JP3453883B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents
ディスクカートリッジInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク、光磁気デ
ィスク、磁気ディスク等の円板状の記録媒体を回転可能
に収納したディスクカートリッジに関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、光ディスク、光磁気ディスク、磁
気ディスク等の円板状の記録媒体は、記録面の汚染や傷
付き等による記録情報の損傷を防止するために、合成樹
脂等により形成されたケースに、これらのディスクを回
転可能に収納したディスクカートリッジとして使用され
ている。図２は従来のディスクカートリッジの一例を示
す斜視図である。合成樹脂等よりなるケース１０１は上
ハーフ１０１ｂ及び下ハーフ１０１ａにより構成されて
いる。円板状の記録媒体であるディスク（図示せず）は
このケース内のディスク収納部１０６に回転可能に収納
される。前記上下のハーフの少なくとも一方には、ディ
スクを回転させるための駆動軸を挿入するための開口
（上ハーフに形成された開口１０２ｂ、下ハーフに形成
された開口１０２ａ（図示せず））、及びディスクに記
録された情報を読出し、また、ディスクに情報を記録す
るヘッドを挿入するための開口（上ハーフに形成された
開口１０３ｂ、下ハーフに形成された開口１０３ａ（図
示せず））が形成されている。また、カートリッジの非
使用時には、これらの開口から塵埃が侵入したり、ディ
スクに指等が触れて記録面を汚染することを防止するた
め、これらの開口を閉塞するシャッター１０４が設けら
れている。図３はこのディスクカートリッジの下ハーフ
１０１ａの内部を示す斜視図である。下ハーフのディス
ク収納部１０６ａの外周部には、隔壁１０８が設けられ
ている。また、ディスクを回転させるための駆動軸挿入
用の開口１０２ａの周囲には、ディスクの記録面とケー
スの内面との接触を防止するために、円弧状の凸部から
なる支持部（以下、リブと称す）１０９が設けられてい
る。下ハーフの周囲には、カートリッジをドライブに挿
入する際の挿入方向側の端部（以下、挿入端と称す）の
一部を除いて、外周壁１０７が形成されている。上ハー
フも鏡面対称であること以外は、基本的にはこの下ハー
フとほぼ同様のものであるが、ディスク駆動軸挿入用の
開口、ヘッド挿入用の開口及びディスク駆動軸挿入用開
口の周囲のリブは、必要に応じて形成されている。 【０００３】一般に、ディスクカートリッジでは、ディ
スクドライブに装着されて、収納されたディスクがカー
トリッジ内で回転している状態では、ディスクはカ−ト
リッジのどの部分にも接触しないように設計されている
が、ディスクドライブに装着されていない時には、当
然、収納されたディスクはカ−トリッジの内面と必ずど
こかで接触する。収納されたディスクの記録面とカート
リッジの内面との接触による上記ディスクの記録領域の
傷付きを防止するために、上記ディスクに対向するカー
トリッジの内面にリブを設け、このリブによって上記デ
ィスクの内周側の非記録領域を支持することが、例えば
特開昭６１−９８２号、実開平３−４０６６９号等に提
案されている。 【０００４】従来のディスクカートリッジでは、機構が
複雑になりコスト高になる等の理由から、カートリッジ
自身による収納ディスクの固定機構を備えていないもの
が多く、その場合には、上記のリブの形成によりディス
クの記録領域の傷付きそのものは防止できても、ディス
クがカートリッジに対して固定されていないため、搬送
時の振動等により、ディスクの外周端面と、カ−トリッ
ジのディスク収納部の外周部に設けられた隔壁の内面と
が衝撃的に接触し、ディスクの外周端面部から傷付き防
止用に塗布された紫外線硬化樹脂等が剥離し、その剥離
片がディスクの記録領域に付着して、情報の書込み又は
読出し時にエラ−を発生させる等の問題があった。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ディスクカ
ートリッジの非使用時において、収納されたディスクの
外周端面と、カ−トリッジのディスク収納部の外周部に
設けられた隔壁の内面との衝撃的な接触による剥離片等
からなる塵埃の発生を極めて少なくして、情報信号の書
込み及び読出しを安定して行うことができ、かつ、安価
に製造できるディスクカ−トリッジを提供することを目
的とするものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、ディスク
の外周端面がカートリッジのディスク収納部の外周部に
設けられた隔壁の内面と衝撃的に接触する場合に、両者
の間の摩擦力を低減することにより、ディスクからの剥
離片の発生を低減できることを見い出し、本発明を得る
に至った。 【０００７】すなわち、本発明のディスクカートリッジ
は、前記目的を達成するため、上ハーフと下ハーフによ
り構成されるケースに、円板状の記録媒体であるディス
クを回転可能に収納するディスクカートリッジにおい
て、前記ケース内の前記ディスクを収納するディスク収
納部の外周部に設けられた隔壁の内面、即ち、前記ディ
スクの外周端面と対向する側の面に凹凸を形成したもの
であり、さらに、前記ディスクの円板面に平行な面で切
断した隔壁内面の前記凹凸の断面形状を波型形状とした
ものである。 【０００８】図１は本発明のディスクカートリッジの一
例の下ハーフの内部を示す斜視図である。上ハーフはこ
の下ハーフと鏡面対称であること以外は、基本的には図
１とほぼ同様のものである。以下、主として下ハーフに
ついて記載するが、これらの記載は上ハーフについても
基本的には同様である。 【０００９】図３に示した従来のディスクカートリッジ
と同様に、下ハーフ１には、ディスクを回転させるため
の駆動軸を挿入するための開口２、及びディスクに記録
された情報の読み書き用のヘッドを挿入するための開口
３が形成されている。駆動軸挿入用の開口２の周囲に
は、ディスクの記録面とカートリッジ内面との接触を防
止するためのリブ９が設けられている。この下ハーフの
周囲には、挿入端の一部を除いて外周壁７が設けられて
いる。ディスク収納部６の外周部には隔壁８が設けられ
ており、この隔壁８のディスク外周端面と対向する側の
面１０には、その断面形状が波型形状である凹凸が形成
されている。図１では、隔壁８が外周壁７と接する部分
には波型形状の凹凸を形成していない場合のものを示し
ているが、この部分にも同様の波型形状の凹凸を形成し
ても良い。 【００１０】この隔壁内面に形成された波型形状の、デ
ィスクの外周端面側に突出した凸部１１は、この部分に
ディスクの外周端面が接触した際に、両者の間に発生す
る摩擦力を低減することができるようように、滑らかな
丸みを帯びた形状に形成されている。波型形状の凹部１
２の形状に関しては、この部分はディスクの外周端面と
接触することはないので、特には限定されず、図１に示
す形状の外に、図４に示すように隔壁内面に相当する円
周の内部に沿って、短い円弧を同じ向きに敷き詰めて形
成されるような形状としても良い。しかし、ディスク収
納部等で発生したり、外部から侵入した塵埃が凹部の頂
点付近に集積しやすくなる可能性等を考えれば、凹部の
形状についても、図１に示すような、滑らかな丸みを帯
びた形状とすることがより望ましい。隔壁内面のカート
リッジの厚み方向の形状については、特には限定され
ず、図１中のＡ・Ａ線に沿いディスクの円板面に垂直な
面で切断した隔壁８の断面図を図５（Ａ）に示すよう
に、隔壁内面の断面形状が直線として表される形状のも
ので良い。なお、ディスクの外周端面との摩擦力を低減
するという観点からは、隔壁内面の断面形状を図５
（Ｂ）に示すように、カートリッジの厚み方向の中央部
（ハーフでは最上部）で最もディスクの外周端面側に張
り出した凸形状とすることが理想であり、ハーフの成型
上等に問題がなければそのような形状とすることがさら
に望ましい。 【００１１】上記波型形状の個々の波の大きさとして
は、収納されるディスクのサイズあるいはカートリッジ
の材質等により最適のものを適宜選択すれば良いが、波
の高さ（凸部の頂点と凹部の頂点との間の距離）として
は、０．３ｍｍ〜２ｍｍが好ましく、０．５ｍｍ〜１．
５ｍｍであることがさらに好ましい。個々の波の長さと
しては、１つの波の凸部の頂点から隣の波の凸部の頂点
までを、ディスク収納部の中心の回りに測った角度で表
記して、２度〜３０度が好ましく、４度〜１５度である
ことがさらに好ましい。 【００１２】前記隔壁内面に形成された波型形状の凹凸
の凸部の頂点を結んで得られる円筒面により囲まれる空
間にディスクが収納されるが、この円筒の半径は、ディ
スクをカートリッジ内部で回転させる際に、ディスクの
外周端面と前記隔壁内面とが接触しないように、収納さ
れるディスクの半径に、ディスクの製造上の寸法精度や
ディスクドライブの構造上の要求より定められる遊び量
を加えて適宜定めれば良い。 【００１３】前述のように上ハーフは鏡面対称であるこ
と以外は、基本的にはこの下ハーフ１とほぼ同様のもの
であるが、前述のディスク駆動軸挿入用の開口、ヘッド
挿入用の開口及びディスク駆動軸挿入用開口の周囲のリ
ブ等は、必要に応じて形成されている。すなわち、ディ
スクの下面のみに記録面を備えた片面ディスク用の場合
には、これらの開口及びリブは必ずしも形成されていな
い。 【００１４】ディスク収納部の外周部に設けられる隔壁
は、上下のハーフの各々に、各ハーフに設けられた外周
壁と同じ高さに形成し、上下ハーフが組み合わされた時
点で、カートリッジの厚み方向に関して一続きの隔壁と
なるように形成するのが一般的であるが、上下どちらか
のハーフのみに、カートリッジの内部空間の厚さに相当
する高さの隔壁を形成し、上下ハーフが組み合わされた
時点で、隔壁の頂部と隔壁を形成していない側のハーフ
の内面とが当接するように構成することも考えられる。 【００１５】なお、本発明の上ハーフ及び下ハーフは、
ポリカーボネート、ＡＢＳ、ポリアセタール等の成形性
が良好で十分な機械的強度を有する合成樹脂により、射
出成型等を用いて形成することができる。 【００１６】 【作用】本発明のディスクカートリッジでは、上記のよ
うに構成されているので、カートリッジの搬送時の振動
等により、収納されたディスクの外周端面とカ−トリッ
ジのディスク収納部の外周部に設けられた隔壁の内面と
が衝撃的に接触する場合においても、ディスクの外周端
面と隔壁内面との接触面積が従来のディスクカートリッ
ジに比べて大幅に低減されているので、それらの間の摩
擦力を十分低減することができ、接触の際に両者の内部
に発生する剪断応力を減少させることができるため、コ
ーティング剤等の剥離の発生が防止され、剥離片等から
なる塵埃の発生が極めて少なくなり、情報信号の書込み
及び読出しが安定する。 【００１７】 【実施例】本発明のディスクカ−トリッジの一実施例の
下ハーフの内部を示す斜視図を図１に示す。なお、図１
では隔壁内面に形成した波型形状の個々の波の高さ及び
長さについては誇張して示してある。本発明のディスク
カートリッジはディスクの両面に記録面を持つ両面用の
ディスクカートリッジであり、上ハーフは下ハーフと鏡
面対称であること以外は、図１とほぼ同様のものであ
る。以下、主として下ハーフについて記載するが、これ
らの記載は上ハーフについても同様である。 【００１８】下ハーフ１と上ハーフ（図示せず）は、ポ
リカ−ボネ−トを射出成型することにより形成した。 【００１９】ディスク収納部６の外周部に設けられた隔
壁８の内面１０に、個々の波の高さ（凸部の頂点と凹部
の頂点との間の距離）が１ｍｍで、個々の波の長さ（１
つの波の凸部の頂点から次の波の凸部の頂点までを、デ
ィスク収納部の中心の回りに測った角度で表記）が９度
であり、波の凸部及び凹部が滑らかな丸みを帯びた波型
形状の凹凸を形成した。また、隔壁内面のカートリッジ
の厚み方向の形状は図５（Ａ）に示すように直線とし
た。この波型形状の凹凸の凸部の頂点を結んで得られる
円筒の半径は、収納されるディスクの半径６５．０ｍｍ
に、遊び量０．８ｍｍを加えて、６５．８±０．１ｍｍ
とした。なお、本実施例では、隔壁８がハーフの外周壁
７に接する部分については、波型形状の凹凸は形成して
いない。 【００２０】ディスクカートリッジの他の部分について
は、ＪＩＳ Ｘ ６２７１ １３０ｍｍ書換形光ディス
クカートリッジにほぼ従い、通常の方法で作製し、１３
０ｍｍ光磁気ディスクを収納して本発明のディスクカー
トリッジを作製した。 【００２１】上記のようにして作製したディスクカート
リッジ１０枚を用いて、振幅２０ｍｍ、振動数１８０回
／分の条件で、ディスクの円板面を水平に保った状態
で、ディスクカートリッジを水平方向に振動させる振動
試験を１００時間実施した。この振動試験の前後でエラ
ーレートの測定を行ったが、試験をした１０枚のディス
クカートリッジの全てで、前記振動試験によるエラーレ
ートの増加は認められなかった。 【００２２】比較例として、図３に示すような隔壁内面
に波型形状の凹凸を形成していない従来型のディスクカ
ートリッジを、上記実施例と全く同様にして作製した。 【００２３】このディスクカートリッジ１０枚を用い
て、前記実施例と全く同様の振動試験及びエラーレート
の測定を行ったところ、試験をした１０枚のディスクカ
ートリッジ中２枚のディスクカートリッジで、前記振動
試験後にエラーレートの増加が認められた。 【００２４】 【発明の効果】本発明のディスクカートリッジによれ
ば、カートリッジの搬送時の振動等により、収納された
ディスクの外周端面とカ−トリッジのディスク収納部の
外周部に設けられた隔壁の内面とが衝撃的に接触する場
合においても、ディスクの外周端面と隔壁内面との間の
摩擦力を十分低減することができ、接触の際のコーティ
ング剤等の剥離の発生が防止され、剥離片等よりなる塵
埃の発生が極めて少なくなるため、情報信号の書込み及
び読出し時におけるエラーの発生を低減することができ
る。
ィスク、磁気ディスク等の円板状の記録媒体を回転可能
に収納したディスクカートリッジに関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、光ディスク、光磁気ディスク、磁
気ディスク等の円板状の記録媒体は、記録面の汚染や傷
付き等による記録情報の損傷を防止するために、合成樹
脂等により形成されたケースに、これらのディスクを回
転可能に収納したディスクカートリッジとして使用され
ている。図２は従来のディスクカートリッジの一例を示
す斜視図である。合成樹脂等よりなるケース１０１は上
ハーフ１０１ｂ及び下ハーフ１０１ａにより構成されて
いる。円板状の記録媒体であるディスク（図示せず）は
このケース内のディスク収納部１０６に回転可能に収納
される。前記上下のハーフの少なくとも一方には、ディ
スクを回転させるための駆動軸を挿入するための開口
（上ハーフに形成された開口１０２ｂ、下ハーフに形成
された開口１０２ａ（図示せず））、及びディスクに記
録された情報を読出し、また、ディスクに情報を記録す
るヘッドを挿入するための開口（上ハーフに形成された
開口１０３ｂ、下ハーフに形成された開口１０３ａ（図
示せず））が形成されている。また、カートリッジの非
使用時には、これらの開口から塵埃が侵入したり、ディ
スクに指等が触れて記録面を汚染することを防止するた
め、これらの開口を閉塞するシャッター１０４が設けら
れている。図３はこのディスクカートリッジの下ハーフ
１０１ａの内部を示す斜視図である。下ハーフのディス
ク収納部１０６ａの外周部には、隔壁１０８が設けられ
ている。また、ディスクを回転させるための駆動軸挿入
用の開口１０２ａの周囲には、ディスクの記録面とケー
スの内面との接触を防止するために、円弧状の凸部から
なる支持部（以下、リブと称す）１０９が設けられてい
る。下ハーフの周囲には、カートリッジをドライブに挿
入する際の挿入方向側の端部（以下、挿入端と称す）の
一部を除いて、外周壁１０７が形成されている。上ハー
フも鏡面対称であること以外は、基本的にはこの下ハー
フとほぼ同様のものであるが、ディスク駆動軸挿入用の
開口、ヘッド挿入用の開口及びディスク駆動軸挿入用開
口の周囲のリブは、必要に応じて形成されている。 【０００３】一般に、ディスクカートリッジでは、ディ
スクドライブに装着されて、収納されたディスクがカー
トリッジ内で回転している状態では、ディスクはカ−ト
リッジのどの部分にも接触しないように設計されている
が、ディスクドライブに装着されていない時には、当
然、収納されたディスクはカ−トリッジの内面と必ずど
こかで接触する。収納されたディスクの記録面とカート
リッジの内面との接触による上記ディスクの記録領域の
傷付きを防止するために、上記ディスクに対向するカー
トリッジの内面にリブを設け、このリブによって上記デ
ィスクの内周側の非記録領域を支持することが、例えば
特開昭６１−９８２号、実開平３−４０６６９号等に提
案されている。 【０００４】従来のディスクカートリッジでは、機構が
複雑になりコスト高になる等の理由から、カートリッジ
自身による収納ディスクの固定機構を備えていないもの
が多く、その場合には、上記のリブの形成によりディス
クの記録領域の傷付きそのものは防止できても、ディス
クがカートリッジに対して固定されていないため、搬送
時の振動等により、ディスクの外周端面と、カ−トリッ
ジのディスク収納部の外周部に設けられた隔壁の内面と
が衝撃的に接触し、ディスクの外周端面部から傷付き防
止用に塗布された紫外線硬化樹脂等が剥離し、その剥離
片がディスクの記録領域に付着して、情報の書込み又は
読出し時にエラ−を発生させる等の問題があった。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ディスクカ
ートリッジの非使用時において、収納されたディスクの
外周端面と、カ−トリッジのディスク収納部の外周部に
設けられた隔壁の内面との衝撃的な接触による剥離片等
からなる塵埃の発生を極めて少なくして、情報信号の書
込み及び読出しを安定して行うことができ、かつ、安価
に製造できるディスクカ−トリッジを提供することを目
的とするものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、ディスク
の外周端面がカートリッジのディスク収納部の外周部に
設けられた隔壁の内面と衝撃的に接触する場合に、両者
の間の摩擦力を低減することにより、ディスクからの剥
離片の発生を低減できることを見い出し、本発明を得る
に至った。 【０００７】すなわち、本発明のディスクカートリッジ
は、前記目的を達成するため、上ハーフと下ハーフによ
り構成されるケースに、円板状の記録媒体であるディス
クを回転可能に収納するディスクカートリッジにおい
て、前記ケース内の前記ディスクを収納するディスク収
納部の外周部に設けられた隔壁の内面、即ち、前記ディ
スクの外周端面と対向する側の面に凹凸を形成したもの
であり、さらに、前記ディスクの円板面に平行な面で切
断した隔壁内面の前記凹凸の断面形状を波型形状とした
ものである。 【０００８】図１は本発明のディスクカートリッジの一
例の下ハーフの内部を示す斜視図である。上ハーフはこ
の下ハーフと鏡面対称であること以外は、基本的には図
１とほぼ同様のものである。以下、主として下ハーフに
ついて記載するが、これらの記載は上ハーフについても
基本的には同様である。 【０００９】図３に示した従来のディスクカートリッジ
と同様に、下ハーフ１には、ディスクを回転させるため
の駆動軸を挿入するための開口２、及びディスクに記録
された情報の読み書き用のヘッドを挿入するための開口
３が形成されている。駆動軸挿入用の開口２の周囲に
は、ディスクの記録面とカートリッジ内面との接触を防
止するためのリブ９が設けられている。この下ハーフの
周囲には、挿入端の一部を除いて外周壁７が設けられて
いる。ディスク収納部６の外周部には隔壁８が設けられ
ており、この隔壁８のディスク外周端面と対向する側の
面１０には、その断面形状が波型形状である凹凸が形成
されている。図１では、隔壁８が外周壁７と接する部分
には波型形状の凹凸を形成していない場合のものを示し
ているが、この部分にも同様の波型形状の凹凸を形成し
ても良い。 【００１０】この隔壁内面に形成された波型形状の、デ
ィスクの外周端面側に突出した凸部１１は、この部分に
ディスクの外周端面が接触した際に、両者の間に発生す
る摩擦力を低減することができるようように、滑らかな
丸みを帯びた形状に形成されている。波型形状の凹部１
２の形状に関しては、この部分はディスクの外周端面と
接触することはないので、特には限定されず、図１に示
す形状の外に、図４に示すように隔壁内面に相当する円
周の内部に沿って、短い円弧を同じ向きに敷き詰めて形
成されるような形状としても良い。しかし、ディスク収
納部等で発生したり、外部から侵入した塵埃が凹部の頂
点付近に集積しやすくなる可能性等を考えれば、凹部の
形状についても、図１に示すような、滑らかな丸みを帯
びた形状とすることがより望ましい。隔壁内面のカート
リッジの厚み方向の形状については、特には限定され
ず、図１中のＡ・Ａ線に沿いディスクの円板面に垂直な
面で切断した隔壁８の断面図を図５（Ａ）に示すよう
に、隔壁内面の断面形状が直線として表される形状のも
ので良い。なお、ディスクの外周端面との摩擦力を低減
するという観点からは、隔壁内面の断面形状を図５
（Ｂ）に示すように、カートリッジの厚み方向の中央部
（ハーフでは最上部）で最もディスクの外周端面側に張
り出した凸形状とすることが理想であり、ハーフの成型
上等に問題がなければそのような形状とすることがさら
に望ましい。 【００１１】上記波型形状の個々の波の大きさとして
は、収納されるディスクのサイズあるいはカートリッジ
の材質等により最適のものを適宜選択すれば良いが、波
の高さ（凸部の頂点と凹部の頂点との間の距離）として
は、０．３ｍｍ〜２ｍｍが好ましく、０．５ｍｍ〜１．
５ｍｍであることがさらに好ましい。個々の波の長さと
しては、１つの波の凸部の頂点から隣の波の凸部の頂点
までを、ディスク収納部の中心の回りに測った角度で表
記して、２度〜３０度が好ましく、４度〜１５度である
ことがさらに好ましい。 【００１２】前記隔壁内面に形成された波型形状の凹凸
の凸部の頂点を結んで得られる円筒面により囲まれる空
間にディスクが収納されるが、この円筒の半径は、ディ
スクをカートリッジ内部で回転させる際に、ディスクの
外周端面と前記隔壁内面とが接触しないように、収納さ
れるディスクの半径に、ディスクの製造上の寸法精度や
ディスクドライブの構造上の要求より定められる遊び量
を加えて適宜定めれば良い。 【００１３】前述のように上ハーフは鏡面対称であるこ
と以外は、基本的にはこの下ハーフ１とほぼ同様のもの
であるが、前述のディスク駆動軸挿入用の開口、ヘッド
挿入用の開口及びディスク駆動軸挿入用開口の周囲のリ
ブ等は、必要に応じて形成されている。すなわち、ディ
スクの下面のみに記録面を備えた片面ディスク用の場合
には、これらの開口及びリブは必ずしも形成されていな
い。 【００１４】ディスク収納部の外周部に設けられる隔壁
は、上下のハーフの各々に、各ハーフに設けられた外周
壁と同じ高さに形成し、上下ハーフが組み合わされた時
点で、カートリッジの厚み方向に関して一続きの隔壁と
なるように形成するのが一般的であるが、上下どちらか
のハーフのみに、カートリッジの内部空間の厚さに相当
する高さの隔壁を形成し、上下ハーフが組み合わされた
時点で、隔壁の頂部と隔壁を形成していない側のハーフ
の内面とが当接するように構成することも考えられる。 【００１５】なお、本発明の上ハーフ及び下ハーフは、
ポリカーボネート、ＡＢＳ、ポリアセタール等の成形性
が良好で十分な機械的強度を有する合成樹脂により、射
出成型等を用いて形成することができる。 【００１６】 【作用】本発明のディスクカートリッジでは、上記のよ
うに構成されているので、カートリッジの搬送時の振動
等により、収納されたディスクの外周端面とカ−トリッ
ジのディスク収納部の外周部に設けられた隔壁の内面と
が衝撃的に接触する場合においても、ディスクの外周端
面と隔壁内面との接触面積が従来のディスクカートリッ
ジに比べて大幅に低減されているので、それらの間の摩
擦力を十分低減することができ、接触の際に両者の内部
に発生する剪断応力を減少させることができるため、コ
ーティング剤等の剥離の発生が防止され、剥離片等から
なる塵埃の発生が極めて少なくなり、情報信号の書込み
及び読出しが安定する。 【００１７】 【実施例】本発明のディスクカ−トリッジの一実施例の
下ハーフの内部を示す斜視図を図１に示す。なお、図１
では隔壁内面に形成した波型形状の個々の波の高さ及び
長さについては誇張して示してある。本発明のディスク
カートリッジはディスクの両面に記録面を持つ両面用の
ディスクカートリッジであり、上ハーフは下ハーフと鏡
面対称であること以外は、図１とほぼ同様のものであ
る。以下、主として下ハーフについて記載するが、これ
らの記載は上ハーフについても同様である。 【００１８】下ハーフ１と上ハーフ（図示せず）は、ポ
リカ−ボネ−トを射出成型することにより形成した。 【００１９】ディスク収納部６の外周部に設けられた隔
壁８の内面１０に、個々の波の高さ（凸部の頂点と凹部
の頂点との間の距離）が１ｍｍで、個々の波の長さ（１
つの波の凸部の頂点から次の波の凸部の頂点までを、デ
ィスク収納部の中心の回りに測った角度で表記）が９度
であり、波の凸部及び凹部が滑らかな丸みを帯びた波型
形状の凹凸を形成した。また、隔壁内面のカートリッジ
の厚み方向の形状は図５（Ａ）に示すように直線とし
た。この波型形状の凹凸の凸部の頂点を結んで得られる
円筒の半径は、収納されるディスクの半径６５．０ｍｍ
に、遊び量０．８ｍｍを加えて、６５．８±０．１ｍｍ
とした。なお、本実施例では、隔壁８がハーフの外周壁
７に接する部分については、波型形状の凹凸は形成して
いない。 【００２０】ディスクカートリッジの他の部分について
は、ＪＩＳ Ｘ ６２７１ １３０ｍｍ書換形光ディス
クカートリッジにほぼ従い、通常の方法で作製し、１３
０ｍｍ光磁気ディスクを収納して本発明のディスクカー
トリッジを作製した。 【００２１】上記のようにして作製したディスクカート
リッジ１０枚を用いて、振幅２０ｍｍ、振動数１８０回
／分の条件で、ディスクの円板面を水平に保った状態
で、ディスクカートリッジを水平方向に振動させる振動
試験を１００時間実施した。この振動試験の前後でエラ
ーレートの測定を行ったが、試験をした１０枚のディス
クカートリッジの全てで、前記振動試験によるエラーレ
ートの増加は認められなかった。 【００２２】比較例として、図３に示すような隔壁内面
に波型形状の凹凸を形成していない従来型のディスクカ
ートリッジを、上記実施例と全く同様にして作製した。 【００２３】このディスクカートリッジ１０枚を用い
て、前記実施例と全く同様の振動試験及びエラーレート
の測定を行ったところ、試験をした１０枚のディスクカ
ートリッジ中２枚のディスクカートリッジで、前記振動
試験後にエラーレートの増加が認められた。 【００２４】 【発明の効果】本発明のディスクカートリッジによれ
ば、カートリッジの搬送時の振動等により、収納された
ディスクの外周端面とカ−トリッジのディスク収納部の
外周部に設けられた隔壁の内面とが衝撃的に接触する場
合においても、ディスクの外周端面と隔壁内面との間の
摩擦力を十分低減することができ、接触の際のコーティ
ング剤等の剥離の発生が防止され、剥離片等よりなる塵
埃の発生が極めて少なくなるため、情報信号の書込み及
び読出し時におけるエラーの発生を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のディスクカ−トリッジの実施例の下ハ
ーフの内部を示す斜視図である。 【図２】従来のディスクカ−トリッジの一例の外観を示
す斜視図である。 【図３】従来のディスクカ−トリッジの一例の下ハーフ
の内部を示す斜視図である。 【図４】波型形状の他の例を示す図である。 【図５】隔壁内面のカートリッジの厚さ方向の形状を示
す隔壁の断面図である。 （Ａ）Ａ・Ａ線断面図である。（Ｂ）隔壁内面の他の形
状を示す図である。 【符号の説明】 １、１０１：ハーフ ２、１０２：ディスク駆動軸挿入用開口 ３、１０３：ヘッド挿入用開口 ６、１０６：ディスク収納部 ７、１０７：外周壁 ８、１０８：隔壁 ９、１０９：リブ
ーフの内部を示す斜視図である。 【図２】従来のディスクカ−トリッジの一例の外観を示
す斜視図である。 【図３】従来のディスクカ−トリッジの一例の下ハーフ
の内部を示す斜視図である。 【図４】波型形状の他の例を示す図である。 【図５】隔壁内面のカートリッジの厚さ方向の形状を示
す隔壁の断面図である。 （Ａ）Ａ・Ａ線断面図である。（Ｂ）隔壁内面の他の形
状を示す図である。 【符号の説明】 １、１０１：ハーフ ２、１０２：ディスク駆動軸挿入用開口 ３、１０３：ヘッド挿入用開口 ６、１０６：ディスク収納部 ７、１０７：外周壁 ８、１０８：隔壁 ９、１０９：リブ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 上ハーフと下ハーフにより構成されるケ
ースに、円板状の記録媒体であるディスクを回転可能に
収納するディスクカートリッジにおいて、前記ケース内
の前記ディスクを収納するディスク収納部の外周部に設
けられた隔壁の、前記ディスクの外周端面と対向する側
の面に、前記ディスクの円板面に平行な面で切断した断
面形状が波型形状であり、該波型形状の１つの波の凸部
の頂点から隣の波の凸部の頂点までの、前記ディスク収
納部の中心の回りに測った角度が２度以上３０度以下で
ある凹凸が形成されていることを特徴とするディスクカ
ートリッジ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31673694A JP3453883B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | ディスクカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31673694A JP3453883B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | ディスクカートリッジ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08180630A JPH08180630A (ja) | 1996-07-12 |
| JP3453883B2 true JP3453883B2 (ja) | 2003-10-06 |
Family
ID=18080338
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31673694A Expired - Fee Related JP3453883B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | ディスクカートリッジ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3453883B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-20 JP JP31673694A patent/JP3453883B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08180630A (ja) | 1996-07-12 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |