JP3457951B2 - メンブレンタンク、及び、メンブレンタンクの漏れ試験方法 - Google Patents

メンブレンタンク、及び、メンブレンタンクの漏れ試験方法

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JP3457951B2 JP2001051226A JP2001051226A JP3457951B2 JP 3457951 B2 JP3457951 B2 JP 3457951B2 JP 2001051226 A JP2001051226 A JP 2001051226A JP 2001051226 A JP2001051226 A JP 2001051226A JP 3457951 B2 JP3457951 B2 JP 3457951B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メンブレンタン
ク、及び、メンブレンタンクの漏れ試験方法に関し、特
に、より確実に欠陥が検出されるメンブレンタンク、及
び、メンブレンタンクの漏れ試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、LNG地下タンクを示してい
る。このLNG地下タンク100は、地下に埋設されコ
ンクリートにより形成された躯体101により囲まれた
領域に設けられている。LNG地下タンク100は、タ
ンク102と保冷層103とを備えている。タンク10
2と保冷層103との間には、メンブレン104が設け
られている。メンブレン104は、板厚が概ね2mmで
あるステンレスの板により形成され、タンク102と保
冷層103とを隔離している。LNG地下タンク100
は冷却されて液化された液化天然ガス(以下、「LN
G」と略記される)をタンク102内に貯蔵し、保冷層
103はタンク102を防熱してLNGの蒸発を防いで
いる。このとき、タンク102は、−160℃であり、
保冷層103より加圧されている。
【0003】メンブレン104を有するLNG地下タン
ク100では、アンモニアリーク試験が実施されて、タ
ンク102の漏れを検出している。このアンモニアリー
ク試験は、タンク102の内側の面105にアンモニア
に反応して変色する検出剤を塗布すること、保冷層10
3にアンモニアガスと窒素との混合ガスを封入すること
とを含んでいる。メンブレン104に貫通欠陥があった
ときには、保冷層103からタンク102の内側の面1
05にアンモニアガスが漏れるため、漏れたアンモニア
ガスと検出剤が反応して変色する。これを目視により観
察しリークしている箇所を検出する。
【0004】このようなアンモニアリーク試験では、保
冷層103にアンモニアガスを封入するため、メンブレ
ン104の自重程度の圧力(15mmAq)しか保冷層
103を加圧することができない。このようにタンク1
02内と保冷層103の圧力差が小さい場合には、欠陥
があってもゴミなどが詰まっていたりすると、アンモニ
アがリークしないで見逃す可能性がある。また、一般に
アンモニアリーク試験は、溶接部のみを対象としてい
る。さらに、実際の使用状態であるタンク102の側に
圧力がかかった状態を模擬することができない。さら
に、低温で開口するような欠陥は、発見することができ
ない。このような欠陥を発見でき、かつ溶接部以外の母
材部をも対象とする漏れ試験が望まれている。
【0005】さらに、LNG地下タンク100に、土中
メタンに例示される異物が躯体101を介して保冷層1
03に侵入する欠陥があるとき、保冷層103中のメタ
ンは、タンク102からの漏れか、躯体101からの漏
れか判別することができない。
【0006】タンクの漏れ試験として、タンク内にガス
を加圧して充填して、外部に漏れ出てくるガスを検出す
る検査が実施されている。例えば、Heをタンク内に入
れてHe検出器で検出する試験が実施されている。He
の検出感度は、一般的にppmのオーダーである。He
は空気中にも存在し、50ppmほどのバックグラウン
ドがある。このようなHeでのメンブレンタンクの漏れ
試験を実施すると、純Heをタンク内に送入しても相当
長い期間放置して蓄積しないと、例えば、数ヶ月放置し
て蓄積しないと、検出感度に到達しない。
【0007】タンク内にガスを加圧して充填して、タン
ク内の圧力の変化を検出する検査が一般的に実施されて
いる。メンブレンタンクの漏れは、ごく微量で問題にな
り、このような検査方法では、問題となる欠陥を検出す
ることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、より
確実に欠陥が検出されるメンブレンタンク、及び、メン
ブレンタンクの漏れ試験方法を提供することにある。本
発明の他の課題は、使用状態に近い条件で母材部まで含
めて欠陥が検出されるメンブレンタンク、及び、メンブ
レンタンクの漏れ試験方法を提供することにある。本発
明のさらに他の課題は、低温時にのみ開く貫通欠陥が検
出されるメンブレンタンク、及び、メンブレンタンクの
漏れ試験方法を提供することにある。本発明のさらに他
の課題は、貫通欠陥の有無が速く検出されるメンブレン
タンク、及び、メンブレンタンクの漏れ試験方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が、下記のように表現される。その表現中に現れ
る技術的事項には、括弧()付きで、番号、記号等が添
記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複
数・形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実
施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特
に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現さ
れている技術的事項に付せられている参照番号、参照記
号等に一致している。このような参照番号、参照記号
は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の
技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このよ
うな対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の
形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈すること
を意味しない。
【0010】本発明によるメンブレンタンクは、タンク
(3)と、タンク(3)を防熱する保冷層(4)と、タ
ンク(3)にトレーサーガスを加圧して充填するトレー
サーガス送入用配管(6)と、保冷層(4)内の気体を
サンプリングするサンプリング用配管(11)とを具備
している。このメンブレンタンク(1)は、メンブレン
(5)がタンク(3)と保冷層(4)とを隔離してい
る。トレーサーガス送入用配管(6)からタンク(3)
内に送入されたトレーサーガスは、メンブレン(5)に
貫通欠陥があるときに保冷層(4)内に漏れ出る。サン
プリング用配管(11)がサンプリングした気体に漏れ
出たトレーサーガスを含有しているかどうかにより、メ
ンブレン(5)に貫通欠陥が存在するかどうかを検出す
る。トレーサーガス送入用配管(6)は、メンブレンタ
ンク(1)の漏れ試験を実施する期間だけに仮設される
ことができる。
【0011】トレーサーガスは、第1濃度でトレーサー
を含有し、トレーサーは、第1濃度より低い第2濃度が
検出可能であり、環境大気は、第2濃度より低い第3濃
度でトレーサーを含有している。第2濃度は、第1濃度
の1千万分の1より低いことがさらに好ましい。このよ
うなトレーサーとしては、人工の気体物質であり、天然
には存在しない、または、環境大気中に極めて微量しか
存在しない気体物質であることが好ましい。トレーサー
として、人工放射性同位元素を使用することもできる。
このようなトレーサーとして、六フッ化硫黄SF、四
フッ化炭素CF が例示される。
【0012】更に、タンク(3)を冷却するために、液
化ガスをタンク(3)に噴霧する冷却用配管(8)を具
備している。タンク(3)を冷却することにより、メン
ブレン(5)を収縮させて、常温では塞がっていた貫通
欠陥を開放させることができる。このため、このような
貫通欠陥を検出することができる。冷却用配管(8)
は、メンブレンタンク(1)の漏れ試験を実施する期間
だけに仮設されることができる。
【0013】サンプリング用配管(11)は、保冷層
(4)の複数の異なる地点から気体を別個にサンプリン
グすることが好ましい。複数の異なる地点からサンプリ
ングされた複数の気体サンプルは、貫通欠陥の位置に基
づいて気体サンプルのトレーサーの濃度に濃淡が現れ
る。この濃淡により、貫通欠陥の位置を推測することが
できる。
【0014】本発明によるメンブレンタンクの漏れ試験
方法は、タンク(3)と保冷層(4)とがメンブレン
(5)で隔離されているメンブレンタンク(1)で実施
され、メンブレン(5)の貫通欠陥を検出するメンブレ
ンタンクの漏れ試験方法である。タンク(3)にトレー
サーガスを加圧して充填すること、保冷層(4)に充填
されている気体をサンプリングすること、気体のトレー
サーガスの濃度を測定することとを具備している。
【0015】タンク(3)内に加圧して充填されたトレ
ーサーガスは、メンブレン(5)に貫通欠陥があるとき
に保冷層(4)内に漏れ出る。保冷層(4)からサンプ
リングした気体に漏れ出たトレーサーガスを含有してい
るかどうかにより、メンブレン(5)に貫通欠陥が存在
するかどうかを検出する。トレーサーガスをタンク
(3)に加圧して充填することは、メンブレンタンク
(1)の実際の使用状態を模擬しており、貫通欠陥をよ
り確実に検出することができる。
【0016】更に、充填することを実施した後にタンク
(3)の内部を冷却すること、冷却することを実施した
後に保冷層(4)に充填されている気体をサンプリング
することとを具備する。常温での漏れ試験により検出さ
れない貫通欠陥は、冷却することにより開き、検出する
ことができる。冷却することは、たとえば、液化窒素な
どの液化ガスをタンク(3)の内部に噴霧することを含
むことが好ましい。
【0017】充填することは、タンク(3)内を冷却し
ながら実施される。このような充填は、トレーサーガス
がタンク(3)内で霧状に変化することを防止する。
【0018】充填することは、タンク(3)内に液化ガ
スが貯蔵されている状態で実施される。このとき、トレ
ーサーガスは、貯蔵されている液化ガスに混合される。
このような充填は、保冷層(4)に異物が存在するとき
に、その異物が土中から侵入したものか、タンク(3)
からメンブレン(5)を通って漏れたものかを判別する
ことができる。
【0019】トレーサーガスは、第1濃度でトレーサー
を含有し、トレーサーは、第1濃度の1千万分の1の第
2濃度が検出可能であり、環境大気は、第2濃度より低
い第3濃度でトレーサーを含有している。このようなト
レーサーとしては、人工の気体物質であり、天然には存
在しない、または、環境大気中に極めて微量しか存在し
ない気体物質であることが好ましい。トレーサーとし
て、人工放射性同位元素を使用することもできる。
【0020】トレーサーは、六フッ化硫黄SFである
ことが好ましい。トレーサーは、四フッ化炭素CF
あることが好ましい。
【0021】気体は、保冷層(4)の異なる複数の地点
から別々にサンプリングされ、トレーサーの濃度が高い
気体がサンプリングされた地点の近傍に貫通欠陥がある
と推測して、貫通欠陥があると推測された部分をさらに
検査することを更に具備することが好ましい。このよう
な検査として、ECT検査が例示される。
【0022】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明によるメ
ンブレンタンクの実施の形態を説明する。そのメンブレ
ンタンク1は、図1に示されているように、地下に埋設
されコンクリートにより形成された躯体2により囲まれ
た円柱状の領域に設けられている。メンブレンタンク1
は、タンク3と保冷層4とを備えている。タンク3と保
冷層4との間には、ステンレスにより形成されているメ
ンブレン5が介設されて、メンブレン5はタンク3と保
冷層4とを隔てている。
【0023】タンク3の内部には、トレーサーガス送入
用配管6が設けられている。トレーサーガス送入用配管
6は、メンブレンタンク1の外部とタンク3の内部とを
接続し、外部からタンク3の内部にトレーサーガスを送
入する。なお、トレーサーガス送入用配管6は、メンブ
レンタンク1の漏れ試験を実施する期間だけ仮設される
ことができる。タンク3の上部には、上部に放散口7を
備えている。放散口7は、タンク3と外部を接続してい
る。放散口7は、内部に蓄積されたトレーサーガスを環
境に放散する。
【0024】タンク3の上部には、さらに冷却用配管8
が設けられている。冷却用配管8には、ノズル9が設け
られている。冷却用配管8は、メンブレンタンク1の外
部とタンク3の内部とを接続し、外部からタンク3の内
部に液体窒素を送入する。送入される液体窒素は、ノズ
ル9によりタンク3の内部に噴霧される。なお、冷却用
配管8は、メンブレンタンク1の漏れ試験を実施する期
間だけ仮設されることができる。
【0025】保冷層4には、サンプリング用配管11が
設けられている。サンプリング用配管11は、躯体2内
に埋設され、保冷層4内部と外部とを接続している。保
冷層4は、側面部分12と底面部分13とから形成され
ている。側面部分12は、円周方向に概ね均等に4〜6
の区画に分割され、上下方向に概ね均等に2〜3の区画
に分割されている。底面部分13は、概ね均等に2つの
区画に分割されている。サンプリング用配管11は複数
が設けられ、複数のサンプリング用配管11の各々は分
割された区画の各々に接続され、別個に気体サンプルを
サンプリングすることができる。
【0026】図2は、本発明によるメンブレンタンクの
漏れ試験方法の実施の形態を示している。まず、放散口
7を閉じてタンク3を密閉し、乾燥空気にトレーサーと
して六フッ化硫黄SFを0.15%混合された気体混
合物をトレーサーガスとしてトレーサーガス送入用配管
6からタンク3に送入する(ステップS1)。この送入
は、タンク3内の圧力が大気圧より高い所定圧力にな
り、放散口7から放散される気体中に含有されるSF
が0.1%の濃度になるまで継続される。
【0027】トレーサーとしては、天然に存在しない人
工の気体物質であり、または、環境大気中に極めて微量
しか存在しない気体物質であることが好ましい。トレー
サーは、さらに検出感度が高く、トレーサーガスが0.
1%のトレーサー気体混合物であるとき、100ppt
以下のトレーサーを検出することができる気体物質であ
ることが好ましい。このようなトレーサーガスでは、タ
ンク3の体積が20万mであり、保冷層4の容積が2
00mであるとき、概ね3μmのメンブレン5の貫通
欠陥を、トレーサーとしてヘリウムを用いる場合と比較
して短期間に速く検出することができる。トレーサーと
して、人工放射性同位元素を使用することもできる。
【0028】SFは、人工的にのみ生成され、環境大
気中にはごく微量しか存在しない。さらにSFは、検
出感度が高く、pptオーダーの濃度偏差を測定するこ
とができる。このようなトレーサーとしては、他に、四
フッ化炭素CFが例示される。CFも、人工的にの
み生成され、環境大気中にはごく微量しか存在しない。
さらにCFは、検出感度が高く、ppbオーダーの濃
度偏差を測定することができる。CFをトレーサーと
して用いた場合も、SFと同様にして、本発明による
メンブレンタンクの漏れ試験を実施することができる。
【0029】トレーサーガスが送入された後、タンク3
内が加圧された状態のまま、5日間放置される(ステッ
プS2)。この放置された期間内に、メンブレン4に貫
通欠陥が存在しているとき、トレーサーであるSF
その貫通欠陥を通って保冷層4に漏れ出る。
【0030】つぎに、保冷層4内にある気体がサンプリ
ングされる(ステップS3)。このサンプリングは、保
冷層4の複数の部分で実行される。保冷層4からサンプ
リングされた気体サンプルにトレーサーが含有されてい
るかどうかが測定される(ステップS4)。このとき、
バックグラウンドである大気中のSFの濃度は、最大
50pptと予想され、その予想された濃度50ppt
を越えた気体サンプルがあるかないかが判別される。S
の濃度が50pptを越えた気体サンプルがあると
きにはメンブレン5にリークがあると判別され、SF
の濃度が50pptを越えた気体サンプルがないときに
はメンブレン5にリークがないと判別される。この判定
値は、バックグラウンドにより変更が可能である。
【0031】メンブレン5にリークが発見されたとき
(ステップS4;YES)、タンク3は開放され(ステ
ップS5)、公知のアンモニアリーク試験が実施される
(ステップS6)。アンモニアリーク試験により、貫通
欠陥の位置が特定され、その貫通欠陥が補修される(ス
テップS7)。
【0032】メンブレン5にリークが発見されなかった
とき(ステップS4;NO)、タンク3内に冷却用配管
8から液体窒素が噴霧されて送入され、タンク3内が−
120℃程度まで冷却される(ステップS8)。このま
ま、タンク3内は−120℃程度で60時間保持されて
放置される(ステップS9)。この放置された期間内
に、メンブレン4に常温では塞がり、低温ではメンブレ
ン5が収縮して開く貫通欠陥が存在しているとき、トレ
ーサーであるSFはその貫通欠陥を通って保冷層4に
漏れ出る。
【0033】つぎに、保冷層4内の気体がサンプリング
される(ステップS10)。このとき、保冷層4に接続
されている互いに異なる位置に接続されている複数の配
管から複数の気体サンプルがサンプリングされる。複数
の気体サンプル毎にSFが含まれているかどうかが判
別される(ステップS11)。このとき、各気体サンプ
ル中のSFの濃度が測定される。
【0034】メンブレン5にリークが発見されたとき
(ステップS11;YES)、タンク3は開放されて、
作業者がタンク3内で作業できるようにタンク3内は、
大気に換気されるエアレーションが実施される(ステッ
プS12)。保冷層4の複数の部分からサンプリングさ
れた複数の気体サンプルは、貫通欠陥の位置に基づいて
気体サンプルのトレーサーの濃度に濃淡が現れる。この
濃淡により、貫通欠陥の位置が推測される。即ち、トレ
ーサーが最も高濃度で検出された部分のメンブレン5に
貫通欠陥があると推測される。貫通欠陥があると推測さ
れた部分を中心にECT検査(Eddy−Curren
t Test)などが実施される(ステップS13)。
【0035】試験コイルが導電性試料に近づけられたと
きに、その試験コイルのインピーダンスが変化すれば、
その試験コイルによって導電性試料に渦電流が誘導され
たことを示している。ECT検査は、このインピーダン
スの変化から導電性試料の欠陥とある種の性質とを発見
する非破壊検査である。常温では塞がり、低温ではメン
ブレン5が収縮して開く貫通欠陥は、常温で実施される
アンモニアリーク試験では発見できないが、ECT試験
により欠陥の位置が特定されることができる。ECT検
査により特定された貫通欠陥は、溶接などにより補修さ
れる(ステップS14)。
【0036】メンブレン5にリークが発見されなかった
とき(ステップS11;NO)、タンク3内がエアパー
ジされた後、再度使用される(ステップS15)。本発
明によるメンブレンタンクの漏れ試験方法は、液化天然
ガス運搬船(LNG船)にも適用することができる。
【0037】図3は、本発明によるメンブレンタンクの
漏れ試験方法の実施の他の形態を示している。本実施の
形態によるメンブレンタンクの漏れ試験方法は、常温で
実施されるアンモニアリーク試験が実施され、リークが
発見されないときに実施される。アンモニアリーク試験
を実施しないで、本実施の形態によるメンブレンタンク
の漏れ試験方法のみが実施されることもできる。
【0038】まず、放散口7を閉じてタンク3を密閉
し、0.4%−SF乾燥空気気体混合物または0.4
%−SF窒素気体混合物をタンク3内に液体窒素を噴
霧しながらトレーサーガスであるSFを送入する(ス
テップS21)。この送入は、タンク3内の圧力が大気
圧より高い所定圧力になり、放散口7から放散される気
体中に含有されるSFが0.1%の濃度になるまで継
続される。トレーサーガスを送入した後に、タンク3内
を冷却すると、SFがミスト(霧)状になり、貫通欠
陥を塞いでしまう可能性がある。ステップS21のよう
なトレーサーガスの送入によれば、SFは最初のうち
濃度が低いため、蒸気圧が低く凝縮しにくい。このた
め、SFがミスト状になることは防止される。
【0039】トレーサーガスが送入された後、タンク3
内が加圧され温度が−120℃の状態のまま、5日間放
置される(ステップS22)。この放置された期間内
に、メンブレン5に貫通欠陥が存在しているとき、トレ
ーサーガスは、その貫通欠陥を通って保冷層4に漏れ出
る。
【0040】つぎに、保冷層4から気体がサンプリング
される(ステップS23)。このサンプリングは、保冷
層4の複数の部分で実施される。保冷層4からサンプリ
ングされた気体サンプルにトレーサーガスが含有されて
いるかどうかが判別される(ステップS24)。このと
き、SFの濃度が50pptを越えた気体サンプルが
あるときにはメンブレン5にリークがあると判別され、
SFの濃度が50pptを越えた気体サンプルがない
ときにはメンブレン5にリークがないと判別される。
【0041】メンブレン5にリークが発見されたとき
(ステップS24;YES)、タンク3は解放され、タ
ンク3内のトレーサーガスが大気に換気されるエアレー
ションが実施される(ステップS25)。複数の部分か
らサンプリングされた複数の気体サンプルは、貫通欠陥
の位置に基づいてトレーサーの濃度の濃淡が現れる。こ
の濃淡により貫通欠陥の位置が推測される。即ち、トレ
ーサーが最も高濃度で検出された部分のメンブレン5を
中心にECT検査などが実施される(ステップS2
6)。ECT検査などにより特定された貫通欠陥は、補
修される(ステップS27)。
【0042】メンブレン5にリークが発見されなかった
とき(ステップS24;NO)、タンク3内がエアパー
ジされた後、再度使用される(ステップS28)。
【0043】図4は、本発明によるメンブレンタンクの
漏れ試験方法の実施のさらに他の形態を示している。本
実施の形態によるメンブレンタンクの漏れ試験方法は、
保冷層4にメタンが検出され、そのメタンが保冷層4に
躯体2から土中のメタンが侵入したものか、タンク3か
らメンブレン5を通って漏れたものか不明であるときに
実施される。本実施の形態によるメンブレンタンクの漏
れ試験方法は、タンク3内にLNGまたは気体である天
然ガス(以下、「NG」と記載される)が貯蔵されてい
るときに実施される。
【0044】まず、LNGが貯蔵されているタンク3内
にトレーサーガスが送入される(ステップS31)。ト
レーサーガスに混合されているトレーサーは、LNGに
溶解する。NGが貯蔵されているタンク3内にトレーサ
ーガスを送入するときには、トレーサーガスはNGに混
合される。
【0045】トレーサーガスが送入されたあと、その状
態のまま放置される(ステップS32)。この放置され
た期間内に、メンブレン4に貫通欠陥が存在していると
き、トレーサーはその貫通欠陥を通って保冷層4に漏れ
出る。つぎに、保冷層4から気体がサンプリングされる
(ステップS33)。このサンプリングは、保冷層4の
複数の部分で実行される。保冷層4からサンプリングさ
れた気体サンプルにトレーサーが含有されているかどう
かが測定される(ステップS34)。SFの濃度が5
0pptを越えた気体サンプルがあるときにはメンブレ
ン5にリークがあると判別され、SFの濃度が50p
ptを越えた気体サンプルがないときにはメンブレン5
にリークがないと判別される。
【0046】メンブレン5にリークが発見されなかった
とき(ステップS34;NO)、そのままメンブレンタ
ンク1は、継続して使用される(ステップS35)。
【0047】メンブレン5にリークが発見されたとき
(ステップS34;YES)、先の実施の形態における
ステップS12〜S14と同様にしてメンブレン5が補
修される(ステップS36)。即ち、タンク3は開放さ
れてエアレーションが実施される。複数の部分からサン
プリングされた複数の気体サンプルに現れるトレーサー
の濃度の濃淡により、貫通欠陥の位置が推測される。即
ち、トレーサーが最も高濃度で検出された部分のメンブ
レンを中心にECT検査などが実施される。ECT検査
などにより特定された貫通欠陥は、溶接などにより補修
される。
【0048】
【発明の効果】本発明によるメンブレンタンク、及び、
メンブレンタンクの漏れ試験方法は、より確実に欠陥を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるメンブレンタンクの実施
の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明によるメンブレンタンクの漏れ
試験方法の実施の形態を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明によるメンブレンタンクの漏れ
試験方法の実施の他の形態を示すフローチャートであ
る。
【図4】図4は、本発明によるメンブレンタンクの漏れ
試験方法の実施のさらに他の形態を示すフローチャート
である。
【図5】図5は、公知のLNG地下タンクの実施の形態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1…メンブレンタンク 2…躯体 3…タンク 4…保冷層 5…メンブレン 6…トレーサーガス送入用配管 7…放散口 8…冷却用配管 9…ノズル 11…サンプリング用配管 12…側面部分 13…底面部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01M 3/20 G01M 3/20 Q W (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/04 B65D 90/00 B65D 90/48 F17C 13/02 302 G01M 3/20

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクと、 前記タンクを防熱する保冷層と、 前記タンクにトレーサーガスを加圧して充填するトレー
    サーガス送入用配管と、 前記保冷層内の気体をサンプリングするサンプリング用
    管とを具備し、 前記トレーサーガスは、第1濃度でトレーサーを含有
    し、 前記トレーサーは、前記第1濃度より低い第2濃度が検
    出可能であり、 環境の大気は、前記第2濃度より低い第3濃度で前記ト
    レーサーを含有している メンブレンタンク
  2. 【請求項2】請求項において、更に、 前記タンクを冷却するための液化ガスを前記タンクに噴
    霧する冷却用配管を具備するメンブレンタンク。
  3. 【請求項3】請求項または請求項のいずれかにおい
    て、 前記サンプリング用配管は、前記保冷層の複数の異なる
    地点から前記気体を別個にサンプリングするメンブレン
    タンク。
  4. 【請求項4】 タンクと保冷層とがメンブレンで隔離さ
    れているメンブレンタンクで実施され、前記メンブレン
    の貫通欠陥を検出するメンブレンタンクの漏れ試験方法
    であり、 前記タンクにトレーサーガスを加圧して充填すること、 前記保冷層に充填されている気体をサンプリングするこ
    と、 前記気体の前記トレーサーガスの濃度を測定することと
    を具備し、 前記トレーサーガスは、第1濃度でトレーサーを含有
    し、 前記トレーサーは、前記第1濃度の1千万分の1の第2
    濃度が検出可能であり、 環境の大気は、前記第2濃度より低い第3濃度で前記ト
    レーサーを含有している メンブレンタンクの漏れ試験方
    法。
  5. 【請求項5】請求項において、更に、 前記充填することを実施した後に、前記タンクの内部を
    冷却すること、 前記冷却することを実施した後に、前記保冷層に充填さ
    れている気体をサンプリングすることとを具備するメン
    ブレンタンクの漏れ試験方法。
  6. 【請求項6】請求項において、 前記充填することは、前記タンク内を冷却しながら実施
    されるメンブレンタンクの漏れ試験方法。
  7. 【請求項7】請求項において、 前記充填することは、前記タンク内に液化ガスが貯蔵さ
    れている状態で実施されるメンブレンタンクの漏れ試験
    方法。
  8. 【請求項8】請求項4〜請求項7のいずれかにおいて、 前記トレーサーは、六フッ化硫黄であるメンブレンタン
    クの漏れ試験方法。
  9. 【請求項9】請求項4〜請求項7のいずれかにおいて、 前記トレーサーは、四フッ化炭素であるメンブレンタン
    クの漏れ試験方法。
  10. 【請求項10】請求項4〜請求項7のいずれかにおい
    て、 前記気体は、前記保冷層の異なる複数の地点から別々に
    サンプリングされ、 前記トレーサーの濃度が高い前記気体がサンプリングさ
    れた前記地点の近傍に前記貫通欠陥があると推測するこ
    ととを更に具備するメンブレンタンクの漏れ試験方法。
  11. 【請求項11】 タンクと保冷層とがメンブレンで隔離
    されているメンブレンタンクで実施され、前記メンブレ
    ンの貫通欠陥を検出するメンブレンタンクの漏れ試験方
    法であり、 前記タンクにトレーサーガスを加圧して充填すること、 前記充填することを実施した後に、前記タンクの内部を
    冷却すること、 前記冷却することを実施した後に、前記保冷層に充填さ
    れている気体をサンプリングすること、 前記気体の前記トレーサーガスの濃度を測定することと
    を具備するメンブレンタンクの漏れ試験方法。
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