JP3455207B2 - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JP3455207B2 JP2002060028A JP2002060028A JP3455207B2 JP 3455207 B2 JP3455207 B2 JP 3455207B2 JP 2002060028 A JP2002060028 A JP 2002060028A JP 2002060028 A JP2002060028 A JP 2002060028A JP 3455207 B2 JP3455207 B2 JP 3455207B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン、コ
ンピュータディスプレイ等に用いられるカラー陰極線管
に関し、より詳しくはシャドウマスク型のカラー陰極線
管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカラー陰極線管の一例の断面図を
図15に示す。本図に示したカラー陰極線管1は、内面
に蛍光体スクリーン面2aが形成された実質的に長方形
状のフェイスパネル2と、フェイスパネル2の後方に接
続されたファンネル3と、ファンネル3のネック部3a
に内蔵された電子銃4と、フェイスパネル2の内部に蛍
光体スクリーン面2aに対向して設けられたシャドウマ
スク6と、これを固定するマスクフレーム7とを備えて
いる。また、電子ビームを偏向走査するために、ファン
ネル3の外周面上には偏向ヨーク5が設けられている。
シャドウマスク6は、電子銃4から発射される3本の電
子ビームに対して色選別の役割を果たすものである。A
は、電子ビーム軌跡を示している。
【0003】最近のカラー陰極線管は、外光の映り込み
が少なく見栄えが良いという点から、図15に示したよ
うにフェイスパネルが平面化してきており、フェイスパ
ネルの平面化に伴い、シャドウマスクも平面化してい
る。シャドウマスクが平面化してくると、シャドウマス
ク本体をフレームで支持するのみではシャドウマスクの
平面を維持できない。
【0004】また、単にフレームで支持するのみでは、
外部からの振動により容易にシャドウマスクが振動して
しまい、カラー陰極線管の表示画像に悪影響を与える。
このため図16(a)、(b)に示したように、シャド
ウマスクに一定の張力(テンション)を加えて(矢印方
向)フレームに架張保持することが行われている。
【0005】一方、シャドウマスクに電子ビームが衝突
することにより、熱膨張してシャドウマスク面が変形す
るドーミング現象においても、シャドウマスク面が平面
化することにより、特に画面両端面近傍においてドーミ
ングによる電子ビームの変位量が大きくなる。このた
め、前記のシャドウマスクの架張保持において、電子ビ
ームの衝突による熱膨張を吸収させるべく、シャドウマ
スクには弾性限界に近い実用最大限のレベルの張力を加
えることが行われている。
【0006】このような架張保持によれば、シャドウマ
スクの温度が上昇してもシャドウマスクの電子ビーム通
過孔と蛍光体スクリーン面の蛍光体ドットとの相互位置
のずれを防止することができる。
【0007】架張保持されたシャドウマスクをテンショ
ン型シャドウマスクと呼び、テンション型シャドウマス
クには、マスクフレームに細条素体を多数架張したアパ
ーチャグリル型、平板に略長方形の電子ビーム通過孔が
多数形成されたスロット型、及び平板に丸形の電子ビー
ム通過孔が多数形成されたドット型がある。
【0008】また、架張保持には一次元テンション方式
と二次元テンション方式とがある。一次元テンション方
式とは、図16(b)に示したように、シャドウマスク
の縦方向(上下方向)のみに張力を加える方式のこと
で、二次元テンション方式とは、図16(a)に示した
ように、縦方向と横方向の両方向に張力を加える方式の
ことである。アパーチャグリル型には、一次元テンショ
ン方式が用いられ、スロット型やドット型では、一次元
テンション方式または二次元テンション方式が用いられ
る。
【0009】以上のようにテンション型シャドウマスク
では、ドーミング現象による色むらを防止することがで
きるが、スピーカーからの振動伝搬等の外部から伝わる
振動によるシャドウマスクの振動をシャドウマスクに加
えた張力のみでは、完全に抑えることができない。
【0010】このためシャドウマスクの振動を低減する
ために、ダンパーワイヤーをシャドウマスク面に架張し
たり、このダンパーワイヤーをシャドウマスク面に溶接
したりすること等が行われている。しかし、このような
ダンパーワイヤーを用いるとカラー陰極線管の表示画面
にその影が映ってしまい画像品位が低下する。このよう
な問題を生じさせずに振動を吸収する手段が、現在まで
に種々提案されている。
【0011】例えば特表平3−500591号公報に
は、シャドウマスクの周辺部分に固定された剛体手段
と、この剛体手段に接続されかつシャドウマスクから離
れている抵抗性手段とを含む振動減衰装置が提案されて
いる。このような振動減衰装置を備えることにより、シ
ャドウマスクからの振動エネルギーは、シャドウマスク
と一体の剛体手段によって抽出され、この抽出された振
動エネルギーは抵抗性手段に伝わり、そこで消滅するこ
とになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような振動減衰装置を備えた従来のカラー陰極線管に
は、以下のような問題があった。 (1)前記のような振動減衰装置は、剛体手段は溶接等
によりシャドウマスクと一体に形成されている。このた
め剛体手段自体には、振動エネルギーを消滅させる作用
はなく、剛体手段はあくまで振動エネルギーの抽出手段
である。抽出された振動エネルギーの消滅は、別途設け
られた抵抗性手段に振動エネルギーが伝わりことにより
初めて可能になる。このような振動減衰装置は構造が複
雑であり、コスト、生産性に問題があった。 (2)また、振動減衰装置は無孔部であるシャドウマス
ク周辺部に取り付られるが、外部から伝わる振動の周波
数によっては、シャドウマスク周辺部が必ずしも振動す
るとは限らない。例えばシャドウマスク中央部の振幅が
最も大きく、左右の周辺部ではほとんど振動しない振動
分布であれば、シャドウマスク周辺部に振動減衰装置が
設置されていても、振動減衰装置はシャドウマスクの振
動エネルギーを抽出、吸収することができず、シャドウ
マスクの振動減衰の効果が十分に得られないという問題
があった。
【0013】本発明は、前記のような従来の問題を解決
するものであり、簡単な構造で、シャドウマスク全体の
振動を確実に減衰できるカラー陰極線管を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1番目のカラー陰極線管は、枠状に形成
されたマスクフレームと、平板に多数のスロット孔又は
ドット孔が形成されたシャドウマスクとを備え、前記シ
ャドウマスクは一方向に引張力が印加された状態で前記
マスクフレームに架張保持されているカラー陰極線管で
あって、前記カラー陰極線管に伝わる振動による前記シ
ャドウマスクの面全体の振動は、前記シャドウマスクの
共振の振動モードが7次以下の各振動モードにおいて、
前記引張力の印加方向と直交する方向で前記シャドウマ
スクの引張応力が変化した分布によって、前記シャドウ
マスクの前記引張力の印加方向と直交する方向の端部の
振幅が中央部の振幅に対して相対的に一定量以上である
ことを特徴とする。前記のようなカラー陰極線管によれ
ば、シャドウマスクの振動によるシャドウマスクの変位
の最大値を小さくすることができる。
【0015】前記第1番目のカラー陰極線管において
は、前記シャドウマスクの端部の振幅が中央部の振幅に
対して20%以上であることが好ましい。
【0016】また、前記シャドウマスクの中央部の引張
応力が端部の引張応力より大きいことが好ましい。この
ような張力分布とすることにより、振幅が大きくなる低
次モードでの共振において、シャドウマスクの振動によ
るシャドウマスクの変位の最大値を小さくすることがで
きる。
【0017】前記シャドウマスクの中央部の引張応力が
端部の引張応力より大きい好ましいカラー陰極線管にお
いては、前記シャドウマスクの中央部の引張応力をσ
1、端部の引張応力をσ2とすると、σ1≧1.1σ2
の関係を満足することが好ましい。
【0018】また、前記シャドウマスクの中央部と端部
との間に引張応力の極大値があることが好ましい。この
ような張力分布とすることにより、振幅が大きくなる低
次モードでの共振において、シャドウマスクの振動によ
るシャドウマスクの変位の最大値を小さくすることがで
きる。
【0019】前記シャドウマスクの中央部と端部との間
に引張応力の極大値がある好ましいカラー陰極線管にお
いては、前記シャドウマスクの中央部の引張応力をσ
1、端部の引張応力をσ2、中央部と端部との間の中間
部の引張応力をσ3とすると、 σ3≧1.1σ1 σ2≧σ1 σ3≧σ2 の関係を満足することが好ましい。
【0020】次に本発明の第2番目のカラー陰極線管
は、シャドウマスクと前記シャドウマスクを固定するマ
スクフレームとを含み、前記シャドウマスクは張力が印
加された状態で前記マスクフレームに固定されているカ
ラー陰極線管であって、前記シャドウマスク端部に接触
し、弾性体で形成された振動減衰体を備え、前記振動減
衰体が前記シャドウマスクに平面方向の力を加えた状態
で、前記振動減衰体が前記シャドウマスク端部に接触し
ており、前記シャドウマスクが前記振動減衰体上を摺動
しながら前記シャドウマスクの振動が減衰することを特
徴とする。前記のようなカラー陰極線管によれば、シャ
ドウマスクが振動すると、シャドウマスクが振動減衰体
上を摺動するので、摺動による摩擦によって振動エネル
ギーが消費されることになる。
【0021】また、振動減衰体がシャドウマスクに平面
方向の力を加えた状態で、振動減衰体がシャドウマスク
端部に接触しているので、シャドウマスクが振動しても
振動減衰体が常にシャドウマスクに接触しながらその振
動を減衰させることができる。前記第2番目のカラー陰
極線管においては、前記シャドウマスクは、一方向に張
力が印加された状態で、張力印加方向の端部のみが前記
マスクフレームに固定されており、前記振動減衰体は、
前記張力印加方向に直交する方向の前記シャドウマスク
端部に接触していることが好ましい。
【0022】また、前記振動減衰体には、前記シャドウ
マスクの減衰効果を調節する重りが取り付けられている
ことが好ましい。前記のようなカラー陰極線管によれ
ば、シャドウマスクに加える平面方向の力を、重りの重
さによって、比較的容易に調節することができる。
【0023】また、前記平面方向の力が0.3〜3.0
gfの範囲であることが好ましい。このような範囲が好
ましいのは、0.3gfより小さいと減衰に必要な摩擦
力が確保されず、3.0gfより大きいと、逆に摩擦力
が強くなり過ぎて、シャドウマスクの端部が固定されて
しまう可能性があり、この場合は端部が振動の節となっ
て振動がシャドウマスクの中央部に移り、却って大きく
振動してしまうからである。
【0024】また、前記振動減衰体は、前記シャドウマ
スクの端面に接触していることが好ましい。
【0025】また、前記振動減衰体は、前記シャドウマ
スクの端部に形成された穴を挿通していることが好まし
い。
【0026】また、前記シャドウマスクは平板で、かつ
多数のスロット孔又はドット孔が形成され、一方向に張
力が印加されていることが好ましい。
【0027】また、前記シャドウマスクは平板で、かつ
多数のスロット孔又はドット孔が形成され、一方向に張
力が印加されており、前記カラー陰極線管に伝わる振動
による前記シャドウマスクの面全体の振動は、前記シャ
ドウマスクの共振の振動モードが7次以下の各振動モー
ドにおいて、前記張力の印加方向と直交する方向で前記
シャドウマスクの引張応力が変化した分布によって、前
記シャドウマスクの前記張力の印加方向と直交する方向
の端部の振幅が中央部の振幅に対して相対的に一定量以
上であることが好ましい。前記のようなカラー陰極線管
によれば、端部に振動減衰体を設けることにより、シャ
ドウマスク全体の振動を効果的に減衰させることができ
る。
【0028】また、前記シャドウマスクの端部の振幅が
中央部の振幅に対して20%以上であることが好まし
い。
【0029】また、前記シャドウマスクの中央部の引張
応力が端部の引張応力より大きいことが好ましい。この
ような張力分布とすることにより、振幅が大きくなる低
次モードでの共振において、シャドウマスクの振動によ
るシャドウマスクの変位の最大値を小さくすることがで
きる。
【0030】前記シャドウマスクの中央部の引張応力が
端部の引張応力より大きい好ましいカラー陰極線管にお
いては、前記シャドウマスクの中央部の引張応力をσ
1、端部の引張応力をσ2とすると、 σ1≧1.1σ2 の関係を満足することが好ましい。
【0031】また、前記シャドウマスクの中央部と端部
との間に引張応力の極大値があることが好ましい。この
ような張力分布とすることにより、振幅が大きくなる低
次モードでの共振において、シャドウマスクの振動によ
るシャドウマスクの変位の最大値を小さくすることがで
きる。
【0032】前記シャドウマスクの中央部と端部との間
に引張応力の極大値がある好ましいカラー陰極線管にお
いては、前記シャドウマスクの中央部の引張応力をσ
1、端部の引張応力をσ2、中央部と端部との間の中間
部の引張応力をσ3とすると、 σ3≧1.1σ1 σ2≧σ1 σ3≧σ2 の関係を満足することが好ましい。
【0033】次に本発明の第3番目のカラー陰極線管
は、シャドウマスクと前記シャドウマスクを固定するマ
スクフレームとを含み、前記シャドウマスクは張力が印
加された状態で前記マスクフレームに固定されているカ
ラー陰極線管であって、前記シャドウマスクに取り付け
られた振動減衰体を備え、前記振動減衰体は前記シャド
ウマスクとの固着部分がなく、かつ遊動可能であること
を特徴とする。
【0034】前記のようなカラー陰極線管によれば、シ
ャドウマスクが振動すると、振動減衰体は、シャドウマ
スクと一体となった振動はせず、シャドウマスクと接
触、摺動、または一時的な離間を繰り返しながら、別個
独立に振動することになる。したがって、シャドウマス
クの振動エネルギーは、このようなシャドウマスクと振
動減衰体との接触、摺動による摩擦により消費されるの
で、シャドウマスクの振動を減衰させることができる。
【0035】前記第3番目のカラー陰極線管において
は、前記振動減衰体は、前記シャドウマスクに形成され
た穴を挿通していることが好ましい。前記のようなカラ
ー陰極線管によれば、簡単な構造で振動減衰体をシャド
ウマスクに遊動可能に取り付けることができる。
【0036】また、前記振動減衰体が、リング状部材で
あることが好ましい。
【0037】また、前記振動減衰体が、枠状部材である
ことが好ましい。
【0038】また、前記振動減衰体の質量が、0.02
〜5.0gの範囲であることが好ましい。このような範
囲が好ましいのは、0.02gより小さいと減衰に必要
な摩擦力が確保されず、5.0gより大きいと取り付け
部分の振動を最初から抑えてしまう可能性があり、この
場合は、振動が他の部分に移ってしまうからである。
【0039】また、前記振動減衰体は、前記シャドウマ
スクの電子ビーム通過孔の形成されていない無孔部に取
り付けられていることが好ましい。
【0040】また、前記振動減衰体は、前記シャドウマ
スクの電子ビーム通過孔の形成された有孔部に取り付け
られていることが好ましい。
【0041】また、前記振動減衰体の振動時に接触して
前記振動減衰体の振動を減衰させる前記振動減衰体とは
別の振動減衰体を備えたことが好ましい。前記のような
カラー陰極線管によれば、振動減衰効果をより高めるこ
とができる。
【0042】また、前記シャドウマスクは平板で、かつ
多数のスロット孔又はドット孔が形成され、一方向また
は二方向に張力が印加されていることが好ましい。
【0043】また、前記シャドウマスクは平板で、かつ
多数のスロット孔又はドット孔が形成され、一方向に張
力が印加されており、前記カラー陰極線管に伝わる振動
による前記シャドウマスクの面全体の振動は、前記シャ
ドウマスクの共振の振動モードが7次以下の各振動モー
ドにおいて、前記張力の印加方向と直交する方向で前記
シャドウマスクの引張応力が変化した分布によって、前
記シャドウマスクの前記張力の印加方向と直交する方向
の端部の振幅が中央部の振幅に対して相対的に一定量以
上であることが好ましい。前記のようなカラー陰極線管
によれば、端部に振動減衰体を設けることにより、シャ
ドウマスク全体の振動を効果的に減衰させることができ
る。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて具体的に説明する。以下に説明するカラー陰極
線管のシャドウマスクは平板マスクであり、図15を用
いて説明したようなカラー陰極線管の構成は、以下の各
実施形態でも同様である。
【0045】(実施の形態1)図1に、実施形態1に係
るシャドウマスクとマスクフレームとの組立体の斜視図
を示している。本図は、シャドウマスク10が、マスク
フレーム11に架張保持されている状態を示している。
【0046】本実施形態のマスクフレーム11は、左右
2本のフレーム11aと上下2本のフレーム11bとで
形成された長方形状の枠体である。本実施形態では、一
次元テンション方式が用いられており、シャドウマスク
10には上下方向(矢印Y方向)に引張応力が加わって
いる。
【0047】また、本図に示したシャドウマスクは、平
板のスロット型シャドウマスクで、本図では一部しか図
示していないが、シャドウマスク10には規則正しく配
列された略長方形の多数の電子ビーム通過孔12が形成
されている。
【0048】シャドウマスク中央部の引張応力をσ1、
シャドウマスク端部の引張応力をσ2とすると、以下の
式(1)の関係を満足している。
【0049】式(1) σ1≧1.1σ2 このような引張応力分布を有するシャドウマスクの例と
して、中央部の引張応力σ1を端部の引張応力σ2の1
40%としたもの(σ1=1.4σ2)について振動モ
ードを解析したものを図2に示す。ここで、シャドウマ
スクはアスペクト比が4:3の29型(68cm)で、
厚さ100μmのインバー材(36%Ni−Fe合金)
を用いたものとし、シャドウマスクに印加するテンショ
ン量は降伏点応力の5〜50%とした。
【0050】図2の横軸は、シャドウマスクの左右方向
(画面水平方向)の位置を示し、左右端がシャドウマス
クの左右端に対応し、縦軸と横軸との交点がシャドウマ
スク左右方向の中心点に対応している。縦軸は、シャド
ウマスクの上下方向の変位を示している。実線は、変位
が最大となるシャドウマスク上の水平線を選び、その変
位の様子を代表して示したものである。この水平線上の
各部位は、1周期の間に実線と2点鎖線で示した間(振
幅)の範囲で上下方向に振動する。
【0051】また、振幅値については、本図の各図はそ
れぞれシャドウマスクの左右方向の振動の節と腹とが見
易いように最大の振幅部分を1として正規化されている
ため、この各モード図を用いて振幅の大きさを一概に比
較することはできない。以上の図2についての説明は、
図6〜8についても同様である。
【0052】図2において、(a)〜(g)はそれぞれ
シャドウマスクの左右方向について、振動の1次のモー
ド、2次のモード、以下7次のモードまでを示してい
る。ここで、1次のモードとは一定の加振加速度で周波
数の異なる振動を加えていった場合に、加振加速度以上
の大きな振動(共振)が生じる周波数の最初のピーク
(共振点)のことである。
【0053】以下2番目以降のピークをそれぞれ2次、
3次・・・のモードと順に呼んでいる。すなわち、シャ
ドウマスクの振動について、シャドウマスクの剛性(ヤ
ング率とポアソン比等)とテンション量とシャドウマス
クの質量とが決まれば、そのシャドウマスクの振動モー
ドと共振周波数は計算で求めることができるので、この
ような解析を行うことができるのである。
【0054】図2から分かるように、本実施形態のシャ
ドウマスクの場合、7次のモードまではいずれのモード
でも、中央部に対し端部が一定量以上の振動をすること
が分かる。このような、中央部に対し端部が一定量以上
振動する場合の振動パターンの一例を示したものが図
3、4であり、これとは逆にシャドウマスクの端部が振
動せず、中央部のみが振動するパターンを示したものが
図5である。
【0055】図3〜5において、(a)は左右方向(画
面水平方向)の各部位の変位を示し、(b)は縦方向
(画面垂直方向)の各部位の変位を示している。実線と
2点鎖線との関係は図2と同じである。ただし、各図の
振幅は図2のように正規化していないため、各図を用い
て振幅の大きさの比較が可能である。
【0056】なお、図3、4では、中央部の振幅が端部
の振幅よりも小さいものを示したが、発明者らの検討の
結果、端部の振幅が中央部の振幅の20%以上振れる状
態であれば、振動の節の位置の関係からシャドウマスク
の振幅による画像品位の低下が実用上問題とならないこ
とがわかった。
【0057】各図から明らかなように、図3、4のよう
な振動パターンの場合は、シャドウマスクの左右方向の
長さに比べて、最も大きく振動する部分の振動の節の間
隔は小さくなり、これは図3のパターンよりも、図4の
パターンのほうが顕著である。ところが、図5のように
シャドウマスクの端部が振動せず中央部のみが振動する
ようになると、振動の節の間隔はシャドウマスクの左右
方向の長さとほぼ等しくなり、振動の振幅が最も大きく
なってしまう。
【0058】したがって、図3及び図4に示すような、
シャドウマスクの端部が中央部と比較して一定量以上の
振動をするようにすれば、シャドウマスクの最大振幅量
を低減することができる。
【0059】ここで、本実施形態の効果を確認するため
の比較例として、図6にシャドウマスクの引張応力を左
右方向に一定にしたもの、すなわちσ1=σ2のものの
モード解析結果を示し、図7に本実施形態とは逆に端部
の引張応力を中央部の引張応力の2倍にしたもの、すな
わちσ1<σ2としたもののモード解析結果を示してい
る。
【0060】図6、7から明らかなように、σ1=σ2
の場合には6次のモード(図6(f))で、σ1<σ2
の場合には1次のモード(図7(a))から、図5に示
したようなシャドウマスクの振幅が大きくなり、端部が
一定量以上振動しないパターンが生じる。
【0061】ここで、図6の6次のパターンでは、端部
の振幅は中央部の振幅の約13%となっており、前記の
ような実用上問題ない振動の条件である、中央部の振幅
に対する端部の振幅が20%以上を満たさない。後述の
ように、実際に33型(78cm)カラー陰極線管を製
造したところ、その振動が目視され、実用に耐え得るも
のとはならなかった。また、図7では1次のモードでほ
ぼ完全にシャドウマスクの端部が振動の節になり、シャ
ドウマスクが大きく振動して実用に耐え得るレベルでな
いことが確認できた。
【0062】ここで、共振の発生が最も顕著となる1次
のモードをはじめ、シャドウマスクの共振はより低次の
モードほど明確に現れるため、実用状態での画像品位の
低下として認識され易い7次以下のモードで図5に示し
たようなパターンが発生しない本実施形態は、前記2つ
の例(図6、7)と比較してシャドウマスクの振幅が小
さいことが分かる。すなわち、一次元テンションマスク
において一般的なテンション分布と考えられる均一なテ
ンション分布と比較した場合でも、本実施形態のシャド
ウマスクの振幅は小さいことがわかる。
【0063】なお、本実施形態においては、σ1=1.
4σ2の場合について示したが、シャドウマスクの中央
部の引張応力が端部の引張応力より大きければ、本実施
形態と同様な振動低減効果が得られる。ただし、その効
果はσ1≧1.1σ2とすることにより確実になる。こ
こで、σ1とσ2との比については、シャドウマスクの
大きさやアスペクト比、シャドウマスクの材料、引張応
力の大きさ、シャドウマスク面の形状(平面かシリンド
リカル状か等)によって、少なくとも、σ1>σ2の範
囲の中で適宜設定すればよい。
【0064】(実施の形態2)実施形態2も、実施形態
1と同様に一次元テンション方式のシャドウマスクに関
するものである。図1に示したように、シャドウマスク
10には上下方向(矢印Y方向)に引張応力が加わって
いる。シャドウマスク中央部の引張応力をσ1、シャド
ウマスク端部の引張応力をσ2、シャドウマスク中央部
と端部との間の中間部(左右2箇所)の引張応力をσ3
とすると、以下の式(2)〜(4)の関係を満足してい
る。
【0065】式(2) σ3≧1.1σ1 式(3) σ2≧σ1 式(4) σ3≧σ2 図8に、本実施形態の一例を示している。本図は、両端
部の引張応力σ2を100%とすると、中央部の引張応
力σ1が80%、中央部と端部との中間部の引張応力σ
3が140%の場合の振動モードを示している。モード
の定義や図示の方法は図2と同じである。
【0066】図8から明らかであるように、本実施形態
においても7次のモードまでにシャドウマスクの端部が
振動しない振動パターンは生じず、解析結果では10次
のモードにおいても、端部が振動しないパターンは生じ
なかった。このように、式(2)〜(4)の関係を満足
する本実施形態の引張応力分布の場合でも、シャドウマ
スクの振動を低減できることが分かる。
【0067】発明者らが、実際に33型(78cm)カ
ラー陰極線管、及び29型(68cm)カラー陰極線管
を製造し、測定した結果では、実施形態2のものが最も
振動が少なく、実施形態1のものでも、実用上問題は生
じなかった。しかしながら、σ1=σ2のものや、σ1
<σ2のものでは、カラー陰極線管に隣接設置したスピ
ーカーの振動によるシャドウマスクの振動が画面に現
れ、画像品位として実用に耐えないものであった。
【0068】なお、前記実施形態2において、σ2≧σ
1のものについて説明したが、これに限らずσ2<σ1
のものであっても、画面の中央部と端部との中間部に極
大値を有するような引張応力分布にした場合には、シャ
ドウマスクの振動を実用上問題のないレベルまで低減す
ることができることが確認できた。
【0069】なお、前記実施形態1,2において、モー
ド解析を行って加振加速度以上の振動を生じる部分であ
る共振点についてのみ検討したが、発明者らの実験によ
ると隣接するスピーカーからの振動により、シャドウマ
スクに加わる振動が表示画像に悪影響を及ぼすのは、応
答加速度が加振加速度よりも大きい共振点のみであるこ
とが確認できた。したがって、加振加速度以上の振動が
生じるモード解析においてシャドウマスクの振動を判断
することで、実用上十分であることが確認できた。
【0070】振動の周波数についても、スピーカーから
生じる音声信号による振動は、20〜20000Hzに亘ってい
るが、周波数が高くなれば、周波数の2乗に反比例して
振動の振幅が小さくなるため、低い周波数についての振
動の解析を行うのみで実用上は十分であるため、振動モ
ードの次数としては、7次のモードまでの検討で十分で
あると考えられる。
【0071】また、実施形態1,2における振動モード
の解析において、例えばシャドウマスクにしわが生じて
いるような明らかに不良のマスクや、シャドウマスクの
周囲から小さな突起があるような形状のマスクについて
の次数を求めたものではない。すなわち、シャドウマス
クの一部に他と比べて顕著に引張応力の弱い部分がある
場合(この場合は、当該部分のシャドウマスク面がしわ
となる)や、シャドウマスクの形状が不規則である場合
は、当該引張応力の低い部分や突起状部分のみが低い周
波数で振動するのであるが、前記本発明の実施形態にお
ける振動解析は、シャドウマスク面全体の振動について
解析したものであるから、これらの特異な状況を考慮し
たものとはいえないからである。
【0072】また、シャドウマスク面は、完全平面で
も、長辺方向にのみ湾曲するいわゆるシリンドリカル状
のものでもよく、平板マスクに設けられる電子ビーム通
過孔は、ドット状でもスロット状でもよい。
【0073】なお、シャドウマスクの引張応力が変化し
た分布は、シャドウマスクをフレームに架張する際に架
張機を調整等する等の周知の手段で、容易に実現でき
る。
【0074】(実施の形態3)図9に、実施形態3に係
るシャドウマスク部の斜視図を示している。本図は、シ
ャドウマスク10が、マスクフレーム11に架張保持さ
れている状態を示している。本実施形態も実施形態1、
2と同様に、一次元テンション方式が用いられており、
シャドウマスク10には上下方向に引張応力が加わって
いる。このことは、以下の実施形態4〜6についても同
様である。
【0075】シャドウマスク10の端面には、弾性体で
形成された振動減衰体13が接触している。振動減衰体
13の端部13aは溶接等でマスクフレーム11aに固
定されている。シャドウマスク10の端面と、振動減衰
体13との関係を示すために、図10(a)に図9のI
−I線における断面図を示している。
【0076】シャドウマスク10の振動は、シャドウマ
スク10が振動減衰体13の側面13b上を矢印a方向
に上下に摺動しながら減衰していく。このような摺動に
よって振動が減衰するのは、摺動による摩擦によって振
動エネルギーが消費されるからである。したがって、本
実施形態では振動減衰体13自体によって、振動エネル
ギーが吸収されることになる。このため、特に振動減衰
体13に別の振動減衰体を接続する必要はなく、簡単な
構造でシャドウマスク10の振動を減衰させることがで
きる。
【0077】シャドウマスク10が振動減衰体13上を
確実に摺動するためには、矢印b方向に一定の力が加わ
っていることが好ましく、この力は0.3〜3.0gf
の範囲であることが好ましい。このような範囲が好まし
いのは、0.3gfより小さいと減衰に必要な摩擦力が
確保されにくく、3.0gfより大きいと、逆に摩擦力
が強くなり過ぎて、シャドウマスク10の端部が固定さ
れてしまう可能性があり、この場合は端部が振動の節と
なって振動がシャドウマスク10の中央部に移り、却っ
て大きく振動してしまうからである。
【0078】このような力の印加は、別途の手段を設け
る必要はなく、振動減衰体13のスプリング効果を利用
すればよい。例えば、振動減衰体13は単品では立ち上
がり部を垂直に形成し、組立て状態では図10(a)に
示したように、立ち上がり部が傾斜する位置に端部13
aをフレーム11aに固定しておけばよい。
【0079】なお、図10(a)では、振動減衰体13
が、シャドウマスク10の端面に接触している実施形態
を示しているが、図10(b)に示したように振動減衰
体13は、シャドウマスク10の端部に形成された孔1
4を挿通させてもよい。この場合でも、シャドウマスク
10は孔14部分で、振動減衰体13の側面13b上を
摺動することができるので、同様の効果が得られる。
【0080】また、図10(b)の2点鎖線で示したよ
うに振動減衰体13の自由端に所定の重り20を設けて
もよい。この場合には振動減衰体13からシャドウマス
ク10に加わる平面方向の力を重りの重さによって、比
較的容易に調整することができる。この重りは、振動減
衰体13の自由端に限らず中間部に設けてもかまわな
い。
【0081】また、図9,10では振動減衰体13のシ
ャドウマスク10の端面への接触部が平板の例で示した
が、円柱や四角柱等の棒状のものであってもよい。
【0082】さらに、本実施形態の振動減衰装置を前記
実施形態1、2の引張応力分布を有するシャドウマスク
と組み合わせることで、シャドウマスクの端部に生じる
振動を吸収することができ、両者の相乗効果によりシャ
ドウマスクの振幅を低減すると共にその振動を短時間で
吸収することができ、シャドウマスクの振動が表示画面
に与える悪影響をほぼ完全に打ち消すことができる。
【0083】すなわち、この場合はシャドウマスクに生
じる振動を積極的に端部に集中させて、その振動を振動
減衰体で減衰させることとなるため、シャドウマスクに
振動が生じても、その振動を速やかに減衰できるものと
考えられるからである。
【0084】(実施の形態4)図11に、実施形態4に
係るシャドウマスク部の斜視図を示している。振動減衰
体15は、シャドウマスク10の左右の両端部すなわち
シャドウマスク10の電子ビーム通過孔12の形成され
ていない無孔部に取り付けられている。振動減衰体15
はリング状で、シャドウマスク10に形成された孔16
を挿通している。また、孔16の径は振動減衰体15の
部材径よりやや大きくしているので、シャドウマスク1
0と振動減衰体15との固着部分が15はシャドウマス
ク10に取り付けられた状態で遊動可能である。
【0085】したがって、シャドウマスク10が振動し
ても、振動減衰体15は、シャドウマスク10と一体と
なった動きはほとんどせず、振動減衰体15は、シャド
ウマスク10とは別個独立に振動することになる。すな
わち、振動減衰体15は、回転を伴いながら、シャドウ
マスク10と接触、摺動、または一時的な離間を繰り返
しながら振動することになる。シャドウマスク10の振
動エネルギーは、このようなシャドウマスク10と振動
減衰体15との接触、摺動による摩擦により、消費され
る。
【0086】このため、実施形態3と同様に振動減衰体
15自体によって、振動エネルギーが吸収されることに
なり、特に振動減衰体15に別の振動減衰体を接続する
ことは必ずしも必要ではなく、簡単な構造でシャドウマ
スク10の振動を減衰させることができる。
【0087】また、振動減衰体15による減衰効果は、
振動減衰体15の質量を変えることにより容易に調節で
きる。具体的には、振動減衰体の質量は、0.02〜
5.0gの範囲であることが好ましい。このような範囲
が好ましいのは、0.02gより小さいと減衰に必要な
摩擦力が確保されにくく、5.0gより大きいと取り付
け部分の振動を減衰運動させることなく最初から抑えて
しまう可能性があり、この場合は端部が振動の節となっ
て振動がシャドウマスク10の中央部に移り、却って大
きく振動してしまうからである。
【0088】なお、本実施形態では、振動減衰体をシャ
ドウマスク10の端部すなわち電子ビーム通過孔の形成
されていない無孔部に取り付けた例を示したが、電子ビ
ーム通過孔の形成さた有孔部に取り付けてもよい。この
場合、カラー陰極線管の表示画像に影響が生じないよう
に、有孔部の内シャドウマスクの電子ビーム通過孔部分
以外の部分に振動減衰体を付ける必要がある。したがっ
て、振動減衰体の大きさに制限が生じその取り付け加工
も困難となるが、一次元テンションのもののみならず、
シャドウマスクの端面が溶接固定されていて、前記実施
形態3の振動減衰体を使用することが困難な二次元テン
ションのシャドウマスクにも用いることができる。
【0089】また、各細条素体が相互に直接連結されて
いないアパーチャグリル型の場合であっても、すべての
細条素体又は一定の本数ごとに本実施形態の振動減衰体
を設けることにより、シャドウマスク面全体の振動を効
果的に低減することができる。この場合、特にシャドウ
マスク中央部の細条素体の振動を効果的に防止できると
いうメリットがある。
【0090】(実施の形態5)図12に、実施形態5に
係るシャドウマスク部の斜視図を示している。本実施形
態は、シャドウマスク10と振動減衰体との基本的な取
り付け方法は実施形態4と同様であるが、振動減衰体の
形状が実施形態4と異なる。
【0091】本実施形態では、振動減衰体18は枠形状
であり、各振動減衰体18はシャドウマスク10に形成
された2個の孔19を挿通している。本実施形態でも、
実施形態4と同様の減衰効果が得られる。すなわち、シ
ャドウマスク10が振動すると振動減衰体18は、シャ
ドウマスク10と接触、摺動、または一時的な離間を繰
り返しながら振動することになる。シャドウマスク10
の振動エネルギーは、このようなシャドウマスク10と
振動減衰体18との接触、摺動による摩擦により、消費
される。
【0092】振動減衰体18による減衰効果は、振動減
衰体18の質量を変えることにより容易に調節できる。
また、振動減衰体18の例えば先端部に重りを取り付け
て質量を増加させてもよい。振動減衰体の質量の好まし
い範囲や、その理由は実施形態4と同様である。
【0093】また、本実施形態の振動減衰体が2次元テ
ンションのシャドウマスクにも用いることができるこ
と、アパーチャグリル型にも用いることができること等
は、実施形態4と同様である。
【0094】なお、振動減衰体の枠形状は、図12に示
したように一部が開口したものに限らず、閉じた形状で
もよく、また板状でも棒状でもよい。
【0095】また、前記実施形態4、本実施形態5にお
いて、振動減衰体が挿通している孔は、振動減衰体が落
下しないような取り付けが可能であれば、内周部が完全
に閉じた形状である必要はない。すなわち孔は振動減衰
体の回りをすべて取り囲む形状でなくてもよい。例え
ば、シャドウマスク両端面の内側の有効面側に形成した
切り欠き部に、振動減衰体を取り付けてもよい。
【0096】(実施の形態6)図13に、実施形態6に
係るシャドウマスク部の斜視図を示している。本実施形
態は、リング状の振動減衰体15に、さらに別の振動減
衰体17が取り付けられている点が実施形態4と異な
る。実施形態4では、リング状の振動減衰体15自体に
振動エネルギーの吸収作用があるので、さらに別の振動
減衰体を接続することは必ずしも必要ではなかった。本
実施形態は、振動減衰効果をより高めたい場合の一実施
形態である。
【0097】2種類の振動減衰体の関係を示すために、
図14に図13のII−II線の断面図を示している。取り
付け構造を分かり易くするために、孔16部の断面を重
ね合わせている。リング状の振動減衰体15の取り付け
構造、作用については、実施形態4と同様であるので、
説明は省略する。
【0098】リング状の振動減衰体15に、引っ掛ける
ようにして先端がコの字形で鍵状の振動減衰体17が取
り付けられている。振動減衰体17の一端17aは、溶
接等でマスクフレーム11aに固定されている。
【0099】シャドウマスク10が振動すると、リング
状の振動減衰体15も振動し、この振動は減衰して行く
ことになるが、この減衰した振動は、振動減衰体17に
よってさらに減衰されることになる。振動減衰体17に
よる減衰作用は、シャドウマスク10とリング状の振動
減衰体15との場合と同様である。すなわち、リング状
の振動減衰体15の振動エネルギーは、振動減衰体17
との接触、摺動による摩擦により、消費される。
【0100】本実施形態では、別途振動減衰体を追加す
ることにはなるが、追加する振動減衰体の材料は、リン
グ状の振動減衰体と同一材料で差し支えなく、振動減衰
体同士の組み合わせに特別な加工も必要としないので、
大幅なコスト増になるものではなく、依然として簡単な
構造であることには変わりない。
【0101】なお、本実施形態では追加する振動減衰体
は先端がコの字形の鍵状部材の例で説明したが、振動減
衰体同士が固着することなく接触できる形状、位置関係
であればよく、追加する振動減衰体は、板状でも棒状で
もよく、先端形状はL字状でも半円状でもよい。
【0102】また、本実施形態では実施形態4のリング
状の振動減衰体に別の減衰体を用いたものについて説明
したが、実施形態5の枠状体の減衰体と組み合わせて用
いてもよい。
【0103】また、実施形態4〜6についても、実施形
態3と同様に前記実施形態1、2の引張応力分布を有す
るシャドウマスクと組み合わせることで、シャドウマス
クの端部に生じる振動を吸収することができ、両者の相
乗効果によりシャドウマスクの振幅を低減すると共にそ
の振動を短時間で吸収することができ、シャドウマスク
の振動が表示画面に与える悪影響をほぼ完全に打ち消す
ことができる。
【0104】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シャドウ
マスクが架張保持されたカラー陰極線管において、カラ
ー陰極線管に伝わる振動による共振で、シャドウマスク
の端部が中央部に対して相対的に一定量以上振動するも
のとしたことにより、シャドウマスクの振動によるシャ
ドウマスクの変位の最大値を小さくすることができる。
【0105】また、シャドウマスク端部に接触し、弾性
体で形成された振動減衰体を備えることにより、シャド
ウマスクが振動すると、シャドウマスクが振動減衰体上
を摺動するので、摺動による摩擦によって振動エネルギ
ーが消費され、シャドウマスクの振動が消滅させること
ができる。
【0106】また、シャドウマスクに取り付けられた振
動減衰体が、シャドウマスクとの固着部分がなく、かつ
遊動可能にシャドウマスクに取り付けられていることに
より、シャドウマスクが振動すると、シャドウマスクの
振動エネルギーは、シャドウマスクと振動減衰体との接
触、摺動による摩擦により消費されるので、シャドウマ
スクの振動を消滅させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシャドウマスクとマスクフレーム
との組立体の一実施形態を示す斜視図
【図2】本発明のカラー陰極線管の実施形態1に係るシ
ャドウマスクの振動状態の一例を示す図
【図3】本発明のカラー陰極線管の実施形態1に係るシ
ャドウマスクの好ましい共振パターンを示す図
【図4】本発明のカラー陰極線管の実施形態1に係るシ
ャドウマスクの他の好ましい共振パターンを示す図
【図5】比較例に係るカラー陰極線管のシャドウマスク
の好ましくない振動パターンを示す図
【図6】比較例に係るカラー陰極線管のシャドウマスク
の振動状態の一例を示す図
【図7】比較例に係るカラー陰極線管のシャドウマスク
の振動状態の一例を示す図
【図8】本発明のカラー陰極線管の実施形態2に係るシ
ャドウマスクの振動状態の一例を示す図
【図9】本発明の実施形態3に係るシャドウマスクとマ
スクフレームとの組立体の一実施形態を示す斜視図
【図10】図9のI−I線における断面図
【図11】本発明の実施形態4に係るシャドウマスクと
マスクフレームとの組立体の一実施形態を示す斜視図
【図12】本発明の実施形態5に係るシャドウマスクと
マスクフレームとの組立体の一実施形態を示す斜視図
【図13】本発明の実施形態6に係るシャドウマスクと
マスクフレームとの組立体の一実施形態を示す斜視図
【図14】図13のII−II線における断面図
【図15】従来のカラー陰極線管の一例の断面図
【図16】従来のカラー陰極線管のテンション方向を示
す図
【符号の説明】
7、10 シャドウマスク 9、11、11a マスクフレーム 11a,11b フレーム 12 電子ビーム通過孔 13,17,18 振動減衰体 13a 振動減衰体の端部 13b 振動減衰体の側面部 14,15,16,19 孔 20 重り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横枕 光則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−329851(JP,A) 特開 平9−45258(JP,A) 特表 平3−500591(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/07

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャドウマスクと前記シャドウマスクを
    固定するマスクフレームとを含み、前記シャドウマスク
    は張力が印加された状態で前記マスクフレームに固定さ
    れているカラー陰極線管であって、前記シャドウマスク
    端部に接触し、弾性体で形成された振動減衰体を備え、
    前記振動減衰体が前記シャドウマスクに平面方向の力を
    加えた状態で、前記振動減衰体が前記シャドウマスク端
    部に接触しており、前記シャドウマスクが前記振動減衰
    体上を摺動しながら前記シャドウマスクの振動が減衰す
    ることを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記シャドウマスクは、一方向に張力が
    印加された状態で、張力印加方向の端部のみが前記マス
    クフレームに固定されており、前記振動減衰体は、前記
    張力印加方向に直交する方向の前記シャドウマスク端部
    に接触している請求項1に記載のカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記振動減衰体には、前記シャドウマス
    クの減衰効果を調節する重りが取り付けられている請求
    1又は2に記載のカラー陰極線管。
  4. 【請求項4】 前記平面方向の力が0.3〜3.0gf
    の範囲である請求項1から3のいずれかに記載のカラー
    陰極線管。
  5. 【請求項5】 前記振動減衰体は、前記シャドウマスク
    の端面に接触している請求項1から4のいずれかに記載
    のカラー陰極線管。
  6. 【請求項6】 前記振動減衰体は、前記シャドウマスク
    の端部に形成された孔を挿通している請求項1から4の
    いずれかに記載のカラー陰極線管。
  7. 【請求項7】 前記シャドウマスクは平板で、かつ多数
    のスロット孔又はドット孔が形成され、一方向に張力が
    印加されている請求項1から6のいずれかに記載のカラ
    ー陰極線管。
  8. 【請求項8】 前記シャドウマスクは平板で、かつ多数
    のスロット孔又はドット孔が形成され、一方向に張力が
    印加されており、前記カラー陰極線管に伝わる振動によ
    る前記シャドウマスクの面全体の振動は、前記シャドウ
    マスクの共振の振動モードが7次以下の各振動モードに
    おいて、前記張力の印加方向と直交する方向で前記シャ
    ドウマスクの引張応力が変化した分布によって、前記シ
    ャドウマスクの前記張力の印加方向と直交する方向の端
    部の振幅が中央部の振幅に対して相対的に一定量以上で
    ある請求項1から6のいずれかに記載のカラー陰極線
    管。
  9. 【請求項9】 前記シャドウマスクの端部の振幅が中央
    部の振幅に対して20%以上である請求項8に記載のカ
    ラー陰極線管。
  10. 【請求項10】 前記シャドウマスクの中央部の引張応
    力が端部の引張応力より大きい請求項8または9に記載
    のカラー陰極線管。
  11. 【請求項11】 前記シャドウマスクの中央部の引張応
    力をσ1、端部の引張応力をσ2とすると、 σ1≧1.1σ2 の関係を満足する請求項10に記載のカラー陰極線管。
  12. 【請求項12】 前記シャドウマスクの中央部と端部と
    の間に引張応力の極大値がある請求項8または9に記載
    のカラー陰極線管。
  13. 【請求項13】 前記シャドウマスクの中央部の引張応
    力をσ1、端部の引張応力をσ2、中央部と端部との間
    の中間部の引張応力をσ3とすると、 σ3≧1.1σ1 σ2≧σ1 σ3≧σ2 の関係を満足する請求項12に記載のカラー陰極線管。
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