源22を使用したが、電解用電源は所定時間
(例えば120分)毎に極性が交代する直流電源として
もよい。この場合には、各取出し管26,27からは、
酸性水とアルカリ性水が交互に取り出されることになる
ので、極性の交代と連動して作動する切換弁を必要に応
じて用いればよい。
【0038】上記各実施例は、被電解溶液として食塩水
を使用した場合につき説明したが、本発明はその他の塩
の溶液を被電解溶液として使用する場合にも適用するこ
とができる。また、原水は上記各実施例のように水道水
に限らず、希薄食塩水などを使用してもよい。
を使用した場合につき説明したが、本発明はその他の塩
の溶液を被電解溶液として使用する場合にも適用するこ
とができる。また、原水は上記各実施例のように水道水
に限らず、希薄食塩水などを使用してもよい。
【0039】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、塩投
入開口から中央室内に塩を投入するものにおいても、濃
塩水タンク内の濃塩水を重力のみにより中央室内に供給
するようにしたものにおいても、未電解の濃塩水は酸性
水またはアルカリ性水と共に外部に取り出されることが
ないので、塩が無駄に消費されることがない。また、濃
塩水を使用することにより塩水の電気伝導度が高まるの
で、必要な量の電解を行うのに要する消費電力が減少す
る。
入開口から中央室内に塩を投入するものにおいても、濃
塩水タンク内の濃塩水を重力のみにより中央室内に供給
するようにしたものにおいても、未電解の濃塩水は酸性
水またはアルカリ性水と共に外部に取り出されることが
ないので、塩が無駄に消費されることがない。また、濃
塩水を使用することにより塩水の電気伝導度が高まるの
で、必要な量の電解を行うのに要する消費電力が減少す
る。
【0040】塩投入開口から中央室内に塩を投入するも
のにおいては、特別な手段を要することなく中央室内に
は飽和状態に近い濃塩水が得られるので、塩濃度調整の
ための濃度センサや循環装置が不要となり、構造が簡略
化される。
のにおいては、特別な手段を要することなく中央室内に
は飽和状態に近い濃塩水が得られるので、塩濃度調整の
ための濃度センサや循環装置が不要となり、構造が簡略
化される。
【0041】各隔膜に沿って支持体を設けて補強したも
のによれば、陽極室及び陰極室内を通る原水の流れ、あ
るいは各室の圧力差により隔膜に外力が加わっても、隔
膜が破損するおそれはない。
のによれば、陽極室及び陰極室内を通る原水の流れ、あ
るいは各室の圧力差により隔膜に外力が加わっても、隔
膜が破損するおそれはない。
【0042】中央室内に加圧した水を導入するものによ
れば、水を透過させる半透膜を使用した場合でも中央室
内の濃塩水が希釈されることがないので、安定した性能
が得られる。またこれにより使用可能な隔膜の範囲が拡
大される。
れば、水を透過させる半透膜を使用した場合でも中央室
内の濃塩水が希釈されることがないので、安定した性能
が得られる。またこれにより使用可能な隔膜の範囲が拡
大される。
【0043】塩を細かい布目の布地内に封入して中央室
内に投入するようにすれば、塩の投入に要する手間が減
少し、また塩の引上げも簡単な作業で可能になる。
内に投入するようにすれば、塩の投入に要する手間が減
少し、また塩の引上げも簡単な作業で可能になる。
【0044】濃塩水タンク内の濃塩水を重力のみにより
中央室内に供給するようにしたものにおいては、他に特
別な手段を要することなく中央室内には濃塩水が得られ
るので、塩濃度調整のための濃度センサや循環装置が不
要となり、構造が簡略化される。
中央室内に供給するようにしたものにおいては、他に特
別な手段を要することなく中央室内には濃塩水が得られ
るので、塩濃度調整のための濃度センサや循環装置が不
要となり、構造が簡略化される。
【0045】各隔膜に沿って支持体を設け、また濃塩水
タンク内の濃塩水を陽極室及び陰極室内よりも高圧で中
央室内に供給したものによれば、隔膜として水を透過さ
せる半透膜を使用した場合でも、陽極室及び陰極室から
中央室内への水の透過により中央室内の濃塩水が希釈さ
れることはないので、安定した性能が得られる。またこ
れにより使用可能な隔膜の範囲が拡大される。中央室内
の高圧により隔膜に加わる圧力は支持体により受け止め
られるので、隔膜が破損するおそれはない。
タンク内の濃塩水を陽極室及び陰極室内よりも高圧で中
央室内に供給したものによれば、隔膜として水を透過さ
せる半透膜を使用した場合でも、陽極室及び陰極室から
中央室内への水の透過により中央室内の濃塩水が希釈さ
れることはないので、安定した性能が得られる。またこ
れにより使用可能な隔膜の範囲が拡大される。中央室内
の高圧により隔膜に加わる圧力は支持体により受け止め
られるので、隔膜が破損するおそれはない。
【0046】各隔膜の全周を連結して袋状隔膜を形成し
たものによれば、隔膜と電解槽の間の連結構造が実質的
に不要となるので、構造が簡略化される。
たものによれば、隔膜と電解槽の間の連結構造が実質的
に不要となるので、構造が簡略化される。
【図1】 本発明による電解水製造装置の第1実施例の
全体構成を示す図である。
全体構成を示す図である。
【図2】 本発明による電解水製造装置の第2実施例の
全体構成を示す図である。
全体構成を示す図である。
【図3】 従来技術による電解水製造装置の1例を全体
構成を示す図である。
構成を示す図である。
10…電解槽、15a…塩投入開口、17…隔膜、18
…支持体、19…蓋、20…陽極、21…陰極、22…
直流電源、25a,25b…原水導入管、26…酸性水
取出し管、27…アルカリ性水取出し管、30…布地
(袋)、40…袋状隔膜、41…連通管、45…濃食塩
水タンク、A…陽極室、B…陰極室、C…中央室。
…支持体、19…蓋、20…陽極、21…陰極、22…
直流電源、25a,25b…原水導入管、26…酸性水
取出し管、27…アルカリ性水取出し管、30…布地
(袋)、40…袋状隔膜、41…連通管、45…濃食塩
水タンク、A…陽極室、B…陰極室、C…中央室。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭52−65182(JP,A)
特開 昭63−65912(JP,A)
特開 平4−171027(JP,A)
特開 平4−171028(JP,A)
特開 平5−285345(JP,A)
特開 平5−293340(JP,A)
特開 平5−339769(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C02F 1/46
Claims (8)
- 【請求項1】イオンが通過可能な一対の隔膜によってそ
の内部を中央室とその両側の陽極室と陰極室に分離形成
して同陽極室内と陰極室内に陽極と陰極を設けた電解槽
と、前記陽極と陰極に電解用電力を供給する直流電源
と、前記陽極室に原水を導入する原水導入管及び同陽極
室にて生じた酸性水を導出する酸性水取出し管と、前記
陰極室に原水を導入する原水導入管及び同陰極室にて生
じたアルカリ性水を導出するアルカリ性水取出し管と、
前記電解槽の中央室内に塩を投入するための塩投入開口
と、この塩投入開口を開閉する蓋を備えた電解水製造装
置。 - 【請求項2】 前記各隔膜に沿って配置されて同隔膜を
支持する液体の通過が自由な支持体を前記電解槽の内部
に取付けてなる請求項1に記載の電解水製造装置。 - 【請求項3】 前記中央室内に加圧した水を導入するよ
うにした請求項2に記載の電解水製造装置。 - 【請求項4】 前記塩投入開口から投入する塩を同塩の
微細な結晶も実質的に通さない程度の細かい布目を有す
る袋内に封入して前記中央室内に投入するようにした請
求項1に記載の電解水製造装置。 - 【請求項5】イオンが通過可能な一対の隔膜によってそ
の内部を中央室とその両側の陽極室と陰極室に分離形成
して同陽極室内と陰極室内に陽極と陰極を設けた電解槽
と、前記陽極と陰極に電解用電力を供給する直流電源
と、前記陽極室に原水を導入する原水導入管及び同陽極
室にて生じた酸性水を導出する酸性水取出し管と、前記
陰極室に原水を導入する原水導入管及び同陰極室にて生
じたアルカリ性水を導出するアルカリ性水取出し管と、
前記電解槽の上方に配置されて濃塩水を収容する濃塩水
タンクと、この濃塩水タンク内の濃塩水を前記電解層の
中央室内に供給する連通管を備えた電解水製造装置。 - 【請求項6】 前記各隔膜に沿って配置されて同隔膜を
支持する液体の通過が自由な支持体を前記電解槽の内部
に取付け、前記濃塩水タンク内の濃塩水を前記陽極室及
び陰極室内の圧力よりも高圧にて前記中央室内に供給す
るようにした請求項5に記載の電解水製造装置。 - 【請求項7】 前記1対の隔膜が全周にて接合されその
全周が前記電解槽の内面に当接されて前記陽極室と陰極
室を実質的に分離する袋状隔膜を形成し、同袋状隔膜内
に前記濃塩水タンク内の濃塩水が前記連通管を通して供
給されるようにした請求項6に記載の電解水製造装置。 - 【請求項8】 前記濃塩水が飽和食塩水である請求項5
に記載の電解水製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10120294A JP3468839B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | 電解水製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10120294A JP3468839B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | 電解水製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07308672A JPH07308672A (ja) | 1995-11-28 |
JP3468839B2 true JP3468839B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=14294351
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