JP3450566B2 - 電子機器筐体及びそれを有する電子機器 - Google Patents

電子機器筐体及びそれを有する電子機器

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JP3450566B2
JP3450566B2 JP01885296A JP1885296A JP3450566B2 JP 3450566 B2 JP3450566 B2 JP 3450566B2 JP 01885296 A JP01885296 A JP 01885296A JP 1885296 A JP1885296 A JP 1885296A JP 3450566 B2 JP3450566 B2 JP 3450566B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器筐体に係
り、特に、パーソナルコンピュータ等の電子機器筐体に
関する。パーソナルコンピュータ等の電子機器の筐体に
は、軽いこと及びデザインの自由度が高いことの他に、
放熱性が良いこと、電磁波をシールドする機能が高いこ
と等が要求されている。近年、電子部品の実装の高密度
化に伴って、電子機器筐体内に組み込まれるプリント板
組立体の発熱量が多くなってきている。よって、電子機
器筐体は、プリント板組立体の発生した熱を電子機器の
外部に効率良く逃がすことが出来る構成であることが特
に望まれている。
【0002】
【従来の技術】図15は、特開平7−124995号公
報に示されている従来の一例の電子機器筐体10を示
す。電子機器筐体10は、アルミニウム板11を成形金
型内にセットした状態で樹脂成形をして製造したもので
あり、底を構成する埋め込みアルミニウム板11と、周
囲の壁を構成する合成樹脂製壁部12と、アルミニウム
板11の上面に立っている合成樹脂製のボス部13とよ
りなる構成である。合成樹脂製のボス部13は、樹脂成
形により形成されたものである。
【0003】電子機器筐体10内には、二点鎖線で示す
ように、電子部品20が実装されたプリント板組立体2
1が、ボス部13にねじこまれたネジ22により、ボス
部13上に固定される。プリント板組立体21で発生し
た熱は、ボス部13を伝導して、アルミニウム板11に
伝わり、アルミニウム板11内に拡がって、アルミニウ
ム板11の下面より電子機器の外部に放熱される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ボス部13は合成樹脂
製であるため、熱抵抗が高い。このため、プリント板組
立体21で発生した熱がアルミニウム板11に伝わりに
くい。よって、電子機器筐体10の放熱性では、発熱量
が多くなる将来のプリント板組立体に対応するのには、
問題があった。
【0005】そこで、本発明は、上記課題を解決した電
子機器筐体及びそれを有する電子機器を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電子
機器筐体の一部を構成する埋め込み金属製組立体と、該
埋め込み金属製組立体と一体成形してあり上記電子機器
筐体のうち上記埋め込み金属製組立体以外の部分を構成
する合成樹脂製部とよりなり、上記埋め込み金属製組立
体が該合成樹脂製部内に埋め込まれてなる電子機器筐体
において、上記埋め込み金属製組立体は、電子機器筐体
の内側に凸のドーム部を有し、且つ、該ドーム部に連通
孔が形成してある金属板状部材と、上記ドーム部に固定
されて立っている金属製の柱状部材とよりなる構成を有
し、上記合成樹脂製部は、上記金属製柱状部材とドーム
部との部分に補強部を有する構成を有し、該補強部は、
上記金属板部材のドーム部の上面側において上記柱状部
材を包み込む包み込み部と、該ドーム部の内側の窪み部
を埋めるアンカー部と、上記連通孔内を埋めて上記包み
込み部と上記アンカー部とを繋ぐ繋ぎ部とを有する構成
としたものである。
【0007】請求項2の発明は、電子機器筐体の一部を
構成する埋め込み金属製組立体と、該埋め込み金属製組
立体と一体成形してあり上記電子機器筐体のうち上記埋
め込み金属製組立体以外の部分を構成する合成樹脂製部
とよりなり、上記埋め込み金属製組立体が該合成樹脂製
部内に埋め込まれてなる電子機器筐体において、上記埋
め込み金属製組立体は、電子機器筐体の内側に凸のドー
ム部を有し、且つ、該ドーム部に連通孔が形成してある
金属板状部材と、上記ドーム部に固定されて立っている
金属製の柱状部材とよりなる構成を有し、上記合成樹脂
製部は、上記金属製柱状部材とドーム部との部分に補強
部を有する構成を有し、該補強部は、上記金属板部材の
ドーム部の上面側において上記柱状部材を包み込む包み
込み部と、該包み込み部の下部より傘状に拡がって上記
ドーム部の上面を覆う覆い部と、該ドーム部の内側の窪
み部を埋めるアンカー部と、上記連通孔内を埋めて上記
覆い部と上記アンカー部とを繋ぐ繋ぎ部とを有する構成
としたものである。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
のドーム部は、かしめ孔を有し、金属製の柱状部材は、
該かしめ孔を利用して上記ドーム部にかしめられて立っ
ている構成としたものである。請求項4の発明は、請求
項3において、金属製の柱状部材は、貫通の雌ねじ部を
有するものであり、且つ、かしめられた金属製の柱状部
材の下側開口が、蓋部材で塞がれた構成としたものであ
る。
【0009】請求項5の発明は、請求項1、請求項2又
は請求項3のドーム部は、内側の周囲にハーフカット部
を有する構成としたものである。請求項6の発明は、請
求項1の埋め込み金属製組立体は、側面板部を有し、該
側面板部は、切り起こし部を有し、該切り起こし部を含
めた厚さが、樹脂成形金型内の空間の幅に対応する寸法
である構成としたものである。
【0010】請求項7の発明は、請求項1乃至6のうち
いずれか一の請求項記載の電子機器筐体を有する構成と
したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図2、図3及び図4は、本発明の
一実施例になる電子機器筐体30を示す。電子機器筐体
30は、埋め込み金属製組立体31を成形金型内にセッ
トした状態で樹脂成形をして製造したものであり、電子
機器筐体30の一部を構成する埋め込み金属製組立体3
1と、埋め込み金属製組立体31と一体成形してあり上
記電子機器筐体30のうち上記埋め込み金属製組立体3
1以外の部分を構成する合成樹脂製部32とよりなる。
電子機器筐体30は、大略、底30aと、前面壁30b
と、側面壁30c、30dと、背面壁30eとよりな
る。なお、電子機器筐体30の外面は、塗装してある。
分かりやすくするため、各図において、塗装膜は省略し
てある。
【0012】埋め込み金属製組立体31は、電子機器筐
体30の放熱性を高めると共に、電子機器筐体30の機
械的強度を高める。合成樹脂製部32は、電子機器筐体
30のデザインの自由度を高める。埋め込み金属製組立
体31は、アルミニウム板をプレス加工して筐体に似た
形状としてなるアルミニウム板部材33と、アルミニウ
ム板部材33にかしめてある真鍮製の4本の柱部材34
とよりなる。
【0013】アルミニウム板部材33は、厚さが1mm
程度のアルミニウム板をプレス加工して筐体に似た形状
としたものであり、底板部33aと、側面板部33b、
33cと、背面板部33dとを有する。合成樹脂製部3
2は、大略、側面板部33bを覆う側面壁部32aと、
側面板部33cを覆う側面壁部32bと、背面板部33
dを覆う背面壁部32cと、前面壁部32dと、柱部材
34を包む本発明の要部をなす補強部32eとよりな
る。電子機器筐体30の底30aは、実質上、アルミニ
ウム板部材33の底板部33aだけで構成してある。
【0014】アルミニウム板部材33の底板部33aに
は、プレス加工によって内側(上側)に凸とされたドー
ム部35が、4つ形成してある。各ドーム部35は、図
1に拡大して示す形状を有する。ドーム部35は、中央
の頂部に、一つのかしめ用孔36を有し、且つ、かしめ
用孔36を中心とする一の円上に90度間隔で配されて
た4つ(図1では、3つ図示してある)の連通孔37を
有する。ドーム部35の内側は、底板部33aの下面3
3a−1に対して窪んだ窪み部39となっている。柱部
材34は、ドーム部35のかしめ用孔36に嵌合してか
しめてあり、ドーム部35に直接固定してあり、ドーム
部35に立っている。
【0015】柱部材34は、中心に、貫通している雌ね
じ部34aを有し、且つ、周面が、ローレット面34b
としてある。雌ねじ部34aの下側の開口34cは、蓋
部材40により塞がれている。補強部32eは、柱部材
34及びドーム部35の箇所に存在し、柱部材34のロ
ーレット面34bと密着して柱部材34を包み込む円筒
状の包み込み部50と、包み込み部50の下部より傘状
に拡がってドーム部35の上面を覆う覆い部51と、ド
ーム部35の内側の窪み部39を埋めるアンカー部52
と、4つの連通孔37内を埋めて上記覆い部51とアン
カー部52とを繋ぐ4つの繋ぎ部53とを有する。アン
カー部52は、下面52aが、底板部33aの下面33
a−1と同一面となっている。この補強部32eが存在
することにより、柱部材34のドーム部35への固定強
度は補強されている。
【0016】なお、覆い部51が無く、繋ぎ部53が、
包み込み部50とアンカー部52とを繋ぐ構成でもよ
い。また、蓋部材40が存在することによって、合成樹
脂が雌ねじ部34a内に入り込まないようになってい
る。また、アンカー部52が存在することによって、電
子機器筐体30の底30aの下面は、平らな面となって
いる。
【0017】上記構成の電子機器筐体30内には、図5
に示すように、電子部品60が実装されたプリント板組
立体61が、柱部材34の雌ねじ部34aにねじこまれ
たねじ62により、柱部材34の上端面34dに押しつ
けられて、柱部材34の上端面34dに支持されて固定
される。
【0018】プリント板組立体61で発生した熱は、矢
印Aで示すように、真鍮の柱部材34を伝導して、アル
ミニウムのドーム部35に伝わり、ドーム部35内に拡
がって伝導し、アルミニウムの底板部32aに伝わり、
底板部32a内に拡がって伝導し、底板部32aの下面
32a−1より矢印Bで示すように、電子機器30の外
部の大気中に放熱される。
【0019】ここで、プリント板組立体61で発生した
熱の放熱経路は、全て金属であり、途中に合成樹脂部を
有していない。よって、放熱経路の熱抵抗は従来に比べ
て低く、プリント板組立体61で発生した熱は従来に比
べて効率良く放熱される。また、柱部材34は上記補強
部32eにより補強されているため、プリント板組立体
61は、しっかり取り付けられる。
【0020】また、柱部材34は、めくら孔ではなく、
貫通孔を有する構成であるため、管部材を加工すること
により簡単に製造され、各柱部材34の単価はめくら孔
を有する柱部材に比べて安価である。よって、電子機器
筐体30の製造コストは、安価である。
【0021】また、側面壁30c、30d、及び背面壁
30e内には、アルミニウム板部材33の底板部33a
から張り出ている側面板部33b、33c、及び背面板
部33dが埋まっているため、電子機器筐体30は、高
い強度を有し、且つ、反り難い構造を有する。
【0022】また、蓋部材40は、図6に示すように、
中央の円板部40aと、円板部40aより四方に延びて
いる腕部40bとよりなる。蓋部材40は、樹脂成形前
の段階で、両面テープ(図示せず)によりドーム部35
の裏面に接着され、円板部40aが開口34cを塞いだ
状態とされる。各腕部40bの先端が窪み部39の内周
面に突き当たっており、樹脂成形時に力が作用してもず
れない。また、腕部40bは、各連通孔37の位置より
ずれており、各連通孔37が腕部40bによって塞がれ
ていないようになっている。これにより、補強部32e
が正常に成形される。
【0023】なお、上記の蓋部材40に代えて、図7
(A)乃至(C)に示すように、ダミーねじ70を使用
することが考えられる。しかし、この方法では、ダミー
ねじ70をねじ込んだり、弛めて取り外したりする面倒
な作業が必要となり、好ましくない。
【0024】次に、アンカー部52、及びドーム部35
のうちアンカー部52を形成する部分の構成について、
図8(A)乃至(F)を参照して説明する。図8(A)
乃至(C)は、本発明の構成を示し、図8(D)乃至
(F)は、一般的な構成を示す。各図は、図示の便宜
上、上下逆向きで示してある。
【0025】アルミニウム板部材33Aの底板部33a
Aを通常にプレス加工してドーム部を形成した場合に
は、ドーム部35Aは、図8(D)に示すようになり、
窪み部39Aの最外周の面39aAは、その延長面が、
底板部32aAの下面32aA−1に対する角が20度
程度の面となっている。よって、空間82Aの最外周部
は厚さが相当に薄いものとなり、樹脂が行き渡り難くな
り、図8(E)に示すように、符号52Bで示すよう
に、ショートショットが起き、塗装膜83Aには、図8
(F)に示すように、凹部84が現れ、外観品質が良く
ないものとなってしまう。
【0026】これに対して、本実施例では、図8(A)
に示すように、ドーム部35は、アルミニウム板部材3
3の底板部33aを、符号80で示すようにハーフカッ
トして、上方に打ち出して形成してある。よって、窪み
部39の最外周の内周面39aは、その延長面が、底板
部32aの下面32a−1に対して90度をなす面とな
っている。よって、底板部32aに金型81が接触した
状態で窪み部39が形成するアンカー部形成用空間82
は、最外周部でも厚さtを有する形状を有する。厚さt
は、上記のハーフカットに対応する寸法であり、厚さt
の50%程度である。この寸法は、矢印C方向に侵入す
る成形時の樹脂が十分に入り込みうる寸法である。
【0027】よって、樹脂は、図8(B)に示すよう
に、空間82の最外周部、即ち、窪み部39の内周面3
9aにまで行き渡り、ショートショットは起きない。よ
って、アンカー部52は、図8(C)に示すように、底
板部33aの下面33a−1と同一面となっている下面
52aが、窪み部39の最外周部に到るまで存在する構
成であり、アンカー部52の外周縁と底板部33aの下
面33a−1との間の円状の境界には、少しの凹部も形
成されていない。よって、塗装膜83は、電子機器筐体
30の底30aの下面に、平らに形成されており、電子
機器筐体30は良好な外観品質を有する。
【0028】図9は、円形の蓋部材90を使用した例を
示す。これは、図6の変形例的なものである。図9は、
底板部32aの下面32a−1側から見た図である。円
形の蓋部材90は、両面テープ(図示せず)によりドー
ム部35の裏面に接着され、開口34cを塞いでいる。
蓋部材90自体にずれ防止機能が無いため、連通孔の位
置に工夫がしてある。ドーム部35は、2つの連通孔3
7A−1,37A−2を有する。2つの連通孔37A−
1,37A−2は、開口34cに関して点対称の位置P
1,P2に配してある。
【0029】成形時、樹脂は、底板部32aの上面側に
あるランナ95内を、矢印96で示すように流れてき
て、2つの連通孔37A−1,37A−2を通って、矢
印97、98で示すように窪み部39内に流れ込む。蓋
部材90に関して見ると、樹脂は、蓋部材90の中心に
関して点対称の側から流れ込み、蓋部材90はその中心
に関して点対称の外側から力を等しく受け、蓋部材90
にはこれをずらそうとする力は作用しない。よって、蓋
部材90が接着した位置からずれることが起きない。よ
って、開口34cは確実に塞がれた状態とされる。
【0030】次に、電子機器筐体30の側面壁30c、
30dの構造について、図10を参照して説明する。図
10は、図示の便宜上、上下逆向きで示してある。図1
0(D)は、図2中、X−X線を含む垂直面で断面した
図である。一般には、電子機器筐体の側面壁30dA
は、図10(E)に示すように、アルミニウム板部材3
3Aを金型にセットしその側面板部33cA(特別な加
工は施されていない)が、金型100の側面100aに
密着して、移動する下金型100と固定の上金型81と
が形作る空間102内に位置した状態とし、空間102
内に樹脂を注入することにより製造される。ここで、側
面板部33cAが、図10(E)に示すように、側面1
00aより少し浮いている場合がありうる。この場合に
は、樹脂が側面板部33cAと側面100aの間の隙間
103内にも入り込んでしまい、側面壁30dAは、図
10(F)に示すように、樹脂が符号103で示すよう
に、側面板部33cAの外側を覆う他に、符号104で
示すように、側面板部33cAの内側の一部を不要に覆
ってしまい、例えば、電子機器筐体に組み込まれたプリ
ント板組立体より出ている接触子と側面板部33cAの
内側面との電気的接続が不安定となり、電子機器筐体の
本来の機能を損ねてしまう。
【0031】これに対して、本実施例では、図10
(A)に示すように、アルミニウム板部材33の側面板
部33b,33cには、夫々、切り起こし部110、1
11が2つづつ形成してある。113、114は、側面
板部本体である。切り起こし部110を含めた側面板部
33bの厚さ、及び、切り起こし部110を含めた側面
板部33bの厚さは、共に、t10である。厚さt10
は、金型100と金型81とが形作る空間105、10
2の幅w1と等しい。
【0032】アルミニウム板部材33が金型100にセ
ットされ、金型81が金型100と組み合わされた状態
においては、図10(B)に示すようになる。即ち、側
面板部33bは、空間105内に収まり、切り起こし部
110が金型100の側面100bに当接して、側面板
部本体113が金型81の側面81bに確実に密着した
状態となる。側面板部33cは、空間102内に収ま
り、切り起こし部111が金型81の側面81aに当接
して、側面板部本体114が金型100の側面100b
に確実に密着した状態となる。
【0033】この状態で、空間105、102内に樹脂
を注入する。樹脂は、図10(C)に示すように注入さ
れる。側面板部本体113が金型81の側面81bに内
に位置した状態とし、空間102内に樹脂を注入するこ
とにより製造される。側面板部本体113が金型81の
側面81bに確実に密着しているため、樹脂は側面板部
本体113と金型81との間には少しも入り込まない。
また、側面板部本体114が金型100の側面100a
に確実に密着しているため、樹脂は側面板部本体113
と金型100との間には少しも入り込まない。
【0034】よって、電子機器筐体30の側面壁30b
は、図10(D)に示すように、側面板部本体113の
外面に樹脂がはみ出ていない状態に形成される。側面壁
30cは、側面板部本体114の内面に樹脂がはみ出て
いない状態に形成される。よって、電子機器筐体30
は、例えば、プリント板組立体を組み込んだときに、プ
リント板組立体より出ている接触子が側面板部33cの
内側面と確実に接触し得るものとなる。
【0035】次に、電子機器筐体30の外側の面におけ
るアルミニウム板部材33の縁と合成樹脂製部32との
境の状態について、図11(A)を参照して説明する。
図11(A)は、図2中、XI−XI線を含む垂直面で
断面した図である。アルミニウム板部材33の素材であ
るアルミニウム板は、上からプレスされたものであり、
アルミニウム板部材33の底板部33aは、下面がバリ
がでた面とされ、側面板部33b、33cについては、
共に外側の面がバリがでた面とされている。
【0036】ここで、電子機器筐体30の側面壁30c
についてみる。図11(B)に示すように、側面板部3
3bAが同図に示す構成、即ち、バリがでた面が内側で
ある構成である場合には、側面板部33bAの縁のうち
外側の面はだれた面120となり、樹脂成形時にショー
トショットが起き、塗装膜83Aには、凹部121が現
れ、外観品質が良くないものとなってしまう。
【0037】これに対して、側面板部33bが、図11
(A)に示すように、外側の面がバリがでた面122と
されている場合には(バリは研摩除去されている)、樹
脂成形時にショートショットは起きず、塗装膜83は凹
部が無い平らなものとなり、良好な外観品質を有する。
【0038】側面板部33bの頂部以外にアルミニウム
板部材33の全周の縁について、樹脂成形時にショート
ショットは起きず、平らな塗装膜83が形成される。次
に、孔塞ぎ樹脂部32fの成形について、図12を参照
して説明する。図12は、図示の便宜上、上下逆向きで
示してある。
【0039】図12(D)は、図2中、XII−XII
線を含む垂直面で断面して、上下反転して示す図であ
る。孔塞ぎ樹脂部32fは、合成樹脂部32の一部をな
す。図12(A)は、金型100、81のうち孔塞ぎ樹
脂部32fを成形する部分の構造を示す。移動する金型
100は、ピン130と、ピン130を押し上げるばね
131と、ストッパ132と、凹部133を有する。ピ
ン130は、凹部133の箇所から突き出ている。固定
の金型81には、ゲート135が形成してある。ゲート
135は、ピン130の頂面130aに対向している。
【0040】埋め込み金属製組立体31は、アルミニウ
ム板部材33の底板部33aの孔136をピン130に
嵌合して位置決められた状態で金型100上にセットさ
れる。金型100が上方に移動すると、図12(B)に
示すように、ピン130が相対的に押し下げられ、金型
100と金型81が組み合わされた状態となる。続い
て、ゲート135より樹脂が注入される。樹脂の注入圧
により、図12(C)に示すように、ピン130の下端
がストッパ132に当たるまで更に押し下げられ、凹部
133内に樹脂が注入されて、孔塞ぎ樹脂部32fが成
形される。
【0041】ピン130により、埋め込み金属製組立体
31は金型100に位置精度良くセットされ、よって、
電子機器筐体30は精度良く成形される。図13は、電
子機器筐体30の側面壁30cの内面の爪部32gを成
形する構金型の構成を示す。爪部32gは、下金型10
0に組み込んである傾斜角ピン140を利用して成形さ
れる。傾斜角ピン140は矢印141の方向に移動可能
である。図13(A)は成形時の状態を示す。成形後に
傾斜角ピン140が矢印141の方向に突き出て、電子
機器筐体30が金型100より離型される。合成樹脂部
32は、傾斜角ピン140の先端面140aに対向する
台部32hを有する。傾斜角ピン140が矢印141の
方向に突き出るとき、傾斜角ピン140の先端面140
aは台部32hの面を矢印142の方向に滑ることにな
り、アルミニウム板部材33の底板部33aには傷がつ
かない。
【0042】図14は、上記の電子機器筐体30等を適
用してなる電子機器としてのパソコン150を示す。パ
ソコン150は、ディスク装置及びプリント基板に電子
部品が実装されたプリント基板組立体等が組み込まれて
いる電子機器筐体20と、この電子機器筐体30の上面
開口を塞ぐように取り付けてあるキーボード151と、
折り畳み式の液晶ディスプレイ152とよりなる。
【0043】このパソコン150は、ディスク装置及び
プリント基板組立体等が上記構成の電子機器筐体30内
に組み込まれているため、ディスク装置及びプリント基
板組立体等で発生した熱が効率良く電子機器筐体30外
に放熱され、且つ漏洩する電磁波が十分に抑制された性
能を有する。
【0044】
【発明の効果】上述の如く、請求項1の発明によれば、
埋め込み金属製組立体は、電子機器筐体の内側に凸のド
ーム部を有し、且つ、ドーム部に連通孔が形成してある
金属板状部材と、ドーム部に固定されて立っている金属
製の柱状部材とよりなる構成であるため、柱状部材の頂
部から埋め込み金属製組立体に到る放熱の経路を、中間
に合成樹脂部を有していず、熱抵抗の小さいものとし得
る。よって、現状のプリント組立体には勿論、発熱量が
多くなる将来のプリント組立体にも良好に対応出来る。
【0045】しかも、合成樹脂製部は、金属製柱状部材
とドーム部との部分に補強部を有し、補強部は、金属板
部材のドーム部の上面側において柱状部材を包み込む包
み込み部と、ドーム部の内側を埋めるアンカー部と、連
通孔内を埋めて上記包み込み部とアンカー部とを繋ぐ繋
ぎ部とを有する構成を有する構成であるため、柱状部材
が堅固に固定された構成とし得、且つ、電子機器筐体の
下面を平らな構成と出来る。
【0046】請求項2の発明によれば、放熱の経路を、
請求項1の発明と同様に熱抵抗の小さいものとし得る。
包み込み部の下部より傘状に拡がってドーム部の上面を
覆う覆い部を有し、この覆い部とアンカー部とが繋ぎ部
により繋がれた構成であるため、柱状部材を、請求項1
の発明より更に強固の固定出来る。
【0047】請求項3の発明によれば、金属製の柱状部
材が、ドーム部のかしめ孔を利用してドーム部にかしめ
られて立っている構成としたものであるため、柱状部材
が堅固に固定された構成とし得、且つ、かしめた部分を
隠すことが出来る。請求項4の発明によれば、請求項3
において、金属製の柱状部材は、貫通の雌ねじ部を有す
るものであり、且つ、かしめられた金属製の柱状部材の
下側開口が、蓋部材で塞がれた構成としたものであるた
め、めくら孔に雌ねじ部を有する構成の金属製の柱状部
材を使用した場合に比べて安価とし得る。
【0048】請求項5の発明によれば、ドーム部を、内
側の周囲にハーフカット部を有する構成としたため、ア
ンカー部を成形するときにショートショットが起きない
ように出来、よって、アンカー部と金属板状部材との境
に凹部が形成されない構成と出来、外観品質の向上を図
ることが出来る。
【0049】請求項6の発明によれば、請求項1の埋め
込み金属製組立体は、側面板部を有し、側面板部は、切
り起こし部を有し、切り起こし部を含めた側面板部の厚
さが、樹脂成形金型内の空間の幅に対応する寸法である
構成であるため、側面板部上への樹脂の無用なはみ出し
の無い構成とし得る。
【0050】請求項7の発明によれば、内部の熱を良好
に放熱出来る電子機器筐体を実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる電子機器筐体の要部を
拡大して且つ分解して示す図である。
【図2】本発明の一実施例になる電子機器筐体を上方か
らみた斜視図である。
【図3】図2の電子機器筐体を下方からみた斜視図であ
る。
【図4】図2の電子機器筐体を背面寄りの下方からみた
斜視図である。
【図5】図1の電子機器筐体内にプリント板組立体が取
付けられた状態、及び放熱の状態を説明する図である。
【図6】蓋部材の構成を示す図である。
【図7】雌ねじ部を塞ぐ一般的な方法を説明する図であ
る。
【図8】アンカー部の成形等を示す図である。
【図9】円形の蓋部材を使用した例を示す図である。
【図10】電子機器筐体の側面壁の構造を示す図であ
る。
【図11】電子機器筐体の右側の側面壁の断面図であ
る。
【図12】孔塞ぎ樹脂部の成形を説明する図である。
【図13】爪部成形を説明する図である。
【図14】図2の電子機器筐体を適用してなるパソコン
を示す図である。
【図15】従来の1例の電子機器筐体を示す図である。
【符号の説明】
30 電子機器筐体 30a 底 30c,30d 側面壁 31 埋め込み金属製組立体 32 合成樹脂製部 32a,32b 側面壁部 32e 補強部 33 アルミニウム板部材 33a 底板部 33b,33c 側面板部 34 真鍮製の柱部材 34a 雌ねじ部 35 ドーム部 36 かしめ用孔 37 連通孔 39 窪み部 39a 窪み部の最外周の内周面 40 蓋部材 50 包み込み部 51 覆い部 52 アンカー部 53 繋ぎ部 61 プリント板組立体 62 ねじ 80 ハーフカット部 110、111 切り起こし部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 5/02 G06F 1/20 H05K 7/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子機器筐体の一部を構成する埋め込み
    金属製組立体と、該埋め込み金属製組立体と一体成形し
    てあり上記電子機器筐体のうち上記埋め込み金属製組立
    体以外の部分を構成する合成樹脂製部とよりなり、上記
    埋め込み金属製組立体が該合成樹脂製部内に埋め込まれ
    てなる電子機器筐体において、 上記埋め込み金属製組立体は、電子機器筐体の内側に凸
    のドーム部を有し、且つ、該ドーム部に連通孔が形成し
    てある金属板状部材と、上記ドーム部に固定されて立っ
    ている金属製の柱状部材とよりなる構成を有し、 上記合成樹脂製部は、上記金属製柱状部材とドーム部と
    の部分に補強部を有する構成を有し、 該補強部は、上記金属板部材のドーム部の上面側におい
    て上記柱状部材を包み込む包み込み部と、該ドーム部の
    内側の窪み部を埋めるアンカー部と、上記連通孔内を埋
    めて上記包み込み部と上記アンカー部とを繋ぐ繋ぎ部と
    を有する構成としたことを特徴とする電子機器筐体。
  2. 【請求項2】 電子機器筐体の一部を構成する埋め込み
    金属製組立体と、該埋め込み金属製組立体と一体成形し
    てあり上記電子機器筐体のうち上記埋め込み金属製組立
    体以外の部分を構成する合成樹脂製部とよりなり、上記
    埋め込み金属製組立体が該合成樹脂製部内に埋め込まれ
    てなる電子機器筐体において、 上記埋め込み金属製組立体は、電子機器筐体の内側に凸
    のドーム部を有し、且つ、該ドーム部に連通孔が形成し
    てある金属板状部材と、上記ドーム部に固定されて立っ
    ている金属製の柱状部材とよりなる構成を有し、 上記合成樹脂製部は、上記金属製柱状部材とドーム部と
    の部分に補強部を有する構成を有し、 該補強部は、上記金属板部材のドーム部の上面側におい
    て上記柱状部材を包み込む包み込み部と、該包み込み部
    の下部より傘状に拡がって上記ドーム部の上面を覆う覆
    い部と、該ドーム部の内側の窪み部を埋めるアンカー部
    と、上記連通孔内を埋めて上記覆い部と上記アンカー部
    とを繋ぐ繋ぎ部とを有する構成としたことを特徴とする
    電子機器筐体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のドーム部は、か
    しめ孔を有し、金属製の柱状部材は、該かしめ孔を利用
    して上記ドーム部にかしめられて立っている構成とした
    ことを特徴とする電子機器筐体。
  4. 【請求項4】 請求項3において、金属製の柱状部材
    は、貫通の雌ねじ部を有するものであり、 且つ、かしめられた金属製の柱状部材の下側開口が、蓋
    部材で塞がれた構成としたことを特徴とする電子機器筐
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2又は請求項3のドー
    ム部は、内側の周囲にハーフカット部を有する構成とし
    たことを特徴とする電子機器筐体。
  6. 【請求項6】 請求項1の埋め込み金属製組立体は、側
    面板部を有し、該側面板部は、切り起こし部を有し、該
    切り起こし部を含めた厚さが、樹脂成形金型内の空間の
    幅に対応する寸法である構成としたことを特徴とする電
    子機器筐体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のうちいずれか一の請求
    項記載の電子機器筐体を有する構成としたことを特徴と
    する電子機器。
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