JP3459956B2 - ギャップ制御方法およびギャップ制御装置 - Google Patents

ギャップ制御方法およびギャップ制御装置

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JP3459956B2
JP3459956B2 JP2001016620A JP2001016620A JP3459956B2 JP 3459956 B2 JP3459956 B2 JP 3459956B2 JP 2001016620 A JP2001016620 A JP 2001016620A JP 2001016620 A JP2001016620 A JP 2001016620A JP 3459956 B2 JP3459956 B2 JP 3459956B2
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mandrel
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孝 岡松
茂之 瀧野
惠康 全
壱 土佐田
智全 武部
邦弘 三芳
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットストリップ
ミルなどで熱間圧延された帯鋼板を巻取装置で巻取る際
のマンドレルとラッパーロールとのギャップを制御する
ためのギャップ制御方法およびギャップ制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばホットストリップミルで熱
間圧延された帯鋼板を巻取るための巻取装置は、帯鋼板
が巻付けられるマンドレルと、このマンドレルへの巻付
を補助するようにマンドレルの周囲に配設される複数の
ラッパーロールとを備えてなるものとされる。このよう
な巻取装置においては、板厚に応じてマンドレルとラッ
パーロールとのギャップを精密に調整することが良好な
巻付けを行うための必須条件とされ、このため、ギャッ
プの零点を正確に設定することが重要となる。
【0003】図5に、従来の巻取装置の一例を示し(特
開平11−10227号公報)、この巻取装置100
は、帯鋼板を巻取るマンドレル101と、マンドレル1
01への帯鋼板の巻付けを補助するようにマンドレル1
01の周囲に配設される複数のラッパーロール102
と、ラッパーロール102を図の開閉方向に移動可能に
支持するフレーム103と、フレーム103を前記開閉
方向に駆動する駆動機構104と、駆動機構104によ
る駆動量を調整してマンドレル101とラッパーロール
102とのギャップG´を制御するギャップ調整器10
5と、ラッパーロール102のマンドレル101との接
触による回転を検出しギャップ調整器105に出力する
回転検出器106とを備えてなるものとされる。
【0004】この巻取装置100においては、回転検出
器106が、ラッパーロール102とマンドレル101
との接触によりラッパーロール102を回転駆動する駆
動装置の電流が変化するのを検出し、ギャップ調整器1
05が、この時点のラッパーロール102の位置をギャ
ップG´の零点として認識するものとされる。
【0005】ところが、このような巻取装置には、マン
ドレルが外径を拡縮できるように所定数のセグメントに
縦割りに分割されているものがあり(例えば、特公昭6
4−130号公報、特開平9−206827号公報およ
び特開平10−58038号公報参照)、このようなセ
グメント式のマンドレルにおいては各セグメントの連結
機構のガタ・遊びなどの影響により、単にマンドレルと
ラッパーロールとの接触を検知するだけでは正確に零点
を検出することができず、精密なギャップの制御が困難
であるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、複数のセグメン
トから構成されるマンドレルを有する巻取装置、例えば
ダウンコイラにおいてマンドレルとラッパーロールとの
ギャップを精密に調整することができるギャップ制御方
法およびギャップ制御装置を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のギャップ制御方
法は、帯鋼材を巻取るための巻取装置におけるマンドレ
ルとラッパーロールとのギャップを制御するギャップ制
御方法であって、ギャップ制御の前に零調開始点に対し
て1次零点設定処理をなすことを特徴とする。
【0008】本発明のギャップ制御方法の好ましい形態
は、帯鋼材を巻取るための巻取装置におけるマンドレル
とラッパーロールとのギャップを制御するギャップ制御
方法であって、ギャップ制御の前に零調開始点に対して
1次零点設定処理をなし、ついでこの1次零点設定処理
により得られた1次零点に対して2次零点設定処理をな
すことを特徴とする。
【0009】本発明のギャップ制御方法においては、1
次零点設定処理が、1次補正値確定処理により得られた
1次補正値を用いて零調開始点を補正することによりな
されるのが好ましい。その場合、1次零点設定処理にお
いて、設定された1次零点を基準として所定のギャップ
を設定し、この状態で静止しているマンドレルとラッパ
ーロールとの間隙を実測したときの実測結果に基づいて
前記設定された1次零点を修正することを所定回繰り返
し、それにより1次補正値を安定化させたプリセット値
とするプリセット値確立処理を実施するのがさらに好ま
しい。
【0010】 また、本発明のギャップ制御方法におい
ては、2次零点設定処理を各種板厚の帯鋼材を巻取るた
めのギャップ設定ごとになすのが好ましい。その場合、
2次零点設定処理において、マンドレルの巻取り回転速
度によるマンドレルの径方向の膨らみ量に基づいて2次
零点が設定されるのがさらに好ましい。
【0011】一方、本発明のギャップ制御装置は、帯鋼
材を巻取るための巻取装置におけるマンドレルとラッパ
ーロールとのギャップを制御するギャップ制御装置であ
って、零調開始点設定手段と、該零調開始点設定手段に
より設定された零調開始点に対して所定処理をなして1
次零点を設定する1次零点補正手段と、前記1次零点に
対して所定処理をなして2次零点を設定する2次零点補
正手段とを備えてなることを特徴とする。
【0012】本発明のギャップ制御装置においては、2
次零点補正手段が、1次零点に対してマンドレルを構成
するセグメント機構の遠心力による撓みを補正して2次
零点を設定するのが好ましい。
【0013】しかして、本発明のギャップ制御装置は、
巻取装置に備えられる。
【0014】
【作用】本発明は前記の如く構成されているので、マン
ドレルを構成するセグメント機構内部の遊び・ガタによ
るマンドレル−ラッパーロール間のギャップの設定誤差
を解消することができるとともに、セグメント機構内で
セグメント自身に遠心力がかかることによるセグメント
の撓みおよび内部の遊び・ガタと遠心力との相乗作用に
より発生する前記ギャップの設定誤差を解消して、ギャ
ップ制御を精密になし得る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0016】図1に、本発明の一実施形態に係るギャッ
プ制御方法が適用されるダウンコイラの概略構成を示
し、このダウンコイラAは、例えばホットストリップミ
ル(不図示である)により熱間圧延され、ランアウトテ
ーブルT上を搬送されてくる熱間帯鋼板(以下、ストリ
ップという)Sを巻取るための巻取装置とされる。
【0017】すなわち、ダウンコイラAは、ランアウト
テーブルTからピンチロールPにより取り込まれたスト
リップSを巻取るためのマンドレル10と、マンドレル
10へのストリップSの巻付けを補助するようにマンド
レル10の周囲に配される1または複数(実施形態1で
は3個)のラッパーロール20と、各ラッパーロール2
0とマンドレル10とのギャップGを調整するように各
ラッパーロール20をマンドレル10の径方向に駆動す
るラッパーロール駆動機構30と、マンドレル10によ
るストリップSの巻き取り速度およびラッパーロール駆
動機構30による各ラッパーロール20の駆動量を制御
する制御装置40とを備えてなるものとされる。
【0018】マンドレル10は、ストリップSが巻付け
られる丸棒状部材であり、その外径(もしくは外周)を
拡縮可能なように縦割りに複数のセグメントに分割され
た構造を有するものとされる。
【0019】すなわち、図2に示すように、マンドレル
10は同図(a)に示すような断面形状を有する複数
(本実施形態では4個)のセグメント11から構成され
る。各セグメント11は、複数(本実施形態では2個)
のリンク部材12を介してそれぞれマンドレル10の中
空部分13に挿通される回転軸としてのマンドレルバー
14と接続されている。マンドレルバー14の一端側
は、連結部材15を介して油圧シリンダ16のロッド1
7と連結されており、油圧シリンダ16によりマンドレ
ルバー14を駆動することによって、各セグメント11
がマンドレル10の径方向に変位され、マンドレル10
の外径が調整される。すなわち、リンク部材12、マン
ドレルバー14、連結部材15、油圧シリンダ16およ
びロッド17により、マンドレル10の外径を調整する
ためのマンドレル径調整機構Bが構成される。
【0020】なお、本明細書では各セグメント11と、
この各セグメント11を回転軸であるマンドレルバー1
4に接続する接続部材としてのリンク部材12とからな
る機構をセグメント機構と称するものとする。
【0021】図2では、下方向にマンドレルバー14が
駆動されたときにマンドレル10は拡径し、上方向に駆
動されたときにマンドレル10は縮径する。これによ
り、巻取工程がある程度進行した時点にマンドレル10
の外径を拡大させるようにして、テンションを加えてス
トリップSを強固に巻取るようにする際にもマンドレル
10が巻き取られたストリップSとの間でスリップする
のを防止することが可能となる。
【0022】ラッパーロール20はマンドレル10と平
行にかつマンドレル10の周方向にほぼ等間隔で並ぶよ
うに配設され、ストリップSのマンドレル10への巻付
けを補助するものとされる。補助の必要がなくなった時
点で、各ラッパーロール20は、マンドレル10外周面
から所定距離離れた待機位置まで後退させられる。
【0023】ラッパーロール駆動機構30は、例えば油
圧シリンダから構成され、各ラッパーロール20がスト
リップSのマンドレル10への巻付けを補助する巻付け
補助位置における、各ラッパーロール20とマンドレル
10とのギャップGを調整するように、各ラッパーロー
ル20をマンドレル10の径方向に駆動する。また、ラ
ッパーロール駆動機構30は、各ラッパーロール20を
前記待機位置と巻付け補助位置との間で移動させる移動
手段としての機能も有する。
【0024】制御装置40は、所定の低速度で回転して
いるマンドレル10に所定の押付け力でラッパーロール
20を押付けたときのラッパーロール20の位置を零点
設定処理の開始点、つまり零調開始点とし、この零調開
始点に対して1次補正処理をなすことにより零点(以
下、この零点を1次零点という)を設定し、ついでこの
1次零点に対して2次補正処理をなすことにより補正
し、その補正された零点(以下、この補正された零点を
2次零点という)を基準にマンドレル10とラッパーロ
ール20とのギャップGを設定するよう制御するものと
される。
【0025】図3に、このような制御装置の詳細を示
す。
【0026】すなわち、制御装置40は、所定の低速度
で回転しているマンドレル10に、所定の押付け力でラ
ッパーロール20を押付けたときのラッパーロール20
の位置を零調開始点に設定する零調開始点設定手段41
と、この零調開始点に対して各ラッパーロール20ごと
に個別に選定される所定値(以下、1次補正値という)
を加算することにより、零調開始点を補正して1次零点
を得る1次零点設定手段42と、この1次零点に各板厚
に対する巻き取り速度に対応させて選定される所定値
(以下、2次補正値という)を加算することにより、1
次零点を補正して2次零点を得る2次零点設定手段43
と、2次零点を基準にギャップGを設定するギャップ設
定手段44とを備えてなるものとされる。
【0027】ここで、1次補正値は、静止しているマン
ドレル10と各ラッパーロール20とのギャップGの設
定が正確になされるように選定され、2次補正値は、回
転しているマンドレル10と各ラッパーロール20との
ギャップGの設定が正確になされるように選定される。
【0028】また、1次補正値の選定においては、零調
開始点に基づきギャップGを設定し、設定されたギャッ
プGの実測結果に基づき1次補正値を選定し、選定され
た1次補正値を加算して1次零点を設定し、設定された
1次零点に基づきギャップGを設定し、設定されたギャ
ップGの実測結果に基づき1次補正値を修正するという
手順を所定回数繰り返すようにして、最終的な1次補正
値が確立される。このようにして一旦1次補正値が選定
されると、マンドレル10を構成するセグメント11の
交換などが行われない限り1次補正値を変更する必要は
ない。
【0029】同様に、2次補正値の選定においても、所
定の計算により2次補正値の選定が行われ、選定された
2次補正値に依る2次零点に基づきギャップGが設定さ
れ、設定されたギャップGの実測結果に基づき2次補正
値を修正して最終的な2次補正値を選定するという手順
が行われる。
【0030】制御装置40は、その他に当然のことなが
ら、各ラッパーロール20のマンドレル10への押付け
力を検出してマンドレル10と各ラッパーロール20と
の接触を検知する機能も有している。
【0031】なお、かかる機能および各手段41,4
2,43,44を備えた制御装置40は、例えば前記機
能および各手段41,42,43,44に対応させたプ
ログラムをコンピュータに格納することにより実現され
る。
【0032】しかして、かかる構成とされた制御装置4
0は、零調開始点を設定し、その零調開始点に前述した
ような手順を数回繰り返し実施することに確立される補
正値(1次補正値)を加算して1次零点を確定する。す
なわち、ラッパーロール20を所定の押付け力でマンド
レル10に押付けることによって自動的に零調開始点を
設定する自動ギャップ零調処理を実施するとともに、こ
の零調開始点を補正して1次零点を得る1次零点設定処
理を実施する。しかる後にマンドレル10の回転速度に
応じた補正値(2次補正値)を加算して2次零点が設定
される。
【0033】以下、その手順について詳細に説明する。
【0034】手順(1):マンドレル10の外径がスト
リップS巻取開始時の所定の外径(以下、巻取開始時外
径という)となるように、マンドレル径調整機構Bによ
り各セグメント11を移動させる。なお、巻取開始時外
径はマンドレルの真円径となる。
【0035】手順(2):所定の低速度(例えば、40
rpm)で回転させたマンドレル10に各ラッパーロー
ル20を接触させる。このように、回転させた状態でマ
ンドレル10と各ラッパーロール20とを接触させるの
は一箇所で継続的に接触させることによるマンドレル1
0および各ラッパーロール20の変形量を平均化するた
めであり、この目的に応じて前記所定の低速度は設定さ
れる。
【0036】手順(3):マンドレル10と各ラッパー
ロール20との接触が検知された時点で、ラッパーロー
ル駆動機構30により所定の押し付け力で各ラッパーロ
ール20をマンドレル10に押し付けるように制御する
押付力制御を開始する。このときの押し付け力は、セグ
メント11自重、前記セグメント機構内のバネ力などを
考慮して決定される。
【0037】手順(4):前記押し付け力が安定した時
点の各ラッパーロール20の位置を、例えばラッパーロ
ール駆動機構30を構成する油圧シリンダの油柱値を用
いて検出し、この検出された位置を前記手順(1)にお
ける巻取時外径に対する零調開始点として設定し、それ
に1次補正値を加えて1次零点として記憶する。なお、
手順(1)〜手順(4)が、前記自動ギャップ零調処理
に該当する。
【0038】手順(5):零調開始点を基準としてラッ
パーロール駆動機構30により各ラッパーロール20を
各ギャップG(例えば、5,10,15,20mm)に
対応する所定距離マンドレル10の径方向外方に移動さ
せて、この状態で巻取開始時外径とされた静止している
マンドレル10と各ラッパーロール20との間隙を実際
にブロックゲージなどを用いて計測する。
【0039】手順(6):手順(5)で移動された所定
距離とブロックゲージによる実測値とを比較し、その比
較結果に基づいて1次零点を修正する。
【0040】手順(7):前記修正された1次零点を用
いて手順(5)および(6)と同様の操作を所定回繰り
返し、前記修正された1次零点を再修正する。つまり、
1次補正値の確定処理を行う。これにより、静止してい
るマンドレル10と各ラッパーロール20とのギャップ
Gを調整するための1次補正値(以下、プリセット値と
いう)が正確に設定される。このようにして確立される
プリセット値は安定度が高いためにセグメント機構を構
成する各部材の交換などがない限り変更されない。な
お、前記説明から明らかなように、手順(5)、(6)
および(7)がプリセット値確立処理を構成する。
【0041】手順(8):各種板厚のストリップSを実
際に巻取る際のマンドレル10の各巻取り速度値毎に、
マンドレル10の径方向の膨らみ量を下記に示すような
要領にて演算し、得られた膨らみ量を用いて手順
(5)、(6)および(7)により確立されたプリセッ
ト値を各種板厚のストリップSを巻き取る前のギャップ
G設定ごとに補正することによって、つまりプリセット
値に2次零点設定処理を実施することによって、当該巻
取処理におけるギャップGの2次零点、つまりギャップ
Gを調整するための基準点をギャップG設定ごとに決定
する。
【0042】ここで、各巻取り回転数毎のマンドレル1
0の径方向の膨らみ量を演算する手順は以下のようであ
る。
【0043】1.マンドレル10の各セグメント11に
径方向に働く外力Fの算出手順 このような外力Fには、マンドレル10の回転による遠
心力F1および各セグメント11を径方向外方に付勢す
るバネ(不図示である)の付勢力F2などがある。
【0044】マンドレル10の回転により各セグメント
11に働く遠心力F1は下記式(1)で表される。
【0045】 F=mv2/r (1)
【0046】ここで、v:マンドレル10外周の周速
度、r:マンドレル10の半径、m:各セグメント11
の質量をそれぞれ表す。
【0047】例えば、各セグメント11の質量が700
kg、周速度が15m/s、マンドレル10の直径が7
45mmであれば、遠心力F1は、 700×152÷(0.745÷2×9.8)=43,
145(kg重) となる。つまり、約43tの遠心力が1つのセグメント
11に働くことになる。
【0048】2.各セグメント11に働く外力Fに起因
する各セグメント11の径方向への膨らみ量(たわみ
量)δ1の算出手順 外力Fを分布加重wとしたときの各セグメント11中央
部における膨らみ量δ 1は、下記式(2)で表される。
【0049】 δ1=(ws22((5s22−(24s12)/384EI (2)
【0050】ここで、s2:各リンク部材12により支
持される支点間の距離、E:弾性係数、I:断面2次モ
ーメント、s1:支点間外への張出し部分の平均距離を
それぞれ表す。
【0051】前述の例で、各セグメント11の全長を1
970mm、弾性係数Eを21000kg/mm2、断
面2次モーメントIを5.87×107mm4、支点間距
離s2を1390mmおよびバネの付勢力F2を483
kg重とすると、膨らみ量δ1は約0.71mmとな
る。
【0052】3.外力Fによる各部材の伸びによる膨ら
み量δ2の算出手順 外力Fの影響を受ける部材には、リンク部材12、マン
ドレルバー14および連結部材15がある。
【0053】3−1.リンク部材12の伸びによる膨ら
み量δ2L 外力Fによって各リンク部材12の軸方向にかかる荷重
Lは下記式(3)により表される。
【0054】 fL=f/sinθ (3)
【0055】ここで、f:リンク部材12の1本当りに
かかる荷重、θ:マンドレル10の軸方向と各リンク部
材12長手方向とのなす角をそれぞれ表す。
【0056】前述した例で2本のリンク部材12で各セ
グメント11を接続するものとし、角θを70.4°と
すれば、荷重fLは23,670kg重となる。
【0057】また、荷重fLによる各リンク部材12の
伸びδLは下記式(4)で表される。
【0058】 δL=fL×s3/EA (4)
【0059】ここで、s3:各リンク部材12の長さ、
A:各リンク部材12の断面積をそれぞれ表す。前述し
た例で断面積Aを4750mm2とすると、各リンク部
材12の軸方向の伸びは約0.05mmとなる。
【0060】3−2.外力Fによるマンドレルバー14
の圧縮量δB 遠心力Fによりマンドレルバー14が各リンク部材12
を介して圧縮される力FBは下記式(5)により表され
る。
【0061】 FB=N×F/tanθ (5)
【0062】ここで、Nはセグメント11の個数を表
す。
【0063】前述の例では力FBは、 4×44596÷tan70.4=63520(kg重) となる。
【0064】また、力FBによるマンドレルバー14の
圧縮量δBは下記式(6)により表される。
【0065】 δB=(FB×SB)/(E×(π/4)×(rB2) (6)
【0066】ここで、SB:マンドレルバー14の軸方
向長さ、rB:マンドレルバー14の横断面の直径をそ
れぞれ表す。
【0067】前述の例で長さSBが1565mmであ
り、直径rBが125mmであれば、圧縮量δBは約0.
39mmとなる。
【0068】以上より、連結部材15におけるロッド1
7とマンドレルバー14との間隙をδGとし、リンク部
材12のセグメント11およびマンドレルバー14との
各接続位置の軸方向の距離をsMとすれば、膨らみ量δ2
は下記式(7)により算出される。
【0069】 δ2=(sL+δL2−(sM―δB−δG2−sL 2+sM 2 (7)
【0070】このように、本発明のギャップ制御方法お
よび制御装置40は、低速度で回転されるマンドレル1
0に所定の押し付け力により各ラッパーロール20を押
し付けたときの各ラッパーロール20の位置を零調開始
点として、1次零点設定処理により、静止しているマン
ドレル10とラッパーロール20とのギャップGを設定
するための零点が正確に補正されるので、連結部材15
やリンク部材12の接合部分におけるガタ・遊びなどの
影響によるギャップGの設定誤差を解消して、ギャップ
Gを正確に設定することが可能となる。
【0071】また、2次零点設定処理により、マンドレ
ル10に各種板厚のストリップSを巻き取る際の各巻取
速度値に応じて零点を補正し、補正された零点(2次零
点)を用いてギャップGを調整するよう制御するので、
遠心力などの外力Fによるマンドレル10のセグメント
機構の撓みを考慮してギャップGを設定することが可能
となり、さらに精密にギャップGを制御することが可能
となる。
【0072】
【実施例】図4に、本実施形態の前記手順(1)〜
(4)により実際に零調開始点を検出した際に得られた
各部データを示す。
【0073】ここで、同図(a)、(b)、(c)はそ
れぞれ、本実施形態の3本の各ラッパーロール20(以
下、各ラッパーロール20を符号#1,#2,#3で示
す)の位置(P#1、P#2、P#3)および押し付け
力(F#1、F#2、F#3)の変化を示している。
【0074】すなわち、時刻t1に各ラッパーロール#
1,#2,#3の駆動が開始され、各ラッパーロール#
1,#2,#3はラッパーロール駆動機構30によりマ
ンドレル10外周面から所定距離の位置(例えば、6m
mの位置)に達するまで急速(例えば、50mm/se
c)に移動される。
【0075】時刻t1における各ラッパーロール#1,
#2,#3の駆動開始後、時刻t2にラッパーロール#
3が前記所定距離の位置に到達し、時刻t3にラッパー
ロール#1が前記所定距離の位置に到達し、時刻t4
ラッパーロール#2が前記所定距離の位置に到達してい
る。
【0076】各ラッパーロール#1,#2,#3が前記
所定距離の位置に到達した後、時刻t5に、低速度(例
えば、0.1mm/sec)で各ラッパーロール#1,
#2,#3をマンドレル10に接近させていく微速接近
制御が開始される。
【0077】時刻t6に、制御装置40により、ラッパ
ーロール#2とマンドレル10との接触が検知され、時
刻t7にラッパーロール#1とマンドレル10との接触
が検知され、時刻t8にラッパーロール#3とマンドレ
ル10との接触が検知されると、各時点から、所定の押
し付け力(例えば、15KN)により各ラッパーロール
#1,#2,#3をマンドレル10に押し付けていく押
し付け力制御が開始される。
【0078】時刻t9には、各ラッパーロール#1,#
2,#3における押し付け力が前記所定の押し付け力で
安定したことが確認され、その時点における各ラッパー
ロール#1,#2,#3の位置P1,P2,P3が各ラッ
パーロール#1,#2,#3のギャップの零位置(零調
開始点)と認識された後、各々に1次補正値が加算さ
れ、各々、1次零点として制御装置40に記憶される。
【0079】以上、本発明を実施形態および実施例に基
づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態および
実施例に限定されるものではなく、種々改変が可能であ
る。例えば、実施形態においては、マンドレルは4個の
セグメントから構成されているが、セグメントの数は4
個に限定されるものではなく、3あるいは6などとする
こともできる。また、ラッパーロールの数も3に限定さ
れるものではなく、4以上とすることもできる。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、所定の
低速度で回転しているマンドレルに所定の押付け力でラ
ッパーロールを押付けたときのラッパーロールの位置を
零調開始点として、1次零点設定処理、あるいは1次零
点設定処理に加えて2次零点設定処理により得られた零
点を基準に、マンドレルとラッパーロールとのギャップ
を制御するようにしているので、マンドレルが複数のセ
グメントから構成された拡縮自在な構造とされている場
合であっても、この拡縮機構におけるガタ・遊びなどに
起因するギャップの設定誤差を解消して精密なギャップ
制御がなし得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るギャップ制御方法が
適用されるダウンコイラの概略構成を示す模式図であ
る。
【図2】同ダウンコイラのマンドレルの詳細構造を示す
概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るギャップ制御方法に
適用される制御装置の一例のブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に係るギャップ制御方法にお
ける1次零点設定手順を構成する自動ギャップ零調処理
のシーケンス動作を示すグラフ図である。
【図5】従来のダウンコイラの概略構成を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
A ダウンコイラ B マンドレル径調整機構 G ギャップ 10 マンドレル 11 セグメント 20 ラッパーロール 30 ラッパーロール駆動機構 40 制御装置 41 零点設定手段 42 第1零点補正手段 43 第2零点補正手段 44 駆動指示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土佐田 壱 明石市川崎町1番1号 川重テクノサー ビス株式会社内 (72)発明者 武部 智全 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 三芳 邦弘 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川重プラント株式会社内 (56)参考文献 特開2001−1044(JP,A) 特開 平11−10227(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 45/00 - 49/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯鋼材を巻取るための巻取装置における
    マンドレルとラッパーロールとのギャップを制御するギ
    ャップ制御方法であって、 ギャップ制御の前に零調開始点に対して1次零点設定処
    理をなすことを特徴とするギャップ制御方法。
  2. 【請求項2】 帯鋼材を巻取るための巻取装置における
    マンドレルとラッパーロールとのギャップを制御するギ
    ャップ制御方法であって、 ギャップ制御の前に零調開始点に対して1次零点設定処
    理をなし、ついでこの1次零点設定処理により得られた
    1次零点に対して2次零点設定処理をなすことを特徴と
    するギャップ制御方法。
  3. 【請求項3】 1次零点設定処理が、1次補正値確定処
    理により得られた1次補正値を用いて零調開始点を補正
    することによりなされることを特徴とする請求項1また
    は2記載のギャップ制御方法。
  4. 【請求項4】 1次補正値確定処理において、設定され
    た1次零点を基準として所定のギャップを設定し、この
    状態で静止しているマンドレルとラッパーロールとの間
    隙を実測したときの実測結果に基づいて前記設定された
    1次零点を修正することを所定回繰り返し、それにより
    1次補正値を安定化させたプリセット値とするプリセッ
    ト値確立処理を実施することを特徴とする請求項3記載
    のギャップ制御方法。
  5. 【請求項5】 2次零点設定処理を各種板厚の帯鋼材を
    巻取るためのギャップ設定ごとになすことを特徴とする
    請求項2記載のギャップ制御方法。
  6. 【請求項6】 2次零点設定処理において、マンドレル
    の巻取り回転速度によるマンドレルの径方向の膨らみ量
    に基づいて2次零点が設定されることを特徴とする請求
    項5記載のギャップ制御方法。
  7. 【請求項7】 帯鋼材を巻取るための巻取装置における
    マンドレルとラッパーロールとのギャップを制御するギ
    ャップ制御装置であって、零調開始点設定手段と、該零
    調開始点設定手段により設定された零調開始点に対して
    所定処理をなして1次零点を設定する1次零点補正手段
    と、前記1次零点に対して所定処理をなして2次零点を
    設定する2次零点補正手段とを備えてなることを特徴と
    するギャップ制御装置。
  8. 【請求項8】 2次零点補正手段が、1次零点に対して
    マンドレルを構成するセグメント機構の遠心力による撓
    みを補正して2次零点を設定することを特徴とする請求
    項7記載のギャップ制御装置
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載のギャップ制御装
    置を備えてなることを特徴とする巻取装置。
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