JP3460331B2 - Ｆｐｕ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はテレビジョン信号伝送装
置、特にＦＭ変調方式による可搬形テレビジョン中継装
置（ＦＰＵ装置）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば７ＧＨｚ帯と１０ＧＨｚ帯のよう
に二つの周波数帯のいずれかを切換え使用可能なＦＰＵ
装置がある。従来の技術によるＦＰＵ送信装置の構成例
を図２に示す。入力端子１にはＦＭ変調されたＩＦ信号
（１３０ＭＨｚ）が入力され、出力端子２から７ＧＨｚ
帯（６,４２５〜７,１２５ＭＨｚ）又は１０ＧＨｚ帯
（１０,２５０〜１０，６８０ＭＨｚ）のＲＦ信号が出
力される回路のブロック図を示す。

【０００３】１３０ＭＨｚＩＦ信号は周波数混合器３で
局部発振器（１,３７０ＭＨｚ）４の発振出力と混合さ
れ、和の周波数成分（１,５００ＭＨｚ）のみを帯域通
過ろ波器５で取り出し、増幅器６で増幅後、混合器７で
局部発振器８又は９の発振出力（５ＧＨｚ帯又は９ＧＨ
ｚ帯）と混合し、和の周波数成分（７ＧＨｚ帯又は１０
ＧＨｚ帯）を共用器１１で取り出す。共用器１１は７Ｇ
Ｈｚ帯及び１０ＧＨｚ帯の帯域通過ろ波器からなる。

【０００４】発振器８の発振出力を選択するか、発振器
９の発振出力を選択するかは同軸切換器１０により切換
える。７ＧＨｚ帯の場合は増幅器１２、１０ＧＨｚ帯の
場合は増幅器１３により増幅し、同軸切換器１４を介し
て出力端子２に接続される。なお、同軸切換器１４の切
換は同軸切換器１０の切換と連動して行なわれる。図４
は上記についての周波数配置を示す。レベルの高い周波
数成分は局部発振器の発振周波数、レベルの低い周波数
成分はＦＭ変調波を示す。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には周波
数帯切換用の、５ＧＨｚ帯および９ＧＨｚ帯の二つの局
部発振器と同軸切換器を使用しているが、二つの局部発
振器は周波数可変型であるため構成が大きくなり、装置
を小形化できない欠点がある。本発明の目的は上記欠点
を除去し、小形、軽量、安価なＦＰＵ装置を提供するこ
とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、上記二つの局部発振器及び同軸切換器を一
つの局部発振器に置換えるとともに、低域側周波数変換
回路において、より小型、安価に構成できる二つの固定
周波数の局部発振器及び同軸切換器を設け、これらを用
いて周波数帯の切換えを行うことができるように周波数
関係を設定したものである。すなわち、高域側周波数変
換回路における局部発振器の発振周波数を両方の周波数
帯の中間に設定し、低い周波数帯を選択した場合は差の
周波数成分を、高い周波数帯を選択した場合は和の周波
数成分を共用器で取り出す。一方、ＩＦ側周波数変換回
路においては局部発振器として変換周波数に対してＩＦ
周波数だけ高い及び低い発振周波数のもの及び切換器を
設け、低い周波数帯を選択する場合、高い周波数帯を選
択する場合に応じて、上記切換器により、上記二つの局
部発振器を切換え出力を混合器に入力する様にしたもの
である。

【０００７】

【作用】映像信号のＦＭ変調波の場合、映像の同期信号
に対しては低い周波数に、実際の映像信号に対しては高
い周波数に偏移する様に極性が決められている。そのた
め上記の手段が必要となる。低い周波数帯（例えば７Ｇ
Ｈｚ帯）を選択した場合は、ＩＦ側周波数変換回路で
は、高い周波数の局部発振器の出力とＩＦ信号の差の周
波数成分を取り出すため極性が反転する。そして、高域
側周波数変換回路でも、局部発振器の出力と入力との周
波数の差の成分を取り出すため極性が元に戻る。高い周
波数帯（例えば１０ＧＨｚ帯）を選択した場合は、ＩＦ
側、高域側とも周波数変換回路では、入力と局部発振器
の出力の周波数の和の成分を取り出すため極性は変らな
い。その結果、２つの周波数帯を切換えるための、高域
側の周波数変換回路における局部発振器２個及び切換器
を小形に構成できるＩＦ周波数側固定周波数の局部発振
器等に変換可能となり、回路規模が大きくなる周波数可
変型の局部発振器を１個とすることにより、装置の小
形、軽量化を図ることができる。

【０００８】

【実施例】以下この発明の送信装置の実施例を図１に示
すブロック図により説明する。１３０ＭＨｚＩＦは入力
端子１から混合器１８に入力され、混合器１８には切換
器１７を介して局部発振器１５又は１６の出力が供給さ
れる。混合器１８の出力は帯域通過ろ波器１９および増
幅器２０を介して混合器２１に供給される。混合器２１
には局部発振器２２の出力も供給される。混合器２１の
出力は共用器２３に供給される。共用器２３では７ＧＨ
ｚ帯、１０ＧＨｚ帯の帯域ろ波器を介して出力され、そ
れぞれ７ＧＨｚ帯増幅器１２と１０ＧＨｚ帯増幅器１３
に供給される。増幅器１２と増幅器１３の出力は同軸切
換器１４に供給され、切換器１４の出力はＲＦ出力端子
２に供給され、増幅器１２と１３のいずれか一方の出力
が取り出される。

【０００９】この動作を図３において説明する。図３は
上記実施例の装置の周波数配置を示す。レベルの高い周
波数成分は局部発振器の周波数、レベルの低い成分はＦ
Ｍ変調波を示す。第１のＩＦ周波数１３０ＭＨｚは国内
で統一されたものであり、第２のＩＦ周波数は、スプリ
アスが帯域外の周波数となることと、７ＧＨｚ帯と１０
ＧＨｚ帯の中心周波数を加算して半分とした周波数に局
部発振周波数を設定すれば、局部発振器２２の周波数可
変範囲が狭くなることを考慮し、２,０００ＭＨｚとし
た。図１では１,８７０ＭＨｚと２,１３０ＭＨｚの局部
発振器１５,１６を別々とし切換える図としたが、Ｃ／
Ｎが良い状態で１,８７０ＭＨｚ〜２,１３０ＭＨｚをカ
バーする発振器（周波数シンセサイザ等）に置換えこの
周波数を制御するようにすれば、局部発振器１５、１６
を１つにでき、切り換え器１７も不要となる。

【００１０】また、受信機においても送信機と同様の周
波数変換方法をとれば、７ＧＨｚ帯、１０ＧＨｚ帯の受
信波を８.５ＧＨｚ帯、１,８７０ＭＨｚ、２,１３０Ｍ
Ｈｚの３つの局部発振器出力により１３０ＭＨｚＩＦ信
号を得ることができる。なお、本実施例によれば、従来
に比較して少なくとも関連部分で７０％、全体で９０％
に小型化することができる。

【００１１】図５は他の実施例の一部を示すもので、映
像信号において７ＧＨｚ時と１０ＧＨｚ時で映像信号の
極性を反転させる回路である。映像入力端子２４は反転
入力増幅器２５と切換器２６の入力側の一方の端子に接
続する。反転増幅器２５の出力は切換器２６の入力側の
他方の端子と接続され、切換器２６の出力側の端子から
の出力は１３０ＭＨｚ変調器２７に入力され、変調器２
７の出力は出力端子２８から出力される。出力された信
号は、図１の入力端子１に入力される。この場合、７Ｇ
Ｈｚ帯選択時、下記のように反転増幅器２５で映像信号
の極性が反転されて入力端子１に入力されるものとする
と、図１の局部発振器１６、切換器１７は不要となる。
７ＧＨｚ帯の場合は切換器２６を下側に倒し、反転され
た映像信号でＦＭ変調し、１０ＧＨｚ帯の場合は切換器
２６を上側としてＦＭ変調する。図５による実施例によ
ればさらに小形、低価格化が図れるが、１３０ＭＨｚの
変調器等の特性により、映像の微分位相、微分利得の特
性が低下すると考えられる。これに比べ２ＧＨｚ等の高
周波回路では微分位相、微分利得の特性が影響されにく
い。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、従来の５ＧＨｚ帯、９
ＧＨｚ帯の２個の局部発振器を８.５ＧＨｚ帯の１個と
することができる。これらの発振器は周波数が高い、周
波数可変回路が必要である等の理由から、その個数低減
は装置の小形、軽量、低価格化に効果がある。追加され
る２ＧＨｚ帯の局部発振器は周波数が比較的低い、周波
数が二つに決まっているため小形、安価に実現すること
が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による送信機の構成を示すブロック図で
ある。

【図２】従来技術による送信機の構成を示すブロック図
である。

【図３】本発明における周波数配置を示す図である。

【図４】従来装置における周波数配置を示す図である。

【図５】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ １３０ＭＨｚ ＩＦ入力端子 ２ ＲＦ出力端子 ３，７，１８，２１ 混合器 ４，１５，１６，８，９，２２ 局部発振器 ５，１９ 帯域通過ろ波器 ６，２０，１２，１３ 増幅器 １０，１４，１７，２６ 切換器 １１，２３ 共用器 ２４ 映像入力端子 ２５ 映像反転増幅器 ２７ 変調器 ２８ ＩＦ出力端子

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２つの送信周波数のうち一方を選択し、
   入力されたＩＦ信号を基として前記選択された送信周波
   数のＲＦ信号（以下、送信信号と称す）を送信するテレ
   ビジョン信号送信機を有するテレビジョン信号伝送装置
   において、前記２つの送信周波数のうちより低い送信周
   波数の送信信号を送信するときは前記２つの送信周波数
   の差の１／２の周波数から前記ＩＦ信号の周波数を減じ
   た周波数（以下、第１発振周波数と称す）の第１発振信
   号に応じて前記ＩＦ信号の周波数変換を行い、前記２つ
   の送信周波数のうちより高い送信周波数の送信信号を送
   信するときは前記２つの送信周波数の差の１／２の周波
   数に前記ＩＦ信号の周波数を加えた周波数（以下、第２
   発振周波数と称す）の第２発振信号に応じて前記ＩＦ信
   号の周波数変換を行う第１混合器と、該第１混合器から
   得られる前記２つの送信周波数の差の１／２の周波数の
   信号のみを選択出力する第１選択出力手段と、前記２つ
   の送信周波数の和の１／２の周波数（以下、第３発振周
   波数と称す）である第３発振信号に応じて前記第１選択
   出力手段から出力された信号の周波数変換を行う第２混
   合器と、該第２混合器から得られる前記２つの送信周波
   数の信号の一方を選択切換え出力する第２選択出力手段
   とを有し、前記第２選択出力手段から出力された送信信
   号を送信することを特徴とするテレビジョン信号伝送装
   置。
2. 【請求項２】 ２つの受信周波数のうち一方を選択し、
   前記選択された受信周波数のＲＦ信号（以下、受信信号
   と称す）を受信し、前記受信信号を基とするＩＦ信号を
   生成出力するテレビジョン信号受信機を有するテレビジ
   ョン信号伝送装置において、受信した前記２つの受信周
   波数の信号の一方を選択出力する第３選択出力手段と、
   前記２つの受信周波数の和の１／２の周波数（以下、第
   ４発振周波数と称す）である第４発振信号に応じて前記
   第３選択出力手段から選択出力された信号の周波数変換
   を行う第３混合器と、該第３混合器から得られる前記２
   つの受信周波数の差の１／２の周波数の信号のみを選択
   出力する第４選択出力手段と、前記２つの受信周波数の
   うちより低い受信周波数の受信信号を受信するときは前
   記２つの受信周波数の差の１／２の周波数から前記ＩＦ
   信号の周波数を減じた周波数（以下、第１発振周波数と
   称す）の第１発振信号に応じて第４選択出 力手段から出
   力された信号の周波数変換を行い、前記２つの受信周波
   数のうちより高い受信周波数の受信信号を受信するとき
   は前記２つの受信周波数の差の１／２の周波数に前記Ｉ
   Ｆ信号の周波数を加えた周波数（以下、第２発振周波数
   と称す）の第２発振信号に応じて第４選択出力手段から
   出力された信号の周波数変換を行う第４混合器とを有す
   ることを特徴とするテレビジョン信号伝送装置。
3. 【請求項３】 ２つの送信周波数のうち一方を選択し、
   前記２つの送信周波数のうちより低い送信周波数の送信
   信号を送信するときと、より高い送信周波数の送信信号
   を送信するときとで前記入力されたＩＦ信号の信号位相
   がそれぞれ１８０°反転したＩＦ信号を基として前記選
   択された送信周波数のＲＦ信号（以下、送信信号と称
   す）を送信するテレビジョン信号送信機を有するテレビ
   ジョン信号伝送装置において、前記２つの送信周波数の
   差の１／２の周波数から前記ＩＦ信号の周波数を減じた
   周波数（以下、第１発振周波数と称す）の、あるいは、
   前記２つの送信周波数の差の１／２の周波数に前記ＩＦ
   信号の周波数を加えた周波数（以下、第２発振周波数と
   称す）の発振信号に応じて前記ＩＦ信号の周波数変換を
   行う第１混合器と、該第１混合器から得られる前記２つ
   の送信周波数の差の１／２の周波数の信号のみを選択出
   力する第１選択出力手段と、前記各送信周波数の和の１
   ／２の周波数（以下、第３発振周波数と称す）である第
   ３発振信号に応じて前記第１選択出力手段から出力され
   た信号の周波数変換を行う第２混合器と、該第２混合器
   から得られる前記２つの送信周波数の信号の一方を選択
   切換え出力する第２選択出力手段とを有し、前記第２選
   択出力手段から出力された送信信号を送信することを特
   徴とするテレビジョン信号伝送装置。