JP3459880B2 - 二重化ディスク制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、二重化ディスク制御装
置に関し、特に、二重化ディスク制御装置からのデータ
読出し処理の制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】ディスク記憶装置は、大容量のデータを
記憶する装置であり、この装置に記憶したデータを故障
により消失してしまうことはコンピュータシステムにと
って致命的問題となる。この問題を防ぐため、データ記
録時に２台のディスク記憶装置に同一のデータを記憶さ
せることにより、１台のディスク記憶装置が故障しても
もう１台の正常なディスク記憶装置により正常運転を継
続する、いわゆる二重化ディスク制御装置が知られてい
る。

【０００３】このような二重化ディスク制御装置におい
ては、従来から２台のディスク記憶装置のうち所定の方
法により選択した１台のみからデータを読出す方式が採
用されている。しかしながらこの方式では、交替割付処
理されたブロックを読出すために交替領域へ移動を行う
場合や、読出しに失敗してリトライのためディスクの回
転待ちの状態となる場合等には、データ転送が中断し
て、結果的にリード処理時間が大きく延びる場合があ
る。

【０００４】この欠点を克服すべく、交替領域への移動
中、もしくはデータのリトライが行われている場合でも
データ転送を中断しないようにして、リード処理時間を
短縮させた二重化ディスク制御装置が、本願出願人によ
り特開平９−２３７１６３号に開示されている。図３及
び図４はこのディスク記憶装置の構成及び動作を説明す
る図である。

【０００５】図３に示すように、本願出願人による従来
の二重化ディスク制御装置２１は上位ＳＣＳＩ制御回路
２２により上位装置３１と接続されており、上位装置３
１からのデータ書込み命令があった場合に同一のデータ
をそれぞれ書込む第１及び第２のディスク記憶装置２９
Ａ、２９Ｂを有している。この二重化ディスク制御装置
２１全体の動作はマイクロプロセッサユニット２４によ
り制御され、上位装置から読出し命令があった場合は、
第１の系列（第１のディスク記憶装置２９Ａ、第１の下
位制御回路２８Ａ、第１のデータバッファ回路２７Ａ）
と第２の系列（第２のディスク記憶装置２９Ｂ、第１の
下位制御回路２８Ｂ、第１のデータバッファ回路２７
Ｂ）からそれぞれ独立にデータを読出すよう構成されて
いる。

【０００６】データバッファ格納ブロック数計数回路２
６Ａ、２６Ｂはそれぞれ第１及び第２のデータバッファ
回路２７Ａ、２７Ｂに格納されたデータブロック数をカ
ウントする。ここで、前記第１及び第２の系列のうち一
方の系列のデータ受け取りが遅れてもそれとは無関係に
他方の系列のデータ受け取りは行われるため、データバ
ッファ回路２７Ａ、２７Ｂに格納されたデータブロック
数には差が生じる場合がある。ＤＭＡ制御回路２３は１
ブロック毎に、第１及び第２のデータバッファ格納ブロ
ック数計数回路２６Ａ、２６Ｂが保持する格納ブロック
数の情報を読取り、該当ブロックのデータを早く格納し
終えている方のデータブロックが上位ＳＣＳＩ制御回路
２２へ転送されるようにデータバッファ切替回路２５の
スイッチングを行う。

【０００７】更に、ＤＭＡ制御回路２３は、上位装置３
１からの読出し命令に係る全データブロックのデータ転
送を早く終えた方のディスク記憶装置のデータ転送が正
常終了した時点で、上位装置３１に対しリード処理の終
了を報告する。

【０００８】図４には、この従来の二重化ディスク制御
装置２１において、上位装置３１から１０ブロックのデ
ータ読出し命令を受けた場合の動作の一例を示す。図４
において上下端には２台のＳＣＳＩディスク記憶装置２
９Ａ、２９Ｂの動作を示し、その一つ内側には第１及び
第２のデータバッファ回路２８Ａ、２８Ｂの動作を、更
に一つ内側には計数回路２７Ａ、２７Ｂの動作を、中央
には上位ＳＣＳＩ制御回路２２の動作を示す。なお、図
４では左から右にいくにつれて時間が経過するものとす
る。

【０００９】図４に示すように、上位装置３１からの読
出し命令に対し２台のディスク記憶装置２９Ａ、２９Ｂ
で独立にデータ転送を始めるが、転送準備期間の差によ
り、第１のディスク記憶装置２９Ａのデータ転送の方が
先に開始される。先に読み出された第１のディスク装置
２９Ａの１〜５ブロックのデータがデータバッファ回路
２８Ａ及び計数回路２７Ａの動作により上位ＳＣＳＩ制
御回路２２に転送され、上位装置３１へ送出される。し
かし、第１のディスク記憶装置２９Ａにおいて６ブロッ
ク目のデータ読出し時に、交替領域への移動あるいはリ
トライ処理が行われ転送が休止してしまう。この間に第
２のディスク記憶装置２９Ｂのデータ読出しが追いつい
て６ブロック目以降のデータが先に第２のデータバッフ
ァ回路２８Ｂに格納されたため、ＤＭＡ制御回路２３は
データバッファ切替回路２５のスイッチングを行い、６
ブロック目以降のデータブロックは第２のディスク記憶
装置から上位装置へ転送するようにしている。

【００１０】このようにして６〜１０ブロックのデータ
を第２のディスク装置２９Ｂから上位装置に転送した
後、ＤＭＡ制御回路２３は第２のディスク装置２９Ｂか
らのリード終了報告を受けることによりデータ転送が終
了したことを把握し、上位装置にリード終了報告が出さ
れる。

【００１１】

【発明が解決すべき課題】このように、本願出願人によ
る特開平９−２３７１６３号公報に開示された二重化デ
ィスク制御装置では、２台のディスク記憶装置２９Ａ、
２９Ｂから読み出されるデータのうちいち早く読み出せ
た方のデータを上位装置に転送すると共に、全ブロック
の読出しを早く終えた方のディスク記憶装置の読出し終
了時点で上位装置へリード処理終了を報告するようにし
ている。従って、読出しを行っている一方のディスク記
憶装置に途中で転送の中断が生じた場合にも、他方のデ
ィスク記憶装置の方が早ければデータ転送元をその都度
切り換えてデータ転送を継続し、その終了を早く終える
ことができる。

【００１２】しかしながら、このように構成した二重化
ディスク制御装置では、上位装置３１に転送されるデー
タは２台のディスク記憶装置２９Ａ、２９Ｂから読出し
たデータをブロック毎に混成してなるものであると共
に、いずれかのディスク記憶装置の読出しが正常終了し
たときにリード終了報告を行っている。そのため、以下
に述べるように、最終的に上位装置に送出するデータに
エラーが存在する可能性が残る。

【００１３】すなわち、図４に示す動作の例で説明する
と、上位装置３１へ転送される１０ブロックのデータの
うち、１〜５ブロックは第１のディスク記憶装置２９Ａ
から読出したものであり、６〜１０ブロックのデータは
第２のディスク記憶装置２９Ｂから読み出したものであ
る。また、ここでは第２のディスク記憶装置２９Ｂの全
データ（１〜１０ブロックのデータ）を正常にリード終
了したときに、上位装置３１にリード終了が報告されて
いる。従って第２のディスク記憶装置２９Ｂからのデー
タ（６〜１０ブロック）の正当性は全て保証されるが、
第１のディスク記憶装置２９Ａから読出したブロック１
〜５の正当性はチェックされていない。従って、もし第
１のディスク記憶装置２９Ａからのデータブロック１〜
５にエラーがある場合には、結果として上位装置３１に
送出されるデータにエラーが生じてしまう。

【００１４】本発明の目的は、二重化ディスク制御装置
において、データ読出し処理時間を短縮させると同時
に、上位装置へ転送するデータの信頼性を向上させるこ
とにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の二重化ディスク制御装置は、第１のディス
ク記憶装置と第２のディスク記憶装置とを有し、上位装
置のデータ書込み命令に対して前記第１及び第２のディ
スク記憶装置にそれぞれ同一のデータを書込み、前記上
位装置の読出し命令に対して前記第１及び第２のディス
ク記憶装置からデータを読み出す二重化ディスク制御装
置において、前記第１のディスク記憶装置から独立にデ
ータをブロック単位で読出して格納する第１のデータ格
納手段と、前記第２のディスク記憶装置から独立にデー
タをブロック単位で読出して格納する第２のデータ格納
手段と、これら第１及び第２のデータ格納手段を選択的
に前記上位装置へ接続し、選択した方のデータ格納手段
に格納されたデータブロックが前記上位装置に順次送出
されるようにする接続切替手段と、前記データブロック
毎に前記第１及び第２のデータ格納手段の格納状況を判
定し、当該ブロックの格納を早く完了している方のデー
タ格納手段と前記上位装置とが接続されるよう前記接続
切替手段を切替えるとともに、前記第１及び第２のディ
スク記憶装置のいずれか早い方が前記上位装置からの読
出し命令に係るデータブロックの全ての読出しが正常終
了したら、前記上位装置にデータ読出し処理終了を報告
するデータ転送制御手段と、前記第１及び第２のデータ
格納手段に接続され、これら第１及び第２のデータ格納
手段がともに読出しを完了したデータブロックについて
のデータ内容を比較して、データ内容が一致しない場合
に、前記上位装置に異常終了を報告するデータ比較手段
と、を具えることを特徴とする。

【００１６】このように二重化ディスク制御装置を構成
することにより、２台のディスク記憶装置から転送して
くるデータのうち、早く読み出せた方のデータをブロッ
ク単位で切替えて上位装置に転送すると共に、リードコ
マンドに係る全ブロックのデータを早く読み出し終えた
方のディスク記憶装置の読出し終了報告を受けた時点で
上位装置へ読み出し処理の終了を報告するようにする。
これと同時に２台のディスク記憶装置ともに読み出した
ブロックのデータ内容が同一であるかを比較回路を設け
て順次チェックすることにより、終了報告を受けていな
い方のディスク記憶装置から読み出したデータの正当性
も保証するようにしたため、上位装置へ転送するデータ
の信頼性を損なうことなく、交替領域への移動やリトラ
イによる処理時間の増大を防ぐことができる。

【００１７】また、本発明の二重化ディスク制御装置
は、前記データ転送制御手段が、前記第１及び第２のデ
ィスク記憶装置のいずれか一方において前記上位装置か
らの読出し命令に係るデータブロックの全ての読出しが
正常終了したら、前記上位装置にデータ読出し処理終了
を報告することを特徴とする。

【００１８】また、本発明の二重化ディスク制御装置
は、前記データ比較手段が比較した前記第１及び第２の
データ格納手段のデータ内容に不一致が検出された場合
に、前記上位装置に異常終了を報告することを特徴とす
る。

【００１９】また、本発明の二重化ディスク制御装置
は、前記データ転送制御手段が前記上位装置にデータ読
出し処理終了を報告した後は、前記データ比較手段が前
記第１及び第２のデータ格納手段のデータ内容の比較を
行わないようにしたことを特徴とする。

【００２０】データ転送制御手段が上位装置にデータ読
出し処理終了を報告したときには、上位装置への転送デ
ータを構成するデータブロックのうち、最後のデータブ
ロック及び当該ブロックと同じディスク記憶装置から転
送されたデータブロックについては、このディスク記憶
装置の全データ読出し正常終了報告がなされているため
保証されている一方、他方のディスク記憶装置から転送
されたデータブロックについては、前記比較手段により
データの比較が行われ、正当性が保証されている。従っ
て、この時点で比較作業を止めることにより、次のコマ
ンド等に迅速に対応させるようにすることができる。

【００２１】また、本発明の二重化ディスク制御装置
は、前記データ転送制御手段が前記上位装置にデータ読
出し処理終了を報告したときは、前記第１及び第２のデ
ィスク記憶装置のうち読出し処理が遅い方のディスク記
憶装置の読出し処理を中止することを特徴とする。全デ
ータの読出しが早く終了した方のディスク記憶装置の終
了報告に応じて上位装置に読出し処理終了を報告するた
め、その後の無駄な処理を防止して効率を上げることが
できる。

【００２２】

【発明の実施の形態】本発明に係る二重化ディスク制御
装置の実施の形態を、添付の図面を参照しながら以下に
説明する。図１は、本実施形態に係るディスク記憶装置
の構成を示すブロック図である。図１に示すように、二
重化ディスク制御装置１は、ＳＣＳＩ（Ｓｍａｌｌ Ｃ
ｏｍｐｕｔｅｒ Ｓｙｓｔｅｍｓ Ｉｎｔｅｒｆａｃ
ｅ）バスを介して上位装置１０と接続されており、この
上位装置１０からの書込み命令に対して二重化されたデ
ータをそれぞれ保持する第１のＳＣＳＩディスク記憶装
置９Ａと、第２のＳＣＳＩディスク記憶装置９Ｂとを有
している。

【００２３】これら第１及び第２のＳＣＳＩディスク記
憶装置９Ａ、９Ｂは、ＳＣＳＩバスを介してそれぞれ対
応する第１及び第２の下位ＳＣＳＩ制御回路８Ａ、８Ｂ
に接続されている。これらの下位ＳＣＳＩ制御回路８
Ａ、８Ｂはイニシエータとして動作し、ターゲットとし
て動作する第１及び第２のＳＣＳＩディスク記憶装置９
Ａ、９Ｂを制御する。

【００２４】上位装置１０の読出し要求があった場合
は、第１及び第２のＳＣＳＩディスク記憶装置９Ａ、９
Ｂから独立にデータが読出され、第１及び第２の下位Ｓ
ＣＳＩ制御回路８Ａ、８Ｂを介して、それぞれ対応する
第１のデータバッファ回路７Ａ、第２のデータバッファ
回路７Ｂに格納される。図１において、二重化ディスク
制御装置１内のデータバスを太線で示す。これらデータ
バッファ回路７Ａ及び７Ｂは、共に、データバッファ切
替回路５と、データ比較回路６とに接続されている。

【００２５】データバッファ切替回路５は、最終的に上
位装置１０にデータを転送しターゲットとして動作する
上位ＳＣＳＩ制御回路２に接続されており、ＤＭＡ制御
回路４の制御により、第１及び第２のデータバッファ回
路７Ａ、７Ｂのいずれかを選択的にこの上位ＳＣＳＩ制
御回路２に接続する。

【００２６】データ比較回路６は、第１及び第２のＳＣ
ＳＩディスク記憶装置９Ａ、９Ｂから読出し終えている
データブロックについて、第１及び第２のデータバッフ
ァ回路７Ａ、７Ｂの有するデータの比較を行い、データ
が一致しているか否かをマイクロプロセッサユニット４
に報告する。

【００２７】この二重化ディスク制御装置１内のデータ
転送は、ＤＭＡ制御回路４により制御されている。ＤＭ
Ａ制御回路４は、図１に示すように、第１及び第２のデ
ータバッファ回路７Ａ、７Ｂと、データバッファ切替回
路５と、データ比較回路６とに接続されている。また、
マイクロプロセッサユニット４は、上位ＳＣＳＩ制御回
路２と、第１及び第２の下位ＳＣＳＩ制御回路８Ａ、８
Ｂと、ＤＭＡ制御回路３と、データ比較回路６とに接続
されており、二重化ディスク制御装置１全体の動作を制
御する。これらの構成要素はローカルバスを介して接続
されている。

【００２８】図２は、本発明に係る二重化ディスク制御
装置の動作を説明する図である。以下に、図１と図２を
併用して、本実施形態の二重化ディスク制御装置１のデ
ータ読出し動作の一例を説明する。

【００２９】二重化ディスク制御装置１は、上位装置１
０からのリード・コマンドを受取ると、第１及び第２の
ＳＣＳＩディスク記憶装置９Ａ、９Ｂに対しリード・コ
マンドを発行してデータの読出しを要求する（Ｓ１）。
図２に示す例では、１０ブロック分のデータの読出し要
求が出されている。

【００３０】第１のＳＣＳＩディスク記憶装置９Ａ、第
２のＳＣＳＩディスク記憶装置９Ｂから読出されたデー
タブロックは、各々接続された下位ＳＣＳＩ制御回路８
Ａ、８Ｂを経て、それぞれ第１データバッファ回路７
Ａ、第２データバッファ回路７Ｂに一時的に貯えられ
る。このデータの受取りは、第１の系列（第１ＳＣＳＩ
ディスク記憶装置９Ａ、第１下位ＳＣＳＩ制御回路８
Ａ、第１データバッファ回路７Ａ）と、第２の系列（第
２ＳＣＳＩディスク記憶装置９Ｂ、第２下位ＳＣＳＩ制
御回路８Ｂ、第２データバッファ回路７Ｂ）とで互いに
影響を及ぼすことなく独立に行われ、一方の系列のデー
タの受取りが遅れてもそれとは無関係に他方の系列は先
行してデータの受取りが行われる。図２に示す例では、
各ディスク記憶装置の転送準備期間の差により、第１の
系列の方が早くデータ転送が開始されている。

【００３１】第１及び第２のデータバッファ回路７Ａ、
７Ｂに一時的に格納されたデータブロックの数は、ＤＭ
Ａ制御回路３により計数されて記憶される。このブロッ
ク数はマイクロプロセッサユニット４から新しいデータ
転送命令が出されることによりゼロクリアされるものと
する。ＤＭＡ制御回路３は、計数した格納ブロック数の
情報により第１及び第２のデータバッファ回路７Ａ、７
Ｂのうち、該当するブロックのデータを早く格納し終え
ている方のデータを選択してこれを上位ＳＣＳＩ制御回
路２に転送する。このときＤＭＡ制御回路３は、データ
バッファ切替回路に指示を出してデータバスを切替える
ことにより、上位ＳＣＳＩ制御回路２と第１データバッ
ファ回路７Ａ、あるいは上位ＳＣＳＩ制御回路２と第２
データバッファ回路７Ｂを接続する。図２の例では、１
〜４ブロック目は第１データバッファ回路７Ａの方が早
くデータを格納しているので、第１データバッファ回路
７Ａのデータが上位ＳＣＳＩ制御回路２に送られている
（Ｓ２）。

【００３２】ここで、図２に示すように、第１ＳＣＳＩ
ディスク記憶装置９Ａが交替領域への移動やリトライ処
理を行った等の理由により、５ブロック目以降のデータ
が転送されるまでに転送が一時的に休止してしまい、そ
の間にデータ転送の開始が遅かった第２ＳＣＳＩディス
ク記憶装置９Ｂの方が追いつき、５ブロック目以降のデ
ータを早く第２データバッファ回路７Ｂに格納してい
る。この場合はＤＭＡ制御回路３はデータバッファ切替
回路５に切替え指示を出し、第２データバッファ回路７
Ｂを上位ＳＣＳＩ制御回路２に接続して５ブロック目以
降のデータを第２ＳＣＳＩディスク記憶装置９Ｂから転
送するようにする（Ｓ３）。

【００３３】上位ＳＣＳＩ制御回路２は、第１データバ
ッファ回路７Ａ及び第２データバッファ回路７Ｂから受
取ったデータを上位装置１０に転送する。

【００３４】第１及び第２のデータバッファ回路７Ａ、
７Ｂに格納されたデータブロックは、更に、ＤＭＡ制御
回路３の指示により順次データ比較回路６に送出される
（Ｓ４）。このデータ比較回路６では、第１データバッ
ファ回路７Ａと第２データバッファ回路７Ｂのデータが
互いに一致しているか否かを比較し、その結果をマイク
ロプロセッサユニット４に報告する。なお、この比較動
作は、上位装置１０へのデータ転送とは非同期に行われ
る。ここでデータの不一致が検出されれば、その時点で
上位装置１０に対し異常終了を報告する。データの不一
致が検出されなければ、ＳＣＳＩディスク記憶装置９
Ａ、９Ｂのいずれか早い方が全ブロックのデータ転送を
終了し正常終了を報告した時点で、上位装置１０に対し
リード処理の終了を報告する。図２の例では、１〜４ブ
ロックを第１のＳＣＳＩディスク記憶装置９Ａから、５
〜１０ブロックを第２のＳＣＳＩディスク記憶装置９Ｂ
から読出して、このデータを上位装置１０に転送し、第
２ＳＣＳＩディスク記憶装置９Ｂのリード処理の終了報
告を受けた時点で上位装置１０に対しリード終了報告を
送出している（Ｓ５）。

【００３５】この時点では、既に第２ＳＣＳＩディスク
記憶装置９Ｂの正常終了報告が行われており、即ち上位
装置１０に転送されたデータブロックのうち５（Ｂ）〜
１０（Ｂ）ブロックのデータの信頼性は保証されている
が、第１ＳＣＳＩディスク記憶装置９Ａから読出したデ
ータ１（Ａ）〜４（Ａ）についての終了報告は行われて
いない。本発明では、二重化ディスク制御装置１にデー
タ比較回路６を設けて、第１ＳＣＳＩディスク記憶装置
９Ａの１（Ａ）〜４（Ａ）ブロックのデータを、信頼性
が保証された第２ＳＣＳＩディスク記憶装置９Ｂの該当
データ（１（Ｂ）〜４（Ｂ））と比較して内容が一致し
ているのを確認するようにしている。従って、データブ
ロック１（Ａ）〜４（Ａ）の正常終了報告が行われてい
ない第１ＳＣＳＩディスク記憶装置９Ａのデータブロッ
クのうち、少なくとも１（Ａ）〜４（Ａ）ブロックデー
タの正当性は保証される。

【００３６】上位装置１０へのリード終了報告が出され
た後も、まだデータ転送の完了していない遅いほうの系
列（図２における第１の系列）については、その後継続
してデータバッファ回路８Ａに一時格納していも良い
し、リード処理を中止するメッセージを発行するように
しても良い。図２の例では、上位装置１０へのリード終
了報告が出された後にも、遅い方の第１ＳＣＳＩディス
ク記憶装置９Ａの全データブロックを継続して第１デー
タバッファ回路７Ａに格納するようにしている。

【００３７】また、データブロック５（Ｂ）〜１０
（Ｂ）のデータの正当性は第２ＳＣＳＩディスク記憶装
置９Ｂの正常終了報告により保証されているので、上位
装置１０へ終了報告を出した後はデータの比較を行わな
いようにする。図２に示すように、本例では上位装置１
０へ終了報告を返した時点で、データブロック７（Ｂ）
までの比較処理は終了しているが、その後はデータブロ
ック８（Ｂ）〜１０（Ｂ）についての比較工程は行って
いない。

【００３８】図２に示す例では上位装置１０のリードコ
マンドの処理に際して第１系列と第２系列の切替を１度
しか行っていないが、この切替は何度行っても良い。対
応するデータブロック毎にＤＭＡ制御回路３がどちらの
系列のデータが先に格納されているかを判断して、その
順位が変わる都度データソースを切替えるようにする。

【００３９】また、データ転送中にデータ比較回路６に
おいて第１及び第２のディスク記憶装置９Ａ、９Ｂのデ
ータに不一致が検出されたときは上位装置１０に異常終
了を報告するようにしているが、その後はリトライを試
みるようにしても良いし、正常終了しない方のディスク
記憶装置を判定してそのディスク記憶装置を処理から切
り離し、一方のディスク記憶装置のみからリードするよ
うにしても良い。また、リトライによっても２台のディ
スク記憶装置のデータに不一致が出るようであれば、イ
ンジケータ手段によりオペレータに警告し、故障のある
ディスク記憶装置を交換するようにする。

【００４０】

【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明の
二重化ディスク制御装置では、２台のディスク記憶装置
から転送してくるデータのうち、早く読み出せた方のデ
ータをブロック単位で切替えて上位装置に転送すると共
に、リードコマンドに係る全ブロックのデータを早く読
み出し終えた方のディスク記憶装置の読出し終了報告を
受けた時点で上位装置へ読み出し処理の終了を報告する
ようにしている。これと同時に、上位装置へのデータ転
送とは非同期に２台のディスク記憶装置ともに読み出し
たブロックのデータ内容を比較して、これらが同一であ
るかをチェックすることにより、終了報告を受けていな
い方のディスク記憶装置から読み出したデータの正当性
も保証するようにしたため、上位装置へ転送するデータ
の信頼性を損なうことなく、交替領域への移動やリトラ
イによる処理時間の増大を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の二重化ディスク制御装置の構
成を示すブロック図である。

【図２】図２は、本発明の二重化ディスク制御装置の動
作を示す図である。

【図３】図３は、従来の二重化ディスク制御装置の構成
を示すブロック図である。

【図４】図４は、従来の二重化ディスク制御装置の動作
を示す図である。

【符号の説明】

１ 二重化ディスク制御装置 ２ 上位ＳＣＳＩ制御回路 ３ ＤＭＡ制御回路 ４ マイクロプロセッサユニット ５ データバッファ切替回路 ６ データ比較回路 ７Ａ 第１データバッファ回路 ７Ｂ 第２データバッファ回路 ８Ａ 第１下位ＳＣＳＩ制御回路 ８Ｂ 第２下位ＳＣＳＩ制御回路 ９Ａ 第１ＳＣＳＩディスク記憶装置 ９Ｂ 第２ＳＣＳＩディスク記憶装置 １０ 上位装置

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平９−237163（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−151724（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−260745（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−129650（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G06F 3/06,12/00 G11B 19/02

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１のディスク記憶装置と第２のディス
   ク記憶装置とを有し、上位装置のデータ書込み命令に対
   して前記第１及び第２のディスク記憶装置にそれぞれ同
   一のデータを書込み、前記上位装置の読出し命令に対し
   て前記第１及び第２のディスク記憶装置からデータを読
   み出す二重化ディスク制御装置において、 前記第１のディスク記憶装置から独立にデータをブロッ
   ク単位で読出して格納する第１のデータ格納手段と、 前記第２のディスク記憶装置から独立にデータをブロッ
   ク単位で読出して格納する第２のデータ格納手段と、 これら第１及び第２のデータ格納手段を選択的に前記上
   位装置へ接続し、選択した方のデータ格納手段に格納さ
   れたデータブロックが前記上位装置に順次送出されるよ
   うにする接続切替手段と、 前記データブロック毎に前記第１及び第２のデータ格納
   手段の格納状況を判定し、当該ブロックの格納を早く完
   了している方のデータ格納手段と前記上位装置とが接続
   されるよう前記接続切替手段を切替えるとともに、前記
   第１及び第２のディスク記憶装置のいずれか早い方が前
   記上位装置からの読出し命令に係るデータブロックの全
   ての読出しが正常終了したら、前記上位装置にデータ読
   出し処理終了を報告するデータ転送制御手段と、 前記第１及び第２のデータ格納手段に接続され、これら
   第１及び第２のデータ格納手段がともに読出しを完了し
   たデータブロックについてのデータ内容を比較して、デ
   ータ内容が一致しない場合に、前記上位装置に異常終了
   を報告するデータ比較手段と、 を具えることを特徴とする二重化ディスク制御装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の二重化ディスク制御装
   置において、前記データ転送制御手段が前記上位装置に
   データ読出し処理終了を報告した後は、前記データ比較
   手段が前記第１及び第２のデータ格納手段のデータ内容
   の比較を行わないようにしたことを特徴とする二重化デ
   ィスク制御装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２のいずれかに記載の二重
   化ディスク制御装置において、前記データ転送制御手段
   が前記上位装置にデータ読出し処理終了を報告したとき
   は、前記第１及び第２のディスク記憶装置のうち読出し
   処理が遅い方のディスク記憶装置の読出し処理を中止す
   ることを特徴とする二重化ディスク制御装置。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３のいずれかに記載の二重
   化ディスク制御装置において、前記データ比較手段が、
   前記上位装置へのデータ転送とは非同期に前記第１及び
   第２のディスク記憶装置から読出し終えたデータ内容の
   比較を行うことを特徴とする二重化ディスク制御装置。