JP3449166B2 - 希土類磁石用合金及びその製造方法 - Google Patents

希土類磁石用合金及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は希土類元素を含む永
久磁石の原料用合金とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類磁石は電子機器の小型高性能化に
伴い、生産量は増加の一途をたどっている。特にNdF
eB系材料はSmCoを凌ぐ高特性と原料面での優位性
から、生産量は増加し続けており、その中でも磁気特性
をさらに向上させた磁石へのニーズが高まりつつある。
R−T−B系磁石では磁性を担う強磁性相R2T14B相の他
に、非磁性でNd等の希土類元素の濃度の高い相(Rリ
ッチ相と呼ぶ)が存在し、次の様な重要な役割を果たし
ている。 融点が低く、磁石化工程の焼結時に液相となり、磁石
の高密度化、したがって磁化の向上に寄与する。 粒界の凹凸をなくし、逆磁区のニュークリエーション
サイトを減少させ保磁力を高める。 Rリッチ相は非磁性であり主相を磁気的に絶縁するこ
とから、保磁力を高める。 したがって、Rリッチ相の分散状態が悪いためにRリッ
チ相に覆われていない界面が存在すれば、その部分では
局所的な保磁力低下によって角型性が悪化するととも
に、焼結不良によって磁化も低下するため最大磁気エネ
ルギー積の低下をもたらすことが知られている。
【0003】ところが、高特性磁石になるほど強磁性相
であるR2T14B相の体積率を高める必要があるため、必然
的にRリッチ相の体積率が減少し、部分的なRリッチ相
不足を生じ、十分な特性が得られない場合が多い。そこ
で高特性材においてRリッチ相不足による特性低下の防
止方法に関する多くの研究が報告されており、それらは
大きく2つのグループに分けられる。
【0004】1つは主相R2T14B相とRリッチ相を別々の
合金から供給するものであり、一般に2合金法と呼ばれ
ている。2合金法は最終的な磁石組成は似通ったもので
も、2つの合金の組成の選択幅が広いこと、Rリッチ相
を供給する合金の組成、製法にも自由度が高いことから
幾つか興味深い結果が報告されている。
【0005】例えば、粒界相合金として焼結温度におい
て液相となる組成の非晶質合金を使用すれば、通常の一
合金法で作成した原料合金よりも、粒界相がFeリッチ
になっただけその粒界相の体積率を増加させることがで
きるため、磁石製作時のRリッチ相の分散性が良好とな
り、磁気特性向上に成功している。また、非晶質合金の
使用による粉末酸化の抑制も非常に有効に機能している
(E.Otsuki,T.Otsukaand T.Imai,11th International W
orkshop on Rare Earth magnets and theirApplication
s,vol.1,p328(1990) )。その他、Rリッチ相を供給す
る合金を高Co組成として粉末酸化の抑制に成功した研
究も報告されている(M.Honshimaand K.Ohashi,Journal
of Materials Engineering and Performance P.218-22
2 vol.3(2) April 1994 )。
【0006】もう一つは最終組成の合金をストリップキ
ャスティング法により、従来の金型鋳造法よりも早い冷
却速度で凝固させることで組織を微細化し、Rリッチ相
が微細に分散した組織を有する合金を生成させるもので
ある。合金内のRリッチ相が微細に分散しているため、
粉砕、焼結後のRリッチ相の分散性も良好となり、磁気
特性向上に成功している(特開平5-222488、特開平5-29
5490)。一方、R2T14B相は初晶α−Feと液相との包晶
反応で生成するため、R含有量が低下すると、α−Fe
が生成しやすくなる。α−Feは磁石製造時の粉砕効率
の悪化を招き、焼結後の磁石に残存すれば特性の低下を
もたらす。そこで、通常の金型鋳造法で溶製したインゴ
ットの場合、高温で長時間にわたる均質化熱処理による
α−Feの消去が必要となる。しかし、ストリップキャ
スティング法により凝固速度を増加させ、包晶反応温度
以下に過冷却できれば、α−Fe析出の抑制が可能とな
る。また、2合金法で一方の合金のR含有量を比較的少
なくして、主にR217相からなる組織を生成する場合
でも、ストリップキャティング法によりα−Fe生成抑
制、粉砕性向上が認められている。この際、主相系合金
は前例よりもR含有量が増加するため、従来の鋳造法で
もα−Feの生成量は少ないものと考えられるが、スト
リップキャスティング法によりRリッチ相の分散性が非
常に良好な組織を生成し、粉砕性、粒度分布の向上がも
たらされている(特開平7-45413 )。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように2合金法
とストリップキャスティング法、又はこれらの併用によ
って焼結後のRリッチ相の良好な分散がもたらされ、磁
気特性の向上がなされたが、まだ充分に要求特性が満た
されていない。本発明では、それら従来法にさらに改良
を加える事で、残留磁化(Br)が高い高磁気特性を安
定して発現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はR- T- B系
合金の組織と磁気特性の関連について検討した結果、ス
トリップキャスティング時の冷却条件を制御することに
より、Rリッチ相の体積率を減少させることによって、
残留磁化が大きくなることを見出した。あるいはまた、
鋳造後の熱処理により、Rリッチ相の体積率を減少させ
ることによって、磁石化して評価した際に、残留磁化が
大きくなる事実を見出した。この事実は2合金法の主相
系合金をストリップキャスティング法で作製した際にも
確認された。
【0009】また本発明者は、ストリップキャスト材も
含めて、R- T- B系磁石合金インゴットではRリッチ
相は結晶粒界に存在し、Rリッチ相の均一微細分布のた
めにはRリッチ相の間隔を小さくすること、すなわち結
晶粒径を小さくすることが重要であるとされてきた従来
の解析結果と異なり、Rリッチ相と結晶粒界とは必ずし
も対応していないこと。また、良好な磁気特性を得るた
めには結晶粒径は大きく、かつRリッチ相の間隔は細か
いことが必要であることも見出した。そして、鋳造時の
インゴットの冷却条件を制御することによって、Rリッ
チ相の間隔を細かくする一方で、結晶粒径を大きめにす
ることが可能であることを見出している。
【0010】すなわち、本発明はR(Yを含む希土類元
素のうち少なくとも1種)、T(Feを必須とする遷移
金属)及びBを基本成分とする永久磁石の原料用合金と
原料用合金の製造方法に於て、凝固速度の制御により、
あるいは凝固後の冷却速度の制御によってRリッチ相の
体積率、さらにはRリッチ相の間隔を適正化させるこ
と、さらにR2T14B相結晶粒径を制御することによって、
残留磁化の増加をもたらすものである。
【0011】ここで、本発明の構成を詳細に記す前にR2
T14B化学量論組成よりも若干Rリッチである一般的な主
相系合金の凝固、熱処理による組織変化に関してNd−
Fe−B3元系を例に説明する。通常の鋳型を使用した
凝固の場合、特に冷却速度が遅くなるインゴットの厚さ
方向の中央部近傍では、まず初晶α−Feが生成し、液
相との2相共存状態となる。次に1155℃の包晶反応によ
って、α−Feと液相からNd2Fe14B相を生成するが、反
応速度が冷却速度と比較して遅いため、α−FeはNd2F
e14B相内部に残存する。その後、温度低下に従い液相か
らNd2Fe14B相が排出され、液相は体積率が減少すると共
に、組成もNdリッチ側に変化し、最終的に液相は665
℃の3元共晶反応でNd2Fe14B相、Ndリッチ相、Bリッ
チ相の3相に凝固する。
【0012】しかし、ストリップキャスティング法等に
より凝固速度を増加した際には、先に触れたように合金
溶湯を包晶反応温度以下まで過冷却可能となるため、α
−Feの生成を抑制し、液相からNd2Fe14B相を直接生成
可能となる。また、その後の冷却も速く、液相からNd2F
e14B相が十分生成される以前に凝固するため、平衡状態
図で予想されるよりもNd2Fe14B相の体積率は少なく、高
温域での液相に相当するNd リッチ相のNdの濃度は低
く、Ndリッチ相の体積率は増加する。以上、Nd−F
e−B3元系を例に説明したが、一般のR−T−B系に
拡張しても反応温度等の多少の相違は存在するものの同
様に変化することが知られている。
【0013】次に本発明の構成を以下に詳細に記す。 (1) Rリッチ相以外の相の体積率 本発明は、Rリッチ相以外の相の体積率V(%)が13
8−1.6r以上(rは重量%で示したR含有量)であ
ることを特徴とする。ここで、Rリッチ相以外の相と
は、主相であるR2T14B相、Bリッチ相、その他合金組成
によって出現するR2T17 相等の主相R2T14B相よりも希土
類含有量の少ない相を総称して示す。先に説明したよう
にストリップキャスティング法等により凝固速度を増加
した際には、平衡状態図で予想されるよりも、Rリッチ
相が増え、R2T14B相の体積率は減少する。本発明の合金
ではストリップキャスティング法を採用しさらに鋳造後
の冷却条件を最適化することにより、α−Feの生成を
防止し、かつRリッチ相の体積率を減少させ、主相の体
積率を増加させると同時に、微細なRリッチ相が分布し
た組織としていることを特徴とする。
【0014】本発明は原料合金のRリッチ相の体積率が
磁石の残留磁化向上に寄与する点に着目した。Rリッチ
相不足で焼結性が低下しない範囲内で、R214B相の
体積率が大きく、Rリッチ相の体積率が小さいほど、磁
石の残留磁化は増加する。ここでR含有量が低いほどR
リッチ相は減少し、R214B相を主体としたRリッチ
相以外の相の体積率が増加する。平衡状態図から主相R
214B相の体積率を推定して、実験に於いて画像解析
装置を用いて確認した結果、本発明の効果をもたらすR
リッチ相以外の相の体積率Vは、重量%で示したRの含
有量rに対して変化し、残留磁化が高くなり好ましいV
の範囲はV(138−1.6r)となることが判明し
た。また、rが30(wt%)程度以上と比較的大きい
場合には、残留磁化と焼結性とのバランスから、主相R
214B相の体積率をV’(%)とすると、V’として
は(138−1.6r)<V’<95であることが好ま
しいことが判明した。また、2合金法に於いては主相系
合金の希土類量は、希土類量の多い粒界相系合金と混合
して使用するために、一般に30(wt%)以下と小さ
い。その場合でもV’91が好ましい。さらに好まし
くはV’93である。一方、粒界相系合金は、本特許
に記す合金よりも希土類量が大きく、組織も大きく異な
るため、特にここで規定するものではない。
【0015】先に従来の技術で取り上げた特開平7-1764
14では主相系合金のRリッチ相の減少は、単に焼結性の
低下による残留磁化の低下をもたらすとしているが、本
発明では、焼結性の低下をもたらすほど、Rリッチ相の
体積率が減少しない範囲内であれば、残留磁化が増加す
ることを確認している。
【0016】(2) R214B相の平均結晶粒径 R214B相の短軸方向の平均結晶粒径が10〜100
μmであることを特徴とする。なお、本明細書でR 2
14 B相の平均結晶粒径とは、短軸方向の平均結晶粒径を
意味する。主相の結晶粒径が10μmより小さいと、磁
場成形用の粉末粒径3〜5μmに微粉砕したとき粉砕粒
径の中に結晶粒界が存在する粉末粒子の割合が多くな
る。したがって、そのような粉末粒子には方位の異なる
2つ以上の主相が存在することになり、配向性を低下さ
せ残留磁化の低下を招く。そのため、平均結晶粒径は大
きい方が都合が良い。一方、100μmを越えるとスト
リップキャスティング法の高冷却速度の効果が薄れ、α
−Fe析出等の弊害を招く。より好ましくは、rが30
程度以上と比較的大きい場合には、10〜50μm、さ
らに好ましくは15〜35μmである。一方、rが比較
的少ない2合金法の主相系合金としては、20〜50μ
mが最も好ましい。
【0017】主相の各結晶粒は合金をエメリー紙で研磨
した後、アルミナ、ダイヤモンド等を使用してバフ研磨
した面を偏光顕微鏡で観察することにより容易に識別可
能である。偏光顕微鏡では磁気Kerr効果により、入
射した偏光が強磁性体表面の磁化方向に応じた偏光面の
回転を生じて反射するため、各結晶粒から反射する偏光
面の相違が明暗として観察される。
【0018】(3) Rリッチ相の間隔 Rリッチ相の間隔が3〜15μmであることを特徴とす
る。Rリッチ相の間隔が15μmを越えると、Rリッチ
相の分散状態が悪くなり、磁場成形用の粉末粒径3〜5
μmに微粉砕したとき、Rリッチ相が存在する粉末粒子
の割合が減少する。したがって、磁場成形後のRリッチ
相の分散状態も悪化して、焼結性の低下を招き、磁石化
後の磁化、保磁力の低下をもたらす。また、Rリッチ相
の偏在は部分的な保磁力の低下をもたらし、磁石化後の
角型性の低下をもたらす。一方、3μmより小さい場合
は、凝固速度が速すぎる場合に相当し、結晶粒の微細化
といった弊害をもたらす。より好ましくは、rが30程
度以上と比較的大きい場合には、3〜10μm、さらに
好ましくは3〜8μmである。一方、rが比較的少ない
2合金法の主相系合金としては、5〜12μmが最も好
ましい。
【0019】Rリッチ相は、合金をエメリー紙で研磨し
た後、アルミナ、ダイヤモンド等を使用してバフ研磨し
た面を走査型電子顕微鏡(SEM)の反射電子線像によ
り観察できる。Rリッチ相は主相よりも平均原子番号が
大きいため、反射電子線像では、主相よりも明るく観察
される。そしてRリッチ相の間隔は、例えばストリップ
断面の観察において、ロール面あるいは自由面に平行に
線分を引き、その線分が横切ったRリッチ相の数で、線
分の長さを割ることにより求めることができる。
【0020】(4) 製造方法 第1は、ストリップキャスト法で作製したことを特徴と
する。特に、ストリップキャスト後、融点から1000
℃までの平均冷却速度を300℃/秒以上とし、800
〜600℃での冷却速度を1.0℃/秒以下とすること
を特徴とする。ストリップキャスティング法によれば、
α−Feの存在しない薄片状合金の作製が可能であり、
最近、装置の改良も進み生産性も向上してきた。結晶粒
径とα−Feの生成有無に影響するのは、凝固速度や包
晶温度近傍までの高温域での冷却速度と考えられる。結
晶粒径を大きくするためにはこれらの冷却速度が遅い方
が望ましく、一方α−Feの生成を防止するためには速
い方が望ましい。また、Rリッチ相の間隔はこれら高温
域での冷却速度とさらに共晶温度域に近いより低温域ま
での冷却速度に依存し、これらの冷却速度が速いほどよ
り小さく、微細に分布することになる。以上から最適な
組織を得るためには、最適な冷却条件が存在することに
なる。
【0021】広範囲の実験を行った結果、融点から10
00℃までの平均冷却速度は300℃/秒以上、より好
ましくは500℃/秒以上とすれば良いことが知られ
た。300℃/秒以下ではα−Feが生成し、またRリ
ッチ相の間隔も広く、微細な組織とならない。ロールか
ら離脱する前のストリップの冷却速度に最も大きく影響
する要因としてストリップ厚さが挙げられる。融点から
1000℃までの平均冷却速度を300℃/秒以上と
し、かつ最適な結晶粒径とRリッチ相の間隔を有した組
織とするためには、ストリップ厚さは0. 15〜0. 6
0mmとするのが良い。より好ましくは0. 20〜0.
45mmである。ストリップの厚さが0.15mm以下で
は、凝固速度が速くなりすぎてしまい、結晶粒径が好ま
しい範囲よりも小さくなってしまう。冷却速度の正確な
測定は困難であるが、簡易的には次のようにして求めら
れる。ロールから離脱した直後のストリップの温度は、
簡単に測定可能であり、700〜800℃程度である。
そこで、温度降下値を溶湯がロールに供給されてから、
離脱、温度測定するまでの時間で割れば、その温度範囲
での平均冷却速度を求めることができる。この方法によ
り融点から800℃までの平均冷却速度が求められる。
本方法を含めて、通常の凝固、冷却過程に於いては、高
温域ほど冷却速度は大きい。そのため、前記した方法に
よって、融点から800℃までの平均冷却速度が、30
0℃/秒以上であることが確認できれば、融点から10
00℃での冷却速度も300℃/秒以上であると言え
る。なお、冷却速度の上限を正確に規定するのは困難で
あるが、104 ℃/秒程度以下であることが好ましいと
思われる。
【0022】ストリップキャスティング法では冷却速度
が数百〜数千℃/ 秒と速いため、先に説明したように、
Rリッチ相の体積率が平衡状態図で予想されるよりも高
い組織が得られ、従来はそのような組織は好ましいもの
として受入れられてきた。しかし、本発明ではRリッチ
相以外の相の体積率を高めるため、800〜600℃の
冷却速度を1.0℃/秒以下、好ましくは0.75℃/
秒以下として液相からのR2T14B相の生成を促進すること
とした。800〜600℃の冷却速度が1.0℃/秒を
越えると、液相のRリッチ相からR2T14B相が十分に生成
しきらない内に凝固してしまい、結果としてRリッチ相
の体積率が多くなるため、本発明の主旨から外れる。ま
た、この冷却速度の制御により、Rリッチ相の間隔を適
度に大きくする効果ももたらされる。
【0023】本発明ではロールから落下する際の温度を
700℃以上として、その後に適度に保温可能な工程を
有することで800〜600℃での冷却速度の制御が可
能となる。
【0024】また、本発明の合金を得る他の方法とし
て、ストリップキャスティング法により鋳造冷却した後
に、800〜600℃で熱処理することによっても同様
の効果が得られる。この熱処理はα−Fe消去を目的と
した均質化熱処理よりも低温短時間であるため、装置
的、生産効率面での弊害は少ない。鋳造片が薄いため熱
処理時間は通常10分以上あれば良く、3時間を超える
必要はない。熱処理雰囲気は酸化を防止するため、真空
又は不活性雰囲気とする必要がある。熱処理後の冷却は
600℃程度までを徐冷とするのが好ましい。
【0025】なお、最近ストリップキャスト材に関する
発明が幾つか報告されている。一つは、やはり特定の冷
却速度により、所望の組織を生成するものである(特開
平8-269643)。それは、溶湯をロールにて2×103
/sec 〜7×103 ℃/sec の1次冷却にて鋳片温度7
00〜1000℃に冷却後、ロール離脱後に前記鋳片を
合金の固相線温度以下に50〜2×103 ℃/min の2
次冷却速度にて冷却し、平均短軸結晶粒径3〜15μm
のR2T14B相と5μm以下のRリッチ相とが、微細に分散
した組織を形成し、配向度の低下及び磁石化の際の粉砕
時の微粉化、粉末の酸化を防止し、磁気特性の向上に成
功したものである。
【0026】一方、本発明も鋳造時の冷却速度を高温域
と低温域に分けて規定して、所望の組織を生成し、磁気
特性の向上をもたらしている。しかし、本発明の合金組
織は、R2T14B相の平均結晶粒径は10〜100μmで、
特開平8-269643の3〜15μmとは異なる。また、Rリ
ッチ相についても、本発明では、その間隔を3〜15μ
mとしたのに対し、特開平8-269643ではその大きさのみ
にしか触れていない。そして、特開平8-269643では低温
域にあたる2次冷却速度が遅いと、結晶粒が成長し、焼
結磁石のiHc の低下を招くとしている。そして、好ま
しい2次冷却速度は、50℃/min 〜2×103 ℃/mi
n であり、この冷却速度の上限も量産性の面から設定さ
れたものであり、特性面から規定されたものではない。
一方、本発明では、高温域、低温域のそれぞれの冷却速
度を制御して、R2T14B相の結晶粒径は大きく、Rリッチ
相はその間隔を狭く、体積率を小さくしたものであり、
例えば800から600℃での低温域の冷却速度は、特
開平8-269643の50℃/min 〜2×103 ℃/min
(0.83〜33.3℃/sec )とは反対に遅くして、
1.0℃/sec 以下、好ましくは0.75℃/sec 以下
としたもので、鋳造後の熱処理の有効性にも触れてお
り、全く異なったものである。
【0027】もう一つはストリップキャスト法で得た薄
板を800〜1100℃で熱処理し、表層部の硬化除
去、次工程での水素吸蔵処理における合金の崩壊性を速
め微細化を促進するものである(特開平8-264363)。し
かし、合金組織についての規定はなく、好ましい熱処理
の範囲も本発明の600から800℃とは異なる。
【0028】
【作用】本発明は、R(Yを含む希土類元素のうち少な
くとも1種)、T(Feを必須とする遷移金属)及びB
を基本成分とする永久磁石用の原料用合金と原料用合金
の製造方法に於て、合金中のRリッチ相以外の相の体積
率を凝固速度、または凝固後の熱処理によって増加する
こと、またR2T14B相結晶粒径の制御によって、さらにR
リッチ相の間隔を制御することにより、焼結磁石化後の
残留磁化の増加をもたらしたものである。
【0029】ここで各合金中のRリッチ相の体積率が、
磁石の残留磁化に影響を及ぼす原因について考察する。
Rリッチ相の体積率が大きい時は、Rリッチ相が非平衡
状態で多量に存在する。そして一般的に磁石の製造工程
で一般的に採用されている水素解砕を行う際、Rリッチ
相は優先的に水素を吸収し、脆化し、そのような作用に
よりRリッチ相がクラックの優先的な発生伝播経路とな
る。したがって、結果として、Rリッチ相の体積率と分
布状態が微粉砕後の粉末の形状、粒度分布に影響し、結
果として磁場成形時の配向度に影響すると推定すること
も可能である。実際にRリッチ相の間隔が3μm程度以
下になると、粉末の形状が角ばったものとなる傾向を確
認している。
【0030】
【実施例】
(実施例1)合金組成が、Nd:30.7重量%、B:
1. 00重量%、Co:2.00重量%、Al:0. 3
0重量%、Cu:0.10重量%、残部鉄になるよう
に、鉄ネオジム合金、金属ディスプロシウム、フェロボ
ロン、コバルト、アルミニウム、銅、鉄を配合し、アル
ゴンガス雰囲気中で、アルミナるつぼを使用して高周波
溶解炉で溶解し、ストリップキャスティング法により、
厚さ約0.33mmのストリップを生成した。この際、
キャスティングロールから離脱した高温のストリップ
を、保温効果の大きい断熱材で作製した箱の中に1時間
保持した後、水冷構造を有する箱の中に入れて常温まで
急冷した。断熱箱中でのストリップの温度変化を箱に設
置した熱電対で測定した結果、断熱箱に落下した時の温
度は710℃であった。その後、600℃に到達するま
でに8分が経過した。したがって、800℃から710
℃までの冷却に要する時間を無視しても、800〜60
0℃の平均冷却速度は毎秒0.56℃であり、実際には
これより低くなる。一方、融点から800℃までの冷却
速度は、断熱箱に落下するまでに要する時間より毎秒4
00℃以上であった。また、ロール上のストリップの温
度を放射温度計で測定した結果から、融点から1000
℃までの冷却速度は毎秒1000℃以上であることが判
った。得られたストリップの断面組織を偏光顕微鏡で観
察した結果、主相R2Fe14B 相の平均結晶粒径は約28μ
mであった。また、走査型電子顕微鏡の反射電子線像を
観察した結果、Rリッチ相は結晶粒界と主相粒内に筋
状、あるいは一部粒状となって存在し、その間隔は約5
μmであった。その他Bリッチ相と思われる比較的希土
類含有量の少ない相が少量存在していた。Rリッチ相以
外の相の体積率Vと主相R2Fe14B 相の体積率V’を画像
処理装置を用いて測定した結果、それぞれ、92%、9
1%であった。
【0031】次に同合金に室温にて水素を吸蔵させ、6
00℃にて水素を放出させた。この混合粉をブラウンミ
ルで粗粉砕し、粒径0.5mm以下の合金粉末を得、次
にジェットミルで微粉砕し、3.5μmの平均粒径から
なる磁石粉を得た。得られた微粉末を15kOeの磁場
中にて1.5ton/cm2 の圧力で成形した。得られ
た成形体を真空中1050℃で4時間焼結した後、1段
目の熱処理を850℃で1時間、2段目の熱処理を52
0℃で1時間行なった。得られた磁石の磁気特性を表1
に示す。
【0032】(比較例1)実施例1と同じ組成となるよ
うに、実施例1と同様にストリップキャスティング法に
より、厚さ約0.33mmの合金ストリップを生成し
た。この際、キャスティングロールから離脱した高温の
ストリップを直接、水冷構造を有する箱の中に入れて常
温まで急冷した。箱中でのストリップの温度変化を箱に
設置した熱電対で測定した結果、箱に落下した時の温度
は710℃であった。その後、600℃に到達するまで
に要した時間は15秒であった。一方、800℃から7
10℃の冷却に要した時間は、ストリップが箱に落下す
るまでに要した時間よりも短くなるため、最大でも2秒
程度である。したがって、それを加えても800〜60
0℃の平均冷却速度は毎秒12℃であり、実際にはこれ
よりも大きくなる。一方、融点から800℃までの冷却
速度は、実施例1と相違ない。その断面の組織を偏光顕
微鏡で観察した結果、主相R2Fe14B 相の平均結晶粒径は
約28μmであった。また、走査型電子顕微鏡の反射電
子線像を観察した結果、Rリッチ相は結晶粒界と主相粒
内に筋状、あるいは一部粒状となって存在し、その間隔
は約2μmであった。Rリッチ相以外の相の体積率Vと
主相R2Fe14B 相の体積率V’を画像処理装置を用いて測
定した結果、ともに87%であった。次にこの合金を用
いて、実施例1と同様の方法で焼結磁石を作製し、その
磁気特性を表1に示す。
【0033】(実施例2)実施例1と同じ組成となるよ
うに、実施例1と同様にストリップキャスティング法に
より、厚さ約0.33mmの合金ストリップを生成し
た。ロールから離脱したストリップは実施例1と同様の
断熱材で作製した箱の中に薄く広げるように堆積させ
た。その状態で1時間保持した後、水冷構造を有する箱
の中に入れて常温まで急冷した。断熱箱中でのストリッ
プの温度変化を箱に設置した熱電対で測定した結果、断
熱箱に落下した時の温度は710℃であった。その後、
600℃に到達するまでに要した時間は4分10秒であ
った。したがって、800〜600℃の平均冷却速度は
毎秒0.80℃以下である。一方、融点から800℃ま
での冷却速度は、実施例1と相違ない。その断面の組織
を偏光顕微鏡で観察した結果、主相R2Fe14B 相の平均結
晶粒径は約28μmであった。また、走査型電子顕微鏡
の反射電子線像を観察した結果、Rリッチ相は結晶粒界
と主相粒内に筋状、あるいは一部粒状となって存在し、
その間隔は約4μmであった。その他Bリッチ相と思わ
れる比較的希土類含有量の少ない相が少量存在してい
た。Rリッチ相以外の相の体積率Vと主相R2Fe14B 相の
体積率V’を画像処理装置を用いて測定した結果、それ
ぞれ、91%、90%であった。次にこの合金を用い
て、実施例1と同様の方法で焼結磁石を作製し、その磁
気特性を表1に示す。
【0034】(比較例2)実施例1と同じ組成となるよ
うに、実施例1と同様にストリップキャスティング法に
より、主相系合金のストリップを生成した。この際、注
湯速度を減少させたため、ストリップの厚さは約0.1
3mmであった。ロールから離脱したストリップは実施
例1と同様に断熱材で作製した箱の中に1時間保持した
後、水冷構造を有する箱の中に入れて常温まで急冷し
た。断熱箱中でのストリップの温度変化を箱に設置した
熱電対で測定した結果、断熱箱に落下した時の温度は6
30℃であった。その後、600℃に到達するまでに要
した時間は3分であった。したがって、800〜600
℃の平均冷却速度は毎秒1.1℃以下である。一方、融
点から800℃までの冷却速度は、毎秒500℃以上で
あった。その断面の組織を偏光顕微鏡で観察した結果、
主相R2Fe14B 相の平均結晶粒径は約12μmであった。
また、走査型電子顕微鏡の反射電子線像を観察した結
果、Rリッチ相は結晶粒界と主相粒内に筋状、あるいは
一部粒状となって存在し、その間隔は約4μmであっ
た。Rリッチ相以外の相の体積率Vと、主相R2Fe14B 相
の体積率V’を画像処理装置を用いて測定した結果、そ
れぞれ、91%、90%であった。
【0035】(比較例3)実施例1と同じ組成となるよ
うに、水冷機構を有する鉄製鋳型を用いて、厚さ25m
mのインゴットを作製した。その断面の組織を偏光顕微
鏡で観察した結果、主相R2Fe14B 相の平均結晶粒径は約
150μmであった。しかし、走査型電子顕微鏡の反射
電子線像を観察した結果、インゴット全体に多量のα−
Feが存在していたため、磁石は作製しなかった。
【0036】(実施例3)合金組成として、NdとDy
の含有量がそれぞれ30.8重量%、1.2重量%であ
り、その他の成分及び含有量は実施例1と同じ組成とな
るように、実施例1と同様の条件でストリップキャステ
ィング法により、約0.33mmの合金ストリップを生
成し、実施例1と同様の方法で焼結磁石を作製した。こ
の際の冷却速度、合金組織、焼結磁石の特性を併せて表
1に示す。
【0037】(実施例4)2合金法に於いて、主相系合
金は組成がNd:28.0重量%、B:1. 09重量
%、Al:0. 3重量%、残部鉄になるように、実施例
1と同様にしてストリップキャスティング法で、厚さ約
0.35mmのストリップを生成した。この際の冷却速
度、合金組織を表1に示す。一方、粒界相系合金は組成
がNd:38.0重量%、Dy:10.0重量%、B:
0.5重量%、Co:20重量%、Cu:0.67重量
%、Al:0.3重量%、残部鉄になるように、鉄ネオ
ジム合金、金属ディスプロシウム、フェロボロン、コバ
ルト、銅、アルミニウム、鉄を配合し、アルゴンガス雰
囲気中で、アルミナるつぼを使用して高周波溶解炉で溶
解し、遠心鋳造法により、厚さ約10mmのインゴット
を生成した。次に主相系合金85重量%と粒界相系合金
15重量%を混合し、室温にて水素を吸蔵させ、600
℃にて水素を放出させた。この混合粉をブラウンミルで
粗粉砕し、粒径0.5mm以下の合金粉末を得、次にジ
ェットミルで微粉砕し、3.5μmの平均粒径からなる
磁石粉を得た。得られた微粉末を15kOeの磁場中に
て1.5 ton/cm2の圧力で成形した。得られた成形体を
真空中1050℃で4時間焼結した後、1段目の熱処理
を850℃で1時間、2段目の熱処理を520℃で1時
間行なった。得られた磁石の磁気特性を表1に併せて示
す。
【0038】(比較例4)実施例4と同じ組成となるよ
うに、実施例4と同様してにストリップキャスティング
法により、厚さ約0.35mmの主相系合金のストリッ
プを生成した。この際、キャスティングロールから離脱
した高温のストリップを直接、水冷構造を有する箱の中
に入れて常温まで急冷した。この際の冷却速度、合金組
織を表1に示す。次にこの主相系合金と実施例4で作製
した粒界相系合金を用いて、実施例4と同様の方法で焼
結磁石を作製し、その磁気特性を表1に併せて示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、最大磁力積((BH)
MAX )が40MGOe級以上の強力な永久磁石を容易に
得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の合金の結晶粒径を示す偏光顕微鏡組
織写真(倍率200倍)。
【図2】実施例1の合金のRリッチ相の分散状態を示す
反射電子顕微鏡組織写真(倍率200倍)。
【図3】比較例1の合金のRリッチ相の分散状態を示す
反射電子顕微鏡組織写真(倍率200倍)。
【図4】比較例2の合金の結晶粒径を示す偏光顕微鏡組
織写真(倍率200倍)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−222304(JP,A) 特開 平5−222488(JP,A) 特開 平5−295490(JP,A) 特開 平7−66022(JP,A) 特開 平7−176414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 303 C22C 33/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(Y を含む希土類元素のうち少なくと
    も1種)を27〜34wt%、B を0.7〜1.4wt
    %含み、残部がT(TはFeを必須とする遷移金属)から
    成る組成を有し、R-リッチ相以外の相の体積率V(%)
    が(138−1.6r)以上(ただしrはR の含有量)
    で、R2T14B相の平均結晶粒径が10〜100μm、R リ
    ッチ相の間隔が3〜15μmであることを特徴とする希
    土類磁石用合金。
  2. 【請求項2】 合金組成が R(Y を含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種)を28〜33wt%、B を0.95
    〜1.1 wt%含み、残部がT (Feを必須とする遷移金
    属)から成る組成であり、R2T14B相の体積率V’(%)
    が138−1.6r<V’<95であり、R2T14B相の平
    均結晶粒径が10〜50μmで、R リッチ相の間隔が3
    〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の希
    土類磁石用合金。
  3. 【請求項3】 合金組成が R(Y を含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種)を30〜32wt%、B を0.95
    〜1.05wt%含み、残部がT (Feを必須とする遷移
    金属)から成る組成であり、R2T14B相の体積率V’
    (%)が138−1.6r<V’<95であり、R2T14B
    相の平均結晶粒径が15〜35μmで、Rリッチ相の間
    隔が3〜8μmであることを特徴とする請求項1に記載
    の希土類磁石用合金。
  4. 【請求項4】 合金組成が R(Y を含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種)を27〜30wt%、B を0.7 〜
    1.4wt%含み、残部がT (Feを必須とする遷移金
    属)から成る組成であり、R2T14B相の体積率V’(%)
    が91以上であり、R2T14B相の平均結晶粒径が15〜1
    00μm、Rリッチ相の間隔が3〜15μmであること
    を特徴とする請求項1に記載の希土類磁石用合金。
  5. 【請求項5】 合金組成が R(Y を含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種)を28〜29.5wt%、B を1.
    1〜1.3wt%含み、残部がT (Feを必須とする遷移
    金属)から成る組成であり、R2T14B相の体積率V’
    (%)が93以上であり、R2T14B相の平均結晶粒径が2
    0〜50μm、Rリッチ相の間隔が5〜12μmである
    ことを特徴とする請求項1に記載の希土類磁石用合金。
  6. 【請求項6】 R(Y を含む希土類元素のうち少なくと
    も1種)を27〜34wt%、B を0.7〜1.4wt
    %含み、残部がT (Feを必須とする遷移金属)から成る
    組成を有する合金溶湯をストリップキャステイング法で
    鋳造し、該合金の融点から1000℃迄の平均冷却速度
    を300℃/秒以上とし、800℃から600℃間の平
    均冷却速度を1. 0℃/秒以下とすることを特徴とする
    希土類磁石用合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 融点から1000℃迄の平均冷却速度を
    500℃/秒以上とし、800℃から600℃間の平均
    冷却速度を0. 75℃/秒以下とすることを特徴とする
    請求項6に記載の希土類磁石用合金の製造方法。
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