JP3452126B2 - フィルタープレス用濾布 - Google Patents

フィルタープレス用濾布

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JP3452126B2 JP32088398A JP32088398A JP3452126B2 JP 3452126 B2 JP3452126 B2 JP 3452126B2 JP 32088398 A JP32088398 A JP 32088398A JP 32088398 A JP32088398 A JP 32088398A JP 3452126 B2 JP3452126 B2 JP 3452126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木工事や建設工
事の現場、河川や湖沼の浚渫工事現場、下水処理場或い
は食品加工工場等からの排出汚泥、更には製鉄工場その
他の金属製錬工場からの排出スラッジや各種フィラー用
の炭酸カルシウム製造工程の製品(中間製品を含む)ス
ラリー等の各種高濃度スラリー原液の固液分離を行う高
圧フイルタープレス用の瀘布で、詳しくは、瀘板の周縁
枠部と接当する部位を額縁状当布で補強したフィルター
プレス用濾布に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧フィルタープレスの概略を図6の側
面図で説明すると、これは高圧ポンプから圧送されるス
ラリーの圧入給液ロ(2)を備えた固定盤(1)と、多
数重ねた状態で配置された瀘板(3)を油圧シリンダー
(4)を介して開閉させる可動盤(5)を有する。濾板
(3)は矩形板で、図8に示すように前後両面に瀘液流
過用の凹凸(ピラミッド)(3b)を有し、この瀘板
(3)の複数枚が各々の周縁枠部(3a)同士が重なる
ように離反可能に配置される。各々の濾板(3)には、
この濾板(3)を包むように瀘布(6)が張設され、こ
の張設の要領が図7に示される。
【0003】図7(A)〜(C)には、センターフィー
ド型圧瀘機(フィルタープレス)での一般的な濾布
(6)の瀘板(3)への張設手順が示される。図7
(A)に示すように、濾布(6)の略中央の給液口
(7)を形成する円筒状結合布(8)の両端部に表裏2
枚の瀘布(6)の中央部が縫合される。この2枚の瀘布
(6)の片方を図7(B)に示すように丸めて折り畳
み、これを瀘板(3)の給液口(3c)に挿通してから
広げて、図7(C)に示すように各瀘布(6)が瀘板
(3)の全面を覆うように張設される。
【0004】瀘布(6)が張設された瀘板(3)の複数
枚を図6の如く順次重ね配列して、図8(A)に示すよ
うに(瀘板・瀘布)−(濾布・濾板)の間に濾室(9)
が形成される。濾室(9)は、2枚の圧締された瀘板
(3)の濾布(6)で囲まれた空間である。図8(B)
の状態で瀘布結合布(8)の給液口(7)と濾室(9)
が固定盤(1)に設けられたスラリー圧入給液ロ(2)
に連通されて、スラリー圧入給液口(2)より圧入され
たスラリー(10)が濾室(9)に満たされて瀘布
(6)上に濾過ケーキ(13)が形成されると共に、瀘
布(6)を通過した濾液は濾板(3)の下部に設けられ
た瀘液徘出口(14)に集められて濾過機の外部に導か
れる。
【0005】スラリー(10)が濾室(9)に圧入され
て濾過ケーキ(13)が濾室(9)に満ちると、図8
(C)に示すようにスラリー圧入給液ロ(2)から高圧
空気を吹き込んで、瀘布(6)の給液口(7)及びその
周辺に残ったスラリー(10)が濾過機の系外に追い出
され、濾過ケーキ(13)だけが濾室(9)内に残る。
次に、図6の可動盤(5)を瀘板開枠側に作動させれ
ば、図8(D)に示すように瀘板(3)の圧締が解除さ
れて瀘板(3)が開枠し、濾過ケーキ(13)が瀘布
(6)から離脱して取り出される。
【0006】ところで、土木工事や建設工事の現場、河
川・湖沼の浚渫工事現場、下水処理場或いは食品加工工
場等からの排出汚泥、更には、製鉄工場その他の金属製
錬工場からの排出スラツジや各種フィラー用のカルシュ
ーム化合物製品のスラリー等は高濃度で大量処理される
傾向が強く、これらをフィルタープレスによって脱水処
理する場合においては、ケーキ含水率を低下させ、濾過
機設置スペースを最小限にして、濾過処理能力を増大さ
せる濾過機、濾過方法が要望される。
【0007】この要望に応えるべく特開平3―2751
04号公報や特開平4―18905号公報に開示されて
いるような高圧フィルタープレスによる高圧濾過方法が
提案され、実施されている。これらの公報に開示された
フィルタープレスの濾過方法では、それまでの濾過圧力
7〜15kg/cm2 ,濾過時間30〜180分に対して、
濾過圧力が30〜60kg/cm2 に増大され、濾過時間が
8〜10分に短縮されて、高圧・高速で濾過が可能にな
る。
【0008】また、高圧・高速濾過に対応するために
は、図6の可動盤(5)を駆動して瀘板(3)の周縁枠
部(3a)を圧締する油圧シリンダー(4)の推力をそ
れにバランスさせるよう強力にする一方、濾室(9)を
形成する濾板(3)の周縁枠部(3a)間のシーリング
を確実強固なものにする必要がある。そこで、図9に示
すように瀘板(3)の周縁枠部(3a)の幅略中央部に
ゴム状弾性体の棒状締め付けパッキン材(20)を設置
している。このパッキン材(20)は、濾板枠部(3
a)間のシーリングを確実にして、高速で瀘板排液孔か
ら排出される瀘液の背圧抵抗による枠部(3a)からの
瀘液の漏出を防止する役目も果たしている。
【0009】また、瀘板枠部(3a)の圧締力は、この
枠部(3a)に接当する濾布を強圧して破損等させる影
響を及ぼすので、実公昭25−4757号、実開昭49
−3158号および実開昭50−128772号の各公
報に開示される如く、瀘布の濾板枠部に接当する部位に
合成樹脂接着剤を塗工・含浸させたり、樹脂フィルムを
接着や縫着で固定して、濾板枠部間からの濾液の漏出防
止や濾布の破損防止の対策を施している。更に、実開昭
56−176008号公報に開示されるように、瀘布の
瀘板枠部に接当する枠状部位の全周に補強用額縁状当布
を固定して、濾板枠部に接当する部位での瀘布の破損防
止や伸縮防止の対策も行われている。
【0010】これらの濾液漏出防止や瀘布の破損防止の
ための捕強用額縁状当布の固定は、例えば図10に示す
ようなミシン糸(21)による縫合で行われている。瀘
板枠部(3a)のパッキン材(20)と接当する補強用
額縁状当布(以下、必要に応じて額縁当布と称する)
(30)と濾布(6)を重ね、この両者をパッキン材
(20)の長さ方向Xに平行な複数の線状にミシン縫い
目22が形成されるようにしてミシン糸(21)で縫合
している。更に、必要に応じて濾布(6)と額縁当布
(30)の濾室に近い内側端部を1本或いは2本のミシ
ン糸(23)で縫合し、濾布(6)と額縁当布(30)
の濾室から離れる外側端部を額縁当布(30)が濾過機
の操作時に捲れるのを防止する程度に点縫い(24)し
て、この額縁当布(30)の外側端部(30b)の大部
分を開放することで、瀘布(6)と額縁当布(30)で
袋状部分が形成されるのを避けて、この袋状部分に濾過
スラリーの固形分が侵入・滞留するのを防止し、以て固
形分の滞留部分に瀘板(3)の圧締力が集中して瀘布
(6)と額縁当布(30)が破損するのを回避する工夫
もなされている。
【0011】
【発明が解決しよとする課題】図10のように濾布を額
縁当布で補強した場合、前述した7〜15kg/cm2 程度
の濾過圧力に対しては、瀘布及び額縁当布の瀘板枠部と
の接当部乃至その周辺の破損は防止されてきた。ところ
が、前記特開平3―275104号公報や特開平4−1
8905号公報に示された超高圧フィルタープレスのよ
うに30〜40kg/cm2 又はそれ以上の高圧でスラリー
が濾室内に圧入されるに至っては、瀘板の圧締力は絶大
であり、その圧締力は濾板の枠部全周に集中されて、濾
室を形成する濾布上にはケーキが高圧で急速に構成され
て、瀘布が瀘板に強く押し付けられる。その結果、瀘布
及び額縁当布は、瀘板の枠部幅中央に設置されたパッキ
ン材に把持された部位を伸張基点として、パッキン材か
ら内側部分が濾室の方向に強く引き込まれるような張力
下にさらされる。このような作用下にあって、特に濾過
処理ずべき対象スラリーが土木工事や建設工事の現場、
河川や湖沼の浚渫工事現場、下水処理場或いは食品加工
工場等からの排出汚泥更には製鉄工場その他の金属製錬
工場からの排出スラツジや各種フイラー用の炭酸カルシ
ウム製造工程の製品(中間製品を含む)のスラリー等各
種高濃度無機質スラリー原液であれば、強大な瀘板枠部
の圧締力、高濾過圧力および上記瀘布及び額縁当布に印
加される引込張力の相乗作用で、瀘布及び額縁当布が濾
過サイクル毎に急速に疲労・脆弱化する可能性が高くな
る。また、濾過時間の短縮化に伴つて、濾過操作の単位
時間当たりのサイクル数も増加して、上述の瀘布及び額
縁当布の疲労・脆弱化が短時日の間に進行することにな
って、瀘布及び額縁当布が短時日の間に破損する。
【0012】このような破損は、概して瀘板枠部のパッ
キン材に接当する部位でパッキン材長さ方向と平行な方
向に発生し易く、また、瀘板の中央の給液口真下及びそ
の近辺や、瀘板の下部の隅に設けられた瀘液を集める集
液ロ[図9に示される3dの部所]の真下及びその周辺
で発生し易い。その理由は、瀘板の給液口からその直下
の瀘板枠部パッキン材設置部への距離が他の部分よりも
短く、特に高圧濾過時の濾過引込み張力の伸び率が高く
なって高張力になるためであり、瀘液集液ロの直下部分
も同様と考えられる。その他に、濾板枠部パッキン材の
微妙な変形差・硬度差等の変調や高い圧接力の集中によ
っても、濾布と額縁当布の早期破損に繋がるものと考え
られる。
【0013】従って、フィルタープレスの運転濾過操作
に伴って濾布又は額縁当布の破断開口が発生する部位及
びこの破断開口発生部位をとりまく部位に上記強化を施
すのが有効である。例えば、図11に示すように瀘板枠
部(3a)のパッキン材(20)に接当する瀘布(6)
及び額縁当布(30)の破断開口が発生すると予断され
る部位を接着剤や樹脂材の塗工含浸部材(25)で補強
したり、図12に示すように該当部位の瀘布(6)と額
縁当布(30)をX方向に縫合する複数条のミシン糸
(21)の条数を増やして、補強性能を増大させること
が行われている。尚、濾布(6)の濾板枠部(3a)の
全周に接当する部位全周に上記強化を施せば、濾布自体
が濾過機に装着される形態を保たなくなって無意味とな
る。
【0014】しかし、図11や図12のように濾布
(6)の該当部位の補強性能を増大させても、30〜4
0kg/cm2 又はそれ以上の超高濾過圧力下においては、
濾布と額縁当布の有効な破損防止には至っていないのが
現状である。
【0015】このような現状から本発明者は、瀘布や額
縁当布を二重織以上の多重織にすることも検討した。し
かし、この場合、瀘布並びに額縁当布が分厚く硬くなっ
て、瀘布を濾過機へ装着する作業が困難になり、また濾
布の製作コストが高くなって高価な瀘布になることから
現実的でない。更に、瀘布を多重織化することによる最
大の欠点である早期の目詰まり発生で、瀘布の耐用日数
が短くなることも懸念されて、実行には至っていない。
【0016】従って、本発明の目的とするところは、製
作コストと性能の問題をクリアした超高圧フィルタープ
レス対応の濾布を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的を達成
する技術的手段は、周縁枠部にゴム状弾性体の棒状締め
付けパッキン材を設けた瀘板に装着され、瀘板の周縁枠
部に接当する部分に補強用額縁状当布を縫合したフィル
タープレス用瀘布において、パッキング材との接触部位
におけるフィルタープレスの運転操作に伴って破断開口
を発生する部位及びこの破断開口発生部位を取り巻く部
位に、パッキン材の長さ方向と略直角の方向にミシン縫
い目が連続的に線状に配置されながら濾布又は補強用額
縁当布の少なくともパッキング材との接触部位を覆って
横断する如く複数本のミシン糸で間隔を置いて濾布と補
強用額縁状当布を縫着結合させたことである。
【0018】また、本発明においては、上記ミシン縫い
目が、その縫い方向の端部で縫い方向を反転させたジグ
ザグ状である、或いは、その縫い方向の端部で縫い方向
を直交方向にずらせてから反転させた複数条が略平行な
ジグザグ状であることを特徴とする。
【0019】また、本発明は、上記ミシン縫い目の大き
さが3〜8mm、パッキン材に接当する部位におけるミ
シン縫列の間隔が3〜15mmで、ミシン糸の太さが#
20〜#5であることを特徴とする。
【0020】以上のような濾布が適用されるフィルター
プレスはセンターフィード型フィルタープレスに限らな
いが、センターフィード型フィルタープレスに適用する
ことが効果的であり、実用的である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明者は、図10〜図12に示
した仕様の瀘布及び額縁当布の破損部位の状況を観察し
て総合的に考察し、瀘布及び額縁当布を一体化させなが
ら両者間にズレがなく、厚み変動も最小限に抑制して、
濾板枠部の圧締力と濾室内でのケーキ形成時の濾布引込
張力に対応できる仕様を検討した。その結果、瀘板枠部
の圧締時のパッキン材変形と、濾室内への濾布引込張力
の複合作用への対応が重要であり、この対応策としてパ
ッキン材の長さ方向に略直角な方向に瀘布及び額縁当布
の双方に可及的な伸び・収縮機能を付与することが有効
であるという結論を得た。
【0022】この結論に基づく本発明の実施形態例を、
図1乃至図4に示し説明する。尚、この各実施形態例は
図10と同様な仕様のフィルタープレス用濾布に適用し
たものであり、図10と同一又は相当部分には同一符号
が付してある。
【0023】図1は、瀘布(3)及び額縁当布(30)
を重ねてパッキン材(20)の長さ方向と略直角な方向
Yに、かつ、パッキン材(20)との接当部位を横断す
るように直線または緩やかな波線状に多数本のミシン糸
(31)を略平行に縫い込んだものである。額縁当布
(30)には、その幅方向に略平行な複数条のミシン縫
い目(32)が小ピッチの間隔で形成される。このよう
なミシン縫い目(32)の直線縫いは、瀘布の縫製,製
作工程上便利である。また、かかる直線縫いは、額縁当
布(30)の全幅に亘って1本毎に行って、額縁当布
(30)の耳端から延びた糸を切断するようにする。
【0024】また、図2の実施形態に示すように、ミシ
ン糸(31)によるミシン縫いが額縁当布(30)の幅
方向両端に至った時に縫い方向を逆にするいわゆるジグ
ザグ縫いにすることも有効である。この場合、ミシン糸
の端部の解れ止めの必要がなく、工業用強力ミシンなら
ばこの機能が付けられているものが多くて、縫製工程上
も有効である。
【0025】また、図3の実施形態に示すように、ミシ
ン糸(31)のミシン縫いとして、ジグザグ縫いをクロ
スさせて重ねることも有効である。
【0026】更には、図4に示す実施形態のように、額
縁当布(30)の幅方向両端部にミシン縫いが到達した
時に、そのままミシン縫い方向を直交方向に小ピッチp
ずらせてから反転させてジグザグ縫いすることも有効で
ある。
【0027】以上の各実施形態の詳細を説明する前に、
本発明試作品と従来品の各種実験例を説明する。
【0028】[実験例1] 図2のようにジグザグ縫い
した本発明品と、図12に示した高補強性能の従来品
で、「パッキン材の長さ方向と平行な方向に」7cm幅
×「パッキン材の長さ方向と直角の方向に」30cm長
の試験片を作製し、また、この作成に先立って「パッキ
ン材の長さ方向に平行な方向に」瀘布にナイフで2cm
幅のスリットを形成する。この試験片のスリットを試験
片の幅中央、長さ中央に位置させた状態で、試験片の両
端を支持して試験片にその長さ方向に引張力を加えてス
リツトの状態変化を観察した。その結果、本発明品の試
験片では、23kg/cmの応力でもスリットに変化が無
く、64kg/cmの応力でスリツトが開き始めるが、応力
を外すとスリツトは元に戻った。一方、従来品の試験片
では、23kg/cmの応力でスリットにロ開きが出始め、
すぐにスリツトの拡大が始まり、応力を外してもスリツ
トのロ開きは元に戻らなかつた。この試験によって、本
発明品の有効性の予備確認ができた。
【0029】[実験例2] 図5(A)に示すような本
発明品の濾布と、これと比較させるために試作した図5
(B)に示す比較品の濾布を、次の表1の仕様で作製
し、表2の濾過条件で実用テストをした。尚、図5
(A)の本発明品は図2のジグザグ縫い製品であり、図
5(B)の比較品は額縁当布(30)の実験対象の要所
にその長さ方向Xにミシン糸(33)をジグザグ縫いし
たものである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】実用テストの結果、図5(A)の本発明品
においては濾過サイクル数2300回で給泥孔直下部破
損が始まり、図5(B)の比較品では濾過サイクル数9
20回で給泥孔直下部破損が始まることが分かり、本発
明品が比較品より約2.5倍の耐用期間を有することが
実証された。
【0033】尚、上記実用テストで使用したミシン糸の
材質は、ナイロンマルチフィラメントであり、ミシン糸
の太さは#5である。また、額縁当布の材料布を瀘布と
同一のものを使つたが、瀘布のフィルタープレスヘの着
脱に不便が生じないならば、別の強力な材料布に代える
ことも有効である。
【0034】以上の実施形態のように、瀘板枠部全周に
設置されたパッキン材の長さ方向と略直角の方向に瀘布
及び額縁当布をミシン縫いすることで、「瀘板枠部とパ
ッキン材に対する圧締力」及び「高圧濾過時の濾布及び
額縁当布の両者を濾室方向へ引込む張力」の複合作用に
よる瀘布及び額縁当布の早期破損が回避され、濾布の耐
用時間の大幅な延長が可能になるのは、次の理由によ
る。即ち、瀘布と額縁当布がパッキン材の長さ方向に対
して略直角方向にミシン縫い糸によって拘束されて少量
ずつの収縮(縫い縮み)が発生し、瀘板枠部の圧締力と
濾布引込張力に対して可及的な伸び・収縮の効果を発現
するためである。また、この可及的な伸び・収縮の効果
の発現で、濾板枠部パッキン材の枠部圧締力による変形
と濾布引込張力の複合応力が吸収・緩和されて破損が回
避されるのである。
【0035】また、図1乃至図4に示す各実施形態の上
述した有効性は、次の条件下で安定に発現される。
【0036】ミシン糸(31)によるミシン縫い目(3
2)の大きさが3〜8mmであり、パッキン材(20)
に接触する部位を横断するミシン縫い列の間隔が3〜1
5mmであり、ミシン糸(31)の太さが濾布製造業界
で通称されている#20〜#5にするのが適当である。
【0037】即ち、例えば図1において、ミシン縫い目
(32)の大きさが3mmより過小になると、瀘板枠部
(3a)の「瀘布・額縁当布の結合一体化」が硬直化し
て、「可及的な伸び・収縮」の効果が減少する一方、瀘
布(6)並びに額縁当布(30)のミシン針による損傷
が激しくて補強効果が得られなくなるし、ミシン縫い目
(32)が8mmを超えると補強効果が急激に低下して
実用的でなくなる。
【0038】また、隣接するミシン縫い列の間隔も同様
で、3mmより過小であっても、15mmより過大であ
っても「可及的な伸び・収縮」の効果が減少し、過小で
あれば「瀘布・額縁当布の結合部分」が損傷を受けて、
これまた補強効果が得られなくなる。
【0039】また、ミシン糸(31)の材質は、スラリ
ーの薬品的性質に対応する関係で瀘布(6)及び額縁当
布(30)と同材質にするのが普通であるが、高強力を
期待するならば、ポリアラミド繊維やポリアゾール繊維
等から吟味して選択すればよい。このミシン糸(31)
の太さは、濾布製造業界で通称されている#20〜#5
が適当で、これより細過ぎる場合は充分な把束力が得ら
れず、太過ぎる場合はミシン糸(31)が瀘布(6)や
額縁当布(30)の表面に露出して、瀘板枠部(3a)
の圧締力とパッキン材(20)の変形力がミシン糸(3
1)に集中作用して、前述した「可及的な伸び・収縮」
の効果が発現されず、而も、ミシン糸が早期に破断して
濾布と額縁当布も次々に破断する可能性が高くなる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、濾板枠部のパッキン材
に接当する濾布の枠状部位で使用時に破断開口すると予
断される部分に補強用額縁状当布をミシン糸でパッキン
材の長さ方向と直角方向にしてパッキン材を跨ぐように
ミシン縫いしたので、濾布の額縁状当布による補強性能
が増大し、瀘板枠部の「瀘布・額縁当布の結合・一体
化」によって「可及的な伸び・収縮」の効果が発現され
て、瀘板枠部に接当する瀘布・額縁当布の早期破損が回
避され、瀘布の従来比2倍以上の耐用時間の延長が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す濾板と濾布の部
分断面図(図1左側)、及び、濾布の部分正面図(図1
右側)。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す濾板と濾布の部
分断面図(図2左側)、及び、濾布の部分正面図(図2
右側)。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す濾板と濾布の部
分断面図(図3左側)、及び、濾布の部分正面図(図3
右側)。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す濾板と濾布の部
分断面図(図4左側)、及び、濾布の部分正面図(図4
右側)。
【図5】同図(A)は本発明実施形態の濾布の概要を示
す正面図、同図(B)は実用テスト品の濾布の概要を示
す正面図。
【図6】濾過機の概要を示す側面図。
【図7】同図(A)は一般的な濾布の斜視図、同図
(B)は濾布を濾板に組付けるときの斜視図、同図
(C)は濾布組立時の濾板断面図。
【図8】同図(A)〜(D)の各々は図6濾過機の各濾
過動作時での要部の概要を示す断面図。
【図9】濾板の斜視図
【図10】従来の濾布と濾板の部分断面図(図10左
側)、及び、濾布の部分正面図(図10右側)。
【図11】他の従来の濾布と濾板の部分断面図(図11
左側)、及び、濾布の部分正面図(図11右側)。
【図12】更に他の従来の濾布と濾板の部分断面図(図
12左側)、及び、濾布の部分正面図(図12右側)。
【符号の説明】
3 濾板 3a 濾板枠部 6 濾布 20 パッキン材 30 額縁状当布 31 ミシン糸 32 ミシン縫い目

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周縁枠部にゴム状弾性体の棒状締め付け
    パッキン材を設けた瀘板に装着され、瀘板の周縁枠部に
    接当する部分に補強用額縁状当布を縫合結合したフィル
    タープレス用瀘布において、 前記パッキング材との接触部位におけるフィルタープレ
    スの運転操作に伴って破断開口を発生する部位及びこの
    破断開口発生部位を取り巻く部位に、パッキン材の長さ
    方向と略直角の方向にミシン縫い目が連続的に線状に配
    置されながら濾布又は補強用額縁当布の少なくともパッ
    キング材との接触部位を覆って横断する如く複数本のミ
    シン糸で間隔を置いて濾布と補強用額縁状当布を縫着結
    合させたことを特徴とするフィルタープレス用瀘布。
  2. 【請求項2】 上記ミシン縫い目が、その縫い方向の端
    部で縫い方向を反転させたジグザグ状であることを特徴
    とする請求項1記載のフイルタープレス用瀘布。
  3. 【請求項3】 上記ミシン縫い目が、その縫い方向の端
    部で縫い方向を直交方向にずらせてから反転させた複数
    条が略平行なジグザグ状であることを特徴とする請求項
    l記載のフイルタープレス用瀘布。
  4. 【請求項4】 上記ミシン縫い目の大きさが3〜8m
    m、パッキン材に接当する部位におけるミシン縫列の間
    隔が3〜15mmで、ミシン糸の太さが#20〜#5で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のフ
    ィルタープレス用濾布。
  5. 【請求項5】 フィルタープレスがセンターフィード型
    フィルタープレスであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか記載のフイルタープレス用瀘布。
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