JP3448187B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP3448187B2
JP3448187B2 JP18297097A JP18297097A JP3448187B2 JP 3448187 B2 JP3448187 B2 JP 3448187B2 JP 18297097 A JP18297097 A JP 18297097A JP 18297097 A JP18297097 A JP 18297097A JP 3448187 B2 JP3448187 B2 JP 3448187B2
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ピアノ等の電
子楽器に関し、特に、鍵盤における押鍵時の強度に応じ
て発生する楽音の特性を制御する電子楽器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、鍵盤における押鍵時の強度で
ある所謂タッチ情報により、例えば、図21に示すよう
に、低域通過フィルタのカットオフ周波数を変更制御し
て、発生する楽音の特性を制御する電子楽器が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の電子楽器では、低域通過フィルタのカット
オフ周波数を変更制御する際、上記図21に示したよう
に、キーのタッチtc1,tc2,tc3,・・・に対
してロールオフ又はスロープ特性が一定であったため、
音色によっては楽音特性の変化具合が非常に不自然な印
象を与える場合があった。
【0004】そこで、本発明は、上記の欠点を除去する
ために成されたもので、鍵盤における押鍵時の操作強度
に応じて、自然で良好な楽音の変化を得る電子楽器を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】楽音を発生する楽音発生
手段と、上記楽音発生手段による楽音の発音開始及び停
止を指示する発音指示手段と、上記発音指示手段により
発音指示される際の操作強度を検出する検出手段と、上
記発音指示手段による発音指示及び上記検出手段の検出
結果に基づいて上記楽音発生手段による楽音の発音及び
楽音の特性を制御する制御手段とを備え、上記楽音発生
手段は、共振周波数情報及び共振の鋭さを示す値に基づ
いてそのフィルタ特性が制御されるディジタルフィルタ
を含み、上記制御手段により制御されたフィルタ特性で
楽音を発生し、上記制御手段は、上記検出手段により検
出される操作強度に対応して複数の共振周波数情報を記
憶した第1のテーブル手段と、上記操作強度が増すほど
共振の鋭さを示す値が低下する特性になる複数の共振の
鋭さを示す値の情報を記憶した第2のテーブル手段とを
含み、上記検出手段の検出結果に基づいて上記第1のテ
ーブル手段から共振周波数情報を選出するとともに、上
記第2のテーブル手段から共振の鋭さを示す値の情報を
選出し、上記各テーブル手段から選出した共振周波数情
報及び共振の鋭さを示す値の情報に基づいて上記ディジ
タルフィルタのフィルタ特性を制御することを特徴とす
る。
【0006】また、本発明に係る電子楽器は、楽音を発
生する楽音発生手段と、上記楽音発生手段による楽音の
発音開始及び停止を指示する発音指示手段と、上記発音
指示手段により発音指示される際の操作強度を検出する
検出手段と、上記発音指示手段による発音指示及び上記
検出手段の検出結果に基づいて上記楽音発生手段による
楽音の発音及び楽音の特性を制御する制御手段とを備
え、上記楽音発生手段は、共振周波数情報及び共振の鋭
さを示す値に基づいてそのフィルタ特性が制御されるデ
ィジタルフィルタを含み、上記制御手段により制御され
たフィルタ特性で楽音を発生し、上記制御手段は、上記
検出手段により検出される操作強度に対応して複数の共
振周波数情報を記憶した第1のテーブル手段と、上記操
作強度に対応して複数の共振の鋭さを示す値の情報を記
憶した第2のテーブル手段と、複数の音色ごとに共振周
波数情報のベース値及び共振の鋭さ情報のベース値を各
々記憶した記憶手段と、上記第1のテーブル手段から選
出した共振周波数情報と上記記憶手段から選出した共振
周波数ベース値とを加算する第1の加算器と、上記第2
のテーブル手段から選出した共振の鋭さを示す値と、上
記記憶手段から選出した共振の鋭さ情報のベース値とを
加算する第2の加算器とを含み、上記第1の加算器から
出力される共振周波数情報と上記第2の加算器から出力
される共振の鋭さ情報とに基づいて上記ディジタルフィ
ルタのフィルタ特性を制御することを特徴とする。ま
た、本発明に係る電子楽器は、楽音を発生する楽音発生
手段と、上記楽音発生手段による楽音の発音開始及び停
止を指示する発音指示手段と、上記発音指示手段により
発音指示される際の操作強度を検出する検出手段と、上
記発音指示手段による発音指示及び上記検出手段の検出
結果に基づいて上記楽音発生手段による楽音の発音及び
楽音の特性を制御する制御手段とを備え、上記楽音発生
手段は、共振周波数情報及び共振の鋭さを示す値に基づ
いてそのフィルタ特性が制御されるディジタルフィルタ
を含み、上記制御手段により制御されたフィルタ特性で
楽音を発生し、上記制御手段は、上記検出手段により検
出される操作強度に対応して複数の共振周波数情報を記
憶した第1のテーブル手段と、上記共振周波数情報に対
応して複数の共振の鋭さを示す値の情報を記憶した第2
のテーブル手段とを含み、上記検出手段の検出結果に基
づいて上記共振周波数情報を上記第1のテーブル手段か
ら選出し、上記第1のテーブル手段から選出した共振周
波数情報に基づいて共振の鋭さを示す値を上記第2のテ
ーブル手段から選出することを特徴とする。
【0007】また、上記ディジタルフィルタは低域通過
フィルタであり、上記第1のテーブル手段から選出され
た共振周波数情報により、上記ディジタルフィルタのカ
ットオフ周波数を決定することを特徴とする。
【0008】また、上記共振の鋭さ情報は、対数値で記
憶されていることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【作用】本発明によれば、発音指示手段により発音指示
される際の操作強度に応じて、楽音発生手段のフィルタ
特性を制御するための共振周波数及び共振の鋭さを示す
値が任意に変更される。本発明によれば、発音指示手段
により発音指示される際の操作強度に応じて、楽音発生
手段のフィルタ特性を制御するための共振周波数が任意
に変更され、その変更された共振周波数に応じて、上記
楽音発生手段のフィルタ特性を制御するための共振の鋭
さを示す値が任意に変更される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態について図面
を用いて説明する。
【0029】本発明に係る電子楽器は、例えば、図1に
示すような電子楽器100に適用される。
【0030】この電子楽器100は、上記図1に示すよ
うに、ダンパペダル1と、鍵盤回路2と、鍵盤回路2に
接続された鍵走査/タッチ検出回路3と、パネル回路4
と、CPU5と、ROM(read only mem
ory)6と、RAM(random accsss
memory)7と、インターフェース回路8と、イン
ターフェース回路8に接続された楽音発生回路9とを備
えている。そして、ダンパペダル1、鍵走査/タッチ検
出回路3、パネル回路4、CPU5、ROM6、RAM
7及びインターフェース回路8は、各々バスライン10
に接続されており、相互に通信がなされるように構成さ
れている。
【0031】また、楽音発生回路9は、インターフェー
ス回路8とデータバスCIDにより各々接続された波形
発生回路91、ディジタルフィルタ回路92及び振幅エ
ンベロープ発生回路94と、ディジタルフィルタ回路9
2及び振幅エンベロープ発生回路94の各出力が供給さ
れる乗算器93と、乗算器93の出力が供給される累算
回路95と、累算回路95の出力が供給されるディジタ
ル/アナログ(D/A)変換器96と、D/A変換器9
6の出力が供給されるサウンドシステム97とを備えて
おり、波形発生回路91の出力はディジタルフィルタ回
路92に供給されるように構成されている。
【0032】まず、電子楽器100全体の一連の動作に
ついて説明する。
【0033】CPU5は、マイクロプロセッサからな
り、ROM6に予め記憶されているプログラムに従っ
て、装置全体の種々の動作制御を行う。
【0034】ROM6は、CPU5のプログラム用のメ
モリであり、CPU5の動作を決定するプログラムが予
め記憶されている。また、ROM6には、そのプログラ
ムに他に、音色パラメータやキーのタッチによる音色制
御用のテーブル等が記憶されている。ここで、上記音色
パラメータとしては、波形発生回路91の出力波形を指
示するパラメータ、ディジタルフィルタ回路92の後述
する共振周波数や、フィルタのロールオフ又はスロープ
特性、すなわち周波数特性カーブの山谷の鋭さを示す値
Qを指定するパラメータ、振幅エンベロープ発生回路9
4が出力するエンベロープ信号を制御するパラメータ等
がある。
【0035】RAM7は、CPU5の作業用のメモリで
あり、CPU5が種々の処理を行うにあたって一時的に
処理内容を記憶するのに使用される。また、RAM7に
は、パネル回路4等の現在状態の情報も記憶される。
【0036】鍵盤回路2には、図示していないが、キー
毎に2つのスイッチが設けられており、各スイッチは、
ダイオードを介したマトリクス回路の構成としている。
【0037】鍵走査/タッチ検出回路3は、鍵盤回路2
の各スイッチの状態を走査し、スイッチの状態変化に応
じて、押鍵及び離鍵のイベントを検出すると共に、押鍵
時の強さ(タッチ)を検出する。そして、鍵走査/タッ
チ検出回路3は、押鍵(キーON)及び離鍵(キーOF
F)のイベントの検出結果を鍵情報として、また、押鍵
時のタッチの検出結果をタッチデータとしてCPU5に
供給する。
【0038】パネル回路4には、図示していない音色選
択スイッチ、効果選択スイッチ及び音量設定スイッチ等
が設けられており、これらのスイッチの各状態は、CP
U5により読み取られる。
【0039】ダンパペダル1の操作は、スイッチのON
/OFF情報としてCPU5により読み取られる。
【0040】したがって、CPU5は、鍵走査/タッチ
検出回路3により検出された鍵盤回路2の鍵情報及びタ
ッチデータ、パネル回路4の各スイッチの状態、及びダ
ンパペダル1のON/OFF状態等に基づいて、装置全
体の動作制御を行うと共に、ROM6に記憶されている
各情報をインターフェース回路8を介して楽音発生回路
9に供給する。
【0041】インターフェース回路8は、同期化回路等
からなり、CPU5から楽音発生回路9へのデータ転送
を、楽音発生回路9の動作タイミングに同期させるため
のものである。すなわち、インターフェース回路8は、
CPU5から楽音発生回路9へのデータ転送が行われる
と、CPU5がバスライン10上に出力したデータを楽
音発生回路9の動作タイミングに同期してデータバスC
IDを介して楽音発生回路9に供給する。また、インタ
ーフェース回路8は、CPU5の指示に従って、後述す
る強制的なフェーズ遷移を要求する強制遷移信号Wf
と、振幅エンベロープ発生回路94からの要求信号RQ
fをクリアするクリア信号Clfとを振幅エンベロープ
発生回路94に供給する。
【0042】波形発生回路91は、図示していないが、
位相累算器、波形メモリ及びサンプル補間回路等から構
成されており、CPU5からの指示により、複数チャン
ネル分の楽音信号GWDを時分割で発生する。
【0043】ディジタルフィルタ回路92は、CPU5
により指示されたフィルタ特性で、波形発生回路91か
らの楽音信号GWDにディジタルフィルタ演算を施して
生成した楽音信号FWDを時分割で発生する。
【0044】振幅エンベロープ発生回路94は、CPU
5からデータ転送された情報に基づいて、複数チャンネ
ル分の振幅エンベロープ信号Ecを時分割で発生する。
【0045】乗算器93は、ディジタルフィルタ回路9
2からの楽音信号FWDと、振幅エンベロープ発生回路
94からの振幅エンベロープ信号Ecとを乗算し、その
乗算結果を累算回路95に時分割で供給する。
【0046】累算回路95は、乗算器93から時分割で
供給された複数チャンネル分の乗算結果を累算して全チ
ャンネル分の乗算結果を合成し、ディジタル楽音信号を
生成する。
【0047】D/A変換器96は、累算回路95で得ら
れたディジタル楽音信号をアナログ化してサウンドシス
テム97に供給する。
【0048】サウンドシステム97は、図示していない
アンプ及びスピーカ等からなり、D/A変換器96から
の楽音信号を音響出力する。
【0049】以上が電子楽器100全体の一連の動作で
ある。
【0050】つぎに、CPU5について具体的に説明す
る。
【0051】CPU5は、上述したように、ROM6に
記憶されている各情報をインターフェース回路8を介し
て楽音発生回路9に供給するようになされているが、R
OM6に記憶されている情報としては、例えば、ポイン
タテーブルTa、波形アドレステーブルTb及びパラメ
ータテーブルTc等とする。
【0052】ポインタテーブルTaは、音色パラメータ
の一部として記憶されているテーブルであり、図2に示
すように、N個のキー番号Knに対応した、使用する波
形の番号Wnと、使用するパラメータの番号Pnとから
構成される。このポインタテーブルTaは、CPU5の
発音開始処理において参照される。
【0053】波形アドレステーブルTbは、音色パラメ
ータとして記憶されているテーブルであり、図3に示す
ように、M個の波形番号Wnに対応したアドレスWaか
ら構成される。また、アドレスWaは、スタートアドレ
スST、ループトップアドレスLT及びループエンドア
ドレスLEからなり、波形発生回路91の波形メモリの
アドレスを示す。この波形アドレステーブルTbは、C
PU5の発音開始処理において参照される。これによ
り、押鍵されたキーに対応した波形アドレスの情報が波
形発生回路91に供給され、波形発生回路91が出力す
る楽音信号GWDの波形が制御される。
【0054】パラメータテーブルTcは、音色パラメー
タとして記憶されているテーブルであり、図4に示すよ
うに、L個のパラメータ番号Pnに対応したパラメータ
Pvから構成される。また、パラメータPvは、アタッ
クスピードAS、アタックレベルAL、ディケイ1スピ
ードD1S、ディケイ1終了値D1E、ディケイ2スピ
ードD2S、リリーススピードRSからなる。
【0055】ここで、例えば、ディジタルフィルタ回路
92は、低域通過フィルタの特性を有するものとし、共
振周波数はカットオフ周波数に略対応するとみなす。そ
こで、この電子楽器100では、共振周波数及びQの値
を変更制御することにより、ディジタルフィルタ回路9
2のフィルタ特性を制御するようになされている。した
がって、パラメータPvは、共振周波数バイアスωoB
及びQバイアスQBも含んでいる。
【0056】上述のように、パラメータPvは、ディジ
タルフィルタ回路92の共振周波数やQを指定するパラ
メータや、振幅エンベロープ発生回路94が出力するエ
ンベロープ信号を制御するパラメータ等を示すものであ
る。このようなパラメータテーブルTcは、CPU5の
発音開始処理において参照される。このとき参照された
各パラメータのうち、すなわち押鍵されたキーに対応し
た各パラメータのうち、振幅エンベロープ発生回路94
が出力するエンベロープ信号を制御するパラメータの一
部は、RAM7に一時的に記憶される。また、残りのパ
ラメータはディジタルフィルタ回路92及び振幅エンベ
ロープ発生回路94に供給され、ディジタルフィルタ回
路92のフィルタ特性、及び振幅エンベロープ発生回路
94が出力するエンベロープ信号が制御される。
【0057】また、ROM6には、上述のようなポイン
タテーブルTa、波形アドレステーブルTb及びパラメ
ータテーブルTcが記憶されていると共に、図5に示す
ようなTD−ωoテーブルTd及びTD−QテーブルT
eも記憶されている。そして、CPU5は、ROM6に
記憶されたTD−ωoテーブルTd及びTD−Qテーブ
ルTeを用いて、ディジタルフィルタ回路92のフィル
タ特性をキーのタッチに応じて任意に変更制御するよう
になされている。
【0058】すなわち、CPU5は、先ず、鍵走査/タ
ッチ検出回路3からの鍵情報により、押鍵されたキーに
対応する共振周波数バイアス値(又はベース値)ωoB
及びQバイアス値(又はベース値)QBをパラメータテ
ーブルTcから読み出す。次に、CPU5は、上記図5
に示すように、TD−ωoテーブルTdを用いて、鍵走
査/タッチ検出回路3からのタッチデータTDを変換
し、その変換データとパラメータテーブルTcから読み
出した共振周波数バイアスωoBを加算器181により
加算する。そして、CPU5は、加算器181の加算出
力を共振周波数ωoと決定する。また、CPU5は、T
D−QテーブルTeを用いて、鍵走査/タッチ検出回路
3からのタッチデータTDを変換し、その変換データと
パラメータテーブルTcから読み出したQバイアスQB
を加算器182により加算する。そして、CPU5は、
加算器182の加算出力をQの値と決定する。そして、
CPU5は、決定した共振周波数ωoとQの値をインタ
ーフェース回路8を介してディジタルフィルタ回路92
に供給する。
【0059】したがって、ディジタルフィルタ回路92
のフィルタ特性は、例えば、図6に示すような振幅−周
波数特性に制御されることとなる。
【0060】尚、上記図6は、Qの値がリニア表現で
「1」より小さい場合の振幅−周波数特性を示したもの
である。また、CPU5における振幅エンベロープ信号
の制御処理についての詳細な説明は後述する。
【0061】つぎに、ディジタルフィルタ回路92につ
いて具体的に説明する。
【0062】ディジタルフィルタ回路92は、図7に示
すように、CPU5からの共振周波数ωoが供給される
共振周波数ωo用のメモリ921と、CPU5からのQ
の値が供給されるQ用のメモリ922と、メモリ921
及びメモリ922の各出力が供給されるフィルタ係数発
生回路923と、フィルタ係数発生回路923の出力が
供給されると共に波形発生回路91からの楽音信号GW
Dが供給されるフィルタ演算回路924とを備えてお
り、フィルタ演算回路924の出力が乗算器93に供給
されるようになされている。
【0063】共振周波数ωo用のメモリ(以下、ωoメ
モリと言う)921は、例えば、発音チャンネル数と同
数ワードのRAMからなり、CPU5からの共振周波数
ωoをチャンネル毎に記憶する。そして、ωoメモリ9
21は、記憶した共振周波数ωoを時分割でフィルタ係
数発生回路923に供給する。
【0064】Q用のメモリ(以下、Qメモリと言う)9
22は、例えば、発音チャンネル数と同数ワードのRA
Mからなり、CPU5からのQをチャンネル毎に記憶す
る。そして、Qメモリ922は、記憶したQを時分割で
フィルタ係数発生回路923に供給する。
【0065】フィルタ係数発生回路923は、ωoメモ
リ921からの共振周波数ωoと、Qメモリ922から
のQとに基づいて、フィルタ係数A,a,b,fを発生
し、フィルタ演算回路924に供給する。
【0066】ここで、アナログの2次ローパスフィルタ
の伝達関数を双一次変換することによって得た本実施の
形態によるディジタルフィルタの伝達関数は、
【0067】
【数1】
【0068】なる式1である。但し、フィルタの振幅−
周波数特性の最大値が略1になるように、係数aを定め
てある。ωoは、サンプリング周波数を正規化して表現
した共振周波数であり、 0<ωo<π である。Qは、フィルタ設計により決定されるクオリテ
ィファクタである。
【0069】そこで、上記式1において、 f=b/(1+b) とおくと、
【0070】
【数2】
【0071】なる式2となる。 f=b/(1+b)の計算においては、近似計算を行
う。
【0072】すなわち、フィルタ係数発生回路923
は、例えば、第1回路923a、第2回路923b及び
第3回路923cの3つの回路を備えている。
【0073】第1回路923aは、図8に示すように、
Qメモリ922からのQが供給される補数回路101
と、補数回路101の出力が供給される対数/リニア変
換回路102と、対数/リニア変換回路102の出力が
供給される1ビット右シフト回路103と、1ビット右
シフト回路103の出力D及び所定値(=「1/2」)
が各々供給されるセレクタ104及び比較器105とを
備えており、比較器105の出力は、セレクタ104に
供給されるようになされている。また、1ビット右シフ
ト回路103の出力D、及びセレクタ104の出力d
は、第2回路923bに供給されるようになされてい
る。
【0074】そして、比較器105は、1ビット右シフ
ト回路103の出力Dと、所定値(=「1/2」)とを
比較し、その比較結果をセレクタ104に供給する。セ
レクタ104は、比較器105の比較結果に基づいて、
1ビット右シフト回路103の出力Dと、所定値(=
「1/2」)との何れかを選択して出力する。したがっ
て、第1回路923aから第2回路923bには、1ビ
ット右シフト回路103(1/2割算器)の出力D(=
1/(2Q))が供給されると共に、Qが「1」以上の
場合(Q≧1又はD≦1/2)には、セレクタ104の
出力dの値が「d=1/(2Q)」で供給され、Qが
「1」より小さい場合(Q<1又はD>1/2)には、
セレクタ104の出力dの値が「d=1/2」で供給さ
れる。
【0075】第2回路923bは、図9に示すように、
ωoメモリ921からの共振周波数ωoが各々供給され
るCosine発生器106及びSine発生器107
と、Cosine発生器106の出力が供給される乗算
器108と、Sine発生器107の出力が供給される
乗算器109とを備えており、Cosine発生器10
6の出力、乗算器108の出力、及び乗算器109の出
力がフィルタ係数A、a及びbとして上記図7のフィル
タ演算回路924に供給されると共に、乗算器109の
出力(=フィルタ係数b)が第3回路923cにも供給
されるようになされている。
【0076】Cosine発生器106は、図示してい
ないが、ROMテーブルとその補間回路からなり、ωo
メモリ921からの共振周波数ωoから得られる「1−
cosωo」の値をフィルタ係数Aとしてフィルタ演算
回路924に供給すると共に、そのフィルタ係数Aを乗
算器108に供給する。乗算器108は、Cosine
発生器106からのフィルタ係数Aに、第1回路923
aの出力dを乗算し、その乗算結果をフィルタ係数aと
してフィルタ演算回路924に供給する。Sine発生
器107は、図示していないが、ROMテーブルとその
補間回路からなり、ωoメモリ921からの共振周波数
ωoから得られる「sinωo」の値を乗算器109に
供給する。乗算器109は、Sine発生器107の出
力(=sinωo)に、第1回路923aの出力Dを乗
算し、その乗算結果をフィルタ係数bとしてフィルタ演
算回路924及び第3回路923cに各々供給する。
【0077】第3回路923cは、折れ線近似回路から
なり、図10に示すように、第2回路923bからのフ
ィルタ係数bが各々供給される区間識別回路110及び
バレルシフタ111と、区間識別回路110の出力が供
給されるオフセット発生回路112と、バレルシフタ1
11及びオフセット発生回路112の各出力が供給され
る加算器113とを備えており、区間識別回路110の
出力はバレルシフタ111にも供給されるようになされ
ている。そして、加算器113の出力がフィルタ係数f
として上記図7のフィルタ演算回路924に供給される
ようになされている。
【0078】区間識別回路110は、第2回路923b
からのフィルタ係数bの上位4ビットにより3ビットの
区間情報を生成する一種のエンコーダであり、表1に従
って、フィルタ係数bに対応する3ビットの区間情報を
オフセット発生回路112及びバレルシフタ111に供
給する。
【0079】
【表1】
【0080】バレルシフタ111は、区間識別回路11
0からの3ビットの区間情報により、表2に従って、第
2回路923bからのフィルタ係数bを右シフト(2の
累乗の割算)して加算器113に供給する。
【0081】
【表2】
【0082】オフセット発生回路112は、区間識別回
路110からの3ビットの区間情報により、表3に従っ
て、4ビットのオフセット値を発生して加算器113に
供給する。
【0083】
【表3】
【0084】そして、加算器113は、バレルシフタ1
11の出力とオフセット発生回路112の出力を加算し
て、その加算結果をフィルタ係数fとしてフィルタ演算
回路924に供給する。
【0085】したがって、フィルタ演算回路924に
は、フィルタ係数fが折れ線近似されたものが供給され
ることとなる。すなわち、 f(b)=b/(1+b) が「0≦b<4」の範囲内で、 f(b)≒b (0≦b<1/4) f(b)≒(b/2) +(2/16) (1/4≦b<1/2) f(b)≒(b/4) +(4/16) (1/2≦b<3/2) f(b)≒(b/8) +(7/16) (3/2≦b<2) f(b)≒(b/16)+(9/16) (2≦b<4) と近似されたものがフィルタ係数fとしてフィルタ演算
回路924に供給される。
【0086】フィルタ演算回路924は、図11に示す
ように、上記図1の波形発生回路91からの楽音信号G
WDが供給される乗算器121と、乗算器121の出力
が供給される加算器122、1ビット左シフト回路12
3及び加算器124と、加算器122の出力が供給され
る乗算器128と、乗算器128の出力が供給される加
算器129とを備えており、加算器122の出力は加算
器129にも供給され、加算器129の出力が楽音波形
FWDとして上記図1の乗算器93に供給されるように
なされている。また、フィルタ演算回路924は、加算
器124の出力が供給される1サンプル遅延メモリ12
5と、1ビット左シフト回路123及び1サンプル遅延
メモリ125の各出力が供給される加算器126と、加
算器126の出力が供給される1サンプル遅延メモリ1
27とを備えており、1サンプル遅延メモリ127は加
算器122に供給されるようになされている。さらに、
フィルタ演算回路924は、加算器129の出力が各々
供給される乗算器131及び133と、加算器129及
び乗算器131の各出力が供給される加算器130と、
加算器130の出力が供給される1ビット左シフト回路
132と、加算器129及び乗算器133の各出力が供
給される加算器134とを備えており、1ビット左シフ
ト回路132の出力が加算器126に供給され、加算器
134の出力が加算器124に供給されるようになされ
ている。
【0087】そして、乗算器121は、波形発生回路9
1からの楽音信号GWDに、フィルタ係数発生回路92
3で得られたフィルタ係数aを乗算し、乗算器128
は、加算器122の出力にフィルタ係数発生回路923
で得られたフィルタ係数fを乗算するようになされてい
る。また、乗算器131は、加算器129の出力である
楽音波形FWDに、フィルタ係数発生回路923で得ら
れたフィルタ係数Aを乗算し、乗算器133は、加算器
129の出力である楽音波形FWDに、フィルタ係数発
生回路923で得られたフィルタ係数bを乗算するよう
になされている。
【0088】また、1サンプル遅延メモリ125及び1
27は、例えば、発音チャンネル数と同数ワードのRA
Mからなり、入力された信号に対して、ディジタルフィ
ルタ演算のための1サンプル分の遅延量を与えるもので
ある。
【0089】上述のような構成により、このフィルタ演
算回路924は、波形発生回路91からの楽音信号GW
Dにフィルタ演算を施す。
【0090】上述のように、ディジタルフィルタ回路9
2は、CPU5によりキーのタッチに応じて任意に変更
制御されたフィルタ特性で、波形発生回路91からの楽
音信号GWDにフィルタ演算を施して、そのフィルタ演
算を施した楽音信号GWDを楽音信号FWDとして乗算
器93に供給する。そして、この乗算器93には、振幅
エンベロープ発生回路94の出力も供給される。
【0091】つぎに、振幅エンベロープ発生回路94に
ついて具体的に説明する。
【0092】振幅エンベロープ発生回路94は、図12
に示すように、CPU5からのパラメータ各々供給され
る時変数信号発生回路941及び振幅レベル再生回路9
42と、振幅レベル再生回路942と接続されたフェー
ズ遷移制御回路943とを備えており、時変数信号発生
回路941及びフェーズ遷移制御回路943の各出力は
振幅レベル再生回路942に供給され、振幅レベル再生
回路942の出力はフェーズ遷移制御回路943に供給
されるようになされている。また、フェーズ遷移制御回
路943には、CPU5の指示によりインターフェース
回路8から出力される強制遷移信号Wfとクリア信号C
lfが供給されるようになされている。さらに、フェー
ズ遷移制御回路943からのパラメータ要求信号RQf
がインターフェース回路8に供給され、振幅レベル再生
回路942の出力が乗算器93に供給されるようになさ
れている。
【0093】時変数信号発生回路941は、CPU5か
らのスピードに関するパラメータτによって正規化され
た時変数信号αを発生してフェーズ遷移制御回路943
及び振幅レベル再生回路942に各々供給する。このパ
ラメータτは、振幅エンベロープのフェーズ時間の決定
に関与するものであり、上記図4に示されるパラメータ
テーブルTcの中のアタックスピードASと、ディケイ
1スピードD1S或いはディケイ2スピードD2Sと、
リリーススピードRSに対応する。
【0094】すなわち、時変数信号発生回路941は、
図13に示すように、CPU5からのパラメータτ用の
メモリ141と、メモリ141の出力及びフェーズ遷移
制御回路943からのフェーズ遷移信号trnが供給さ
れるセレクタ142と、セレクタ142の出力が供給さ
れるパラメータτ用のメモリ143と、メモリ143の
出力が供給される乗算器144とを備えており、メモリ
143の出力はセレクタ142にも供給されるようにな
されている。また、時変数信号発生回路941は、フェ
ーズ遷移制御回路943からのフェーズ遷移信号trn
及び所定値「1」が供給されるセレクタ145と、セレ
クタ145の出力が供給される時変数信号α用のメモリ
146と、メモリ146の出力が供給される減算器14
7とを備えており、メモリ146の出力は乗算器144
にも供給されるようになされており、減算器147の出
力がセレクタ145、フェーズ遷移制御回路943及び
振幅レベル再生回路942に各々供給されるようになさ
れている。
【0095】パラメータτ用のメモリ(以下、τBメモ
リと言う)141は、例えば、発音チャンネル数と同数
ワードのRAMからなり、CPU5からの次フェーズで
使用するパラメータτをパラメータτBとしてチャンネ
ル毎に記憶する。
【0096】パラメータτ用のメモリ(以下、τWメモ
リと言う)143は、例えば、発音チャンネル数と同数
ワードのRAMからなり、セレクタ142から出力され
るパラメータをパラメータτWとしてチャンネル毎に記
憶する。
【0097】ここで、セレクタ142には、τBメモリ
141に記憶されたパラメータτBと、τWメモリ14
3に記憶されたパラメータτWとが供給され、セレクタ
142は、フェーズ遷移制御回路943からのフェーズ
遷移信号trnが「真」(=「1」)となったときに、
τBメモリ141に記憶されたパラメータτBをτWメ
モリ143に供給する。したがって、τWメモリ143
には、パラメータτBが現在フェーズで使用するパラメ
ータτWとして記憶されることとなる。
【0098】尚、フェーズ遷移制御回路943が出力す
るフェーズ遷移信号trnは、CPU5の指示による強
制的なフェーズ遷移を要求する強制遷移信号Wfに応答
して、「真」となるようになされており、この詳細な説
明は後述する。
【0099】一方、時変数信号α用のメモリ(以下、α
メモリと言う)146は、例えば、発音チャンネル数と
同数ワードのRAMからなり、セレクタ145からの時
変数信号αをチャンネル毎に記憶する。
【0100】乗算器144は、αメモリ146に記憶さ
れた時変数信号αと、τWメモリ143に記憶された現
在フェーズで使用するパラメータτWとを乗算し、その
乗算結果を減算器147に供給する。
【0101】減算器147は、αメモリ146に記憶さ
れた時変数信号αから乗算器144の乗算結果を減算
し、その減算結果を時変数信号αとして出力する。
【0102】ここで、セレクタ145には、所定値
「1」と、減算器147が出力する時変数信号αとが供
給され、セレクタ145は、フェーズ遷移制御回路94
3からのフェーズ遷移信号trnが「偽」(=「0」)
となったときに、減算器147からの時変数信号αをα
メモリ146に供給し、フェーズ遷移制御回路943か
らのフェーズ遷移信号trnが「真」(=「1」)とな
ったときに、所定値「1」をαメモリ146に供給す
る。したがって、αメモリ146には、正規化された時
変数信号αの現在値が記憶され、この時変数信号αは、
例えば、 α(n)=α(n−1)−α(n−1)*τW なる演算式で表され、フェーズ遷移信号trnが「真」
(=「1」)となったときに、「1」に初期化される。
【0103】上述のようにして時変数信号発生回路94
1で得られた時変数信号αは、振幅レベル再生回路94
2及びフェーズ遷移制御回路943に供給される。
【0104】振幅レベル再生回路942は、CPU5か
らのパラメータLと、時変数信号発生回路941からの
時変数信号αとから、振幅エンベロープの振幅レベルを
再生し、振幅エンベロープの現在値を振幅エンベロープ
信号Ecとして乗算器93に供給する。パラメータL
は、アタックフェーズでは上記図4のパラメータテーブ
ルTcの中のアタックレベルALを鍵のタッチデータに
より変更した値であり、ディケイフェーズでは上記パラ
メータテーブルTcの中のディケイ1終了値D1Eその
ものである。
【0105】このとき、目標レベルとしては、CPU5
からのパラメータzにより、パラメータLと「0」の何
れかが選択される。パラメータzは、パラメータLの意
味を指定するものであり、パラメータzが「0(偽)」
のときには、パラメータLは振幅エンベロープ制御の目
標値として扱われ、パラメータzが「1(真)」のとき
には、パラメータLは時変数信号の終了値として扱わ
れ、目標値として0(ゼロ)が指定されたと見なされ
る。
【0106】また、振幅レベル再生回路942は、CP
U5からの現在フェーズで使用するパラメータLW及び
パラメータzWをフェーズ遷移制御回路943に供給す
る。
【0107】すなわち、振幅レベル再生回路942は、
図14に示すように、CPU5からのパラメータ各々供
給されるパラメータL用のメモリ151及びパラメータ
z用のメモリ152と、メモリ152の出力及びフェー
ズ遷移制御回路943からのフェーズ遷移信号trnが
供給されるセレクタ155と、セレクタ155の出力が
供給されるパラメータz用のメモリ158とを備えてお
り、メモリ158の出力は、パラメータzWとして出力
されると共に、セレクタ155及び後述するセレクタ1
59にも供給されるようになされている。また、振幅レ
ベル再生回路942は、メモリ151の出力及びフェー
ズ遷移制御回路943からのフェーズ遷移信号trnが
供給されるセレクタ154と、セレクタ154の出力が
供給されるパラメータL用のメモリ157と、メモリ1
57の出力、メモリ158の出力及び所定値「0」が各
々供給されるセレクタ159とを備えており、メモリ1
57の出力は、パラメータLWとして出力されると共に
セレクタ154にも供給されるようになされている。さ
らに、振幅レベル再生回路942は、フェーズ遷移制御
回路943からのフェーズ遷移信号trnが供給される
セレクタ153と、セレクタ153の出力が供給される
振幅エンベロープ初期値Ei用のメモリ156と、メモ
リ156及びセレクタ159の各出力が供給される減算
器160と、減算器160の出力及び時変数信号発生回
路941からの時変数信号αが供給される乗算器161
と、乗算器161及びセレクタ159の各出力が供給さ
れる加算器162とを備えており、加算器162の出力
は、振幅エンベロープ信号Ecとして出力されると共に
セレクタ153にも供給されるようになされている。ま
た、セレクタ153には、メモリ156の出力も供給さ
れるようになされている。
【0108】パラメータz用のメモリ(以下、zBメモ
リと言う)152は、例えば、発音チャンネル数と同数
ワードのRAMからなり、CPU5からのパラメータz
を次フェーズで使用するパラメータzBとしてチャンネ
ル毎に記憶する。
【0109】パラメータz用のメモリ(以下、zWメモ
リと言う)158は、例えば、発音チャンネル数と同数
ワードのRAMからなり、セレクタ155から出力され
るパラメータをパラメータzWとしてチャンネル毎に記
憶する。
【0110】ここで、セレクタ155には、zBメモリ
152に記憶されたパラメータzBと、zWメモリ15
8に記憶されたパラメータzWとが供給され、セレクタ
155は、フェーズ遷移制御回路943からのフェーズ
遷移信号trnが「真」(=「1」)となったときに、
zBメモリ152に記憶されたパラメータzBをzWメ
モリ158に供給する。したがって、zWメモリ158
には、セレクタ155からのパラメータzBが現在フェ
ーズで使用するパラメータzWとして記憶されることと
なる。
【0111】一方、パラメータL用のメモリ(以下、L
Bメモリと言う)151は、例えば、発音チャンネル数
と同数ワードのRAMからなり、CPU5からのパラメ
ータLを次フェーズで使用するパラメータLBとしてチ
ャンネル毎に記憶する。
【0112】パラメータL用のメモリ(以下、LWメモ
リと言う)157は、例えば、発音チャンネル数と同数
ワードのRAMからなり、セレクタ154から出力され
るパラメータをパラメータLWとしてチャンネル毎に記
憶する。
【0113】ここで、セレクタ154には、LBメモリ
151に記憶されたパラメータLBと、LWメモリ15
7に記憶されたパラメータLWとが供給され、セレクタ
154は、フェーズ遷移制御回路943からのフェーズ
遷移信号trnが「真」(=「1」)となったときに、
LBメモリ151に記憶されたパラメータLBをLWメ
モリ157に供給する。したがって、LWメモリ157
には、セレクタ154からのパラメータLBが現在フェ
ーズで使用するパラメータLWとして記憶されることと
なる。
【0114】振幅エンベロープ初期値Ei用のメモリ
(以下、Eiメモリと言う)156は、例えば、発音チ
ャンネル数と同数ワードのRAMからなり、セレクタ1
53からの出力を初期値Eiとしてチャンネル毎に記憶
する。
【0115】ここで、セレクタ159には、LWメモリ
157に記憶された現在フェーズで使用するパラメータ
LWと、所定値「0」とが供給され、セレクタ159
は、zWメモリ158に記憶された現在フェーズで使用
するパラメータzWに基づいて、パラメータLWと所定
値「0」の何れかを選択して減算器160及び加算器1
62に供給する。
【0116】減算器160は、Eiメモリ156に記憶
された初期値Eiからセレクタ159の出力値を減算
し、その減算結果を乗算器161に供給する。
【0117】乗算器161は、減算器160の減算結果
と、時変数信号発生回路941からの時変数信号αを乗
算し、その乗算結果を加算器162に供給する。
【0118】加算器162は、乗算器161の乗算結果
と、セレクタ159の出力値とを加算し、その加算結果
を振幅エンベロープ信号Ecとして出力すると共に、セ
レクタ153に供給する。
【0119】セレクタ153には、加算器162からの
振幅エンベロープ信号Ecと、上述のようにしてEiメ
モリ156に記憶された初期値Eiが供給され、セレク
タ153は、フェーズ遷移制御回路943からのフェー
ズ遷移信号trnが「真」(=「1」)となったとき
に、加算器162からの振幅エンベロープ信号EcをE
iメモリ156に供給する。すなわち、フェーズ遷移信
号trnが「真」(=「1」)となったときに、現在フ
ェーズの振幅エンベロープ信号Ecが新たな初期値Ei
としてEiメモリ156に記憶される。この現在フェー
ズの振幅エンベロープ信号Ecは、 Ec=(Ei−LW)*α+LW なる演算式で求められ、「(Ei−LW)」が時変数信
号αに対する利得となる。
【0120】上述のようにして振幅レベル再生回路94
2で得られた振幅エンベロープ信号Ecは、上記図1の
乗算器93に供給され、パラメータLW及びパラメータ
zWは、フェーズ遷移制御回路943に供給される。
【0121】フェーズ遷移制御回路943は、時変数信
号発生回路941からの時変数信号αがフェーズ終了値
に達したか否かを検出し、時変数信号αがフェーズ終了
値に達したことを検出した場合に、フェーズ遷移信号t
rnを時変数信号発生回路941及び振幅レベル再生回
路942に各々供給すると共に、次フェーズのパラメー
タ要求信号RQfをインターフェース回路8を介してC
PU5に供給する。このとき、フェーズ終了値として
は、振幅レベル再生回路942からのパラメータzWに
より、パラメータLWも用いることができるようになさ
れている。そして、このフェーズ遷移制御回路943か
ら出力されるフェーズ遷移信号trnは、インターフェ
ース回路8からの強制遷移信号Wf、すなわちCPU5
の指示による強制的なフェーズ遷移を要求する信号にも
応答して、「真」となるようになされている。また、フ
ェーズ遷移制御回路943から出力されるパラメータ要
求信号RQfは、インターフェース回路8からのクリア
信号Clf、すなわちCPU5の指示による信号により
クリアされるようになされている。
【0122】すなわち、フェーズ遷移制御回路943
は、図15に示すように、振幅レベル再生回路942か
らのパラメータLW,zW及び時変数信号αのフェーズ
終了値(固定値)が供給されるセレクタ171と、セレ
クタ171の出力及び時変数信号発生回路941からの
時変数信号αが供給される比較器172と、比較器17
2の出力及びインターフェース回路8からの強制遷移信
号Wfが供給されるORゲート173と、インターフェ
ース回路8からの強制遷移信号Wfが供給されるNOT
ゲート175と、インターフェース回路8からのクリア
信号Clfが供給されるNOTゲート176と、比較器
172の出力が供給されるORゲート174と、NOT
ゲート175,176及びORゲート174の各出力が
供給されるANDゲート177と、ANDゲート177
の出力が供給されるメモリ178とを備えており、OR
ゲート174には、メモリ178の出力も供給されるよ
うになされている。そして、ORゲート173の出力が
フェーズ遷移信号trnとして出力され、メモリ178
の出力がパラメータ要求信号RQfとして出力されるよ
うになされている。
【0123】セレクタ171は、振幅レベル再生回路9
42からのパラメータzWが「真」(=「1」)のとき
に、振幅レベル再生回路942からのパラメータLWを
フェーズ終了値として比較器172に供給し、振幅レベ
ル再生回路942からのパラメータzWが「偽」(=
「0」)のときに、フェーズ終了値(固定値)を比較器
172に供給する。
【0124】比較器172は、セレクタ171からのフ
ェーズ終了値と、時変数信号発生回路941からの時変
数信号αとを比較することにより、現在フェーズの終了
値を検出する。そして、比較器172は、その検出信号
をORゲート173及び174に供給する。
【0125】したがって、ORゲート173には、イン
ターフェース回路8からの強制遷移信号Wf、すなわち
CPU5の指示による強制的なフェーズ遷移を要求する
信号と、比較器172からの現在フェーズの終了値の検
出信号とが供給され、このORゲート173の出力がフ
ェーズ遷移信号trnとして上記図12の時変数信号発
生回路941及び振幅レベル再生回路942に供給され
る。
【0126】一方、ANDゲート177には、NOTゲ
ート175を介したインターフェース回路8からの強制
遷移信号Wfと、NOTゲート176を介したインター
フェース回路8からのクリア信号Clfと、ORゲート
174の出力とが供給され、このANDゲート177の
出力がメモリ178に供給される。
【0127】メモリ178は、例えば、発音チャンネル
数と同数ワードのRAMからなり、ANDゲート177
の出力をパラメータ要求信号RQfとしてチャンネル毎
に記憶する。
【0128】ここで、ORゲート174には、メモリ1
78に記憶されたパラメータ要求信号RQfと、比較器
172からの現在フェーズの終了値の検出信号とが供給
され、上述したように、このORゲート174の出力が
ANDゲート177に供給される。
【0129】したがって、メモリ178には、次フェー
ズのパラメータ要求信号RQfが記憶され、このパラメ
ータ要求信号RQfが上記図1のインターフェース回路
8を介してCPU5に供給される。
【0130】上述のようにして、振幅エンベロープ発生
回路94で得られた振幅エンベロープ信号Ecは、乗算
器93に供給され、乗算器93により、ディジタルフィ
ルタ回路92で得られた楽音信号FWDと乗算されるこ
ととなる。また、振幅エンベロープ発生回路94が出力
する振幅エンベロープ信号Ecは、CPU5から制御さ
れ、これにより、電子楽器100は、ダンパペダル1の
操作に応答して動作する。
【0131】つぎに、CPU5における振幅エンベロー
プ発生回路94の制御処理について具体的に説明する。
【0132】まず、電子楽器100では、振幅エンベロ
ープの形状を上記図19に示すような形状としている。
すなわち、キーON時のフェーズは、アタックフェーズ
AP、及びディケイフェーズDP1,DP2で構成さ
れ、キーOFF時のフェーズは、リリースフェーズRP
で構成される。ここで、ダンパペダル1のON/OFF
に応答させるために、キーOFF時のフェーズは、さら
に後述する複数のフェーズで構成されているが、振幅エ
ンベロープを制御するパラメータとしては、アタックフ
ェーズAP、ディケイフェーズDP1,DP2、及びリ
リースフェーズRPの4つのフェーズに対応するパラメ
ータのみを用いる。
【0133】そこで、上述のような振幅エンベロープを
制御するために、CPU5は、先ず、発音開始時、アタ
ックフェーズAPのパラメータτ、パラメータL及びパ
ラメータzを振幅エンベロープ発生回路94に供給し、
インターフェース回路8の強制遷移信号Wfを「真」に
する。このとき、アタックフェーズAPのパラメータz
を「偽」とし、パラメータLを目標レベル、すなわちア
タックレベルとする。
【0134】次に、CPU5は、ディケイフェーズDP
1のパラメータτ、パラメータL及びパラメータzを振
幅エンベロープ発生回路94に供給する。このとき、デ
ィケイフェーズDP1のパラメータzを「真」とし、パ
ラメータLをディケイフェーズDP1のフェーズ終了値
とする。また、強制遷移信号Wfを「偽」とする。
【0135】次に、CPU5は、振幅エンベロープ発生
回路94からの次フェーズのパラメータ要求信号RQf
が「真」となったことを認識すると、クリア信号Clf
を「真」とすることにより、上記パラメータ要求信号R
Qfをクリアすると共に、ディケイフェーズDP2のパ
ラメータτ、パラメータL及びパラメータzを振幅エン
ベロープ発生回路94に供給する。このとき、強制遷移
信号Wfを「偽」とし、ディケイフェーズDP2のパラ
メータLを「0」とする。尚、ディケイフェーズDP2
のパラメータzに関しては、ディケイフェーズDP2の
パラメータLを「0」としているため、「真」及び
「偽」のいずれでもよい。
【0136】そして、離鍵により発音停止が指示される
と、CPU5は、リリースフェーズRPのパラメータ
τ、パラメータL及びパラメータzを振幅エンベロープ
発生回路94に供給し、インターフェース回路8の強制
遷移信号Wfを「真」にする。このとき、リリースフェ
ーズRPのパラメータLを「0」とする。尚、リリース
フェーズRPのパラメータzに関しては、リリースフェ
ーズRPのパラメータLを「0」としているため、
「真」及び「偽」のいずれでもよい。
【0137】また、フェーズがリリースフェーズRPに
あるとき、ダンパペダル1がONされると、すなわち発
音停止禁止が指示されると、CPU5は、ディケイフェ
ーズDP2のパラメータτ、パラメータL及びパラメー
タzを振幅エンベロープ発生回路94に供給する。この
とき、強制遷移信号Wfを「真」とする。
【0138】ここで、図16は、上述のようなCPU5
の処理によるフェーズ遷移を示す図である。
【0139】尚、図16のアタックフェーズap
(N)、アタックフェーズap(F)が夫々第1N状
態、第1F状態に対応し、ディケイフェーズdp1
(N)、ディケイフェーズdp1(F)が夫々第2N状
態、第2F状態に対応し、ディケイフェーズdp2
(N)、ディケイフェーズdp2(F)が夫々第3N状
態、第3F状態に対応し、リリースフェーズrpが第4
状態に対応する。
【0140】上記図16に示すように、この電子楽器1
00では、ダンパペダル1のON(N)/OFF(F)
に応答させるために、上記図19に示したアタックフェ
ーズAP、ディケイフェーズDP1,DP2、リリース
フェーズRPの4つのフェーズに対して、アタックフェ
ーズap(N)、アタックフェーズap(F)、ディケ
イフェーズdp1(N)、ディケイフェーズdp1
(F)、ディケイフェーズdp2(N)、ディケイフェ
ーズdp2(F)、リリースフェーズrpの7つのフェ
ーズを定義している。そして、アタックフェーズap
(F)、ディケイフェーズdp1(F)及びディケイフ
ェーズdp2(F)の3つのフェーズは、キーOFF且
つダンパベダル1ONの状態に対応するフェーズとして
いる。但し、上述したように、アタックフェーズap
(N)とアタックフェーズap(F)、ディケイフェー
ズdp1(N)とディケイフェーズdp1(F)、及び
ディケイフェーズdp2(N)とディケイフェーズdp
2(F)は、各々同一のパラメータとしている。
【0141】そして、キーON時のフェーズとしては、
アタックフェーズap(N)、ディケイフェーズdp1
(N)及びディケイフェーズdp2(N)の3つのフェ
ーズを用い、キーOFF時のフェーズとしては、リリー
スフェーズrp、アタックフェーズap(F)、ディケ
イフェーズdp1(F)及びディケイフェーズdp2
(F)を用いている。
【0142】尚、上記図16において、「KN」はキー
ON、「KF」はキーOFF、「PN」はダンパペダル
ON、「PF」はダンパペダルOFF、「trn」はフ
ェーズ遷移信号、「&」は論理積を各々表すものとす
る。
【0143】先ず、従来例(図20)と同様に任意のキ
ーが新たにONされることにより発音開始の指示がなさ
れると、CPUは、複数の発音チャンネルのうちキーオ
フ時のフェーズ(リリースフェーズrp)にあるチャン
ネルのいずれかにそのキーを割り当て、発音開始処理を
行なう。これにより、「リリースフェーズrp→アタッ
クフェーズap(N)」とフェーズが進行する。そし
て、そのままキーがON状態であった場合、CPUが出
力する制御パラメータにより、「アタックフェーズap
→ディケイフェーズdp1(N)→ディケイフェーズd
p2(N)」とフェーズが進行し、ディケイフェーズd
p2(N)で留った状態となり、ディケイフェーズdp
2の減衰率で消音する。
【0144】次に、そのキーがOFFされることにより
発音停止の指示がなされると、CPUが出力する制御パ
ラメータにより、「ディケイフェーズdp2(N)→デ
ィケイフェーズdp2(F)」とフェーズが移る。この
とき、ダンパペダルがONであれば、即ち発音停止が禁
止されていた場合、そのままディケイフェーズdp2
(F)に留った状態になる。但し、ディケイフェーズd
p2(N)とディケイフェーズdp2(F)に対応する
各制御パラメータを同一としているため、発音中の楽音
に変化はない。
【0145】一方、ダンパペダルがOFFであれば、す
なわち発音停止が許可であった場合、CPUが出力する
制御パラメータにより、「ディケイフェーズdp2
(F)→リリースフェーズrp」とフェーズが移され
る。このときダンパペダルが再度ONされると、「リリ
ースフェーズrp→ディケイフェーズdp2(F)」と
フェーズが移される(リダンパ)。
【0146】キーがONされフェーズがアタックフェー
ズap(N)にあるときにキーがOFFされると、「ア
タックフェーズap(N)→アタックフェーズap
(F)」とフェーズが移される。このとき、アタックフ
ェーズap(N)とアタックフェーズap(F)は、パ
ラメータが同一であるため、発音中の楽音が変化するこ
とはない。
【0147】そして、このとき、ダンパペダル1がON
であった場合、フェーズ遷移信号trnがあるまでフェ
ーズはアタックフェーズap(F)に留った状態とな
る。そして時変数信号αが終了値に達するごとに生じる
フェーズ遷移信号trnに従って、「アタックフェーズ
ap(F)→ディケイフェーズdp1(F)→ディケイ
フェーズdp2(F)」とフェーズが進行し、ディケイ
フェーズdp2の減衰率で消音する。
【0148】一方、ダンパペダル1がOFFであった場
合、「アタックフェーズap(F)→リリースフェーズ
rp」とフェーズが移される。
【0149】また、フェーズがディケイフェーズdp1
(N)にあるときにキーがOFFされると、「ディケイ
フェーズdp1(N)→ディケイフェーズdp1
(F)」とフェーズが移される。このとき、ディケイフ
ェーズdp1(N)とディケイフェーズdp1(F)
は、パラメータが同一であるため、発音中の楽音が変化
することはない。
【0150】そして、このとき、ダンパペダル1がON
であった場合、振幅エンベロープ発生回路94で次のフ
ェーズ遷移信号trnが生じるまで、フェーズはディケ
イフェーズdp1(F)に留った状態となる。そして、
時変数信号αが終了値に達するごとに生じるフェーズ遷
移信号trnに従って、「ディケイフェーズdp1
(F)→ディケイフェーズdp2(F)」とフェーズが
進行する。
【0151】一方、ダンパペダル1がOFFであった場
合、「ディケイフェーズdp1(F)→リリースフェー
ズrp」とフェーズが移される。
【0152】上述のように、電子楽器100では、ダン
パペダル1のON/OFFに対応して、アタックフェー
ズAPを2つのアタックフェーズap(N)とアタック
フェーズap(F)に定義し、ディケイフェーズDP1
を2つのディケイフェーズdp1(N)とディケイフェ
ーズdp1(F)に定義し、ディケイフェーズDP2を
2つのディケイフェーズdp2(N)とディケイフェー
ズdp2(F)に定義し、アタックフェーズap
(F)、ディケイフェーズdp1(F)及びディケイフ
ェーズdp2(F)の3つのフェーズをキーOFF且つ
ダンパペダル1ONの状態に対応するフェーズとして定
義して振幅エンベロープを制御するようになされている
ため、ダンパベダル1がONの状態において、キーON
直後にOFFされた場合でも、アタックの立ち上がりが
中途半端になるような現象を防ぐことができると共に、
常に2段ディケイの構成で振幅エンベロープを制御する
ことができる。また、振幅エンベロープ発生回路94
は、2つ分のフェーズの各パラメータを保持することが
できるようになされているため、CPU5は、振幅エン
ベロープ発生回路94からのパラメータ要求信号RQf
により、図17に示すように、ディケイフェーズdp1
(N)とディケイフェーズdp2(N)、及びディケイ
フェーズdp1(F)とディケイフェーズdp2(F)
を特に区別することなく、容易にフェーズ進行の管理を
行うことができる。
【0153】また、電子楽器100では、上記図5に示
したような2つのTD−ωoテーブルTdとTD−Qテ
ーブルTeを設けることにより、ディジタルフィルタ回
路92のフィルタ特性を指定する共振周波数ωoとQの
値をキーのタッチに応じて任意に変更制御するようにな
されているため、キーのタッチによる楽音特性の変化具
合を自然なものとすることができる。
【0154】尚、上述した電子楽器100では、上記図
6に示したようなフィルタ特性の変更制御を行うことと
したが、上記図21に示したように、Qの値を一定にし
てフィルタ特性の変更制御も行うようにしてもよい。
【0155】また、電子楽器100で用いている発音チ
ャンネル数と同数ワードのRAMで構成されている各メ
モリを、各々、同数ステージのシフトレジスタで構成さ
れるメモリとしてもよい。
【0156】また、CPU5は、上記図5に示したよう
なフローグラフにより、ディジタルフィルタ回路92の
フィルタ特性をキーのタッチに応じて任意に変更制御す
ることとしたが、図18に示すようなフローグラフによ
りその変更制御を行うようにしてもよい。すなわち、こ
の場合、TD−ωoテーブルTdを用いて、鍵走査/タ
ッチ検出回路3からのタッチデータTDを変換し、その
変換データを加算器181に供給すると共に、上記図5
のTD−QテーブルTeの代わりに設けられたωo−Q
テーブルTe’を用いてさらに変換し、その変換データ
を加算器182に供給するようにする。また、ωo−Q
テーブルTe’は、ROM6に記憶されているものとす
る。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、発
音指示手段により発音指示される際の操作強度に応じ
て、楽音発生手段のフィルタ特性を制御するための共振
周波数及び共振の鋭さを示す値を任意に変更するように
構成したことにより、発生する楽音が如何なる音色を有
するものであっても、その楽音の特性の変化具合を自然
なものとすることができる。したがって、上記操作強度
に応じた楽音の変化を常に自然で良好なものとすること
ができる。
【0158】本発明によれば、発音指示手段により発音
指示される際の操作強度に応じて、楽音発生手段のフィ
ルタ特性を制御するための共振周波数を任意に変更し、
その変更した共振周波数に応じて、上記楽音発生手段の
フィルタ特性を制御するための共振の鋭さを示す値を任
意に変更するように構成したことにより、発生する楽音
が如何なる音色を有するものであっても、その楽音の特
性の変化具合を自然なものとすることができる。したが
って、上記操作強度に応じた楽音の変化を常に自然で良
好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子楽器を適用した電子楽器の構
成を示すブロック図である。
【図2】ROMに記憶されているポインタテーブルを説
明するための図である。
【図3】ROMに記憶されている波形アドレステーブル
を説明するための図である。
【図4】ROMに記憶されているパラメータテーブルを
説明するための図である。
【図5】CPUのフィルタ特性制御処理を説明するため
のフローグラフである。
【図6】ディジタルフィルタ回路のフィルタ特性を説明
するための図である。
【図7】上記ディジタルフィルタ回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】上記ディジタルフィルタ回路のフィルタ係数発
生回路の第1回路の構成を示すブロック図である。
【図9】上記ディジタルフィルタ回路のフィルタ係数発
生回路の第2回路の構成を示すブロック図である。
【図10】上記ディジタルフィルタ回路のフィルタ係数
発生回路の第3回路の構成を示すブロック図である。
【図11】上記ディジタルフィルタ回路のフィルタ演算
回路の構成を示すブロック図である。
【図12】振幅エンベロープ発生回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図13】上記振幅エンベロープ発生回路の時変数信号
発生回路の構成を示すブロック図である。
【図14】上記振幅エンベロープ発生回路の振幅レベル
再生回路の構成を示すブロック図である。
【図15】上記振幅エンベロープ発生回路のフェーズ遷
移制御回路の構成を示すブロック図である。
【図16】上記電子楽器における振幅エンベロープのフ
ェーズ遷移を説明するための図である。
【図17】上記CPUのフェーズ進行の管理を説明する
ための図である。
【図18】上記CPUのフィルタ特性制御処理を説明す
るためのフローグラフである。
【図19】振幅エンベロープの形状を説明するための図
である。
【図20】従来の振幅エンベロープのフェーズ遷移を説
明するための図である。
【図21】従来のフィルタ特性を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 ダンパペダル 2 鍵盤回路 3 鍵操作/タッチ検出回路 4 パネル回路 5 CPU 6 ROM 7 RAM 8 インターフェース回路 9 楽音発生回路 91 波形発生回路 92 ディジタルフィルタ回路 93 乗算器 94 振幅エンベロープ発生回路 95 累算回路 96 D/A変換器 97 サウンドシステム 100 電子楽器

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音を発生する楽音発生手段と、 上記楽音発生手段による楽音の発音開始及び停止を指示
    する発音指示手段と、 上記発音指示手段により発音指示される際の操作強度を
    検出する検出手段と、 上記発音指示手段による発音指示及び上記検出手段の検
    出結果に基づいて上記楽音発生手段による楽音の発音及
    び楽音の特性を制御する制御手段とを備え、 上記楽音発生手段は、共振周波数情報及び共振の鋭さを
    示す値に基づいてそのフィルタ特性が制御されるディジ
    タルフィルタを含み、上記制御手段により制御されたフ
    ィルタ特性で楽音を発生し、 上記制御手段は、上記検出手段により検出される操作強
    度に対応して複数の共振周波数情報を記憶した第1のテ
    ーブル手段と、上記操作強度が増すほど共振の鋭さを示
    す値が低下する特性になる複数の共振の鋭さを示す値の
    情報を記憶した第2のテーブル手段とを含み、 上記検出手段の検出結果に基づいて上記第1のテーブル
    手段から共振周波数情報を選出するとともに、上記第2
    のテーブル手段から共振の鋭さを示す値の情報を選出
    し、上記各テーブル手段から選出した共振周波数情報及
    び共振の鋭さを示す値の情報に基づいて上記ディジタル
    フィルタのフィルタ特性を制御することを特徴とする電
    子楽器。
  2. 【請求項2】 楽音を発生する楽音発生手段と、 上記楽音発生手段による楽音の発音開始及び停止を指示
    する発音指示手段と、 上記発音指示手段により発音指示される際の操作強度を
    検出する検出手段と、 上記発音指示手段による発音指示及び上記検出手段の検
    出結果に基づいて上記楽音発生手段による楽音の発音及
    び楽音の特性を制御する制御手段とを備え、 上記楽音発生手段は、共振周波数情報及び共振の鋭さを
    示す値に基づいてそのフィルタ特性が制御されるディジ
    タルフィルタを含み、上記制御手段により制御されたフ
    ィルタ特性で楽音を発生し、 上記制御手段は、上記検出手段により検出される操作強
    度に対応して複数の共振周波数情報を記憶した第1のテ
    ーブル手段と、上記操作強度に対応して複数の共振の鋭
    さを示す値の情報を記憶した第2のテーブル手段と、複
    数の音色ごとに共振周波数情報のベース値及び共振の鋭
    さ情報のベース値を各々記憶した記憶手段と、上記第1
    のテーブル手段から選出した共振周波数情報と上記記憶
    手段から選出した共振周波数ベース値とを加算する第1
    の加算器と、上記第2のテーブル手段から選出した共振
    の鋭さを示す値と、上記記憶手段から選出した共振の鋭
    さ情報のベース値とを加算する第2の加算器とを含み、
    上記第1の加算器から出力される共振周波数情報と上記
    第2の加算器から出力される共振の鋭さ情報とに基づい
    て上記ディジタルフィルタのフィルタ特性を制御するこ
    とを特徴とする電子楽器。
  3. 【請求項3】 楽音を発生する楽音発生手段と、 上記楽音発生手段による楽音の発音開始及び停止を指示
    する発音指示手段と、 上記発音指示手段により発音指示される際の操作強度を
    検出する検出手段と、 上記発音指示手段による発音指示及び上記検出手段の検
    出結果に基づいて上記楽音発生手段による楽音の発音及
    び楽音の特性を制御する制御手段とを備え、 上記楽音発生手段は、共振周波数情報及び共振の鋭さを
    示す値に基づいてそのフィルタ特性が制御されるディジ
    タルフィルタを含み、上記制御手段により制御されたフ
    ィルタ特性で楽音を発生し、 上記制御手段は、上記検出手段により検出される操作強
    度に対応して複数の共振周波数情報を記憶した第1のテ
    ーブル手段と、上記共振周波数情報に対応して複数の共
    振の鋭さを示す値の情報を記憶した第2のテーブル手段
    とを含み、 上記検出手段の検出結果に基づいて上記共振周波数情報
    を上記第1のテーブル手段から選出し、上記第1のテー
    ブル手段から選出した共振周波数情報に基づいて共振の
    鋭さを示す値を上記第2のテーブル手段から選出するこ
    とを特徴とする電子楽器。
  4. 【請求項4】 上記ディジタルフィルタは低域通過フィ
    ルタであり、 上記第1のテーブル手段から選出された共振周波数情報
    により、上記ディジタルフィルタのカットオフ周波数を
    決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に
    記載の電子楽器。
  5. 【請求項5】 上記共振の鋭さ情報は、対数値で記憶さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に
    記載の電子楽器。
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