JP3455963B2 - 廃タイヤの処理システム - Google Patents

廃タイヤの処理システム

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JP3455963B2 JP2000338864A JP2000338864A JP3455963B2 JP 3455963 B2 JP3455963 B2 JP 3455963B2 JP 2000338864 A JP2000338864 A JP 2000338864A JP 2000338864 A JP2000338864 A JP 2000338864A JP 3455963 B2 JP3455963 B2 JP 3455963B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回収された大型電
気製品のプラスチックケース等を破砕して得られた不定
形固体片や、廃タイヤを解砕して得られる不定形固体片
の貯留装置が組み込まれた廃タイヤの処理システム、特
に廃タイヤのゴム成分を無臭で品質良質なカーボンブラ
ックを変換する処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、わが国では1世帯複数台の自動車
を所有するに及んで使用済みの、いわゆる廃タイヤをど
のように処理するかが大きな社会問題になってきている
が、その一処理方法として、廃タイヤを乾留して活性炭
にする方法が知られている(特開平8−26712号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この方法はそれ相応の
効果をあげてはいるが、この方法で得られた固体の乾留
生成物であるカーボンブラックは、再利用に耐える品質
にまだ到達していない。すなわち、乾留生成物には幾分
有機物の臭いがしたり乾留生成物に不純物が混じってい
たりする。そこで、本発明者は乾留生成物の品質を向上
させるべく鋭意研究したところ、乾留システムを少なく
とも3つの点において改良しなければならないという事
実を見出し、本発明を完成した。
【0004】すなわち、廃タイヤを破砕して乾留釜に投
入する際、従来技術のように廃タイヤを大まかに2分割
又は4分割して乾留釜に投入するのではなく、廃タイヤ
をもっと細かく破砕して乾留釜に投入して、乾留釜に対
する廃タイヤの投入量を厳密に管理して乾留を行なうと
ともに、乾留を酸素不存在下でバッチ的に1回毎の乾留
を十分に進行させて、乾留釜に投入された廃タイヤの有
機物の全てを確実に分解させ、得られた生成物も酸素と
反応しないようにし、さらに得られた固体の乾留生成物
を乾留釜から綺麗に取り除いて次回のバッチ乾留を前回
の乾留生成物が残っていない清浄な乾留条件下で乾留を
遂行すれば、得られた最終目的物であるカーボンブラッ
クの品質を良好にできるという事実を見出した。しかし
ながら廃タイヤを細かく破砕すると、得られた不定形固
体片を乾留釜に投入する際、不定形固体片の流動性が低
下するので、この後退要因をカバーする装置が必要であ
るということも判明した。従って、本発明の課題は固体
状の乾留生成物の品質を良好にする廃タイヤの処理シス
テムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記システムに使用する
装置として、廃タイヤをクラッシャーで破砕して得た破
砕片のような不定形固体片を貯留する貯留室と、その貯
留室の底部に設けられた排出口と、該排出口の上方にお
いて前記不定形固体片を掻き乱して不定形固体片のブリ
ッジが形成されるのを阻止する引掛け部材付きブリッジ
防止手段とからなる不定形固体片の貯留装置を挙げるこ
とができる。この貯留装置を使用することにより廃タイ
ヤを従来技術の場合より細かく破砕して乾留釜に供給で
きる。その結果、乾留釜内における廃タイヤの不定形固
体片を迅速かつ均一に乾留させることが可能になる。な
お、廃タイヤを細かく破砕すると、その不定形固体片に
タイヤに含まれている金属線やコード等のタイヤ補強材
がひげ状についてくるので不定形固体片は流動性を失な
うが、前記引掛け部材付きのブリッジ防止手段を不定形
固体片の貯留装置の中に設けると、貯留装置から乾留釜
に対する不定形固体の供給が円滑になる。
【0006】前記システムに使用する装置として、廃タ
イヤをクラッシャーで破砕して得た破砕片のような不定
形固体片を貯留する貯留室と、その貯留室内の底部に設
けられた排出口と、該排出口の上方において前記不定形
固体片を掻き乱して不定形固体片のブリッジが形成され
るのを阻止する引掛け部材付きのブリッジ防止手段と、
前記貯留室内において不定形固体片を前記排出口に搬送
するために前記底部に略水平に設置される搬送手段とか
らなる不定形固体片の貯留装置を採用する場合は、上述
の効果を助長する。
【0007】廃タイヤを破砕して得た不定形固体片を貯
留する貯留装置と、その貯留装置から前記不定形固体片
を受容して実質上酸素不存在下で乾留させる可搬乾留釜
を用いるバッチ式乾留装置と、前記バッチ式乾留装置で
得られた固体の乾留生成物をカーボンブラックとタイヤ
補強材とに分別する分別装置とからなる廃タイヤの処理
システムを採用する場合は、乾留をバッチ的に行なうと
もに1回毎の乾留を確実に行なえるようにする。
【0008】本請求項発明は、廃タイヤを破砕して得
た不定形固体片を貯留する貯留装置と、その貯留装置か
ら前記不定形固体片を受容して実質上酸素不存在下で乾
留させる可搬乾留釜を用いるバッチ式乾留装置と、前記
可搬乾留釜の中から固体乾留生成物を解砕して掻出す排
出装置と、その排出装置で得られた固定乾留生成物をカ
ーボンブラックとタイヤ補強材とに分別する分別装置と
からなり、前記排出装置(29)は、前記可搬乾留釜
(16)を横転させたときその可搬乾留釜に対して前進
・後退可能な進退手段(49)と、その進退手段に取付
けられた固体の乾留生成物を解砕して掻出す掻出し手段
(50)とからなる廃タイヤの処理システムを採用す
る。この手段を採用することにより乾留釜から乾留生成
物を、バッチ乾留の度に、きれいかつ迅速に排出でき、
その結果、上述の効果をより発揮させ得るるととも後続
のバッチ乾留時に得られる乾留生成物の品質向上に寄与
する。
【0009】本請求項発明においては、前記可搬乾留
釜を、1回の乾留操作が行なわれる度に、搬送装置に懸
垂されながら、前記貯留装置から乾留炉へ、そして該乾
留炉から排出装置へと搬送可能にしたので、乾留釜に対
する廃タイヤの不定形固体片の投入、乾留及び乾留釜か
らの乾留生成物の排出という3つの操作をそれぞれ確実
かつ効率よく推進できる。また、前記可搬乾留釜を前記
貯留装置が設置されている設置ベースより下方に落とし
込むようにしたので、貯留装置から乾留釜に対する不定
形固体片の投入作業を効率化できる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら、本発明
を廃タイヤの乾留システムに具体化した実施態様につい
て詳述すると、図1に示すように、まず乾留対象である
廃タイヤ1がクラッシャー2により破砕されて、形状が
不定の、例えば縦5cm、横5cm、厚さ1〜3cm程
度の不定形固体片3に加工される(図2参照)。この不
定形固体片3は、廃タイヤ1にかかる破砕刃の破砕箇所
によっては、側面からタイヤ補強材としのスチールコー
ドの破断片4がひげのように突出していたり、スチール
コードが抜かれ形跡があったりするだけでなく、廃タイ
ヤの湾曲面を残している。従って、この不定形固体片3
は前記した従来技術におけるそれよりも形状が小さく、
またその集積物中において各々の不定形固体片3は流動
性がない。
【0011】次に、得られた不定形固体片3は、貯留装
置5に投入され、後述する可搬乾留釜に供給されるまで
の間一時的に貯留される。貯留装置5は、図3に示すよ
うに、不定形固体片3を貯留する貯留室6と、その貯留
室6の底部6aの片隅に設けられた排出口7と、前記貯
留室6内において排出口7の上方に設置された引掛け部
材13付きのブリッジ防止手段9とから構成されてい
る。また、前記底部6aには1基又は複数基の搬送手
段、例えばベルトコンベア8が略水平に設置されてお
り、前記貯留室6内に投入された不定形固体片3が前記
排出口7に搬送されるようになっている。なお、前記貯
留室6の底部6aを傾斜床面にして前記不定形固体片3
が自重でその傾斜床面を流下するようにすることもでき
る。
【0012】前記ブリッジ防止手段9は、好ましくは所
定間隔をおいて平行に設置された二つの回転体10、1
1と、それらに懸架された無端ベルト部材12と、その
無端ベルト部材12に点在・植設されたピン又は針状の
引掛け部材13とからなっており、矢印Aの向きに前記
無端ベルト部材12を回転させることにより、前記排出
口7から落下しようとしてそこに殺到する不定形固体片
3や、搬送手段8により前記排出口7側に移送される不
定形固体片3の一部を掻き乱して、前記排出口7に発生
し易い不定形固体片3のブリッジ形成を阻止している。
従って、流動性の悪い不定形固体片3でも前記排出口7
から貯留室6の下方に排出可能になる。前記排出口7の
下方には、途中に設置方向の異なる集合ベルトコンベア
14を介して投入コンベアベルト15が設置されてお
り、前記排出口7から排出された不定形固体片3を受け
取って、可搬乾留釜16に投入するようになっている。
なお、上記無端ベルト部材12は、通常一方向(A方
向)に回転するようになっているが、順,逆転させるよ
うに構成してあってもよい。
【0013】この可搬乾留釜16は、内径が約1600
mmの円筒体に半球面状の底部を一体にした乾留釜本体
23と、その乾留釜本体23に被せられる半球面状の蓋
24とから構成されており、乾留釜本体23の開口寄り
の上部外側には、図1及び図4に示すように、後述する
係止部材を引っ掛けることが可能な上部被係止部材26
が設けられている。さらに前記可搬乾留釜16は、それ
を外部加熱するための乾留炉18に載置可能になってい
るとともに、前記乾留炉18から前記貯留装置5に対し
て、又は可搬乾留釜16から固体の乾留生成物を排出す
る排出装置29のそれぞれに対して搬送装置28により
懸垂されながら搬送可能になっている。勿論、前記貯留
装置5から所定量の不定形固体片3を受容した可搬乾留
釜16は前記搬送装置28により乾留炉18上に搬送可
能になっているし、可搬乾留釜16が固体の乾留生成物
を前記排出装置29に排出したらその設置箇所から前記
貯留装置5の設置箇所に同様に搬送可能になっている
(図1においてこれらの搬送経路は矢印Bにより表示さ
れている)。なお、前記搬送装置28は、前記貯留装置
5、可搬乾留釜16及び排出装置29が所定のレイアウ
トを以って設置されている建物27に取付けられてお
り、その搬送装置28から懸垂される係止部材25を前
記上部被係止部材26に係止させて自動搬送装置28を
運転すれば可搬乾留釜16を上昇させたり、降下させた
りできる。
【0014】また、前記可搬乾留釜16を貯留装置5が
設置されている場所に降ろす場合、図3に示すように、
可搬乾留釜16が降ろされる場所を貯留装置5のそれよ
り下位にして、例えば貯留装置5が地上に設置されてい
る場合、可搬乾留釜16を半ば地下に落とし込んだ位置
に停止できるようにして、可搬乾留釜16に対する不定
形固体片3の投入作業をし易くしているととともに、前
記場所に計量器45を設置してその上に前記可搬乾留釜
16を載置することにより、その中に投入される不定形
固体片3を所定量正確に計量できるようになっている。
【0015】次に、再び図1を参照しながら、前記可搬
乾留釜16を用いるバッチ式乾留装置17について詳述
すると、バッチ式乾留装置17は、前記乾留炉18に設
置されたバーナー19に対して燃料を供給する燃料供給
源20と、不定形固体片3の乾留中に可搬乾留釜16か
ら発生する乾留ガスを処理する乾留ガス処理系21と、
前記乾留炉18からの燃料排ガスを処理する燃料排ガス
処理系22とから構成されている。
【0016】前記乾留炉18は耐火煉瓦30により内張
りされているとともに、可搬乾留釜16を迅速かつ均一
に外部加熱するために、同乾留釜16の底面部及びその
底面部寄りの側面に向かって炎が放射される少なくとも
4組のバーナー19を備えている。またこの種のバーナ
ー19として、パイロットバーナー、乾留ガスから得た
気体燃料が使用されるガス焚きバーナー、同様に液体燃
料が使用される油焚きバーナー及びそれらの燃料が供給
されるまでの乾留初期段階に液体燃料が使用される初期
油焚きバーナー等が使用される。
【0017】前記燃料供給源20は、前記パイロットバ
ーナーに液化燃料、例えばプロパンを供給する着火燃料
供給系31、初期油焚きバーナーに液体燃料を供給する
初期燃料供給系32、後述する乾留ガスからの気体燃料
を前記ガス焚きバーナーに供給する気体燃料供給系33
及び液体燃料を前記油焚きバーナーに供給する液体燃料
供給系34とからなっている。なお前記初期燃料供給系
32には液体燃料タンク35の液体燃料を圧送する油送
ポンプ36が途中に組み込まれている。
【0018】前記乾留ガス処理系21は、乾留中に可搬
乾留釜16から排出される乾留ガスを冷却するための冷
却器37と、その冷却器37で冷却された乾留ガスを乾
留油と乾留ガスとに分離する油・ガス分離タンク38
と、その分離タンク38の底部側に溜まった乾留油を油
送ポンプ39を介して回収する回収タンク40と、前記
油・ガス分離タンク38の上部に溜まった乾留ガスを貯
留するガスホルダー41等から構成される。そしてガス
ホルダー41に貯留された乾留ガスは前記気体燃料供給
系33に、前記回収タンク40に貯留された乾留油は前
記液体燃料供給系34にそれぞれ供給され、可搬乾留釜
16の外部加熱エネルギーとして利用される。
【0019】前記可搬乾留釜16を外部加熱する際に乾
留炉18から発生する排ガスを処理する前記燃料排ガス
処理系22は、前記排ガスを強制的に吸引する誘引ブロ
ワー42と、その誘引ブロワー42を通る前に排ガス中
の粉塵を除去するスクラバー43と、誘引ブロワー42
から送り出された排ガスを大気に放出する排気筒44と
から構成されている。
【0020】前記バッチ式乾留装置17の可搬乾留釜1
6において廃タイヤの不定形固体片3の乾留は、実質上
酸素不存在下でかつ常圧下で行なわれるが、減圧下で行
なうことも可能である。可搬乾留釜16に対して不定形
固体片3を所定量、例えば内容積が約3立方mの可搬乾
留釜16を使用する場合、約1500Kg投入した後、
蓋24をして可搬乾留釜16内を実質上密閉し(冷却器
37、油・ガス分離タンク38及びガスホルダー41に
対しては通気状態であるが、乾留時にはそれらから可搬
乾留釜16内に酸素ガスが逆送されることはない)、可
搬乾留釜16内の温度を約1.5時間かけて約400℃
まで上げる。それから可搬乾留釜16を400〜450
℃で恒温加熱して前記不定形固体片3の乾留を促進させ
る。恒温になってから約1時間経過したら可搬乾留釜1
6の外部加熱を停止し、そのまま放冷状態にして又は強
制的に可搬乾留釜3を冷却して約1時間、可搬乾留釜1
6を放置すると、本発明に係る1回の乾留操作(合計で
3.5時間)が終了する。なお、この過程で安全性を維
持しながら蓋24を開いて可搬乾留釜3内に生成した乾
留生成物の冷却を促進することもできる。
【0021】バッチ乾留が終了後、蓋24を開けたら、
搬送装置28を稼動させて可搬乾留釜16を乾留炉18
から吊り上げ排出装置29の設置箇所付近に移動させる
のであるが、この排出装置29は、図5に示すように、
可搬乾留釜16を支承して反転させる反転機46と、そ
の反転機46上で反転された可搬乾留釜16の中から固
体の乾留生成物を解砕しながら掻出す解砕機47と、解
砕機47から排出された前記乾留生成物を受けるホッパ
ー48とから構成されている。
【0022】前記反転機46は、搬送手段28から降ろ
される可搬乾留釜16を一旦支承した後、横方向に90
度反転させてその開口を前記解砕機47側に向けること
ができる構造のものであればいかなるもの使用可能で、
例えば篭状容器に可搬乾留釜16を受け取ってその篭状
容器に取付けた回転支軸を支承台で軸支させる構造のも
のでもよいし、回転支軸を可搬乾留釜16に設けておい
てその回転支軸を前記同様に支承台に軸支させる構造の
ものでもよい。
【0023】前記解砕機47は、可搬乾留釜16側に前
進したり、可搬乾留釜16側から後退したりする進退手
段49と、その進退手段49に取付けられたリボンスク
リューのような掻出し手段50を備えており、その掻出
し手段50を回転させれば可搬乾留釜16から固体の乾
留生成物を掻出すことができるようになっている。前記
ホッパー48は、反転機46と解砕機47との間におい
て両者の下方に設置されており、可搬乾留釜16から掻
出された乾留生成物はホッパー48の中に落下する。ま
たホッパー48に一旦貯留された固体の乾留生成物は、
底部に設置されているスクリューコンベア51に載せら
れて前記ホッパー48の排出口52から排出され、図1
に示すように、次工程の分別装置である磁選機53に移
送される。この磁選機53には電磁石が組み込まれてい
るので、タイヤ補強材がスチールであればその切断片が
前記電磁石に吸引され、その結果、固体の乾留生成物は
磁選機53によりカーボンブラック54とスチール55
とに分別される。
【0024】以上のように本発明に係る廃タイヤの処理
システムは、廃タイヤ1を破砕して従来技術の不定形固
体片3より小さい形状にしたので、可搬乾留釜16に対
する不定形固体片3の供給量をより正確に計量・管理で
きるとともに、可搬乾留釜16の中において乾留をより
迅速かつ均一に促進できるという効果を発揮し、ひいて
は固体の乾留生成物であるカーボンブラック54の品質
を向上させることができ、例えば乾留が不完全な場合発
生するような異臭は全く認められない。さらに前記処理
システムにおいては、可搬乾留釜16を固定して設置す
ることなく可搬できるようにしたので、可搬乾留釜16
に対する不定形固体片3の供給、可搬乾留釜16内での
乾留及び可搬乾留釜16からの乾留生成物の排出の各操
作を明確に区切ることができ、その結果、各操作を所定
の条件で確実に制御できるとともに、乾留に際して必要
な一連の管理を一つずつ確実に確認しながら遂行でき、
ひいては乾留生成物であるカーボンブラックの品質を向
上させることができる。
【0025】また、乾留操作だけを実質上酸素不存在下
で、かつ密閉下で進めるようにしたので、前記公知技術
のように後続のスチール分別工程や活性炭製造工程等の
空間から酸素や水蒸気が進入する恐れもないし、不活性
ガスで乾留釜内を置換しておく必要もない。従って、本
発明においては乾留の目的物であるカーボンブラックの
品質を劣化させる要因を最大限に取り除くことが可能に
なり、前述したようにカーボンブラックの品質を良好に
できるだけでなく、酸素が混入した場合に乾留時に発生
する有害物質、例えばダイオキシンや炭酸ガスの発生を
抑制でき、また副生する乾留ガスのエネルギー効率を高
め、再び廃タイヤの乾留に利用するとそれだけ省エネに
なるという副次的効果をも発揮する。実験によると、可
搬乾留釜16からの乾留ガスを分離して得た乾留油は、
密度0.1、灰分0.1重量%、残留炭素分0.3重量
%、動粘度2.118 CST、硫黄分0.92重量
%、真発熱量8650Kcal/リットル等、軽油並み
の品質と室温以下での引火点を有する。同様に分離され
た乾留ガスは、水素24.8容量%、メタン16.9容
量%、エタン4.3容量%、エチレン4.3容量%、プ
ロパン2.2容量%、プロピレン3.6容量%、i−ブ
テン4.4容量%、真発熱量1,0120Kcal/リ
ットル等、都市ガス13Aガス並みの特性を有してい
る。
【0026】ただ本発明に係る廃タイヤの処理システム
を利用すると、廃タイヤをより小さな形状に破砕してい
るので、得られた不定形固体片3の流動性が低下すると
いう後退要因に遭遇するが、本発明においては特定装
置、すなわち貯留装置5が前記システムに組み入れられ
ているので、その装置は前記後退要因を補うに余りある
効果を発揮している。同様に可搬乾留釜16から乾留生
成物を排出する際、その可搬乾留釜16を反転させ、そ
の中から特定の解砕機47により確実に固体の乾留生成
物を掻出すようにしたので、乾留操作後の可搬乾留釜1
6の中は清浄に維持され、その結果、次回のバッチ乾留
を清浄な乾留釜の中で実施でき、ひいてはカーボンブラ
ックの品質の向上に貢献する。
【0027】本発明はその根本的技術思想を踏襲し発明
の効果を著しく損なわない限度において前記実施態様の
一部分を変更して実施することができる。例えば本発明
に係る貯留装置を大型電気製品のプラスチックハウジン
グを破壊して得られる不定形固定片の貯留装置に転用す
ることができる。得られたカーボンブラックはそのまま
電極や活性炭の原料としてリサイクルすることができる
ので、地球規模で現在増加し続けている廃タイヤの処理
に貢献するだけでなく、省資源化にも著しく貢献する。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る廃タイ
ヤの処理システムは、乾留の目的物の品質を良好にでき
るとともに、そのシステムに適用できるシンプルにして
最適の装置を提供できるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃タイヤの処理システムのフロー
チャートである。
【図2】前記システムの原料である廃タイヤの不定形固
体片の斜視図である。
【図3】本発明に係る貯留装置の概念図である。
【図4】本発明に係る可搬乾留釜が乾留炉に載置された
状態を示す正面図である。
【図5】本発明に係る排出装置の概念図である。
【符号の説明】
1;廃タイヤ、3;不定形固体片、5;貯留装置、6;
貯留室、6a;底部、7;排出口、8;搬送手段、9;
ブリッジ防止手段、10;回転体、11;回転体、1
2;無端ベルト部材、13;引掛け部材、16;可搬乾
留釜、17;乾留装置、18;乾留炉、28;搬送装
置、29;排出装置、49;進退手段、50;掻出し手
段、53;分別装置、54;カーボンブラック、55;
タイヤ補強材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−290661(JP,A) 特開 平8−159430(JP,A) 特開 昭55−65261(JP,A) 実開 昭55−105537(JP,U) 実公 昭50−30777(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 11/00 - 11/20 B29B 17/00 - 17/02 C10B 53/00 F27B 1/00 - 3/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃タイヤ(1)を破砕して得た不定形固
    体片(3)を貯留する貯留装置(5)と、その貯留装置
    から前記不定形固体片を受容して実質上酸素不存在下で
    乾留させる可搬乾留釜(16)を用いるバッチ式乾留装
    置(17)と、前記可搬乾留釜の中から固体乾留生成物
    を解砕して掻出す排出装置(29)と、その排出装置で
    得られた固定の乾留生成物をカーボンブラック(54)
    とタイヤ補強材(55)とに分別する分別装置(53)
    とからなり、 前記排出装置(29)は、前記可搬乾留釜(16)を横
    転させたときその可搬乾留釜に対して前進・後退可能な
    進退手段(49)と、その進退手段に取付けられた固体
    の乾留生成物を解砕して掻出す掻出し手段(50)とか
    らなっていることを特徴とする廃タイヤの処理システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記掻出し手段(50)がリボンスクリ
    ューである請求項1記載の廃タイヤの処理システム。
  3. 【請求項3】 廃タイヤ(1)を破砕して得た不定形固
    体片(3)を貯留する貯留装置(5)と、その貯留装置
    から前記不定形固体片を受容して実質上酸素不存在下で
    乾留させる可搬乾留釜(16)を用いるバッチ式乾留装
    置(17)と、前記可搬乾留釜の中から固体乾留生成物
    を解砕して掻出す排出装置(29)と、その排出装置で
    得られた固定の乾留生成物をカーボンブラック(54)
    とタイヤ補強材(55)とに分別する分別装置(53)
    とからなり、 前記可搬乾留釜(16)は、1回の乾留操作が行なわれ
    る度に、搬送装置(28)に懸垂されながら、前記貯留
    装置(5)から乾留炉(18)へ、そして該乾留炉から
    排出装置(29)へと搬送可能になっていると共に、前
    記貯留装置(5)に搬送されたとき、前記貯留装置の設
    置ベースより下位に置かれ、前記設置ベースが建物(2
    7)の床面であることを特徴とする廃タイヤの処理シス
    テム。
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