JP3467597B2 - クロッシング用ノーズレールの頭部連続スラッククエンチ熱処理方法 - Google Patents

クロッシング用ノーズレールの頭部連続スラッククエンチ熱処理方法

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JP3467597B2
JP3467597B2 JP03752693A JP3752693A JP3467597B2 JP 3467597 B2 JP3467597 B2 JP 3467597B2 JP 03752693 A JP03752693 A JP 03752693A JP 3752693 A JP3752693 A JP 3752693A JP 3467597 B2 JP3467597 B2 JP 3467597B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道分岐器におけるク
ロッシング用ノーズレールの頭部連続スラッククエンチ
熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道分岐器のレール鋼製の溶接クロッシ
ングにおいては、溶接により一体化されたノーズレール
が一般的に使用されているが、90Sレールを使用した
溶接クロッシング用ノーズレールでは、長ノーズレール
と短ノーズレールとを接合前に各々単体でレール頭部に
対して焼入れ焼戻しによる硬化熱処理を施した後、溶接
によって接合し一体化する方法が採用されていた。
【0003】しかし、かかるクロッシング用ノーズレー
ルでは、硬化熱処理後にノーズレールを溶接によって一
体化しているので、添加溶材を使用する溶接法にあって
は溶着金属及び熱影響部がノーズレール頭部に存在し、
又添加溶材を使用しない、例えばエレクトロビーム溶接
法(以下、EBW法という)においても溶接金属及び熱
影響部がレール頭部に存在するため、ノーズレール頭部
の金属組織は均質にならず、硬度もばらつき、それらの
部分は硬化熱処理されたレール母材に較べて耐摩耗性及
び強度が劣り、ノーズレールの弱点部になっていた。
【0004】最近、焼入れ焼戻し熱処理法に代え、レー
ル素材として炭素含有量0.72〜0.80%の高炭素
鋼を用い、レール頭部を連続的に加熱してオーステナイ
ト化させた後、緩速冷却を行ってレール頭部に微細パー
ライト組織を生成させ、耐摩耗性や耐疲労性を改善する
ようにしたスラッククエンチ(以下、S.Qという)熱
処理法が開発され実用化されている。
【0005】通常、焼入れ焼戻し熱処理法では、焼入れ
の際に多少の硬化のバラツキがあっても焼戻しによって
ほぼ均一な硬さが得られるのに対し、S.Q熱処理法に
おいては、所定の耐摩耗性や耐疲労性を得るためにはレ
ール頭部の断面形状や寸法等に対応した加熱及び冷却を
行うことが要求される。
【0006】そこで従来のレール頭部連続S.Q熱処理
方法には、レール頭部の幅に対応して火炎帯の幅を調整
できる上面加熱バーナと、レール頭部の幅に応じて進退
できる側面加熱バーナとからなる加熱装置によってレー
ル頭部を均一に加熱する一方、レール頭部の幅に対応し
て冷却空気の噴射帯の幅を調整できる上面冷却器と、レ
ール頭部の幅に応じて進退して冷却空気及び冷却水を噴
射する側面冷却器とからなる冷却装置によって所定冷却
速度でレール頭部を冷却し、もって所望の耐摩耗性や耐
疲労性を得るようにした方法が提案されている(特公昭
63−65735号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来公報
記載のレール頭部連続S.Q熱処理方法では、頭部前方
が接合により一体化されかつ頭部後方が二又状に分かれ
ているという、クロッシング用ノーズレールの構造上の
特徴については余り考慮されておらず、二又状に分かれ
たレール頭部の後方部分をS.Q熱処理する場合には処
理装置を大型化する必要が生じ、しかも火炎帯及び冷却
空気噴射帯の幅が二又状のレール頭部の開き幅全幅とな
るので、加熱効率及び冷却効率が悪くなる。
【0008】この発明は、かかる点に鑑み、より効率良
く先端部から二又状部分に至るノーズレール頭部全長に
わたって頭部全面を深部まで均質な微細パーライト組織
として優れた耐摩耗性、耐疲労性を有するクロッシング
用ノーズレールの頭部連続S.Q熱処理方法を提供する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明に係るクロ
ッシング用ノーズレールの頭部連続S.Q熱処理方法
は、前方が溶接によって接合一体化されかつ後方が二又
状に分かれ該二又分岐部以降については2本のレールの
開きが後方になるほど大きくなった頭部形状を有する構
造のクロッシング用ノーズレールの頭部を、連続的に加
熱冷却して連続S.Q熱処理を行うに際し、加熱方法と
して、各々がレール進行方向に配列された複数の器頭で
構成されかつ該複数の各器頭には複数の火口がレール頭
部幅方向に取付けられた左右一対の加熱用バーナをノー
ズレール頭部の上方に配置し、該加熱バーナとノーズレ
ールとを相対移動させ、頭部二又状部分を加熱する際に
は上記一対の加熱バーナを上記二又分岐部以降の2本の
レールの頭部の開き角度に応じた角度に回転させるとと
もに、上記二又分岐部以降の2本のレールの頭部の開き
幅の変化に追従して分離移動させ、各器頭のレール頭部
幅方向に配列された複数の火口列を点火消火させること
によって火炎帯を調節し、かつレール進行方向に対して
各器頭の火炎強さをガス流量調節にて制御するようにし
たことを要旨とする。
【0010】また、本発明に係るクロッシング用ノーズ
レールの頭部連続S.Q熱処理方法は、前方が溶接によ
って接合一体化されかつ後方が二又状に分かれ該二又分
岐部以降については2本のレールの開きが後方になるほ
ど大きくなった頭部形状を有する構造のクロッシング用
ノーズレールの頭部を、連続的に加熱冷却して連続S.
Q熱処理を行うに際し、冷却方法として、各々がレール
進行方向に配列された複数の空気箱で構成される左右一
対の冷却器をノーズレール頭部の上面及び横面外側を覆
って配置し、該冷却器とノーズレールとを相対移動さ
せ、頭部二又状部分を加熱する際には上記一対の冷却器
上記二又分岐部以降の2本のレールの頭部の開き角度
に応じた角度に回転させるとともに、上記二又分岐部以
降の2本のレールの頭部の開き幅の変化に追従して分離
移動させ、各空気箱の圧縮空気による空気シャワーの冷
却能をレール進行方向に対して空気流量調節にて制御す
るようにしたことを要旨とする。
【0011】ここでクロッシング用ノーズレールの頭部
は前端部が1本でかつ尖った形状をなし、後方につれて
頭部幅が大きくなり、続いて頭部が二又状に分かれ、後
端まで2本のレールとなった変断面を有する。従って、
S.Q熱処理を施すにあたって溶接によって一体化され
た被熱処理ノーズレールの頭部前方は製品における熱処
理品質を満足する最大ボリュームの寸法・形状に半加工
した後、S.Q熱処理を行うのがよい。
【0012】また、ノーズレール後方の二又状に分かれ
たレール部分はレール頭部のみがバーナ火炎及び空気シ
ャワーによって各々加熱・冷却されるようレール頭部ア
ゴから下方を保護板等で覆うのがよい。
【0013】ノーズレールの半加工された先端から2本
のレールに分かれた後端までレール頭部が所定の温度分
布になるように連続加熱するが、加熱に先立って少なく
とも溶接接合された頭部ボリュームの大きい範囲が30
0°C〜500°Cになるように電気炉等によって全体
予熱するのが好ましい。
【0014】また、冷却に際しては、所定の冷却速度に
て連続的に、先端から二又状部まではレール全体を、二
又状部より後方はレール頭部を300°C以下まで空気
シャワーで冷却するのがよい。
【0015】さらに、ノーズレールの溶接は添加溶材を
使用する溶接法に比して、添加溶材を使用しない、例え
ばEBW法や圧接法が溶接金属化学成分が母材とほぼ同
じとなり、好ましい。
【0016】
【作用】ノーズレール頭部を連続S.Q熱処理するに際
し、一対の加熱バーナ又は冷却器をノーズレール長手中
心線の頭部幅方向の変化に追従して移動させ、かつ頭部
開き角度に追従して回転させるようにしたことから、ノ
ーズレールの頭部前方だけではなく、頭部後方の二又状
部分についても効率よく、かつ均一な加熱又は冷却が可
能となる。
【0017】しかも、加熱バーナの各器頭の複数の火口
列を点火消火させることにより火炎帯を調節し、かつレ
ール進行方向に対して各器頭部の火炎強さをガス流量調
節により制御し、又冷却器の各空気箱の圧縮空気による
空気シャワーの冷却能をレール進行方向に対して空気流
量調節により制御するようにしたことから、ノーズレー
ルの連続的に変化する頭部ボリュームに応じた加熱及び
冷却が可能となる。
【0018】その結果、ノーズレール頭部全面に深部ま
で均質な微細パーライト組織よりなる硬化層が形成され
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明の一実施例によるクロッ
シング用ノーズレールの頭部連続S.Q熱処理の全体処
理工程を概略的に示す。図1(a) はノーズレール1の頭
部一体部分1AのS.Q熱処理工程を、図1(b) はノー
ズレール1の頭部二又状部分1BのS.Q熱処理工程を
示している。
【0020】本例のS.Q熱処理法では、レール1前方
の頭部一体部分1A側から、後方の頭部二又状部分1B
側へと連続的にS.Q熱処理を行う。頭部一体部分1A
をS.Q熱処理する際には加熱バーナ2及び冷却器3を
共に閉じた状態に制御する。また、頭部二又状部分1B
をS.Q熱処理する際には加熱バーナ2及び冷却器3を
共にレール頭部1aの開き幅及び角度に追従して移動さ
せ回転させる。
【0021】レール1の先端側から後端側に向けてS.
Q熱処理することにより、二又分岐部1C以降について
は2本のレールの開きが後方になるほど大きいため、加
熱バーナ2の火炎が後方へ流れ、前方の冷却器3側への
火炎の流れを少なくできる。
【0022】また、加熱バーナ2と冷却器3との間には
防炎布(リボン状断熱材)4を設けてバーナ火炎を遮断
する。
【0023】レール1の先端から頭部ボリュームの大き
い二又分岐部1C付近までの範囲はより深い硬化層を得
るために電気炉等にて全体を300°C〜500°Cに
予熱した後、レール頭部1aを加熱バーナ2にて焼入加
熱すると共に、冷却に際しては空気シャワーにてレール
頭部1aのみならず腹部1bも同時に冷却することが有
効であり、又溶接構造部については、加熱・冷却時に溶
接継手部に発生する応力を小さくするため、全体を30
0°C〜500°Cに予熱した後、レール頭部1aを加
熱バーナ2にて焼入加熱すると共に、冷却に際しては空
気シャワーのみにてレール頭部1aのみならず腹部1
b、ベース部1cも同時に全体冷却することが有効であ
り、又S.Q熱処理後の歪みも小さくすることができ
る。
【0024】ノーズレール二又分岐部1Cより後方の2
本のレール1を同時に連続的に加熱・冷却する場合、各
々レール全体及び2本のレールの加熱・冷却バランスの
くずれによる曲がりを防止するために、各々レール1両
側のアゴ1d下からベース部1c上面を保護板6で覆
い、レール頭部1aのみを加熱・冷却することで、各々
レール全体及び2本のレールの加熱・冷却バランスを保
つことが容易となり、各レールの左右曲がりを防止で
き、又左右2本のレール各々の上下方向の曲がりを両者
ほぼ同一にできる。
【0025】また、図2はノーズレール1の前方頭部形
状1Aを示す。ノーズレール前方部1Aを溶接した後、
製品仕上がり時の表面硬度・断面硬度及び有効硬化層を
満足できる最大頭部幅寸法・形状に半加工することによ
り、S.Q熱処理条件をノーズレール全長にわたり、ほ
ぼ同一とすることが可能になる。
【0026】即ち、処理速度を一定にし、加熱に際して
頭部一体部分1Aでは火炎帯の幅を頭部幅の変化につれ
て追従させて過加熱を防止し、又冷却に際しては全長に
わたって上面及び横面外側から同一冷却能の空気シャワ
ーにてレール頭部を所要冷却速度にて緩速冷却すること
が可能になる。
【0027】図3ないし図5はノーズレール1の頭部一
体部分1AのS.Q熱処理工程を示す。図3は図1のA
−A断面図で、ノーズレール1の製品時仕上がり頭部幅
0mm位置における冷却工程を示す。レール頭部1aは
半加工してあり、冷却器3からの空気シャワーがノーズ
レール1の頭部1a上面及び両側面に噴射されてノーズ
レール1全体が冷却される。
【0028】図4は図1のB−B断面図で、ノーズレー
ル1の半加工位置における冷却工程を示し、この箇所に
おいても空気シャワーがノーズレール1の頭部1a上面
及び両側面に噴射されてノーズレール1全体が冷却され
る。
【0029】図5は図1のC−C断面図で、ノーズレー
ル1溶接のままで、半加工のない位置における加熱工程
を示し、加熱バーナ2はレール頭部1aの幅に対応して
火炎帯の幅を調節し(図のハッチング部分2a参照)、
過加熱を防止する。
【0030】図6ないし図9はノーズレール1の頭部二
又状部分1BのS.Q熱処理工程を示す。図6は図1の
D−D断面図で、ノーズレール1の二又分岐部1Cより
後方位置における冷却工程を示し、二又状部1Bのレー
ル頭部1a間には詰材5を設け、又レール外側の頭部ア
ゴ1dからベース部1c上面を保護板6で覆い、レール
頭部1aの上面及び側面に冷却器3の空気シャワーを噴
射し、レール頭部1aのみが冷却される。
【0031】図7は図1のE−E断面図で、ノーズレー
ル1が2本に分かれた位置における冷却工程を示し、冷
却器3が左右のレール1Bの頭部1a上方に中央で分離
して移動し、かつレール1Bの開き角度に応じて回転
し、それぞれ頭部1a上面及びノーズレール1Bの外側
面から冷却器3の空気シャワーを噴射してレール頭部1
aのみが冷却される。
【0032】図8は図1のF−F断面図で、ノーズレー
ル1が2本に分かれた位置における加熱工程を示し、加
熱バーナ2が左右のレール1Bの頭部1a上方に中央で
分離して移動し、かつレールの開き角度に応じて回転
し、それぞれ上面からレール頭部1aが加熱されるが、
その際左右のレール1Bの頭部アゴ部1dからベース部
1c上面は保護板6で覆い、レール頭部1aのみを加熱
する。
【0033】また、図9(a)(b)(c) は加熱バーナ2の側
面図、正面図及び底面図を示す。加熱バーナ2は水冷バ
ーナであり、左右一対の加熱バーナ2がノーズレール頭
部1aの幅方向への左右横移動、及び頭部開き角度方向
への回転移動を可能に構成され、駆動装置によってレー
ル頭部1a形状に追従して移動され回転される。
【0034】加熱バーナ2は左右対称形の一対の器頭2
0を有し、器頭20にはレール頭部幅方向に複数の火口
列21が数列取付けられ、遠隔操作により火炎帯の幅を
火口列21を点火消火することによって調節でき、又各
器頭20毎にガス流量を調節することによって各器頭2
0の火炎強さを制御できる構造となっている。
【0035】また、レール進行方向に対し、加熱前半側
は加熱帯バーナ2、加熱後半側は均熱帯バーナ2となっ
た2ブロックの構造に構成されている。加熱帯バーナ2
はバーナ加熱開始と共にできるだけレール頭部1a表面
付近の温度を高くして、焼入加熱深さを大きくするため
に中性火炎にて約800°C〜900°Cに急速加熱す
る一方、均熱帯バーナ2は急速加熱後の熱拡散による温
度ばらつきの均熱化及び、熱伝導による焼入加熱深さの
増大を図ると共に、表面付近の過加熱及び脱炭を防止す
るために還元性火炎にて所要の焼入温度に加熱すること
により、効率よく、より深い硬化層を得ることが可能に
なる。
【0036】図10(a)(b)(c) は冷却器3の側面図、正
面図及び底面図を示す。冷却器3はエアーコンプレッサ
又はブロアの圧縮空気をレール頭部1aに空気シャワー
として噴射する方式で、加熱バーナ2と同様に駆動装置
によってレール頭部1a形状に追従して移動され回転さ
れるようになっている。
【0037】冷却器3は左右対称形の一対の空気箱30
を有し、各空気箱30はレール頭部1a上面と外側面か
ら空気シャワーを噴射する空気箱からなる構造で、各空
気箱30毎に空気流量を調節することによって各空気箱
30の圧縮空気による空気シャワーの冷却能を制御でき
るようになっており、冷却器3入口側には空気箱30よ
り噴射された空気シャワーがレール頭部1a表面に沿っ
て加熱バーナ2側に流れ、焼入加熱されたレール頭部1
a表面付近が所定の冷却速度以下で冷却され、S.Q熱
処理後の表面硬度及び表面付近の断面硬度が低下するこ
とを防止するための仕切板31が設けてある。
【0038】レール進行方向に対して、冷却前半側の冷
却器3はレール頭部1aを微細パーライト組織にするた
め、800°C〜500°Cの温度域を所要冷却速度に
て緩速冷却する。この前半緩速冷却ゾーンを通過するこ
とによってレール頭部1aの表面付近の温度は300°
Cとなるが、特に先端からレール頭部1aが接近した二
又状部分1Bにわたる範囲のレール頭部1aの内部及び
それに続く腹部1b上方はそれ以上の温度であり、内部
熱による硬化層、即ち微細パーライト組織生成部の軟化
防止のため、引続き冷却が必要である。
【0039】しかし、ノーズレール1の溶接構造部にお
いては、水冷による急冷では溶接部に大きな熱応力が発
生するため、冷却後半は前半より冷却能力を大きくした
空気シャワーによる急速冷却ゾーンとし、熱応力を抑制
すると共に、効率よくノーズレール全体を300°C以
下に冷却し、以後室温まで空冷する。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、一体化
構造のクロッシング用ノーズレールの先端から二又状部
分に至る頭部全長について頭部寸法や形状に対応した加
熱・冷却による連続S.Q熱処理が可能になり、クロッ
シング用ノーズレールの頭部全面に優れた耐摩耗性、耐
疲労性を有する均質な微細パーライト組織よりなる深さ
20〜25mmの硬化層を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例によるクロッシング用ノーズ
レールの頭部連続スラッククエンチ熱処理の全体工程を
模式的に示す図である。
【図2】 上記クロッシング用ノーズレールの前半部を
示す平面図である。
【図3】 図1のA−A線断面図である。
【図4】 図1のB−B線断面図である。
【図5】 図1のC−C線断面図である。
【図6】 図1のD−D線断面図である。
【図7】 図1のE−E線断面図である。
【図8】 図1のF−F線断面図である。
【図9】 上記頭部連続スラッククエンチ熱処理におい
て使用される加熱バーナを側面、正面及び底面から見た
状態を示す図である。
【図10】 上記頭部連続スラッククエンチ熱処理にお
いて使用される冷却器を側面、正面及び底面から見た状
態を示す図である。
【符号の説明】
1 ノーズレール 1A レール
頭部一体部分 1B レール二又状部分 1C レール
二又分岐部 1a 頭部 1b 腹部 1c ベース部 1d 頭部ア
ゴ部 2 加熱バーナ 20 器頭 21 火口列 3 冷却器 30 空気箱 6 保護板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/04 B23K 31/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方が溶接によって接合一体化されかつ
    後方が二又状に分かれ該二又分岐部以降については2本
    のレールの開きが後方になるほど大きくなった頭部形状
    を有する構造のクロッシング用ノーズレールの頭部を、
    連続的に加熱冷却して連続スラッククエンチ熱処理を行
    うに際し、加熱方法として、 各々がレール進行方向に配列された複数の器頭で構成さ
    かつ該複数の各器頭には複数の火口がレール頭部幅方
    向に取付けられた左右一対の加熱用バーナをノーズレー
    ル頭部の上方に配置し、該加熱バーナとノーズレールと
    を相対移動させ、頭部二又状部分を加熱する際には上記
    一対の加熱バーナを上記二又分岐部以降の2本のレール
    の頭部の開き角度に応じた角度に回転させるとともに、
    上記二又分岐部以降の2本のレールの頭部の開き幅の変
    化に追従して分離移動させ、各器頭のレール頭部幅方向
    に配列された複数の火口を点火消火させることによって
    火炎帯を調節し、かつレール進行方向に対して各器頭の
    火炎強さをガス流量調節にて制御するようにしたことを
    特徴とするクロッシング用ノーズレールの頭部連続スラ
    ッククエンチ熱処理方法。
  2. 【請求項2】 前方が溶接によって接合一体化されかつ
    後方が二又状に分かれ該二又分岐部以降については2本
    のレールの開きが後方になるほど大きくなった頭部形状
    を有する構造のクロッシング用ノーズレールの頭部を、
    連続的に加熱冷却して連続スラッククエンチ熱処理を行
    うに際し、冷却方法として、 各々がレール進行方向に配列された複数の空気箱で構成
    される左右一対の冷却器をノーズレール頭部の上面及び
    横面外側を覆って配置し、該冷却器とノーズレールとを
    相対移動させ、頭部二又状部分を冷却する際には上記一
    対の冷却器を上記二又分岐部以降の2本のレールの頭部
    の開き角度に応じた角度に回転させるとともに、上記二
    又分岐部以降の2本のレールの頭部の開き幅の変化に追
    従して分離移動させ、各空気箱の圧縮空気による空気シ
    ャワーの冷却能をレール進行方向に対して空気流量調節
    にて制御するようにしたことを特徴とするクロッシング
    用ノーズレールの頭部連続スラッククエンチ熱処理方
    法。
  3. 【請求項3】 接合により一体化したノーズレールの頭
    部ボリュームの大きい範囲を300°C〜500°Cに
    全体加熱した後、上記スラッククエンチ熱処理を行うよ
    うにした請求項1又は2記載のクロッシング用ノーズレ
    ールの頭部連続スラッククエンチ熱処理方法。
  4. 【請求項4】 接合により一体化したノーズレールの頭
    部ボリュームの大きい範囲を、頭部からベース部までレ
    ール全体を300°C以下まで空気シャワーにて冷却す
    るようにした請求項2記載のクロッシング用ノーズレー
    ルの頭部連続スラッククエンチ熱処理方法。
  5. 【請求項5】 ノーズレール後方の頭部が二又状に分か
    れた範囲を、レール頭部のみが加熱され冷却されるよう
    にレール頭部アゴ部から下方を保護板等にて覆って上記
    スラッククエンチ熱処理をするようにした請求項1又は
    2記載のクロッシング用ノーズレールの頭部連続スラッ
    ククエンチ熱処理方法。
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