JP3449706B2 - 有機電解液二次電池およびその充電方法 - Google Patents
有機電解液二次電池およびその充電方法Info
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Description
池およびその充電方法に関し、さらに詳しくは、安全性
が優れた有機電解液二次電池およびその充電方法に関す
る。
て有機溶媒を用いた二次電池であり、この有機電解液二
次電池は、容量が大きく、かつ高電圧、高エネルギー密
度、高出力であることから、ますます需要が増える傾向
にある。
池を表すとき以外は、単に「電解液」という)の溶媒と
しては、これまで、エチレンカーボネートなどの環状エ
ステルとジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステルとが混合し
て用いられてきた。
さらなる安全性の向上を目指して検討を進めるうちに、
電解液の溶媒として鎖状のエステルを主溶媒として用い
た場合や、負極の充放電可能な容量が多い場合には、電
池の構造に関して充分な工夫をしないと、電池が内部短
絡した場合や釘刺しされた場合の安全性が低下する傾向
のあることがわかった。
内部短絡を引き起こさないように対策されているし、通
常の内部短絡では電池が発熱するだけで異常な事態には
いたらない。また、釘刺しは滅多に起こるものではな
く、使用者がわざとやらない限り起こりにくい。起こり
得ることとしては、衝撃事故などで電池が部分的に潰さ
れることが想定される。
が、通常は安全である。しかし、数十個試験しただけで
は充分に安全であるとはいいがたく、より危険度の高い
条件下で試験を行って安全性を確認することが望まし
い。
べて少ない部分で電池を確実に短絡させるので、短絡部
位に電流が集中して、より発熱しやすく、電池が部分的
に急速に高温になりやすい。そのため、電池の発熱によ
りフューズを生じるセパレータを介して帯状の正極と帯
状の負極が渦巻状に巻回された渦巻状電極体を有する電
池では、セパレータのフューズ(溶融による目づまり)
のばらつきが生じやすく、また短絡部位での電解液と負
極との反応による発熱が多くなるなどのため、電池の発
熱がさらに多くなる。従って、安全性確認のための苛酷
試験として釘刺し試験は有効である。さらに、釘刺し試
験を室温で行うよりも40℃の高温状態で行う方が、電
池がより高温にまで上昇しやすく、電池の熱暴走反応が
起きやすい。また、1/2釘刺しのように、釘を電池の
途中で止める方が、短絡部分が少なくなり電流がより集
中して発熱しやすい。従って、より高い安全性を得るに
は、このような加温下での1/2釘刺し試験にある程度
は耐えるものであることが望ましい。
どのリチウムを脱挿入できる化合物を負極に用いた場
合、金属リチウムを用いる場合よりも高温での電解液と
の反応性がはるかに低下し、電池の安全性が改善され
る。そして、その安全性改善のためには、リチウムを脱
挿入できる化合物を用いた負極の表面に電解液と反応し
て形成された良質の皮膜の存在が不可欠である。
は、D.Aurbachらが、カーボン上に有機炭酸塩
(ROCO2 Li)、Li2 CO3 や、アルコキシド
(ROLi)などが生成していることを報告している
〔J.Electrochemical Soc.,V
ol142(No.9),p2882(1995)〕。
また、同報文では、環状エステルのエチレンカーボネー
トと鎖状エステルのジエチルカーボネートとの混合溶媒
において、環状エステルのエチレンカーボネートに対す
る鎖状エステルのジエチルカーボネートの割合が1:1
より多くなると、サイクル特性に悪影響があると報告さ
れている。さらに、本発明者らの検討においても、特に
ジエチルカーボネートのような鎖状エステルの割合が多
くなると、とりわけメチル基を有する鎖状エステルの割
合が多くなると、短絡や釘刺しにおける安全性が低下す
る傾向のあることがわかってきた。
電池の安全性に関する問題点を解決し、安全性の優れた
有機電解液二次電池およびその充電方法を提供すること
を目的とする。
帯状の負極とが電池の発熱によりフューズを生じるセパ
レータを介して渦巻状に巻回された渦巻状電極体および
鎖状エステルが主溶媒として全電解液溶媒中で50体積
%を超えて用いられ、かつ鎖状エステルとしてメチル基
を有する鎖状エステルを含有する電解液を有し、上記負
極はその一部が電解液と反応して表面に皮膜が形成され
たものである有機電解液二次電池において、負極の充放
電可能な容量を電池の単位体積当たり85mAh/cm
3 以上にした場合においても、上記電解液にアルキル基
を有する非イオン性芳香族化合物を含有させ、かつ上記
電解液の全溶媒中にエチレンカーボネートを10体積%
以上含有させることによって、上記課題を解決したもの
である。
に対して、定電流充電の後、定電圧充電を行うことを特
徴とする充電方法に関するものである。
を有する非イオン性芳香族化合物としては、たとえば、
トリメリット酸エステル、トリ−2−エチルヘキシルト
リメリテート〔C6 H3 (COOC8 H17)3 〕などの
トリメリット酸エステルの誘導体、ジメチルフタレート
〔C6 H4 (COOCH3 )2 〕、ジブチルフタレート
〔C6H4 (COOC4 H9 )2 〕、ブチルベンゼン
(C6 H5 −C4 H9 、ノルマルまたはターシャリーま
たはイソ)、シクロヘキシルベンゼン(C6 H11−C6
H5 )、トルエンなどが挙げられる。
は、炭素数が2個以上であることが望ましく、より望ま
しくは炭素数が4個以上であり、さらに望ましくは炭素
数が5個以上である。また、上記アルキル基は、ベンゼ
ン環に直接結合していても良いが、COO基を介してベ
ンゼン環に結合しているのがさらに望ましい。つまり、
アルキル基は長い方がまたCOO基のある方が負極表面
でのバリアー効果(高温で電極と電解液との急速な反応
を抑える効果)が大きいからである。ここで、上記非イ
オン性芳香族化合物における非イオン性とは、カチオン
部やアニオン部を分子内に持たないことをいう。
非イオン性芳香族化合物の電解液中での含有量は、電解
液溶媒100容量部に対して0.1容量部以上であるこ
とが望ましく、0.2容量部以上であることがさらに望
ましく、0.5容量部以上がもっとも望ましい。なお、
上記アルキル基を有する非イオン性芳香族化合物が固体
の場合は、その密度で体積換算した値を用いる。また、
上記アルキル基を有する非イオン性芳香族化合物の電解
液中での含有量は、電解液溶媒100容量部に対して1
0容量部以下が望ましく、2容量部以下がさらに望まし
く、1容量部以下がもっとも望ましい。
化合物の電解液中での含有量が上記より少ない場合は安
全性を充分に向上させることができず、また、上記アル
キル基を有する非イオン性芳香族化合物の電解液中での
含有量が上記より多い場合は電池のサイクル特性や負荷
特性が悪くなるおそれがある。
ピレンカーボネートなどの環状の炭酸エステルを主溶媒
とする電解液に添加して、貯蔵性を改善することは既に
報告されている〔M.Morita,S.Aoki a
nd Y.Matsuda,Electrochimi
ca.Acta.,Vol.37(No.1),p11
9−123(1992)〕。トルエンについても電解液
に混合して用いる例が報告されている(特開平3−77
281号公報)。
添加が電池の安全性に及ぼす効果を詳細に検討した。こ
れを詳しく説明すると、本発明者らは、まず、内部短絡
などを想定してリチウムイオン電池の釘刺し試験を行っ
たところ、通常の市販のリチウムイオン電池では危険性
が低いが、電池のエネルギー密度が高くなるにつれて危
険性が増していくことがわかった。
のリチウムを脱挿入できる化合物が使用されているが、
負極が過充電されて多少リチウムが電着した場合、約1
00℃付近から電解液と電着リチウムやリチウムが挿入
された炭素材料との間に発熱反応が生じる。一方、正極
はリチウムが脱離することによって、電解液との反応開
始温度が低くなり、負極の反応熱によって正極の熱暴走
温度にまで温度が上昇すると、電池は異常発熱を起こす
ことになる。
ため、電池の発熱によりフューズを生じるセパレータを
介して帯状の正極と帯状の負極とが渦巻状に巻回された
渦巻状電極体を有する電池では、通常使用条件での電池
の負極の充放電可能な容量が電池の単位体積あたり85
mAh/cm3 以上になる場合には、電池が過充電され
た時の安全性が低下する。つまり、負極の単位体積あた
りの放電可能な容量が多いほど、過充電時に発熱した場
合に電池単位体積あたりの発熱量が多くなり、電池温度
が正極の熱暴走温度にまで上昇する可能性が高くなるの
である。従って、単位体積あたりの負極容量の大きい電
池ほど、負極と電解液との発熱反応を抑制する必要があ
る。また、電池サイズが大きい場合も発熱量が多くなる
ので、負極と電解液との発熱反応を抑制する必要があ
り、本発明のアルキル基を有する非イオン性芳香族化合
物を含有させる効果が顕著に発現する。単電池のサイズ
が10cm3 以上、特に15cm3 以上になると本発明
の効果がより顕著に発現する。
性溶媒を添加したり、ポリマーを溶解させたり、芳香族
化合物を添加することが知られているが、本発明は、上
記アルキル基を有する非イオン性芳香族化合物を鎖状エ
ステルを主溶媒とする電池に用いることにより、安全性
の向上に特に優れた効果を見出したものである。本発明
において、上記アルキル基を有する非イオン性芳香族化
合物の添加により安全性を改善できる理由は以下のよう
に考えられる。
きる化合物によって負極を作製することにより、電解液
と負極との高温での反応性はリチウムを用いた場合より
も抑制されているが、負極の充放電可能な容量が増える
ことによって電解液との反応性が増加し、電池が発熱し
て負極と電解液との反応が起こったときの発熱量が多く
なり、温度が上昇しやすくなる。しかし、芳香族化合物
が電解液に添加されていると、該芳香族化合物が負極の
表面に吸着し、負極の表面と鎖状エステルとの直接の接
触を抑制するので、負極と電解液との反応性が低減され
て、温度上昇が制限されるものと考えられる。そして、
芳香族化合物は、アルキル基を有するものの方が効果が
高いこともわかった。その詳細は後記の実施例で明らか
にする。
は、たとえば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチ
ルなどの鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒である。
主溶媒というのは、これらの鎖状エステルを含んだ全電
解液溶媒中で鎖状エステルが50体積%を超えることを
意味する。鎖状エステルが65体積%を超えると釘刺し
試験での電池の安全性が低下する傾向にあり、アルキル
基を有する非イオン性芳香族化合物の添加効果が大きく
なる。そして、鎖状エステルが70体積%を超えるとア
ルキル基を有する非イオン性芳香族化合物の添加効果が
より一層大きくなり、鎖状エステルが75体積%を超え
るとアルキル基を有する非イオン性芳香族化合物の添加
効果がさらに大きくなる。また、鎖状エステルがメチル
基を有する場合も電池の安全性が低下しやすくなるの
で、アルキル基を有する非イオン性芳香族化合物の添加
効果がより一層顕著になる。
高いエステル(誘電率30以上のエステル)を混合して
用いると、鎖状エステルだけで用いる場合よりも、サイ
クル特性、電池の負荷特性や安全性が向上するので、電
池としてはより望ましいものとなる。このような誘電率
の高いエステルとしては、たとえば、プロピレンカーボ
ネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチ
レンカーボネート(BC)、ガンマーブチロラクトン
(γ−BL)、エチレングリコールサルファイト(EG
S)などが挙げられ、特に環状構造のものが好ましく、
とりわけ環状のカーボネートが好ましく、エチレンカー
ボネート(EC)が最も好ましい。
媒中の40体積%未満が好ましく、より好ましくは30
体積%以下、さらに好ましくは25体積%以下である。
そして、これらの誘電率の高いエステルによる安全性の
向上は、上記誘電率の高いエステルが電解液の全溶媒中
で10体積%以上になると顕著になる。従って、本発明
においては、前記アルキル基を有する非イオン性芳香族
化合物とともに、電解液の全溶媒中にエチレンカーボネ
ートを10体積%以上含有させる。
テルと併用可能な溶媒としては、たとえば1,2−ジメ
トキシエタン(DME)、1,3−ジオキソラン(D
O)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル−テ
トラヒドロフラン(2Me−THF)、ジエチルエーテ
ル(DEE)などが挙げられる。そのほか、アミンイミ
ド系有機溶媒や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒な
ども用いることができる。
lO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、Li
SbF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 F9 SO3 、L
iCF3 CO2 、Li2 C2 F4 (SO3 )2 、LiN
(CF3 SO2 )2 、LiC(CF3 SO2 )3 、Li
Cn F2n+1SO3 (n≧2)、LiN(Rf3 OS
O 2 )2 〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などが単
独でまたは2種以上混合して用いられるが、特にLiP
F6 やLiC4 F9 SO3 などが充放電特性が良好なこ
とから望ましい。電解液中における電解質の濃度は、特
に限定されるものではないが、濃度を1mol/l以上
にすると安全性が向上するので望ましく、1.2mol
/l以上がさらに望ましい。また、電解液中における電
解質の濃度が1.7mol/l以下であると良好な電気
特性が保たれるので望ましく、1.5mol/l以下で
あることがさらに望ましい。
2 などのリチウムコバルト酸化物、LiMn2 O4 など
のリチウムマンガン酸化物、LiNiO2 などのリチウ
ムニッケル酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウ
ム、クロム酸化物、などの金属酸化物または二硫化チタ
ン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物が用いられる。
物質に導電助剤やポリフッ化ビニリデンなどの結着剤な
どを適宜添加した合剤を、アルミニウム箔などの集電材
料を芯材として帯状の成形体に仕上げたものが用いられ
る。
n2 O4 などの充電時の開路電圧がLi基準で4V以上
を示すリチウム複合酸化物を正極活物質として用いる場
合には、高エネルギー密度が得られるので望ましい。特
に充電したLiCoO2 やLiNiO2 は、電解液との
反応開始温度がLiMn2 O4 より低く、負極の発熱に
よって正極の熱暴走温度に達しやすいので、本発明の効
果がより顕著に発揮される。
ンをドープ・脱ドープできるものであればよく、たとえ
ば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素
類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロ
ビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料あるいはS
i、Sn、Inなどの酸化物などを用いることができ
る。
は下記の特性を持つものが望ましい。すなわち、その
(002)面の層間距離d002 に関しては、0.35n
m以下が望ましく、より望ましくは0.345nm以
下、さらに望ましくは0.34nm以下である。また、
c軸方向の結晶子の大きさLcは、3nm以上が望まし
く、より望ましくは8nm以上、さらに望ましくは25
nm以上である。そして、その平均粒径は8〜15μ
m、特に10〜13μmが望ましく、純度は99.9%
以上が望ましい。
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
体積比76:24で混合し、この混合溶媒100容量部
に対してトリ−2−エチルヘキシルトリメリテート〔C
6 H3 (COOC8 H17)3 、以下、「TOTM」と略
す)を1容量部添加して混合し、LiPF6 を1.4m
ol/l溶解させて、組成が1.4mol/l LiP
F6 /EC:MEC(24:76体積比)+1%TOT
Mで示される電解液を調製した。
ネートの略称であり、MECはメチルエチルカーボネー
トの略称である。従って、上記電解液を示す1.4mo
l/l LiPF6 /EC:MEC(24:76体積
比)+1%TOTMは、メチルエチルカーボネート76
体積%とエチレンカーボネート24体積%との混合溶媒
にLiPF6 を1.4mol/l溶解させ、かつ上記混
合溶媒100容量部に対してTOTMを1容量部溶解さ
せたものであることを示している。
oO2 に導電助剤としてリン状黒鉛を重量比100:7
で加えて混合し、この混合物と、ポリフッ化ビニリデン
をN−メチルピロリドンに溶解させた溶液とを混合して
スラリーにした。この正極合剤スラリーを70メッシュ
の網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ20
μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一
に塗付して乾燥し、その後、ローラプレス機により圧縮
成形し、切断した後、リード体を溶接して、帯状の正極
を作製した。
離d002 =0.337nm、c軸方向の結晶子サイズL
c=95nm、平均粒径10μm、純度99.9%とい
う特性を持つ黒鉛系炭素材料)90重量部を、フッ化ビ
ニリデン10重量部をN−メチルピロリドンに溶解させ
た溶液と混合してスラリーにした。この負極合剤スラリ
ーを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除
いた後、厚さ10μmの帯状の銅箔からなる負極集電体
の両面に均一に塗付して乾燥し、その後、ローラプレス
機により圧縮成形し、切断した後、リード体を溶接し
て、帯状の負極を作製した。
エチレンフィルムを介して上記帯状負極に重ね、渦巻状
に巻回して渦巻状電極体とした後、外径18mmの有底
円筒状の電池ケース内に充填し、正極および負極のリー
ド体の溶接を行った。ここで、正極と負極との互いに対
向した部分の単位体積あたりの活物質含有合剤の正極/
負極重量比は2.06であった。負極の充放電容量は、
この電池の通常充電条件(1400mAの定電流で充電
し、4.1Vに達した後は4.1Vの定電圧で充電する
操作を2時間30分行う)では、85mAh/cm3 で
あった。
解液がセパレータなどに充分に浸透した後、封口し、予
備充電、エイジングを行い、図1に示す構造の筒形の有
機電解液二次電池を作製した。
と、1は前記の正極で、2は前記の負極である。ただ
し、図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極2の
作製にあたって使用された集電体などは図示しておら
ず、これらの正極1と負極2はセパレータ3を介して渦
巻状に巻回され、渦巻状電極体として、電解液と共に、
ステンレス鋼製の電池ケース4内に収容されている。
なわち、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート)を
含有させており、上記電池ケース4は負極端子を兼ねて
いて、その底部には絶縁体5が配置され、渦巻状電極体
上にも絶縁体6が配置されている。そして、電池ケース
4の開口部には環状の絶縁パッキング7を介して封口体
8が配置され、電池ケース4の開口端部の内方への締め
付けにより電池内部を密閉構造にしている。ただし、上
記封口体8には、電池内部に発生したガスをある一定圧
力まで上昇した段階で電池外部に排出して、電池の高圧
下での破裂を防止するための可逆式のベント機構が組み
込まれている。
OC4 H9 )2 〕を用いた以外は、実施例1と同様にし
て筒形の有機電解液二次電池を作製した。
OCH3 )2 〕を用いた以外は、実施例1と同様にして
筒形の有機電解液二次電池を作製した。
同様にして筒形の有機電解液二次電池を作製した。
含有させなかった以外は、実施例1と同様にして筒形の
有機電解液二次電池を作製した。
ート(MEC)との比率を体積比で1:1にした以外
は、比較例1と同様にして筒形の有機電解液二次電池を
作製した。
体積あたりの活物質含有合剤の正極/負極の重量比が
1.95である電極を作製し、正極と負極の合計厚み、
渦巻状電極体の巻回径は同じにして、負極の充放電容量
が1300mAhの電池を作製した以外は、比較例2と
同様にして筒形の有機電解液二次電池を作製した。負極
の充放電可能な容量は79mAh/cm3 であった。
池を、1400mAで2.75Vまで放電した後140
0mAの定電流で充電し、4.18Vに達した後は4.
18Vの定電圧に保つ条件で2時間30分の充電を行っ
た。その後、電池を40℃の恒温槽に入れて2時間後に
取り出し、木製で溝をきった電池ホルダー上に置き、軸
部の直径が3mmのステンレス鋼製の釘を電池の側面中
心に直角にかつ速やかに電池外径の1/2の深さまで刺
し、異常発熱の有無を調べた。その結果を表1に示す。
の電池とも20個ずつを用い、表1には試験に供した電
池個数を分母に示し、異常発熱のあった電池個数を分子
に示す態様で異常発熱の割合を示す。上記40℃での1
/2釘刺し試験は安全性を確認する試験としてきわめて
苛酷な条件下での試験である。
エステルが50体積%を超えていて電解液の主溶媒を構
成し、かつメチル基を有する鎖状エステルであるメチル
エチルカーボネートを含有しているが、異常発熱の割合
が少なく、電解液中にアルキル基を有する非イオン性芳
香族化合物を含有させ、かつ電解液の全溶媒中にエチレ
ンカーボネートを10体積%以上含有させることによっ
て釘刺し試験での安全性が向上することがわかる。これ
は、セパレータのフューズのばらつきが抑制され、また
短絡部位での電解液と負極との反応による発熱が低減さ
れたためと考えられる。また、比較例2のようにメチル
エチルカーボネートなどの鎖状エステルが少なかった
り、あるいは鎖状エステルがエチル基だけを有する場合
には安全性がよく、アルキル基を有する非イオン性芳香
族化合物の添加の効果は少なくなる傾向にある。さら
に、比較例3のように負極の充放電容量が小さい場合に
も安全性が良くなり、アルキル基を有する非イオン性芳
香族化合物の添加の効果は少なくなることがわかる。
の正極と帯状の負極とが電池の発熱によりフューズを生
じるセパレータを介して渦巻状に巻回された渦巻状電極
体および鎖状エステルが主溶媒として全電解液溶媒中で
50体積%を超えて用いられ、かつ鎖状エステルとして
メチル基を有する鎖状エステルを含有する電解液を有
し、上記負極はその一部が電解液と反応して表面に皮膜
が形成されたものである有機電解液二次電池において、
負極の充放電可能な容量が電池の単位体積当たり85m
Ah/cm3 以上にした場合においても、上記電解液に
アルキル基を有する非イオン性芳香族化合物を含有さ
せ、かつ上記電解液の全溶媒中にエチレンカーボネート
を10体積%以上含有させることによって、電池の安全
性を改善することができた。アルキル基を有する非イオ
ン性芳香族化合物としてトリ−2−エチルヘキシルトリ
メリテートのようなベンゼン環にCOO結合を介して長
鎖のアルキル基が結合した化合物を用いた場合は、安全
性の向上効果が大きかった。
的に示す部分断面斜視図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 帯状の正極と帯状の負極とが電池の発熱
によりフューズを生じるセパレータを介して渦巻状に巻
回された渦巻状電極体および鎖状エステルが主溶媒とし
て全電解液溶媒中で50体積%を超えて用いられ、かつ
鎖状エステルとしてメチル基を有する鎖状エステルを含
有する有機電解液を有し、上記負極はその一部が有機電
解液と反応して表面に皮膜が形成されたものである有機
電解液二次電池であって、上記負極の充放電可能な容量
が電池の単位体積当たり85mAh/cm3 以上であ
り、上記有機電解液にアルキル基を有する非イオン性芳
香族化合物を含有し、かつ上記有機電解液の全溶媒中に
エチレンカーボネートを10体積%以上含有することを
特徴とする有機電解液二次電池。 - 【請求項2】 アルキル基を有する非イオン性芳香族化
合物が、炭素数4個以上のアルキル基を有する非イオン
性芳香族化合物であることを特徴とする請求項1記載の
有機電解液二次電池。 - 【請求項3】 誘電率の高いエステル(誘電率30以上
のエステル)が全電解液溶媒中の40体積%未満で混合
され、上記誘電率の高いエステルが、プロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、ガンマ−ブチロラクトン、エチレングリコールサル
ファイトのいずれかである請求項1記載の有機電解液二
次電池。 - 【請求項4】 負極に炭素材料を用い、上記炭素材料の
(002)面の層間距離d 002 が0.35nm以下であ
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有
機電解液二次電池。 - 【請求項5】 電池内部に発生したガスを電池外部に排
出するためのベント機構を備えた請求項1〜4のいずれ
かに記載の有機電解液二次電池。 - 【請求項6】 帯状の正極と帯状の負極とが電池の発熱
によりフューズを生じるセパレータを介して渦巻状に巻
回された渦巻状電極体および鎖状エステルが主溶媒とし
て全電解液溶媒中で50体積%を超えて用いられ、かつ
鎖状エステルとしてメチル基を有する鎖状エステルを含
有する有機電解液を有し、上記負極はその一部が有機電
解液と反応して表面に皮膜が形成されたものである有機
電解液二次電池であって、上記負極の充放電可能な容量
が電池の単位体積当たり85mAh/cm3 以上であ
り、上記有機電解液にアルキル基を有する非イオン性芳
香族化合物を含有し、かつ上記有機電解液の全溶媒中に
エチレンカーボネートを10体積%以上含有する有機電
解液二次電池に対し、定電流充電の後、定電圧充電を行
うことを特徴とする有機電解液二次電池の充電方法。
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- 2001-12-19 JP JP2001385375A patent/JP3449706B2/ja not_active Expired - Lifetime
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