JP3462291B2 - 非水電池 - Google Patents

非水電池

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JP3462291B2 JP07377495A JP7377495A JP3462291B2 JP 3462291 B2 JP3462291 B2 JP 3462291B2 JP 07377495 A JP07377495 A JP 07377495A JP 7377495 A JP7377495 A JP 7377495A JP 3462291 B2 JP3462291 B2 JP 3462291B2
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伸弥 真下
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、非水電池、詳しくは、
セパレーターに対する非水電解液の含浸性が優れ、電池
容量が大きく、かつ、電池電圧の大きい非水電池に関す
る。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
一次電池および二次電池は小型、高容量化が望まれてお
り、正、負活物質、電解液、電池構造等の種々の観点か
ら小型、高容量化のための検討が行われている。 【0003】このような電池の小型、高容量化を達成す
るためにはセパレーターの選択も重要であり、電池に対
するセパレーターの体積はセパレーターの厚さに比例す
るため、セパレーターの厚さをできるだけ薄くすること
が望まれる。 【0004】従来セパレーターとして用いられていた
紙、織布、ガラスマット等は強度、短絡防止等の問題か
ら一定以上の厚さが必要であり、電池の小型化を達成す
る上で大きな障害となっていた。 【0005】このため、セパレーターとしてポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂製の不織布や多孔
膜を用いることが提案されている。セパレーターの材質
を熱可塑性樹脂とすることにより強度および短絡防止効
果が大きくなり、セパレーターの厚さを薄くしても充分
に実用に耐えうる特性を有しているため、電池の小型化
のためには必須の存在となっている。 【0006】しかしながら、熱可塑性樹脂製のセパレー
ターには電解液の含浸性に劣る欠点があり、特に、高電
圧に耐える特性を有しているエチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート等の炭酸エステル化合物、γ−ブ
チロラクトン等の環状エステル化合物等を溶媒とした電
解液を用いた場合にこの欠点が顕著に現れるため、電解
液の含浸工程が複雑になるという製造工程上の問題があ
るばかりでなく、電解液の含浸不良による電池性能のバ
ラツキ等の問題もあった。 【0007】このため、電解液に界面活性剤を添加して
電解液のセパレーターに対するヌレ性を改善しようとす
る試みもなされているが、この場合には電池性能に与え
る悪影響が大きく、実用上は満足できるものではなかっ
た。このため、特開平2−244565号公報には、こ
のような悪影響を及ぼさない添加剤として、有機ホスフ
ェート、有機ホスファイトまたは有機ホスホネート化合
物から選ばれた含リン化合物を電解液に添加することが
提案されているが、このような含リン化合物を電解液に
添加した場合のヌレ性の改善効果は未だ不十分であっ
た。しかも、含リン化合物を多量に添加した場合には、
電解液の特性に悪影響を及ぼすばかりでなく、含リン化
合物がセパレーター表面に堆積して空隙を閉塞してしま
う場合すらあり、電池性能にバラツキが大きく実用上は
満足しえるものではなかった。 【0008】このため、熱可塑性樹脂製セパレーターを
用いた場合に、電池の特性に悪影響を及ぼすことなく電
解液の含浸性を改善することが強く望まれていた。 【0009】従って、本発明の目的は、電解液の含浸性
に優れ、電池容量が大きく、しかも、特性にバラツキの
ない非水電池を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
を重ねた結果、特定の化合物を含有せしめた熱可塑性樹
脂から形成されたセパレーターを用いることによって、
上記目的を達成し得ることを知見した。 【0011】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、構成要素として、少なくとも正極、負極、セパレー
ターおよび非水電解液を有する非水電池であって、該セ
パレーターが下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一
般式 (I)で表される化合物の少なくとも一種を0.0
1〜5重量%含有する熱可塑性樹脂から形成されたこと
を特徴とする非水電池を提供するものである。 【0012】 【化2】 【0013】以下、本発明の非水電池について詳述す
る。 【0014】本発明に用いられる上記一般式(I)で表
される化合物(以下、「化合物(I)」と称す)におい
て、式中、R1、R2およびR3で表される炭素原子数8〜3
0のアルキル基またはアルケニル基としては、例えば、
オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、イソノ
ニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ラウリル、ミ
リスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、
ドコシル、ベヘニル、トリアコンチル、デセニル、オレ
イル等の直鎖または分岐のアルキル基およびアルケニル
基があげられる。 【0015】従って、上記化合物(I)としては、トリ
オクチルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリ
ラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、
トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェ
ート、トリベヘニルホスフェート、オクチル−ジステア
リルホスフェート、トリオレイルホスフェート等があげ
られ、これらの化合物は、1種または2種以上で用いら
れる。 【0016】上記化合物(I)の含有量は、セパレータ
ーを構成する熱可塑性樹脂中、0.01〜5重量%、好
ましくは0.05〜5重量%、更に好ましくは0.2〜
3重量%である。上記含有量が0.01重量%未満で
は、添加による効果がほとんど認められず、また、5重
量%を超えても、含有量に見合うだけの効果の向上が認
められず無駄であるばかりでなく、熱可塑性樹脂製セパ
レーターの強度の低下などの物性の低下を引き起こす。 【0017】本発明の構成要素の一つであるセパレータ
ーは、上記化合物(I)の少なくとも一種を上記の含有
量の範囲で含有する熱可塑性樹脂から形成されたもので
ある。上記セパレータは、上記化合物(I)を上記熱可
塑性樹脂に配合することにより製造でき、その他、例え
ば、水溶性物質を含有する熱可塑性樹脂から製膜し、次
いで水洗して水溶性物質を除去して微多孔膜とする方
法、熱可塑性樹脂から紡糸した後不織布とする方法等の
常法によって製造することができる。 【0018】上記セパレーターの製造に用いられる熱可
塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、
エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポ
リテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリスチ
レン、ポリメチルメタクリレート、ポリジメチルシロキ
サン等およびこれらの混合物があげられ、特に、ポリオ
レフィンが成形加工性、耐薬品性、機械的強度などの観
点から好ましい。 【0019】また、上記セパレーターは、短絡による発
熱による電池内容物の噴出または爆発を防止するため
に、低融点熱可塑性樹脂製膜と高融点熱可塑性樹脂製膜
あるいは不織布とを積層させたものなどの複層構造であ
ってもよく、この場合には、前記化合物(I)は、複数
の熱可塑性樹脂層の少なくとも一層に配合される。 【0020】本発明の非水電池におけるその他の構成要
素、即ち正極、負極、非水電解液等については特に制限
を受けず、従来、非水電池に用いられている種々の材料
をそのまま使用することができる。 【0021】上記正極に使用される正極活物質として
は、例えば、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2、Li(1-x) MnO2
Li(1-x) CoO2、Li(1-x) NiO2、V2O5、V6O13 等があげら
れる。また、上記負極に使用される負極活物質として
は、例えば、リチウム、リチウム合金、炭素質材料, 導
電性ポリマー等があげられる。また、上記非水電解液に
使用される電解質としては、例えば、LiClO4、LiBF4、L
iAsF6、CF3SO3Li、LiPF6 、LiI 、LiAlCl4 、NaClO4、N
aBF4 、NaI 等があげられ、また、該非水電解液に用い
られる溶媒としては、エーテル化合物、ケトン化合物、
ニトリル化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、カーボネ
ート化合物、環状エステル化合物、スルホラン化合物等
があげられ、具体的には、テトラヒドロフラン、2−メ
チルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソ
ール、モノグライム、4−メチル−2−ペンタノン、ア
セトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バ
レロニトリル、ベンゾニトリル、1,2−ジクロロエタ
ン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラ
ン、3−メチルスルホラン、メチルフォルメート、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルチオホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等があげられ、また、これらの複数の混
合物であってもよい。 【0022】本発明の非水電池は、一次または二次電池
として使用することができ、また、その形状には特に制
限を受けず、偏平型(ボタン型)、円筒型、角型等、種
々の形状の電池として使用できる。 【0023】 【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。しかしながら、本発明は下記の実施例によっ
て制限されるものではない。 【0024】実施例1 BET比表面積11m2/g、真密度2.13g/cm3
ニードルコークスをボールミルで平均粒径10μに粉砕
し、この粉末1重量部およびポリアクリロニトリルの4
%ジメルホルムアミド溶液1重量部を混合した後、厚さ
10μの銅箔の両面に75μの膜厚に製膜することによ
り負極を製造した。 【0025】また、LiCoO2をボールミルで平均粒径3μ
に粉砕した後、この粉末1重量部に対し、グラファイト
0.05重量部、アセチレンブラック0.05重量部、
ポリフッ化ビニリデンの2%ジメチルホルムアミド溶液
1重量部を混合し、厚さ15μのアルミ箔の両面に10
0μの膜厚に製膜することにより正極を製造した。 【0026】トリステアリルホスフェートを1重量%配
合したポリプロピレンから製造された不織布(厚さ15
0μ、糸径3μ)をセパレーターとし、前記の正極およ
び負極を用いて円筒型の電池を組み立てた。尚、電解液
としては1M濃度の過塩素酸リチウムのプロピレンカー
ボネート溶液を用いて、常圧含浸法により注入した。 【0027】この電池100個を用い、1A、4.2V
の定電流/定電圧モードで5時間充電した後、1A定電
流で2.7Vまで放電したときの放電容量を下記〔表
1〕に示す。また、平均値より20%以上放電容量の少
ない電池の個数をバラツキとして示した。 【0028】実施例2〜9 前記化合物(I)の種類および配合量を下記〔表1〕に
示したように変更する他は実施例1と同様にして電池を
作成し、評価を行った。 【0029】比較例1〜3 前記化合物(I)を配合しないセパレーターを用いた場
合(比較例1)、前記化合物(I)を電解液に添加した
場合(比較例2および3)についても、実施例1と同様
にして電池を作成し、評価を行った。 【0030】 【表1】【0031】実施例10 二酸化マンガン粉末90重量部、グラファイト5重量
部、ポリテトラフルオロエチレン5重量部を混練し、こ
の正極結合剤を端部にリードタブとしてニッケル板がス
ポット溶接してある250メッシュのステンレス網上に
塗布し、厚さ0.5mmの正極シートを製造した。 【0032】厚さ0.2mmのリチウム箔にリードタブと
してステンレス網を圧着して負極を製造した。 【0033】トリステアリルホスフェートを1重量%配
合したポリエチレンから製造された微多孔膜(厚さ50
μ、平均孔径0.4μ)をセパレーターとし、上記の正
極および負極を用いて、円筒型の電池を組み立てた。
尚、電解液としては1M濃度の過塩素酸リチウムのプロ
ピレンカーボネート溶液を用いて、常圧含浸法により注
入した。 【0034】この電池100個を用い、1A定電流で
1.5Vまで放電したときの放電容量を下記〔表2〕に
示す。また、平均値より20%以上放電容量の少ない電
池の個数をバラツキとして示した。 【0035】実施例11〜13 前記化合物(I)の種類を下記〔表2〕に示すように変
更する他は実施例10と同様にして電池を作成し、評価
を行った。 【0036】比較例4〜5 前記化合物(I)を配合しないセパレーターを用いた場
合(比較例4)、前記化合物(I)を電解液に添加した
場合(比較例5)についても、実施例10と同様にして
電池を作成し、評価を行った。 【0037】 【表2】 【0038】上記〔表1〕および〔表2〕に示した結果
から以下のことが明らかである。前記化合物(I)を含
有する熱可塑性樹脂から形成されたセパレーターを用い
た場合(実施例1〜13)には、電池容量が大きく、ま
た、性能のバラツキもほとんど認められない。これに対
し、前記化合物(I)を配合しない場合(比較例1およ
び4)には、電池容量が著しく小さく、また、前記化合
物(I)を電解液に配合した場合(比較例2,3および
5)には、電池容量は改善されるものの、性能のバラツ
キが大きく、高品質の非水電池を安定的に製造すること
ができない。 【0039】 【発明の効果】本発明の非水電池は、特定のリン酸エス
テル化合物を配合した熱可塑性樹脂から形成されたセパ
レーターを用いたもので、電解液の含浸性に優れ、電池
容量が大きく、しかも、特性にバラツキのないものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 真下 伸弥 埼玉県浦和市白幡五丁目2番13号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 大矢 桂二 埼玉県浦和市白幡五丁目2番13号 旭電 化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−20672(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/16 H01M 6/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 構成要素として、少なくとも正極、負
    極、セパレーターおよび非水電解液を有する非水電池で
    あって、該セパレーターが下記〔化1〕の一般式 (I)
    で表される化合物の少なくとも一種を0.01〜5重量
    %含有する熱可塑性樹脂から形成されたことを特徴とす
    る非水電池。 【化1】
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