JP3467034B2 - 液体収納容器および該容器の製造方法 - Google Patents

液体収納容器および該容器の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体収納容器およ
び該容器の製造方法に関し、特にインクジェット記録分
野などで好適に利用される液体収納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェット記録分野で使用
される液体収納容器としてのインクタンクは、インクを
吐出するための記録ヘッドに対してインク供給を良好に
行なうために、インクタンク内に貯溜されているインク
の保持力を調整するための構成が設けられている。この
保持力は、記録ヘッドのインク吐出部の圧力を大気に対
して負とするためのものであることから、負圧、と呼ば
れている。
【0003】このような負圧を発生させるためのもっと
も容易な方法の一つとして、インクタンク内にウレタン
フォーム等の多孔質体やフェルトなどのインク吸収体を
備え、インク吸収体の毛管力(インク吸収力)を利用す
る方法が挙げられる。例えば、特開平06-15839号公報で
は、インクタンク内に、タンク全体にわたって複数個の
密度の異なる繊維を記録ヘッドへの供給路に向かって高
密度繊維、低密度繊維の順に圧縮して詰めた構成を開示
する。高密度繊維は単位面積当たりの繊維本数が多く、
インク吸収力が強いものであり、低密度繊維は単位面積
当たりの繊維本数が少なく、インク吸収力が弱いもので
ある。繊維間の継ぎ目は互いに圧接させ、空気混入によ
るインクの途切れを防ぐようになっている。
【0004】また、本出願人は、特開平8-20115号公報
において、上述のインクタンクの負圧発生部材として、
熱可塑性を有するオレフィン系樹脂からなる繊維を用い
たインクタンクを提案している。このインクタンクはイ
ンクの貯蔵安定性に優れるとともに、インクタンク筐体
と繊維体材料とが同種の材料からなるためリサイクル性
にも優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、容器内に複
数の繊維吸収体を挿入する場合には、密着状態の管理が
困難であり、製造ばらつきなどが見られることがあっ
た。
【0006】本発明は、上述の技術課題を解決する液体
収納容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの具体的手段は、以下の構成から理解できよう。
【0008】本発明の液体収納容器の製造方法は、互い
に圧接する第1の負圧発生部材及び該第1の負圧発生部
材より固い第2の負圧発生部材を収納する液体収納容器
の製造方法において、前記第1の負圧発生部材と当接す
る底面を備えた凹部を備えた本体を用意する準備工程
と、前記第1の負圧発生部材を前記本体の前記負圧発生
部材収納室用の凹部内に挿入する第1の挿入工程と、該
第1の挿入工程後、前記第1の負圧発生部材を前記凹部
内の底面に当接させるとともに、該第1の負圧発生部材
を前記負圧発生部材収納室用の凹部内側面に対して摺動
させながら前記挿入方向に圧縮する第1の圧縮工程と、
前記第1の挿入工程後に前記第2の負圧発生部材を前記
本体の前記負圧発生部材収納室用の凹部内に挿入する第
2の挿入工程と、前記圧縮工程後、前記第2の負圧発生
部材を前記第1の負圧発生部材と圧接させるとともに該
第2の負圧発生部材を前記負圧発生部材収納室用の凹部
内側面に対して摺動させながら前記挿入方向に圧縮する
第2の圧縮工程と、前記凹部を覆う蓋部材を前記本体に
固定する封止工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】上述の製造方法によれば、容器内に複数の
毛管力発生部材が挿入される際に、密着状態の管理を容
易に行うことが出来、複数の毛管力発生部材を備えた容
器を製造ばらつきが少なく、容易に製造することが出来
る。
【0010】
【0011】なお、本発明における負圧発生部材の「固
さ」とは、負圧発生部材が液体収納容器内に収容されて
いる状態におけるときの「固さ」であり、負圧発生部材
の変形量に対する反発力の傾き(単位kgf/mm)により規定
される。
【0012】2つの負圧発生部材の「固さ」の大小は、
変形量に対する反発力の傾きが大きい方の負圧発生部材
の方を「固い負圧発生部材」とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例の詳細を
図面に基づいて説明する。
【0014】なお、本発明の液体供給方法、液体供給シ
ステムに用いられる液体として、以下の実施例ではイン
クを例にとって説明を行なっているが、適用可能な液体
としてはインクに限ることなく、例えばインクジェット
記録分野にあっては記録媒体に対する処理液などを含む
ことは言うまでもない。
【0015】また、各断面図において、負圧発生部材が
インクを保持している領域については斜線部で、空間内
に収納されているインクを網線部で示す。
【0016】(参考例)図1は本発明の参考例の液体収
納容器の概略説明図であり、(a)は断面図、(b)
は、容器の液体収納室側を上方にした時の断面図であ
る。
【0017】図1(a)において、液体収納容器(イン
クタンク)100は、上部で大気連通口112を介して
大気に連通し下部でインク供給口に連通し内部に負圧発
生部材を収容する負圧発生部材収納室134と、液体の
インクを収容する実質的に密閉された液体収納室136
とに隔壁138でもって仕切られている。そして、負圧
発生部材収納室134と液体収納室136とはインクタン
ク100の底部付近で隔壁138に形成された連通部1
40及び液体供給動作時に液体収納室への大気の導入を
促進するための大気導入路150を介してのみ連通され
ている。負圧発生部材収納室134を画成するインクタ
ンク100の上壁には、内部に突出する形態で複数個の
リブが一体に成形され、負圧発生部材収納室134に圧
縮状態で収容される負圧発生部材と当接している。この
リブにより、上壁と負圧発生部材の上面との間にエアバ
ッファ室が形成されている。また、供給口114を備え
たインク供給筒には、負圧発生部材より毛管力が高くか
つ物理的強度の強い圧接体146が設けられており、負
圧発生部材と圧接している。
【0018】本実施例の負圧発生部材収納室内には、負
圧発生部材として、ポリエチレンなどオレフィン系樹脂
の繊維からなる第一の負圧発生部材132B及び第二の
負圧発生部材132Aの2つの毛管力発生型負圧発生部
材を収納している。132Cはこの2つの負圧発生部材
の境界層であり、境界層132Cの仕切り壁138との
交差部分は、連通部を下方にした液体収納容器の使用時
の姿勢(図1(a))において大気導入路150の上端
部より上方に存在している。また、負圧発生部材内に収
容されているインクは、インクの液面Lで示されるよう
に、上記境界層132Cよりも上方まで存在している。
【0019】ここで、第一の負圧発生部材と第二の負圧
発生部材の境界層は圧接しており、負圧発生部材の境界
層近傍は他の部位と比較して圧縮率が高く、毛管力が強
い状態となっている。すなわち、第一の負圧発生部材の
毛管力をP1、第二の負圧発生部材の持つ毛管力をP2
負圧発生部材同士の界面の持つ毛管力をPSとすると、
2<P1<PSなっている。
【0020】次に、このような液体収納容器を、非使用
時に姿勢を変化させた場合の内部に収容されている液体
の状態について、図1(b)を用いて説明する。
【0021】図1(b)は例えば物流時などに起りう
る、液体収納室が鉛直上方になった姿勢である。このよ
うな姿勢で放置されると、負圧発生部材内のインクは毛
管力の低い方から高い方へと移動し、インクと大気の界
面Lの水頭と、負圧発生部材境界層132Cに含まれる
インクの水頭との間に、水頭差が生じる。ここで、この
水頭差がP2とPSの毛管力差より大きい場合、界面13
2Cに含まれるインクはこの水頭差がP2とPSの毛管力
差と等しくなるまで第二の負圧発生部材132Aに流入
しようとする。
【0022】しかし、本参考例のインクタンクでは、水
頭差がhがP2とPSの毛管力差より小さく(あるいは等
しく)なっているので、界面132Cに含まれるインク
は保持され、第二の負圧発生部材に含まれるインクの量
は増加することはない。
【0023】他の姿勢の時にはインク−大気界面Lの水
頭と、負圧発生部材界面132Cに含まれるインクの水
頭との差は、P2とPSの毛管力差よりさらに小さくなる
ので、界面132Cは、その姿勢に関わらず、その全域
にインクを有した状態を保つことができるようになって
いる。そのため、いかなる姿勢においても、界面132
Cが、仕切り壁と負圧発生部材収納室に収納されるイン
クと協同して、連通部140及び大気導入路150から
の液体収納室への気体の導入を阻止する気体導入阻止手
段として機能し、負圧発生部材からインクが溢れ出るこ
とはない。
【0024】本参考例の場合、第一の負圧発生部材はオ
レフィン系樹脂繊維材料(2デニール)を用いた毛管力
発生型負圧発生部材(P1=−110mmAq.)であり、その固
さは、0.69kgf/mmである。(毛管力発生部材の固さは、
負圧発生部材収納室に収納された状態においてφ15mmの
押し棒で押し込んだ時の反発力を測定し、押し込み量に
対する反発力の傾きにより求めた。)一方、第二の負圧
発生部材は、第一の負圧発生部材と同材料のオレフィン
系樹脂繊維材料を使用した毛管力発生型負圧発生部材で
あるが、第一の負圧発生部材に比べ、毛管力が弱く(P2
=−80mmAq.)、繊維材料の繊維径が太く(6デニール)、
吸収体の剛性は高い(1.88kgf/mm)ものである。
【0025】このように、毛管力の弱い負圧発生部材の
方が毛管力の高い負圧発生部材に対して固くなるように
毛管力発生部材を組み合わせ、それらを圧接させること
で、本実施例の負圧発生部材同士の界面は、第一の負圧
発生部材の方がつぶれる事により、毛管力の強さをP2
<P1<PSとすることができる。さらに、P2とPSの差
を必ずP2とP1の差以上とすることが出来るので、単に
2つの負圧発生部材を当接させたものに比べて、確実に
毛管力発生部材の境界層でインクを保持することが出来
る。本参考例では、上述のように毛管力の強い境界層を
設けることで、疎密のばらつきを考慮したP1とP2の毛
管力範囲が負圧発生部材内の疎密のばらつきによりオー
バーラップしたとしても、界面に上記条件を満たす毛管
力があるので、上述したような負圧発生部材収納室への
非使用時の不用意なインク流入を防止することが出来
る。
【0026】ここで、2つの負圧発生部材自体の毛管力
は、P1<PSかつP2<PSという条件を満たす状態で、
使用時のインク供給特性を優れたものとするように適宜
所望の値とすることができる。本参考例では、P2<P1
とすることで、液体収納容器の使用時に、毛管力発生部
材自体の毛管力のばらつきの影響を押え、確実に上方の
負圧発生部材のインクを消費することで、インク供給特
性を優れたものとしている。
【0027】なお、本参考例では、負圧発生部材はいず
れも融点の異なる複数の熱可塑性繊維材料(本実施例で
はポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維)を熱成形
したものを使用している。ここで、熱成形する時の温度
を、融点の低い材料の融点と融点の高い材料の融点との
間に設定する(例えばポリエチレンの融点より高く、ポ
リプロピレンの融点より低く設定する)ことで、融点の
低い繊維材料を接着剤として利用することができる。
【0028】本参考例ではこのことを利用して、毛管力
の弱い方の負圧発生部材の融点の低い材料の繊維材料に
しめる割合を、毛管力の高い負圧発生部材のそれと比べ
て多く設定することで、毛管力の弱い方の負圧発生部材
を毛管力の高い負圧発生部材に比べて固くし、確実に境
界層の毛管力を毛管力の高い負圧発生部材より高くなる
ようにしている。繊維材料の割合を変えるかわりに、固
くしたい方の負圧発生部材の加熱成形時間を長くしても
よい。
【0029】次に、上記参考例の液体収納容器の製造方
法について説明する。
【0030】通常、負圧発生部材を容器本体内に挿入す
る際には、枠体内に保持された吸収体をシリンダ等の剛
体で容器本体内部に押出すことで行われる。
【0031】特に図1に示すような液体収納室を備える
形態では、液体収納室の連通部140と大気とが直接連
通しないように、負圧発生部材を容器本体の内壁に密着
させる必要がある。
【0032】ここで、図1に示す本発明の液体収納容器
に負圧発生部材を挿入する場合、まず、液体収納室の連
通部140と大気とが直接連通しないように、第1の負
圧発生部材132Bを容器本体の内壁に密着させる必要
がある。さらに加えて、複数の負圧発生部材を容器本体
内に挿入する場合、負圧発生部材同士が接する面の密着
性と、その面(界面)の位置は大気導入路150の端部
より底面から離れた側に位置していることが求められ
る。しかしながら、単に複数の負圧発生部材を当接させ
たままその積層方向に押圧を行なうと、いずれも変形可
能であるため、どちらが潰れるか製品によりばらつきが
発生する恐れがある。
【0033】そこで、本発明者らは上述の課題を解決す
る容器の製造方法について鋭意検討した結果、複数の負
圧発生部材のうち、相対的に柔らかい方の負圧発生部材
を先に容器本体内に挿入し、圧縮させることを想起する
に至った。
【0034】図2は上述の本発明者らの新規な知見をも
とにした、本発明の液体収納容器の製造方法を実現可能
な、製造装置の一例を示す模式図である。図2におい
て、液体収納容器の容器本体1は、液体供給部を備えた
負圧発生部材収納室用の凹部と、液体収納室用の凹部と
が連通部を備えた仕切り壁とともに一体に形成されてお
り、不図示の固定部材により、開口部を上面にして固定
されている。501,502はシリンダであり、それぞ
れの柱状部材の延在方向に摺動可能である。503は枠
体(挿入爪)であり、本実施例の場合、シリンダ502
により4つの枠体が接することで中空の挿入管を形成す
る。この挿入管内には第1の負圧発生部材132A及び
第2の負圧発生部材132Bを収納可能であり、これら
は挿入管内径とほぼ等しい外径を備え該挿入管内を摺動
する押し棒としてのシリンダ501により挿入管内部か
ら外部へ押出されるようになっている。
【0035】次に、図3を用いて、図2に示す製造装置
による液体収納容器の製造方法について説明する。図3
は本発明の参考例の液体収納容器の製造方法の一例を
(a)〜(f)の順に示す説明図である。
【0036】まず、図3(a)に示すように、インク供
給口114を備えた負圧発生部材収納室用の凹部と、液
体収納室用の凹部とが連通部140及び大気導入溝15
0を備えた仕切り壁とともに一体に形成された容器本体
1を用意する。そして、負圧発生部材収納室要の凹部内
寸より大きな第一の負圧発生部材を挿入爪503で4面
を囲い、囲まれていない面の一方にシリンダ501を当
て、この面と対向する面を容器本体の負圧発生部材収納
室用凹部の開口部に向ける。そして、挿入爪503で第
1の負圧発生部材132Bを負圧発生部材収納室開口部
より小さく潰し、挿入爪503により形成される挿入管
を負圧発生部材収納室の開口部に挿入する(第1の挿入
工程)。ここで、図1に示すようにインク供給口114
に圧接体が設けられている場合は、予め圧接体を挿入し
ておくことが望ましい。
【0037】次に、図3(b)に示すように、第1の負
圧発生部材132Bをシリンダ501で容器内に押し込
む。このとき挿入管503の先端の位置は第1の負圧発
生部材が挿入される位置の上面よりも入口側(開口部
側)にあることで、挿入管を抜く時に第1の負圧発生部
材132Bに引抜きによる力を発生させない利点があ
る。その後、シリンダ501により第1の負圧発生部材
132Bを容器底面(本実施例の場合、液体供給口を備
える面)に向かって押圧することで、底面まで到達させ
る。その後、第1の負圧発生部材を負圧発生部材収納室
用の凹部内側面に対して摺動させながら、第2の負圧発
生部材が接する面が若干潰れるまでさらに圧縮させる
(第1の圧縮工程)。この時の第1の負圧発生部材の潰
し量は、挿入前の負圧発生部材の高さが15mmの時、
0.2〜1.5mm程度である。このように予め第1の
負圧発生部材を容器内で挿入方向に圧縮させることで、
第二の負圧発生部材が挿入された時に、第一の負圧発生
部材がより潰れ易くなるという利点がある。
【0038】ここで、本実施例の液体収納容器では、容
器の成形の都合上、負圧発生部材収納室となる凹部を形
成する側面は、凹部の開口部から底面に向かって底面と
平行な断面積が減少するような勾配が設けられているの
で、上述の圧縮工程により、第1の負圧発生部材の上面
(図3(b)のα)が優先的に変形する。
【0039】次に、図3(c)に示すように、第2の負
圧発生部材を前述の第1の負圧発生部材と同様に、挿入
管503内からシリンダ501で容器内に押込む。挿入
を行なうと、図3(d)に示すように、第2の負圧発生
部材は第1の負圧発生部材に当接する。その後もさらに
シリンダで押圧することで、第2の負圧発生部材を負圧
発生部材収納室用の凹部内側面に対して摺動させながら
挿入方向に圧縮させる(第2の圧縮工程)。ここで、負
圧発生部材どうしの密着を確実に行うために、図3に示
す製造方法では、第1の負圧発生部材がシリンダで潰さ
れた量よりも、2つの負圧発生部材全体がシリンダによ
りつぶされる量をやや多く設定することは望ましい。
【0040】その後、図3(e)に示すように、大気連
通の開口112を備え前述した2つの凹部の両方を覆う
蓋部材2を用意し、図3(f)に示すように容器本体1
に固定することで、負圧発生部材収納室及び液体収納室
を形成し、容器が完成する。製造された容器では、界面
132Cの位置は大気導入路150の端部より底面から
離れた側に位置しており、後述する液体注入方法により
液体を注入することで、図1に示す液体収納容器とする
ことができる。
【0041】このように、上述の製造方法では、第2の
負圧発生部材に比べて固くない第1の負圧発生部材を容
器内で予め圧縮することで、2つの毛管力発生部材が圧
接された時により優先的に第1の負圧発生部材が変形さ
せ、2つの負圧発生部材同士が当接する面の密着性と、
その面の容器本体に対する位置の製造ばらつきを抑える
ことが出来る。その結果、本発明の液体収納容器を安価
にかつ容易に製造することが出来る。
【0042】なお、上述の例では負圧発生部材を2回に
分けて容器本体内に挿入していたが、本発明の液体収納
容器の製造方法は、上述の形態に限定されるものではな
く、1回で同時に2つの負圧発生部材を挿入してもよ
い。そこで、図4を用いて、1回で挿入する場合の製造
方法の一例を説明する。図4は、本発明の参考例の液体
収納容器の製造方法の他の一例を(a)〜(f)の順に
示す説明図である。
【0043】まず、図4(a)に示すように、挿入管5
03内に第1の負圧発生部材132B及び第2の負圧発
生部材132Aを挿入し、挿入管の一端を容器本体1の
底面と対向する開口部内に挿入する。この時の挿入管5
03の先端位置は、図3で説明したように、第1の負圧
発生部材132Bが挿入される位置の上面よりも開口部
側にあることが望ましい。
【0044】次に、図4(b)に示すように、第2の負
圧発生部材をシリンダ501で容器底面方向に向かって
押圧することで、容器内に第一の負圧発生部材を押込む
(第1の挿入工程)。ここで、第1の負圧発生部材は、
底面に到達するまではその挿入方向前方には障害がな
い。加えて、その側面方向についても、断面積の狭い挿
入管内からより断面積の広い容器内へと移動しているの
で、挿入方向と交差する方向の圧縮が開放されるため、
第1の負圧発生部材より固い第2の負圧発生部材を介し
てシリンダで押圧しても、その力は確実に第1の負圧発
生部材に伝わることが出来る。なお、挿入管の内面を例
えばテフロン(登録商標)加工することで、挿入管内面
と負圧発生部材との間の摩擦係数を低下させることは、
上述の挿入をスムーズに行なうためにはより望ましい。
【0045】図4(b)に示すように挿入管から第1の
負圧発生部材が容器内に押出されたら、次に、図4
(c)に示すように、挿入管とシリンダとを一体的に移
動させ、底面方向へ第1の負圧発生部材をさらに押圧す
る。この結果、第1の負圧発生部材はその一面が挿入管
及び第2の負圧発生部材と接触した状態で、対向する面
を容器本体の底面に当接し、さらに、第1の負圧発生部
材は負圧発生部材収納室用の凹部内側面に対して摺動し
ながら、第2の負圧発生部材が接する面が若干潰れるま
でさらに圧縮される(第1の圧縮工程)。
【0046】ここで、もともとの毛管力発生部材の固さ
の差に加え、この時の第2の負圧発生部材は挿入方向の
側面をいずれも挿入管で覆われ、挿入方向に交差する方
向に圧縮されているのに対し、第1の負圧発生部材は徐
々にその側面がより断面積の広い容器内部へと移動して
いる。従って、挿入方向の押圧力に対し、第2の負圧発
生部材より第1の負圧発生部材の方がより優先的に変形
しやすくなっている。なお、本実施例の場合も、容器の
内壁面に勾配を設けることで、第1の圧縮工程において
第1の負圧発生部材の第2の負圧発生部材との当接面側
を優先的に変形させることが出来る。
【0047】その後、図4(d)に示すように、シリン
ダの位置を保持するか底面方向に力を加えながら挿入管
を抜き取り、さらにシリンダにより第2の負圧発生部材
を負圧発生部材収納室用の凹部内側面に対して摺動させ
ながら挿入方向に圧縮させる(第2の圧縮工程)。ここ
で、第2の負圧発生部材が硬く、シリンダで押えられて
いることで、挿入管を抜く時に第2の負圧発生部材13
2Aに引抜きによる力が発生しても、第1の負圧発生部
材との界面132Cが移動することはほとんど無い。
【0048】その後は、図3(e),(f)と同様、蓋
部材2を用意し(図4(e))、蓋部材2を容器本体1
に取り付けることで容器は完成する。
【0049】図5(a)〜(f)は、図4に示す製造方
法の変形例を説明するための説明図であり、図4(a)
〜(f)にそれぞれ対応している。以下、図4に示す例
との相違点を中心に説明する。
【0050】図5に示す例では、挿入管の端部の容器内
への挿入位置が、図4に示す形態に比べ、より底面側に
近い領域になっている。そのため、図4(b)に示すよ
うに第1の負圧発生部材が挿入管から容器内に完全に押
出される前に、第1の負圧発生部材が容器の底面と接触
している。
【0051】そのため、この例では、上述の第1の圧縮
工程は、図5(c)に示すように、第1の負圧発生部材
が挿入管から容器内に完全に押出される前に行われるこ
とになり、図4(c)に示すように、シリンダと挿入管
とが一体的に押圧することはない。すなわち、本変形例
の場合の第1の圧縮工程は、第2の負圧発生部材を介し
てシリンダのみで行われるものである。ここで、もとも
との毛管力発生部材の固さの差に加え、この時の第2の
負圧発生部材は挿入方向の側面(の殆ど)がいずれも挿
入管で覆われ、挿入方向に交差する方向に圧縮されてい
るのに対し、第1の負圧発生部材は徐々にその側面がよ
り断面積の広い容器内部へと移動している。従って、本
変形例では、第1の圧縮工程におけるシリンダの挿入方
向の押圧力に対し、第2の負圧発生部材より第1の負圧
発生部材の方がより優先的に変形しやすくなっている。
【0052】本変形例では上述の第1の変形例までが図
4に示す製造方法と異なっているが、その後は、図5
(d)〜(f)に示すように、図4(d)〜(f)と同
じ工程で容器の製造が行なわれる。本実施例では、図4
に示す製造方法に比べ、挿入管を動かす必要が無いた
め、図3に示すような製造装置をより簡単なものとする
ことができる。
【0053】上述した液体収納容器の製造方法は、本発
明の参考例である、液体収納室を備えた液体収納容器に
好適なものであるが、これに限られることは言うまでも
ない。
【0054】すなわち、図6(a)に示すような複数の
負圧発生部材632A、632Bを備える液体収納容器
600の製造方法についても、適用することが出来るも
のである。
【0055】ここで、図6(a)は、本発明の液体収納
容器の製造方法を適用可能な容器の一例を示す断面図で
あり、負圧発生部材632Aは負圧発生部材632Bよ
りも相対的に固く、容器本体601の底面は2つの負圧
発生部材の界面を挟んで負圧発生部材632B側に、蓋
部材は負圧発生部材632A側に設けられている。な
お、図6(a)において、前述の製造方法にて説明した
容器側面の勾配を模式的に示している。
【0056】なお、図6(a)に示す例では、容器本体
601の底面にインク供給口614を、蓋部材に大気連
通口612を設けた例を開示しているが、これらの位置
は図に示す形態に限られることなく、毛管力発生部材の
発生する毛管力の大小によっては逆転してもよい。しか
しながら、図1等で示した液体収納室を備えた液体収納
容器の例のように、相対的に固い負圧発生部材の方が毛
管力が弱いと、容器の製造工程時にそれぞれの負圧発生
部材を所望の毛管力にすることができるので、製品によ
る毛管力の大きさのばらつきをより少なく出来るので望
ましい。
【0057】また、上述の負圧発生部材632A、63
2Bを熱可塑性樹脂繊維等の繊維材料で構成する場合、
例えば特開平9-183236号公報などに開示されるように、
一般的には繊維はある程度の方向性を有することにな
る。そこで、図6(b)に示すように負圧発生部材63
2Aの繊維650の揃う方向Fが容器本体601の底面
に向かう方向(挿入時の圧縮方向)に、図6(c)に示
すように負圧発生部材632Bの繊維651の揃う方向
Fが容器本体601の底面に平行な方向(挿入時の圧縮
方向と交差する方向)にすることで、2つの負圧発生部
材の容器への挿入方向に対しての固さの差をより一層大
きくさせることができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、容器内に複数の毛管力発生部材が挿入される
際に、密着状態の管理を容易に行うことが出来、複数の
毛管力発生部材を備えた容器を製造ばらつきが少なく、
容易に製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例を説明するための概略説明図で
あり、(a)は断面図、(b)は、容器の液体収納室側
を上方にした時の断面図である。
【図2】本発明の液体収納容器の製造装置の一例を示す
模式図である。
【図3】本発明の参考例の液体収納容器の製造方法の一
例を(a)〜(f)の順に示す説明図である。
【図4】本発明の参考例の液体収納容器の製造方法の他
の一例を(a)〜(f)の順に示す説明図である。
【図5】本発明の参考例の液体収納容器の製造方法のさ
らに他の一例を(a)〜(f)の順に示す説明図であ
る。
【図6】本発明の液体収納容器の製造方法を用いて製造
した容器の説明図であり、(a)は断面図を、(b)、
(c)はそれぞれ(a)に示す容器に用いられる負圧発
生部材としての繊維の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
601 容器本体 602 蓋部材 612 大気連通口 614 液体供給口 501 シリンダ 502 第2シリンダ 503 枠体(挿入管) 650、651 繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 省三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 日南 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山本 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井上 千吉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−320747(JP,A) 特開 平7−314727(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに圧接する第1の負圧発生部材及び
    該第1の負圧発生部材より固い第2の負圧発生部材を収
    納する液体収納容器の製造方法において、前記第1の負
    圧発生部材と当接する底面を備えた凹部を備えた本体を
    用意する準備工程と、 前記第1の負圧発生部材を前記本体の前記負圧発生部材
    収納室用の凹部内に挿入する第1の挿入工程と、 該第1の挿入工程後、前記第1の負圧発生部材を前記凹
    部内の底面に当接させるとともに、該第1の負圧発生部
    材を前記負圧発生部材収納室用の凹部内側面に対して摺
    動させながら前記挿入方向に圧縮する第1の圧縮工程
    と、 前記第1の挿入工程後に前記第2の負圧発生部材を前記
    本体の前記負圧発生部材収納室用の凹部内に挿入する第
    2の挿入工程と、 前記圧縮工程後、前記第2の負圧発生部材を前記第1の
    負圧発生部材と圧接させるとともに、該第2の負圧発生
    部材を前記負圧発生部材収納室用の凹部内側面に対して
    摺動させながら前記挿入方向に圧縮する第2の圧縮工程
    と、 前記凹部を覆う蓋部材を前記本体に固定する封止工程
    と、を備えることを特徴とする液体収納容器の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記準備工程において、前記本体の凹部
    の側面は前記凹部の開口部から底面に向かって前記底面
    と平行な断面積が減少するような勾配が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の負圧発生部材はそれ
    ぞれ繊維材料より構成されるとともに、前記第1の負圧
    発生部材の繊維の揃う方向が前記第1の圧縮工程におけ
    る圧縮方向に交差する方向であり、前記第2の負圧発生
    部材の繊維の揃う方向が前記第2の圧縮工程における圧
    縮方向であることを特徴とする請求項1に記載の液体収
    納容器の製造方法。
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