JP3449218B2 - 鋳造品の凝固解析方法 - Google Patents

鋳造品の凝固解析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子計算機を用い
た鋳造品の凝固解析において、引け巣の体積を求める方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋳造により製造した製品に発生する、引
け巣と呼ばれる凝固欠陥を低減するため、実際の製造に
先立ち、電子計算機によりシミュレーション(凝固解
析)を行って引け巣の発生箇所やその大きさを予測し、
その結果を基に製造条件等を決定することが広く行われ
ている。
【0003】こうした凝固解析は、一般に、計算対象と
なる鋳造品、例えば自動車用エンジンのシリンダブロッ
クなどを多数のセルに分割した解析モデルを作成し、こ
の解析モデルに対して熱伝導方程式などを種々の計算方
法を用いて解くことにより、解析が行われている。
【0004】しかし、従来の方法においては、溶湯の凝
固する過程、すなわち解析モデルを用いて計算を進める
過程における固相率分布の値の時間変化を、時間変化毎
に記憶しておく必要があることから、これに要する計算
機の記憶容量が多大なものとなるという問題がある。ま
た、従来の方法では、凝固の進行に伴い、一つの未凝固
領域が複数の領域に分裂していく場合における凝固収縮
量の分配、すなわち分裂した各領域の体積の計算が考慮
されていない、という問題がある。さらに、従来の方法
では、得られた結果を基に引け巣の発生位置や大きさを
検討するのに時間がかかるという問題もある。また、固
相率分布の値の時間変化を、時間変化毎に記憶すること
なく、凝固解析計算の実行中に引け巣の発生箇所やその
大きさを予測することも可能であるが、解析計算の実行
時間が著しく増大するため実用的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、鋳造品における引け巣の発生位置とその体
積を比較的簡易かつ容易に予測することができ、解析結
果の検討を短時間で行うことのできる、凝固解析方法を
提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記の目的を達成するため、本発明は、電子計算機による
鋳造品の凝固解析方法であって、解析対象となる鋳造品
を多数のセルに分割した解析モデルを用いた方法におい
て、前記解析モデルにおける、時間経過に伴う溶湯の凝
固過程を計算するステップと、前記計算により得られ
た、前記各セルの凝固時間を記憶して前記解析モデルに
おける凝固時間分布を求めるステップと、前記凝固時間
分布により、凝固の進行に伴う未凝固領域の分裂過程を
追跡し、前記未凝固領域が分裂する毎に、分裂した各領
域の凝固収縮量を求め、この凝固収縮量から引け巣体積
を得るステップと、を具えることを特徴とする。
【0007】すなわち、本発明に係る方法においては、
解析モデル中の各セルに対し、これらセルが凝固した時
間を記憶し、それによって得られる解析モデルにおける
溶湯の凝固時間分布を求め、この凝固時間分布に基づい
て未凝固領域が分裂しつつ凝固して行く過程を追跡す
る。さらに、この分裂が生じる毎に、分裂した領域に対
して凝固収縮量の分配を行う。したがって、計算結果を
記憶する容量を低減させることができ、また引け巣体積
の計算が容易となる。
【0008】本発明に係る方法の好適な実施形態におい
ては、前記未凝固領域に含まれるセルの内、隣接する他
のセルと比較して凝固時間が極大値を取るセルの数を求
め、当該領域の分裂過程を当該セルの数の変化により追
跡することを特徴とする。すなわち、本方法では、一つ
の未凝固領域内において、凝固するまでに最も時間のか
かったセル(凝固時間ピークセル)を複数特定し、計算
の進行に伴って当該領域に含まれる前記ピークセルの数
が変化(減少)することを調べることにより、領域が分
裂したことを知ることができる。
【0009】また、本発明に係る方法の好適な実施形態
においては、前記解析モデルと、前記解析モデルの加工
後の製品形状モデルとを比較しながら前記分裂過程の追
跡を行うことを特徴とする。すなわち、解析モデルに係
る鋳造品を切削加工などを行うことにより形成される製
品の形状モデルを予め作成しておき、鋳造直後の形状を
示す解析モデルと、この製品形状モデルとを比較しつ
つ、未凝固領域の分裂過程の追跡を行うことにより、引
け巣の発生とその位置、特に鋳造後に加工を行う部位、
高圧となる部位などの引け巣の発生を避けなければなら
ない部位で引け巣が発生する可能性を予測することが可
能となる。
【0010】さらに、本発明に係る方法の好適な実施形
態においては、前記凝固過程の計算に際し、時間経過毎
に前記解析モデル中の全ての未凝固領域の固相率の平均
値を求め、前記凝固収縮量の計算において、前記固相率
の平均値を用いることを特徴とする。したがって、最終
的に生じる引け巣の体積の計算精度を向上させることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について説明する。
【0012】図1は、本発明による凝固解析の手順を概
略示すフローチャートである。以下、その手順を説明す
る。まず、ステップ11で、解析対象となるモデルについ
て、溶湯の凝固過程の計算を行う。この計算には、従来
の方法、例えば差分法を用いて熱伝導方程式などを解く
ことにより行う。続くステップ12で、先の計算結果よ
り、解析モデルの凝固時間分布、すなわち解析モデル中
の各セルの凝固時間を記録する。ステップ13では、先に
得られた凝固時間分布を用いて、解析モデルにおける未
凝固領域の分裂過程、すなわち、時間経過に伴う、未凝
固部分の分裂と凝固の過程を調べる。そしてステップ14
で、引け巣体積の計算を行う。
【0013】図2は、本発明による凝固解析における、
解析モデル中の未凝固領域の分裂過程の追跡の手順を示
すフローチャートである。以下、その手順を説明する。
まず、ステップ21で、予め熱伝導方程式等の計算により
求めた、対象とする解析モデルにおける凝固時間分布、
すなわち、解析モデルの各セルの凝固時間のデータを読
み込む。続くステップ22で解析モデル中のピークセル、
すなわち、凝固時間がその周囲の他のセルと比較して極
大値を取るセルとその位置を探し、次のステップ23でそ
のリストを作成する。ステップ24では、先のステップで
求めたリストの中から、分裂過程を求める対象とするピ
ークセルを設定する。ステップ25では、分裂過程を追跡
するために用いる領域分裂時間の変数tsplitおよび領域
分裂回数sct の初期値を0に設定する。
【0014】続くステップ26で、先のステップ24で指定
したピークセルを含む、解析モデル中の領域(未凝固領
域)を設定する。これは、前記ピークセルを起点とし
て、その上下前後左右のセルの凝固時間を調べ、その値
が前記tsplitより大きければ、当該セルは前記ピークセ
ルの属する未凝固領域に含まれると判断し、以下、他の
セルについても同様に調べることにより行う。このと
き、当該領域には、複数のピークセルが含まれていても
良い。さらに、ステップ27では、先のステップ26で設定
した領域に含まれるピークセルの数が変化したか否かを
調べる。それによって、当該領域でピークの数が減少し
ていれば、その領域が分裂したことがわかる。また、そ
のときのtsplitの値が、分裂した時間となる。さらにス
テップ28において、前記対象領域から分裂した部分と、
残りの部分とで凝固収縮量の分配を行う。
【0015】ステップ29では、前記対象領域に分裂が生
じた時間を変数tsplitの値とし、分裂が生じていれば、
変数sct の値を一つ増加させる。そしてステップ30で、
対象領域に含まれるピークセルの数が1となったか否か
を判断し、ピークセルの数が1であれば、当該対象領域
の分裂が終了したと判断し、次のステップ31で、先に求
めたピークセルのリストに含まれる全てのピークセルに
ついて分裂過程を調べたか否かを判断し、全てのピーク
セルについて調べていれば、計算を終了する。もし、ス
テップ30でピークセルの数が1でなければ、さらに当該
領域の分裂が生じると判断し、ステップ26に戻る。ま
た、ステップ31ですべてのピークセルについて調べてい
なければ、ステップ24に戻り、別のピークセルについて
分裂過程を調べる。
【0016】図3は、図2に示すフローチャートのステ
ップ22の、ピークセル位置探査の手順を示すフローチャ
ートである。以下、その手順を説明する。まず、ステッ
プ41で、探査の対象としているセルが溶湯部のセルであ
るか否かを判断し、溶湯部以外、例えば金型や中子など
の部分であれば、他のセルを探査の対象とする。溶湯部
であれば、以下ステップ42〜47において、対象とするセ
ルの凝固時間を、そのセルの上下前後左右にある他のセ
ルの凝固時間と比較する。ここで、変数F(i,j,k)は、位
置(i,j,k) で示されるセルの凝固時間を示すものであ
る。上記の各ステップでの比較の結果、当該セルが周囲
のセルよりも凝固時間が長い場合、ピークセルとして、
ステップ48でピークセルのリストに追加する。そしてス
テップ49で解析モデル中の全てのセルについて調べたか
否かを判断し、調べていなければ、ステップ41に戻り、
他のピークセルを探す。全てのセルについて調べていれ
ば、ステップ50で、求めたピークセルのリストに含まれ
るピークセルを、凝固時間の長い順に並べ替え、続くス
テップ51で、同じ凝固時間を有し、互いに接近している
複数のピークセルが存在する場合、任意の一つを残して
他をリストから除去する。
【0017】図4は、図2に示すフローチャートのステ
ップ27の、分裂過程追跡対象領域内でピークセルの個数
の変化とその時間を調べる手順を示すフローチャートで
ある。本手順は、いわゆる二分法を用いたものであり、
以下、その手順を説明する。まず、ステップ61で、計算
に用いる変数ts,teとして、それぞれtsplitおよび、図
2のフローチャートのステップ24で設定したピークセル
の凝固時間を設定する。次にステップ62で、変数tとし
て先の変数tsを設定する。ステップ63では、対象領域内
のピークセルの個数を求め、ステップ64でその値を変数
NP0 とする。次にステップ65では変数ts,teの平均値を
変数tの値とし、ステップ66でピークセルの個数NPを調
べる。ステップ67で変数NPの値がNP0 であれば、ステッ
プ68で変数ts,te平均値を変数tsの新たな値とし、一方
変数NPの値がNP0 以外であれば、ステップ69で変数ts,
teの平均値を変数teの新たな値とする。その後ステップ
70で変数ts,teを比較し、両者が等しければ次のステッ
プ71で、その時の変数t の値をピークセルの個数が変化
した時間として計算を終了する。両者が等しくなけれ
ば、再度ステップ65に戻り、上記の手順を繰り返す。
【0018】図5は、図4に示すフローチャートのステ
ップ63およびステップ66の、ピークセル個数を求める手
順を示すフローチャートである。以下、その手順を説明
する。まず、ステップ81で、分裂過程追跡対象領域内
の、凝固時間がt、すなわち図4の示す手順で求めるピ
ークセルの個数変化時間以上のセルを探す。続くステッ
プ82で、前のステップで求めたセルに隣接する、凝固時
間がt以上のセルを探し、当該セルをチェックする。こ
こで、隣接するセルの凝固時間がt以上であれば、さら
にこのセルに隣接するセルを、同様の手順で探す。さら
にステップ83で、これらチェックしたセルの中から、ピ
ークセルのリスト(図2のフローチャートのステップ23
で作成したもの)に属しているセルを探し、その個数
(ピーク個数)を求める。最後にステップ84で、当該ピ
ーク個数を変数NPの値とする。
【0019】次に、本発明に係る方法による未凝固領域
の分裂過程の追跡の例を説明する。図6は、本例の解析
モデル90における、各セルの凝固時間の分布を示す等凝
固時間線図である。次に、図7は、例示の解析モデル90
に対して、本発明に係る方法により、凝固時間がピーク
となるセルを探査した結果を示すものである。図では、
解析モデル中に符号P1 〜P7 で示す7個のピークセル
が存在している。
【0020】図8は、例示の解析モデル90について、未
凝固領域の分裂過程を追跡した結果を示す。なお、ここ
では、ピークセルP1 〜P7 は、当初(領域分裂時間ts
plit=0.0sec )一つの未凝固領域内に含まれているもの
とする。まず、図8(a) は、領域分裂時間tsplit=25.10
2secでの状態を示す。この時、7個のピークセルの内、
ピークセルP3 周辺の未凝固領域が分裂して、独立した
領域となっている。なお、図で斜線部分は既に凝固して
いる部分を示す。次に図8(b) は、tsplit=25.288secで
の状態を示す。ここでは、ピークセルP7 周辺の未凝固
領域が分裂している。図8(c) は、tsplit=26.032secで
の状態を示す。この時には、ピークセルP4 の周辺の領
域と、ピークセルP5 およびP6 を含む領域がさらに分
裂している。さらに図8(d) は、tsplit=27.334secでの
状態を示し、ここではピークセルP2 を含む領域が分裂
し、その結果、最初に7個のピークセルを含んでいた未
凝固領域が全て分裂し、この領域に含まれるピークセル
はP1 のみとなっている。
【0021】図9は、本発明に係る方法における凝固収
縮量の分配の手順を説明するための簡単な解析モデルを
概略示すものである。簡単のために、解析モデル100 は
四角形状としている。図9(a) において、解析モデル10
0 には一つの未凝固領域Aが存在し、領域Aにはピーク
セルPが含まれている。また、領域Aの体積をVとす
る。ここで、本解析モデル100 における、未凝固領域の
固相率をfs とすると、未凝固領域Aに含まれる液相部
の体積は、
【数1】(1−fs )・V となり、体積収縮率をγとすると、領域Aが分裂するこ
となしに凝固したと仮定した場合に生じる引け巣量P0
は、
【数2】P0 =(1−fs )・V・γ となる。
【0022】次に、解析モデル100 における凝固過程の
進展に伴い、図8(b) に示すように、領域Aの凝固が進
行して二つの未凝固領域BおよびCに分裂したと考え
る。なお、未凝固領域BおよびCの体積を、それぞれV
1 、V2 とする。このとき、領域Bが分裂することなし
に凝固したと仮定した場合に生じる引け巣量P1 は、
【数3】 P1 =(1−fs )・V・γ・V1 /(V1 +V2 ) = P0 ・S1 となる。なお、
【数4】S1 =V1 /(V1 +V2 ) である。
【0023】解析モデル100 における凝固がさらに進展
し、図8(c) に示すように、領域Bが二つの未凝固領域
DおよびEに分裂したと考える。ここで、未凝固領域D
およびEの体積を、それぞれV3 、V4 とする。このと
き、領域Dが分裂することなしに凝固したと仮定した場
合に生じる引け巣量P2 は、
【数5】 P2 = P1 ・V3 /(V3 +V4 ) = P1 ・S2 = P0 ・S1 ・S2 となる。なお、
【数6】S2 =V3 /(V3 +V4 )である。以上よ
り、本方法においては、着目しているピークセルを含む
未凝固領域が、凝固の進展に伴ってn回分裂して、着目
しているピークセルのみを含む閉領域が形成された場
合、この閉領域における引け巣量Pn は、
【数7】Pn = P0 ・S1 ・S2 ・・・Sn となる。
【0024】図10は、本方法を用いて凝固解析を行う解
析モデルと、当該解析モデルに係る鋳造品を、鋳造後に
切削加工などを行うことにより得られる製品の形状モデ
ルとを比較して、引け巣の発生位置やその大きさを予測
するための手順を示すフローチャートである。以下、そ
の手順を説明する。まず、ステップ111 で、凝固過程の
計算(図2のフローチャートのステップ21)により得ら
れた、解析モデルにおける凝固時間分布データを読み込
み、続くステップ112 で、ピークセルのリスト(図2の
フローチャートのステップ23で作成したもの)を読み込
む。次に、ステップ113 で、当該解析モデルに係る鋳造
品を切削加工することなどにより得られる製品の形状モ
デルのデータを読み込む。ステップ114 では、解析モデ
ル中の未凝固領域の探査を行う。その具体的な手順は、
図2のフローチャートのステップ23〜30と同等である。
次にステップ115 で、解析モデル中の未凝固領域と、製
品形状モデルとを比較し、ステップ116 で両者が重複し
ているか否かを調べる。もし重複していれば、ステップ
117 で当該領域に含まれるピークセルに関する情報と、
当該領域の体積を記録し、その後ステップ118 で全ての
ピークセルについて探査を終了したか否かを判断する。
ステップ116 で両者が重複していなければ、直ちにステ
ップ118 へ進む。ステップ118 で、全てのピークセルで
探査を終了していれば計算を終了し、探査が終了してい
なければ、ステップ114 に戻る。
【0025】図11は、本発明による凝固解析における、
解析モデル中の未凝固領域の分裂過程の追跡の他の手順
を示すフローチャートである。図示の手順では、凝固収
縮量の分配に用いる固相率の値を、溶湯の凝固解析の計
算の際に、時間経過毎に求めた、解析モデル中の全ての
未凝固領域の固相率の平均値を用いるものである。図示
の計算手順においては、ステップ121 で、前記した固相
率の平均値のデータを読み込んでいる。なお、続くステ
ップ122 以降は、図2に示すステップ22以降と同等であ
るため、説明は省略する。
【0026】以上説明したように、本発明によれば、引
け巣体積の計算が容易となり、計算結果を記憶する容量
を低減化させることもできる。その結果、鋳造における
引け巣の発生位置とその体積を比較的簡易かつ容易に予
測することができ、解析結果の検討を短時間で行うこと
ができる。また、引け巣の発生位置を、その発生を避け
るべき部位と関連付けて予測を行うことも可能である。
さらに、引け巣体積の計算精度の向上をも図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による凝固解析の手順を概略示すフロー
チャートである。
【図2】本発明による凝固解析における、引け巣体積の
計算手順を示すフローチャートである。
【図3】解析モデル中で凝固時間がピークとなるセル位
置探査の手順を示すフローチャートである。
【図4】分裂過程追跡対象領域内でピークセルの個数の
変化とその時間を調べる手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】ピークセル個数を求める手順を示すフローチャ
ートである。
【図6】本発明に係る方法を用いる解析モデルにおける
等凝固時間分布を示す図である。
【図7】本発明に係る方法を用いる解析モデルにおける
ピークセルを示す図である。
【図8】本発明に係る方法を用いる解析モデルにおけ
る、未凝固領域の分裂過程を追跡した結果を示す図であ
る。
【図9】本発明に係る方法における、凝固収縮量の分配
の手順を説明するための簡単な解析モデルを概略示す図
である。
【図10】本方法を用いて凝固解析を行う解析モデル
と、当該解析モデルに係る鋳造品を、鋳造後に切削加工
などを行うことにより得られる製品の形状モデルとを比
較して、引け巣の発生位置やその大きさを予測するため
の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明による凝固解析における、解析モデル
中の未凝固領域の分裂過程の追跡の他の手順を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
90, 100 解析モデル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 46/00 G06F 19/00 110

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子計算機による鋳造品の凝固解析方法
    であって、解析対象となる鋳造品を多数のセルに分割し
    た解析モデルを用いた方法において、 前記解析モデルにおける、時間経過に伴う溶湯の凝固過
    程を計算するステップと、 前記計算により得られた、前記各セルの凝固時間を記憶
    して前記解析モデルにおける凝固時間分布を求めるステ
    ップと、 前記凝固時間分布により、凝固の進行に伴う未凝固領域
    の分裂過程を追跡し、前記未凝固領域が分裂する毎に、
    分裂した各領域の凝固収縮量を求め、この凝固収縮量か
    ら引け巣体積を得るステップと、を具えることを特徴と
    する、鋳造品の凝固解析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、 前記未凝固領域に含まれるセルの内、隣接する他のセル
    と比較して凝固時間が極大値を取るセルの数を求め、当
    該領域の分裂過程を当該セルの数の変化により追跡する
    ことを特徴とする、鋳造品の凝固解析方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法において、 前記解析モデルと、前記解析モデルの加工後の製品形状
    モデルとを比較しながら前記分裂過程の追跡を行うこと
    を特徴とする、鋳造品の凝固解析方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法
    において、 前記凝固過程の計算に際し、時間経過毎に前記解析モデ
    ル中の全ての未凝固領域の固相率の平均値を求め、 前記凝固収縮量の計算において、前記固相率の平均値を
    用いることを特徴とする、鋳造品の凝固解析方法。
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