JP3456420B2 - 高圧水銀ランプ - Google Patents

高圧水銀ランプ

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JP3456420B2
JP3456420B2 JP24492398A JP24492398A JP3456420B2 JP 3456420 B2 JP3456420 B2 JP 3456420B2 JP 24492398 A JP24492398 A JP 24492398A JP 24492398 A JP24492398 A JP 24492398A JP 3456420 B2 JP3456420 B2 JP 3456420B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧水銀ランプに
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、投射型の液晶ディスプレイ装置
のバックライトなどとして用いられる放電ランプにおい
ては、矩形状のスクリーンに対して均一に、かつ十分な
演色性をもって画像を映し出す性能を有することが要求
され、またランプそれ自体においても、より一層の小型
化あるいは、点光源化することが求められている。以上
のような背景から、最近では、点灯時に、例えば200
バール(約197気圧)以上ものきわめて高い水銀蒸気
圧を有する高圧水銀ランプが、例えば特開平2−148
561号公報、特開平6−52830号公報に提案され
ている。このように、点灯時の水銀蒸気圧を高くするこ
とにより、アークの広がりを抑えることができて点光源
化を図ることができ、また放射される光量をより多くす
ることが可能となる。
【0003】一方、特開平2−148561号公報に
は、タングステンからなる放電電極を有する放電容器内
に、希ガスと、0.2mg/mm3 以上となる量の水銀
と、1×10-6〜1×10-4マイクロモル/mm3 とな
る量のハロゲンとを封入してなり、管壁負荷が1W/m
2 以上となる電力で動作される高圧水銀ランプが開示
されている。この高圧水銀ランプにおいて、水銀の封入
量を0.2mg/mm3 以上とする理由は、点灯時の水
銀蒸気の圧力を高くすることにより、放射光について可
視光領域、特に赤色領域での連続スペクトルを増加させ
て演色性を改善するためであり、また管壁負荷を1W/
mm2 以上となるようにする理由は、高い水銀蒸気圧を
得るために放電容器の壁面の温度を高くする必要がある
からである。さらに、この高圧水銀ランプでは、ハロゲ
ンを封入することにより、容器壁の黒化を防止すること
ができると記載されている。
【0004】更に、特開平6−52830号公報には、
上記のように水銀の封入量、ハロゲンの封入量を特定す
ることに加えて、放電容器の形状や電極間距離を規定
し、さらにハロゲンとして臭素を用いる高圧水銀ランプ
が開示されている。
【0005】而して、上記のような水銀の封入量が多く
て高い発光効率が得られるショートアーク型の高圧水銀
ランプでは、点灯時に水銀などの封入物が未蒸発となら
ないように、アークから放電容器の内壁までの距離をで
きるだけ一定にして放電容器の内面に極端に低温の部分
が存在しないようにすることが望ましい。しかし、いず
れの放電ランプであっても点灯時の放電容器に必ず最冷
点が形成されてしまうため、一定量以上の水銀が封入さ
れた高圧水銀ランプでは、最冷点またはその付近に水銀
が凝縮して粒子状に付着した状態(未蒸発の状態)とな
る。特に最冷点は、水平点灯される高圧水銀ランプで
は、殆どの場合に放電容器の中央下底部、あるいは放電
容器の両端の封止部に隣接する領域に生じる。
【0006】具体的に説明すると、図6は高圧水銀ラン
プの一例の構成を示し、この高圧水銀ランプは、中央膨
出部51およびその両端に一体に形成された直管状の封
止管部52を有してなる放電容器50を具えてなり、封
止管部52内にはロッド状の傾斜機能材料よりなる封止
部材54が気密に埋設されて封止部55が形成され、放
電容器50の中央膨出部51および封止部材54により
区画された放電空間57内に、封止部材54から突出す
る電極棒56の先端の放電電極58が互いに対向するよ
う配置されている。59は封止部材54を介して電極棒
56に電気的に接続された外部リード棒である。このよ
うな高圧水銀ランプであって多量の水銀が封入されたも
のでは、当該高圧水銀ランプが、管軸方向が水平となる
姿勢で点灯された状態では、最冷点が放電容器50の中
央下底部60に生じると、この最冷点の個所に水銀が粒
子状に凝縮して付着するため、放射光が遮断されて放射
光量が低下するようになる。従って、当該高圧水銀ラン
プを、例えば液晶プロジェクターなどの光源として用い
る場合には、光利用効率の低下や色むらなどの原因とな
る。
【0007】一方、最冷点が封止部材54の内端面に接
する中央膨出部51の内面個所に生じる場合には、この
個所に水銀が凝縮して水銀粒子62が形成されるように
なるが、この水銀粒子62が大きな粒子となると重力に
よって放電容器50の中央下底部60に流れ落ち、通常
は当該中央下底部60が高温であるために当該水銀粒子
が突然に沸騰する突沸現象が生じ、その結果、水銀蒸気
の状態が急激に変化するために放電電極58に生じてい
るアークに揺らぎを生じさせ、安定な光放射状態が乱さ
れることとなる。しかも、この突沸現象によって気化し
た水銀は再び最冷点で凝縮するため、中央下底部60に
重力によって移行して突沸する現象が繰り返して生じ、
結局、点灯中はアークを安定させることができない、と
いう問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多量の水銀
が封入された高圧水銀ランプにおける上記の問題点を解
決するためになされたものである。すなわち、本発明の
目的は、放電容器内に多量の水銀が封入されているにも
かかわらず、未蒸発の水銀または凝縮した水銀による問
題が解決され、アークが安定に維持され、高い効率の放
射光が安定して得られる高圧水銀ランプを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の高圧水銀ランプ
は、楕円球状の中央膨出部を有し、両端に封止部が形成
された石英ガラスよりなる放電容器と、この放電容器に
よって形成される放電空間内においてそれぞれの先端の
放電電極部が対向するよう配置された、各々前記封止部
から管軸方向に伸びる電極棒と、前記放電容器内に封入
された0.10mg/mm3 以上の水銀、希ガスおよび
ハロゲンとよりなり、前記放電容器には、その内面にお
いて、前記封止部より管軸方向内方に離間した位置に半
径方向内方に突出する環状狭搾部が設けられることによ
り、少なくとも一方の電極棒の封止部から突出する基部
を包囲するよう、放電容器の内周面が外方に拡大した凹
所よりなる水銀溜まり部が封止部の内端に接して形成さ
れており、封止部は、その内端面から電極棒が突出して
伸びる円柱状の封止部材が気密に封止されることにより
構成されており、両方の封止部材の内端面間の距離を
L、放電空間の最大径をDとするとき、L/Dの値が
1.5≦L/D≦2.8であることを特徴とする。
【0010】
【0011】また、上記の高圧水銀ランプにおいては、
放電容器において、環状狭搾部による最小口径部の、関
連する封止部材の内端面からの管軸方向の離間距離S
が、両封止部材の内端面間の距離Lの1/3以下であ
り、放電電極棒の直径をE、封止部材の外径をRとする
とき、環状狭搾部による最小口径部の直径Tの値が1.
1E≦T≦0.9Rであることが好ましい。また、放電
電極部の離間距離Gが、両封止部材の内端面間の距離L
の1/3以下であることが好ましい。
【0012】
【作用】上記のような構成の高圧水銀ランプは、放電容
器内に多量の水銀が封入されているために基本的に高い
効率で光が放射されると共に、放電容器には、特定の位
置に水銀溜まり部が形成されていることにより、未蒸発
の水銀を当該水銀溜まり部に滞留させることができ、そ
の結果、未蒸発の水銀に起因する問題を解消することが
でき、放射される光量の低下、アークの揺らぎなどを有
効に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の高圧水銀ランプ
の一例の構成を示す説明用断面図である。この高圧水銀
ランプは、楕円球状の中央膨出部11と、その両端に続
いて管軸方向外方に伸びる直管状の封止管部12とより
なる石英ガラス製の放電容器10を有してなり、封止管
部12内には円柱状の傾斜機能材料からなる封止部材1
4が気密に埋設されて封止部15が形成されており、封
止部材14の内端面から管軸方向内方に突出して伸びる
電極棒16の先端に形成された放電電極18が、中央膨
出部11に包囲された放電空間20内において互いに対
向する状態とされている。19は、封止部材14を介し
て電極棒16に電気的に接続された外部リード棒であ
る。
【0014】放電容器10の内面には、両端の封止部1
5を構成する封止部材14の内端面より管軸方向内方に
離間した位置に、半径方向内方に突出する環状狭搾部2
4が全内周に沿って伸びるよう設けられており、当該環
状狭搾部24によって形成される開口に係る最小口径部
26の径は、封止部材14の内端面の径より小さい寸法
とされ、これにより、放電容器10の内面は、当該環状
狭搾部24の最小口径部26から管軸方向外方に向かう
に従って内径が次第に大きくなる状態、すなわちラッパ
状に拡開する状態の環状凹所として形成され、この環状
凹所により、封止部材14の内端面から突出する電極棒
16の基部を包囲するよう、水銀溜まり部28が形成さ
れている。
【0015】放電容器10内には、0.10mg/mm
3 以上となる量の水銀と、希ガスおよびハロゲンとが封
入される。この水銀の封入量が0.10mg/mm3
満であると、目的とする十分大きな発光効率を実現する
ことができない。また、希ガスおよびハロゲンとして
は、従来におけると同様のものが適宜の封入量で用いら
れる。
【0016】上記の高圧水銀ランプの放電容器10にお
いては、形態についての以下の条件(1)〜(3)が満
足されている。図2は図1の部分拡大図であり、この図
に各寸法個所が示されている。 (1)管軸方向と直角な方向における放電空間20の最
大径をDに対する封止部材14の内端面間の管軸方向距
離Lの比L/Dの値が1.5≦L/D≦2.8であるこ
と。この比L/Dの値が過小であると、相対的に封止部
材14間の距離が過小であるため、点灯時における水銀
溜まり部28の温度が高くなる結果、最冷点が放電容器
10の中央下底部に生じるようになり、水銀溜まり部2
8に所期の作用を発揮させることができず、一方、比L
/Dの値が過大であると、放電空間20が管軸方向に細
長い形態となり、点灯時における水銀溜まり部28の温
度が極端に低くなって凝縮水銀が多量となる結果、十分
な水銀蒸気圧が得られず、所期の大きな発光効率を得る
ことができない。
【0017】(2)環状狭搾部24の最小口径部26
と、当該環状狭搾部24に関連する封止部材12の内端
面との間の管軸方向の距離Sが、封止部材14の内端面
間の管軸方向距離Lの1/3以下であること。上記の距
離Sが過大であると、水銀溜まり部28がアークに接近
し過ぎる状態となるため、点灯時における水銀溜まり部
28の温度が高くなって最冷点が放電容器10の中央下
底部に生じるようになり、また放電空間20内での対流
の乱れによりアークが不安定となるほか、環状狭搾部2
4の過熱による早期失透や、環状狭搾部24にクラック
が生じて放電容器10が損なわれるおそれがある。
【0018】(3)環状狭搾部24の最小口径部26の
直径Tは、関連する電極棒16の直径をE、封止部材1
4の外径をRとすると、1.1E≦T≦0.9Rの範囲
であること。最小口径部26の直径Tが過小である場合
には、電極棒16の配置位置に精度上の限界があること
から、ランプによっては電極棒16が環状狭搾部24と
接触したものとなるおそれがあり、その場合には環状狭
搾部24の早期失透や放電容器10の破裂などを引き起
こすおそれがあって、長い使用寿命を得ることができな
い。しかも、環状狭搾部24近傍のコンダクタンスが小
さくなるために、点灯起動時のアーク不安定現象が長時
間続くようになり、水銀の状態が長時間にわたって安定
したものとならない。一方、最小口径部26の直径Tが
過大である場合には、水銀溜まり部28に十分な水銀保
持容量が得られず、水銀溜まり部28に所期の作用を発
揮させることができない。
【0019】また、上記の高圧水銀ランプにおいては、
放電空間20内で対向する一対の放電電極18間の距離
Gが、封止部材14の内端面間の管軸方向距離Lの1/
3以下であることが好ましい。この電極間距離Gが過大
である場合には、相対的に水銀溜まり部28がアークに
接近した状態となるため、点灯時における水銀溜まり部
28の温度が高くなって最冷点が放電容器10の中央下
底部に生じるようになる。
【0020】放電容器10において環状狭搾部24を形
成するためには、高圧水銀ランプの製造工程において、
石英ガラス管よりなる放電容器形成材料の内部空間(放
電空間20となる空間)を減圧状態とし、この状態で、
中央膨出部形成部分における封止管部形成部分に続く領
域を、当該石英ガラスが十分に軟化されるまで加熱し
て、この軟化した当該領域の石英ガラスを内部の減圧に
よって半径方向内方に変形させる方法を利用することが
できる。
【0021】以上のような構成の高圧水銀ランプにおい
ては、多量の水銀が封入されているために、点灯時に放
電電極18間のアークから大きな発光効率で光が放射さ
れる状態を実現することができる。しかも、多量の水銀
が封入されているにもかかわらず、放電容器10の封止
部材14に隣接した領域の内部には、管軸方向外方に向
かうに従って半径方向外方に拡開する環状凹所により水
銀溜まり部28が形成されているため、管軸方向が水平
となる姿勢で点灯された状態で、封止部材14の内端面
およびその付近の領域において凝縮した水銀は、放電容
器10の中央膨出部11に流れ出ることが環状狭搾部2
4によって防止され、従って中央膨出部11の中央下底
部に水銀粒子が移行することが防止され、また中央下底
部において水銀粒子の突沸現象が生ずることが防止され
る。そして、上記の条件(1)〜(3)が満足される場
合には、点灯時における放電容器10の最冷点を、確実
に、封止部材14の内端面の外周部およびこれに続く放
電容器10の内面、すなわち環状狭搾部24内の領域に
生じさせることができるため、上記の水銀溜まり部28
による作用効果を確実に発揮させることができる。
【0022】以上の結果、上記の高圧水銀ランプにおい
ては、高い光放射効率を得ながら、未蒸発の水銀粒子に
よる放射光量の低下、突沸などの現象によるアークの不
安定化を確実に防止することができ、高い光の利用率を
確保しながら、良好な光放射を達成することができる。
【0023】図3は、本発明の他の構成による高圧水銀
ランプを示す説明用断面図である。この高圧水銀ランプ
は、放電電極として陰極31および陽極32を有してお
り、陽極32に係る電極棒16の基部の周りに水銀溜ま
り部28が形成されている。そして、陰極31側には水
銀溜まり部が形成されていないこと、並びに封止部材の
外端面が封止部の外端面に露出していること以外の構成
は、図1の高圧水銀ランプと同様の構造を有する。この
ように、水銀溜まり部28は一方の封止部側にのみ形成
することができ、この場合にも、上記と同様の作用効果
が得られる。
【0024】以上、本発明を具体的な例に基づいて説明
したが、本発明においては、種々の変更を加えることが
できる。例えば、水銀溜まり部の大きさや形状は、予想
される凝縮水銀量に応じた大きさの凹所として形成する
ことができる。水銀溜まり部を形成する環状狭搾部は、
その形状が特に限定されものではなく、放電空間と水銀
溜まり部の凹所との間に突出する堤状部分であればよ
い。また、放電容器の封止部の構成は図示のものに限定
されず、例えば放電容器の封止管部の内方(放電空間
側)に石英ガラスからなる補助スリーブが配置され、こ
れにより内部空間が限定されると共に、この補助スリー
ブの外方にはシール用金属箔が封止管部内に埋設され、
この金属箔を介して外部リード棒と電極棒とが電気的に
接続された状態とされた構成とすることもできる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれによって制限されるものではない。 <実施例および実験例>図1に示されている構成に従
い、封止部材(14)の内端面間の管軸方向距離Lを
4.5〜13.0mmの範囲で種々に異なるものとした
こと以外は、各々同一の条件で、定格電圧55V、定格
電力125Wの交流点灯用高圧水銀ランプを製造した。
この高圧水銀ランプにおける仕様は、放電容器(10)
の放電空間(20)の最大径Dが4mm、電極棒(1
6)の外径Eが0.5mm、封止部材(12)の外径R
が1.4mm、環状狭搾部(24)の最小口径部(2
6)と封止部材(14)の内端面間の管軸方向の距離S
が1mm、環状狭搾部(24)の最小口径部(26)の
直径Tが0.8mmであり、また放電電極(18)の電
極間距離Gは1.0mmであった。放電容器(10)内
には、水銀0.15mg/mm3 、希ガスであるアルゴ
ン(Ar)を10KPaおよびハロゲンである臭素を5
×10-4マイクロモル/mm3 となる量で封入した。
【0026】以上の高圧水銀ランプを管軸方向が水平と
なる状態で定格条件で点灯し、点灯中における水銀粒子
の付着位置を目視にて観察した。結果を図4に示す。ま
た、各高圧水銀ランプの発光効率を測定し、その結果を
図5に示した。
【0027】図4の結果から、比L/Dの値が1.5以
上であれば、凝縮する水銀が付着する個所が封止部に隣
接する領域となるが、1.5未満では、水銀の付着位置
が放電容器の内壁面の中央下底部となることが明らかで
ある。また、図5の結果から、比L/Dの値が2.8以
下であれば、大きな発光効率が維持されるが、2.8を
超えると、発光効率が大幅に低下することが明らかであ
る。従って、比L/Dの値を1.5以上で2.8以下と
することにより、未蒸発の水銀による問題点が解消さ
れ、しかも大きな発光効率が得られる。すなわち、この
条件が満足される高圧水銀ランプは、点灯時に凝縮水銀
は水銀溜まり部内に付着し、大きな水銀粒子となったと
きにも水銀溜まり部内に滞留して中央膨出部に移行する
ことがなく、従ってそのような水銀粒子による放射光の
遮断や、突沸によるアークの不安定も発生しいものであ
った。
【0028】<比較例>図6に示されている構成に従
い、水銀溜まり部が存在せず、封止部材14の内端面間
の管軸方向距離を8.0mmとしたこと以外は、上記実
施例と同様の構成の比較用の高圧水銀ランプを製造し、
これを定格点灯したところ、点灯時の未蒸発の水銀は封
止部材の内端面に隣接する領域に付着し、時間の経過と
共に水銀粒子が集合して大きくなり、放電容器の中央膨
出部の中央下底部に流れ落ちて突沸現象が生じた。そし
て、この突沸現象が生じた時、ランプ電圧は瞬時に不連
続的に約3Vの上昇を起こし、アークの揺らぎが観測さ
れた。その後、ランプ電圧は徐々に降下して2〜5分間
の経過後には定常電圧である55Vに回復したが、この
ランプ電圧が回復する過程では再び水銀が同一の領域で
凝縮することが観測された。そして、ランプの電圧が回
復してから3〜5分間の経過後に再び凝縮した水銀の突
沸現象によるランプ電圧の上昇とアーク不安定が観測さ
れ、結局、ランプが点灯している間には、突沸現象によ
るランプ電圧の上昇とアーク不安定が5〜15分間の不
規則な周期で繰り返され続けた。このように、水銀溜ま
り部のない高圧水銀ランプでは、凝縮した水銀により、
アークおよび放射効率に問題が生ずる。
【0029】
【発明の効果】本発明の高圧水銀ランプは、放電容器内
に多量の水銀が封入されているために基本的に高い効率
で光が放射されると共に、放電容器には、特定の位置に
水銀溜まり部が形成されていることにより、未蒸発の水
銀を当該水銀溜まり部に滞留させることができ、その結
果、未蒸発の水銀に起因する問題を解消することがで
き、放射される光量の低下、アークの揺らぎなどを有効
に防止することができる。特に、放電容器の形態に関す
る条件が満足されることにより、点灯時の最冷点が封止
部材に隣接した領域に生じるようになるため、水銀溜ま
り部の作用効果を確実に発揮させることができ、例えば
光源用ランプとしてきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧水銀ランプの一例の構成を示す説
明用断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明の高圧水銀ランプの他の例における構成
を示す説明用の断面図である。
【図4】図1の構成を有する高圧水銀ランプにおいて、
比L/Dと水銀の付着位置との関係を示すグラフであ
る。
【図5】図1の構成を有する高圧水銀ランプにおいて、
比L/Dと発光効率との関係を示すグラフである。
【図6】水銀溜まり部を有しない高圧水銀ランプの構成
を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10 放電容器 11 中央膨出部 12 封止管部 14 封止部材 15 封止部 16 電極棒 18 放電電極 19 外部リード棒 20 放電空間 24 環状狭搾部 26 最小口径部 28 水銀溜まり部 31 陰極 32 陽極 50 放電容器 51 中央膨出部 52 封止管部 54 封止部材 55 封止部 56 電極棒 57 放電空間 58 放電電極 59 外部リード棒 60 中央下底部 62 水銀粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−148561(JP,A) 特開 平6−52830(JP,A) 特開 平11−283565(JP,A) 実開 平2−129662(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/32 H01J 61/20 H01J 61/88

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楕円球状の中央膨出部を有し、両端に封
    止部が形成された石英ガラスよりなる放電容器と、この
    放電容器によって形成される放電空間内においてそれぞ
    れの先端の放電電極部が対向するよう配置された、各々
    前記封止部から管軸方向に伸びる電極棒と、前記放電容
    器内に封入された0.10mg/mm3 以上の水銀、希
    ガスおよびハロゲンとよりなり、 前記放電容器には、その内面において、前記封止部より
    管軸方向内方に離間した位置に半径方向内方に突出する
    環状狭搾部が設けられることにより、少なくとも一方の
    電極棒の封止部から突出する基部を包囲するよう、放電
    容器の内周面が外方に拡大した凹所よりなる水銀溜まり
    部が封止部の内端に接して形成されており、 封止部は、その内端面から電極棒が突出して伸びる円柱
    状の封止部材が気密に封止されることにより構成されて
    おり、両方の封止部材の内端面間の距離をL、放電空間
    の最大径をDとするとき、L/Dの値が1.5≦L/D
    ≦2.8であることを特徴とする高圧水銀ランプ。
  2. 【請求項2】 放電容器において、環状狭搾部による最
    小口径部の、関連する封止部材の内端面からの管軸方向
    の離間距離Sが、両封止部材の内端面間の距離Lの1/
    3以下であり、 放電電極棒の直径をE、封止部材の外径をRとすると
    き、環状狭搾部による最小口径部の直径Tの値が1.1
    E≦T≦0.9Rであることを特徴とする請求項1に記
    載の高圧水銀ランプ。
  3. 【請求項3】 放電電極部の離間距離Gが、両封止部材
    の内端面間の距離Lの1/3以下であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の高圧水銀ランプ。
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