JP3458493B2 - 圧電センサエレメントおよびその製造方法 - Google Patents

圧電センサエレメントおよびその製造方法

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健 鎌田
秀雄 鳥井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電センサエレメント
とその製造方法に関するものである。特に、圧電薄膜を
用いた圧電素子の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、加速度センサなどの圧電素子に対
する需要が急速に高まっている。自動車分野では操縦安
定性や安全性向上が求められており、サスペンション・
ブレーキ・エアバッグなどのシステム開発が盛んに行わ
れており、従来方式に比べ小型で信頼性の向上が図れる
新しい加速度センサが切望されている。また、磁気ディ
スクや光ディスクの分野でも携帯時のピックアップ/ア
クセスの制御のために同様のセンサが求められている。
代表的なセンシング部分は、ダイヤフラムや片持梁構造
の圧電体が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】既存の圧電素子は、圧
電性セラミックを焼結・成型・加工したものがほとんど
で、その小型化ならびに高感度化が図られているが、従
来技術の延長線上では、限界に近づきつつある。センシ
ング部分の機械特性の高度化が必要であり、微細加工技
術を用いたモノリシックなセンサが求められている。
【0004】しかし、これまで圧電セラミックスの薄膜
化は、形成温度が高く、組成制御が難しく、また、エッ
チングなどの微細加工技術も確立されていなかった。
【0005】本発明者らは、優れた配向性の圧電薄膜を
得る薄膜化技術と、基板・電極・圧電薄膜に対する各種
のエッチング技術を用いることにより、小型でモノリシ
ックな高感度圧電センサエレメントを容易に実現できる
ことを見いだした。
【0006】この発明の目的は、このような知見に基づ
いて上記要請に応じた小型でモノリシックな高感度圧電
センサエレメントを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するため
に、この発明の圧電センサエレメントは、凹部を有する
基板と、その凹部の周辺部にて可撓性をもって支持さ
れ、かつ下部電極、基板主面に対してほぼ垂直方向に配
向性をもつ圧電薄膜、上部電極および支持層からなる多
層膜とを備えたことを特徴とする。
【0008】また、上記目的を達成するために、この発
明の圧電センサエレメントの製造方法は、平坦な基板上
に、下部電極、基板主面に対してほぼ垂直方向に配向性
をもつ圧電薄膜、上部電極および支持層からなる多層膜
を形成した後、この多層膜が基板に部分的に支持された
状態で厚み方向に可撓性を発揮するよう、基板の多層膜
直下の部分を穿つことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明にかかる圧電センサエレメントは多層薄
膜で出来ているため、感度および応答性を飛躍的に向上
させることができる。
【0010】また、本発明にかかる圧電センサエレメン
トの製造方法においては、基板上に一旦配向性をもつ多
層膜を堆積させた後、基板を所定形状に加工しているの
で、ダイヤフラムや片持梁構造のモノリシックな圧電セ
ンサエレメントを容易かつ高精度に得ることができる。
【0011】特に基板がMgO単結晶からなる場合、そ
の上に形成する電極が配向しやすく、その結果、圧電薄
膜も配向しやすくなる。圧電定数の大きな配向性の圧電
薄膜を得るためには、基板および下部電極にエピタキシ
ャル関係が保持されることが必要であるが、下部電極が
白金Pt薄膜からなる場合、このエピタキシャル関係が
保持されやすい。
【0012】
【実施例】
(実施例1)本発明の第1実施例にかかる片持梁構造の
圧電センサエレメントとその作製行程の一例を図1およ
び図2に示す。
【0013】この例の圧電センサエレメントは、一側面
側に開いた片口状の凹部4を有する基板1と、矩形の多
層膜7とを備えている。多層膜7は、下部電極2、基板
1主面に対してほぼ垂直方向に配向性をもつ圧電薄膜
3、上部電極5および絶縁性の支持層6からなり、その
遊端部が凹部4空間上に可撓性をもって浮くように、凹
部4周辺部で他端が固定されている。
【0014】この圧電センサエレメントは、以下のよう
な手順で製造された。まず、結晶性の基板1、たとえば
(100)面MgOを準備し、そのMgO基板にスパッ
タリング法により少なくとも450℃以上の基板温度で
白金Ptを蒸着することにより、1000オングストロ
ーム程度の(100)配向Pt薄膜からなる下部電極2
を形成した。
【0015】続いて、20%程度過剰のPbOを添加したP
b(Zr,Ti)O3+0.2PbOなる組成の焼結体ターゲットを用
い、アルゴン酸素の混合ガス雰囲気で少なくとも580
℃以上の基板温度にてスパッタリングを行い、1〜10
ミクロンのc軸配向性の圧電性PZT[Pb(Zr,Ti)O3
薄膜からなる圧電薄膜3を下部電極2の上に形成した。
【0016】次に、圧電薄膜3を適当な矩形にパターン
ニングするが、これは感光性のレジスト材料、たとえば
フォトニースを用いて、フォトリソ行程と圧電薄膜のエ
ッチングにより行うことができた。圧電薄膜のエッチン
グは、(反応性)イオンエッチングによっても可能であ
るが、ここでは、酸、たとえば硝酸およびフッ酸からな
る混合酸によるウエットエッチングにより、圧電薄膜3
を矩形に加工した。この場合、下部電極2も耐酸性であ
ることが必要であるが、ここで用いたPt薄膜はこの意
味でも適している。下部電極2については、さらにレジ
ストにより適当な引き出し部分を残して、矩形の圧電薄
膜3の周辺部を(反応性)イオンエッチングにより取り
除いた。
【0017】そして、矩形の圧電薄膜3の支持すべき一
端を残して他端が宙に浮くように、その下の部分の基板
1をエッチングすることにより凹部4空間を設けた。こ
のとき基板1のエッチングにおいてはその異方性/等方
性を考慮し、レジストの形状を工夫し、MgO基板に対
して、(反応性)イオンエッチングと燐酸によるウエッ
トエッチングを組み合わせることにより図1の形状のよ
うな凹部4を得ることできた。
【0018】最後に、上部電極5としてPt薄膜を形成
し、支持層6としてSiO2薄膜を、それぞれメタルマスク
を介して形成した。上部電極5については(反応性)イ
オンエッチングによる引き出し電極のパターンニングも
施した。
【0019】以上の構成により、片持梁構造のモノリシ
ックな圧電センサエレメントが実現され、圧電薄膜3の
変位と上部電極5−下部電極2間の電圧にユニモルフ型
の圧電関係が生じる。なお、各層の薄膜形成とパターン
ニングは、いくつかの組み合わせと順序の変動が考えら
れるがいずれもここで述べた方法を基本とすることに変
わりはない。
【0020】(実施例2)本発明の第2実施例にかかる
ダイヤフラム構造の圧電センサエレメントとその作製行
程の一例を図3および図4に示す。
【0021】この例の圧電センサエレメントは、厚み方
向を軸線とする貫通孔(凹部)4を有する基板1と、円
盤型の多層膜7とを備えている。多層膜7は、下部電極
2、基板1主面に対してほぼ垂直方向に配向性をもつ圧
電薄膜3、上部電極5および絶縁性の支持層6からな
り、貫通孔4の一方の開口及びその周辺部を覆うように
設けられている。
【0022】この圧電センサエレメントは、以下のよう
な手順で製造された。実施例1と同様の材料および方法
により、基板1、下部電極2、および圧電薄膜3を形成
する。さらに同じく、圧電薄膜3および下部電極2を適
当な形状、たとえば(引き出し部分を設けた)円形にパ
ターンニングする。
【0023】そして、円形の圧電薄膜3の支持すべき周
辺部を残して下の部分の基板1をエッチングすることに
より貫通孔4を設ける。本発明者らは、この基板1のエ
ッチングにおいては、裏面にレジストパターンによりエ
ッチングホールを設けて燐酸によるウエットエッチング
により、貫通孔すなわち空隙4を得ることができた。
【0024】最後に、実施例1と同様に上部電極5およ
び支持層6を形成ならびにパターンニングする。
【0025】以上の構成により、ダイヤフラム構造のモ
ノリシックな圧電センサエレメントが実現され、圧電薄
膜3の変位と上部電極5−下部電極2間の電圧にユニモ
ルフ型の圧電関係が生じる。
【0026】本発明にかかる圧電センサエレメントは、
以上の構成を基本方式として種々の構成や大きさのもの
に適用できるが、特に圧電体の形状が薄膜形成技術と微
細加工技術によるのが効果的な領域、すなわち10ミク
ロン以下の膜厚で、長辺の長さが1mm以下程度の矩形
の片持梁構造や貫通孔の直径の長さが1mm以下である
ダイヤフラム構造の圧電センサエレメントへの需要に答
えるものである。本発明者らは、このように単結晶基板
にモノリシックに形成された圧電薄膜は、もっとも高感
度で小型化に適していることを確認した。
【0027】
【発明の効果】本発明により、小型で高感度なモノリシ
ック圧電センサエレメントおよびその製造プロセスが提
供され、工業上極めて大きな価値を有するものである。
用いられる圧電体は基板上にモノリシックに形成された
多層膜を加工することにより形成され、任意の圧電特性
を有するユニモルフが非常に高精度にかつ容易に実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の圧電センサエレメントの
構造を示す図
【図2】本発明の第1実施例の圧電センサエレメントの
製造工程を示す図
【図3】本発明の第2実施例の圧電センサエレメントの
構造を示す図
【図4】本発明の第2実施例の圧電センサエレメントの
製造工程を示す図
【符号の説明】
1 基板 2 下部電極 3 圧電薄膜 4 凹部 5 上部電極 6 支持層 7 多層膜
フロントページの続き (72)発明者 鎌田 健 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 鳥井 秀雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 高山 良一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 平尾 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−252006(JP,A) 特開 昭62−252005(JP,A) 特開 平6−120578(JP,A) 特開 平6−350154(JP,A) 特開 平7−298394(JP,A) 特表 平1−500892(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 41/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹部を有する基板と、その凹部の周辺部に
    て可撓性をもって支持され、かつ下部電極、基板主面に
    対してほぼ垂直方向に配向性をもつ圧電薄膜、上部電極
    および支持層からなる多層膜とを備えたことを特徴とす
    る圧電センサエレメント。
  2. 【請求項2】凹部が、一側面側に開いた片口状をなし、
    多層膜が、矩形を成し且つその一端が凹部空間上に浮か
    せられている請求項1に記載の圧電センサエレメント。
  3. 【請求項3】凹部が、貫通孔であって、多層膜が、貫通
    孔及びその周辺部を覆うように設けられている請求項1
    に記載の圧電センサエレメント。
  4. 【請求項4】凹部の最大対角長さ又は最大直径が1mm
    以下である請求項1〜3のいずれかに記載の圧電センサ
    エレメント。
  5. 【請求項5】平坦な基板上に、下部電極、基板主面に対
    してほぼ垂直方向に配向性をもつ圧電薄膜、上部電極お
    よび支持層からなる多層膜を形成した後、この多層膜が
    基板に部分的に支持された状態で厚み方向に可撓性を発
    揮するよう、基板の多層膜直下の部分を穿つことを特徴
    とする圧電センサエレメントの製造方法。
  6. 【請求項6】基板がMgO単結晶からなる請求項5に記
    載の圧電センサエレメントの製造方法。
  7. 【請求項7】下部電極が白金Pt薄膜からなる請求項5
    又は6に記載の圧電センサエレメントの製造方法。
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JP4822769B2 (ja) * 2005-08-29 2011-11-24 京セラ株式会社 加速度センサ
JP5211584B2 (ja) * 2007-08-28 2013-06-12 ヤマハ株式会社 モーションセンサおよびモーションセンサの製造方法
JP5536994B2 (ja) * 2008-06-30 2014-07-02 株式会社東芝 慣性センサ及び慣性検出装置

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