JP3458193B2 - 軽量気泡コンクリートの製造方法 - Google Patents

軽量気泡コンクリートの製造方法

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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/10Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by using foaming agents or by using mechanical means, e.g. adding preformed foam

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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量気泡コンクリート
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】近年の建築用材料の軽量化に伴
い、軽量気泡コンクリートの軽量化・高強度化が要求さ
れている。従来より知られている軽量コンクリートとし
ては人工軽量骨材コンクリート、気泡コンクリート等が
ある。
【0003】人工軽量骨材コンクリートは、頁岩、粘土
等を焼成して得た人工軽量骨材を用いて製造されるもの
であり、圧縮強度が約200〜500kgf/cm2 という特
性を有する。しかし、このコンクリートは、比重が1.
5〜1.9と軽量性の点では未だ不十分である。
【0004】気泡コンクリートは、コンクリートの製造
時に発泡剤、起泡剤等を用いてコンクリート中に気泡を
多量に混入・分散させることによって比重を約0.5〜
0.9と軽量化したものである。しかし、気泡コンクリ
ートは強度が低い(圧縮強度で約30〜90kgf/cm2
ために構造部材としては使用できず、間仕切壁等の非耐
力部材の用途に限られている。
【0005】これらのコンクリートのほか、軽量骨材と
気泡混入の技術を組み合わせることにより約1.0〜
1.4の比重をもつ軽量気泡コンクリートも製造可能で
ある。しかしながら、この範囲の比重において得られる
コンクリートの圧縮強度はせいぜい150kgf/cm2 程度
であり、構造用部材として用いるには未だ強度が不十分
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、一般
に、人工軽量骨材等を原料として用い、より軽量化を図
ろうとする場合には多量の気泡を混入せざるを得ないた
め、製品の著しい強度低下を避けることができない。こ
こで、人工軽量骨材自体をさらに軽量化(低比重化)す
る手段もある。しかし、低比重化に伴い骨材自体の強度
も低下するため、これをコンクリートに使用しても所望
の強度は得られ難い。
【0007】ところで、人工軽量骨材の骨材粒子におい
て、その粒径が小さくなるほど表面の比較的緻密な殻の
部分の骨材全体に占める割合が大きくなるため、一般に
細骨材の比重のほうが、粗骨材のそれよりも大きくなる
ことが知られている。従って、配合する人工軽量骨材の
うち細骨材の配合割合を減らして軽量化を図ることも考
えられる。
【0008】しかし、細骨材の配合割合を減らせば、そ
れだけ生コンクリートのワーカビリチー(材料分離に対
する抵抗性、型枠への打ち込み易さ、仕上げの容易さ
等)の低下を招き、特に配合割合が40%を下回るとそ
れが顕著となる。
【0009】従って、本発明は、生コンクリート状態に
おいて良好なワーカビリチーを確保するとともに、低比
重かつ高強度の軽量気泡コンクリートを提供することを
主な目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねたところ、一定量の
微細な気泡をコンクリート中に混入し、細骨材率を40
%よりも大幅に減少させる場合には、生コンクリートの
ワーカビリチーを確保できると同時に、気泡混入と細骨
材率の減少による相乗効果により、コンクリートの強度
を実質的に維持しつつ軽量化できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、無機水硬性結合材及
び人工軽量骨材により構成される生コンクリート中に気
泡を混入し、型枠に流し込む軽量気泡コンクリートの製
造方法において、粒径5mm以下の細骨材を骨材中5〜
30容積%含有し、かつ、気泡量が気泡混入前の生コン
クリートに対し10〜30容積%混入することを特徴と
する軽量気泡コンクリートの製造方法に係るものであ
る。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明では骨材中における粒径5mm以下
の細骨材の比率は、骨材中通常5〜30容量%、好まし
くは10〜25容量%とする。上記割合が5%を下回る
とコンクリートの表面に微細なひび割れが発生し易くな
り、耐久性及び外観に悪影響を及ぼす。細骨材率が30
容量%を超えると比重が増大し、しかも硬化後の乾燥収
縮率が大きくなる。なお、軽量骨材の種類は特に限定さ
れず、従来の人工軽量骨材において用いられているも
の、例えば頁岩、粘土等のを焼成して得たもの等を使用
することができる。
【0014】次いで、上記骨材とセメント等の通常の無
機水硬性材料とを、常法に従って水、混和剤等とともに
混練した後、別途に調製された気泡を混入する。気泡量
は、気泡導入前の混練物容積に対して通常10〜30容
量%程度、好ましくは10〜20容量%とする。気泡量
が10容量%未満の場合には生コンクリートのワーカビ
リチーの改善が不十分となり、また30容量%を超える
と強度及び寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0015】気泡の調製は、公知の起泡剤、起泡助剤を
用い、発泡機等により発泡させれば良い。発泡倍率は、
通常15〜20倍程度とする。気泡の大きさは20〜1
00μm程度とする。起泡剤は、合成界面活性剤系、タ
ンパク系、樹脂石ケン系等のいずれのものも使用でき
る。また、起泡助剤はポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース等の水溶性高分子類などが使用できる。気泡の
混入は、プレフォーミング法、ミックスフォーミング法
等の常法に従って行なうことができる。
【0016】気泡混入後、常法に従い、気泡を混入した
生コンクリートを所望の形状の型枠に流し込み、成形
し、必要に応じて蒸気養生、オートクレーブ養生等の促
進養生をする。養生をする場合の条件は、コンクリート
の組成、製品の用途等により適宜設定すれば良く、例え
ば昇温速度10〜20℃/h程度、50〜60℃程度で
3〜10時間保持することによって養生することができ
る。
【0017】
【作用】本発明では、骨材中の細粒の割合を極めて少な
くすることによって、使用骨材全体の嵩比重を低下させ
る。その一方で、その結果低下したワーカビリチーを特
定量の気泡の導入により向上させる。これにより、生コ
ンクリート状態において良好なワーカビリチーを確保す
るとともに、製品の低比重化と高強度化とを同時に達成
することが可能となる。
【0018】すなわち、内部に空隙をもち、外側に堅い
殻を形成してなる軽量骨材は、その実容積に対して表面
積の占める割合が小さい大粒ほど軽く、小粒になるほど
重くなる。このため、コンクリート中の総骨材中に占め
る細粒の比率を小さくすればするほど骨材全体の嵩比重
は小さくなり、従ってコンクリートの嵩比重も低くな
る。これに対し、本発明では、導入された気泡がコンク
リートの材料分離に対する抵抗性等(ワーカビリチー)
の向上に大きく寄与し、気泡量をもとのコンクリートに
対して10%以上とする場合には細骨材率を30%以下
と大幅に減少させても良好なワーカビリチーを確保でき
ることになる。
【0019】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、生コンクリ
ートのワーカビリチーを確保するとともに、優れた軽量
性と強度を備えた軽量気泡コンクリートを比較的容易に
得ることができる。また、従来の軽量気泡コンクリート
に比して乾燥収縮が小さく、寸法安定性にも優れてい
る。
【0020】本発明により得られる軽量気泡コンクリー
トは、各種の用途に適用することができ、特に超高層ビ
ルにおける外壁材、床材等の用途に有用である。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
【0022】本実施例では、表1に示す原材料を使用し
た。
【0023】
【表1】
【0024】なお、上記表における細骨材の粒径は5m
m以下、粗骨材の粒径は5mmを超え15mm以下であ
った。
【0025】また、気乾比重はφ10cm×20cmの円柱
供試体について測定し、圧縮強度試験は上記供試体を用
いてJIS A 1108に従って行なった。乾燥収縮率は10cm
×10cm×40cmの供試体を用い、蒸気養生後材令1日
を基準としてコンパレーター法により測定した。
【0026】本実施例で用いた気泡混入前のベースコン
クリートの調合を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】実施例1〜3 前記表2に示す組成No1のベースコンクリート(細骨
材率20%、水/セメント比=40%)に対し、別途起
泡液を発泡機にて発泡して発泡倍率18倍とした気泡を
外割りで10、15及び20容量%となるようにプレミ
ックス法でそれぞれ混入した。いずれの場合も気泡混入
後の生コンクリートのワーカビリチーは良好であった。
【0029】次いで、これを型枠に流し込み、蒸気養生
による促進養生(昇温20℃/h、60℃10時間保
持)を行い、翌日脱型した。脱型後、20℃、相対湿度
60%気中にて所定材令まで養生した。このようにして
得られた成形体の気乾比重、圧縮強度及び乾燥収縮率に
ついて調べた。その結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】比較例1 気泡を混入しない以外は実施例1と同様にして成形体を
製造し、実施例と同じ試験を行なった。その結果を表4
に示す。なお、この場合に得られた生コンクリートは、
細骨材率が少なく、しかも気泡も含まないので、ワーカ
ビリチーが悪く、ペーストと骨材部の分離が認められ
た。
【0032】
【表4】
【0033】比較例2〜5 ベースコンクリートとして表2のNo2に示す組成のも
のを用い、気泡混入量を外割で0、10、15及び20
容量%として実施例と同様に操作にて成形体を製造し、
実施例と同様の試験を行った。その結果を表5に示す。
【0034】この場合の細骨材率は40%であるが、こ
れは従来の軽量骨材コンクリートと同じ割合である。気
泡混入量が15〜20容量%と多い場合、生コンクリー
トの性状はやや粘性を帯びた外観であった。
【0035】
【表5】
【0036】以上の実施例および比較例について気乾比
重、圧縮強度及び乾燥収縮の測定結果を図1および図2
にまとめた。各図中、黒塗が実施例、白塗が比較例を示
す。図1によれば、同一比重で比較すると実施例の圧縮
強度は、比較例よりも約50kgf/cm2 高い。また、同一
強度で比較すると実施例の比重は、比較例よりも約0.
5〜1低いことがわかる。図2によれば、同一比重で比
較すると乾燥収縮率は、比較例よりも1×10-4程度小
さいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で得られた成形体の比重と圧
縮強度との関係を示すグラフである。
【図2】実施例及び比較例で得られた成形体の気乾比重
と乾燥収縮率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 14:02 C04B 24:00 24:00 24:18 B 24:18) 103:30 103:30 103:42 103:42 (72)発明者 長岡 誠一 大阪府大阪市大正区南恩加島七丁目1番 34号 大阪セメント株式会社 中央研究 所内 (72)発明者 岡村 達也 大阪府大阪市大正区南恩加島七丁目1番 34号 大阪セメント株式会社 中央研究 所内 (56)参考文献 特開 昭63−291883(JP,A) 岡村達也、長岡誠一,際骨材率が気泡 コンクリートの性状に及ぼす影響につい て,社団法人日本建築学会講演概要集, 日本,社団法人日本建築学会,1993年 9月,421 社団法人日本建築学会講演概要集,日 本,1993年 9月,421,講演番号1211 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 - 38/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機水硬性結合材及び人工軽量骨材により
    構成される生コンクリート中に気泡を混入し、型枠に流
    し込む軽量気泡コンクリートの製造方法において、粒径
    5mm以下の細骨材を骨材中5〜25容積%含有し、か
    つ、気泡量が気泡混入前の生コンクリートに対し10〜
    30容積%混入することを特徴とする軽量気泡コンクリ
    ートの製造方法。
  2. 【請求項2】粒径5mm以下の細骨材の比率が10〜2
    5容積%である請求項1記載の軽量気泡コンクリートの
    製造方法。
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Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
岡村達也、長岡誠一,際骨材率が気泡コンクリートの性状に及ぼす影響について,社団法人日本建築学会講演概要集,日本,社団法人日本建築学会,1993年 9月,421
社団法人日本建築学会講演概要集,日本,1993年 9月,421,講演番号1211

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