JP3446393B2 - 電気二重層キャパシタおよびその製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタおよびその製造方法

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JP3446393B2
JP3446393B2 JP13492595A JP13492595A JP3446393B2 JP 3446393 B2 JP3446393 B2 JP 3446393B2 JP 13492595 A JP13492595 A JP 13492595A JP 13492595 A JP13492595 A JP 13492595A JP 3446393 B2 JP3446393 B2 JP 3446393B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全固体の小型大容量の
電気二重層キャパシタおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体メモリーバックアップ用の
小型電源として電気二重層キャパシタが広く使用される
ようになってきた。そして、電解液の漏液がなく、自己
放電の小さなより信頼性の高いキャパシタの開発が望ま
れている。
【0003】この分野における従来の技術としては、
(A)電解質に、金属イオン伝導性を有する多結晶体の
固体電解質を用いるキャパシタとして、例えば特開昭5
3−61053号公報に示されたものがある。
【0004】このキャパシタは、電解質に銅イオン伝導
性を有する固体電解質を用いたものである。
【0005】また、(B)電解液に、水溶液系電解液や
非水溶液系電解液を用い、活性炭粉末を分極性電極に用
いたものとして、例えば特開昭55−41015号公報
に示されたものがある。このキャパシタは、酸、塩基の
水溶液やアンモニウム塩を有機溶媒に溶解した非水溶液
系電解液を用いたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の電
気二重層キャパシタでは、前記(A)に記載したような
金属イオン伝導性を有する多結晶体の固体電解質を用い
た場合には、多結晶体の固体電解質の分解電圧が低い
(0.6V以下)ためキャパシタの耐電圧を高めること
が困難であり、さらに、固体電解質の電気伝導度も十分
大きくないため、内部抵抗の小さな放電特性の優れたキ
ャパシタを得ることが困難であるという問題がある。
【0007】また、前記(B)に記載したような水溶液
系電解液や非水溶液系電解液を用いた場合には、電解液
の漏液を完全に防止することが困難であり、広い温度範
囲で信頼性の高いキャパシタを作製することが難しいと
いう問題がある。
【0008】本発明は、前記課題を解決するため、漏液
のない信頼性の高い電気二重層キャパシタおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1の電気二重層キャパシタは、導電性を
有するゲルと結合剤からなる複合ゲルを用いた電解質を
介して正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を相対
向させ、各分極性電極に金属または導電性樹脂からなる
集電体を備え、かつ前記正極側および負極側の分極性電
極に活性炭を用いるという構成を備えたものである。
【0010】また、本発明の第2の電気二重層キャパシ
は、ドーパントとゲルと結合剤からなる複合ゲルを用
いた電解質を介して正極側の分極性電極と負極側の分極
性電極を相対向させ、各分極性電極に金属または導電性
樹脂からなる集電体を備え、かつ前記正極側および負極
側の分極性電極に活性炭を用いるという構成を備えたも
のである。
【0011】前記構成において、導電性を有するゲルが
有機/無機複合体であることが好ましい。また、前記構
成において、ゲルがシリカゲル、アルミナゲル、および
チタニアゲルから選ばれる少なくとも1種であることが
好ましい。
【0012】次に、本発明の電気二重層キャパシタの第
1の製造方法は、官能基を有する金属アルコキシドを加
水分解することにより電解質としての導電性を有するゲ
ルを作製し、官能基を有する金属アルコキシドと活性炭
からなる混合ゾルを加水分解することにより正極側の分
極性電極と負極側の分極性電極を形成し、前記分極性電
極のそれぞれに金属または導電性樹脂からなる集電体を
形成し、前記電解質を介して前記正極側の分極性電極と
負極側の分極性電極を相対向させて設けるという構成を
備えたものである。
【0013】また、本発明の電気二重層キャパシタの第
2の製造方法は、官能基を有する金属アルコキシドを加
水分解することにより電解質としての導電性を有するゲ
ルを作製し、前記ゲルと活性炭を混合することにより正
極側の分極性電極と負極側の分極性電極を形成し、前記
分極性電極のそれぞれに金属または導電性樹脂からなる
集電体を形成し、前記電解質を介して前記正極側の分極
性電極と負極側の分極性電極を相対向させて設けるとい
う構成を備えたものである。
【0014】また、本発明の電気二重層キャパシタの第
3の製造方法は、官能基を有する金属アルコキシドと結
合剤からなる混合ゾルを加水分解することにより電解質
としての導電性を有するゲルを作製し、官能基を有する
金属アルコキシドと結合剤と活性炭からなる混合ゾルを
加水分解することにより正極側の分極性電極と負極側の
分極性電極を形成し、前記分極性電極のそれぞれに金属
または導電性樹脂からなる集電体を形成し、前記電解質
を介して前記正極側の分極性電極と負極側の分極性電極
を相対向させて設けるという構成を備えたものである。
【0015】また、本発明の電気二重層キャパシタの第
4の製造方法は、官能基を有する金属アルコキシドを加
水分解後、結合剤と混合することにより電解質としての
導電性を有するゲルを作製し、官能基を有する金属アル
コキシドを加水分解したゲルと活性炭と結合剤を混合す
ることにより正極側の分極性電極と負極側の分極性電極
を形成し、前記分極性電極のそれぞれに金属または導電
性樹脂からなる集電体を形成し、前記電解質を介して前
記正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を相対向さ
せて設けるという構成を備えたものである。
【0016】また、本発明の電気二重層キャパシタの第
5の製造方法は、ドーパント、金属アルコキシド、結合
剤からなる混合ゾルを加水分解することにより電解質と
しての複合ゲルを作製し、ドーパント、金属アルコキシ
ド、結合剤および活性炭からなる混合ゾルを加水分解す
ることにより正極側の分極性電極と負極側の分極性電極
を形成し、前記分極性電極のそれぞれに金属または導電
性樹脂からなる集電体を形成し、前記電解質を介して前
記正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を相対向さ
せて設けるという構成を備えたものである。
【0017】また、本発明の電気二重層キャパシタの第
6の製造方法は、ドーパント、金属アルコキシドからな
る混合ゾルを加水分解後結合剤と混合することにより電
解質としての複合ゲルを作製し、ドーパント、金属アル
コキシドからなる混合ゾルを加水分解して作製したゲル
と活性炭と結合剤を混合することにより正極側の分極性
電極と負極側の分極性電極を形成し、前記分極性電極の
それぞれに金属または導電性樹脂からなる集電体を形成
し、前記電解質を介して前記正極側の分極性電極と負極
側の分極性電極を相対向させて設けるという構成を備え
たものである。
【0018】また、本発明の電気二重層キャパシタの第
7の製造方法は、活性炭繊維に金属または導電性樹脂か
らなる集電体を形成した後、前記活性炭繊維を官能基を
有する金属アルコキシドに浸漬し、加水分解することに
より正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を形成
し、官能基を有する金属アルコキシドを加水分解後、ゲ
ル状の電解質を形成し、前記電解質を介して前記正極側
の分極性電極と負極側の分極性電極を相対向させて設け
るという構成を備えたものである。
【0019】前記第1から第2の電気二重層キャパシタ
またはその第1から第7の製造方法においては、分極性
電極に、さらに黒鉛微粒子を混合することが好ましい。
【0020】また、前記第1の電気二重層キャパシタま
たはその第1から第4および第7の製造方法において
は、官能基を有する金属アルコキシドの官能基がスルホ
ン基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種であるであ
ることが好ましい。
【0021】また、前記第2の電気二重層キャパシタま
たはその第5と第6の製造方法においては、ドーパント
が塩酸、硫酸、ヘテロポリ酸、過塩素酸、水酸化カリウ
ムの酸あるいはアルカリ、または過塩素酸テトラエチル
アンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウムか
ら選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0022】また、前記第2の電気二重層キャパシタま
たはその第5と第6の製造方法においては、結合剤が天
然ゴム、スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロ
ック共重合体、スチレンーブタジエンースチレンブロッ
ク共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、ブタジエ
ンーアクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリビニリデンフロライドから選ばれる少なくとも
1種であることが好ましい。
【0023】また、前記第1から第2の電気二重層キャ
パシタまたはその第1から第7の製造方法においては、
活性炭がフェノール系、ピッチ系、およびポリアクリロ
ニトリル(PAN)系の粉末状もしくは繊維状の活性炭
から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0024】また、前記第1から第2の電気二重層キャ
パシタまたはその第1から第7の製造方法においては、
集電体に用いる金属がニッケルまたはステンレス鋼から
選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0025】
【作用】前記本発明の電気二重層キャパシタによれば導
電性を有するゲルと結合剤からなる複合ゲルを用いた電
解質を介して正極側の分極性電極と負極側の分極性電極
を相対向させ、各分極性電極に金属または導電性樹脂か
らなる集電体を備え、かつ前記正極側および負極側の分
極性電極に活性炭を用いる、またはドーパントとゲルと
結合剤からなる複合ゲルを用いた電解質を介して正極側
の分極性電極と負極側の分極性電極を相対向させ、各分
極性電極に金属または導電性樹脂からなる集電体を備
え、かつ前記正極側および負極側の分極性電極に活性炭
を用いることにより、電解質と活性炭の界面に形成され
る電気二重層容量を利用するので、電気化学的反応によ
り劣化する部分がなく、比較的分解電圧が高く、また、
内部抵抗を小さくすることができ、そして電解液がゲル
状であるため漏液のない信頼性の高い電気二重層キャパ
シタを提供できる。
【0026】また、導電性を有するゲルが有機/無機複
合体であるという本発明の好ましい構成によれば、電気
二重層キャパシタの内部抵抗を低減することができる。
また、ゲルがシリカゲル、アルミナゲル、およびチタニ
アゲルから選ばれる少なくとも1種であるという本発明
の好ましい構成によれば、電解質および分極性電極の化
学安定性が向上する。
【0027】次に、前記第1の製造方法によれば、官能
基を有する金属アルコキシドを加水分解することにより
電解質としての導電性を有するゲルを作製し、官能基を
有する金属アルコキシドと活性炭からなる混合ゾルを加
水分解することにより正極側の分極性電極と負極側の分
極性電極を形成し、前記分極性電極のそれぞれに金属ま
たは導電性樹脂からなる集電体を形成し、前記電解質を
介して前記正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を
相対向させて設けることにより、均一な組成と良好な導
電性を有する電解質と分極性電極が得られ、また、電解
液の漏液のない電気二重層キャパシタが製造できる。
【0028】また、前記第2の製造方法によれば、官能
基を有する金属アルコキシドを加水分解することにより
電解質としての導電性を有するゲルを作製し、前記ゲル
と活性炭を混合することにより正極側の分極性電極と負
極側の分極性電極を形成し、前記分極性電極のそれぞれ
に金属または導電性樹脂からなる集電体を形成し、前記
電解質を介して前記正極側の分極性電極と負極側の分極
性電極を相対向させて設けることにより、均一な組成と
良好な導電性を有する電解質と分極性電極が得られ、ま
た、電解液の漏液のない電気二重層キャパシタが製造で
きる。
【0029】また、前記第3の製造方法によれば、官能
基を有する金属アルコキシドと結合剤からなる混合ゾル
を加水分解することにより電解質としての導電性を有す
るゲルを作製し、官能基を有する金属アルコキシドと結
合剤と活性炭からなる混合ゾルを加水分解することによ
り正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を形成し、
前記分極性電極のそれぞれに金属または導電性樹脂から
なる集電体を形成し、前記電解質を介して前記正極側の
分極性電極と負極側の分極性電極を相対向させて設ける
ことにより、均一な組成と良好な導電性を有する電解質
と分極性電極が得られ、また、電解液の漏液のない電気
二重層キャパシタが製造できる。
【0030】また、前記第4の製造方法によれば、官能
基を有する金属アルコキシドを加水分解後、結合剤と混
合することにより電解質としての導電性を有するゲルを
作製し、官能基を有する金属アルコキシドを加水分解し
たゲルと活性炭と結合剤を混合することにより正極側の
分極性電極と負極側の分極性電極を形成し、前記分極性
電極のそれぞれに金属または導電性樹脂からなる集電体
を形成し、前記電解質を介して前記正極側の分極性電極
と負極側の分極性電極を相対向させて設けることによ
り、均一な組成と良好な導電性を有する電解質と分極性
電極が得られ、また、電解液の漏液のない電気二重層キ
ャパシタが製造できる。
【0031】また、前記第5の製造方法によれば、ドー
パント、金属アルコキシド、結合剤からなる混合ゾルを
加水分解することにより電解質としての複合ゲルを作製
し、ドーパント、金属アルコキシド、結合剤および活性
炭からなる混合ゾルを加水分解することにより正極側の
分極性電極と負極側の分極性電極を形成し、前記分極性
電極のそれぞれに金属または導電性樹脂からなる集電体
を形成し、前記電解質を介して前記正極側の分極性電極
と負極側の分極性電極を相対向させて設けることによ
り、均一な組成と良好な導電性を有する電解質と分極性
電極が得られ、また、電解液の漏液のない電気二重層キ
ャパシタが製造できる。
【0032】また、前記第6の製造方法によれば、ドー
パント、金属アルコキシドからなる混合ゾルを加水分解
後結合剤と混合することにより電解質としての複合ゲル
を作製し、ドーパント、金属アルコキシドからなる混合
ゾルを加水分解して作製したゲルと活性炭と結合剤を混
合することにより正極側の分極性電極と負極側の分極性
電極を形成し、前記分極性電極のそれぞれに金属または
導電性樹脂からなる集電体を形成し、前記電解質を介し
て前記正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を相対
向させて設けることにより、均一な組成と良好な導電性
を有する電解質と分極性電極が得られ、また、電解液の
漏液のない電気二重層キャパシタが製造できる。
【0033】また、前記第7の製造方法によれば、活性
炭繊維に金属または導電性樹脂からなる集電体を形成し
た後、前記活性炭繊維を官能基を有する金属アルコキシ
ドに浸漬し、加水分解することにより正極側の分極性電
極と負極側の分極性電極を形成し、官能基を有する金属
アルコキシドを加水分解後、ゲル状の電解質を形成し、
前記電解質を介して前記正極側の分極性電極と負極側の
分極性電極を相対向させて設けることにより、均一な組
成と良好な導電性を有する電解質と分極性電極が得ら
れ、また、電解液の漏液のない電気二重層キャパシタが
製造できる。
【0034】また、前記第1から第2の電気二重層キャ
パシタまたは前記第1から第7の製造方法において、分
極性電極にさらに黒鉛微粒子を混合するという本発明の
好ましい構成によれば、黒鉛粒子の添加により、分極性
電極の電気抵抗を低減できるので、内部抵抗の小さな、
信頼性の高い電気二重層キャパシタを製造することがで
きる。
【0035】また、前記第1の電気二重層キャパシタま
たはその第1から第4および第7の製造方法において
は、官能基を有する金属アルコキシドの官能基がスルホ
ン基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種であるであ
ることが好ましい。
【0036】また、前記第2の電気二重層キャパシタま
たはその第5と第6の製造方法においては、ドーパント
が塩酸、硫酸、ヘテロポリ酸、過塩素酸、水酸化カリウ
ムの酸あるいはアルカリ、または過塩素酸テトラエチル
アンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウムか
ら選ばれる少なくとも1種であるという本発明の好まし
い構成によれば、ドーパントの電気伝導度が高く内部抵
抗の小さな、信頼性の高い電気二重層キャパシタを製造
することができる。さらに、結合剤が天然ゴム、スチレ
ンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合体、
スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体、ス
チレンーブタジエン共重合体、ブタジエンーアクリロニ
トリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレン
オキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニリデ
ンフロライドから選ばれる少なくとも1種であるという
本発明の好ましい構成によれば、機械的強度に優れた電
解質および分極性電極を成形性良く作製することができ
る。
【0037】また、前記本発明の第1から第2の電気二
重層キャパシタまたはその第1から第7の製造方法にお
いて、活性炭がフェノール系、ピッチ系、およびポリア
クリロニトリル(PAN)系の粉末状もしくは繊維状の
活性炭から選ばれる少なくとも1種であるという本発明
の好ましい構成によれば、このような活性炭は、椰子殻
炭に比べて比表面積を2倍以上の2000m2-1に高
められ、さらに細孔径も2〜4nmの範囲に制御するこ
とが可能で、電気二重層容量を効率良く利用することが
できる。さらに、集電体に用いる金属がニッケルまたは
ステンレス鋼から選ばれる少なくとも1種であるという
本発明の好ましい構成によれば、分極性電極の特に正極
の電気化学的安定性が向上する。
【0038】
【実施例】本実施例において、導電性を有するゲルは、
金属の低級アルコキシドとベンジルスルホン酸基のある
金属の低級アルコキシドを有機化学的に縮重合させて合
成したものである。
【0039】また、導電性のないゲルは金属アルコキシ
ドの加水分解(いわゆるゾル−ゲル法)により作製する
ゲルは、化学的、物理的に安定なシリカゲル、アルミナ
ゲル、またはチタニアゲルが好ましい。
【0040】前記ゾル−ゲル法とは、ゾル状の金属の低
級アルコキシドを加水分解し、ゲル化させ、加熱するこ
とによりガラスあるいはセラミックスにする方法であ
る。代表的な金属アルコキシドの具体例を挙げると、シ
リコンのメトキシドやエトキシド等のシリコンの低級ア
ルコキシド類、アルミニウムのメトキシドやエトキシド
等のアルミニウムの低級アルコキシド類、またはチタン
のメトキシドやエトキシド等のチタンの低級アルコキシ
ド類がある。また、ゾルの分散媒としては水および/ま
たはメタノール、エタノール、プロパノールあるいは二
価アルコールのエチレングリコールを用い、通常加水分
解触媒として塩酸やアンモニアを用いる。
【0041】 また、ゲルの乾燥時に生じる亀裂の発生や
発泡を防止する乾燥制御剤としてフォルムアミドやジメ
チルファルムアミドを用いてもよい。
【0042】本実施例において、ドーパントの使用量は
金属アルコキシドに対してモル比で0.01〜10.00
程度であることが好ましい。
【0043】本実施例においてゲル化反応温度は、通常
室温〜80℃の範囲が好ましい。本実施例に用いるゲル
の形態としては、電解質や活性炭を含有するバルク状や
シート状のものが好ましい。また、他の形態としては微
粒子状のものが好ましく、より具体的には、0.5〜2
00μmの粒径が好ましい。
【0044】また、本実施例で分極性電極として用いる
活性炭は、特に限定するものではなく、各種の活性炭を
用いることができる。活性炭の形態としては、微粒子状
のものが好ましく、より具体的には、5〜100μmの
粒径のものが好ましい。また、繊維状のものを用いるこ
とも好ましい。特にフェノール系、ピッチ系、ポリアク
リロニトリル(PAN)系の粉末状あるいは繊維状の活
性炭は椰子殻炭に比べ比表面積を2倍以上の2000m
2-1に高められ、さらに細孔径も2〜4nmの範囲に
制御することが可能で、二重層容量を効率良く使用する
ことができ好ましい。
【0045】本実施例で用いる黒鉛微粒子はその粒径が
サブミクロンのものが好ましい。添加量は分極性電極に
対して5〜10wt%であることが好ましい。
【0046】本実施例で用いる金属集電体は特に正極で
電気化学的に安定なニッケルまたはステンレス鋼等であ
ることが好ましく、その形態としてはシート状、メッシ
ュ状、繊維布状のものが好ましい。また、導電性樹脂か
らなる集電体は黒鉛を分散したペースト状あるいは薄膜
状の黒鉛/アクリル樹脂あるいは黒鉛/ポリエチレン樹
脂等を用いるのが好ましい。
【0047】本実施例で用いる結合剤は、天然ゴム、ス
チレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合
体、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合
体、スチレンーブタジエン共重合体、ブタジエンーアク
リロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビ
ニリデンフロライド等が使用できるが、結合力が強く化
学的に安定であり成形性に優れているスチレンーエチレ
ンーブチレンースチレンブロック共重合体あるいはスチ
レンーブタジエンースチレンブロック共重合体が特に好
ましい。添加量はゲルを含む混合物に対して0.1〜1
0wt%であることが好ましい。
【0048】本実施例で用いる活性炭繊維布とは、布状
の原料樹脂を炭化、賦活して活性炭化したものである。
【0049】以下、具体的実施例について説明する。 (実施例1) 電解質として用いる導電性を有するゲルは以下に示すよ
うにして作製した。メタノール溶液に溶解させた3種類
のアルコキシシラン;ベンジルトリエトキシシラン(T
EBS)、ノルマルヘキシルトリメトキシシラン、トリ
エトキシシランに加水分解用の水とスルホン化のための
クロロスルホン酸を加えた後、テトラヒドロフラン中、
ジビニルベンゼンと触媒としてのジビニルテトラメチル
ジシロキサン−白金錯体を添加し架橋反応を行なわせ、
無機/有機高分子複合体から成るゲルを作製した。この
ゲルのバルク体での電気伝導度は室温で2×10-2Scm
-1であった。このようにして作製した導電性を有するゲ
ルを粉砕し平均粒径30μmの紛体とし、この紛体を電
解質として利用した。
【0050】また、分極性電極は、前記導電性を有する
ゲルの作製過程における架橋反応時に比表面積が200
0m2-1のフェノール系活性炭粒子(平均粒径20μ
m)を添加して混合ゾルとした後ゲル化して作製した。
正極と負極は、電導度を高めるために上記導電性を有す
るゲルに対して活性炭粒子が50対50の重量比になる
ように添加し(ゲルの量を比較的多くした)、さらに3
ton・cm2の圧力でプレス成形し、直径10mm、
厚み1mmのタブレット状とした。また、同様な方法に
より、電解質となる導電性を有するゲルは、直径13m
m、厚み0.3mmのタブレットに加工した。導電性を
有するゲルの直径は、電子的な短絡を防ぐために、正極
と負極の直径よりも大きくした。このことにより、電極
からの粒子の飛散に基づくリークを防止することができ
る。さらに上記正極と負極の片面にスクリーン印刷法に
より、黒鉛を導電性粒子とする導電性樹脂からなる集電
層を100μm形成した。
【0051】このようにして作製したタブレット状の正
極、負極の分極性電極、および導電性を有するゲルを用
いて、円盤型電気二重層キャパシタを構成した。その概
略断面図を図1に示す。図1において、1、2は正極と
負極を3、4は集電体層を示す。
【0052】キャパシタは、予め、導電性を有するゲル
からなる電解質5を介して正極1と負極2を相対向させ
100kgcm-2の圧力でプレスを行ない、図1に示し
たように電解質5と正極1と負極2を配置し、ケーシン
グの上部部材6、下部部材7を絶縁性ゴムパッキング8
を介して接着封口した。上部部材6と下部部材7の構成
材料には黒鉛を導電性粒子とする導電性樹脂シートを用
いた。
【0053】このキャパシタを0.8Vで充電後、10
μAで定電流放電し容量0.8F、インピ−ダンス10
オ−ムを得た。また70℃の雰囲気下で常時0.8Vを
印加したところ初期容量に対する1000時間後の容量
減少率は16%であった。また、実験に供した試料に
は、漏液等の変化は見られなかった。また、アミノ基に
よる導電性を有するゲルを用いてもほぼ上記とほぼ同様
な特性を示すキャパシタを作製することができた。ま
た、集電層にプラズマ溶射法によりニッケルを形成した
場合には、上記のものとほぼ同じ特性を示した。
【0054】さらに、フェノール系活性炭粒子の替わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いてもほぼ上記キャパシタと同等な特性を示
した。
【0055】さらに上記複合ゲルを厚さ70μmのポリ
プロピレン製多孔質セパレータに保持して電解質5とし
て用いても本実施例とほぼ同等な特性を示すキャパシタ
を作製することができた。
【0056】一方、従来の硫酸を電解質に用いた同様な
構造のキャパシタの初期特性は本実施例とほぼ同様であ
ったが、70℃の雰囲気下で常時0.8Vを印加したと
ころ初期容量に対する1000時間後の容量減少率は3
0%であった。また、実験に供した試料の5%に電解液
の漏液が見られた。上記のように、硫酸を電解質に用い
た場合、電解質が液体であるために温度変化に対応でき
ず、特に高温になった場合濃度変化が生じてしまう。
【0057】(実施例2) 実施例1と同様な原料、方法を用いて導電性を有するゲ
ルを作製した。但し、上記の実施例1の際にはゲルの作
成過程で活性炭粒子を加えているのに対して、本実施例
ではゲル粉末に活性炭粒子を加え、両者の混合物をプレ
スして成型する点で相違している。このゲルのバルク体
での電気伝導度は室温で2×10-2Scm-1であった。こ
のようにして作製した導電性を有するゲルを粉砕し平均
粒径30μmの紛体とした。
【0058】また、分極性電極には、比表面積が200
0m2-1のフェノール系活性炭粒子(平均粒径20μ
m)を用いた。正極と負極には、上記導電性を有するゲ
ルと活性炭粒子との接触抵抗を低減するために、両者を
50対50の重量比で混合したものを、3ton・cm
2の圧力でプレス成形し、直径10mm、厚み1mmの
タブレット状とした。また、同様な方法により、電解質
となる導電性を有するゲルは、直径13mm、厚み0.
3mmのタブレットに加工した。導電性を有するゲルの
直径は、電子的な短絡を防ぐために、正極と負極の直径
よりも大きくした。さらに上記正極と負極の片面にスク
リーン印刷法を用いて黒鉛を導電性粒子とする導電性樹
脂からなる集電層を100μm形成した。
【0059】このようにして作製したタブレット状の正
極、負極、および導電性を有するゲルを用いて、図1と
同様な円盤型電気二重層キャパシタを構成した。
【0060】キャパシタは、予め、導電性を有するゲル
からなる電解質5を介して正極1と負極2を相対向させ
100kgcm-2の圧力でプレスを行ない、図1に示し
たように電解質5と正極1と負極2を配置し、ケーシン
グの上部部材6、下部部材7を絶縁性ゴムパッキング8
を介して接着封口した。上部部材6と下部部材7の構成
材料には黒鉛を導電性粒子とする導電性樹脂シートを用
いた。
【0061】このキャパシタを0.8Vで充電後、10
μAで定電流放電し容量0.78F、インピ−ダンス1
2オ−ムを得た。また70℃の雰囲気下で常時0.8V
を印加したところ初期容量に対する1000時間後の容
量減少率は17%であった。また、実験に供した試料に
は、漏液等の変化は見られなかった。また、アミノ基に
よる導電性を有するゲルを用いてもほぼ上記とほぼ同様
な特性を示すキャパシタを作製することができた。ま
た、集電層にプラズマ溶射法によりニッケルを形成した
場合には、上記のものとほぼ同じ特性を示した。
【0062】さらに、フェノール系活性炭粒子の替わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いてもほぼ上記キャパシタと同等な特性を示
した。
【0063】さらに上記複合ゲルを厚さ70μmのポリ
プロピレン製多孔質セパレータに保持して電解質5とし
て用いても本実施例とほぼ同等な特性を示すキャパシタ
を作製することができた。
【0064】一方、従来の硫酸を電解質に用いた同様な
構造のコイン型キャパシタの初期特性は本実施例とほぼ
同様であったが、70℃の雰囲気下で常時0.8Vを印
加したところ初期容量に対する1000時間後の容量減
少率は30%であった。また、実験に供した試料の5%
に電解液の漏液が見られた。
【0065】(実施例3) 電解質として用いる導電性を有するゲルは以下に示すよ
うにして作製した。メタノール溶液に溶解させた3種類
のアルコキシシラン;ベンジルトリエトキシシラン(T
EBS)、ノルマルヘキシルトリメトキシシラン、トリ
エトキシシランに加水分解用の水とスルホン化のための
クロロスルホン酸を加えた後、テトラヒドロフラン中、
ジビニルベンゼンと触媒としてのジビニルテトラメチル
ジシロキサン−白金錯体を添加し、さらにゲル間の結合
剤としてトルエンに溶解したスチレンーエチレンーブチ
レンースチレンブロック共重合体を添加した後架橋反応
を行なわせ、無機/有機高分子複合体から成るゲルを得
た。このゲルのバルク体での電気伝導度は室温で5×1
-2Scm-1であった。上記のように結合剤を用いると、
流動性、塗布性及び強度を向上させることができる。
【0066】また、分極性電極は、前記導電性を有する
ゲルの作製過程における架橋反応時に比表面積が200
0m2-1のフェノール系活性炭粒子(平均粒径20μ
m)とトルエンに溶解したスチレンーエチレンーブチレ
ンースチレンブロック共重合体を5wt%添加して混合
ゾルとした後ゲル化して作製した。正極、負極としての
電導度を高めるために上記導電性を有するゲルに対して
活性炭粒子が50対50の重量比になるように添加し、
3ton・cm2の圧力でプレス成形し、直径10m
m、厚み1mmのタブレット状とした。同様な方法によ
り、電解質となる導電性を有するゲルの直径13mm、
厚み0.3mmのタブレットを作製した。このように、
スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重
合体を添加することにより成形性と機械的な強度を高め
ることができ、結果的には量産性や信頼性に優れたもの
を得ることができる。導電性を有するゲルの直径は、正
極と負極の電子的短絡を防ぐために、正極と負極の直径
よりも大きくした。さらに上記正極と負極の片面にスク
リーン印刷法を用いて黒鉛を導電性粒子とする導電性樹
脂からなる集電層を100μm形成した。
【0067】このようにして作製したタブレット状の正
極、負極、および導電性を有するゲルを用いて、図1と
同様な円盤型電気二重層キャパシタを構成した。図1に
おいて、1、2は正極と負極を3、4は集電体層を示
す。
【0068】キャパシタは、予め、導電性を有するゲル
からなる電解質5を介して正極1と負極2を相対向させ
100kgcm-2の圧力でプレスを行ない、図1に示し
たように電解質5と正極1と負極2を配置し、ケーシン
グの上部部材6、下部部材7を絶縁性ゴムパッキング8
を介して接着封口した。上部部材6と下部部材7の構成
材料には黒鉛を導電性粒子とする導電性樹脂シートを用
いた。
【0069】このキャパシタを0.8Vで充電後、10
μAで定電流放電し容量0.83 F、インピ−ダンス1
6オ−ムを得た。また70℃の雰囲気下で常時0.8V
を印加したところ初期容量に対する1000時間後の容
量減少率は9%であった。また、実験に供した試料に
は、漏液等の変化は見られなかった。また、アミノ基に
よる導電性を有するゲルを用いてもほぼ上記とほぼ同様
な特性を示すキャパシタを作製することができた。ま
た、集電層にプラズマ溶射法によりニッケルを形成した
場合には、上記のものとほぼ同じ特性を示した。
【0070】また、結合剤として、天然ゴム、スチレン
ーブタジエンースチレンブロック共重合体、スチレンー
ブタジエン共重合体、ブタジエンーアクリロニトリル共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニリデンフロラ
イドを用いてもほぼ同等な特性を示すキャパシタを作製
することができた。
【0071】さらに、フェノール系活性炭粒子の替わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いてもほぼ上記キャパシタと同等な特性を示
した。
【0072】さらに上記複合ゲルを厚さ70μmのポリ
プロピレン製多孔質セパレータに保持して電解質5とし
て用いても本実施例とほぼ同等な特性を示すキャパシタ
を作製することができた。
【0073】一方、従来の硫酸を電解質に用いた同様な
構造のコイン型キャパシタの初期特性は本実施例とほぼ
同様であったが、70℃の雰囲気下で常時0.8Vを印
加したところ初期容量に対する1000時間後の容量減
少率は30%であった。また、実験に供した試料の5%
に電解液の漏液が見られた。
【0074】(実施例4) 実施例3と同様な原料、方法を用いて導電性を有するゲ
ルを作製した。但し、実施例3においては、ゲルの作成
過程において結合剤であるスチレンーエチレンーブチレ
ンースチレンブロック共重合体を添加したが、本実施例
ではゲルを一旦作成した後に結合剤を添加している点で
相違している。このゲルのバルク体での電気伝導度は室
温で5×10-2Scm-1であった。このようにして作製し
た導電性を有するゲルを粉砕し平均粒径30μmの紛体
とした。
【0075】また、分極性電極には、比表面積が200
0m2-1のフェノール系活性炭粒子(平均粒径20μ
m)を用いた。正極と負極には、上記導電性を有するゲ
ルと活性炭粒子とトルエンに溶解させたスチレンーエチ
レンーブチレンースチレンブロック共重合体を50対5
0対5の重量比で混合したものを、3ton・cm2
圧力でプレス成形し、直径10mm、厚み1mmのタブ
レット状とした。また、同様な方法により、電解質は、
導電性を有するゲルとトルエンに溶解させたスチレンー
エチレンーブチレンースチレンブロック共重合体を10
0対5の重量比で混合したものを、直径13mm、厚み
0.3mmのタブレットに加工した。導電性を有するゲ
ルの直径は、電子的な短絡を防ぐために、正極と負極の
直径よりも大きくした。さらに上記正極と負極の片面に
スクリーン印刷法を用いて黒鉛を導電性粒子とする導電
性樹脂からなる集電層を100μm形成した。
【0076】このようにして作製したタブレット状の正
極、負極、および導電性を有するゲルを用いて、図1と
同様な円盤型電気二重層キャパシタを構成した。図1に
おいて、1、2は正極と負極を3、4は集電体層を示
す。
【0077】キャパシタは、予め、導電性を有するゲル
からなる電解質5を介して正極1と負極2を相対向させ
100kgcm-2の圧力でプレスを行ない、図1に示し
たように電解質5と正極1と負極2を配置し、ケーシン
グの上部部材6、下部部材7を絶縁性ゴムパッキング8
を介して接着封口した。上部部材6と下部部材7の構成
材料には黒鉛を導電性粒子とする導電性樹脂シートを用
いた。
【0078】このキャパシタを0.8Vで充電後、10
μAで定電流放電し容量0.82F、インピ−ダンス1
7オ−ムを得た。また70℃の雰囲気下で常時0.8V
を印加したところ初期容量に対する1000時間後の容
量減少率は10%であった。また、実験に供した試料に
は、漏液等の変化は見られなかった。また、アミノ基に
よる導電性を有するゲルを用いてもほぼ上記とほぼ同様
な特性を示すキャパシタを作製することができた。ま
た、集電層にプラズマ溶射法によりニッケルを形成した
場合には、上記のものとほぼ同じ特性を示した。
【0079】また、結合剤として、天然ゴム、スチレン
ーブタジエンースチレンブロック共重合体、スチレンー
ブタジエン共重合体、ブタジエンーアクリロニトリル共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニリデンフロラ
イドを用いてもほぼ同等な特性を示すキャパシタを作製
することができた。
【0080】さらに、フェノール系活性炭粒子の替わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いてもほぼ上記キャパシタと同等な特性を示
した。
【0081】さらに上記複合ゲルを厚さ70μmのポリ
プロピレン製多孔質セパレータに保持して電解質5とし
て用いても本実施例とほぼ同等な特性を示すキャパシタ
を作製することができた。
【0082】一方、従来の硫酸を電解質に用いた同様な
構造のコイン型キャパシタの初期特性は本実施例とほぼ
同様であったが、70℃の雰囲気下で常時0.8Vを印
加したところ初期容量に対する1000時間後の容量減
少率は30%であった。また、実験に供した試料の5%
に電解液の漏液が見られた。
【0083】以上のように本実施例ではゲルを一旦作成
した後に結合剤を添加しているため、実施例3と比較す
ると、ゲルの質の均一化の点では多少劣っているが、成
型の容易性(すなわち量産性)には優れている。
【0084】(実施例5) 実施例3と同様な原料、方法を用いて導電性を有するゲ
ルを作製した。但し、本実施例では、ゲルを加圧ローラ
を用いてシート状に形成した点が他の実施例とは異な
る。ゲルは厚さ100μmのシート状とした。また、分
極性電極には、比表面積が2000m2-1のフェノー
ル系活性炭粒子(平均粒径20μm)を用いた。正極と
負極には、上記導電性を有する平均粒径20μmのゲル
と活性炭粒子とトルエンに溶解させたスチレンーエチレ
ンーブチレンースチレンブロック共重合体を予め50対
50対5の重量比で混合したものを加圧ローラを用いて
厚さ200μmのシート状とした。さらに上記正極と負
極の片面にスクリーン印刷法を用いて黒鉛を導電性粒子
とする導電性樹脂からなる集電層を100μm形成し
た。ゲルシートは14×110mmの大きさにし、10
×100mmの正極と負極を相対向させてさらに全体を
ローラで加圧してシート状の電気二重層キャパシタを構
成した。形状は異なるが構成は図1と同様である。
【0085】このキャパシタを0.8Vで充電後、10
0μAで定電流放電し容量5.3F、インピ−ダンス2
オ−ムを得た。また70℃の雰囲気下で常時0.8Vを
印加したところ初期容量に対する1000時間後の容量
減少率は6%であった。また、実験に供した試料には、
漏液等の変化は見られなかった。また、アミノ基による
導電性を有するゲルを用いてもほぼ上記とほぼ同様な特
性を示すキャパシタを作製することができた。また、集
電層にプラズマ溶射法によりニッケルを形成した場合に
は、上記のものとほぼ同じ特性を示した。
【0086】また、結合剤として、天然ゴム、スチレン
ーブタジエンースチレンブロック共重合体、スチレンー
ブタジエン共重合体、ブタジエンーアクリロニトリル共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニリデンフロラ
イドを用いてもほぼ同等な特性を示すキャパシタを作製
することができた。
【0087】さらに、フェノール系活性炭粒子の替わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いてもほぼ上記キャパシタと同等な特性を示
した。
【0088】以上のように本実施例では、シート状に成
型を行なったため、キャパシタを大型化を図ることが可
能になり、結果的には上記したように、2オームという
非常に小さなインピーダンスを得ることができる。
【0089】(実施例6) 電解質となる複合ゲルの出発組成として、モル比でSi
(OEt)4、エタノール、水、燐酸(ドーパント)を
1:5:10:0.2を用い室温で30分間撹拌し、こ
の過程で、トルエンに溶解させたスチレンーエチレンー
ブチレンースチレンブロック共重合体を混合ゾルに対し
て100対5の重量比で混合したものを、60℃の温度
でゲル化した。すなわち本実施例では、ゲルは絶縁性で
あり、ドーパントにより導電性を持たせている点が特徴
である。このゲルの電気伝導度は、室温で5×10-2Sc
m-1であった。このようにして作製したゲルを粉砕し平
均粒径30μmの微粒子とした。
【0090】また、分極性電極には、比表面積が200
0m2-1のフェノール系活性炭粒子(平均粒径20μ
m)を用いた。正極と負極には、上記複合ゾルに対して
50対50の重量比で活性炭粒子を混合したゾルをゲル
化した後、3ton・cm2の圧力でプレス成形し、直
径10mm、厚み1mmのタブレット状とした。また、
同様な方法により、電解質となる複合ゲルは、直径13
mm、厚み0.3mmのタブレットに加工した。導電性
を有するゲルの直径は、電子的な短絡を防ぐために、正
極と負極の直径よりも大きくした。さらに上記正極と負
極の片面にスクリーン印刷法を用いて黒鉛を導電性粒子
とする導電性樹脂からなる集電層を100μm形成し
た。
【0091】このようにして作製したタブレット状の正
極、負極、および導電性を有するゲルを用いて、図1と
同様な円盤型電気二重層キャパシタを構成した。図1に
おいて、1、2は正極と負極を3、4は集電体層を示
す。
【0092】キャパシタは、予め、導電性を有するゲル
からなる電解質5を介して正極1と負極2を相対向させ
100kgcm-2の圧力でプレスを行ない、図1に示し
たように電解質5と正極1と負極2を配置し、ケーシン
グの上部部材6、下部部材7を絶縁性ゴムパッキング8
を介して接着封口した。上部部材6と下部部材7の構成
材料には黒鉛を導電性粒子とする導電性樹脂シートを用
いた。
【0093】このキャパシタを0.8Vで充電後、10
μAで定電流放電し容量0.61F、インピ−ダンス2
3オ−ムを得た。また70℃の雰囲気下で常時0.8V
を印加したところ初期容量に対する1000時間後の容
量減少率は18%であった。また、実験に供した試料に
は、漏液等の変化は見られなかった。また、アミノ基に
よる導電性を有するゲルを用いてもほぼ上記とほぼ同様
な特性を示すキャパシタを作製することができた。ま
た、集電層にプラズマ溶射法によりニッケルを形成した
場合には、上記のものとほぼ同じ特性を示した。
【0094】また、シリコンのエトキシド以外に、アル
ミニウムのエトキシドやチタンのエトキシドを用いてア
ルミナまたはチタニアのゲルを用いても、本実施例と同
等な特性を示すキャパシタを作製することができた。
【0095】また、結合剤として、天然ゴム、スチレン
ーブタジエンースチレンブロック共重合体、スチレンー
ブタジエン共重合体、ブタジエンーアクリロニトリル共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニリデンフロラ
イドを用いてもほぼ同等な特性を示すキャパシタを作製
することができた。
【0096】さらに、フェノール系活性炭粒子の替わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いてもほぼ上記キャパシタと同等な特性を示
した。
【0097】一方、従来の硫酸を電解質に用いた同様な
構造のコイン型キャパシタの初期特性は本実施例とほぼ
同様であったが、70℃の雰囲気下で常時0.8Vを印
加したところ初期容量に対する1000時間後の容量減
少率は30%であった。また、実験に供した試料の5%
に電解液の漏液が見られた。
【0098】(実施例7) 電解質となる複合ゲルの出発組成として、モル比でSi
(OEt)4、エタノール、水、燐酸(ドーパント)を
1:5:10:0.2を用い室温で30分間撹拌し、6
0℃の温度でゲル化した。このゲルの電気伝導度は、室
温で6×10-1Scm-1であった。このようにして作製し
たゲルを粉砕し平均粒径30μmの微粒子とした。この
ようにして作製した複合ゲルにトルエンに溶解させたス
チレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合
体をゲルに対して100対10の重量比で混合したもの
を電解質とした。実施例6においては、ゲルの作成過程
において結合剤であるスチレンーエチレンーブチレンー
スチレンブロック共重合体を添加したが、本実施例では
ゲルを一旦作成した後に結合剤を添加している点で相違
している。
【0099】また、分極性電極には、比表面積が200
0m2-1のフェノール系活性炭粒子(平均粒径20μ
m)を用いた。正極と負極には、上記複合ゲル、活性炭
粒子とトルエンに溶解させたスチレンーエチレンーブチ
レンースチレンブロック共重合体を100対100対2
0の重量比で混合した後、3ton・cm2の圧力でプ
レス成形し、直径10mm、厚み1mmのタブレット状
とした。また、同様な方法により、電解質となる複合ゲ
ルは、直径13mm、厚み0.3mmのタブレットに加
工した。導電性を有するゲルの直径は、電子的な短絡を
防ぐために、正極と負極の直径よりも大きくした。さら
に上記正極と負極の片面にスクリーン印刷法を用いて黒
鉛を導電性粒子とする導電性樹脂からなる集電層を10
0μm形成した。
【0100】このようにして作製したタブレット状の正
極、負極、および導電性を有するゲルを用いて、図1と
同様な円盤型電気二重層キャパシタを構成した。図1に
おいて、1、2は正極と負極を3、4は集電体層を示
す。
【0101】キャパシタは、予め、導電性を有するゲル
からなる電解質5を介して正極1と負極2を相対向させ
100kgcm-2の圧力でプレスを行ない、図1に示し
たように電解質5と正極1と負極2を配置し、ケーシン
グの上部部材6、下部部材7を絶縁性ゴムパッキング8
を介して接着封口した。上部部材6と下部部材7の構成
材料には黒鉛を導電性粒子とする導電性樹脂シートを用
いた。
【0102】このキャパシタを0.8Vで充電後、10
μAで定電流放電し容量0.71F、インピ−ダンス2
6オ−ムを得た。また70℃の雰囲気下で常時0.8V
を印加したところ初期容量に対する1000時間後の容
量減少率は19%であった。また、実験に供した試料に
は、漏液等の変化は見られなかった。また、アミノ基に
よる導電性を有するゲルを用いてもほぼ上記とほぼ同様
な特性を示すキャパシタを作製することができた。ま
た、集電層にプラズマ溶射法によりニッケルを形成した
場合には、上記のものとほぼ同じ特性を示した。
【0103】また、シリコンのエトキシド以外に、アル
ミニウムのエトキシドやチタンのエトキシドを用いてア
ルミナまたはチタニアのゲルを用いても、本実施例と同
等な特性を示すキャパシタを作製することができた。
【0104】また、結合剤として、天然ゴム、スチレン
ーブタジエンースチレンブロック共重合体、スチレンー
ブタジエン共重合体、ブタジエンーアクリロニトリル共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニリデンフロラ
イドを用いてもほぼ同等な特性を示すキャパシタを作製
することができた。
【0105】さらに、フェノール系活性炭粒子の替わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いてもほぼ上記キャパシタと同等な特性を示
した。
【0106】一方、従来の硫酸を電解質に用いた同様な
構造のコイン型キャパシタの初期特性は本実施例とほぼ
同様であったが、70℃の雰囲気下で常時0.8Vを印
加したところ初期容量に対する1000時間後の容量減
少率は30%であった。また、実験に供した試料の5%
に電解液の漏液が見られた。
【0107】(実施例8) 実施例1と同様な原料、方法を用いて導電性を有するゾ
ルをゲル化する過程において、分極性電極である比表面
積が2000m2-1のフェノール系活性炭繊維布をゾ
ルに浸漬した後ゲル化して電解質を保持した活性炭繊維
布を作製して正極、負極とした。このように布状の活性
炭を用いているため、粉末の活性炭を用いるよりも導電
性に優れたものを得ることができる。さらに、正極と負
極の片面に上記ゾルを塗布しゲル化し厚さ100μmの
電解質層をそれぞれ形成した。また、電解質層を形成し
ていない面にスクリーン印刷法により、黒鉛を導電性粒
子とする導電性樹脂からなる集電層を100μm形成し
た。このような正極と負極を直径10mm、厚み1mm
に加工し、電解質層面が接触するように配置し円盤型電
気二重層キャパシタを構成した。分極性電極と電解質の
構成は実施例1に示した図1とは異なるが他の構成は図
1と同様である。
【0108】このキャパシタを0.8Vで充電後、10
μAで定電流放電し容量1.2 F、インピ−ダンス8オ
−ムを得た。また70℃の雰囲気下で常時0.8Vを印
加したところ初期容量に対する1000時間後の容量減
少率は7%であった。また、実験に供した試料には、漏
液等の変化は見られなかった。また、アミノ基による導
電性を有するゲルを用いてもほぼ上記とほぼ同様な特性
を示すキャパシタを作製することができた。また、集電
層にプラズマ溶射法によりニッケルを形成した場合に
は、上記のものとほぼ同じ特性を示した。
【0109】さらに、フェノール系活性炭粒子の替わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いてもほぼ上記キャパシタと同等な特性を示
した。
【0110】さらに上記複合ゲルを厚さ70μmのポリ
プロピレン製多孔質セパレータに保持して電解質として
用いても本実施例とほぼ同等な特性を示すキャパシタを
作製することができた。
【0111】一方、従来の硫酸を電解質に用いた同様な
構造のキャパシタの初期特性は本実施例とほぼ同様であ
ったが、70℃の雰囲気下で常時0.8Vを印加したと
ころ初期容量に対する1000時間後の容量減少率は3
0%であった。また、実験に供した試料の5%に電解液
の漏液が見られた。
【0112】
【発明の効果】以上説明した通り、前記本発明の電気二
重層キャパシタは、導電性を有するゲルと結合剤からな
る複合ゲルを用いた電解質を介して正極側の分極性電極
と負極側の分極性電極を相対向させ、各分極性電極に金
属または導電性樹脂からなる集電体を備え、かつ前記正
極側および負極側の分極性電極に活性炭を用いる、また
はドーパントとゲルと結合剤からなる複合ゲルを用いた
電解質を介して正極側の分極性電極と負極側の分極性電
極を相対向させ、各分極性電極に金属または導電性樹脂
からなる集電体を備え、かつ前記正極側および負極側の
分極性電極に活性炭を用いることにより、電解質と活性
炭の界面に形成される電気二重層容量を利用するので、
電気化学的反応により劣化する部分がなく、比較的分解
電圧が高く、また、内部抵抗を小さくすることができ、
そして電解液がゲル状であるため漏液のない信頼性の高
い電気二重層キャパシタである。
【0113】また、導電性を有するゲルが有機/無機複
合体であると、導電性を有する骨格を保つのに適してお
り、電気二重層キャパシタの内部抵抗を低減することが
できる。
【0114】また、ゲルがシリカゲル、アルミナゲル、
またはチタニアゲルから選ばれる少なくとも1種である
と、電解質および分極性電極の化学安定性が向上する。
【0115】次に、本発明の第1の製造方法は、官能基
を有する金属アルコキシドを加水分解することにより電
解質としての導電性を有するゲルを作製し、官能基を有
する金属アルコキシドと活性炭からなる混合ゾルを加水
分解することにより正極側の分極性電極と負極側の分極
性電極を形成し、前記分極性電極のそれぞれに金属また
は導電性樹脂からなる集電体を形成し、前記電解質を介
して前記正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を相
対向させて設けることにより、均一な組成と良好な導電
性を有する電解質と分極性電極が得られ、また、電解液
の漏液のない電気二重層キャパシタが製造できる。
【0116】また、本発明の第2の製造方法は、官能基
を有する金属アルコキシドを加水分解することにより電
解質としての導電性を有するゲルを作製し、前記ゲルと
活性炭を混合することにより正極側の分極性電極と負極
側の分極性電極を形成し、前記分極性電極のそれぞれに
金属または導電性樹脂からなる集電体を形成し、前記電
解質を介して前記正極側の分極性電極と負極側の分極性
電極を相対向させて設けることにより、均一な組成と良
好な導電性を有する電解質と分極性電極が得られ、ま
た、電解液の漏液のない電気二重層キャパシタが製造で
きる。
【0117】また、本発明の第3の製造方法は、官能基
を有する金属アルコキシドと結合剤からなる混合ゾルを
加水分解することにより電解質としての導電性を有する
ゲルを作製し、官能基を有する金属アルコキシドと結合
剤と活性炭からなる混合ゾルを加水分解することにより
正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を形成し、前
記分極性電極のそれぞれに金属または導電性樹脂からな
る集電体を形成し、前記電解質を介して前記正極側の分
極性電極と負極側の分極性電極を相対向させて設けるこ
とにより、均一な組成と良好な導電性を有する電解質と
分極性電極が得られ、また、電解液の漏液のない電気二
重層キャパシタが製造できる。
【0118】また、本発明の第4の製造方法は、官能基
を有する金属アルコキシドを加水分解後、結合剤と混合
することにより電解質としての導電性を有するゲルを作
製し、官能基を有する金属アルコキシドを加水分解した
ゲルと活性炭と結合剤を混合することにより正極側の分
極性電極と負極側の分極性電極を形成し、前記分極性電
極のそれぞれに金属または導電性樹脂からなる集電体を
形成し、前記電解質を介して前記正極側の分極性電極と
負極側の分極性電極を相対向させて設けることにより、
均一な組成と良好な導電性を有する電解質と分極性電極
が得られ、また、電解液の漏液のない電気二重層キャパ
シタが製造できる。
【0119】また、本発明の第5の製造方法は、ドーパ
ント、金属アルコキシド、結合剤からなる混合ゾルを加
水分解することにより電解質としての複合ゲルを作製
し、ドーパント、金属アルコキシド、結合剤および活性
炭からなる混合ゾルを加水分解することにより正極側の
分極性電極と負極側の分極性電極を形成し、前記分極性
電極のそれぞれに金属または導電性樹脂からなる集電体
を形成し、前記電解質を介して前記正極側の分極性電極
と負極側の分極性電極を相対向させて設けることによ
り、均一な組成と良好な導電性を有する電解質と分極性
電極が得られ、また、電解液の漏液のない電気二重層キ
ャパシタが製造できる。
【0120】また、本発明の第6の製造方法は、ドーパ
ント、金属アルコキシドからなる混合ゾルを加水分解後
結合剤と混合することにより電解質としての複合ゲルを
作製し、ドーパント、金属アルコキシドからなる混合ゾ
ルを加水分解して作製したゲルと活性炭と結合剤を混合
することにより正極側の分極性電極と負極側の分極性電
極を形成し、前記分極性電極のそれぞれに金属または導
電性樹脂からなる集電体を形成し、前記電解質を介して
前記正極側の分極性電極と負極側の分極性電極を相対向
させて設けることにより、均一な組成と良好な導電性を
有する電解質と分極性電極が得られ、また、電解液の漏
液のない電気二重層キャパシタが製造できる。
【0121】また、本発明の第7の製造方法は、活性炭
繊維に金属または導電性樹脂からなる集電体を形成した
後、前記活性炭繊維を官能基を有する金属アルコキシド
に浸漬し、加水分解することにより正極側の分極性電極
と負極側の分極性電極を形成し、官能基を有する金属ア
ルコキシドを加水分解後、ゲル状の電解質を形成し、前
記電解質を介して前記正極側の分極性電極と負極側の分
極性電極を相対向させて設けることにより、均一な組成
と良好な導電性を有する電解質と分極性電極が得られ、
また、電解液の漏液のない電気二重層キャパシタが製造
できる。
【0122】また、本発明の第1から第2の電気二重層
キャパシタまたは第1から第7の製造方法において、分
極性電極にさらに黒鉛微粒子を混合するという本発明の
好ましい構成によれば、黒鉛粒子の添加により、分極性
電極の電気抵抗を低減できるので、内部抵抗の小さな、
信頼性の高い電気二重層キャパシタを製造することがで
きる。
【0123】また、本発明の第1の電気二重層キャパシ
タまたはその第1から第4および第7の製造方法におい
ては、官能基を有する金属アルコキシドの官能基がスル
ホン基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種であるで
あることが好ましい。
【0124】また、本発明の第2の電気二重層キャパシ
タまたはその第5と第6の製造方法においては、ドーパ
ントが塩酸、硫酸、ヘテロポリ酸、過塩素酸、水酸化カ
リウムの酸あるいはアルカリ、または過塩素酸テトラエ
チルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウ
ムから選ばれる少なくとも1種であると、ドーパントの
電気伝導度が高く内部抵抗の小さな、信頼性の高い電気
二重層キャパシタを製造することができる。さらに、結
合剤が天然ゴム、スチレンーエチレンーブチレンースチ
レンブロック共重合体、スチレンーブタジエンースチレ
ンブロック共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、
ブタジエンーアクリロニトリル共重合体、ポリビニルア
ルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリビニリデンフロライドから選ばれる少な
くとも1種であると、機械的強度に優れた電解質および
分極性電極を成形性良く作製することができる。
【0125】また、本発明の第1から第2の電気二重層
キャパシタまたはその第1から第7の製造方法におい
て、活性炭がフェノール系、ピッチ系、およびポリアク
リロニトリル(PAN)系の粉末状もしくは繊維状の活
性炭から選ばれる少なくとも1種であると、このような
活性炭は、椰子殻炭に比べて比表面積を2倍以上の20
00m2-1に高められ、さらに細孔径も2〜4nmの
範囲に制御することが可能で、電気二重層容量を効率良
く利用することができる。さらに、集電体に用いる金属
がニッケルまたはステンレス鋼から選ばれる少なくとも
1種である、分極性電極の特に正極の電気化学的安定性
が向上する。液のない信頼性の高い電気二重層キャパシ
タを提供できる。
【0126】なお、本発明のゲル状の電解質は、電気二
重層キャパシタの電解質のみならず電池やエレクトロク
ロミック素子の電解質としても応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における電気二重層キャパシタ
の概略断面図
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3、4 集電体 5 複合ゲル 6 上部部材 7 下部部材 8 パッキング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/058 H01G 9/016 H01G 9/038

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有するゲルと結合剤からなる複合
    ゲルの電解質を介して相対向された正極側分極性電極及
    び負極側分極性電極と、前記正極側分極性電極及び前記
    負極側分極性電極の片面に形成された金属または導電性
    樹脂からなる集電体とを備え、前記正極側分極性電極及
    び前記負極側分極性電極に活性炭を含有させたことを特
    徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 【請求項2】 絶縁性のゲル、結合剤及びドーパントを有
    する複合ゲルからなる電解質を介して相対向された正極
    側分極性電極及び負極側分極性電極と、前記正極側分極
    性電極及び前記負極側分極性電極の片面に形成された金
    属または導電性樹脂からなる集電体とを備え、前記正極
    側分極性電極及び前記負極側分極性電極に活性炭を含有
    させたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  3. 【請求項3】 導電性を有するゲルが有機/無機複合体で
    あることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャ
    パシタ。
  4. 【請求項4】 ゲルがシリカゲル、アルミナゲル、または
    チタニアゲルから選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項2に記載の電気二重層キャパシタ。
  5. 【請求項5】 官能基を有する金属アルコキシドを加水分
    解して導電性を有するゲルからなる電解質を形成する工
    程と、官能基を有する金属アルコキシドと活性炭を有す
    る混合ゾルを加水分解して正極側分極性電極及び負極側
    分極性電極を形成する工程と、前記正極側分極性電極及
    び前記負極側分極性電極の片面に金属または導電性樹脂
    からなる集電体を形成する工程と、前記電解質を介して
    前記正極側分極性電極と前記負極側分極性電極を前記集
    電体を外側にして相対向させて固定する工程とを有する
    電気二重層キャパシタの製造方法。
  6. 【請求項6】 官能基を有する金属アルコキシドを加水分
    解して導電性を有するゲルからなる電解質を形成する工
    程と、前記ゲルと活性炭を混合して正極側分極性電極及
    び負極側分極性電極を形成する工程と、前記正極側分極
    性電極及び前記負極側分極性電極の片面に金属または導
    電性樹脂からなる集電体を形成する工程と、前記電解質
    を介して前記正極側分極性電極と前記負極側分極性電極
    を前記集電体を外側にして相対向させて固定する工程と
    を有する電気二重層キャパシタの製造方法。
  7. 【請求項7】 官能基を有する金属アルコキシドと結合剤
    からなる混合ゾルを加水分解して導電性を有するゲルか
    らなる電解質を形成する工程と、官能基を有する金属ア
    ルコキシド、活性炭及び結合剤からなる混合ゾルを加水
    分解して正極側分極性電極及び負極側分極性電極を形成
    する工程と、前記正極側分極性電極及び前記負極側分極
    性電極の片面に金属または導電性樹脂からなる集電体を
    形成する工程と、前記電解質を介して前記正極側分極性
    電極と前記負極側分極性電極を前記集電体を外側にして
    相対向させて固定する工程とを有する電気二重層キャパ
    シタの製造方法。
  8. 【請求項8】 官能基を有する金属アルコキシドを加水分
    解後、結合剤との混合を行い導電性を有するゲルからな
    る電解質を形成する工程と、官能基を有する金属アルコ
    キシドを加水分解したゲルと活性炭と結合剤を混合を行
    い正極側分極性電極及び負極側分極性電極を形成する工
    程と、前記正極側分極性電極及び前記負極側分極性電極
    の片面に金属または導電性樹脂からなる集電体を形成す
    る工程と、前記電解質を介して前記正極側分極性電極と
    前記負極側分極性電極を前記焦電体を外側にして相対向
    させて固定する工程とを有する電気二重層キャパシタの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 金属アルコキシド、ドーパント及び結合剤
    を有する混合ゾルを加水分解して導電性を有する複合ゲ
    ルからなる電解質を形成する工程と、金属アルコキシ
    ド、ドーパント、結合剤及び活性炭を有する混合ゾルを
    加水分解して正極側分極性電極及び負極側分極性電極を
    形成する工程と、前記正極側分極性電極及び前記負極側
    分極性電極の片面に金属または導電性樹脂からなる集電
    体を形成する工程と、前記電解質を介して前記正極側分
    極性電極と前記負極側分極性電極を前記集電体を外側に
    して相対向させて固定する工程とを有する電気二重層キ
    ャパシタの製造方法。
  10. 【請求項10】 金属アルコキシド及びドーパントを有す
    る混合ゾルを加水分解後結合剤と混合して導電性を有す
    る複合ゲルからなる電解質を形成する工程と、金属アル
    コキシド及びドーパントを有する混合ゾルを加水分解し
    て形成されたゲルと活性炭及び結合剤を混合して正極側
    分極性電極及び負極側分極性電極を形成する工程と、前
    記正極側分極性電極及び前記負極側分極性電極の片面に
    金属または導電性樹脂からなる集電体を形成する工程
    と、前記電解質を介して前記正極側分極性電極と前記負
    極側分極性電極を前記集電体を外側にして相対向させて
    固定する工程とを有する電気二重層キャパシタの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 活性炭繊維に金属または導電性樹脂から
    なる集電体を形成する工程と、前記焦電体を形成した後
    前記活性炭繊維を官能基を有する金属アルコキシドに浸
    漬するとともに加水分解を行い正極側分極性電極及び負
    極側分極性電極を形成する工程と、官能基を有する金属
    アルコキシドを加水分解後、ゲル状の電解質を形成する
    工程と、前記電解質を介して前記正極側分極性電極と前
    記負極側分極性電極を相対向させて固定する工程とを有
    する電気二重層キャパシタの製造方法。
  12. 【請求項12】 分極性電極に、さらに黒鉛微粒子を混合
    したことを特徴とする請求項1、または2に記載の電気
    二重層キャパシタ。
  13. 【請求項13】 官能基を有する金属アルコキシドの官能
    基がスルホン基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種
    であるであることを特徴とする請求項1に記載の電気二
    重層キャパシタ。
  14. 【請求項14】 ドーパントが塩酸、硫酸、リン酸、ヘテ
    ロポリ酸、過塩素酸、水酸化カリウムの酸あるいはアル
    カリ、または過塩素酸テトラエチルアンモニウム、ホウ
    フッ化テトラエチルアンモニウムから選ばれる少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項2記載の電気二重
    層キャパシタ。
  15. 【請求項15】 結合剤が天然ゴム、スチレンーエチレン
    ーブチレンースチレンブロック共重合体、スチレンーブ
    タジエンースチレンブロック共重合体、スチレンーブタ
    ジエン共重合体、ブタジエンーアクリロニトリル共重合
    体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、
    ポリプロピレンオキサイド、ポリビニリデンフロライド
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項2記載の電気二重層キャパシタ。
  16. 【請求項16】 活性炭がフェノール系、ピッチ系、およ
    びポリアクリロニトリル(PAN)系の粉末状もしくは
    繊維状の活性炭から選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の電気二重層キャ
    パシタ。
  17. 【請求項17】 集電体に用いる金属がニッケルまたはス
    テンレス鋼から選ばれる少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の電気二重層キャパシ
    タ。
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