JP3467835B2 - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置

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JP3467835B2
JP3467835B2 JP12402094A JP12402094A JP3467835B2 JP 3467835 B2 JP3467835 B2 JP 3467835B2 JP 12402094 A JP12402094 A JP 12402094A JP 12402094 A JP12402094 A JP 12402094A JP 3467835 B2 JP3467835 B2 JP 3467835B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はカメラなどに用いられる
焦点検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、所定の撮影画面上に被写体像
を形成する撮影光学系の焦点検出装置として、以下のよ
うな装置が知られている。撮影画面上の、撮影画面と撮
影光学系の光軸との交点を含まず、且つその交点を中心
とする同心円の接線方向に配置された帯状の第1の焦点
検出エリアと、撮影画面上の、前記交点を含まず、且つ
その交点を中心とする円の径方向に配置された第2の焦
点検出エリアとを有し、これらの各焦点検出エリアに対
応した第1および第2の焦点検出光学系によって、撮影
光学系を通過した被写体からの2対の焦点検出用光束を
第1および第2のイメージセンサー上へ導き、各イメー
ジセンサーの出力信号に基づいて各イメージセンサー上
に結像された対の被写体像の相対的な位置関係を検出
し、第1および第2の焦点検出エリアにおける撮影光学
系の焦点調節状態を検出する。 【0003】図2は、上記の焦点検出装置に用いられる
焦点検出光学系およびイメージセンサーから成る焦点検
出モジュール30と、撮影光学系の瞳近傍の面12との
位置関係を示す斜視図である。焦点検出モジュール30
は、撮影光学系の光軸301から外れた位置に配置さ
れ、十字型の開口部311を有する視野マスク31と、
コンデンサーレンズ32と、2対の絞り開口部341,
342および343,344を有する絞りマスク34
と、2対の再結像レンズ351,352および353,
354とを有する焦点検出光学系と、2対の受光部36
1,362および363,364を有するCCDなどの
イメージセンサー36とを備え、撮影光学系によって光
軸301の周辺に形成された一次像をイメージセンサー
36の2対の受光部361,362および363,36
4上に2対の二次像として再結像している。なお、受光
部361,362,363,364はそれぞれ複数の画
素から構成されている。 【0004】図2において、光軸301と直交するX軸
およびY軸により規定される面がフィルム面と共役な予
定焦点面であり、この予定焦点面上にフィルム面の撮影
画面と等価な撮影画面が設定される。この明細書では、
撮影光学系の光軸301と予定焦点面上の撮影画面との
交点は撮影画面の中心と一致するものとし、この明細書
ではその交点を画面中心302と定義する。また、撮影
画面上の、撮影光学系の光軸と撮影画面との交点を含ま
ず、且つその交点を中心とする同心円の接線方向に配置
された帯状の焦点検出エリアを単に接線方向の焦点検出
エリアと呼び、また、撮影画面上の、前記交点を中心と
する円の径方向に配置された帯状の焦点検出エリアを単
に径方向の焦点検出エリアと呼ぶ。なお、必ずしも撮影
光学系の光軸と撮影画面との交点と、撮影画面の中心と
が一致しなくてもよい。 【0005】視野マスク31の開口部311は予定焦点
面近傍の光軸301から外れた位置に配置されており、
これにより、図3に示すように撮影画面の周辺部に、画
面中心302を含まず、且つ撮影光学系の光軸301と
撮影画面との交点を中心とする同心円の接線方向に帯状
の第1の焦点検出エリア(接線方向の焦点検出エリア)
311Aと、画面中心302を含まず、且つ撮影光学系
の光軸301と撮影画面との交点を中心とする円の径方
向に帯状の第2の焦点検出エリア(径方向の焦点検出エ
リア)311Bとが設定される。 【0006】このような構成において、図4に示す絞り
マスク34の2対の絞り開口部341,342および3
43,344は、コンデンサーレンズ32により撮影光
学系の射出瞳近傍の面12の光軸301に対して対称な
2対の領域121,122および123,124に投影
される。これらの2対の領域121,122および12
3,124を通る光束は、視野マスク31付近でまず一
次像を形成する。視野マスク31の開口部311に形成
された一次像はさらに、コンデンサーレンズ32と2対
の絞り開口部341,342および343,344を通
り、2対の再結像レンズ351,352および353,
354によってイメージセンサー36の2対の受光部3
61,362および363,364上に2対の二次像と
して形成される。こららの2対の二次像の光強度分布は
受光部361,362および363,364で光電変換
され、電気的な被写体像信号として出力される。周知の
ように、イメージセンサー36から出力される被写体像
信号に基づいて、イメージセンサー36上の対の二次像
の受光部の並び方向の相対的位置関係を検出し、撮影光
学系の結像面と予定焦点面とのデフォーカス量を検出す
ることができる。このように、焦点検出モジュール30
は、撮影画面の周辺部に設定された第1の焦点検出エリ
ア311Aおよび第2の焦点検出エリア311Bにおけ
る撮影光学系の焦点調節状態を検出している。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、撮影画面の
周辺部に設定された第1の焦点検出エリア311Aおよ
び第2の焦点検出エリア311Bでは、撮影光学系の光
軸301と撮影画面との交点、すなわち画面中心に対す
る焦点検出エリアの配置方向に起因して、いわゆる焦点
検出用光束のケラレが発生することがある。しかしなが
ら、上述した従来の焦点検出装置では、撮影画面の周辺
部に設定された第1の焦点検出エリア311Aおよび第
2の焦点検出エリア311Bにおいて撮影光学系の焦点
状態を検出する際、焦点検出用光束のケラレを考慮して
焦点検出演算処理や焦点検出結果の選択をしていないの
で、焦点検出用光束にケラレが発生した場合に焦点検出
結果に誤差を生じるという問題がある。 【0008】図5により、撮影画面の周辺部の焦点検出
エリアと焦点検出用光束のケラレとの関係を説明する。
図5は、撮影画面の周辺部で径方向の焦点検出を行う場
合の瞳領域121,122と、接線方向の焦点検出を行
う場合の瞳領域123,124と、画面周辺部の視野マ
スク開口部311の中心312から見た場合のFナンバ
ーの大きい撮影光学系の瞳220との関係を示す図であ
る。撮影画面周辺から見た撮影光学系の瞳220の形状
は、絞り以外の撮影光学系の前玉や後ろ玉などでも焦点
検出用光束が規制されるので、図5に示すように、径方
向に配置された帯状の第2の焦点検出エリア311Bに
対応する瞳領域121,122の並び方向は左右が非対
称になる。さらに、瞳領域121,122の並び方向の
幅は、接線方向に配置された帯状の第1の焦点検出エリ
ア311Aに対応する瞳領域123、124の並び方向
の幅よりも狭くなる。すなわち、瞳領域121,122
の方が瞳領域123,124よりも撮影光学系によって
焦点検出用光束がケラレ易いことが理解される。言い換
えれば、撮影画面の周辺部で焦点検出を行う場合に、焦
点検出エリアを径方向に配置した場合の方が、接線方向
に配置した場合よりも焦点検出用光束のケラレが発生し
やすい。 【0009】図6(A),(B)は焦点検出用光束にケ
ラレのない場合のイメージセンサ上に形成される一対の
被写体像の光強度分布を示し、図6(C),(D)は焦
点検出用光束にケラレがある場合のイメージセンサ上に
形成される一対の被写体像の光強度分布を示す。焦点検
出用光束にケラレがない場合には、図6(A),(B)
に示すように一対の被写体像の光強度分布がほぼ等しい
ので、このような一対の被写体像の相対的位置関係は正
確に検出される。ところが、焦点検出用光束にケラレが
生じた場合には、図6(C),(D)に示すように一対
の被写体像の光強度分布がアンバランスになり、このよ
うな一対の被写体像の相対的位置関係は正確に検出され
ず、焦点検出結果に誤差を生じてしまう。 【0010】また、瞳領域121,122を通る焦点検
出用光束は撮影光学系の光軸301に対して非対称な部
分を通り、これらの光束が持つ撮影光学系の収差の影響
が異なるので、比較的ケラレがない状態においても一対
の被写体像の光強度分布にアンバランスが生じやすい。
一方、瞳領域123,124を通る光束は撮影光学系の
光軸301に対して対称な部分を通り、これらの光束が
持つ撮影光学系の収差の影響がほぼ同一となり、ケラレ
がない状態では一対の被写体像の光強度分布にアンバラ
ンスを生じない。 【0011】本発明の目的は、撮影画面の周辺部の焦点
検出エリアの焦点検出精度を向上した焦点検出装置を提
供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】一実施例を示す図3に対
応づけて本発明を説明すると、本発明は、所定の撮影画
面上に、この撮影画面と撮影光学系の光軸との交点30
2を含まず、且つ交点302を中心とする同心円の
線方向に帯状の第1の焦点検出エリア311Aを配置
し、撮影光学系を透過する一対の光束を用いて第1の焦
点検出エリア311Aにおける撮影光学系の焦点調節状
態を検出する第1の焦点検出手段と、撮影画面上に、交
点302を含まず且つ交点302を中心とする円の
方向に帯状の第2の焦点検出エリア311Bを第1の焦
点検出エリア311Aと交差して配置し、撮影光学系を
透過する一対の光束を用いて第2の焦点検出エリア31
1Bにおける撮影光学系の焦点調節状態を検出する第2
の焦点検出手段とを備えた焦点検出装置に適用され、第
1の焦点検出手段が焦点検出可能な場合には、第1の焦
点検出手段による焦点検出結果を採用し、第1の焦点検
出手段が焦点検出不可能な場合には、第2の焦点検出手
段による焦点検出結果を採用する制御手段を設け、これ
により、上記目的を達成する。 【0013】 【作用】撮影画面と撮影光学系との交点302を含ま
ず、且つその交点302を中心とする同心円の接線方
向に配置された帯状の第1の焦点検出エリア311A
と、交点302を含まず、且つ交点302を中心とする
円の径方向に配置された帯状の第2の焦点検出エリア
311Bとにおいて撮影光学系の焦点調節状態を検出す
る際、焦点検出用光束のケラレが生じ難く、焦点検出精
度の高い第1の焦点検出エリア311Aにおける焦点検
結果を、第2の焦点検出エリア311Bにおける焦点
検出結果よりも優先して採用する。 【0014】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段および作用の項では、本発明を分り
やすくするために実施例の図を用いたが、これにより本
発明が実施例に限定されるものではない。 【0015】 【実施例】本発明の焦点検出装置をカメラに応用した一
実施例を説明する。図1は一実施例の焦点検出装置を装
備したカメラの機能ブロック図である。カメラボディー
1に対してレンズ鏡筒2が交換可能に構成されており、
図1はレンズ鏡筒2がカメラボディー1に装着された状
態を示す。レンズ鏡筒2内には撮影光学系3があり、撮
影光学系3を通る被写体からの光束は、ハーフミラーか
ら構成されるメインミラー4によりサブミラー5とファ
インダー12の方向に分割される。サブミラー5により
カメラボディー1の底方向に偏向された光束は、焦点検
出用光束としてフィルム面(撮影画面)6と共役な撮影
光学系3の予定焦点面の近傍に配置された第1焦点検出
部7および第2焦点検出部8へ導かれる。第1焦点検出
部7は第1焦点検出光学系70、第1イメージセンサ7
1および第1演算処理部72から構成され、第2焦点検
出部8は第2焦点検出光学系80、第2イメージセンサ
81および第2演算処理部82から構成される。 【0016】上述した図2により、一実施例の第1焦点
検出光学系70、第2焦点検出光学系80、第1イメー
ジセンサ71および第2イメージセンサ81の詳細な構
成を説明する。第1焦点検出光学系70は、開口部31
1Aと、コンデンサーレンズ32と、1対の絞り開口部
343,344と、1対の再結像レンズ353,354
とを有し、第2焦点検出光学系80は開口部311B
と、コンデンサーレンズ32と、1対の絞り開口部34
1,342と、1対の再結像レンズ351,352とを
有する。第1イメージセンサ71は1対の受光部36
3,364を有し、第2イメージセンサ81は1対の受
光部361,362を有する。 【0017】第1イメージセンサ71から出力される被
写体像信号は第1演算処理部72によって演算処理さ
れ、第1の焦点検出結果が算出される。一方、第2イメ
ージセンサ81から出力される被写体像信号は第2演算
処理部82によって演算処理され、第2の焦点検出結果
が算出される。操作部材13は撮影者により操作され、
例えば押圧されている間だけ操作状態となり、開放され
ると非操作状態に自動復帰する。操作部材13の操作状
態は駆動制御部9によって検出される。レンズ情報メモ
リ15はレンズ鏡筒2に内蔵されており、レンズ鏡筒2
がカメラボディー1に装着された状態でカメラボディー
1の駆動制御部9と通信を行い、撮影光学系3に関する
レンズ情報を駆動制御部9へ送信する。ここで、撮影光
学系3に関するレンズ情報は、図7に示すように、開放
絞りの射出瞳MのFナンバーFmとその射出瞳Mの予定
焦点面からの距離Pm、絞りより前に位置しており撮影
光束の制限に最も関係のあるレンズの外径による射出瞳
FのFナンバーFfとその射出瞳Fの予定焦点面からの
距離Pf、および、絞りより後に位置しており撮影光束
の制限に最も関係のあるレンズの外径による射出瞳Bの
FナンバーFbとその射出瞳Bの予定焦点面からの距離
Pbなどがある。なお、Fナンバーの代わりに射出瞳の
径寸法をレンズ情報として伝達するようにしてもよい。 【0018】駆動制御部9は、操作部材13の操作状態
とレンズ情報メモリ15からのレンズ情報とに基づい
て、焦点検出用光束のケラレを検出し、そのケラレの度
合いに基づいて焦点検出可能/不可能を判定する。さら
に、その判定結果に基づいて、上述したように第1焦点
検出部7が第2焦点検出部8に比べて焦点検出用光束の
ケラレの発生が少なく、焦点検出精度が高いので、第1
焦点検出部7の焦点検出動作を第2焦点検出部8の焦点
検出動作に優先するように制御する。駆動制御部9はま
た、ファインダー光路中に配置された透過型液晶表示器
11によって第1焦点検出部7と第2焦点検出部8の動
作状態をファインダー画面に重畳して表示するととも
に、第1焦点検出部7および/または第2焦点検出部8
から得られた焦点検出結果に基づいて撮影光学系3の駆
動量を決定し、レンズ駆動用モーター14を駆動制御し
て撮影光学系3の焦点調節を行う。 【0019】図8は表示器11による表示例を示す。フ
ァインダー画面はファインダー光路中のフィルム面と共
役な位置にフィルム面の撮影画面と等価な撮影画面が設
定され、上述した焦点検出光学系の撮影画面と同様な画
面が設定される。撮影画面の第1および第2焦点検出エ
リア311A,311Bに対応するファインダー画面の
位置に、第1および第2焦点検出エリア311A,31
1Bを示す枠111A,111Bを表示し、優先状態に
ある焦点検出部に対応する枠を太く表示する。図8に示
す例では、優先状態にある第1焦点検出部7に対応する
第1焦点検出エリア311Aの枠111Aを太く表示
し、非優先状態にある第2焦点検出部8に対応する第2
焦点検出エリア311Bの枠111Bを細く表示してい
る。 【0020】なお、第1演算処理部72、第2演算処理
部82および駆動制御部9はマイクロコンピューター1
0により構成されており、後述する制御プログラムを実
行して第1焦点検出エリア311Aと第2焦点検出エリ
ア311Bにおける焦点検出の優先制御と焦点検出演算
などを行う。 【0021】次に、第1演算処理部72と第2演算処理
部82の動作を説明する。第1演算処理部72および第
2演算処理部82はまず、それぞれ第1イメージセンサ
71と第2イメージセンサ81から得られる被写体像デ
ータにフィルター演算を施し、被写体像データに含まれ
る焦点検出に悪影響を与えるナイキスト周波数ωn以上
の空間周波数成分を除去または抑制する。ここで、ナイ
キスト周波数ωnは、第1イメージセンサ71と第2イ
メージセンサ81を構成する画素のピッチをPとした場
合に、 【数1】ωn=1/(2×P) で与えられる。また、第1イメージセンサ71と第2イ
メージセンサ81から得られる被写体像データはAD変
換された離散的なデジタルデータであるとする。例え
ば、一般に離散的なデジタルデータをS(i)(ただし
iはデータの配列を示す)とした場合、数式2のように
S(i)に重みW(i){W(−2)=1、W(−1)
=3、W(0)=4、W(1)=3、W(2)=1、そ
の他W(i)=0}をコンボルーション演算(フィルタ
ー演算)することによって、S(i)からナイキスト周
波数ωn以上の空間周波数成分を除去または抑制するこ
とができる。 【数2】s’(i)=S(i)@W(i) =S(i−2)+S(i−1)×3+S(i)×4 +S(i+1)×3+S(i+2) ここで、@はコンボルーション演算を表し、s’(i)
はフィルター処理後のデータを表す。数式2によるフィ
ルター処理の周波数特性を図9に示す。なお、数式2に
よるフィルター処理は高周波数成分を除去または抑制す
る処理であるから、後述する数式3によるフィルター処
理と区別するために高周波カットフィルター処理と呼
ぶ。第1演算処理部72と第2演算処理部82はそれぞ
れ第1イメージセンサ71と第2イメージセンサ81か
ら得られた被写体像データに対し数式2の演算処理を行
う。 【0022】被写体像データに、図6(C),(D)に
示すような焦点検出用光束のケラレによるアンバランス
状態が発生した場合は、このようなケラレによるアンバ
ランスは低周波成分であるから、数式2による高周波カ
ットフィルター処理を施した後の被写体像データに対し
て、さらに低周波成分を除去または抑制する数式3のフ
ィルター処理を施す。例えば、数式2による高周波カッ
トフィルター処理を施した後の離散的なデジタルデータ
をs’(i)(ただしiはデータの配列を示す)とした
場合、数式3に示すようにs’(i)に重みW(i)
{W(−2)=−1、W(−1)=0、W(0)=2、
W(1)=0、W(2)=−1、その他W(i)=0、
図11参照}をコンボルーション演算(フィルター演
算)することにより、ディジタルデータs’(i)から
低周波数成分を除去または抑制することができる。 【数3】T(i)=s’(i)@W(i) =−s’(i−2)+s’(i)×2−s’(i+2) ここで、@はコンボルーション演算を表し、T(i)は
フィルター処理後のデータを表す。数式3によるフィル
ター処理の周波数特性を図10に示す。なお、数式3に
よるフィルター処理は低周波数成分を除去または抑制す
る処理であるから、上述した数式2による高周波カット
フィルター処理と区別するために低周波カットフィルタ
ー処理と呼ぶ。この数式3によるフィルター処理では、
低周波成分のみならず高周波成分も計算上、除去または
抑制される。第2演算処理部82は、ケラレの発生が懸
念される第2イメージセンサ81から得られる被写体像
データに対して常に数式3の低周波カットフィルター処
理を行う。一方、第1演算処理部72は、駆動制御部9
の制御のもとにケラレが発生している場合だけ第1イメ
ージセンサ71から得られた被写体像データに対して数
式3による低周波カットフィルター処理を行う。 【0023】次に、相関演算(像ズレ検出演算)のアル
ゴリズム例を示す。フィルター処理後の一対の被写体像
データをそれぞれAi,Bi(ただしi=1〜20)と
する。まず、数式4に示す差分型相関アルゴリズムによ
って相関量C(L)を求める。 【数4】C(L)=Σ|A(i+L)−B(i)| ここで、Σはi=j〜j+7における総和演算を表わ
し、Lは整数であり、一対の被写体像データの第1およ
び第2イメージセンサー71,81の受光素子のピッチ
を単位とした相対的シフト量である。また、jはシフト
量Lに応じた値であり、例えばL=0の場合は7であ
る。さらにまた、数式4のLのとる範囲は−12〜+1
2である。数式4を図で表すと図12に示すようにな
る。図12において、横軸に被写体像データAi、縦軸
に被写体像データBiをとり、それぞれの差の演算を行
う組み合わせの位置を○、●で表している。また、総和
演算の数は8個であり、図において斜め右下方向にそれ
ぞれ○同志、または●同志で加算が行われる。演算結果
の相関量C(L)の値を横軸をシフト量Lとして○で表
す。 【0024】図13は相関量C(L)からデフォーカス
量を算出する手順の説明図である。数式4による演算結
果は、図13に示すように、被写体像データの相関が高
いシフト量L=kj(図13ではkj=2)において相
関量C(L)が最小になる。次に、数式5〜数式8の3
点内挿の手法を用いて連続的な相関量に対する最小値C
(L)min=C(x)を与えるシフト量xを求める。 【数5】x=kj+D/SLOP 【数6】C(x)= C(kj)−|D| 【数7】D={C(kj−1)−C(kj+1)}/2 【数8】SLOP=MAX{C(kj+1)−C(k
j),C(kj−1)−C(kj)} また、数式5で求めたシフト量xより、撮影光学系3の
結像面の予定焦点面に対するデフォーカス量DEFを数
式9により算出することができる。 【数9】DEF=KX・P・x ここで、Pは第1および第2イメージセンサー71,8
1の受光部を構成する画素の並び方向のピッチであり、
KXは焦点検出光学系の構成によって決まる変換係数で
ある。 【0025】ここで、焦点検出演算結果が次のような場
合は焦点検出不可能と判定する。ただし、この判定はあ
くまでも焦点検出演算結果に基づく焦点検出可能/不可
能の判定であり、上述した焦点検出用光束のケラレの度
合いに基づく焦点検出可能/不可能の判定とは異なる。
図14に示すように、被写体像データの相関度が低い場
合には、内挿された相関量の最小値C(X)の値が大き
くなる。したがって、最小値C(X)が所定値以上の場
合は信頼性が低いので焦点検出不可能と判定する。ある
いは、最小値C(X)を被写体像データのコントラスト
で規格化するために、コントラストに比例した値となる
SLOPでC(X)を徐した値が所定値以上の場合は信
頼性が低いので焦点検出不可能と判定する。あるいはま
た、コントラストに比例した値となるSLOPが所定値
以下の場合は被写体が低コントラストであり、算出され
たデフォーカス量DEFの信頼性が低いので焦点検出不
可能と判定する。また、図15に示すように、被写体デ
ータの相関度が低く、シフト範囲内において相関量C
(L)の落ち込みがない場合は、最小値C(X)を求め
ることができず、このような場合は焦点検出不可能と判
定する。以上のようにして、第1演算処理部72および
第2演算処理部82は、それぞれ第1イメージセンサ7
1と第2イメージセンサ81から得られる被写体像デー
タに対し焦点検出演算処理を行う。 【0026】図16〜図20はマイクロコンピューター
10の制御プログラムを示すフローチャートである。こ
れらのフローチャートにより、第1演算処理部72、第
2演算処理部82および駆動制御部9の動作を説明す
る。図16はマイクロコンピューター10のメイン制御
プログラムである。マイクロコンピューター10はステ
ップS100でカメラの電源が投入されるとこの制御プ
ログラムを実行を開始する。ステップS101で、第1
イメージセンサー71と第2イメージセンサー81の受
光部上に結像された被写体像の光電変換を開始させる。
続くステップS102で、第1イメージセンサー71と
第2イメージセンサー81の出力信号をAD変換し、焦
点検出に悪影響を与える高周波成分を抑制するために上
述した数式2による高周波カットフィルター処理を施し
た後、被写体像データとしてメモリに格納する。 【0027】ステップS103で、レンズ鏡筒2に内蔵
されるレンズ情報メモリ15と通信を行い、図7に示す
Ff,Fm,Fb,Pf,Pm,Pbなどのレンズ情報
を受信する。ステップS104で操作部材13の操作状
態を読み取る。ステップS105では、レンズ情報メモ
リ15から受信したレンズ情報に基づいて、上述した焦
点検出用光束のケラレの度合いに基づく焦点検出可能/
不可能を判定する。図5に示すように、第1焦点検出エ
リア311A上の点から見た撮影光学系の瞳220と第
1焦点検出部7に対応する瞳領域123,124との関
係を調べ、瞳領域のケラレ、すなわち焦点検出用光束の
ケラレがなければ「ケラレなし」と判定し、焦点検出用
光束のケラレがあるがその度合いが少ない場合は「焦点
検出可能」と判定し、ケラレの度合いが多い場合は「焦
点検出不可能」と判定する。また同様に、第2焦点検出
エリア311B上の点から見た撮影光学系の瞳220と
第2焦点検出部8に対応する瞳領域121,122との
関係を調べ、瞳領域のケラレ、すなわち焦点検出用光束
のケラレがない場合またはケラレはあるがその度合いが
少ない場合は「焦点検出可能」と判定し、ケラレの度合
いが多い場合は「焦点検出不可能」と判定する。なお、
第2焦点検出部8に対してケラレなしとケラレ小の判定
をまとめているのは、もともと第2焦点検出部8は焦点
検出エリアが径方向に配置されており、ケラレがない状
態でも撮影光学系3の収差による焦点検出精度の低下が
あるためである。 【0028】ステップS106では操作部材13の操作
状態に応じて分岐する。操作部材13が非操作状態すな
わち通常状態にある場合はステップS107へ進み、操
作部材13が操作状態にある場合はステップS108へ
進む。通常状態の場合は、ステップS107で、第1焦
点検出部7と第2焦点検出部8の焦点検出用光束のケラ
レの度合いに基づく判定結果に応じて表1および表2に
示す焦点検出演算処理と表示処理を行う。 【表1】 【表2】 一方、操作状態の場合は、ステップS108で、第1焦
点検出部7と第2焦点検出部8の焦点検出用光束のケラ
レの度合いに基づく判定結果に応じて表3および表4に
示す焦点検出演算処理と表示処理を行う。 【表3】【表4】 操作部材13の操作状態と非操作状態に応じた焦点検出
演算処理と表示処理を行った後、ステップS109(ポ
イントB)を経てステップS110へ進み、上記ステッ
プS107またはステップS108で得られた最終的な
焦点検出結果に基づいてレンズ駆動量を決定し、モータ
ー14の駆動制御を行う。その後、ステップS111
(ポイントA)を経てステップS101へ戻り、上記動
作を繰り返す。 【0029】ここで、表1に示す処理を説明する。第1
焦点検出部7がケラレなしで且つ第2焦点検出部8が焦
点検出可能な場合、あるいは、第1焦点検出部7がケラ
レがあるが焦点検出可能で且つ第2焦点検出部8も焦点
検出可能な場合は、第1焦点検出部7の優先モードと
し、図17に示す第1焦点検出部優先モードプログラム
を実行する。第1焦点検出部7がケラレなしで且つ第2
焦点検出部8が焦点検出不可能な場合、あるいは、第1
焦点検出部7がケラレはあるが焦点検出可能で且つ第2
焦点検出部8が焦点検出不可能な場合は、第1焦点検出
部のみモードとし、図19に示す第1焦点検出部のみモ
ードプログラムを実行する。第1焦点検出部7と第2焦
点検出部8がともに焦点検出不可能な場合は、禁止モー
ドとし、図20に示す禁止モードプログラムを実行す
る。なお、レンズ情報メモリ15を内蔵していないレン
ズ鏡筒2を装着した場合は、第1焦点検出部7および第
2焦点検出部8の焦点検出用光束のケラレの度合いに基
づく焦点検出可能/不可能の判定ができないので、第1
焦点検出部優先モードとし、図17に示す第1焦点検出
優先モードプログラムを実行する。また、第1焦点検出
部7が焦点検出不可能で且つ第2焦点検出部8が焦点検
出可能という状態は瞳領域の設定上有り得ない。 【0030】表2に示す表示処理を説明する。第1焦点
検出部7がケラレなしで且つ第2焦点検出部8が焦点検
出可能な場合、あるいは、第1焦点検出部7がケラレは
あるが焦点検出可能で且つ第2焦点検出部8も焦点検出
可能な場合は、第1焦点検出エリア311Aに対応する
枠111Aを太く表示して、第1焦点検出部7の焦点検
出動作が優先されていることを示すとともに、第2焦点
検出エリア311Bに対応する枠111Bを細く表示し
て、第1焦点検出部7の焦点検出演算結果に基づいて焦
点検出不可能と判定された場合は第2焦点検出部8の焦
点検出結果を採用することを示す。第1焦点検出部7が
ケラレなしで且つ第2焦点検出部8が焦点検出不可能な
場合は、第1焦点検出エリア311Aに対応する枠11
1Aを太表示して、第1焦点検出部7にケラレがないこ
とを示すとともに、第2焦点検出エリア311Bに対応
する枠111Bを表示せず、第1焦点検出部7の焦点検
出演算結果に基づいて焦点検出不可能と判定された場合
でも第2焦点検出部8の焦点検出結果を採用しないこと
を示す。第1焦点検出部7がケラレはあるが焦点検出可
能で且つ第2焦点検出部8が焦点検出不可能な場合は、
第1焦点検出エリア311Aに対応する枠111Aを細
く表示して、第1焦点検出部7にケラレがあることを示
すとともに、第2焦点検出エリア311Bに対応する枠
111Bを表示せず、第1焦点検出部7の焦点検出演算
結果に基づいて焦点検出不可能と判定された場合でも第
2焦点検出部8の焦点検出結果を採用しないことを示
す。第1焦点検出部7と第2焦点検出部8がともに焦点
検出不可能な場合は、枠111Aと枠111Bをともに
点滅させ、ケラレにより焦点検出不可能であることを示
す。なお、レンズ情報メモリ15を内蔵していないレン
ズ鏡筒2を装着した場合は、第1焦点検出部7および第
2焦点検出部8の焦点検出用光束のケラレの度合いに基
づく焦点検出可能/不可能の判定ができないので、第1
焦点検出エリア311Aに対応する枠111Aを太く表
示して、第1焦点検出部7の焦点検出動作が優先されて
いることを示すとともに、第2焦点検出エリア311B
に対応する枠111Bを細く表示して、第1焦点検出部
7の焦点検出演算結果に基づいて焦点検出不可能と判定
された場合は第2焦点検出部8の焦点検出結果が採用さ
れることを示す。また、第1焦点検出部7がケラレはあ
るが焦点検出不可能で且つ第2焦点検出部8が焦点検出
可能という状態は瞳領域の設定上有り得ない。 【0031】表3に示す処理を説明する。第1焦点検出
部7がケラレなしで且つ第2焦点検出部8が焦点検出可
能な場合、あるいは、第1焦点検出部7がケラレはある
が焦点検出可能で且つ第2焦点検出部8も焦点検出可能
な場合は、第2焦点検出部優先モードとし、図18に示
す第2焦点検出部優先モードプログラムを実行する。第
1焦点検出部7がケラレなしで且つ第2焦点検出部8が
焦点検出不可能な場合、あるいは、第1焦点検出部7が
ケラレはあるが焦点検出可能で且つ第2焦点検出部8が
焦点検出不可能な場合は、第1焦点検出部のみモードと
し、図19に示す第1焦点検出部のみモードプログラム
を実行する。第1焦点検出部7と第2焦点検出部8がと
もに焦点検出不可能な場合は、禁止モードとし、図20
に示す禁止モードプログラムを実行する。なお、レンズ
情報メモリ15を内蔵していないレンズ鏡筒2を装着し
た場合は、第1焦点検出部7および第2焦点検出部8の
焦点検出用光束のケラレの度合いに基づく焦点検出可能
/不可能の判定ができないので、第2焦点検出部優先モ
ードとなる。また、第1焦点検出部7が焦点検出不可能
で且つ第2焦点検出部8が焦点検出可能という状態は瞳
領域の設定上有り得ない。 【0032】表4における表示処理を説明する。第1焦
点検出部7がケラレなしで且つ第2焦点検出部8が焦点
検出可能な場合、あるいは、第1焦点検出部7がケラレ
はあるが焦点検出可能で且つ第2焦点検出部8も焦点検
出可能な場合は、第2焦点検出エリア311Bに対応す
る枠111Bを太く表示して、第2焦点検出部8の焦点
検出動作が優先されていることを示すとともに、第1焦
点検出エリア311Aに対応する枠111Aを細く表示
して、第2焦点検出部8の焦点検出演算結果に基づいて
焦点検出不可能と判定された場合は第1焦点検出部7の
焦点検出結果を採用することを示す。第1焦点検出部7
がケラレなしで且つ第2焦点検出部8が焦点検出不可能
な場合は、第1焦点検出エリア311Aに対応する枠1
11Aを太く表示して、第1焦点検出部7にケラレがな
いことを示すとともに、第2焦点検出エリア311Bに
対応する枠111Bを表示せず、第1焦点検出部7の焦
点検出演算結果に基づいて焦点検出不可能と判定された
場合でも第2焦点検出部8の焦点検出結果を採用しない
ことを示す。第1焦点検出部7がケラレはあるが焦点検
出可能で且つ第2焦点検出部8が焦点検出不可能な場合
は、第1焦点検出エリア311Aに対応する枠111A
を細く表示して、第1焦点検出部7にケラレがあること
を示すとともに、第2焦点検出エリア311Bに対応す
る枠111Bを表示せず、第1焦点検出部7の焦点検出
演算結果に基づいて焦点検出不可能と判定された場合で
も第2焦点検出部8の焦点検出結果を採用しないことを
示す。第1焦点検出部7と第2焦点検出部8がともに焦
点検出不可能な場合は、枠111Aと枠111Bをとも
に点滅させ、ケラレにより焦点検出不可能であることを
表示する。なお、レンズ情報メモリ15を内蔵していな
いレンズ鏡筒2を装着した場合は、第1焦点検出部7お
よび第2焦点検出部8で焦点検出用光束のケラレの度合
いに基づく焦点検出可能/不可能の判定ができないの
で、第2焦点検出エリア311Bに対応する枠111B
を太く表示して、第2焦点検出部8の焦点検出動作が優
先されていることを示すとともに、第1焦点検出エリア
311Aに対応する枠111Aを細く表示して、第2焦
点検出部8の焦点検出演算結果に基づいて焦点検出不可
能と判定された場合は第1焦点検出部7による焦点検出
結果を採用することを示す。また、第1焦点検出部7が
焦点検出不可能で且つ第2焦点検出部8が焦点検出可能
という状態は瞳領域の設定上有り得ない。 【0033】図17は第1焦点検出部優先モードプログ
ラムを示す。上述した表1により、操作部材13の非操
作状態において第1焦点検出部7と第2焦点検出部8の
焦点検出用光束のケラレの度合いによる焦点検出可能/
不可能の判定結果に基づき第1焦点検出部優先モードが
選択されると、ステップS200で第1焦点検出部優先
モードプログラムの実行が開始され、ステップS201
へ進む。ステップS201では、第1焦点検出部7にケ
ラレが発生しているか否かを判定し、ケラレが発生して
いる場合はステップS202へ進み、ケラレが発生して
いない場合はステップS202をスキップする。第1焦
点検出部7にケラレが発生している場合は、ステップS
202で、第1イメージセンサ71の被写体像データに
上述した数式3による低周波カットフィルター処理を施
し、ケラレの影響を軽減するために低周波成分を抑制
し、ステップS203へ進む。ステップS203では、
低周波カットフィルター処理を施した被写体像データま
たは低周波カットフィルター処理なしの被写体像データ
に基づいて上述した相関演算を行い、第1焦点検出部7
としての焦点検出結果を出す。 【0034】ステップS204において、第1焦点検出
部7で焦点検出演算結果に基づいて焦点検出不可能と判
定されたか否かを判別し、不可能と判定された場合はス
テップS206へ進み、可能と判定された場合はステッ
プS205へ進む。第1焦点検出部7における焦点検出
が可能な場合は、ステップS205で、第1焦点検出部
7の焦点検出結果を最終焦点検出結果として図16に示
すメインプログラムのステップS109(ポイントB)
へ進む。一方、第1焦点検出部7における焦点検出が不
可能な場合は、ステップS206で、第2イメージセン
サ81の被写体像データに上述した数式3による低周波
カットフィルター処理を施し、ケラレの影響を軽減する
ために低周波成分を抑制する。続くステップ207で、
低周波カットフィルター処理後の被写体像データに対し
て相関演算を行い、得られた第2焦点検出部7の焦点検
出結果を最終焦点検出結果として図16に示すメインプ
ログラムのステップS109(ポイントB)へ進む。 【0035】図18は第2焦点検出部優先モードプログ
ラムを示す。上述した表3により、操作部材13の操作
状態において第1焦点検出部7と第2焦点検出部8の焦
点検出用光束のケラレの度合いによる焦点検出可能/不
可能の判定結果に基づき第2焦点検出部優先モードが選
択されると、ステップS300で第1焦点検出部優先モ
ードプログラムの実行が開始され、ステップS301へ
進む。ステップS301で、第2イメージセンサ81の
被写体像データに上述した数式3による低周波カットフ
ィルター処理を施し、ケラレの影響を軽減するために低
周波成分を抑制する。ステップS302で低周波カット
フィルター処理後の被写体像データに対し相関演算を行
い、続くステップS303で第2焦点検出部8で焦点検
出演算結果に基づいて焦点検出不可能と判定されたか否
かを判別する。第2焦点検出部8における焦点検出が可
能な場合はステップS304へ進み、第2焦点検出部8
の焦点検出結果を最終焦点検出結果として図16のメイ
ンプログラムのステップS109(ポイントB)へ進
む。一方、第2焦点検出部8における焦点検出が不可能
な場合は、ステップS305で、第1焦点検出部7に焦
点検出用光束のケラレが発生しているか否かを判定し、
ケラレが発生している場合はステップS306へ進み、
ケラレが発生していない場合はステップS306をスキ
ップする。ケラレが発生している場合は、ステップS3
06で、第1イメージセンサ71の被写体像データに上
述した数式3による低周波カットフィルター処理を施
し、ケラレの影響を軽減するために低周波成分を抑制す
る。ステップS307では、低周波カットフィルター処
理を施した被写体像データまたは低周波カットフィルタ
ー処理なしの被写体像データに基づいて相関演算を行
い、得られた焦点検出結果を最終焦点検出結果として図
16のメインプログラムのステップS109(ポイント
B)へ進む。 【0036】図19は第1焦点検出部のみモードプログ
ラムを示す。上述した表1および表3により、操作部材
13の操作状態と、第1焦点検出部7および第2焦点検
出部8の焦点検出用光束のケラレの度合いによる焦点検
出可能/不可能の判定結果とに基づいて、第1焦点検出
部のみモードが選択されるとステップS400でこのプ
ログラムの実行を開始する。ステップS401で、第1
焦点検出部7に焦点検出用光束のケラレが発生している
か否かを判定し、ケラレが発生している場合はステップ
S402へ進み、ケラレが発生していない場合はステッ
プS402をスキップする。第1焦点検出部7でケラレ
が発生している場合は、ステップS402で、第1イメ
ージセンサ71の被写体像データに数式3による低周波
カットフィルター処理を施し、ケラレの影響を軽減する
ために低周波成分を抑制する。ステップS403では、
低周波カットフィルター処理を施した被写体像データま
たはフィルター処理なしの被写体像データに基づいて相
関演算を行い、得られた焦点検出結果を最終焦点検出結
果として図16のメインプログラムのステップS109
(ポイントB)へ進む。 【0037】図20は禁止モードプログラムを示す。上
述した表1および表3により、操作部材13の操作状態
と第1焦点検出部7および第2焦点検出部8の焦点検出
用光束のケラレの度合いによる焦点検出可能/不可能の
判定結果とに基づいて禁止モードが選択されると、ステ
ップS500でこのプログラムの実行を開始する。ステ
ップS501で、レンズ駆動用モーター14を停止し、
焦点検出動作は行わずに図16のメインプログラムのス
テップ111(ポイント)へ進む。 【0038】なお、上述した実施例では焦点検出用光束
のケラレの度合いによる焦点検出可能/不可能の判定結
果に応じてファインダー画面の焦点検出エリア表示の表
示形態を変えるようにしたので、どの焦点検出エリアに
ケラレが生じているのか分かり易く、使用したい焦点検
出エリアがケラレている場合は、マニュアルフォーカス
モードに切り換えるなどの対応が容易にとれる。 【0039】上記実施例では操作部材の操作により複数
の焦点検出部の優先順位を変えることができるので、邪
魔な被写体を捕捉している焦点検出部の優先順位を下げ
ることができ、希望する被写体に対する焦点検出動作を
優先させることができる。 【0040】上記実施例では撮影画面の周辺部で2つの
焦点検出エリアが交差している例を示したが、焦点検出
エリアが接線方向と、径方向とに配置されていればよ
く、2つの焦点検出エリアが交差している必要はない。
しかし、2つの焦点検出エリアが互いに離れている場合
は使用者による被写体選択の指令と競合するので、2つ
の焦点検出エリアは近接していることが望ましい。 【0041】上記実施例では2つの焦点検出エリアにつ
いて説明したが、焦点検出エリアの個数は上記実施例に
限定されず、3個以上あってもよい。また、上記実施例
では2つの焦点検出エリアが接線方向と、径方向とにそ
れぞれ配置される例を示したが、厳密に接線方向と径方
向とに配置する必要ななく、少なくとも2つの焦点検出
エリアの画面中心に対する配置方向すなわち焦点検出方
向が異なっており、両焦点検出エリアにおける焦点検出
用光束のケラレに差があればよい。 【0042】上記実施例では予め2つの焦点検出部によ
る光電変換を行った後に、焦点検出演算処理においてど
ちらかの焦点検出部の動作を優先していたが、優先され
た焦点検出部による焦点検出が不可能な場合に初めて他
の焦点検出部による光電変換動作、焦点検出演算動作を
行うようにしてもよい。 【0043】上記実施例では撮影画面の周辺部に、接線
方向と径方向に配置された2つの焦点検出エリアを例に
上げて説明したが、撮影画面の中心、すなわち撮影画面
と撮影光学系の光軸との交点を含む撮影画面上の任意の
位置に、任意の方向に複数の焦点検出エリアを配置した
焦点検出装置に対しても本発明を適用できる。そのよう
な場合は、撮影画面の周辺部に配置された焦点検出エリ
アの内の接線方向の焦点検出エリアにおける焦点検出動
作を径方向の焦点検出エリアの焦点検出動作よりも優先
して行い、焦点検出用光束のケラレの度合いに基づく焦
点検出可能/不可能の判定と、焦点検出演算結果に基づ
く焦点検出可能/不可能の判定でいずれも焦点検出可能
と判定された焦点検出エリアの焦点検出結果と、撮影画
面の中心を含む焦点検出エリアの焦点検出結果の中か
ら、例えば最も至近の値や、あるいは平均値を最終的な
焦点検出結果として採用すればよい。 【0044】以上の実施例の構成において、第1焦点検
出部7が第1焦点検出手段を、第2焦点検出部8が第2
焦点検出手段を、駆動制御部9が制御手段をそれぞれ構
成する。 【0045】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、撮影画面
と撮影光学系の光軸との交点を含まず、且つその交点を
中心とする同心円の接線方向に配置された帯状の第1
の焦点検出エリアと、前記交点を含まず、且つ前記交点
を中心とする円の径方向に配置された帯状の第2の焦
点検出エリアとにおいて撮影光学系の焦点調節状態を検
出する際、焦点検出用光束のケラレが生じ難く焦点検出
精度の高い第1の焦点検出エリアにおける焦点検出結果
を、第2の焦点検出エリアにおける焦点検出結果よりも
優先して採用するようにしたので、焦点検出精度を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】一実施例の焦点検出装置を装備したカメラの構
成を示す機能ブロック図。 【図2】一実施例の焦点検出光学系およびイメージセン
サーの斜視図。 【図3】一実施例の焦点検出エリアの配置図。 【図4】一実施例の絞りマスクを示す図。 【図5】焦点検出用光束のケラレを説明する図。 【図6】焦点検出用光束にケラレがある場合とない場合
の一対の被写体像の光強度分布を示す図。 【図7】撮影光学系のレンズ情報の説明図。 【図8】表示器によるファインダー画面内の焦点検出エ
リアの表示例を示す図。 【図9】被写体像データに対する高周波カットフィルタ
ー処理の周波数特性を示す図。 【図10】被写体像データに対する低周波カットフィル
ター処理の周波数特性を示す図。 【図11】低周波カットフィルター処理の説明図。 【図12】相関演算処理の説明図。 【図13】相関演算処理の説明図。 【図14】相関演算処理の説明図。 【図15】相関演算処理の説明図。 【図16】マイクロコンピューターのメインプログラム
を示すフローチャート。 【図17】第1焦点検出部優先モードプログラムを示す
フローチャート。 【図18】第2焦点検出部優先モードプログラムを示す
フローチャート。 【図19】第1焦点検出部のみモードプログラムを示す
フローチャート。 【図20】禁止モードプログラムを示すフローチャー
ト。 【符号の説明】 1 カメラボディー 2 レンズ鏡筒 3 撮影光学系 4 メインミラー 5 サブミラー 6 フィルム面 7 第1焦点検出部 8 第2焦点検出部 9 駆動制御部 10 マイクロコンピュータ 11 表示器 12 ファインダー 13 操作部材 14 モーター 15 レンズ情報メモリ 70 第1焦点検出光学系 71 第1イメージセンサー 72 第1演算処理部 80 第2焦点検出光学系 81 第2イメージセンサー 82 第2演算処理部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 所定の撮影画面上に、この撮影画面と撮
    影光学系の光軸との交点を含まず、且つ前記交点を中心
    とする同心円の接線方向に帯状の第1の焦点検出エリ
    アを配置し、前記撮影光学系を透過する一対の光束を用
    いて前記第1の焦点検出エリアにおける前記撮影光学系
    の焦点調節状態を検出する第1の焦点検出手段と、 前記撮影画面上に、前記交点を含まず且つ前記交点を中
    心とする円の径方向に帯状の第2の焦点検出エリアを
    前記第1の焦点検出エリアと交差して配置し、前記撮影
    光学系を透過する一対の光束を用いて前記第2の焦点検
    出エリアにおける前記撮影光学系の焦点調節状態を検出
    する第2の焦点検出手段とを備えた焦点検出装置におい
    て、 前記第1の焦点検出手段が焦点検出可能な場合には、前
    記第1の焦点検出手段による焦点検出結果を採用し、前
    記第1の焦点検出手段が焦点検出不可能な場合には、前
    記第2の焦点検出手段による焦点検出結果を採用する制
    御手段を設けることを特徴とする焦点検出装置。
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