JP3457957B2 - フッ化水素中での芳香族化合物のアルキル化方法 - Google Patents

フッ化水素中での芳香族化合物のアルキル化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本出願は、1991年2月5日発行の米国
特許No.4,990,681号である1990年10
月5日出願の米国出願No.07/593,143のC
IP出願に対応する。
【0002】本発明は、フッ化水素中の芳香族化合物の
アシル化またはアルキル化に関し、アシル化されたまた
はアルキル化された生成物がフッ化水素に溶解するが、
芳香族化合物が2相反応の媒体を形成するフッ化水素中
に十分溶けないものに関する。特に本発明は、フッ化水
素中の芳香族化合物のアシル化またはアルキル化を実行
する連続的な多段階の方法に関する。
【0003】米国特許No.3,385,886号はフ
ェニルアルカンとアセチルクロライドを塩化アルミニウ
ムの存在下でアルキルフェニルアセトフェノンを生成す
る反応を第一の工程とする、イブプロフェン(ibup
rofen)のようなフェニルアルカンの誘導体の生成
について開示する。
【0004】日本の特開昭60−188,343号は、
無水酢酸とフッ化水素の反応により合成されるアセチル
フルオライド、および触媒としてのフッ化水素とボロン
トリフルオライドの組み合わせを使用する、p−イソブ
チルアセトフェノンの、イソブチルベンゼンの製造方法
を開示する。
【0005】Journal of the Chem
ical Sociaty,4943−4945[19
56],Baddelyらは、4945頁に、イソブチ
ルベンゼンのアセチルクロライドとの、塩化アルミニウ
ムを触媒として使用した、フリーデルークラフツのアシ
レーションによる4’−イソブチルアセトフェノンの製
造方法を開示する。
【0006】米国特許No.4,981,995号、1
991年1月1日発行、Elangoらは、イソブチル
ベンゼン(IBB)を、アセチルフルオライド(Ac
F)または無水酢酸(Ac2O)のようなアセチル化
剤、フッ化水素のような触媒を使用したフリーデルーク
ラフツアセチル化による4’−イソブチルアセトフェノ
ン(IBAP)の製造を開示する。4’−イソブチルア
セトフェノンはイブプロフェンの製造のための中間生成
物として開示される。
【0007】1991年2月5日発行の、米国特許N
o.4,990,681は、IBAPの製造と、IBA
P生成物からの、HFを無水酢酸とHF除去カラム中で
反応させることによるHFの除去をするための抽出反応
器の操作を開示し、両者は本発明の方法と組み合わせて
使用できる。米国特許No.4,990,681のすべ
ての開示はリファレンスとして引用される。
【0008】フッ化水素中の芳香族化合物のアシル化ま
たはアルキル化は、公知である。典型的な、芳香族化合
物反応物はフッ化水素に対して限られた溶解性を有し、
そのため、芳香族化合物とアシル化またはアルキル化剤
との接触も限られ、反応速度は減少される。従来は小さ
い反応速度のために、フッ化水素中の芳香族化合物のア
シル化またはアルキル化はバッチモードで行われ、典型
的には連続撹拌のバッチ反応器で行われていた。
【0009】フッ化水素と明瞭に分離された相を形成す
る芳香族化合物の例は、Dolkady Akadem
ii Nauk USSR,95(2),297−29
9(1954)およびZhurnal Fiziche
skoi Khimii,31,1377−1386
(1957)に開示されている。フッ化水素に少量溶け
る芳香族(ほぼ1%、またはそれ以下)には、ナフタレ
ン、パンツレン(phanthrene)、ジフェニル
メタン、トリフェニルメタン、クロロンゼン、テトラリ
ン、2−メチルナフタレン、およびジフェニルが含まれ
る。多くの芳香族、特に−Hまたは−アルキル置換を有
するものはフッ化水素への溶解性が小さい。したがっ
て、当業者はフッ化水素中の芳香族化合物の連続的なア
シル化またはアルキル化をすることができる反応手法の
はば広い適用性と有用性を理解できる。
【0010】本発明によれば、フッ化水素中の芳香族化
合物の連続的なアシル化またはアルキル化の方法を提供
し、芳香族化合物はフッ化水素に対して十分に限定され
た溶解性を有し、2相反応システムが形成される。連続
的なプロセスが多段階反応器内で向流または並流で行わ
れる。反応接触期間中の連続相は芳香族化合物含有相ま
たはフッ化水素含有相のどちらかでありうる。本発明は
特に、フッ化水素は少なくとも3つの機能、触媒、反応
媒体(溶剤)、および(驚くべきことに)芳香族化合物
のアシル化またはアルキル化生成物の抽出剤の機能を果
す点で有利である。さらに、使用されるアシル化剤によ
っては、フッ化水素はアシル化剤としても働く。
【0011】本発明のプロセスは、フッ化水素中での芳
香族化合物のアシル化またはアルキル化のための連続方
法であって、 a)フッ化水素と、少なくともひとつのアシル化剤また
はアルキル化剤を抽出反応器に供給し、第一のフッ化水
素富化相を形成する工程、 b)芳香族化合物を含む材料を前記抽出反応器へ供給
し、第二の芳香族化合物富化相を形成する工程、および c)前記第一のフッ化水素富化相を前記第二の芳香族化
合物富化相の幾分かと、前記抽出反応器内で接触させ、
前記アシル化剤またはアルキル化剤が前記芳香族化合物
と反応し、前記芳香族化合物のアシル化生成物またはア
ルキル化生成物を形成し、フッ化水素相に抽出される工
程、を含む方法を提供する。
【0012】本発明にかかるプロセスを説明するため
に、フッ化水素触媒/溶剤中での、アセチルフルオライ
ド(AcF)、無水酢酸、酢酸またはそれらの混合物で
あることができるアシル化剤(アセチル化剤)とのイソ
ブチルベンゼン(IBB)のフリーデルークラフツアセ
チル化による4’−イソブチルアセトフェノン(IBA
P)の生成について説明する。次いで、やはりフッ化水
素に対して限定された溶解性を有する他の芳香族化合物
のアシル化またはアルキル化について説明する。
【0013】本発明によれば、IBAPはIBBが触媒
/溶剤としての液体HFの存在下で、たとえば単一の抽
出反応器のような多段階反応器内で、アセチル化剤と反
応する連続プロセスで製造される。
【0014】本発明のひとつの実施態様によれば、反応
系においてフッ化水素(HF)含有相は連続相であり、
実質的にHFに不溶であり軽いIBBはIBB富化相、
たとえば液滴を形成し、それはアセチル化剤を含むHF
富化相を通り上方向に向けて浸透する。形成されたIB
APは選択的に溶解し、HF富化相に抽出され、未反応
のIBBのバルクは取り出され、新たに供給されたIB
Bとともに抽出反応器へ再循環される。再循環されたI
BBは抽出反応器へ戻される前にさらに生成されること
ができる。生成物流れはIBAP,HF,少量のIB
B、多くの場合、変動量の酢酸およびアセチルフルオラ
イドを含む容器から取り出され、これらの成分の量は他
の条件、最初に添加されたアセチル化剤の性質に依存す
る。本明細書においては、”供給点(feed poi
nt)”または”取り出し点(point of wi
thdrawal)”は抽出反応器での、示される流れ
の供給または取り出される1またはそれ以上の点を意味
する。
【0015】IBBはHF富化相に少量溶けるので、新
たなIBBと再循環されたIBBとの供給点以下の相の
部分がしばしば少量のIBBを含んでいる。この量が経
済的に重要であるので、IBBの供給点と生成物流れの
取り出し点との間、すなわちフィニッシングゾーンの滞
留時間を長くし、HF富化相に溶解したIBBのかなり
の部分がその相に存在するアセチル化剤と反応する機会
が大きくなりIBAPの生成量を増大させる。そのよう
なフィニッシングゾーンはたとえば、実質的な量のIB
B富化相が存在しない時のHF富化相に溶解したIBB
のみを含む抽出反応器の、IBB供給点以下で、底部で
あることができる。他の、またはさらなる好適な例で
は、生成物流れは移動され、フィニッシングゾーンとし
ての別の容器に保持される、すなわちフィニッシングリ
アクターに一定期間、均一なシステムに溶解したIBB
のさらなるアセチル化をできる状態に保持される。
【0016】本発明の他の態様によれば、前述の抽出反
応器の操作は、無水酢酸をIBAP/HF中のHFと、
酢酸/HF複合体の存在下で抽出反応器の生成物中で反
応させ、アセチルフルオライド(AcF)を、抽出反応
器へ再循環された流れの少なくとも一部とともに、オー
バーヘッド流れとして取り出されるHFとともに生成す
るHF除去カラムの操作と組み合わされる。HF除去カ
ラムからのボトムストリームはIBAPと、そのうちの
いくらかは先の反応で生成された酢酸(HOAc)を含
む。
【0017】さらに他の本発明の態様によれば、HF除
去カラムからのボトムストリームは酢酸のバルクがIB
APから、抽出反応器へ再循環される酢酸の少なくとも
一部とともに分離される、ライトエンドカラムへ導かれ
る。
【0018】他の本発明の態様によれば、抽出反応器は
不連続相が反応器の長さ方向の一部にのみ存在し、不連
続相材料の再循環の必要を評価できるように操作され
る。さらに、不連続相を含む反応物の供給比率は、抽出
反応器からの連続相を取り出す前の連続相における反応
物/溶解物の比率に限定される。本態様はアシル化また
はアルキル化される芳香族化合物が反応媒体のHF含有
相で不安定であり、接触時間が限定される時に好ましく
使用される。
【0019】本発明の最初の例示は、イソブチルベンゼ
ン(IBB)のフリーデルークラフツのアシル化による
4’−イソブチルアセトフェノン(IBAP)であり、
以下の式で示される。
【0020】
【化1】
【0021】式中、”X”はアセチル化剤のアセチル基
を取った残基である。
【0022】使用されるアセチル化剤は、たとえばアセ
チルフルオライド(X=F)、無水酢酸(X=−OCO
CH3)、および酢酸(X=−OH)である。アセチル
化剤の混合物も使用でき、たとえば無水酢酸のようなア
セチル化剤が使用される時にはその場で混合することも
できる。無水酢酸はIBBと反応しIBAPとアセチル
化剤でもある酢酸を生成する。さらに、無水酢酸はHF
とも反応し、他のアセチル化剤であるアセチルフルオラ
イドと酢酸も生成する。酢酸がすべてのまたは一部のア
セチル化剤として使用されるならば、その無水物のいく
つかも使用でき、好ましくは水との反応のために反応系
に加えられる。他の方法によれば、アセチルフルオライ
ドが存在する時には、これも水と反応し、HFと酢酸を
生成する。したがって反応生成物はIBAPとHFおよ
び/またはフリーの酢酸を含み、どちらの場合もHFが
かなりの量存在する。なぜなら溶剤/抽出剤/触媒とし
て大過剰が使用されるからであり、たとえばIBB/I
BAP1モル当たり約7から80モルが使用される。再
循環比、すなわち、IBB供給点のトップからまたはそ
の近傍から再循環されるIBBの重量と、好ましくはH
Fの供給点および反応器のアセチル化剤以下であり、定
常状態で入りまたは出て行く物質の総重量との比率であ
り、たとえば、約2から約0.03の範囲にあり、好ま
しくは約0.5から0.1の範囲である。抽出反応器の
パッキングの使用はHF富化相とIBB富化相との接触
を増大させ、IBB富化相の、これは好ましくは連続相
であるHF富化相において不連続相であるのが好まし
い、プラグフロー(plug flow)を助けるので
好ましい。反応はたとえば約45℃から80℃で行わ
れ、たとえば約35psigから約150psigの沸
騰圧で行われ、たとえば約0.3から4時間の滞留時間
で行われる。
【0023】抽出反応器の生成物は抽出反応器のフィニ
ッシングゾーンまたは別のフィニッシング反応器に送ら
れ、IBBのIBAPへの均一相の転化率を最大にされ
る。そのようなフィニッシングゾーンまたは反応器は抽
出反応器での温度および圧力と同等の条件で操作され、
滞留時間はたとえば約0.1から約4時間、好ましくは
約0.5から2時間である。フィニッシングゾーンまた
は反応器はプラグフロー条件(反応器をパッキングする
ことによる)または層流(laminar flow)
条件で使用される。
【0024】生成物流れは抽出反応器またはフィニッシ
ング反応器から取り出され、フリーの、すなわち実質的
に複合化していないHF、およびIBAPおよびアセチ
ル化剤のすべてまたは一部として無水酢酸または酢酸が
使用されている時にはアセチルフルオライドと複合化し
ているHFを含んでいる。生成物流れはHF、水、およ
び/または酢酸を含み、これらはアセチル化反応の副生
成物として形成される。存在する酢酸のいくらかはHF
と複合物を形成する傾向にある。さらに生成物流れは、
反応の程度によりまたは最初の化学量論比により未反応
のイソブチルベンゼン(IBB)、アセチルフルオライ
ド(AcF)、酢酸(HOAc)、および無水酢酸(A
2O)を含む。
【0025】複合化されたHFおよび複合化されていな
いHFを抽出反応器の生成物流れに含まれるIBAPと
酢酸から分離するために、HF除去カラムにその流れを
送ることができ、その操作は米国特許No.4,99
0,681に開示されており、その記載は前述のように
参照される。その操作において、酢酸(AC2O)がカ
ラムに入る流れ(芳香族ケトンとHFを含む)の供給点
以下でカラムに加えられ、複合化されたHFと反応し、
アセチルフルオライド(AcF)と酢酸(HOAc)を
下式に示すように生成する。
【0026】 Ac2O+HF ──→ AcF+HOAc アセチルフルオライドは比較的揮発性で、カラムのトッ
プから複合化されていないHFとともに取り出され、そ
の供給点またはその近傍で入った流れから分離される。
いくらかのIBBは、もし存在すれば、反応器へ再循環
するためのオーバーヘッドで集めることができる。より
揮発性の少ないIBAPと酢酸を含む流れはカラムのボ
トムから取り出される。HF除去カラムで行われる反応
とストリッピングの操作はたとえば約30℃から約15
5℃の温度で行われ、またたとえば約0psigから約
25psigの圧力で行われる。
【0027】所望のIBAP生成物、部分的に回収され
たシステムのアセチル物のいくらか、HF除去カラムか
らのボトム流れのさらなる精製のために、ライトカラム
エンドに送られる。該ライトカラムエンドではIBAP
とカラムのボトムからの重い成分が、カラムのトップか
ら取り出された酢酸、該酢酸はそれがアセチル化剤との
一部として作用していた抽出反応器にその一部が再循環
されることができる、から分離される。ライトカラムエ
ンドはボトム温度、たとえば約160℃から約200
℃、約30mmHgから約110mmHgで操作され
る。所望であれば、ライトカラムエンドからのボトム流
れはヘビーエンドカラムに送る事ができ、該ヘビーエン
ドカラムではIBAPがボトム流れにおいて混合してい
た重い不純物のほとんどを除去することによりIBAP
をさらに精製することができる。
【0028】図1を参照すれば、液体HFとアセチル化
剤の混合物を含む流れはライン1を通りシステムに入
り、ポンプ2により連続的に抽出反応器3に送られ、複
数の開口部を有する液体分配器4から複数の流れとし
て、抽出反応器3のトップに集められたIBB富化相の
下に流れ出て行く。HFとアセチル化剤を含む混合物は
密度の高い、好ましくは抽出反応器3を連続相のHF富
化相をとおり下方へと移動する。軽いIBB富化相は、
抽出反応器3のトップから取り出され、ライン5をIB
B再循環流れとして流れる。新たなIBB流れは、ライ
ン6でライン5からのIBB再循環流れと合わされ、メ
イクアップソースからライン6を通って流れる。バルブ
装置(図示せず)により、合わされたIBB流れはポン
プ7により加圧されライン8を通り複数の開口部を有す
る液体分配器9を通り抽出反応器3の中間部に入る。他
の方法では、別のフィニッシング反応器(図示せず)が
ある場合には、合わされたIBB流れは複数の開口部を
有する液体分配器11を通り、ライン10を通り抽出反
応器3のボトムから入ってもよい。図1に示された好ま
しい実施態様における他の場合では、IBB供給流れは
不連続な軽いIBB富化相を形成し、連続相の密度の大
きなHF富化相を上方に移動する。IBBはアセチル化
剤と反応し、IBAP、HF、H2O、および/または
酢酸副生成物、これらは先に述べたように連続相の密度
の大きなHF富化相に吸収されている、を生成する。そ
のようなIBAP、HF、およびほとんどの場合にはい
くらかの酢酸とAcFを含む密度の大きな相は反応生成
物としてライン12を通して取り出される。未反応のI
BBを含む不連続相の軽いIBB富化相のいくらかは、
抽出反応器3のトップに集められ、ライン5を通り前述
のように再循環される。
【0029】連続相の密度の大きなHF富化相でのアセ
チル化剤とのIBAPを生成する反応に加え、不連続の
軽いIBB富化相におけるいくらかのIBBは未反応の
まま残り、溶解したIBBが約1%から10%のオーダ
ーで密度の大きなHF富化相に含まれる。IBB供給流
れが抽出反応器3にライン8および液体分配器9を通っ
て入った場合には、アセチル化剤といくらかの溶解した
IBBを含むHF富化相は液体分配器9から、反応生成
物がライン12を通して取り出される抽出反応器3のボ
トムへと下方向に移動する。これにより、溶解したIB
Bが均一システムにおけるアセチル化剤とさらに反応す
るための滞留時間が得られ、さらにIBAPが形成され
る。この操作では、図1に番号13として示された抽出
反応器3の下部がフィニッシングゾーンに該当する。上
記に述べたように、同じ反応が抽出反応器とまったく別
の容器であるフィニッシング反応器内で行われてもよ
い。
【0030】図1において、P1,P2,P3,および
P4は、定期的に取り出され分析されるサンプル採取点
を示す。
【0031】次に図2によれば、抽出反応器3の操作は
図1の説明でされたと同様の方法でされ、IBBの供給
流れは抽出反応器3の中間部またはボトムに導かれ、液
体HFに溶解したアセチル化剤は抽出反応器3にライン
1を通って入り、アセチルフルオライドと酢酸との混合
物として入り、該酢酸はほとんどの場合はHF回収カラ
ム20と可能ならばライトエンドカラム30からの再循
環流れとして得られる。ライトエンドカラム1のHFと
アセチル化剤の混合物はHOAc:AcFのモル比が約
0:1から約2:1の範囲であり、より好ましい範囲は
約0.25:1から約2:1の範囲であり、最も好まし
い範囲はHOAc:AcFが約0.65:1から約1.
3:1の範囲である。混合物のHF含量は必要により変
化させることができる。典型的には、HFに対する(H
OAc+AcF)のモル比は、約1:5から約1:25
の範囲であり、好ましい範囲は約1:10から約1:2
0の範囲である。
【0032】抽出反応器3のボトムからの反応生成物
は、IBAP,HF,およびHOAcを含み、すべての
またはほとんどのIBAPはHFと複合化し、ライン1
2を通って供給物としてHF除去カラムのトップに移送
される。無水酢酸がカラム20に2つのライン、ライン
12からの供給流れの供給点よりも少し下のライン2
1、および/またはカラムの下方のライン22を通って
供給され、米国特許No.4,990,681に開示さ
れているようにIBAPまたは酢酸と複合化した実質的
にすべてのHFと反応するに十分な量が供給される。こ
の反応の生成物はAcFと付加的なHOAcである。供
給された、および自由なHF、AcF,およびHOAc
は未反応のIBBと同様、カラム20からライン23を
通してオーバーヘッドとして取り出され、コンデンサー
24を通過した後、抽出反応器3にライン25と1を通
って再循環される。他の方法によれば、カラムはライン
23を通るオーバーロード流れがHFとAcFのみを含
み、すべてのHOAcがHOAcとIBAPを含むボト
ム流れの一部として取り出されるように操作されること
ができる。そのようなボトム流れはライン26を通して
取り出され、ライトエンドカラム30に流れ、そこでラ
イン31から取り出されたIBAPを多量に含むボトム
流れとライン32を通して取り出されるHOAcを多量
に含むオーバーヘッド流れに分離される。IBAPを含
むボトム流れ31はヘビーエンドカラム(図示せず)に
送られ、IBAPよりも揮発性の小さい不純物が除去さ
れ、IBAPは利用される前にさらに他の精製手段によ
り精製されることもできる。カラム30からのHOAc
を含むオーバーヘッド流れ32はコンデンサー33によ
り凝縮され、抽出反応器3に流れ35としてHF除去カ
ラム20からの凝縮されたオーバーヘッド流れ25とと
もに、前述のように供給物としてライン1を通って再循
環されることができる。ライトエンドカラム30からの
HOAcを含む流れの残りはライトエンドカラム34を
通してシステムから取り出される。
【0033】以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳
細に説明する。
【0034】実施例1 図1に示された抽出反応器3の2つの部分に、20フィ
ートの8”パイプが5/8”のポールリング(pall
rings)とともに詰められた。反応器は58℃に
保たれ、溶剤が沸騰するのに十分な圧力、すなわち約4
0から60psigに保たれた。反応器のトップにライ
ン1を通して185lb/hrで19wt%のAcFと
15.2wt%のHOAcを含むHF溶液が供給され、
これは図2に示されたようにHF除去カラム20とライ
トエンドカラム30からの再循環流れとして得られ、そ
れは連続相の密度の大きいHF富化相を形成する。図1
に示されたように、IBB供給流れはライン10を通
り、74lb/hrの速度で反応器のボトムに供給さ
れ、ブロック化された反応器の中間部への流れとともに
供給される。不連続相の軽いIBB富化相は反応器のボ
トム部分で形成され、密度が小さく連続相のHF富化相
にはほとんど溶解せずに、容器のトップへと移動する。
AcFとアセチル化剤としてHOAcのいくらか、およ
びIBBとの間に反応が起こり、IBAPを生成し、そ
れが連続相のHF富化相に抽出され、さらに副生成物と
してHFと場合により水が生成する。未反応のIBBを
含むIBB富化相は容器のトップに集められ、相分離の
後、ライン5、場合によってはライン10を通って、I
BB供給物(再循環IBBとメークアップIBBの両者
を含む)として58.8lb/hrで容器のボトムに再
循環される。15.2lb/hrの速度でフレッシュな
IBBがライン6および10を通って連続的に加えら
れ、HF富化相に溶解し、また反応で消費された分を補
充する。抽出反応器のボトムから3200lb/hrの
HF富化相が回収されたが、該HF富化相は供給流れ中
のHFとアセチル化反応の副生成物として生成されたH
Fに加え、所望の生成物、IBAP、と未反応のIB
B,AcF,HOAcおよび他の副生成物を含む。P4
から取り出されたHF富化流れのサンプルはHFを除去
するため氷水で冷却され、中和され、有機溶剤で抽出す
るという処理がなされた。溶剤を取り除いた後、残った
有機部分は55.1wt%のIBAPと37.5wt%
のIBBを含んでいた。P3から取り出されたIBB供
給流れのサンプルの分析結果は、0.3wt%のIBA
P、57.6wt%のIBB、および1.8wt%のH
FとAcFから誘導されたフッ化物の存在を示してい
た。
【0035】抽出反応器3からのHF富化生成物流れは
ライン12を通って理論段数のトレイ30を含むHF除
去カラム20に導かれ、Ac2OはIBAPと複合化さ
れたHFとHOAcと反応し、AcFを生成し、主にH
FとAcFの軽い成分は、本実施例の最初に述べた米国
特許No.4,990,681に開示されているよう
に、ライン1を通って抽出反応器3へ再循環するための
ストリップされたオーバーヘッドとなる。HF富化供給
流れはカラム30のトレイ26,28,または30のト
ップに近い部分に供給される。Ac2Oは14lb/h
rでカラム20にHF富化供給流れの供給点以下で供給
され、Ac2Oの大部分がトレイ20または24に供給
され、少量がトレイ6、9、または14に供給される。
49lb/hrの生成物流れがライン26を通ってカラ
ム20のベースから移送され、それは26.9wt%の
IBAP、5.9wt%のIBB、61.6wt%のH
OAc、2.1wt%のAc2Oおよび他の副生成物を
含んでいた。
【0036】HF除去カラム20からの生成物流れはラ
イン26を通ってライトエンド蒸留カラム30に送ら
れ、HOAcのバルクがオーバーヘッド流れとしてIB
AP生成物から10−50mmHgの条件下で除去さ
れ、さらに精製される。オーバーヘッド流れは抽出反応
器3への再循環に適しており、ライン32を介して取り
出されライン33内で凝縮され、88.1wt%のHO
Ac、3.5wt%のAc 2O、および5.9wt%の
IBBを含んでいた。約14.4lb/hrの生成物流
れがライン31を介して移送され、それは91.6wt
%のIBAPとより高い沸点を有する残留副生成物のバ
ルクを含んでいた。後者はヘビーエンド蒸留カラムでさ
らに精製され、実質的に除去される。
【0037】実施例2 装置の構成は実施例1と同じであるが、IBBが抽出反
応器のボトムではなく中間部に供給され、そのため容器
のボトム部分がフィニッシングゾーンとして機能し、連
続相のHF富化相にさらなる滞留時間を与え、アセチル
化剤、ほとんどの場合はAcF、と均一相に溶解したI
BBとの反応がよりすすみ、IBAPの収率が向上す
る。反応器の温度は60℃に保たれた。ライン1を介し
て反応器のトップに290lb/hrで供給された供給
物は、6.8wt%のAcFと10.3wt%のHOA
cを含んでいた。IBBはライン8を介して89lb/
hrの速度で反応器の中間部に供給された。16.4l
b/hrのIBBがライン6を介して連続的に加えら
れ、反応で消費され、またHF富化相に溶解した分を補
充し、ライン12を介して反応器のボトムから307l
b/hrのHF溶液が取り出された。この流れの実施例
1と同様の有機部分の分析の結果は、78.8wt%の
IBAP、13.3wt%のIBBを示し、抽出反応器
3の中間部のP2からのサンプルは、66.4wt%の
IBAP、および27.7wt%のIBBという結果を
示した。
【0038】ライン12を介して抽出反応器3から取り
出した流れは、実施例1に示されたように、HF除去カ
ラム20の30のトレイに13lb/hrのAc2Oと
は別々に供給された。溶液は連続的にカラムのボトムか
ら取り出され、34.0wt%のIBAP、0.3wt
%のIBB、59.9wt%のHOAc、3.0wt%
のAcO、および他の副生成物を含んでいた。
【0039】HF除去カラム20の粗製アセチル化生成
物からのHOAcの分離は、ライトエンドカラム30で
の10−50mmHgにおける蒸留により、実施例1と
同様にして達成される。蒸留カラムからのオーバーヘッ
ドは94.8wt%のHOAc、4.6wt%のAc2
O、および0.5wt%のIBBを含んでいた。生成物
流れは92.2wt%のIBAPを含み、カラムのベー
スから連続的に取り出された。
【0040】実施例3−24 これらの実施例において、抽出反応器3を操作する手順
および装置は、たとえば供給物流れの速度、および温度
のような特定の条件を除き、実施例1および2と同じで
ある。表1にライン12を介して取り出された生成物の
速度(生成物速度)、ライン8および10を介してのI
BB供給速度(IBB供給速度)、ライン1を介しての
HFとアセチル化剤の供給速度(HF供給速度)、ライ
ン6を介してのIBBのメークアップ速度(IBBメー
クアップ)、操作モード(モード)、モード1は実施例
2のようにIBBがライン8を介して抽出反応器3の中
間部に供給されるモードを、モード2は実施例1のよう
にライン10を介して抽出反応器3のボトムに供給され
るモードを表す、および操作温度(温度)を示す。
【0041】
【表1】
【0042】図1に示されたP1,P2,P3およびP
4からの採取された種々の流れのサンプルの分析結果は
表IIに示される。
【0043】
【表2】
【0044】表IIに結果が示された実験はモード1で行
われ、フィニッシングゾーンで均一相で溶解したIBB
とアセチル化剤との間でさらにアセチル化が進むように
され、抽出反応器のボトムから取り出された生成物流れ
が常に、抽出反応器の中間部の、IBBの供給点以下
の、フィニッシングゾーンに入った混合物よりも高いI
BAPの含有量を有する。この結果は溶解したIBBの
フィニッシングゾーンにおける、さらなるアセチル化の
重要性を示す。さらに、モード1による実験の結果とフ
ィニッシングゾーンが使用されないモード2の実験の結
果を比較すると、モード1において抽出反応器のボトム
から取り出された生成物流れは多くの場合、抽出反応器
がモード2で操作されている時のIBAPの割合よりも
高い割合を示す。したがって、フィニッシングゾーンま
たは反応器の使用は多くの場合IBAPの高い収率に有
効である。
【0045】実施例21および22においては、図1の
ライン10を介して供給される芳香族化合物を含有する
供給物の量は、ライン6を化合物供給される新たなメー
クアップ芳香族化合物含有供給物と等量ないしほぼ等量
である。抽出反応器のトップからのライン5を介しての
芳香族化合物の再循環はさして多量ではない。これは、
芳香族化合物が十分に反応し、抽出反応器のトップの出
口に少量の芳香族化合物が残っているにすぎないときに
起こる。実施例21のデータによれば、ライン6からは
再循環された芳香族化合物とメークアップ供給物との合
計よりも多量のメークアップ芳香族化合物含有供給物が
供給されており、これは物理的に不可能なことである。
これは供給速度またはライン5からの抽出反応器のトッ
プへの再循環の流量測定の誤りである。
【0046】抽出反応器を1回通過することにより本質
的にすべての芳香族化合物と反応することが好ましい、
なぜなら実験データは好ましくないアイソマーである、
所望のアシル化またはアルキル化生成物のアイソマー
が、未反応の芳香族化合物が再循環されると増加(より
形成されやすくなる)することを示しているからであ
る。
【0047】実施例25HF溶液を観察するための窓を
有するオートクレーブに、61.2gの無水酢酸と60
gのHFが投入された。混合物は約80℃に暖められ、
1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン(H
MT)がオートクレーブの下部に供給された。オートク
レーブの上部に第二の相が形成されるのが観察された。
約10分後、オートクレーブの上部および下部のそれぞ
れの相のサンプルが採取された。上部の相は未反応のH
MT(約33wt%)およびアシル化生成物である1,
1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテト
ラリン(HMAT)(約2wt%)と、HFと無水酢酸
の残留分を含んでいた。下部の相は、約2wt%のHM
T、約2.5wt%のHMATと、HFとアセチル種の
残留分を含んでいた。このオートクレーブ実験は先行す
る実施例で得られた反応生成物の分離を示すものではな
いが、先行する実施例で述べられた反応器における相に
関する挙動の予想をするのに役立つものである。
【0048】実施例26 本実施例はHFへのp−シメンの限られた溶解性、およ
びp−シメン(メチルイソプロピルベンゼン)が本発明
の方法によりアシル化またはアルキル化できることを示
す。
【0049】オートクレーブに26.8gのp−シメン
と150gのHFを約0℃で投入した。オートクレーブ
内容物は約5分撹拌された。撹拌が停止され、約30分
オートクレーブ内で相分離された。オートクレーブの上
部から採取されたサンプルは約93wt%のp−シメン
と約4wt%のHFを含んでいた。オートクレーブの下
部から採取されたサンプルは約1%のp−シメンと約9
9%のHFを含んでいた。
【0050】実施例27 HFを触媒/溶剤として使用したアルキル化反応が本発
明の方法で可能である。
【0051】33.6gの3,3−ジメチル−1−ブテ
ンと13.4gのp−シメンの混合物、100gのHF
をオートクレーブ内で撹拌下、約−40℃で約1時間反
応させた。生成混合物は氷/水に移され、KOHで中和
され、酢酸エチルで抽出された。酢酸エチル抽出剤をロ
ータリー蒸発器で除去し、アルキル化生成物の1,1,
3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン(HMT)を
19wt%含む36gの有機物質が得られた。
【0052】本発明の方法に用いられるアルキル化剤は
不飽和のC2−C20アルキル、好ましくは不飽和のC2
10アルキルである。
【0053】本発明には芳香族化合物が連続相を作り、
HF富化相が不連続相を作る態様も含まれる。代表的に
はHF富化相が芳香族化合物含有相を下方に移動し、抽
出反応器のボトムに集め、上述の好ましい実施例と同様
の方法により処理される。
【0054】本発明はさらに多段階反応が芳香族化合物
含有相とHF含有相との層流を使用した態様も含まれ
る。層流は、たとえば芳香族反応物、アセチル化剤およ
びHFがチューブ反応器の一端に集められ、チューブの
長さ方向のプラグフロー条件下で反応が混合物の状態で
進行するようなチューブ反応器の使用を可能にする。チ
ューブ反応器に存在する生成物混合物は、未反応の芳香
族物質、フッ化水素、フッ化水素に溶解している生成
物、および未反応のアシル化またはアルキル化剤を含
む。生成物混合物はその後分離ユニットに送られ、米国
特許No.4,990,681に開示されている種々の
分離方法により種々の成分が分離される。
【0055】チューブ反応器に供給される芳香族物質の
量および/または反応器に含まれる段数は、チューブ反
応器に存在する生成物混合物中に未反応で残る芳香族物
質の量が少なくなるように調整される。
【0056】上述の実施例は本発明の範囲について何ら
の限定を与えるものではなく、当業者は自明な改良や均
等物への置換により本発明に変更を加えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、抽出反応器と任意のフィニッシング
ゾーンを含む、フッ化水素中の芳香族化合物のアルキル
化のためのプロセスの模式図である。
【図2】 図2は、任意のフィニッシングゾーンを有す
る抽出反応器、HF除去カラム、およびライトエンドカ
ラムを有するフッ化水素中の芳香族化合物のアルキル化
のためのプロセスの模式図である。
フロントページの続き (72)発明者 トーマス・エイ・カーティス アメリカ合衆国サウス・カロライナ州 29715,テガ・ケイ,ウッドホルム・コ ート 12003 (72)発明者 ティモシー・アール・ライアン アメリカ合衆国テキサス州78413,コー パス・クリスティ,バーナム・ドライブ 5406,ナンバー823 (72)発明者 エドワード・エム・デ・ラ・ガルザ アメリカ合衆国テキサス州78412,コー パス・クリスティ,モントクレア 218 (72)発明者 チャールス・ビー・ヒルトン アメリカ合衆国ロード・アイランド州 02852,ノース・キングスタウン,ロー レル・リッジ・レーン 284 (72)発明者 トーマス・エム・ケネソン アメリカ合衆国テキサス州78408,コー パス・クリスティ,マース 9349 (56)参考文献 特開 昭60−197631(JP,A) 特開 昭60−92226(JP,A) 特開 昭60−61540(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 2/70 C07C 15/24 C07C 45/46 C07C 49/76

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化水素中での芳香族化合物のアルキ
    ル化のための連続方法であって、 a)フッ化水素と、少なくともひとつのアルキル化剤を
    抽出反応器に供給し、第一のフッ化水素富化相を形成す
    る工程、 b)芳香族化合物を含む材料を前記抽出反応器へ供給
    し、第二の芳香族化合物富化相を形成する工程、および c)前記第一のフッ化水素富化相を前記第二の芳香族化
    合物富化相の幾分かと、前記抽出反応器内で接触させ、
    前記アルキル化剤が前記芳香族化合物と反応し、前記芳
    香族化合物のアルキル化生成物を形成し、フッ化水素相
    に抽出される工程、 を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記芳香族化合物の少なくとも一部を工
    程c)の後も未反応のままに残し、前記未反応の芳香族
    化合物が外部に再循環され、それにより前記未反応の芳
    香族化合物が新たな芳香族化合物と組み合わせて用いら
    れ、前記抽出反応器内で反応を継続する、請求項1記載
    の方法
  3. 【請求項3】 工程c)の後に本質的にすべての前記第
    二の相の前記芳香族化合物が反応される、請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記芳香族化合物が、イソブチルベンゼ
    ン、メチルイソプロピルベンゼン、クロロベンゼン、ジ
    フェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ナ
    フタレン、2−メチルナフタレン、テトラリン、1,
    1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン、および
    パンツレンからなる群より選ばれる、請求項1又は2に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記芳香族化合物が、1,1,3,4,
    4,6−ヘキサメチルテトラリンおよびメチルイソプロ
    ピルベンゼンからなる群より選ばれる、請求項4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記アルキル化剤が不飽和のC2−C20
    アルキルである、請求項1、2、または3に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記アルキル化剤が不飽和のC2−C10
    アルキルである、請求項1、2、または3に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記フッ化水素富化相が抽出反応器の反
    応媒体の連続相である、請求項1から3のいずれか1項
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記芳香族化合物富化相が抽出反応器の
    反応媒体の連続相である、請求項1から3のいずれか1
    項に記載の方法。
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