JP3449258B2 - 鋼帯長手方向の材質均一性が良い冷延鋼帯の製造方法 - Google Patents

鋼帯長手方向の材質均一性が良い冷延鋼帯の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、連続焼鈍工程を
用いて製造する冷延鋼帯(表面処理鋼帯用原板、表面処
理鋼帯を含む)の製造方法、特に鋼帯長手方向の材質均
一性が良い冷延鋼帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、冷延鋼帯(表面処理鋼帯用原板、
表面処理鋼帯を含む)の製造方法の主流になっている連
続焼鈍法を用いる場合、極低炭素鋼又は低炭素鋼のスラ
ブを、熱間圧延、酸洗、冷間圧延、連続焼鈍を施して鋼
帯を製造する。
【0003】連続焼鈍法は、従来のバッチ焼鈍法に比べ
て、焼鈍時間が短いため、熱間圧延時に高温で巻取って
炭窒化物を予め粗大凝集化して連続焼鈍時の再結晶粒の
成長を促進することによって、鋼帯の加工特性を向上さ
せることが行われている。
【0004】又、熱延コイル内・外周部は、熱延コイル
中間部に比べて、巻取り後の冷却が速いため、前記炭窒
化物の粗大凝集化が不十分になって微細化又は析出が不
完全になり、連続焼鈍時の再結晶粒の成長が抑制される
ため、鋼帯の加工特性が劣化する。熱延コイル内・外周
部における冷却を防止するため、熱間圧延時に、鋼帯の
先端、尾端部について、更に高温で巻き取ることが、特
開昭51−66220号公報、特開昭51−66219
号公報、特開平4−63232号公報などに開示されて
いる(以下、先行技術1)。
【0005】また、特開平9−118927号公報に
は、材質が劣化する熱延コイル内・外周部について、連
続焼鈍又は連続めっきラインの焼鈍温度を上昇させて、
鋼帯長手方向の材質を均質化することが開示されている
(以下、先行技術2)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記先行技術1、先行
技術2によれば、連続焼鈍後の鋼帯先端、尾端部の材質
は、鋼帯長手方向中央部に比べてある程度改善されるも
のの、依然として鋼帯先端、尾端部の材質劣化が大きい
ため、鋼帯長手方向の材質が不均一である。特に、鋼帯
先端、尾端部における材質の改善効果が不十分のため、
最終製品の材質特性検査で不合格になり、材質不良部切
り捨てなどによって製品歩留低下の原因になっている。
【0007】更に、先行技術2では、連続焼鈍過程で、
鋼帯先端、尾端部を鋼帯長手方向中央部より更に高温に
加熱することによって、逆に所謂絞りと称する鋼帯の座
屈現象を誘発し、あるいは寸法の異なる鋼帯の接続部で
の焼鈍温度管理が煩雑になり、かえって材質の不安定さ
を招く原因になり、これらに起因する生産性阻害や歩留
低下を引き起こす可能性が高い。
【0008】本発明は、前記問題点を考慮して、鋼帯先
端、尾端部の材質劣化を防止し、鋼帯長手方向にわたっ
て、均一な材質、とりわけ、深絞り加工特性に優れた均
一な材質の冷延鋼帯の製造法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】鋼帯先端、尾端部では、
鋼帯長手方向中央部に比べて、熱間圧延直後の冷却速度
が大きいため、熱間圧延後のAl窒化物、鉄炭化物など
の微細析出物の析出が顕著になり、連続焼鈍時の再結晶
粒の成長が抑制される。そのため、鋼帯先端、尾端部で
は、連続焼鈍後の材質が劣化し、鋼帯長手方向の材質の
不均一を招いている。
【0010】本発明者等は、前記問題を解決すべく、鋭
意調査、研究を重ねた結果、熱間圧延巻時に、鋼帯先
端、尾端部の板厚を鋼帯長手方向中央部の仕上板厚より
厚く圧延することによって前記問題を解決できることを
見出した。
【0011】本発明は、前記知見に基くものであり、そ
の特徴とする構成は以下のとおりである。
【0012】
【0013】(鋼を熱間圧延、酸洗、冷間圧延及び
連続焼鈍して冷延鋼帯を製造するにあたって、熱間圧延
時の鋼帯長手方向中央部の仕上板厚をtとした場合、
間圧延時の鋼帯先端部及び尾端部の板厚を前記鋼帯長手
方向中央部の仕上板厚tより5〜50%の範囲内で厚く
圧延することを特徴とする鋼帯長手方向の材質均一性が
良い冷延鋼帯の製造方法。
【0014】
【0015】(鋼を熱間圧延、酸洗、冷間圧延及び
連続焼鈍して冷延鋼帯を製造するにあたって、熱間圧延
時の鋼帯長さをL、鋼帯長手方向中央部の仕上板厚tと
した場合、熱間圧延時の鋼帯先端部及び尾端部の板厚を
前記鋼帯長手方向中央部の仕上板厚tより5〜50%の
範囲内で厚く圧延し、又前記板厚を厚く圧延する鋼帯長
さを前記鋼帯長さLの1〜20%の範囲内とすることを
特徴とする鋼帯長手方向の材質均一性が良い冷延鋼帯の
製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の限定理由と作用に
ついて説明する。
【0017】本発明では、熱間圧延時に、鋼帯先端、尾
端部の板厚を、鋼帯長手方向中央部(以下、鋼帯中央
部)の仕上板厚より厚く圧延することによって、熱間圧
延時に、鋼帯先端、尾端部の冷却が抑止されて、鋼帯中
央部と同等又は中央部より高温になる。その結果、巻取
り直後の熱延コイル内・外周部が急速に冷却されて温度
低下することが防止され、鋼帯先端、尾端部において、
熱間圧延後に、Al窒化物、鉄炭化物などの微細析出物
が析出することが防止される。更に、鋼帯先端、尾端部
板厚を鋼帯中央部の仕上板厚より厚く圧延することによ
って、冷間圧延時に、鋼帯先端、尾端部の圧下率が鋼帯
中央部の圧下率より必然的に増大して、冷間歪みが増加
する。
【0018】鋼帯先端、尾端部では、前記微細析出物の
析出の防止と冷間歪みの増加の作用によって、連続焼鈍
時の再結晶粒成長が促進され、又、同時に、深絞り加工
特性の向上に必要な{111}再結晶集合組織が形成さ
れる。その結果、鋼帯先端、尾端部での材質劣化が防止
され、鋼帯長手方向の材質の均一化と良好な深絞り特性
が同時に得られる。
【0019】更に、鋼帯長手方向の材質の均一化に伴
い、連続焼鈍時の鋼帯長手方向の板幅減少量が均一にな
り、鋼帯長手方向に渡り、板幅精度に優れた鋼帯の製造
も可能になる。
【0020】本発明において、熱間圧延時の鋼帯先端部
及び尾端部の板厚を鋼帯中央部の仕上板厚tより5〜5
0%の範囲内で厚く圧延し、及び/又は、厚く圧延する
部分の鋼帯長さを熱間圧延時の鋼帯長さLの1〜20%
の範囲内に限定した理由について以下に説明する。
【0021】重量%で、[C]:0.0017%、[T
i]:0.070%を含む極低炭素鋼スラブを、115
0〜1250℃で加熱し、仕上温度870〜920℃、
鋼帯中央部の仕上板厚2.8mmで熱間圧延し、ランア
ウト冷却後、630〜680℃で巻取り作業を実施し
た。熱間圧延する際に、鋼帯先端、尾端部の板厚を鋼帯
中央部の仕上板厚tより厚く圧延し、あるいは厚く圧延
する鋼帯長さを変えて圧延した。次いで、酸洗、冷間圧
延、連続焼鈍を施して冷延鋼帯を製造し、熱間圧延時の
鋼帯先端、尾端部の板厚増加率と焼鈍後の鋼帯のランク
フォード値の関係、又、熱間圧延時の鋼帯長さLに対す
る板厚を増加した先端、尾端部の鋼帯長さ率と焼鈍後の
鋼帯のランクフォード値の関係を調査した。
【0022】調査結果を、図1、図2に示す。なお、ラ
ンクフォード値(r値)は、圧延方向に平行(rL)、
直角方向(rC)及び45°方向(rD)の値を次式で平
均したものである。 r値=(rL+2rD+rC)/4
【0023】鋼帯先端、尾端部の板厚を、鋼帯中央部の
仕上板厚tより5%以上厚く圧延すると、先端、尾端部
の材質を中央部の水準に近づける効果が大きくなるが、
50%を超えると冷間圧延時の圧延負荷が高くなり、圧
延作業に支障をきたすようになる。従って、鋼帯先端部
及び尾端部の板厚は、鋼帯中央部の仕上板厚tに対し
て、5〜50%の範囲内で厚く圧延することが好まし
い。
【0024】また、図1から明らかなように、鋼帯中央
部の仕上板厚tに対し、鋼帯先端、尾端部の板厚を20
〜40%の範囲内で厚く圧延すると、鋼帯中央部に対す
る先端、尾端部のランクフォード値の変動が±0.1以
下であり、極めて良好な鋼板長手方向の材質均質化が得
られるので特に好ましい。
【0025】板厚を厚く圧延する鋼帯先端、尾端部の長
さが、熱間圧延後の鋼帯長さLの1%以上になると、鋼
帯先端、尾端部の材質を鋼帯中央部に近づける効果が大
きくなるが、20%を超えると、鋼帯中央部に対して、
鋼帯先端、尾端部の板厚が変化しはじめる境界付近の材
質が鋼帯中央部より過度に良好になるため、かえって鋼
帯長手方向の材質の均質化が妨げられる。従って、板厚
を厚く圧延する鋼帯先端、尾端部の鋼帯長さは、熱間圧
延後の鋼帯長さLの1〜20%の範囲内とすることが好
ましい。
【0026】図2から明らかなように、板厚を厚く圧延
する鋼帯先端、尾端部の鋼帯長さを、鋼帯長さLの5〜
15%の範囲内になるようにすると、鋼帯中央部に対す
る先端、尾端部のランクフォード値の変動が±0.1以
下であり、極めて良好な長手方向の材質均質化が得られ
るので特に好ましい。
【0027】次に、本発明の鋼帯の製造方法について説
明する。本発明によれば、熱間圧延直後の冷却速度が大
きいことによって、熱延鋼帯先端、尾端部でAl窒化
物、鉄炭化物などの微細析出物が析出し、連続焼鈍時に
再結晶粒の成長が抑制される成分を含む鋼について、鋼
帯先端、尾端部における材質の劣化を防止して、鋼帯長
手方向の材質を均一することができる。
【0028】特に、以下に記載する極低炭素鋼や低炭素
鋼を用いて冷延鋼帯を製造すると、鋼帯長手方向の材質
を均一にできるだけでなく、鋼帯先端、尾端部における
深絞り特性の劣化を防止して、従来法に比較して、優れ
た深絞り特性を得ることができ、より優れた深絞り特性
を得ることができる。
【0029】本発明において、以下の理由から、極低炭
素鋼とは、[C]:0.010%(重量%、以下同じ)
以下を含む鋼、低炭素鋼とは、[C]:0.060%以
下を含む鋼を対象としている。
【0030】[C]:極低炭素鋼の場合、0.010%
を超え、また低炭素鋼の場合、0.060%を超える
と、炭化物量の増加及び連続焼鈍時の再結晶粒の成長を
阻害し、加工性が劣化するので、それぞれ、0.010
%以下、0.060%以下を含む鋼を対象にした。
【0031】また、前記極低炭素鋼と低炭素鋼につい
て、[C]以外の成分については、以下の成分を含む鋼
であることが好ましい。
【0032】[Si]:含有量が増えると、加工性が劣
化し、またSiスケールにより表面性状が悪化するの
で、0.50%以下とする。
【0033】[Mn]:含有量が少ないと熱間脆性を招
き、含有量が多いと加工性が劣化するので、0.10%
以上、1.0%以下とする。
【0034】[P]:含有量が多いと加工性が劣化する
ので、0.10%以下とする。 [S]:熱間脆性の観点から、0.005%以上0.0
20%以下とする。
【0035】[N]:含有量が多くなると窒化物の析出
量が多くなり、連続焼鈍時に、再結晶粒の成長を阻害
し、加工性が劣化するので、0.0050%以下にす
る。
【0036】また、極低炭素鋼については、前記成分以
外に、更に以下の成分範囲の[Ti]及び[Nb]の内
の少なくとも1種を含む。
【0037】[Ti]:炭化物、窒化物形成元素とし
て、[C]、[N]を固定析出し、深絞り特性を向上す
る。0.10%を超えるとこの作用効果が飽和するの
で、0.10%以下にする。
【0038】[Nb]:炭化物形成元素として、[C]
を固定析出し、深絞り特性を向上する。0.05%を超
えると前記作用効果が飽和することから、0.05%以
下にする。
【0039】また、低炭素鋼については、前記成分以外
に、更に以下の成分範囲の[Al]及び[B]の内の少
なくとも1種を含む。
【0040】[Al]:脱酸剤として有効な成分である
とともに、Al窒化物を形成して、窒素を固定析出す
る。0.010%未満では、前記作用効果が不十分にな
り、また0.10%を超えると、前記作用効果が飽和す
ることから、0.010%以上0.10%以下にする。
【0041】[B]:窒化物形成元素として[N]を固
定析出する。0.0050%を超えて含有しても、前記
作用効果が飽和するので、0.0050%以下にする。
【0042】本発明では、前記鋼を溶製、鋳造し、熱間
圧延し、次いで酸洗、冷間圧延、連続焼鈍を施す。
【0043】前記鋼を熱間圧延するに際して、鋼帯先
端、尾端部の板厚を鋼帯中央部の仕上板厚より厚く圧延
する。鋼帯先端、尾端部の板厚は、鋼帯中央部仕上板厚
tに対して、5〜50%の範囲内で厚く圧延することが
好ましく、20〜40%の範囲内で厚く圧延することが
特に好ましい。また、厚く圧延する部分の鋼帯長さは、
熱間圧延後の鋼帯長さLの1〜20%の範囲内とするこ
とが好ましく、5〜15%の範囲内とすることが特に好
ましい。
【0044】熱間圧延した鋼帯を巻き取り、次いで酸洗
し、冷間圧延する。冷間圧延後、鋼帯を連続焼鈍する。
連続焼鈍は、連続焼鈍ラインの焼鈍設備で施してもよい
し、溶融亜鉛めっきラインの焼鈍設備で施してもよい。
【0045】また、本発明では、前記で規定されない鋼
の溶製、熱間圧延、酸洗、冷間圧延、連続焼鈍等の条件
は特に限定されず、通常行われている方法でよい。
【0046】本発明が対象とする冷延鋼帯は、連続焼鈍
ラインで製造された表面処理鋼帯用原板及び表面処理鋼
帯を含み、また焼鈍設備を備える溶融亜鉛めっきライン
で製造されためっき鋼帯等を含む。
【0047】
【実施例】(実施例1)本発明材については、表1に示
す化学成分を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる
鋼種Aの極低炭素鋼スラブを1150〜1250℃で加
熱し、仕上温度870〜920℃、鋼帯中央部の仕上板
厚を2.8mmで熱間圧延し、ランアウト冷却後、63
0〜680℃で巻取り作業を実施した。前記鋼帯の先
端、尾端部板厚は、目標仕上板厚を3.8mmで熱間圧
延した。また、鋼帯の先端部板厚と中央部板厚、尾端部
板厚と中央部板厚の2点を直線で結んで得られる板厚勾
配で熱間圧延を実施した。先端、尾端部の板厚増加率は
36%、板厚増加長さは、それぞれ鋼帯長さの10%と
した。
【0048】比較材については、全長にわたり目標仕上
板厚2.8mmで圧延作業を実施し、その他の条件は前
記本発明材と同様の条件とした。
【0049】
【表1】
【0050】前記で得た熱延鋼帯の鋼帯長手方向の鋼帯
板厚を調査した。図3に鋼帯長手方向の熱間仕上板厚分
布、図4に熱間圧延後の鋼帯長手方向の鋼帯巻取り温度
分布を示す。
【0051】さらに、前記で得た熱延鋼帯を酸洗後、冷
間圧延を施して鋼帯長手方向全長にわたり、板厚0.7
0mmの鋼帯とした。次いで、焼鈍温度800〜850
℃で連続焼鈍し、調質圧延率0.5〜0.8%で調質圧
延を施して冷延鋼帯を製造した。前記で得た冷延鋼帯に
ついて材質評価を行った。
【0052】深絞り加工特性の評価指標としては、ラン
クフォード値が一般的であることから、ランクフォード
値で材質評価を実施した。図5に冷延鋼帯長手方向のラ
ンクフォード値の変化を示す。
【0053】図5に示す材質データより、比較材では、
先端、尾端部におけるランクフォード値が中央部に比べ
て0.15程度低下しているが、本発明材は、先端、尾
端部におけるランクフォード値の低下が少なく、又全長
に渡ってランクフォード値が1.9以上あり、鋼帯長手
方向に渡り、格段に均質な材質特性が得られおり、又極
めて良好な深絞り特性値が得られていることが判る。
【0054】本発明材において、鋼帯先端、尾端部の材
質劣化が防止され、前記の優れた効果が得られるのは、
図3及び図4より明らかなように、本発明材では、熱延
巻取り時に鋼帯先端、尾端部の鋼帯温度が鋼帯中央部に
対して高温であるので、巻取り後に鋼帯先端、尾端部が
急速に冷却されることがなくなるためである。
【0055】(実施例2)本発明材については、表1に
示す化学成分を含み、残部Fe及び不可避不純物からな
る鋼種Bの低炭素鋼スラブを1150〜1250℃で加
熱し、仕上温度850〜900℃、鋼帯中央部の目標仕
上板厚を2.8mmで熱間圧延し、ランアウト冷却後、
670〜720℃で巻取り作業を実施した。前記鋼帯の
先端、尾端部板厚は、目標仕上板厚を3.8mmで熱間
圧延した。
【0056】また、鋼帯の先端部板厚と中央部板厚、尾
端部板厚と中央部板厚の2点を直線で結んで得られる板
厚勾配にて熱間圧延を実施した。最先端、尾端部の板厚
増加率は36%、板厚増加長さは、それぞれ鋼帯長さの
10%とした。
【0057】比較材については、全長にわたり目標仕上
板厚2.8mmで圧延作業を実施し、その他の条件は前
記本発明材と同様の条件とした。
【0058】前記で得た熱延鋼帯の鋼帯長手方向の鋼帯
板厚を調査した。図6に鋼帯長手方向の熱間仕上板厚分
布、図7に熱間圧延後の鋼帯長手方向の鋼帯巻取り温度
分布を示す。
【0059】さらに、前記で得た熱延鋼帯を酸洗後、冷
間圧延を施して長手方向全長にわたり、製品板厚0.7
0mmの鋼帯とした。次いで、焼鈍温度700〜800
℃で連続焼鈍し、調質圧延率0.8〜1.0%で調質圧
延を施して冷延鋼帯を製造した。前記で得た冷延鋼帯に
ついて、実施例1と同様、ランクフォード値で材質評価
を実施した。図8に冷延鋼帯長手方向のランクフォード
値の変化を示す。
【0060】図8に示す材質データより、比較材では、
先端、尾端部におけるランクフォード値が中央部に比べ
て0.10〜0.20程度低下しているが、本発明材
は、先端、尾端部におけるランクフォード値の低下が少
なく、又全長に渡ってランクフォード値が概ね1.4以
上あり、鋼帯長手方向に渡り、格段に均質な材質特性が
得られおり、又良好な深絞り特性値が得られていること
が判る。
【0061】本発明材において、鋼帯先端、尾端部の材
質劣化が防止され、前記の優れた効果が得られるのは、
図6及び図7より明らかなように、本発明材では、熱延
巻取り時に鋼帯先端、尾端部の鋼帯温度が鋼帯中央部に
対して高温であるので、巻取り後に鋼帯先端、尾端部が
急速に冷却されることがなくなるためである。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、鋼
帯の先端、尾端の材質劣化、とりわけ深絞り特性の劣化
を効果的に防止でき、鋼帯長手方向にわたり均一性のよ
い材質特性が得られる。また、連続焼鈍時の炉内板幅減
少量が均一になるので、鋼帯長手方向の板幅精度にすぐ
れる鋼帯の製造が可能になる。本発明は、深絞り加工用
途に使用される鋼帯の製造に好適である。
【0063】また、鋼帯の先端、尾端の材質劣化を防止
できるので、材質不良部切り捨てなどによる製品歩留低
下を低減できる。
【0064】また、連続焼鈍時に鋼帯先端、尾端部を高
温に加熱する必要がないので連続焼鈍時に操業性を損う
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼帯中央部板厚に対する、鋼帯先端、尾端部の
板厚増加率とランクフォード値の関係を示す図。
【図2】鋼帯長さに対する鋼帯先端、尾端部の板厚増加
長さ率とランクフォード値の関係を示す図。
【図3】鋼種Aについて熱間圧延時の鋼帯長手方向の目
標仕上板厚分布を示す図。
【図4】鋼種Aについて熱間圧延時の巻取り直後の鋼帯
長手方向の温度分布を示す図。
【図5】鋼種Aについて冷延鋼帯の鋼帯長手方向のラン
クフォード値の変化を示す図。
【図6】鋼種Bについて熱間圧延時の鋼帯の長手方向の
目標仕上板厚分布を示す図。
【図7】鋼種Bについて熱間圧延時の巻取り直後の鋼帯
長手方向の温度分布を示す図。
【図8】鋼種Bについて冷延鋼帯の鋼帯長手方向のラン
クフォード値の変化を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−248502(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 1/46 B21B 37/00 C21D 1/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼を熱間圧延、酸洗、冷間圧延及び連続
    焼鈍して冷延鋼帯を製造するにあたって、熱間圧延時の
    鋼帯長手方向中央部の仕上板厚をtとした場合、熱間圧
    延時の鋼帯先端部及び尾端部の板厚を前記鋼帯長手方向
    中央部の仕上板厚tより5〜50%の範囲内で厚く圧延
    することを特徴とする鋼帯長手方向の材質均一性が良い
    冷延鋼帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼を熱間圧延、酸洗、冷間圧延及び連続
    焼鈍して冷延鋼帯を製造するにあたって、熱間圧延時の
    鋼帯長さをL、鋼帯長手方向中央部の仕上板厚tとした
    場合、熱間圧延時の鋼帯先端部及び尾端部の板厚を前記
    鋼帯長手方向中央部の仕上板厚tより5〜50%の範囲
    内で厚く圧延し、又前記板厚を厚く圧延する鋼帯長さを
    前記鋼帯長さLの1〜20%の範囲内とすることを特徴
    とする鋼帯長手方向の材質均一性が良い冷延鋼帯の製造
    方法。
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