JP3447387B2 - 超音波気泡検出器 - Google Patents

超音波気泡検出器

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JP3447387B2
JP3447387B2 JP24167994A JP24167994A JP3447387B2 JP 3447387 B2 JP3447387 B2 JP 3447387B2 JP 24167994 A JP24167994 A JP 24167994A JP 24167994 A JP24167994 A JP 24167994A JP 3447387 B2 JP3447387 B2 JP 3447387B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬液バッグ、薬液瓶、
シリンジ等の薬液容器の薬液を中空のチューブを介して
体内に送液する輸液ポンプ、シリンジポンプ等の医療用
ポンプに取り付けられる気泡検出器において、正確にチ
ューブ内に混入する気泡を検出する構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】輸液ポンプ、シリンジポンプ等の医療用
ポンプに使用される気泡検出器は溶液の溶存酸素が薬液
容器の保存温度と大気の温度差により溶出しチューブ内
に析出するものと、薬液容器内の薬液残量が少なくなり
容器の気泡を混入して送液されるもの、また薬液容器と
送液チューブ間のリークにより気泡を外部より混入する
ものに大別される。送液時、血管内に誤って入れること
のできる気泡長は「JIS T−1653」に規定され
ており、チューブ内に5〜6mmの気泡が入った場合に
は、警報を発し、送液を停止するように規定されてい
る。
【0003】このような気泡検出器はチューブ内を通過
する薬液と気泡の光の透過量の違いを検出し判定する光
検出型気泡検出器と、超音波伝搬の減衰量の違いを検出
し判定する超音波気泡検出器に大別される。
【0004】上述の如く超音波気泡検出器は特定の超音
波が液体と気体を伝搬する際の減衰量の違いを利用する
ものであり、空気については水に比べ1億倍の減衰量を
示し超音波をほとんど伝搬することができない。このた
め、光検出型気泡検出器で問題となるチューブに付着し
た薬液による透過量の誤差や着色薬液による透過量の誤
差はほとんど生じることがなく、広く気泡検出器として
使われている。
【0005】超音波気泡検出器は、一般に、対向配置さ
れた超音波送受信素子が装着されたチューブ保持部の間
に、チューブ壁面が超音波送受信素子とほぼ平行になる
ようにチューブを挟持し、超音波の直進性が増す構造と
なっている。しかしながら、このような構造だけでは、
精度のよい気泡検出を行おうとする場合には、超音波の
直進性を充分に確保できず、更に、チューブの外壁やチ
ューブ保持部を通して超音波が回り込むことを防止する
必要があった。
【0006】特開昭57−119758号公報には、図
6に示すように、チューブ保持部は超音波伝搬特性をも
つ部分201,202と超音波の非伝搬特性をもつ部分
205とで形成され、超音波伝搬特性をもつ部分20
1,202の一端にチューブ3を接触させ、他端に超音
波送受信素子203,204が取り付けられている。ま
た、前記超音波の非伝搬特性をもつ部分205は、超音
波送受信素子203,204が取り付けられ、対向配置
されている超音波の伝搬特性をもつ部分201,202
に接続するように形成されており、超音波の回り込み防
止のために溝206が設けられている。しかしながら、
このような構造では、超音波発信素子から発信される超
音波のチューブ外壁やチューブ保持部を通しての回り込
みを防止するために、チューブ保持部に2種類の部材を
用いて接続する必要があるなど構造が複雑で組み立てが
難しいという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の欠点を
改善するためになされたものであって、超音波発信素子
から発信された超音波が、チューブの外壁やチューブ保
持部などを通して周辺に拡散して回り込み、誤って超音
波受信素子で受信することを防止し、気泡を正確に検出
することのできる、組み立ての容易な超音波気泡検出器
を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、対向配置されたチューブ保持部の間にチュ
ーブを装着し、超音波の伝達信号に基づいて該チューブ
内に存在する気泡を検出する超音波気泡検出器におい
て、超音波送受信素子は前記チューブ保持部の外面に装
着し、該超音波送受信素子の装着面に対応する前記チュ
ーブ保持部の内面の位置に該超音波送受信素子の装着面
とほぼ平行な平面部を設け、該平面部の両端に該チュー
ブの長手方向にほぼ平行に延びる2つの溝を設け、前記
チューブ保持部の内面には、該平面部の両端より、装着
されたチューブの長手方向に垂直な方向に、該平面部と
なす角度(θ )が30度より大きく80度より小さい
傾斜面を形成することを特徴とする超音波気泡検出器で
ある。
【0009】本発明の好ましい態様として、該2つの溝
の間隔は、装着されたチューブの長手方向と垂直な方向
の該超音波送受信素子の幅とほぼ等しいことを特徴とす
る超音波気泡検出器である。
【0010】本発明の好ましい態様として、該少なくと
も2つの溝の深さは該平面部より0.5mm以上であ
り、幅は0.5mm以上であることを特徴とする超音波
気泡検出器である。
【0011】
【0012】本発明の好ましい態様として、前記チュー
ブ保持部の内面には、装着されたチューブの長手方向に
垂直な方向に、該平面部の両端より、該斜面部に続い
て、対向配置された前記チューブ保持部の合わせ面の高
さ(H)より低い位置(h)に該平面部とほぼ平行な他
の平面部を形成することを特徴とする超音波気泡検出
器。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ、実施例に係わ
る超音波気泡検出器を詳細に説明する。
【0014】図1は、本願発明の気泡検出器の実施例で
送液チューブを装着した様子を示す斜視図、図2は、図
1の気泡検出器で、A−A’部分の水平断面図である。
図1、図2において、本願発明の気泡検出器では、送液
チューブを挟む対向する2つのチューブ保持部101,
102のチューブを保持する面とは反対の面(いわゆる
チューブ保持部の外面)に、超音波送受信素子であるセ
ラミック圧電素子103,104をウラ電極面に一液型
RTV接着剤(主成分:シリコーンゴム)、1液または
2液型のエポキシ樹脂接着剤(主成分:エポキシ樹脂ポ
リアミドアミン、変成シリコンポリマー)、接触硬化型
アクリル接着剤(変性アクリルアミン系化合物)等から
選ばれる接着剤104,105を介して加圧接着して、
セラミック圧電素子103,104により送受信される
超音波の伝達信号の大きさに基づいて、チューブ3内を
流れる薬液に混入する気泡を検出する。
【0015】このように、チューブ保持部101,10
2の外面に、セラミック圧電素子103,104を接着
して装着することにより、これらのセラミック圧電素子
をチューブ保持部の内部に埋め込み装着する場合と異な
り、送信側のセラミック圧電素子103から横方向に発
信される超音波がチューブ保持部の内部を通り受信側の
セラミック圧電素子104で受信されたり、後方向に発
信される超音波がチューブ保持部の内部で反射されて戻
ってきて前方に発信される超音波に重畳するという不都
合が回避される。
【0016】チューブ保持部101,102の材質は、
超音波の伝搬特性と素材の成形性、加工性、加工後の寸
法安定性を考慮し、ABS樹脂、塩ビ樹脂、ノリル樹
脂、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂等から選ばれるも
のである。
【0017】また、チューブ保持部の構造については、
セラミック圧電素子103,104の装着面に対応する
チューブ保持部のチューブを保持する面(いわゆるチュ
ーブ保持部の内面)の位置には、セラミック圧電素子1
03,104の装着面とほぼ平行で、装着されたチュー
ブの長手方向に垂直な方向の幅がセラミック圧電素子1
03,104の同じ方向の幅とほぼ等しい平面部10
7,108を設けている。さらに、チューブ保持部10
1,102の内面には、平面部107,108の両端に
2つの溝109,110を設け、その両端の溝109,
110から、装着されたチューブの長手方向に垂直な方
向に、第1の傾斜面111,112が形成され、続いて
他の平面部(第2平面部)115,116,第2の傾斜
面113,114,チューブ保持部合わせ面117,1
18と続いて形成されている。そして、チューブ保持部
101,102は、チューブ装着時には、装着された一
対のセラミック圧電素子103,104の位置が互いに
向かい合いあったまま開き、チューブ装着後は閉じてチ
ューブ3を押圧し、平面部107,108に偏平したチ
ューブが密着接触する構造となっている。
【0018】このような平面部107,108を設ける
ことにより、送液チューブがチューブ保持部101,1
02により押圧されるとき、チューブ壁面が、圧電素子
装着面と平行となり、また、平行となったチューブ外壁
の幅とセラミック圧電素子103,104の幅がほぼ等
しいことから、セラミック圧電素子103から発信され
る超音波が直進性を備えて効率よくチューブに入射され
ることとなる。また、平面部107,108の両端に設
けられた溝109,110により、送信側のセラミック
圧電素子103から発信された超音波がチューブの外壁
やチューブ保持部の内部を通って受信側のセラミック圧
電素子104で受信されることを防止できる。平面部1
07,108,溝109,110に続く2つの傾斜面1
11,112,113,114と他の平面部(第2平面
部)115,116を形成する構造により、種々の外径
のチューブについて同し面積のチューブ外壁を平面部1
07,108に密着接触させることができる。
【0019】セラミック圧電素子103,104として
は、PZT(PbTiO3−PbZrO3)、またはPZ
Tを主成分とし、PbをBa,Sr,Caで置換したも
の、または、PZTに第3成分を添加した、Pb(Sb
1/2Nb1/2)O3,Pb(Mg1/3Nb2/3)O3,Pb
(Co1/3Nb2/3)O3,Pb(Ni1/3Nb2/3)O3
の複合ペロブスカイト形化合物、PT(PbTiO3
微量添加物を入れたもの)が用いられ、オモテ、ウラ面
に電極を蒸着し分極処理したものを使用した。
【0020】図3はスライド治具7、8に装着した実施
例の気泡検出器の模式図である。上記、チューブ保持部
101,102を上下スライド治具にネジ止めしてい
る。スライド治具はこれに限定されるものではなく互い
に対向位置にある圧電素子103,104の位置がチュ
ーブ保持部101,102が移動しても対向位置に影響
を及ぼさないものであれば良い。
【0021】図9は、本願発明の気泡検出器を内蔵した
医療用ポンプの模式図である。薬液、輸液等の入ったバ
ッグ4が輸液スタンド5に吊るされており、バッグ4の
底面より軟質塩ビなどの可撓性材料で形成された輸液チ
ューブ3が出て、医療用ポンプ1に入り、上腕静脈に接
続される。気泡は輸液の溶存酸素が薬液容器の保存温度
と大気の温度差により溶出しチューブ内に析出するもの
と、薬液容器内の薬液残量が少なくなり容器の気泡を混
入して送液されるもの、また薬液容器と送液チューブ間
のリークにより気泡を外部より混入するものがあり、気
泡検出器2は気泡長5mm以上の気泡を監視し、その気
泡の検出に際して輸液ポンプは、警報を発すると共に装
置の送液機能を停止させる。
【0022】図10は、本願発明の気泡検出器を用いた
送液制御のブロック図であり、増幅した受信信号は警報
監視回路で判定し気泡長が判定値を越えると送液制御部
の回路が動作して送液を停止すると共に輸液チューブ3
を送液停止シャッター6により圧閉して送液を遮断する
ようになっている。
【0023】本願発明の実施例の気泡検出器では送信用
圧電素子であるセラミック圧電素子103に1MHz、
5Vの方形波を印加して超音波を送信し、受信用圧電素
子であるセラミック圧電素子104で受信して後、増幅
器で100倍に増幅し、交流成分のレベルを監視し0.
5V以下の電圧で気泡長を5mm以上と判定できるよう
に調整した。本願発明の第1の実施例では、図1,図4
に示すようにチューブ保持部101,102は塩ビ樹脂
からなり、幅(W)10mm、長さ(L)14mm、厚
さ(D)5mmの大きさの材料から、平面部107,1
08の幅3mm、溝109,110の幅0.5mm、溝
109,110の深さ1mm、第1傾斜面111,11
2の幅(w1)1mm、第1の傾斜面111,112と
平面部107,108とのなす角度(θ1)45度、他
の平面部(第2平面部)115,116の幅1mm、第
2傾斜面113,114の幅(w2)1mm、第2の傾
斜面113,114と他の平面部(第2平面部)11
5,116とのなす角度(θ2)45度、チューブ保持
部の合わせ面117,118の幅2mmの左右対称のチ
ューブ保持部を一対製作した。一方のチューブ保持部1
01に送信用圧電素子としてPZT圧電素子を平面部1
07に相当するチューブ保持部101の外面に規定の寸
法で接着面に気泡の入らないように脱気処理した一液型
RTV(信越化学KE4898W)接着剤を圧電素子ウ
ラ面に薄く一様に塗布し、加圧接着し一昼夜室温で放置
した。同様に、受信用圧電素子としてPT圧電素子を他
方のチューブ保持部102の外面の平面部108相当位
置に接着剤で固定して一昼夜室温で放置した。また、圧
電素子の寸法は幅(w)3mm、長さ(l)5mm、厚
さ(d)2mmとして、平面部107,108と幅は同
じとなっている。
【0024】送液チューブは外径5mm、内径3mmの
軟質塩ビ樹脂チューブ(標準径チューブ)をチューブ保
持部101,102の平面部107,108がチューブ
の中心になるようにセットしチューブ保持部101,1
02をスライドしチューブを押圧固定した。
【0025】気泡長の大きさと出力電圧の大きさを測定
することで図7のグラフが得られた。気泡長5mmの気
泡についての出力が略0.5Vに対して送液時(気泡の
ない場合)に略4Vと充分大きい出力を検出することが
でき、気泡がある場合を誤って送液されていると判定す
る可能性はかなり小さくなっている。
【0026】図4は、また、この標準径の送液チューブ
をチューブ保持部101,102に装着した状態の超音
波の伝搬する様子を矢印で示す断面図である。チューブ
外壁がチューブ保持部101,102の平面部107,
108に密着していることと平面部107,108の両
端に設けられた溝109,110の超音波の遮断によ
り、超音波がチューブ外壁やチューブ保持部を通って回
り込むことなく、超音波の直進性が充分確保されている
様子が示されている。
【0027】本願発明の第2の実施例では、チューブ保
持部101,102はABS樹脂からなり、寸法は第1
の実施例と同じに一対製作した。圧電素子103,10
4の寸法も第1の実施例と同じとした。一方のチューブ
保持部101に送信用圧電素子としてPZT圧電素子を
平面部107に相当するチューブ保持部101の外面に
規定の寸法で接着面に気泡の入らないように脱気処理し
た接触硬化型アクリル接着剤(セメダイン、SGA6
0)を圧電素子ウラ面に薄く一様に塗布し、加圧接着し
一昼夜室温で放置した。同様に、受信用圧電素子として
PZT圧電素子を他方のチューブ保持部102の外面の
平面部108相当位置に接着剤で固定して一昼夜室温で
放置した。
【0028】第1の実施例と同じく、送液チューブは外
径5mm、内径3mmの軟質塩ビ樹脂チューブ(標準径
チューブ)をチューブ保持部101,102の平面部1
07,108がチューブの中心に位置するようにセット
しチューブ保持部101,102をスライドしチューブ
を押圧固定した。
【0029】第1の実施例と同様に評価したところ、結
果は第1の実施例とほとんど同じであり、気泡長5mm
の気泡についての出力に比べ送液時の出力は充分大き
く、気泡がある場合を誤って送液されていると判定する
可能性はかなり小さい出力関係となっていた。
【0030】本願発明の第3の実施例では、気泡検出器
のチューブ保持部101,102はノリル樹脂からな
り、寸法は、第1の傾斜面111,112と平面部10
7,108とのなす角度(θ1)角度と第2の傾斜面1
13,114と他の平面部(第2平面部)115,11
6とのなす角度(θ2)が40度と異なる他は、第1と
第2の実施例と同じであり、一対製作した。圧電素子1
03,104の寸法も第1,第2の実施例と同じとし
た。一方のチューブ保持部101に送信用圧電素子とし
てPZT圧電素子を平面部107相当するチューブ保持
部101の外面に規定の寸法で接着面に気泡の入らない
ように脱気処理した二液性エポキシ接着剤(コニシボン
ド、ボンドE)を圧電素子ウラ面に薄く一様に塗布し、
加圧接着し一昼夜室温で放置した。同様に、受信用圧電
素子としてPZT圧電素子を他方のチューブ保持部10
2の平面部108相当位置に接着剤で固定して一昼夜室
温で放置した。
【0031】送液チューブは第1と第2の実施例とは異
なり外径の大きめの、外径7mm、内径5mmの軟質塩
ビ樹脂チューブをチューブ保持部101,102の平面
部107,108がチューブの中心に位置するようにセ
ットしチューブ保持部101,102をスライドしチュ
ーブを押圧固定した。
【0032】第1の実施例と同様に、気泡長の大きさと
出力電圧の大きさを測定することで図8のグラフが得ら
れた。チューブ外壁は、外径が大きくても、図4の標準
のチューブの場合と同じ面積のチューブ外壁が、チュー
ブ保持部の平面部107,108と密着することから、
図7の標準径チューブの場合と同様のグラフとなってい
る。
【0033】図5は外径の大きい送液チューブを装着し
たチューブ保持部101,102に装着した状態の超音
波の伝搬する様子を矢印で示す断面図である。外径の大
きい送液チューブを装着する場合、チューブ周辺部が合
わせ面117,118の高さ(H)より低い位置(h)
の平面部107,108とほぼ平行な他の平面部(第2
平面部)115,116と第2傾斜面113,114と
で作られる空間119にはみ出し、平面部107,10
8に対応するチューブ壁面の部分に窪みを作ることなく
チューブ壁面を平面部に密着させることができ、図4の
標準のチューブの場合と同様、溝による超音波の遮断と
合わせて、超音波がチューブ外壁やチューブ保持部を通
って回り込むことを防止し、超音波の直進性を充分確保
することができている。
【0034】尚、繰り返しチューブ装着時の再現性は第
1ないし第3の実施例のいずれも5回繰り返したとこ
ろ、出力電圧は送液時(気泡のない場合)3.8Vから
4.0Vの間で再現性があり、また5mmの気泡を含む
状態では0.45Vから0.5Vの間であり、再現性の
ある傾向を示し実用上問題が無かった。
【0035】また、第1ないし3の実施例のいずれも
0.5V以下の電圧で気泡長を5mm以上と判定できる
ように調整したが、この場合は、送液時(気泡のない場
合)に略4Vと充分大きい出力を検出することができ、
気泡がある場合を誤って送液されていると判定する可能
性はかなり小さいものとなっており、実用上問題は無か
った。
【0036】チューブ保持部101,102の平面部1
07,108の両端に設けられた溝109,110の幅
と深さについては、超音波のチューブの外壁やチューブ
保持部の内部を通っての回り込みを遮断するものとし
て、第1ないし第3の実施例ではそれぞれ0.5mm、
1mmとしたが、共に、0.5mm以上であれば、実用
上、問題はないことが分かった。
【0037】また、チューブ保持部101,102の第
1の傾斜面111,112と平面部107,108との
なす角度(θ1)角度は、30度以下だとチューブ保持
するのが難しく、また、80度以上だと平面部107,
108全面にわたってチューブ外壁を密着させることが
難しいことから、30度より大きく80度より小さいも
のが好ましいことが分かった。
【0038】本願発明の気泡検出器は、実施例として、
輸液ポンプに内蔵する例を示したが、実施例に限定され
るものでなく、シリンジポンプ、体外血液循環回路等の
医療用装置にも適用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明に従った気泡
検出器は、対向配置されたチューブ保持部の間にチュー
ブを装着し、超音波の伝達信号に基づいて該チューブ内
に存在する気泡を検出する超音波気泡検出器において、
超音波送受信素子は前記チューブ保持部の外面に装着
し、該超音波送受信素子の装着面に対応する前記チュー
ブ保持部の内面の位置に該超音波送受信素子の装着面と
ほぼ平行な平面部を設け、該平面部の両端に該チューブ
の長手方向にほぼ平行に延びる2つの溝を設けているの
で、送液チューブがチューブ保持部により押圧されると
き、チューブ壁面が、圧電素子装着面と平行となり、超
音波発信素子から発信された超音波が直進性を備えて、
また、平面部の両端に設けられた溝により、送信側の超
音波発信素子から発信された超音波がチューブの外壁や
チューブ保持部の内部を通って受信側の超音波受信素子
で受信されることを防止でき、組み立て容易な構造で正
確に気泡検出を行うことができる。また、該平面部の両
端より、装着されたチューブの長手方向に垂直な方向
に、該平面部となす角度(θ )が30度より大きく8
0度より小さい傾斜面を形成することから、チューブの
外径の大きさに拘わらず、チューブ保持部の内面の平面
部全面にわたってチューブの外壁を密着させることがで
き、チューブの外径の大きさに拘わらず、正確に気泡検
出を行うことができる。
【0040】本願発明の好ましい態様としての気泡検出
器は、該2つの溝の間隔、装着されたチューブの長手
方向と垂直な方向の該超音波送受信素子の幅とほぼ等し
いことから、超音波発信素子からチューブに向かって効
率よく超音波を入射さることができ、さらに正確に気
泡検出を行うことができる。
【0041】本願発明の好ましい態様としての気泡検出
器は、該少なくとも2つの溝の深さは該平面部より0.
5mm以上であり、幅は0.5mm以上であることか
ら、溝の空気により超音波の回り込みの防止を確実にで
き、さらに正確に気泡検出を行うことができる。
【0042】
【0043】本願発明の好ましい態様としての気泡検出
器は、チューブ保持部の内面には、装着されたチューブ
の長手方向に垂直な方向に、該平面部の両端より、該斜
面部に続いて、対向配置された前記チューブ保持部の合
わせ面の高さ(H)より低い位置(h)に該平面部とほ
ぼ平行な他の平面部を形成することから、外径の大きい
チューブを用いる場合にも、チューブ周辺が他の平面部
によって作られる空間にはみ出し、平面部に対応するチ
ューブ壁面の部分に窪みを作ることなくチューブ壁面を
平面部に密着されることができ、チューブの外径の大き
さに拘わらず、さらに正確に気泡検出を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例に係わるチューブ保持部の斜
視図である。
【図2】本願発明の実施例に係わるチューブ保持部の断
面図である。
【図3】チューブ保持部にチューブ保持部スライダーを
装着しチューブをクランプする斜視図である。
【図4】チューブ保持部に標準送液チューブを装着した
状態での超音波の伝搬図である。
【図5】チューブ保持部に外径の大きい送液チューブを
装着した状態での超音波の伝搬図である。
【図6】従来の気泡検出器の断面図である。
【図7】本願発明の第1の実施例の気泡検出器のチュー
ブ内の気泡長に対する受信部の出力電圧特性図である。
【図8】本願発明の第3の実施例の気泡検出器のチュー
ブ内の気泡長に対する受信部の出力電圧特性図である。
【図9】本願発明の気泡検出器を内蔵する輸液ポンプの
実装図である。
【図10】本願発明の気泡検出器を用いる送液制御のブ
ロック図である。
【符号の説明】
101,102…チューブ保持部 103,203…超音波発信素子 104,204…超音波受信素子 105,106…接着剤 107,108…平面部 109,110,206…溝 111,112…第1の傾斜面 113,114…第2の傾斜面 115,116…他の平面部(第2平面部) 117,118…チューブ保持部の合わせ面 119…チューブ周辺部がはみ出す空間 201,202…チューブ保持部の超音波伝搬特性をも
つ部分 205…チューブ保持部の非超音波伝搬特性をもつ部分 1…代表的な医療用輸液ポンプ 2…気泡検出器 3…送液チューブ 4…薬液バッグ 5…輸液スタンド 6…送液停止シャッター 7…スライダークランプ 8…スライダーシャフト

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置されたチューブ保持部の間にチュ
    ーブを装着し、超音波の伝達信号に基づいて該チューブ
    内に存在する気泡を検出する超音波気泡検出器におい
    て、超音波送受信素子は前記チューブ保持部の外面に装
    着し、該超音波送受信素子の装着面に対応する前記チュ
    ーブ保持部の内面の位置に該超音波送受信素子の装着面
    とほぼ平行な平面部を設け、該平面部の両端に該チュー
    ブの長手方向にほぼ平行に延びる2つの溝を設け、前記
    チューブ保持部の内面には、該平面部の両端より、装着
    されたチューブの長手方向に垂直な方向に、該平面部と
    なす角度(θ )が30度より大きく80度より小さい
    傾斜面を形成することを特徴とする超音波気泡検出器。
  2. 【請求項2】該2つの溝の間隔は、装着されたチューブ
    の長手方向と垂直な方向の該超音波送受信素子の幅とほ
    ぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の超音波気泡
    検出器。
  3. 【請求項3】該2つの溝の深さは該平面部より0.5m
    m以上であり、幅は0.5mm以上であることを特徴と
    する請求項1または2のいずれかに記載の超音波気泡検
    出器。
  4. 【請求項4】前記チューブ保持部の内面には、装着され
    たチューブの長手方向に垂直な方向に、該平面部の両端
    より、該斜面部に続いて、対向配置された前記チューブ
    保持部の合わせ面の高さ(H)より低い位置(h)に該
    平面部とほぼ平行な他の平面部を形成することを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の超音波気泡検
    出器
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