JP3466756B2 - インクセット、画像形成方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents
インクセット、画像形成方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置Info
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Description
けインクジェット用途に適したインクセットに関し、更
には、これを利用する画像形成方法、記録ユニット、イ
ンクカートリッジ及びインクジェット記録装置に関す
る。
滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて記録を行う
ものである。特に、特公昭61−59911号公報、特
公昭61−59912号公報、特公昭61−59914
号公報において開示された吐出エネルギー供給手段とし
て電気熱変換体を用い熱エネルギーをインクに与えて気
泡を発生させることにより液滴を吐出させる方法によれ
ば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化が容易に実
現でき、高解像度、高品質の画像を高速で記録できる。
に用いられるインクは一般に水を主成分とし、これに乾
燥防止、目詰まり防止等の目的でグリコール等の水溶性
高沸点溶剤を含有したものであり、このようなインクを
用いて普通紙に記録を行った場合、十分な定着性が得ら
れなかったり、記録紙表面の填料やサイズ剤の不均一な
分布によると推定される不均一画像が発生したりする。
また特にカラー画像を得ようとした場合には、複数の色
のインクが紙に定着する以前に次々と重ねられることか
ら、異色のインク画像の境界部分では色が滲んだり、不
均一に混ざり合って(以下、この現象をブリーディング
と呼ぶことにする)満足すべき画像が得られない。
65269号公報には、インク中に界面活性剤等の浸透
性を高める化合物を添加することが開示されている。ま
た特開昭55−66976号公報には揮発性溶剤を主体
としたインクを用いることが開示されている。しかし、
前者の方法ではインクの記録紙への浸透性が高まる結
果、定着性、ブリーディングについてはある程度改善さ
れるものの、インクとともに色材も記録紙の奥深くまで
浸透してしまうために画像濃度、彩度が低下したりする
などの不都合が発生するほか、インクの横方向に対する
広がりも発生し、その結果、エッジのシャープさが低下
したり、解像性が低下したりする問題も発生する。他
方、後者の場合には、前者の不都合に加え、記録ヘッド
のノズル部での溶剤の蒸発による目詰まりが発生しやす
く好ましくないものである。
に、記録インクの噴射に先だって記録媒体上に画像を良
好にせしめる液体を付着させる方法が開示されている。
には1分子あたり2個以上のカチオン性基を有する有機
化合物を含有する液体を付着させた後、アニオン染料を
含有したインクを記録する方法が開示されている。ま
た、特開昭64−9279号公報には、コハク酸等を含
有した酸性液体を付着させた後、アニオン性染料を含有
したインクを記録する方法が開示されている。
は、染料を不溶化させる液体をインクの記録に先だって
行うという方法が開示されている。
により画像の滲みや耐水性を向上させようとするもので
あるが、染料を不溶化しているがために染料の凝集体が
発色性を著しく低下せしめるという問題点がある。
このような画像形成方法に使用した場合には、染料の凝
集による発色性の低下が顕著であり本来ならば黒色に発
色すべき印刷部分に赤味がかかる現象、すなわちブロン
ズ現象が起こり印刷物の品質に多大な影響をおよぼす。
記従来技術の実情に鑑みて、下記4点の技術課題を解決
することを主たる目的とする。
対してインクジェット記録を行う場合に、 (1)良好な定着性を有しながら文字品位も良好である
こと。
の均一性が高いこと。
な黒色印字物を得ること。
と。 を達成することが本発明の主たる目的である。
以下の本発明により達成される。
の態様は、カチオン性物質を含む液体組成物とブラック
インクとを組み合わせたインクセットにおいて、前記ブ
ラックインクがアニオン性の水溶性黒色染料と、アニオ
ン性の水溶性シアン染料及びアニオン性の水溶性イエロ
ー染料から選択される少なくとも1種とを含むことを特
徴とするものである。
態様は、カチオン性物質を含む液体組成物とブラックイ
ンクとを併用して黒色部を形成する画像形成方法におい
て、前記ブラックインクが、アニオン性の水溶性黒色染
料と、アニオン性の水溶性シアン染料及びアニオン性の
水溶性イエロー染料から選択される少なくとも1種とを
含むことを特徴とするものである。
の態様は、液体組成物及びブラックインクのそれぞれを
収容している収容部とこれらをそれぞれ吐出するヘッド
部とを具備する記録ユニットにおいて、該液体組成物と
該ブラックインクが、インクジェット記録用の前記イン
クセットを構成している液体組成物とブラックインクで
あることを特徴とするものである。
ジの第1の態様は、液体組成物及びブラックインクのそ
れぞれを収容している収容部を備えたインクカ−トリッ
ジにおいて、該液体組成物と該ブラックインクが、前記
インクセットを構成している液体組成物とブラックイン
クであることを特徴とするものである。
装置の第1の態様は、インクジェット記録用の前記イン
クセットと、該インクセットを構成している液体組成物
およびブラックインクをそれぞれ吐出させるヘッド部と
を具備していることを特徴とするものである。
が記録紙上あるいは記録紙に浸透した所で混合する結
果、カチオン性物質とインク中に含まれる染料のアニオ
ン性基が静電的に結合して瞬間的な凝集が起こり、イン
ク中の染料成分と溶剤成分が分離(以後、この現象を固
液分離と呼ぶ)し、溶剤成分のみ記録紙中に浸透するの
で色材である染料成分は滲みを起こさない。
チオン性物質として分子量1000以下の成分と分子量
1500以上の成分を含む場合にはより効率的に起こ
る。なお、本発明で言う分子量とは数平均分子量のこと
を意味し、これはGPC(ゲルパーミエイションクロマ
トグラフィー)等の手法を用いて測定されるものであ
る。このとき標準物質として、ポリエチレンオキシドを
用いることが好ましい。
オン性物質が存在した場合に前述した固液分離がより一
層効率的に起こる理由について詳細なメカニズムは不明
であるが、概ね以下のような説明が可能である。
に含まれているカチオン性物質の内、低分子量の成分と
インクに使用しているアニオン性基を有する水溶性染料
がイオン的相互作用により会合を起こし瞬間的に溶液相
から分離を起こす。
料と低分子カチオン性物質の会合体が液体組成物中に含
まれる高分子成分により吸着されるために会合で生じた
染料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、記録紙の繊
維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果として固液
分離した液体のみが記録紙中にしみこむことになり印字
品位と定着性の両立が達成される。
成したカチオン物質の低分子成分とアニオン性染料とカ
チオン性物質とで形成される凝集体は粘性が大きくなり
液媒体の動きとともに移動することがないので従来技術
のように定着性を速めても文字又は画像のエッジのシャ
ープさが失われず良好な印字品位が得られる。また、上
記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐
水性は完全なものとなる。
化を起こす場合もありうるものと推定され、インクの染
料濃度や染料種あるいはインクの吐出量や紙種の違いに
より特にインクが黒色である場合には色調に赤みがかか
り黒色を呈さない場合が起こり得る。本発明では、この
ような黒色インクの色調の赤みへの変化を、ブロンズ現
象と呼ぶことにする。インク中に黒色染料の他にシアン
色を呈する染料あるいはイエロー色を呈する染料或いは
その両者を混在させることによってブロンズを起こさず
色調の良好な黒色が得られることを見出し本発明に至っ
た。
しい実施態様について述べ、本発明をさらに詳細に説明
する。
き必須成分は、カチオン性物質である。本発明における
カチオン性物質の機能としては、後述するインク中に含
有される水溶性アニオン染料と静電的引力により結合し
凝集体を形成することである。本発明を実施するうえで
さらに好ましい実施形態は上述したように上記カチオン
性物質が下記の2成分を有することである。
オン性物質 (2)分子量が1500以上10000以下の高分子カ
チオン性物質 又、本発明で述べるインクを構成する必須成分は、 (3)アニオン性基を有する水溶性アニオン染料であ
り、かつ該水溶性アニオン染料が黒色染料の他にシアン
染料またはイエロー染料のいずれかあるいはその両者を
含む混合体である。
オン性物質の具体的な例を以下に列挙する。
合物、具体的にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステア
リルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等;第4
級アンモニウム塩型の化合物、具体的にはラウリルトリ
メチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベン
ジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアン
モニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等;ピリジ
ニウム塩型化合物、具体的にはセチルピリジニウムクロ
ライド、セチルピリジニウムブロマイド等;イミダゾリ
ン型カチオン性化合物、具体的には2−ヘプタデセニル
−ヒドロキシエチルイミダゾリン等;高級アルキルアミ
ンのエチレンオキシド付加物、具体的にはジヒドロキシ
エチルステアリルアミン等である。さらに本発明では、
あるpH領域においてカチオン性を有する両性界面活性
剤も使用できる。より具体的には、アミノ酸型両性界面
活性剤、R−NH−CH2 −CH2 −COOH型の
化合物、ベタイン型の化合物、具体的にはステアリルジ
メチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン
等のカルボン酸塩型両性界面活性剤の他、硫酸エステル
型、スルホン酸型、燐酸エステル型等の両性界面活性剤
等がある。もちろんこれらの両性界面活性剤を使用する
場合にはそれらの等電点以下のpHになるように液体組
成物を調整するか、被記録媒体上でインクと混合した場
合に該等電点以下のpHになるように調整するかのいず
れかの方法をとる必要がある。
が本発明で使用することのできる化合物は必ずしもこれ
らに限定されないことは言うまでもない。
ン性高分子成分のモノマー或いはオリゴマーを利用して
もよい。
性物質の例を挙げたが、本発明では分子量100〜70
0の範囲にあるものが界面活性能があり、染料との反応
も早く、画像のエッジのシャープさが向上する点で特に
好ましい。
000以下のカチオン性高分子物質の本発明における作
用及び効果についてはやはり上述した通り、無色の液体
とインクの反応の第2段階として、上述した染料とカチ
オン性物質の低分子成分との会合体を分子中に吸着せし
め、会合で生じた染料の凝集体のサイズをさらに大きく
して記録紙の繊維間の隙間に入り込みにくくすることに
より、固液分離した液体部分のみを記録紙中にしみこま
せることで印字品位と定着性の両立を達成することにあ
る。これらのカチオン性高分子物質は、例えばポリアリ
ルアミン塩酸塩、ポリアミンスルホン塩酸塩、ポリビニ
ルアミン塩酸塩、キトサン酢酸塩等を挙げることができ
るが、もちろんこれらに限定されるわけではない。また
塩酸塩型、酢酸塩型に限定されるわけではない。
子物質の一部をカチオン化した化合物でもよい。
ルキルアルキレート4級塩との共重合体、アクリルアマ
イドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合
体等を挙げることができるが、もちろんこれらの化合物
に限定されないことは言うまでもない。
の高分子物質は水溶性であれば申し分ないが、ラテック
スやエマルションの様な分散体であってもかまわない。
しては1500以上10000以下の化合物が本発明を
実施するうえで好ましいが、より好適には1500以上
7000以下の化合物が染料の発色性を低下させないと
いう点でさらに好ましい。また液体組成物をインクジェ
ット記録ヘッドを用いて記録媒体に塗布する際には、分
子量が低分子量側にある化合物ほど含有量を上げても、
溶液粘度が低く保たれるので液体組成物の吐出特性が良
好に保たれる利点もある。
ばGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)
等の分析手法により得られるポリエチレンオキシド換算
の分子量のことを指す。
量としては、重量基準で0.005〜20重量%が好適
な範囲であるが、各々使用する物質の組み合わせによ
り、最適な範囲を決定する必要がある。
成分について具体的に述べる。前記液体組成物は前述し
た(1)、(2)の成分の他に通常、水、水溶性有機溶
剤及びその他の添加剤からなる。
アミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン
等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類、ポリエチレングルコール、ポリプロピレング
リコール等のポリアルキレングリコール類、エチレング
ルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エ
チレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコー
ル類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノール
アミン、スルホラン、ジメチルスルホキサイド等が用い
られる。上記水溶性の有機溶剤の含有量について特に制
限はないが、1〜60重量%、さらに好ましくは、5〜
30重量%が好適な範囲である。この他、必要に応じ
て、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸
化防止剤、蒸発促進剤等の添加剤を配合してもかまわな
い。界面活性剤の選択は、液体の浸透性を調整する上で
特に重要である。
の色調を変えない範囲の色調を有するものであれば使用
可能である。又、その液体の物性として好適な範囲は2
5℃付近でpHが3〜12、表面張力が10〜60dy
ne/cm、粘度が1〜30cps.の範囲である。
いて説明する。
アニオン性基を有する水溶性アニオン染料と水、水溶性
有機溶剤、及びその他の成分、例えば粘度調整剤、pH
調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等からなる。
水溶性アニオン染料としては、カラーインデックス(C
OLOUR INDEX)に記載されている水溶性の酸
性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はな
い。また、カラーインデックスに記載のないものでも、
アニオン性基、例えばスルホン基、カルボキシル基等を
有するものであれば特に制限はない。ここで言う水溶性
アニオン染料の中には、溶解度のpH依存性があるもの
も当然含まれる。
水溶性黒色染料としては、カラーインデックス(COL
OUR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染
料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。
定されるわけではない。
22、32、51、62、108、112、113、1
17、118、122、132、146、154、15
9、162、168、169、173、C.I.アシッ
ドブラック1、3、7、24、26、31、48、5
0、58、60、61、63、107、109、11
2、119、131、132、140、155、16
4、170、172、187、188、192、19
4、207、222、C.I.フードブラック1、2等
が挙げられる。
のでも、アニオン性基、例えばスルホン基、カルボキシ
ル基等を有するものであれば特に制限はない。ここで言
う水溶性染料の中には、溶解度のpH依存性があるもの
も当然含まれる。
料についてもアニオン性基を有する水溶性の染料であれ
ば特に問題無く使用出来る。
9、23、103、132、142、230、239、
258、280、C.I.ダイレクトブルー78、8
6、189、199、225、273、C.I.リアク
ティブルー2、14、18、21、25、38、41、
63、72、140、207、227、231等が例示
可能であるがこれらに限定されるわけではない。
でもアニオン性基例えばスルホン基、カルボキシル基等
を有するものであれば特に問題無く使用出来ることは黒
色染料の場合と同様である。
様にアニオン性基を有する水溶性の染料であれば特に問
題無く使用することが可能である。
6、142、144、C.I.アシッドイエロー11、
17、23、25、38、44、49、61、72、1
10、127、158、176等が例示可能であるがこ
れらに限定される訳ではない。
エロー染料の混合比として好ましい範囲は重量比で黒色
染料対シアン又はイエロー染料の比で、100:5から
100:50までの範囲が好ましく、より好ましくは、
100:5〜100:40の領域が本発明を実施する上
においてより効果が大きく得られる混合領域である。
イエロー染料単独にするか両者の混合物にするかは前述
した液体組成物中の組成成分と使用する染料の種類によ
ってそれぞれ異なる。
料の混合物を含む黒色インクが被記録媒体上で混合した
場合に所望の黒色を得るための指針として概ね以下に述
べる様な調色方法が例示できるがもちろんこのような手
続きは必ずしも必要ではない。
けが含まれるインクとを使用してブラックベタ印字を行
い、得られた画像の色度(CIEL*a*b*)を測定
し、所望の色度からどの程度ずれているかを把握し、混
色すべき色成分を決定した後、添加量を調整して再度ベ
タ印字を行い、最適条件を探すのである。
については、特に限定されるものではないが、一般的に
はインク全体の0.1〜15重量%、好ましくは0.5
〜10重量%、より好ましくは0.5〜6重量%がよ
い。尚、上記染料は単独でも、又は併用しても使用でき
る。
は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒である。水
としては、種々のイオンを含有する一般の水道水等でな
く、脱イオン水を使用するのが望ましい。
としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアル
コール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等の
ケトン又はケトアルコール類;ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子
を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの
低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメ
チルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テト
ラエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコ
ールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−メ
チル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン等が挙げられる。
から適当なものを選択して使用するが、本発明のインク
の場合には、特にインクの目詰まり防止の観点から、ジ
エチレングリコール又はチオジグリコールが好適であ
る。
コールや界面活性剤の使用が好ましい。
媒組成としては、水の他上記の如き各種の成分からな
る。
ける水溶性有機溶剤の含有量は、一般的にはインク全体
の2〜80重量%、好ましくは3〜70重量%、より好
ましくは4〜60重量%である。
一般的にはインクの全体の10〜97.5重量%、好ま
しくは35〜97.5重量%、より好ましくは45〜9
7.5重量%である。インク中における水の量が10重
量%未満になると、形成された記録画像中に低揮発性の
有機溶剤が多く残り、染料のマイグレーションや画像の
滲み等の問題が発生する恐れがある。
に応じて、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤等
を含有する。pH調整剤としては、例えば、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等の各種の有機アミン
や、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物等による無機アルカリ剤
等が挙げられる。
度が1〜20cps、好ましくは1〜15cpsであ
り、表面張力が15dyn/cm以上、好ましくは25
dyn/cm以上であり、又、pHが6〜10程度のも
のである。
るためにインクに以上説明した成分の他に、アニオン性
の界面活性剤あるいはアニオン性の高分子物質を添加し
てもよい。あるいは、前記両性界面活性剤をその等電点
以上のpHに調整して使用しても良い。アニオン性界面
活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル
型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般的なもの
が問題無く使用出来る。また、アニオン性高分子の例と
しては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、ポリアク
リル酸ソーダ、あるいは高分子の一部にアクリル酸を共
重合したもの等を挙げることができるが、もちろんこれ
らに限定されない。
録媒体については特に制限されるものではなく、従来か
ら使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普
通紙が好適に使用される。もちろんインクジェット記録
用に特別に作成したコート紙やOHP用透明フイルムも
好適に使用されるし、一般の上質紙や光沢紙にも好適に
使用可能である。
は、前記液体組成物をインクに先だって、記録媒体の画
像形成領域あるいは画像形成領域とその近傍に付着せし
めた後、インクを付着せしめることである。ここで画像
の形成領域とは、インクのドットが付着する領域のこと
であり、画像形成領域の近傍とは、インクのドットが付
着する領域の外側の1から5ドット程度離れた領域のこ
とを指す。
法としては、スプレー、ローラー等によって、被記録媒
体の全面に付着せしめる方法が考えられるが、インクが
付着する画像形成領域及び画像形成領域の近傍にのみ選
択的且つ均一に付着せしめることが可能なインクジェッ
ト方式により行われるのが好ましい。液体組成物を被記
録媒体に付着せしめてから、インクを付着させるまでの
時間については特に制限されるものではない。
せしめる方法としては、種々のインクジェット方式を用
いることは上述した通りであるが、特に好ましいのは、
熱エネルギーによって発生した気泡を用いて液滴を吐出
する方式である。
行なうのに好適なインクジェット記録装置の一例を以下
に説明する。その装置の主要部であるヘッド構例を図
1、図2及び図3に示す。
ガラス、セラミックまたはプラスチック板等と、感熱記
録に用いれる発熱ヘッド25(図ではヘッドが示されて
いるが、これに限定されるものではない。)とを接着し
て得られる。発熱ヘッド25は酸化シリコン等で形成さ
れる保護膜26、アルミニウム電極27−1、27−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層28、蓄熱層
29、アルミナ等の放熱性の良い基板30より成ってい
る。
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス33を形成し
ている。
報が加わると、発熱ヘッド25のnで示される領域が急
激に発熱し、ここに接しているインク31に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス33が突出し、インク31が
吐出し、オリフィス32より記録小滴34となり、被記
録材33に向って飛翔する。図3には図1に示すヘッド
を多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘ
ッドはマルチ溝36を有するガラス板37と、図1に説
明したものと同様の発熱ヘッド26を密着して制作され
ている。
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での断面図で
ある。
ェット記録装置の一例を示す。
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐
出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更
に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体であ
り、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ
62、吸収体63によって吐出回復式64が構成され、
ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に
水分、塵挨等の除去が行われる。65は吐出エネルギー
発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被
記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66
は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行
うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸
67としゅう動可能に係合し、キャリッジ66の一部は
モータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図
示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸6
7に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記
録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
52は不図示のモータにより駆動する送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へ被記録材が供給され、記録が進行するにつれ
て排出ローラ53を配した排出部へ排出される。
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当
接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘ
ッドの移動経路中に突出するように移動する。
録開始位置へ移動する場合、キャップ62、及びブレー
ド61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで、40は
供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク
袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収
容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特
にポリエリレンで形成されているものが本発明にとって
好ましい。本発明で使用されるインクジェット記録装置
としては、上記のごときヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図6に示すごときそれら
が一体になったものにも好適に用いられる。
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロースま
たはポリビニルアセタールを用いることが本発明にとっ
て好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させ
るための大気連通口である。この記録ユニット70は、
図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであっ
て、キャリッジ66に対し着脱自在となっている。
は、液体組成物をインクジェットヘッドにより吐出させ
る方式を利用する場合には、インク吐出用のヘッドをキ
ャリッジの移動方向すなわち記録媒体の走査方向に対し
て直角方向に並列でおいても良いし、また縦列でおいて
もよい。縦列で配置する場合には1つのヘッドのノズル
を上半分と下半分に分けてインクと液体組成物の流路を
分離して供給する構成にしても良い。もちろん液体組成
物とインクの記録順が逆になるような構成をとっても良
い。
発明を具体的に説明する。
サイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名
フロロポアフィルター、住友製)にて加圧濾過し、液体
組成物;M−1〜4を得た。
を以下に記載する。
塩酸塩 分子量=10000 日東紡績製 PAS−A−5;ポリアミンスルホン塩酸塩 分子量=3500 日東紡績製 BTBAC;ベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド 東京化成製 G−50;塩化ベンザルコニウム 三洋化成製 DEG;ジエチレングリコール
イズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名;
フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過して
インクI−1〜5を得た。得られたインクの25℃にお
ける物性値(粘度、表面張力、pH)も表2に同時に示
した。
成物及びインクを用いて、市販のコピー用紙に記録を行
った。使用したインクジェット記録装置としては、図4
に示したと同様の記録装置を用い、ヘッドはインク及び
液体組成物の吐出用のヘッドをキャリッジ移動方向に対
して並列におき常にインクの方が後から記録されるよう
な構成にした。なお、ここで用いた記録ヘッドは、36
0dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周
波数5kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積
は、55pl(ピコリットル)であった。これらの記録
条件は本発明の実施例、比較例を通じて一定である。
又、印字テストの際の環境条件は、25℃/55%RH
に統一してある。
時間放置後の反射濃度計を反射濃度計マクベスRD91
5(マクベス社製)にて測定した。評価基準は以下の通
り、 ○;反射濃度が、1.20以上。
画像を形成した。画像を形成した後、印字部を指で擦っ
ても画像の流れが生じなくなる時間を測定した。評価基
準は、以下の通り。
文字を印字し、目視にて評価した。フェザリングが目立
たないものを○として、それ以下のレベルのものについ
ては、×とした。
水道水中へ3秒間浸漬して画像の残存状態を目視にて評
価した。画像の流れのまったく生じないものを○とし
た。それ以外のレベルのものは×とした。
液体組成物の被記録媒体への付着領域は、インクの画像
形成領域と同一領域であり、印字のデューティは液体組
成物及びブラックインクすべて100%である。さらに
印字方向は片方向であり常に液体組成物がインクよりも
先に打ち込まれている。
組成物の組み合わせを表3に示した。
3に合わせて示した。
像の濃度も高く、又色調も良好であった。
成物:M−1との組み合わせで実施例と同様の印字試験
を行い、実施例と全く同様の評価を行った。その結果を
表5に示す。
ラックべたの色調も赤みをおびて良好ではなかった。
色部の色調が良好で画像濃度が高く、文字品位に優れた
耐水性の完全な黒色印刷物がインクジェット記録により
可能になった。
である。
である。
図である。
ある。
Claims (24)
- 【請求項1】 カチオン性物質を含む液体組成物とブラ
ックインクとを組み合わせたインクセットにおいて、前
記ブラックインクがアニオン性の水溶性黒色染料と、ア
ニオン性の水溶性シアン染料及びアニオン性の水溶性イ
エロー染料から選択される少なくとも1種とを含むこと
を特徴とするインクセット。 - 【請求項2】 前記アニオン性の染料が、酸性染料、直
接染料、又は反応性染料の何れかである請求項1に記載
のインクセット。 - 【請求項3】 前記アニオン性の染料の含有量が、ブラ
ックインク全重量の0.1〜15重量%である請求項1
または2に記載のインクセット。 - 【請求項4】 前記ブラックインク中に、ブラック染料
の全重量に対して0.1〜50重量%の該シアン染料及
びイエロ−染料から選択される染料を含有する請求項1
〜3のいずれかに記載のインクセット。 - 【請求項5】 前記ブラックインク中に、ブラック染料
の全重量に対して0.5〜40重量%の該シアン染料及
びイエロ−染料から選択される染料を含有する請求項4
に記載のインクセット。 - 【請求項6】 前記液体組成物が、該カチオン性物質と
して、第1のカチオン性物質と第2のカチオン性物質を
含み、該第1のカチオン性物質の分子量は該第2のカチ
オン性物質の分子量よりも小さい請求項1〜5のいずれ
かに記載のインクセット。 - 【請求項7】 前記第1のカチオン性物質の分子量が1
000以下であり、前記第2のカチオン性物質の分子量
が1500以上である請求項6に記載のインクセット。 - 【請求項8】 該第1のカチオン性物質の分子量が10
0〜700の範囲にある請求項6または7に記載のイン
クセット。 - 【請求項9】 該第2のカチオン性物質の分子量が15
00〜10000の範囲にある請求項6〜8のいずれか
に記載のインクセット。 - 【請求項10】 前記ブラックインクが、更に水及び水
溶性有機溶剤を含有する請求項1〜9のいずれかに記載
のインクセット。 - 【請求項11】 前記液体組成物が、更に水及び水溶性
有機溶剤を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の
インクセット。 - 【請求項12】 前記ブラックインク中に、水をインク
全重量に対して10〜97.5重量%の範囲で含む請求
項1〜11のいずれかに記載のインクセット。 - 【請求項13】 前記ブラックインク中に、水溶性有機
溶剤をインク全重量に対して2〜80重量%の範囲で含
む請求項1〜12のいずれかに記載のインクセット。 - 【請求項14】 前記ブラックインクの、25℃におけ
る粘度が1〜20cpsの範囲にある請求項1〜13の
いずれかに記載のインクセット。 - 【請求項15】 前記ブラックインクの表面張力が25
dyn/cm以上の範囲にある請求項1〜14のいずれ
かに記載のインクセット。 - 【請求項16】 前記ブラックインクのpH値が6〜1
0の範囲にある請求項1〜15のいずれかに記載のイン
クセット。 - 【請求項17】 該インクセットを構成する液体組成物
とブラックインクがインクジェット記録用である請求項
1〜16のいずれかに記載のインクセット。 - 【請求項18】 インクジェット方式により液体組成物
及びブラックインクを被記録材に付与して黒色部の記録
を行う画像形成方法において、請求項17に記載のイン
クセットを適用したことを特徴とする画像形成方法。 - 【請求項19】 インクジェット方式が、インクに熱エ
ネルギ−を作用させてインクを吐出させる方式である請
求項18に記載の画像形成方法。 - 【請求項20】 被記録材上で、該液体組成物と該ブラ
ックインクとが接触する工程を有する請求項18または
19に記載の画像形成方法。 - 【請求項21】 液体組成物及びブラックインクのそれ
ぞれを収容している収容部とこれらをそれぞれ吐出する
ヘッド部とを具備する記録ユニットにおいて、該液体組
成物と該ブラックインクが、請求項17に記載のインク
セットを構成している液体組成物とブラックインクであ
ることを特徴とする記録ユニット。 - 【請求項22】 前記ヘッド部に、熱エネルギ−の作用
により該液体組成物と該ブラックインクをそれぞれ吐出
させるジェット方式を適用した請求項21に記載の記録
ユニット。 - 【請求項23】 液体組成物及びブラックインクのそれ
ぞれを収容している収容部を備えたインクカ−トリッジ
において、該液体組成物と該ブラックインクが、請求項
1乃至請求項17の何れかに記載のインクセットを構成
している液体組成物とブラックインクであることを特徴
とするインクカ−トリッジ。 - 【請求項24】 請求項17に記載のインクセットと、
該インクセットを構成している液体組成物およびブラッ
クインクをそれぞれ吐出させるヘッド部とを具備してい
ることを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05111995A JP3466756B2 (ja) | 1994-03-29 | 1995-03-10 | インクセット、画像形成方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-59073 | 1994-03-29 | ||
JP5907394 | 1994-03-29 | ||
JP05111995A JP3466756B2 (ja) | 1994-03-29 | 1995-03-10 | インクセット、画像形成方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07314886A JPH07314886A (ja) | 1995-12-05 |
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ID=26391648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05111995A Expired - Fee Related JP3466756B2 (ja) | 1994-03-29 | 1995-03-10 | インクセット、画像形成方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3466756B2 (ja) |
-
1995
- 1995-03-10 JP JP05111995A patent/JP3466756B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH07314886A (ja) | 1995-12-05 |
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