JP3448959B2 - 波長変換素子及び波長変換光源 - Google Patents

波長変換素子及び波長変換光源

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JP3448959B2
JP3448959B2 JP14149394A JP14149394A JP3448959B2 JP 3448959 B2 JP3448959 B2 JP 3448959B2 JP 14149394 A JP14149394 A JP 14149394A JP 14149394 A JP14149394 A JP 14149394A JP 3448959 B2 JP3448959 B2 JP 3448959B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基本波となる励振光を
光高調波に波長変換する波長変換素子及び波長変換光源
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置等において、ディスクの
情報の読み書きに用いる光源の波長を短波長化すること
により記録密度の向上を図れることが良く知られてい
る。例えば780nmの発振波長をもつ半導体レーザの
変わりにその半分の波長の390nmのレーザを光ディ
スク装置の光源として用いれば記録密度を4倍程度向上
できる。
【0003】現在、650nm以上の赤、赤外波長領域
においては半導体レーザが実用に供されている。ところ
が、これ以下の短波長領域においては今のところ常温に
おいて安定に短波長コヒーレント光を誘導放射により直
接発生させることのできる光源は知られていない。そこ
でこれに変わる方法として、KTP(KTiOP
4)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の非線形光
学特性を有する材料を用い高調波光によって波長変換を
行う素子が短波長光源として研究されている。
【0004】このような非線形光学効果による高調波光
発生を利用した波長変換素子において高効率で波長変換
を行うためには、その非線形光学材料中での励振光と高
調波光との位相を整合させる必然性が出てくる。そこで
この位相整合条件を満足させる方法として例えば非線形
光学結晶中の分極をコヒーレント長ごとに周期的に反転
させる疑似位相整合法(QPM:Quasi Phase Matchin
g)や導波のモード分散を利用した位相整合法などが知
られている。しかしながらこれらの位相整合法は同時に
波長変換効率の極端な波長依存性を伴い、例えばLiN
bO3中に長さ3mmにわたり分極反転構造を作り込み
上記QPM法を用いて波長変換を行った場合、その変換
効率の半値幅は0.15nm程度と極めて狭帯域化す
る。このため安定に高調波による光出力を得るためには
励振光源の発振波長を位相整合条件を満たす特定波長に
おいて安定化させる必要があった。
【0005】このような励振光源の発振波長を安定化さ
せる方法としては、従来、外部グレーティング、あるい
はブラッグ反射により特定波長を反射する構造を導波路
などに組み込み、これら外部グレーティングあるいはブ
ラッグ反射器などからの波長選択性を伴う光を半導体レ
ーザ等のレーザ媒体に対して帰還することよって実現し
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
波長安定化法を位相整合を用いた波長変換素子の励振光
源に用いた場合、励振光の発振波長を温度などの外的環
境要因や経時変化によって随時変化する素子の位相整合
波長に追随させる必要があるために、例えば励振光源波
長に摂動を加え、高調波光の光出力の変化から誤差信号
を検出する機能と、この誤差信号をもとに外部グレーテ
ィングを励振光の光軸に対して回転させるなどして励振
光の発振波長を能動的に変える機能を必要とした。
【0007】このため上述のような波長変換素子におい
ては発振波長の誤差信号を検出するための電気的検出機
構ならびに外部グレーティング等の波長選択素子の選択
波長を変化させるための電気的あるいは機械的な発振波
長可変機能を付随させる必要性があり波長変換光源の小
型化、低価格化を図ることが困難であった。また、これ
らの電気的検出機構並びに電気的或は機械的な発振波長
可変機能を付随させることにより、励振光源からの出射
光の到達率を小さくしてしまい波長変換効率を向上でき
ない。
【0008】また、ブラッグ反射器を設けた導波路を用
いた場合には励振光源の波長可変範囲はブラッグ反射波
長の可変範囲によって決ってしまい、電界印加による波
長可変を考えた場合、通常、波長可変幅が1nm未満と
狭いため、位相整合波長の揺らぎに十分追従することが
できない。
【0009】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、部品点数を大幅に削減することにより小型化、
低価格化を図り、かつ、励振光源からの出射光の到達率
を大きくし波長変換効率を向上し広い波長可変領域を確
保して長期に渡って光出力を安定化する波長変換素子及
び波長変換光源の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る波長変換素
子は、励振光源からのコヒーレントな波長λの励振光を
高調波光に変換する波長変換素子において、上記励振光
の光出力を分配する光分配手段と、上記光分配手段によ
り分配された励振光の一方から非線形光学結晶を用いて
高調波光を発生する光高調波発生手段と、上記光高調波
発生手段を透過した励振光を再び上記光分配手段に未変
換励振戻り光として戻す第1の光路と、上記光分配手段
により分配された励振光の他方を上記第1の光路の光路
長に対し、λ/2±n・λ(n=0、1、2、3・・
・)の光路差を有して上記光分配手段に戻す第2の光路
とを有し、上記第2の光路により戻された上記励振光の
他方を、上記第1の光路が戻した上記未変換励振戻り光
と合成して、上記励振光源に対し光学的に帰還させるこ
とにより上記課題を解決する。
【0011】この場合、上記第1の光路及び上記第2の
光路は、光導波路中の光路であってもよい。
【0012】また、上記光高調波発生手段は、非線形光
学結晶中の分極をコヒーレント長毎に周期的に反転させ
た位相整合により高調波光を発生するようにしてもよ
い。
【0013】また、上記光高調波発生手段は、二次高調
波光を発生するようにしてもよい。
【0014】また、本発明に係る波長変換光源は、レー
ザ媒体からのレーザ光を励振光とした上記波長変換素子
を有し、該波長変換素子にレーザ共振器の少なくとも一
方を構成させることにより上記課題を解決する。
【0015】この場合、上記レーザ媒体として半導体レ
ーザを用いるようにしてもよい。
【0016】また、上記波長変換素子は、二次高調波を
発生するようにしてもよい。
【0017】
【作用】位相整合波長において選択的に光を励振光源に
帰還させ、光学的手段のみによって位相整合波長での励
振光源の発振を可能とするので、電気的検出機構ならび
に外部グレーティング等の波長選択素子の選択波長を変
化させるための電気的あるいは機械的な発振波長可変機
能を付随させる必要性が無く部品点数を大幅に削減する
ことができ、小型化、低価格化を図ることができる。ま
た、これらの電気的検出機構並びに電気的或は機械的な
発振波長可変機能を不要とするので、励振光源からの出
射光の到達率を大きくでき波長変換効率を向上できる。
【0018】また、励振光源に用いるレーザ媒体のゲイ
ンのみが波長可変範囲を限定する要因となるので、半導
体レーザを光源に用いた場合30nm程度の波長可変領
域を確保することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係る波長変換素子及び波長変
換光源の好ましい実施例を説明する。この実施例は、励
振光源としての半導体レーザに波長変換素子を光学的に
接続した波長変換光源である。
【0020】先ず、この波長変換光源の概略的な構成を
図1を参照しながら説明する。この波長変換光源は、励
振光源である半導体レーザ1から出射されたレーザ光が
導入されるよう光分配器3を該半導体レーザ1に対して
入射面2を介し光学的に接続し、さらに該光分配器3に
より分配された光出力の少なくとも一つをニオブ酸リチ
ウム(以下、LiNbO3という。)等の非線形光学結
晶材料よりなる光高調波発生器4に光学的に接続する。
【0021】半導体レーザ1は、コヒーレントな波長λ
のレーザ光を光分配器3に出力する。この光分配器3に
より分配されたレーザ光の一方は、LiNbO3よりな
る光高調波発生器4に供給される。光高調波発生器4
は、供給されたレーザ光を基に非線形光学効果により高
調波光を発生する。このとき、光高調波発生器4中にお
いて光高調波に変換されることのなかった未変換レーザ
光の一部或は全部は、光高調波発生器4に光学的に接続
された未変換励振光反射器7により、進行してきた方向
と逆方向に反射される。この未変換励振光反射器7によ
って反射された未変換レーザ光は光高調波発生器4中を
上述したのとは逆の方向に進み再度、光分配器3に至
る。ここで、光分配器3と未変換励振光反射器7との間
の往復光路を第1の光路5としておく。すなわち、この
第1の光路5は、光高調波発生器4を透過したレーザ光
を再び光分配器3に未変換励振戻り光として戻す。
【0022】分配器3により分配されたレーザ光の他方
の一部或は全部は、光分配器3に光学的に接続された他
の光反射器6により、進行してきた方向と逆方向に反射
され、光分配器3に至る。ここで、光分配器3と光反射
器6との間の往復光路を第2の光路8としておく。すな
わち、この第2の光路8は、光分配器3により分配され
たレーザ光の他方を再び光分配器3に戻す。この戻り光
を以下では参照光とする。
【0023】この光高調波発生器4において、例えば非
線形光学結晶中の分極をコヒーレント長毎に周期的に反
転させる疑似位相整合法(以下、QPM法という。)等
の位相整合方法を用いる場合、励振光の高調波光への変
換効率は極端な波長依存性を示す。例えば、図2に示す
ように光高調波光出力S(ω)は位相整合条件を満たす
波長λPMで選択的に高調波光を発生する。光高調波発生
は励振光から高調波光へのエネルギーの移転を伴うた
め、位相整合波長λPMにおいては高調波光の光出力が増
加し、かわりに高調波発生器を透過する励振光の光出力
D(ω)が減衰することになる。
【0024】参照光は、第2の光路8によって、光分配
器3に戻される。ここで、第2の光路8は、第1の光路
5の光路長L1に対し、λ/2±nλ(λ:励振光波
長、n=0、1、2、3・・・)、好適には半波長(±
λ/2)の光路差の光路長L2となるように設定されて
いる。
【0025】上記のようにして光分配器3に再び至った
参照光ならびに未変換励振光は光分配器3中にて線形合
成されるが互いに位相が半波長ずれているため、合成さ
れた光の強度は参照光並びに戻ってきた未変換励振光の
電界強度の差の2乗となる。そこで図3に示すように、
好ましくは光分配器3手前の参照光の光出力R(ω)を
高調波発生器4より戻ってくる未変換レーザ光の光出力
R(ω)の最大値、つまり位相不整合により高調波光
が全く発生しない状態での戻り励振光出力よりも大きく
設定することにより光分配器3によって合成された後の
光の出力FF(ω)が参照光出力R(ω)と未変換レー
ザ光出力FR(ω)との差、すなわち、 FF(ω)=R(ω)−FR(ω) (1) となるようにする。この光分配器3によって合成された
後の光の出力FF(ω)は、半導体レーザ1への戻り光
量となり、図4に示すように光出力の波長依存性を示
す。
【0026】以上のような、光分配器3、未変換励振光
反射器7及び反射器6等からなる光学系を構築すること
によって光高調波発生器4において位相整合条件が満た
され、生成される高調波光が増加する波長領域において
のみ選択的にその半導体レーザ1に対し光学的な帰還が
かかる光学的機構を形成することができる。
【0027】上述の光学系に光学的に接続されている半
導体レーザ1に帰還光発生波長領域、すなわち高調波発
生波長領域においてレーザ発振を行うのに十分なゲイン
をもつレーザ媒体を伴わせることによって高調波発生波
長領域において励振光源の選択的なレーザ発振を可能に
し、もって安定に励振光の高調波光への効率的な変換を
電気的な制御を伴うことなく実現することができる。ま
た、この実施例の波長変換光源は、光学的手段のみによ
って位相整合波長での励振光源の発振を可能とするの
で、電気的検出機構ならびに外部グレーティング等の波
長選択素子の選択波長を変化させるための電気的あるい
は機械的な発振波長可変機能を付随させる必要性が無く
部品点数を大幅に削減することができ、小型化、低価格
化を図ることができる。また、これらの電気的検出機構
並びに電気的或は機械的な発振波長可変機能を不要とす
るので、励振光源からの出射光の到達率を大きくでき波
長変換効率を向上できる。
【0028】次に、上記実施例の波長変換光源の具体例
を図5を参照しながら説明する。この具体例は、半導体
レーザ11と波長変換素子14とを光学的に接続してな
る。
【0029】波長変換素子14は、QPM法による位相
整合を行い二次の高調波を発生(SHG)する。この波
長変換素子14は、非線形光学結晶であるLiNbO3
結晶21上の一部領域に電界反転法等を用いてQPM−
SHG用の分極反転領域23を形成し、ついでフォトリ
ソグラフィーとプロトン交換等の手法を用い光分配器
(Y型光導波路)22並びに該光分配器22に接続され
た光導波路26、27、12を形成してなる。このうち
光導波路26は分極反転領域23上を通るように形成さ
れる。これをもって二次高調波発生器15が形成され
る。光導波路26は、さらに光分配器22により分配さ
れたもう一方の光導波路27と共にLiNbO3結晶2
1上の出射端面28まで延長される。光導波路26の出
射端面28まで延長された端面を未変換励振光反射導波
路端面24とし、光導波路27の出射端面28まで延長
された端面を参照光導波路端面25とする。
【0030】出射端面28に対しては参照光導波路端面
25においてレーザ光に対してその少なくとも一部を反
射するような誘電体膜を、また未変換励振光反射導波路
端面24に対しては蒸着などにより励振光の少なくとも
その一部を反射しかつ好適には二次高調波光に対して透
明であるような誘電体膜を形成する。ここでは製造工程
の簡略化のため出射端面28全体に励振光を反射し二次
高調波光を透過する誘電体膜を形成する。
【0031】ここで、光分配器22から導波路26、分
極反転領域23を経て出射端面28の未変換励振光反射
導波路端面24にて反射され再び分極反転領域23を通
過した後、光分配器22に至る光路を第1の光路31と
し、光分配器22から導波路27を経て出射端面28の
参照光反射導波路端25面にて反射され再び光分配器2
2に至る光路を第2の光路32とする。ここで、第2の
光路32の光路長L2は、第1の光路31の光路長L1
対して、光路長差ΔLがλ/2+ n・λ(λ:励振光
波長、n=・・・−3、−2、−1、0、1、2、3・
・・)、好適には半波長になるように設定されている。
【0032】図6には、上記光路長差ΔLをn=0、
1、3、5として変化させた各場合の光帰還率(励振光
量に対するSHG光量の比。)の変化特性を示す。この
図6からも分かるように励振光源としてゲイン幅およそ
30nmの半導体レーザを用いた場合、そのゲイン幅内
で波長を安定化するためには、−5≦n≦5とすること
が望ましい。
【0033】光分配器22は該光分配器22で再合成さ
れる前の参照光の光出力R(ω)が未変換戻り励振光の
光出力FR(ω)の最大値よりも大きくなるように分岐
接続角或は分岐導波路幅を設定している。光導波路12
は入射端面29まで延長され、半導体レーザ11との近
接面をレーザ光の入射口30とする。この入射口30
は、好適には入射端面29に対して蒸着などの手法を用
い誘電体膜などを形成し、レーザ光に対して無反射であ
るように加工が施されるのが好ましい。
【0034】このようにして形成した波長変換光源は、
レーザ裏端面13と波長変換素子14との間の共振によ
って分極反転領域23においてQPM−SHG発生を行
う。この際、第1の光路31と第2の光路32とにより
光分配器2に戻された未変換レーザ光と参照光は、該光
分配器22にて上記(1)式のように合成される。この
(1)式により合成された光の出力FF(ω)は、参照
光出力R(ω)と未変換レーザ光出力FR(ω)との差
であり、半導体レーザ11への戻り光量となる。する
と、半導体レーザ11は、これによって安定して励振光
となるレーザ光を出射することができる。
【0035】以上より、この具体例でも、位相整合波長
において選択的に光を励振光源に帰還させ、光学的手段
のみによって位相整合波長での励振光源の発振を可能と
するので、電気的検出機構ならびに外部グレーティング
等の波長選択素子の選択波長を変化させるための電気的
あるいは機械的な発振波長可変機能を付随させる必要性
が無く部品点数を大幅に削減することができ、小型化、
低価格化を図ることができる。また、これらの電気的検
出機構並びに電気的或は機械的な発振波長可変機能を不
要とするので、励振光源からの出射光の到達率を大きく
でき波長変換効率を向上できる。
【0036】また、励振光源に用いるレーザ媒体のゲイ
ンのみが波長可変範囲を限定する要因となるので、半導
体レーザを光源に用いた場合30nm程度の波長可変領
域を確保することができる。
【0037】次に、本発明に係る波長変換素子及び波長
変換光源の他の実施例を説明する。この他の実施例は、
図7に示すように自由空間伝播による波長変換光源であ
る。
【0038】この波長変換光源は、励振光源であるレー
ザダイオード40から出射されたレーザ光をコリメート
レンズ41により平行光とし、光分配手段となるビーム
スプリッタ42にてミラー45側と高調波発生素子43
側に分配している。高調波発生素子43は、ビームスプ
リッタ42にて分配されたレーザ光の一方を基に例えば
LiNbO3等の非線形光学結晶を用いて高調波光を発
生する。
【0039】このとき、高調波発生素子43中において
光高調波に変換されることのなかった未変換レーザ光の
一部或は全部は、例えばハーモニックセパレータのよう
な励振光反射兼高調波光透過フィルタ44により、進行
してきた方向と逆方向に反射される。この励振光反射兼
高調波光透過フィルタ44によって反射された未変換レ
ーザ光は高調波発生素子43中を上述したのとは逆の方
向に進み再度、ビームスプリッタ42に至る。
【0040】また、ビームスプリッタ42によりミラー
45方向に反射されたレーザ光は、該ミラー45によっ
て反射され、再びビームスプリッタ42に参照光として
戻る。
【0041】ここで、ビームスプリッタ42と励振光反
射兼高調波光透過フィルタ44との間を第1の光路46
とし、ビームスプリッタ42とミラー45との間を第2
の光路47とする。第2の光路47の光路長L2は、第
1の光路46の光路長L1に対して、光路長差ΔLがλ
/2+ n・λ(λ:励振光波長、n=・・・−3、−
2、−1、0、1、2、3・・・)、好適には半波長に
なるように設定されている。
【0042】このため、この他の実施例でも、ビームス
プリッタ42、励振光反射兼高調波光透過フィルタ44
及びミラー45等からなる光学系を構築することによっ
て高調波発生素子43において位相整合条件が満たさ
れ、生成される高調波光が増加する波長領域においての
み選択的にそのレーザダイオード41に対し光学的な帰
還がかかる光学的機構を形成することができる。
【0043】レーザダイオード40は、帰還光発生波長
領域、すなわち高調波発生波長領域においてレーザ発振
を行うのに十分なゲインを持つので、高調波発生波長領
域において励振光源の選択的なレーザ発振を可能にし、
もって安定に励振光の高調波光への効率的な変換を電気
的な制御を伴うことなく実現することができる。
【0044】なお、本発明に係る波長変換素子及び波長
変換光源の実施例及び他の実施例では、特定的にQPM
法による位相整合をもちいた二次の高調波による波長変
換素子について例示したが、三次、四次などの高次の高
調波を用いることもでき、また位相整合法としてQPM
法に代わりモード分散による位相整合法等を用いてもよ
い。また、非線形光学結晶としては、KTP(KTiO
PO4)を用いてもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る波長変換素子は、励振光源
からのコヒーレントな波長λの励振光を高調波光に変換
する波長変換素子において、上記励振光の光出力を分配
する光分配手段と、上記光分配手段により分配された励
振光の一方から非線形光学結晶を用いて高調波光を発生
する光高調波発生手段と、上記光高調波発生手段を透過
した励振光を再び上記光分配手段に未変換励振戻り光と
して戻す第1の光路と、上記光分配手段により分配され
た励振光の他方を上記第1の光路の光路長に対し、λ/
2±n・λ(n=0、1、2、3・・・)の光路差を有
して上記光分配手段に戻す第2の光路とを有し、上記第
2の光路により戻された上記励振光の他方を、上記第1
の光路が戻した上記未変換励振戻り光と合成して、上記
励振光源に対し光学的に帰還させるので、光学的手段の
みによって位相整合波長での励振光源の発振を可能とす
るので、電気的検出機構ならびに外部グレーティング等
の波長選択素子の選択波長を変化させるための電気的あ
るいは機械的な発振波長可変機能を付随させる必要性が
無く部品点数を大幅に削減することができ、小型化、低
価格化を図ることができる。また、これらの電気的検出
機構並びに電気的或は機械的な発振波長可変機能を不要
とするので、励振光源からの出射光の到達率を大きくで
き波長変換効率を向上できる。
【0046】また、本発明に係る波長変換光源は、レー
ザ媒体からのレーザ光を励振光とした上記波長変換素子
を有し、該波長変換素子にレーザ共振器の少なくとも一
方を構成させるので、回折格子、電気的な制御装置等を
用いることなく簡単な構成で小型化、低価格化を図るこ
とができる。また、本発明による波長変換光源は励振光
源波長が高調波発生器の位相整合波長につねに追従する
ため高調波光の出力を常に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例となる波長変換光源の概略的な
構成を示す構成図である。
【図2】光高調波光出力S(ω)に対する励振光の光出
力FD(ω)の波長依存性を示す特性図である。
【図3】参照光の光出力R(ω)と未変換レーザ光の光
出力FR(ω)とを示す特性図である。
【図4】励振光源への戻り光量を示す特性図である。
【図5】図1に示した波長変換光源の具体例の概略構成
を示す斜視図である。
【図6】光路長差ΔLをn=0、1、3、5として変化
させた各場合の光帰還率(励振光量に対するSHG光量
の比。)の変化特性を示す特性図である。
【図7】本発明の他の実施例となる自由空間伝播による
波長変換光源の概略的な構成を示す構成図である。
【符号の説明】 1 半導体レーザ 3 光分配器 4 光高調波発生器 5 第1の光路 6 反射器 7 未変換励振光反射器 8 第2の光路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/37 H01S 3/109 H01S 3/094

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励振光源からのコヒーレントな波長λの
    励振光を高調波光に変換する波長変換素子において、 上記励振光の光出力を分配する光分配手段と、 上記光分配手段により分配された励振光の一方から非線
    形光学結晶を用いて高調波光を発生する光高調波発生手
    段と、 上記光高調波発生手段を透過した励振光を再び上記光分
    配手段に未変換励振戻り光として戻す第1の光路と、 上記光分配手段により分配された励振光の他方を上記第
    1の光路の光路長に対し、λ/2±n・λ(n=0、
    1、2、3・・・)の光路差を有して上記光分配手段に
    戻す第2の光路とを有し、 上記第2の光路により戻された上記励振光の他方を、上
    記第1の光路が戻した上記未変換励振戻り光と合成し
    て、上記励振光源に対し光学的に帰還させることを特徴
    とする波長変換素子。
  2. 【請求項2】 上記第1の光路及び上記第2の光路は、
    光導波路中の光路であることを特徴とする請求項1記載
    の波長変換素子。
  3. 【請求項3】 上記光高調波発生手段は、非線形光学結
    晶中の分極をコヒーレント長毎に周期的に反転させた位
    相整合により高調波光を発生することを特徴とする請求
    項1記載の波長変換素子。
  4. 【請求項4】 上記光高調波発生手段は、二次高調波光
    を発生することを特徴とする請求項1記載の波長変換素
    子。
  5. 【請求項5】 レーザ媒体からのレーザ光を励振光とす
    る請求項1記載の波長変換素子を有し、該波長変換素子
    にレーザ共振器の少なくとも一方を構成させることを特
    徴とする波長変換光源。
  6. 【請求項6】 上記レーザ媒体として半導体レーザを用
    いることを特徴とする請求項5記載の波長変換光源。
  7. 【請求項7】 上記波長変換素子は、二次高調波を発生
    することを特徴とする請求項5記載の波長変換光源。
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