JP3089074B2 - ガス漏洩位置探知方法 - Google Patents

ガス漏洩位置探知方法

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JP3089074B2 JP03343732A JP34373291A JP3089074B2 JP 3089074 B2 JP3089074 B2 JP 3089074B2 JP 03343732 A JP03343732 A JP 03343732A JP 34373291 A JP34373291 A JP 34373291A JP 3089074 B2 JP3089074 B2 JP 3089074B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス漏洩位置探知方法
に関し、更に詳しくは、可燃性ガスに付臭剤を添加した
ガスを通流させるガス管が土中に埋設されたガス配管設
備において、ガス漏洩位置を探知するガス漏洩位置探知
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス配管設備経由で消費先へ供給される
ガスが、CH4 ガス(メタンガス)等の可燃性ガスのみ
にて構成されている場合、そのガスは、臭気として人に
感じ取られるものではないので、消費先において、仮に
ガス漏洩が生じたとしても、消費者が自分の鼻で臭気を
嗅ぐことによってガス漏洩の状態を確認することができ
ない。従って、消費先におけるガス漏洩の状態を、消費
者が自分の鼻で臭気を嗅ぐことによって確認することが
できるように、前記可燃性ガスには、TBM(ターシャ
ルブチルメルカプタン)やDMS(ジメチルサルファイ
ド)等の付臭剤を添加(通常は、TBM及びDMSの双
方を添加)し、前記ガスに対して、人に感じ取られる臭
気を積極的に付与している。かかる付臭剤が可燃性ガス
に添加されたガスを消費先へ供給するガス配管設備の途
中において、ガスが漏洩しているときの漏洩位置を探知
するのは、従来、前記可燃性ガスの濃度を測定すること
によって行われていた。前記可燃性ガスの濃度が局部的
に高くなるピーク部分が一箇所だけ観測される場合、実
質的なガス漏洩位置を判定するのは容易であるが、通常
は、前記可燃性ガスの土中透過性が悪いこと等に起因し
て前記ピーク部分は明瞭なものが現れずに複数箇所で観
測されるようになり、それら複数箇所のうちの何れの部
分が実質的なガス漏洩位置に当たるかを判定するのは困
難であった。特に、前記ガス管の埋設部分の土質が高含
水土質(例えば、粘土質)である場合には、前記可燃性
ガスが土中透過しようとするのが高含水土質の土によっ
て特に抑えられるため、前記ピーク部分が特に不明瞭と
なってより多くの箇所で観測されるようになり、実質的
なガス漏洩位置の判定がとりわけ困難となっていた。そ
こで、前記ピーク部分が複数箇所で観測される場合にお
いては、作業者は、前記複数箇所に存在するガスの臭気
(前記付臭剤の臭気)を自分の鼻で実際に嗅いだり、前
記複数箇所の周囲の自然現象を観察したり(例えば、周
囲の樹木が枯れていないか等を観察する)することによ
り、経験的な勘を働かせて実質的なガス漏洩位置を判定
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然るに、上述の如く経
験的な勘に基づいてガス漏洩位置の判定を行う場合は、
その判定結果が、作業者の個人差や体調等によって大き
な影響を受け、正確な判定が行えないことがあるという
問題があった。本発明は、かかる実情に着目してなされ
たものであり、上述した如き問題を解消し得る手段を提
供することを第1の目的としている。また、その手段と
して廉価なものを提供することを第2の目的としてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成する本
発明方法は、可燃性ガスに付臭剤を添加したガスを通流
させるガス管の埋設部から複数の測定箇所を選定し、そ
の複数の測定箇所に存在するガスを測定対象として前記
可燃性ガスの濃度を測定することにより、前記可燃性ガ
スの濃度が局部的に高くなる複数のピーク部分を求め、
その複数のピーク部分に対して前記付臭剤の濃度を測定
することにより、前記付臭剤が高濃度となる付臭剤高濃
度部分を求め、その付臭剤高濃度部分を前記ガスの実質
的な漏洩位置と判定することを特徴としている。
【0005】第2の目的を達成する本発明方法は、上述
の特徴を備えると共に、前記複数のピーク部分に対する
付臭剤の濃度測定を、硫化水素検知器を用いて間接的に
行うことを特徴として備えている。
【0006】
【作用】第1の目的を達成する本発明方法によれば、前
記可燃性ガスの濃度が局部的に高くなるピーク部分が複
数箇所で観測される場合であっても、それら複数箇所を
実質的なガス漏洩位置の候補として先ずは選定し、それ
らの中から、前記付臭剤の濃度測定を行うことによって
付臭剤高濃度部分を選び出し、その付臭剤高濃度部分を
実質的なガス漏洩位置と判定するので、作業者の事情に
依らず、ガス漏洩位置の判定が正確に行われるようにな
る。特に、前記ガス管の埋設部分の土質が高含水土質
(例えば、粘土質)である場合であっても、前記付臭剤
は前記可燃性ガスに比して土中を透過し易く、透過後の
付臭剤の濃度が有効に測定されて前記付臭剤高濃度部分
が明瞭に認められるようになり、もって、前記ガス漏洩
位置の判定は容易に行われるようになる。
【0007】前記複数のピーク部分に対する付臭剤の濃
度測定は、その付臭剤の濃度そのものを測定する装置を
使用することによって行われるのはいうまでもないが、
その測定装置は汎用的なものではなく、一般に高価であ
る。そこで、第2の目的を達成する本発明方法によれ
ば、前記TBMやDMS等の付臭剤が硫化物であること
を利用し、前記付臭剤の濃度測定を硫化水素濃度測定装
置の転用によって間接的に行うので、前記付臭剤の濃度
測定が廉価に行われるようになる。
【0008】
【発明の効果】第1の目的を達成する本発明方法によれ
ば、作業者の事情に依らずにガス漏洩位置の判定が正確
に行えるようになり、作業者の個人差や体調等に影響を
受けることのない、正確なガス漏洩位置の判定が行える
ようになる。
【0009】第2の目的を達成する本発明方法によれ
ば、上述の効果が生じる上、前記付臭剤の濃度測定が廉
価に行われるようになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1及び図2には、本発明方法の効果を確認する
ためのデータが、試験場所毎に各図にまとめられてグラ
フとして図示されている。各図において、横軸には、通
し番号が左から順に記載され、それら各数字によって、
ガス管の埋設部から複数選定された測定箇所(即ち、ボ
ーリング孔が穿設された箇所)が夫々示されている。左
側の縦軸には、可燃性ガスの濃度(体積%)が目盛ら
れ、右側の縦軸には、付臭剤(TBMやDMS等の付臭
剤)の濃度(ppm)が目盛られている。そして、グラ
フ中には、前記各ボーリング孔にて測定された可燃性ガ
ス濃度測定値が白丸にて前記各測定箇所と対応状態に図
示され、前記各ボーリング孔にて測定された付臭剤濃度
測定値が黒丸にて前記各測定箇所と対応状態に図示され
ている。
【0011】前記付臭剤の濃度測定は、TBMやDMS
等の付臭剤が硫化物であることを利用し、前記付臭剤の
濃度測定を硫化水素濃度測定装置の転用によって間接的
に行った。尚、前記硫化水素濃度測定装置は、その指示
値をそのまま使用して読み取るのでは指示値が低過ぎて
読み取りが困難となるので、その指示値がレベルアップ
するように改造して使用した。
【0012】図1のデータからは、可燃性ガス濃度測定
値が局部的に高くなった複数のピーク部分としてNo
4,No8,No13,No14,No16が挙げられ
るが、それらのうちで、付臭剤濃度測定値も局部的に高
くなったピーク部分はNo14であり、そのNo14に
対応するボーリング孔近傍のガス漏洩状態を調べたとこ
ろ、その部分でのガス漏洩状態が実際に確認された。こ
の結果から、複数の測定箇所に存在するガスを測定対象
として可燃性ガスの濃度を測定することにより、可燃性
ガスの濃度が局部的に高くなる複数のピーク部分を求
め、その複数のピーク部分に対して付臭剤の濃度を測定
することによって付臭剤高濃度部分を求め、その付臭剤
高濃度部分をガスの実質的な漏洩位置と判定する本発明
方法の有効性が確認された。
【0013】図2のデータからは、可燃性ガス濃度測定
値が局部的に高くなった複数のピーク部分として、No
3,No4,No7等が挙げられるが、それらのうち
で、付臭剤濃度測定値も局部的に高くなったピーク部分
はNo3であり、そのNo3に対応するボーリング孔近
傍のガス漏洩状態を調べたところ、その部分でのガス漏
洩状態が実際に確認された。この結果からも、複数の測
定箇所に存在するガスを測定対象として可燃性ガスの濃
度を測定することにより、可燃性ガスの濃度が局部的に
高くなる複数のピーク部分を求め、その複数のピーク部
分に対して付臭剤の濃度を測定することによって付臭剤
高濃度部分を求め、その付臭剤高濃度部分をガスの実質
的な漏洩位置と判定する本発明方法の有効性が確認され
た。
【0014】次に、別実施例について説明する。上述の
実施例においては、前記複数のピーク部分に対する付臭
剤の濃度測定を硫化水素検知器を用いて間接的に行うこ
ととしたが、前記複数のピーク部分に対する付臭剤の濃
度を付臭剤そのものを測定する装置を用いて直接的に行
ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の効果を確認するためのデータを示
すグラフ
【図2】本発明方法の効果を確認するためのデータを示
すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−285133(JP,A) 特開 平3−140833(JP,A) 特開 昭51−43185(JP,A) 特公 昭64−2207(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/00 - 3/40 F17D 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性ガスに付臭剤を添加したガスを通
    流させるガス管が土中に埋設されたガス配管設備におい
    て、ガス漏洩位置を探知するガス漏洩位置探知方法であ
    って、 前記ガス管の埋設部から複数の測定箇所を選定し、その
    複数の測定箇所に存在するガスを測定対象として前記可
    燃性ガスの濃度を測定することにより、前記可燃性ガス
    の濃度が局部的に高くなる複数のピーク部分を求め、そ
    の複数のピーク部分に対して前記付臭剤の濃度を測定す
    ることにより、前記付臭剤が高濃度となる付臭剤高濃度
    部分を求め、その付臭剤高濃度部分を前記ガスの実質的
    な漏洩位置と判定するガス漏洩位置探知方法。
  2. 【請求項2】 前記複数のピーク部分に対する付臭剤の
    濃度測定を、硫化水素検知器を用いて間接的に行う請求
    項1記載のガス漏洩位置探知方法。
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