JP3448634B2 - 吹付けコンクリート工の施工方法および施工装置 - Google Patents
吹付けコンクリート工の施工方法および施工装置Info
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- JP3448634B2 JP3448634B2 JP04426698A JP4426698A JP3448634B2 JP 3448634 B2 JP3448634 B2 JP 3448634B2 JP 04426698 A JP04426698 A JP 04426698A JP 4426698 A JP4426698 A JP 4426698A JP 3448634 B2 JP3448634 B2 JP 3448634B2
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Description
の施工方法および施工装置に係り、トンネル内面などに
用いられる吹付けコンクリートの品質を比較的低コスト
で有効に向上せしめ、またその強度特性を良好とし、施
工時におけるダストやリバウンドを適切に縮減させて上
記の目的をバラツキの少ない状態で有効に達成すること
のできるコンクリート工の施工方法および施工装置を提
供しようとするものである。
また所要の製品を得ることは一般に古くから行われて来
たところであり、一方掘削されたトンネルの内面や地山
壁面などにコンクリートを吹付け施工した覆工を形成す
ることは従来から広く採用されて来たところであって、
吹付け直前に急結剤をコンクリートに添加して吹付ける
湿式工法、あるいは急結剤を予め添加した乾式ミックス
材に対し吹付けの直前に水を添加して吹付ける乾式工法
の何れにしても数秒程度の短時間内に付着硬化させるこ
とが行われている。
粒径が1μm 以下のようなシリカフュームをコンクリー
トに混和することにより得られる吹付けコンクリートの
強度を向上させ得ることが平成3年9月に土木学会の年
次学術講演会(第46回年次学術講演会)などにおいて
発表されている。
な従来の吹付けコンクリートにおいては吹付け時におけ
るコンクリートのはね返りないし剥落(即ちリバウン
ド)が相当に発生し、また粉塵(ダスト)の発生が著し
いなどの不利があり、その作業性や作業環境が悪化し、
また効率が相当に劣る欠点を有している。
ンクリートの強度を高めることから頗る有効と言える
が、上記したようなリバウンドや粉塵の発生を抑制する
ことはできず、特にこのシリカフュームは著しい微粉で
あることから乾式の場合にはダストの発生量がそれなり
に増大することとならざるを得ない。しかもこのシリカ
フュームは特殊技術によって上記のような微粉として得
られたものであることから相当の割高なコストを必要と
し、折角の強度向上が得られても経済的に必ずしも好ま
しいことにならず、更には施工条件の如何などにより歩
留りや品質的にはばらつきが大きいなどの不利がある。
従来技術における課題を解消することについて検討を重
ね、前記シリカフュームをセメントと、石灰石粉末(炭
酸カルシウム、CaCo3粉末)と共に用い、しかも骨材
(特に細骨材)に対しそれらセメントないし石灰石粉末
との関係で分割練り混ぜ工法を採用することにより特定
の状態として利用することにより、セメントのような粉
体に対しても有効な造殻を形成し、比較的低コストに、
しかも跳ね返りや粉塵の発生を抑制した条件下で好まし
い品質をもった吹付けコンクリートを得ることに成功し
たものであって、以下の如くである。
リカフューム微粉末および石灰石粉末を含有しそれら含
有物の吸着水膜を該含有物の実質的全周においてそれぞ
れ形成し、セメント、シリカフューム微粉末および石灰
石粉末がキャピラリー状態を維持し得る程度に制限され
た加水条件で1次混練してから吹付け施工に必要な流動
性を得るための2次水および減水剤を添加して2次混練
し、この2次混練物を吹付け施工することを特徴とした
吹付けコンクリート工の施工方法。
記細骨材量の10〜15%の石灰石粉末および前記セメ
ント量に対し3〜8%のシリカフューム微粉末を含有
し、該シリカフューム微粉末がセメントおよび石灰石粉
末の周面に優先的に分布した状態を形成して上記細骨
材、粗骨材の周面に分布された状態で水和反応され凝結
固化されることを特徴とする前記(1)の吹付けコンク
リート工の施工方法。
記細骨材量の3〜10%の石灰石粉末および前記セメン
ト量に対し3〜6%のシリカフューム微粉末を含有し、
該シリカフューム微粉末がセメントおよび石灰石粉末の
周面に優先的に分布した状態を形成して上記細骨材、粗
骨材の周面に分布された状態で水和反応され凝結固化さ
れることを特徴とする前記(1)の吹付けコンクリート
工の施工方法。
ーム微粉末をミキサー内に投入して短時間の調整練りを
なしてからセメントおよび石灰石粉末を投入して1次練
りを行い、その後に粗骨材を投入して短時間の調整練り
を行ってから2次水および急結剤、減水剤の何れか一方
または双方を添加し2次練りをなすことを特徴とする前
記(1)〜(3)の何れか1つに記載した吹付けコンク
リート工の施工方法。
粉末と平均粒径0.05〜1μm のシリカフューム微粉末
とを用いることを特徴とした前記(1)〜(4)の何れ
か1つに記載した吹付けコンクリート工の施工方法。
ューム微粉末の添加量は360〜420kg/m3 程度と
し、しかも前記シリカフューム微粉末は該結合材量の4
〜7%(14〜30kg/m3 )とすることを特徴とした
前記(1)〜(5)の何れか1つに記載した吹付けコン
クリート工の施工方法。
末量と合算してその量を細骨材量の10〜15%配合す
ることを特徴とした前記(1)〜(6)の何れか1つに
記載した吹付けコンクリート工の施工方法。
セメント、シリカフュームおよび石灰石粉末と減水剤お
よび混練水の各添加手段が配設され、これらの各添加手
段にはそれぞれ計量手段が配設され、前記した混練水添
加手段は1次水および2次水に区分され、しかも前述し
た各添加手段に設けられた制御部に対するプログラムと
を入力できるコントロールパネルが設けられたことを特
徴とし、前記ミキサーによる混練物をコンクリート運搬
ミキサー車により施工現場の吹付機構へ運搬して施工す
ることを特徴とする吹付けコンクリート工の施工装置。
の具体的な実施態様を適宜に添付図面に示すところを参
照して説明すると、本発明者等は上述したようなコンク
リートおよび吹付けコンクリートの品質向上、施工性、
経済化などを目指した高品質吹付けコンクリートの開発
を目的として各地における実地施工試験を重ねた結果以
下のような新しい知見を得た。 (1) コンクリートの強度および吹付けコンクリート
の施工性(リバウンド、粉塵、実吹付け量)は、適切な
微粉体(例えば石粉、石灰石微粉末、シリカフューム)
混入により粘性の増加をはかり、粉体の造殻を形成する
ことで、改善可能である。 (2) 細骨材および粗骨材の形状的、粒度分布または
組織ないし構造的低品位性は前記微粉体の混入覆着によ
り改善可能である。 (3) 上記(1)(2)により吹付けられた硬化体
は、より緻密化して強度、耐久性、水密性が向上する。 (4) これらの効果により、一般コンクリートにおい
ても強度や耐久性を適切に向上し、特に従来の吹付け工
法に比較して充分な経済化が図れることとなり、トンネ
ル建設などのコストダウン、高品質化を図ることが可能
となる。
具体的に採用した材料について説明すると、先ずセメン
トとしては三菱マテリアル社製造に係る普通ポルトラン
ドセメントであって、眞比重が3.16、比表面積は空気
透過法で3270cm2 /g、BET法で11700cm2
/gであり、平均粒径は16.49μm 、嵩密度は0.91
3g/cm3 で、このセメント単味について水を添加した
混合物のトルク試験結果は図1に示す如くで水粉体比2
4%においてトルク(負荷電流値)の最大点を有するも
のであって、斯様な加水混練時のトルク最大点はセメン
ト粒子の表面に附着した水が吸着状態となって離脱し難
くなり混練時の抵抗が高くなった状態であるから吸着水
率とすることができる。
0で、比表面積がブレーン法では測定不能で、BET法
では243475cm2 /gであり、平均粒径は0.76μ
m であって、このシリカフューム単味について水を添加
した混合物のトルク試験結果は図2に示す如くで、トル
ク最大点は水粉体比が39%として求められるものであ
り、このようなトルク最大点は前記シリカフュームの吸
着水率であることはセメントの場合と同様である。
比表面積が空気透過法で4270cm2 /g、BET法で
10790cm2 /g、平均粒径が10.80μm (200
メッシュ)、嵩密度0.82g/cm3 のもので、このもの
についての図1、2と同様な水を添加した混合物のトル
ク試験結果は図3の如くであり平均最大トルクが水粉体
比19%として求められ、これが前記石灰石粉末の吸着
水率と理解される。
トに対し、図2に示したシリカフューム微粉末5%およ
び図3に示したような石灰石粉末15%の割合で配合し
た混合粉末についてのトルク試験結果は図4に示す如く
で、平均最大水粉体比が22%として求められ、この値
が前記のような割合に配合された混合粉末の吸着水率で
ある。
検討すると一般的に粉体の平均粒径を代表径とする単一
粒度の球形粉体において、その表面積はBET法で計測
された面積とすると以下の如く理解することができる。 (a) 上記のような混合粉体の表面積で吸着水量を除算
して得られる平均吸着水膜の厚さは粒子径に依存してい
る。 (b) セメントおよびセメントと同等な粒度を有する石
灰石粉末15wt%にシリカフュームを5wt%を配合した
前記図4の場合にセメントおよび石灰石粉末の表面をシ
リカフューム微粉末が覆う割合は30%程度である。 (c) セメントおよび石灰石粉末の吸着水膜厚は0.2μm
程度と推定され、このような吸着水膜においてシリカ
フューム微粉末の粒子を安定に添着した状態とする。 然して前記した吸着水膜を形成すべく制限された加水条
件で1次混練し、その後に吹付け施工に必要な水を添加
して2次混練し、目的の混練物とする。
る1次水量は的確に決定しておくことが必要であって、
そうした1次水量は使用するセメント等粉体のキャピラ
リー状態に必要な水粉体比および細骨材の拘束水率から
以下の式により求められる。
粉末にシリカフューム微粉末を添加混合したものの吸着
水はそれぞれの粉体における吸着水の和に達せず、しか
もシリカフューム微粉末が上記した5%以下のように少
量のときにおいてはセメントの吸着水率よりも小さな値
となることが実験的に確認された。
着水率がセメント単味の吸着水率より減少する結果につ
いて言うならば、セメントの吸着水膜中にシリカフュー
ム微粉末が混入した状態を形成し、この場合においてシ
リカフューム微粉末単独で有する吸着水率39%ではな
い状態の吸着水率となるものとすることにより略適切に
理解することができる。即ちセメント単味の場合の吸着
水率24%に相当した容積中に上述したように分布する
シリカフューム微粉末の容積分を扣除すると図4におい
て上記した22%のものと実質的に近いものと認めら
れ、シリカフュームが単独で有している吸着水は実質的
に求められないものと考え得る。
本発明における吹付けコンクリート施工に当って不可欠
的に採用されている減水剤(AE剤を添加した場合は別
に図5として示す如くであって、全般的なトルク変化状
態は図4の場合と同様であるが、この減水剤を0.5%添
加した条件下においては前述したような平均最大水粉体
比が19%として求められ、しかもそのピーク状態がよ
り急峻化して求められることが確認された。
の技術構想を的確に実現すべく安定な吸着水膜を形成す
る手法としては上記したような吸着水膜を形成すべく制
限された加水条件によって1次混練し、その後に吹付け
ないし圧送や成型施工に必要な水量とすべき添加水を与
えて第2次の混練をなし分割練り方式で目的の混練物と
することを施工法として提案する。
よって細骨材などの粒子とセメント、石灰石粉末、シリ
カフューム微粉末より成る粉粒材に対する吸着水膜の形
成状態が適切に安定化することが確認され、これらの結
果は図6に要約して示す如くである。即ち、このような
混練物に関して500Gまでの遠心力を作用させた後の
保水率を測定した結果を示すものであるが、遠心力が大
となるに従って保水率が低下し、一括練りの場合におい
てプレーンモルタルの保水率は450G程度で30%に
近いものとなり、減水剤入りの場合においては43%程
度であるが分割練りのものは何れの条件においても一括
練りより高い保水率であることが確認され、粉粒体が水
と充分に混和吸着されたものと理解される。
混練によれば添加された水は著しく微粉であるシリカフ
ューム以外の各粉粒材の表面に図11に示すような吸着
水膜15を有効に形成する程度の制限されたものとして
覆着するものと推定され、前記シリカフューム微粉体1
4はそうした吸着水膜15において優先的に吸着捕集さ
れる。この吸着水膜15はセメント粉末の場合に厚さが
0.2〜0.3μm 程度の状態において各粉粒表面に安定状
態に覆着形成され、その状態は図11と図13において
代表的に示されている如くであり、相対的に大きいこと
の明かな細骨材(および粗骨材)11の周面にセメント
12、石灰石粉末13が吸着状に接着して位置するが、
それらの材料11〜13の周面には何れも前記吸着水膜
15が形成され、しかもそれら吸着水膜15においてシ
リカフューム微粉末14が優先的に吸着された粉体の造
殻状態となる。
水膜15内において形成された隙間部に若干の自由水域
16が保持されるが何れにしても吸着水膜15において
シリカフューム微粉14を優先的且つ安定的に捕集した
キヤピラリー状態を形成し、比較的僅少なシリカフュー
ム微粉14であっても吸着水膜15においては比較的高
い濃度分布をもったシリカフューム微粉の吸着による造
殻状態が形成される。
た混練物が経時的に水和反応が進行しその吸着水膜15
が消失して水和反応によって生成した結晶などに変化し
た反応生成物となり、このような反応生成物によって強
固に結合された製品(硬化体)となるが全般的な各粉粒
体11〜13の位置関係は水和反応前における状態と同
じに維持されることは当然である。
され、図11〜図13に示したように吸着水膜15にお
いてシリカフューム微粉14を優先的高濃度分布の状態
に吸着されたセメント粉12ないし骨材11をもった混
練物は常法によって型内ないし現場施工域に打設、注入
されることにより一般的に知られている打設、注入法で
目的のモルタルないしコンクリート施工を的確に実施す
ることができ、しかもこの場合においてセメント粉12
や骨材11の周面における吸着水膜15ではシリカフュ
ーム微粉14が図11〜図13に示した状態のままで水
和反応が進行せしめられることは前記の如くである。
のに対し、本発明の吹付け施工を実施する手法に従った
施工のための設備の概要は図7〜図10に示す如くであ
る。即ち図7に示したものは本発明における混練調整過
程を示すもので、2軸攪拌機構をミキサー1として採用
した場合を示すものであって、該ミキサー1の上部には
粗骨材装入系3と細骨材装入系2およびセメントおよび
石灰石粉末の装入系4および混練水添加系5が配設され
ている。前記ミキサー1の側方には供給塔6が設けら
れ、該供給塔6にセットされたセメントサイロ61およ
び石灰石サイロ62に対しては路面走行車輌17からの
セメントまたは石灰石の如きを適宜に圧送するダクト6
0が導かれ、また上記したようなサイロ61、62の底
部に設けられたスクリュフィーダー63、64は前記し
たセメントおよび石灰石粉末装入系4にそれらの資料を
装入するように構成されている。
に対しては地上に形成された素材ストックヤード7にお
いて、トラックのような車輌17で運搬された粗骨材3
aまたは細骨材2aが天井走行クレーン8から垂下され
たバケット8aによって掬い取られてホッパー2b、3
bに移され、それらのホッパー底部に設けられたコンベ
ヤーによって各装入系2、3のサイロ22、23に落し
込まれ、ミキサー1に装入される。
系5は1次水タンク51と2次水タンク52とを有し、
それらのタンク51、52に設けられたバルブのような
制御手段53、53の開閉によってミキサー1に所定の
水を添加するが、また2次水タンク52には混和剤タン
ク9、9aからの混和剤が適宜に添加されるように成っ
ており、上述したようなサイロ61、石灰石サイロ6
2、素材サイロ2b、3b、水タンク51、52にはそ
れぞれ計量手段54が設けられ、それらの計量手段54
および制御手段53はコントロール機構10に連結され
て本発明による混練プログラムに従って制御操作を行わ
せる。即ち1次2次の混練プログラム、セメント量と1
次水の自動設定、表面水の補正などをコントロール機構
10において自動的に制御するように成っている。
分間とした具体的な混練操作のフローチャートは図8に
示す如くであって、砂と砂利および1次水をミキサー1
内に投入して15秒間の混練をなしてからセメントとシ
リカフュームおよび石灰石粉末を投入して30秒間の1
次混合操作をなし、次いでシリカフュームおよび2次水
を投入して45秒間の2次混練を行い、その後の30秒
間において積込みをなすものであり、そのフローチャー
トはこの図8に示す如くで前記のようなミキサー1に粗
骨材Gと砂Sおよびシリカフュームと1次水を投入して
混練することにより粗骨材がボールミル的に作用して混
練効果を高め、その後セメント、石灰石粉末を添加して
30秒の混練をなし、更に混和剤と2次水を添加して混
練し目的の混練物とする。
7と同様な混練調整過程が示されており、ミキサー1と
して自転しながら公転する攪拌機構21を採用した場合
が示され、素材ストックヤード7においてトラックのよ
うな車輌17で搬入された粗骨材3aまたは細骨材2a
が天井走行クレーン8から垂下されたバケット8aによ
ってすくい取られ、ホッパー2b、3bから計量コンベ
ア2c、3cによって計量ホッパー22、23を経て計
量されたものがミキサー21に投入されるように成って
いる。
セメントないし石灰石粉末はそれぞれのサイロ31、3
2に受入れられ、それらのサイロ31、32は定量切出
し機構33、33、スクリュフィーダー34、35を介
して計量ホッパー36、36に装入され、計量された定
量宛がミキサー21に装入される。またこのようなミキ
サー21には別にシリカフュームの粉体またはスラリー
添加系37と、1次水および2次水の添加系38および
高性能減水剤供給のための添加系39が別に設けられて
おり、水槽40および攪拌手段41を有する別の水槽4
2から計量ポンプ43を介して圧送された水が添加剤タ
ンク44を介して前記添加系38とは別の高性能減水剤
添加系39により上述ミキサー21に導入されている。
混練時間を2分とした混練操作のフローチャートは図1
0に示す如くで、砂と1次水およびシリカフュームをミ
キサー21内に装入して15秒間の1次混練をなし、次
いでセメントと石灰石粉末を装入添加した混練を行って
から砂とシリカフュームおよび2次水を添加した45秒
間の混練を行うもので、その後の30秒間に積込みをな
すことは図9の場合と同じであるが、粗骨材Gは2次混
練水と共に添加され45秒間の混練後に排出される。
によって混練されたモルタルまたはコンクリートはミキ
サー1または21から直ちにまたは適当な時間後に打設
または型内に装入成形されるが、吹付施工の場合は前記
ミキサー1または21からコンクリート運搬ミキサー車
25に受入れられて目的の施工現場まで搬送されて吹付
施工される。即ち図7および図9にそれぞれ示されてい
るようにミキサー1または21にはシュート24が設け
られていて放出される混練コンクリートをミキサー車4
0の回転ミキサー41に受入れ、混練しながら図14に
示される如く施工現場に位置している吹付機構45の受
入部46に投入される。
の操作で適宜に走行して施工位置に到達するが、操作ア
ーム47の端部には吹付ノズル48が設けられ、該吹付
ノズル48にはコンクリート圧送パイプ42および吹付
気体の圧送手段44が連結されていて目的の施工部位に
対し照明手段49などの照明条件下で的確に吹付施工さ
れる。
て、砂、セメント、石灰石粉末に対する吸着水膜の形成
状態およびシリカフューム微粉末の分布状態は前記した
図11〜図13に示す如くであり、平均粒径が0.2〜1
μm と明かに微粉であるシリカフュームは混練水に分布
され、またはセメントまたは石灰石粉末などのその他の
粉末と共に粉体として使用されるが、特に1次混練と2
次混練を採用する方式に従い、その1次混練における加
水条件を混練物含有物の実質的全周において吸着水膜を
それぞれ形成維持し得る程度に制限されたものとするこ
とにより、これら図11〜図13に示すような吸着水膜
およびシリカフュームの分布状態とすることができる。
即ち上記のように制限された1次混練水に混入されたシ
リカフューム微粉14が分散された状態で砂11、セメ
ント12、石灰石粉末13の周面に吸着されることによ
りシリカフューム微粉14は集中的にそれら粉粒11〜
13の周面に吸着されたものとなり、粉体に対する造殻
が形成される。
着水膜15の厚さは0.2μm 前後であり、石灰石粉末1
3における吸着水膜も略これに準ずるが、砂11におけ
る吸着水膜の厚さはより大であり、シリカフューム微粉
14は平均粒径で0.2〜0.8μm 程度であって、このよ
うなシリカフューム微粉は上記のような吸着水膜から図
11および図12のように突出するものと図13のよう
に吸着水膜厚内にほぼ没する状態となり、勿論シリカフ
ューム微粉14に対しても吸着水膜が形成されることか
ら実質的に吸着水膜15に没入した状態となることは図
示の如くである。比較的微細なシリカフューム微粉14
はセメントなどの吸着水膜15によって覆われることは
図11〜図13に示す如くであり、セメント粉粒などは
上記のような吸着水膜を介してシリカフューム微粉によ
る的確且つ均一化されしかも安定な被覆(即ち粉体の造
殻)がなされる。
体的な調整施工例について説明すると、基準的実施例と
しては次の表1に示すような最大寸法が15mmとされた
粗骨材と骨材中細骨材率を64%程度とされた川砂によ
る細骨材および平均粒径16.5μm の比表面積が327
0cm2 /gで、比重が3.16のポルトランドセメント、
平均粒径が10.8μm で比表面積がBET法で4270
cm2 /gの石灰石粉末および平均粒径が0.76μm で比
表面積がBET法で243475cm2 /gであるシリカ
フューム微粉および減水剤、急結剤を用い、後述の表2
に示すように単位セメント量(シリカフューム微粉:石
灰石粉末を含む)を360kg/m3、細骨材1137kg/
m3、粗骨材644kg/m3、水208kg/m3を基準とし、
減水剤を配合してから急結剤を混合してコンクリートを
調整した。
び粗骨材)についての合成粒度分布は図16に示す如く
であって、a−a、d−d、e−eのものはフルイ目2.
5mm〜10mmの範囲で粒度調整し、d−dは最大寸法5
mmと全体に細かく、e−eは最大寸法10mmと幾分粗い
が全般において略平均した粒度分布を有しており、コン
クリートを製造した場合に密実な安定した組成を形成す
るもので好ましい骨材といえる。一方、b−b、c−c
はフルイ目2.5mm〜10mmの範囲において粒度曲線は乱
れ下に凸状をなしており、粒度の欠落を示している。こ
のような粒度分布においては骨材の単位容積あたりの真
比重に対する質量比である実積率も小さく、骨材として
は劣った粒度分布といえる。上記した表1における骨材
としては図16の良好な領域にある中位部分のa−aを
採用した。なお、b−b、c−cの骨材においても、例
えば、0.15mm以下の細骨材を石灰石微粉末と合算して
その量を細骨材の10〜15%配合し、あるいは、0.0
75mm以下の細骨材を上記範囲において適宜に併用して
分割練混ぜによりコンクリートを製造することにより好
ましい略平均化した粒度分布のものに近い安定した結果
を得ることができた。
発明例であるが、この本発明例における混練操作の好
ましい仔細は代表的に図15に示す如くで、ミキサーに
対し細骨材と1次水およびシリカフューム微粉末を投入
して5〜10秒程度の調整練りをなし、次いでセメント
および石灰石粉末を投入して25〜30秒あるいは30
秒以上の1次練りを行い、その後粗骨材を装入して5〜
10秒程度の調整練りをなしてから2次水および急結
剤、減水剤の投入を行って30秒あるいはそれ以上の2
次練りをなしてから排出するものである。
〜を用い、半径4.5〜5m程度の掘削トンネル内面
に吹付け施工した場合についてそのはね返り率(%)、
粉塵発生量(mg/m3)、実吹付け量(m3/h)およびそ
うした吹付けによって得られた吹付工の強度は次の表3
に示す如くであった。
が従来法および比較例の何れよりも低減して従来法
に対しては半減状態であり、また粉塵発生量は括弧内
に示された換気条件下において従来法の4分の1以下、
比較例に対しても2分の1以下であって、実吹付け量も
相当に増加している。更に得られた吹付工の強度はプル
アウト法による初期およびコア採取による長期強度の何
れにおいても充分に高められ、初期強度においては従来
法の2倍以上を得しめていることが確認された。
m、高さ10cmの円柱型枠を6個準備し、前記混練物
〜をそれぞれそれらの2個宛の型内に単に折込み成形
し、前記した表3の場合と同様に成形体として得られた
造形体の材令28日の一軸圧縮強度を測定した結果は次
の表4の如くであって、何れも吹付工の場合より強度的
には優れていることが知られたが、本発明によるものは
45〜47N/mm2 と相当に高強度であることが知られ
た。
形実施例としては、前記表1に示したところと同じ材料
を採用したが、それらの各材料の配合関係を次の表5の
ように変更した本発明例〜と比較例〜とした。
即ち、セメントは305〜360kg/m3であり、細骨材
は1039〜1137kg/m3で、粗骨材は644kg/m3
と一定で、石灰石粉末は98kg/m3または41kg/m3、
シリカフューム微粉末は本発明例で11〜29kg/m3で
あるのに対し比較例3、4では36〜54kg/m3と相当
に高く、減水剤は本発明例では1.8kg/m3であるのに対
し比較例は3.6kg/m3であり、急結剤は25.2kg/
m3と一定である。
吹付用混練物は前記した基準的実施例の場合と同様に吹
付施工した結果についての吹付作業状況および吹付工の
強度を前記した表3の場合と同様に求めた結果は次の表
5の如くであった。
のものは14〜21%であるのに対し比較例(比1〜
比4)のものは20〜30%であって、前記した基準的
実施例に関する表3の場合と同様に3分の1程度低減さ
れており、粉塵発生量や吹付施工量も同様に好ましい作
業結果が得られていることは明らかである。更に得られ
た吹付工の強度についても前記した表3の場合に準じ本
発明例〜のものが好ましい結果を得しめていること
を確認することができた。
トンネル内面などに用いられる吹付けコンクリートの品
質を比較的低コストで有効に向上せしめ、しかもその施
工時におけるダストやリバウンドを適切に縮減せしめて
上記したような有利性をバラツキの少ない状態で有利に
達成し得るものであるから工業的にその効果の大きい発
明である。
て水を添加し混練した場合のミキサー負荷電流(トル
ク)測定結果を要約し平均最大水粉体比を求めた結果を
示した図表である。
ュームについて図1と同様に平均最大水粉体比を求めた
結果を示す図表である。
についての図1、2と同様な平均最大水粉体比を求めた
結果を示す図表である。
の混合体に関し、上述同様に平均最大粉体比を求めた結
果を示す図表である。
剤を添加した混合体について同様に最大粉体比を求めた
結果を示す図表である。
分割練りを行った夫々の混練物について遠心力作用条件
下での保水率を検討した結果の図表である。
した説明図である。
行程を示したフローチャートである。
の例を示した図7と同様な説明図である。
殻行程のフローチャート説明図である。
メント、石灰石粉末に対する吸着水膜の形成状態および
シリカフューム微粉末の分布状態を示した断面的説明図
である。
な拡大による断面的説明図である。
場合についての図11と同様な部分的拡大による断面的
説明図である。
例を示した側面図である。
た工程説明図である。
成粒度分布を示した図表である。
Claims (8)
- 【請求項1】 セメント、細骨材、粗骨材と、シリカフ
ューム微粉末および石灰石粉末を含有しそれら含有物の
吸着水膜を該含有物の実質的全周においてそれぞれ形成
し、セメント、シリカフューム微粉末および石灰石粉末
がキャピラリー状態を維持し得る程度に制限された加水
条件で1次混練してから吹付け施工に必要な流動性を得
るための2次水および減水剤を添加して2次混練し、こ
の2次混練物を吹付け施工することを特徴とした吹付け
コンクリート工の施工方法。 - 【請求項2】 セメント、細骨材、粗骨材と、前記細骨
材量の10〜15%の石灰石粉末および前記セメント量
に対し3〜8%のシリカフューム微粉末を含有し、該シ
リカフューム微粉末がセメントおよび石灰石粉末の周面
に優先的に分布した状態を形成して上記細骨材、粗骨材
の周面に分布された状態で水和反応され凝結固化される
ことを特徴とした請求項1に記載の吹付けコンクリート
工の施工方法。 - 【請求項3】 セメント、細骨材、粗骨材と、前記細骨
材量の3〜10%の石灰石粉末および前記セメント量に
対し3〜6%のシリカフューム微粉末を含有し、該シリ
カフューム微粉末がセメントおよび石灰石粉末の周面に
優先的に分布した状態を形成して上記細骨材、粗骨材の
周面に分布された状態で水和反応され凝結固化されるこ
とを特徴とした請求項1に記載の吹付けコンクリート工
の施工方法。 - 【請求項4】 細骨材と1次水およびシリカフューム微
粉末をミキサー内に投入して短時間の調整練りをなして
からセメントおよび石灰石粉末を投入して1次練りを行
い、その後に粗骨材を投入して短時間の調整練りを行っ
てから2次水および急結剤、減水剤の何れか一方または
双方を添加し2次練りをなすことを特徴とする請求項1
〜3の何れか1つに記載の吹付けコンクリート工の施工
方法。 - 【請求項5】 平均粒径が7〜15μm の石灰石粉末と
平均粒径0.05〜1μmのシリカフューム微粉末とを用
いることを特徴とした請求項1〜4の何れか1つに記載
の吹付けコンクリート工の施工方法。 - 【請求項6】 結合材であるセメントとシリカフューム
微粉末の添加量は360〜420kg/m3 程度とし、し
かも前記シリカフューム微粉末は該結合材量の4〜7%
(14〜30kg/m3 )とすることを特徴とした請求項
1〜5の何れか1つに記載した吹付けコンクリート工の
施工方法。 - 【請求項7】 0.15mm以下の細骨材を石灰石粉末量と
合算してその量を細骨材量の10〜15%配合すること
を特徴とした請求項1〜6の何れか1つに記載した吹付
けコンクリート工の施工方法。 - 【請求項8】 ミキサーに対し粗骨材、細骨材、セメン
ト、シリカフュームおよび石灰石粉末と減水剤および混
練水の各添加手段が配設され、これらの各添加手段には
それぞれ計量手段が配設され、前記した混練水添加手段
は1次水および2次水に区分され、しかも前述した各添
加手段に設けられた制御部に対するプログラムとを入力
できるコントロールパネルが設けられたことを特徴と
し、前記ミキサーによる混練物をコンクリート運搬ミキ
サー車により施工現場の吹付機構へ運搬して施工するこ
とを特徴とする吹付けコンクリート工の施工装置。
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