JP3465163B2 - 汚染物の浄化方法 - Google Patents

汚染物の浄化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は有害物質を含む汚染
土壌等の汚染物を浄化処理する際に用いて好適な汚染物
の浄化方法に関する。 【0002】 【背景技術及び課題】プラスチックを燃焼させた際に発
生するダイオキシン等の有害物質が社会的問題になって
いる。通常、ダイオキシンは摂氏800℃以上の高温で
分解するため、焼却時に発生するダイオキシンの大気中
への放出は、焼却炉の性能面から抑制することは可能で
ある。 【0003】しかし、焼却灰にはダイオキシンをはじめ
各種有害物質が残存するため、この焼却灰の廃棄処理が
問題になる。一般に、このような焼却灰をはじめ、有機
塩素化合物や重金属等の有毒物質が溶解した汚染水及び
油類に汚染された汚染土壌等の汚染物を廃棄又は利用す
る場合、無害化処理する必要があるが、通常、このよう
な無害化処理は、大規模な限られた処理施設で行わざる
を得ないのが実情である。このため、従来から、処理コ
ストが安く、容易かつ効果的に無害化できる新たな浄化
方法の実用化が望まれていた。 【0004】本発明は、このような従来の要請に応えた
ものであり、汚染物を無害化処理する際の処理コストを
大幅に低減し、容易かつ効果的に処理できる汚染物の浄
化方法の提供を目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明に
係る汚染物の浄化方法は、キノコ栽培設備を直接利用
し、キノコを栽培するキノコ培地M0に、粒体状及び/
又は液体状をなす汚染土壌,焼却灰又は汚染水の一又は
二以上を含む所定割合の汚染物M3を、培地成分の一部
として配合するとともに(ステップS1)、汚染物M3
を配合したキノコ培地を栽培ビンに詰め(ステップS
2)、かつ殺菌を行った後に(ステップS3)、予め選
定した担子菌を植菌し(ステップS4)、所定期間培養
することにより汚染物M3を浄化処理する(ステップS
5,S6)ようにしたことを特徴とする。 【0006】本発明に係る浄化方法の原理は、次のとお
りである。一般に、担子菌(キノコ)の性質として、植
物成分であるセルロースやリグニン等のポリマーを効率
よく分解することが知られている。また、難分解性の有
害物質を無害化する方法として、微生物による環境修復
作用(バイオレメディエーション)を利用する方法も知
られており、例えば、油による汚染土壌に微生物をふり
かけて汚染土壌の汚染物質を分解することができる。一
方、担子菌の性質を利用して難分解性の有害物質を無害
化するための研究も行われており、その有効性が注目さ
れている。しかし、微生物と同様の方法を担子菌の場合
に応用しても、現実には培養条件等が大きく異なるのみ
ならず、自然界における多数の菌類の相互作用などによ
って、有害物質に対する効率的,安定的及び均一的な無
害化処理を行うことができず、実用化には至っていない
のが実情である。 【0007】そこで、本発明は、既存のキノコ栽培設備
を利用し、同設備における自動生産ラインやキノコの栽
培手法を直接用いることにより、効率的,安定的及び均
一的な無害化処理を実現するとともに、無害化処理の生
産性及び安全性を高めたものである。具体的には、キノ
コ培地を製造する培地製造工程が直接利用されることに
より、作業者に対する有害物質の接触が回避され、ま
た、キノコ培地のビン詰め及び殺菌工程が直接利用され
ることにより、他の雑菌等の混入が回避されるととも
に、選定された担子菌に対する最適な培養条件が設定さ
れることにより、単一の担子菌による効率的な分解作用
が確保される。なお、無害化処理された汚染物は処理に
供した使用済のキノコ培地と一緒に廃棄又は再利用可能
となる。 【0008】 【実施例】次に、本発明の好適な実施例に係る汚染物の
浄化方法について、図1に示す工程図を参照して詳細に
説明する。 【0009】まず、キノコを栽培できる一般的なキノコ
培地M0の培地成分、例えば、オガ屑等の主材M1と米
糠等の栄養材M2を用意する。一方、汚染物M3として
油を含ませた汚染土壌を用意する。 【0010】通常のキノコ栽培では、主材M1と栄養材
M2を混合し、含水率を65〔%〕前後に調製すれば、
キノコ培地M0を製造できるが、本発明では主材M1と
栄養材M2に対して、さらに、所定割合の汚染物M3を
培地成分の一部として配合する。この場合、配合割合と
しては、主材M1と栄養材M2の全体重量に対し、汚染
物M3を20〜30重量パーセント程度を目安に配合す
る。そして、用意した主材M1,栄養材M2及び汚染物
M3をミキサーに収容し、通常のキノコ培地の製造と同
様に十分なミキシング(撹拌)を行うとともに、水分を
加えて全体の含水率を60〜65〔%〕に調製する(ス
テップS1)。この際、水分の一部又は全部に汚染水を
用いてもよい。キノコ培地の製造は、既存のキノコ栽培
設備を利用し、同設備における自動製造工程を利用す
る。これにより、作業者に対する有害物質の接触が回避
される。 【0011】このようにして得られたキノコ培地は、キ
ノコの栽培に使用する栽培ビンにビン詰めする(ステッ
プS2)。850〔cc〕の栽培ビンを用いる場合に
は、詰め込む培地量を600〔cc〕程度に選定するの
が最適である。一方、びん詰めの終了した栽培ビンは、
殺菌室に収容することにより加熱高温殺菌する(ステッ
プS3)。 【0012】次いで、殺菌の終了した栽培ビンは、20
〔℃〕程度まで温度を下げ、担子菌としてブナシメジの
種菌を植菌する(ステップS4)。そして、植菌した栽
培ビンを培養室に収容し、設定期間(設定日数)だけ菌
糸培養を行う(ステップS5,S6)。この場合、培養
条件として、温度を20〜26〔℃〕程度の定温環境に
維持するとともに高湿状態を維持する。また、設定期間
としては、60日程度を設定する。このような培養工程
により、無害化処理されたキノコ培地中の油成分は、培
養の進行に従って分解され、培養期間60日が経過した
後はほとんど残存しなくなる。一方、設定期間が経過し
た後、無害化された汚染物M3は、処理に供した使用済
のキノコ培地(廃培地)と一緒に廃棄又は再利用できる
(ステップS7)。なお、この際、有害物質(汚染物
質)の残量を測定し、例えば、法規制上廃棄できない場
合、或いは法規制上は問題ないが、より無害化を図りた
い場合などには、再度、ステップS1に戻すことにより
再処理すればよい。この場合、必要により植菌する菌を
変更するとともに、これに基づく新たな培養条件を設定
し、より効率よく有害物質を無害化させるように企図し
てもよい。以上述べた各工程は、基本的に既存のキノコ
栽培設備、特に、自動生産ラインにおいて実施できる。 【0013】よって、実施例では、キノコ培地を栽培ビ
ンに詰め、殺菌を行うため、他の雑菌等の混入が回避さ
れるとともに、選定された担子菌(実施例はブナシメ
ジ)に対する最適な培養条件が設定されるため、単一の
担子菌による効率的,安定的及び均一的な分解作用が確
保されるとともに、無害化処理の生産性及び安全性が高
められる。 【0014】なお、本発明に係る浄化方法は、担子菌の
種類と汚染物質間に適不適の関係があるため、基本的に
は実験により最適な組合わせ及び処理条件を設定するこ
とが望ましい。したがって、任意の組合わせにおいて効
果が少ない場合には、他の組合わせを試みればよい。例
えば、ヒラタケ或いはマイタケを用いた場合、機械油,
食用油,石油等の油の種類により分解作用が異なるが、
概ね20〜30日程度で油成分を分解できた。また、重
金属やダイオキシン等の有害物質に対してブナシメジを
用いた場合、培養日数が長くなるほど減衰率(分解率)
が高くなり、概ね150日程度に設定するのが望まし
い。ダイオキシンの場合、ブナシメジによる60日間の
培養で56〔ppb〕から18〔ppb〕まで軽減でき
た。担子菌の種類としては、例示した担子菌の他、ビン
栽培に適するエノキタケ,シイタケ等を用いることがで
きる。 【0015】また、有害物質を含む汚染物M3として
は、焼却灰或いは有機塩素化合物や重金属等の有毒物質
が溶解した汚染水であってもよい。この汚染水は前述の
ように、キノコ培地全体の水分調製に利用できる。この
ように、汚染物M3としては、粒体状及び/又は液体状
をなす汚染物を適用できる。一方、設定期間(培養日
数)の経過後、さらに菌掻きを行うことによりキノコを
生育させてもよい。培養終了時点では、キノコ培地中の
有害物質は分解され、無害化(無毒化)されているた
め、栽培されるキノコは食用或いは飼料に供することが
できる。また、キノコの主成分である約92〔%〕の水
を搾り取って利用してもよい。 【0016】以上、実施例について詳細に説明したが、
本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削
除することができる。 【0017】 【発明の効果】このように、本発明に係る汚染物の浄化
方法は、キノコ栽培設備を直接利用し、キノコを栽培す
るキノコ培地に、粒体状及び/又は液体状をなす汚染土
壌,焼却灰又は汚染水の一又は二以上を含む所定割合の
汚染物を、培地成分の一部として配合するとともに、汚
染物を配合したキノコ培地を栽培ビンに詰め、かつ殺菌
を行った後に、予め選定した担子菌を植菌し、所定期間
培養することにより汚染物を浄化処理するようにしたた
め、既存のキノコ栽培設備を有効利用することができ、
自動生産ラインやキノコの栽培手法を直接用いることに
より、効率的,安定的及び均一的な無害化処理を実現で
きるとともに、無害化処理の生産性及び安全性を高める
ことができ、もって、処理コストの低減、さらには容易
かつ効果的な処理を行うことができるという顕著な効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の好適な実施例に係る汚染物の浄化方法
の処理手順を示す工程図、 【符号の説明】 M0 キノコ培地 M3 汚染物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−91290(JP,A) 特開 平10−323646(JP,A) 特開 昭63−237744(JP,A) 三野芳紀,ダイオキシン類の生物分解 と無害化に関する基礎研究:マイタケと エノキタケがダイオキシンを分解する, 日本薬学会第119年会講演要旨集,日本, 日本薬学会第119年会組織委員会,1999 年 3月 5日,3巻,152 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 B09C 1/00 - 1/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 キノコ栽培設備を直接利用し、キノコを
    栽培するキノコ培地に、粒体状及び/又は液体状をなす
    汚染土壌,焼却灰又は汚染水の一又は二以上を含む所定
    割合の汚染物を、培地成分の一部として配合するととも
    に、前記汚染物を配合したキノコ培地を栽培ビンに詰
    め、かつ殺菌を行った後に、予め選定した担子菌を植菌
    し、所定期間培養することにより前記汚染物を浄化処理
    することを特徴とする汚染物の浄化方法。
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三野芳紀,ダイオキシン類の生物分解と無害化に関する基礎研究:マイタケとエノキタケがダイオキシンを分解する,日本薬学会第119年会講演要旨集,日本,日本薬学会第119年会組織委員会,1999年 3月 5日,3巻,152

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