JP3463989B2 - 外壁のスリット構造及び外壁構造 - Google Patents

外壁のスリット構造及び外壁構造

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JP3463989B2
JP3463989B2 JP2000191786A JP2000191786A JP3463989B2 JP 3463989 B2 JP3463989 B2 JP 3463989B2 JP 2000191786 A JP2000191786 A JP 2000191786A JP 2000191786 A JP2000191786 A JP 2000191786A JP 3463989 B2 JP3463989 B2 JP 3463989B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の外壁の下辺
と梁との間に横スリットを形成した外壁のスリット構造
及び外壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の外壁の下辺と梁との間に横
スリットを形成することは、知られている。外壁のスリ
ット構造の従来例について図6〜図9を参照して説明す
る。図6は横スリットを形成した外壁を使用した建物の
基準階の平面図、図7は図6の7A−7A断面図(外壁
の正面図)、図8は図6の、8A−8A拡大断面図(外
壁の厚さ方向の縦断面図)である。
【0003】図6において、符号70は所要の間隔をお
いて直立する柱、71は柱によって囲まれる住戸空間、
72は住戸空間Bの一側に設けられる共用廊下、73は
住戸空間の他側に設けられるバルコニーである。桁行方
向(長手方向)に直交するはり間方向(短手方向)に
は、各住戸の戸境壁74が設けられ、はり間方向の両端
部に横スリットを形成した外壁80が配置されている。
【0004】図7に示すとおり、外壁80には、その下
辺と梁90の上面(コンクリート天端91:床スラブ上
面)との間に横スリット85が形成され、この横スリッ
ト85と連続して、外壁80と柱70,70との間全域
にわたり縦スリット87が形成されている。外壁80の
上辺は、上階の梁90に接合されている。外壁80の正
面視の3辺にスリットが形成された垂れ壁であって、構
造躯体に影響を及ぼさない非耐力壁として、近時、需要
が増えつつある。
【0005】外壁80の横スリットの構造を、図8に示
す。外壁80の底部は、梁90上面に対向する平坦部8
2と、屋外側端部に位置する下向きの突出部83とを有
して構成されている。外壁80の厚さT10は、平坦部
82の幅T12と突出部83の幅T13との和となる。
梁90上面と、これに対向する平坦部82との間に比較
的大きい隙間である横スリット高さS10が形成され、
この高さS10は、突出部83の高さとほぼ一致する。
通常、突出部83の幅T13は20mm程度、高さは2
5mm程度である。
【0006】梁90上面とこれに対向する平坦部82と
の間の横スリット内には、スリット保持機能を有する部
材が内設されている。この部材は、例えば、ポリエチレ
ン等の発泡体50,50とロックウール51とで構成さ
れる。突出部83の下には、梁90の屋外側の上部隅角
部に凹部91が形成されており、この凹部91内にシー
リング材93が充填されている。外壁80の外面には、
さらに、タイルその他の外装材が施される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の外壁80の
横スリット構造においては、外壁80の底部には、平坦
部82から下向きの突出部83が屋外側端部に形成され
ており、この突出部83の幅T13は20mm程度、高
さは25mm程度であることもあり、コンクリートの不
良部が生じたり、破損等を生じ易いという問題がある。
すなわち、図9に示すように、突出部83は、水平力等
の外力に対し脆弱なため、突出部83と平坦面82との
隅角部にひび割れを生じたり欠損を生じ易い(図9に破
損想定面を表示)。突出部83の欠損やひび割れによ
り、外装材のタイルが剥落するおそれがある。また、横
スリット85は、大きい隙間を有する直線状の屋内外の
連通経路となって雨水及び外気の浸入を引き起こし、屋
内外の絶縁性を低下させ、室内の居住性を悪化させる。
突出部83を設けない場合には、欠損等の問題は生じな
いが、止水性を確保しにくい、目地棒の位置をどこにす
るかといった施工上の問題等を生じる。
【0008】本発明は、上記従来技術における問題点を
考慮してなされたもので、その目的は、外壁の底部の屋
外側端部におけるコンクリートの不良部や破損等を防止
することができ、止水性、施工性等に優れた、外壁のス
リット構造及び外壁構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明〕
外壁の下辺と梁との間に横スリットを形成した外壁の
スリット構造において、外壁の底部を、外壁厚さ方向に
おいて、内側段部、中間段部、外側段部を有する階段状
となし、横スリットを、外壁厚さ方向において、屋内側
から内側段部、中間段部、外側段部を階段状に立下り形
成した外壁の底部と、屋外側の隅角部に凹部が切り欠き
形成されている直線状の梁の上辺によって区画して形成
し、内側段部における梁上面からのスリット高さ(S)
よりも小さいスリット高さ(S2)のスリットを、梁上
面と中間段部との間に形成した、ことを特徴とする外壁
のスリット構造である。
【0010】〔請求項2に係る発明〕 外側段部の下端
縁がほぼ梁の上辺に位置する、請求項1に記載の外壁の
スリット構造である。
【0011】〔請求項に係る発明〕 中間段部のスリ
ット高さは、内側段部及び外側段部におけるスリット高
さより小さく形成され、横スリットの高さの中心を通る
屋内と屋外を結ぶ連通経路が、三段の階段状に屈曲形成
された、請求項1又は2に記載の外壁のスリット構造で
ある。
【0012】〔請求項に係る発明〕 両端部が外壁内
部と梁内部とに埋設、固定され、外壁と梁とを連結する
振れ止め部材を備え、振れ止め部材は、外壁内部におい
て、外壁底面から所定長さの可撓領域(R2)と、これ
に連なり上端部へ至る固定領域(R1)とを有する、請
求項1〜のいずれかに記載の外壁のスリット構造であ
る。
【0013】〔請求項に係る発明〕 同一架構面にお
いて対向する柱と、上下階の梁によって囲まれた面に外
壁が配設された外壁構造であって、外壁の上辺と上階の
梁は一体化して形成され、外壁の下辺と下階の梁の間
に、請求項1〜に記載した横スリットを下階の梁の全
域にわたって横方向に形成し、横スリットと連続して、
柱と外壁の境界面に沿って上方に向かって縦スリットを
形成した、ことを特徴とする外壁構造である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る外壁のスリ
ット構造の概略を示すもので、外壁の厚さ方向の縦断面
である。図2は、図1の破線円部の拡大断面図である。
以下、面内方向とは、壁面内の鉛直面で、面外方向と
は、面内方向に直交する鉛直面(壁厚さ方向)をいう。
【0015】図1に示すとおり、外壁10の底部と梁2
0との間には、横スリット30が形成され、外壁10と
梁20とは、構造的には分離されている。屋内側には、
床スラブ25が梁20と一体化してその上面がコンクリ
ート天端を形成している。外壁10の屋外側には床スラ
ブ25は接続していないので、屋外側は突設物の無い平
坦な外壁面を形成する。通常、横スリット30は外壁1
0の下辺(長手方向)全長に亘って横方向に形成され
る。外壁10の上部は、上階の梁と一体化して形成され
る。符号40は、外壁10と梁20とを連結する振れ止
め部材である。
【0016】図2に示すとおり、外壁10の底部は、外
壁厚さ方向において、屋外方向に向けて、内側段部1
1、中間段部12、外側段部13を有する三段の階段状
に立下り形成されている。内側段部11及び中間段部1
2は、夫々梁20上面(コンクリート天端)と対向す
る。
【0017】外壁10の内側段部11の下には、梁20
上面からのスリット高さSを有する隙間(スリット)が
形成される。中間段部12の下には、梁20上面からの
スリット高さS2を有する隙間が形成される。中間段部
12の下のスリット高さS2は、内側段部11の下のス
リット高さSから、中間段部12の高さS1(内側段部
11との段差)を引いた高さである。したがって、中間
段部12の下のスリット高さS2は、内側段部11の下
のスリット高さSよりも中間段部12の高さS1分、小
さい。外側段部13の下端縁は、ほぼコンクリート天端
線に位置する。外側段部13におけるスリット高さは、
後述する梁20の上面の屋外側隅角部に形成された凹部
21の高さとなる。
【0018】内側段部11及び中間段部12の下のスリ
ットには、スリット保持材50,51,52が内設され
る。スリット保持材は、スリット保持機能を有する部材
である。スリット保持機能を適切に発揮し得るものであ
れば、特にその材質は限定されない。本例では、内側段
部11の下のスリットには、ポリエチレン等の発泡体5
0(例えば、発泡倍率30倍の発泡ポリエチレン、25
mm厚)とロックウール等の耐火材としての機能を有す
る部材51とが内設されている。中間段部12の下のス
リットには、ポリエチレン等の発泡体52(例えば、発
泡倍率30倍の発泡ポリエチレン、6mm厚)が内設さ
れている。通常の施工方法では、スリット保持材を、梁
20上面(コンクリート天端)に貼り付け、その後、コ
ンクリートを打設して外壁10を形成する。
【0019】内側段部11の下のスリット高さSは、例
えば、従来例として示した横スリット85の高さS10
に相当する高さを有する。例えば25mm程度とし、既
成のスリット保持材を内設することができる。
【0020】中間段部12の下のスリット高さS2は、
スリット保持材の性能、材質、厚さを考慮するととも
に、地震時の建物の挙動に対して外壁10がラーメン骨
組の変形を拘束して建物の挙動や破壊形式に悪影響を与
えることのないように対応し得る寸法に設定される。ス
リット高さS2は、コンクリート打設時(施工時)、常
時の鉛直荷重時、地震時における、中間段部12と梁2
0との間の鉛直変形(縮み)、スリット保持材の材質、
強度など考慮して設定する。例えば、スリット高さS2
を2〜10mm程度、好ましくは、6mm程度とする
が、これに限定されない。スリット高さS2は、内側段
部11のスリット高さSより小さいが、スリット保持材
を介して中間段部12から梁20に鉛直力が伝達しない
充分な大きさにする場合が一般的である。しかし、スリ
ット高さS2を小さくして、スリット保持材を介して中
間段部12から梁20に若干の鉛直力が伝達することを
許容する場合でもよい。梁20上面が鉛直力を受ける場
合であっても、中間段部12の受圧面積は小さいので、
梁20上面と中間段部12との間に作用する摩擦力は小
さい。したがって、面内方向水平力に対して、梁20と
外壁10との間におけるスリット機能(スライド能)を
保持し易い。
【0021】外側段部13の下端縁は、ほぼコンクリー
ト天端線に位置するので、外側段部13の高さは、ほぼ
中間段部12の下のスリット高さS2に相当する。
【0022】外側段部13の下には、梁20の上面の屋
外側隅角部に凹部21が形成されており、この凹部21
内にシーリング材60が充填されている。凹部21は、
目地棒を設けたことにより形成されるものである。施工
の際、目地棒は、この位置に設けられてコンクリート天
端等を決める際の基準となる定規の役割を果たす。目地
棒を取り外したあとに凹部21が形成され、この凹部2
1にシーリング材60が充填されて目地処理が行われ
る。外壁10の外面には、通常、さらに、タイルその他
の外装材が施される。
【0023】内側段部11は幅T1を有する。中間段部
12は幅T2を有する。幅T1と幅T2との比率は適宜
設定し得る。外側段部13の幅T3は、梁20の凹部2
1の幅等によって決定される。例えば、20mm程度で
ある。スリット機能が阻害されないよう、〔外側段部1
3の幅T3〕<〔梁20の凹部21の幅〕とする。換言
すれば、〔梁20の凹部21の幅〕−〔外側段部13の
幅T3〕=aとすると、a>0である。
【0024】図3に示すように、横スリット30は、外
壁10の厚さ方向において、屋内側から内側段部11、
中間段部12、外側段部13を階段状に立下り形成した
外壁10の底部と、屋外側の隅角部に凹部21が切り欠
き形成されている直線の梁20の上辺によって区画さ
れている。横スリット30の外壁の厚さ方向形状は、下
記の特徴を有する。中間段部12のスリット高さ(S
2)は、内側段部11のスリット高さ(S)及び外側段
部13のスリット高さ(凹部21の高さ)より小さく形
成されて、狭隘な隙間(S2)になっている。横スリッ
ト30の高さの中心を通る屋内と屋外を結ぶ連通経路
が、三段の階段状に屈曲形成されている。
【0025】横スリット30は、中間段部12で狭隘な
隙間(S2)を有し、横スリット30の高さの中心を通
る屋内と屋外を結ぶ連通経路を階段状に屈曲形成してい
るので、屋外側から、雨水、騒音、外気などが屋内に侵
入しにくく、室内の居住性が高まる。即ち、屋内と屋外
との絶縁性が格段に高まる。
【0026】中間段部12を形成することにより、従来
例に示した、外壁の底部の屋外側端部に位置する突出部
83に比べて、同じく外壁の底部の屋外側端部に位置す
るにもかかわらず、外側段部13の下方への突出長さを
大幅に抑えることができる。すなわち、図3に示すよう
に、外壁10の底部の内側段部11と外側段部13との
間に、梁20上面に対向する中間段部12を設けて3段
の階段状となしたため、外側段部13の応力負担は大幅
に軽減され、外側段部13と中間段部12とで形成され
る隅角部にひび割れを生じたり、欠損を生じることを防
ぐことができる。
【0027】しかも、中間段部12を設けることによっ
て、梁20上面と中間段部12の間に、内側段部11の
下のスリット高さSに比べて狭隘な隙間(スリット高さ
S2)が形成されるため、屋内外の連通経路が狭めら
れ、止水性が向上し、漏水を防止することができる。ま
た、遮音性能も向上する。
【0028】次に、振れ止め部材40について説明する
(図4参照)。振れ止め部材40は、両端部が夫々、外
壁10内部と梁20内部とに埋設され、外壁10と梁2
0とを連結する。振れ止め部材40は、地震時に外壁1
0と梁20の相互間で面内方向の水平変形のずれに追従
する、柔らかい剛性を有すると共に、外壁10の面外方
向に作用する水平力(地震力、風圧力)に対しては、外
壁10の面外方向の動き(振れ)をある程度規制する。
本例では、全長Rを有する振れ止め部材40は、その下
部側40bが梁20内部に埋設、固定され、上部側40
aが外壁10内部に埋設、固定されており、外壁10内
部においては、外壁10底面から所定長さの可撓領域R
2と、これに連なり上端部へ至る固定領域R1とを有す
る。このため、図4に示すように、屋外から面外方向の
水平力を受けた場合、可撓領域R2において、振れ止め
部材40が撓むことができる。これにより、横スリット
30は、スリット高さS2が小さくても、外壁10の面
内方向の地震時の動きに追随できると共に、面外方向の
過大な水平変形を抑制し、外壁10の破損等を防止する
ことができる。
【0029】可撓領域R2は、振れ止め部材40の周囲
に空間又は柔軟材を設けることにより形成するのが好ま
しい。振れ止め部材40の周囲に、空間が形成される中
空チューブを位置させるか、あるいは合成樹脂発泡体等
の柔軟な部材(チューブ等)を振れ止め部材40を周囲
に位置させる等により、可撓領域R2を形成することが
できる。振れ止め部材40の材質は特に限定されるもの
ではないが、例えば、防錆処理を施した鉄筋が好適に用
いられる。防錆に優れた金属製(鉄、アルミニウム、ス
テンレスなど)、合成樹脂などであってもよい。振れ止
め部材40の可撓領域を、梁20内部にも設けることも
できる。可撓領域を梁20内部のみに設けてもよい。
【0030】振れ止め部材40の位置は特に限定される
ものではないが、中間段部12に位置させることが好ま
しい。中間段部12の下のスリット高さS2が内側段部
11下のスリットSに比べて小さいので、スリット保持
材を貫通させて行う振れ止め部材40の施工が楽に行え
る。振れ止め部材40を内側段部11の位置に配設して
もよい。
【0031】図5に基いて、本発明に係る外壁の横スリ
ットを使用した外壁の構造について説明する。図中、符
号Hは階高、Dは梁成、HOは壁高さ、Sは横スリット
の高さを示す。符号LOは柱70,70間の内法、Bs
は縦スリットの幅を示す。
【0032】外壁10には、その下辺と梁20の上面
(コンクリート天端:床スラブ25の上面)との間に横
スリット30が形成され、この横スリット30と連続し
て、外壁10と柱70,70との間全域にわたり縦スリ
ット87が形成されている。外壁10の上辺は、上階の
梁20に一体化して接合されている。外壁10の正面視
の3辺にスリットが形成されているので、外壁10は上
階の梁20から吊り下げられた垂れ壁(非耐力壁)とな
る。したがって、柱と梁によって構成したラーメン骨組
と、非耐力壁である外壁とは構造的に分離されているの
で、外壁10がラーメン骨組の地震時の水平変形を拘束
しない。縦スリット87は、従来技術と同様に、水平平
面形状は、所定の横幅(Bs)を有する直線状に形成す
ればよい。縦スリット87の横幅(Bs)は、地震時
に、柱と外壁が接触しないように(たとえば、水平変形
角が1/100)設定される。振れ止め部材40は、梁
20のスパン方向において、適宜の間隔を離して複数箇
所設置されている。
【0033】なお、外壁10の構造種別はRC造が一般
的である。RC造とする場合、現場打ちコンクリート
製、プレキャストコンクリート製いずれでもよい。
【0034】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲で種々の変形、付加等が可能であ
る。また、本発明を集合住宅のはり間方向の外壁(妻
壁)に適用した例を示したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、はり間方向以外の外壁にも適用可能で
ある。また、建物の用途も集合住宅に限定されず、事務
所、ホテル等の建物の構造物にも幅広く適用できる。さ
らに、建物の階数も、低層から高層、超高層に至るまで
適用できる。本発明は連層耐震壁構造に限定されず、ラ
ーメン構造体に、外壁が分散配置された骨組にも適用し
得る。
【0035】なお、外壁の正面形状は矩形のみならず、
その他の形状、例えば、台形(壁体の左右辺を傾斜する
場合:枠柱が末広がりとなるような場合)でもよい。梁
の断面幅を外壁の壁厚と同一にして、梁の外形が突設し
ていない外壁に使用してもよい。
【0036】
【発明の効果】〔請求項1に係る発明〕以上説明したよ
うに、本発明によれば、外壁の底部の屋外側端部におけ
るコンクリートの不良部や破損等を防止することがで
き、止水性、施工性等に優れた、外壁のスリット構造が
提供される。すなわち、外壁の底部の内側段部と外側段
部との間に、中間段部を設けて3段の階段状となしたた
め、外側段部の下方への突出程度を大幅に抑えることが
でき、外側段部の応力負担は大幅に軽減され、外側段部
と中間段部とで形成される隅角部にひび割れを生じたり
欠損を生じたるするのを防ぐことができる。しかも、中
間段部を設けることによって、中間段部の下に、内側段
部の下のスリット高さ(S)に比べて狭隘な隙間(スリ
ット高さS2)が形成されるため、屋内外の連通経路が
狭められ、遮音性、止水性が向上し、漏水を防止するこ
とができる。
【0037】〔請求項2に係る発明〕外側段部の下端縁
がほぼコンクリート天端線に位置するので、通常の施工
方法を採用でき、施工性がよく、目地シーリングの処理
もし易く、止水性も良好である。
【0038】〔請求項に係る発明〕横スリットは、中
間段部で狭隘な隙間(S2)を有し、横スリットの高さ
の中心を通る屋内と屋外を結ぶ連通経路を階段状に屈曲
形成しているので、屋外側から、雨水、騒音、外気など
が屋内に侵入しにくく、室内の居住性が高まる。即ち、
屋内と屋外との絶縁性が格段に高まる。
【0039】〔請求項に係る発明〕振れ止め部材は、
外壁内部において、外壁底面から所定長さの可撓領域
(R2)と、これに連なり上端部へ至る固定領域(R
1)とを有するので、面外方向の水平力を受けた場合、
可撓領域(R2)において、振れ止め部材が撓むことが
でき、面外方向の動きに追随して外壁の破損等を防止す
ることができる。横スリットの高さが小さい場合におい
ても、可撓領域(R2)は有効に機能する。
【0040】〔請求項に係る発明〕柱と梁によって構
成したラーメン骨組と、非耐力壁である外壁とを構造的
に分離して、ラーメン骨組の地震時の変形、耐力の健全
性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外壁のスリット構造の概略を示す
もので、外壁の厚さ方向の縦断面図である。
【図2】図1の破線円部の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る外壁のスリット構造の作用を説明
する、外壁の厚さ方向の縦断面図である。
【図4】本発明に係る外壁のスリット構造を示すもの
で、外壁の厚さ方向の縦断面図である。
【図5】本発明に係る外壁のスリット構造を使用した、
外壁構造の正面図である。
【図6】横スリットを形成した従来例における外壁を使
用した建物の基準階の平面図である。
【図7】図6の7A−7A断面図(外壁の正面図)であ
る。
【図8】図6の8A−8A拡大断面図(外壁の厚さ方向
の縦断面図)である。
【図9】従来例における外壁のスリット構造の作用を説
明する、外壁の厚さ方向の縦断面図である。
【符号の説明】
10 外壁 11 内側段部 12 中間段部 13 外側段部 20 梁 21 凹部 30 横スリット 40 振れ止め部材 50,51,52 スリット保持材 60 シーリング材 70 柱 80 外壁 85 横スリット 87 縦スリット 90 梁 S 内側段部11における梁上面からのスリット高さ S2 中間段部12における梁上面からのスリット高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 哲也 千葉県流山市駒木518−1 三井建設株 式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 平11−336229(JP,A) 特開 昭63−167853(JP,A) 特開 平4−27054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 2/56 E04H 9/02 321 E04B 1/62 E04B 2/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外壁の下辺と梁との間に横スリットを形
    成した外壁のスリット構造において、 外壁の底部を、外壁厚さ方向において、内側段部、中間
    段部、外側段部を有する階段状となし、横スリットを、外壁厚さ方向において、屋内側から内側
    段部、中間段部、外側段部を階段状に立下り形成した外
    壁の底部と、屋外側の隅角部に凹部が切り欠き形成され
    ている直線状の梁の上辺によって区画して形成し、 内側段部における梁上面からのスリット高さ(S)より
    も小さいスリット高さ(S2)のスリットを、梁上面と
    中間段部との間に形成した、ことを特徴とする外壁のス
    リット構造。
  2. 【請求項2】 外側段部の下端縁がほぼ梁の上辺に位置
    する、請求項1に記載の外壁のスリット構造。
  3. 【請求項3】 中間段部のスリット高さは、内側段部及
    び外側段部におけるスリット高さより小さく形成され、
    横スリットの高さの中心を通る屋内と屋外を結ぶ連通経
    路が、三段の階段状に屈曲形成された、請求項1又は2
    に記載の外壁のスリット構造。
  4. 【請求項4】 両端部が外壁内部と梁内部とに埋設、固
    定され、外壁と梁とを連結する振れ止め部材を備え、 振れ止め部材は、外壁内部において、外壁底面から所定
    長さの可撓領域(R2)と、これに連なり上端部へ至る
    固定領域(R1)とを有する、請求項1〜のいずれか
    に記載の外壁のスリット構造。
  5. 【請求項5】 同一架構面において対向する柱と、上下
    階の梁によって囲まれた面に外壁が配設された外壁構造
    であって、 外壁の上辺と上階の梁は一体化して形成され、 外壁の下辺と下階の梁の間に、請求項1〜に記載した
    横スリットを下階の梁の全域にわたって横方向に形成
    し、横スリットと連続して、柱と外壁の境界面に沿って
    上方に向かって縦スリットを形成した、ことを特徴とす
    る外壁構造。
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