JP3444612B2 - ニューラルネットワークによる画像入力装置の色補正方法 - Google Patents

ニューラルネットワークによる画像入力装置の色補正方法

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JP3444612B2
JP3444612B2 JP34081692A JP34081692A JP3444612B2 JP 3444612 B2 JP3444612 B2 JP 3444612B2 JP 34081692 A JP34081692 A JP 34081692A JP 34081692 A JP34081692 A JP 34081692A JP 3444612 B2 JP3444612 B2 JP 3444612B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラースキャナ, カラ
ープリンタ,CRTディスプレイ, カラープロッタ等の画像
の入出力時の色補正方法に関する。
【0002】最近のカラー画像の入出力装置の普及に伴
い、カラースキャナ, カラープリンタ,CRTディスプレ
イ, カラープロッタ等、電子的に色情報を扱う装置が増
加しているが、通常、該カラー画像を扱う入出力装置に
おいては、色歪みの発生を皆無にすることは困難である
ことから、実時間で、正確な色補正ができる色補正回路
が必要とされる。
【0003】又、色の表現法として、CRTディスプレ
イ上の表示では、赤(R),緑(G),青(B) の光の加色表現を
行い、印刷の分野では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロ
ー(Y) の反射光を用いた不透明な色材の減色表現が用い
られているが、表示したものを印刷したり, 或いは、印
刷したものを表示することがあり、この場合も、正確な
色補正を、実時間で行うことが必要とされる。
【0004】
【従来の技術】図3は、従来の色補正法を説明する図で
あり、図3(a1)〜(a3)は、マスキング法の例を示し、図
3(b) はニューラルネットワークを使用して色補正を行
う場合を示し、図3(c) はニューラルネットワークを用
いて学習する場合の問題点の一つを説明し、図4は、従
来のニューラルネットワークを使用して色補正を行う回
路例を示し、図4(a) は学習時の回路例を示し、図4
(b) は、学習されたニューラルネットワークを用いて入
力画像の色補正を行う場合を示している。
【0005】前述のように、色の表現法として、加色表
現と, 減色表現とがある。該加色表現は、三色の光{赤
(R),緑(G),青(B) }の重ね合わせによって色を表現する
方法であり、減色表現は、三色の色材{シアン(C),マゼ
ンタ(M),イエロー(Y) }の反射光の重ね合わせによって
色を表現する方法である。
【0006】一般に、計算機の、例えば、CRT ディスプ
レイ上などでは、上記赤(R),緑(G),青(B) の光の加色表
現を行い、印刷物では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロ
ー(Y) の反射光を用いた不透明な色材の減色表現を用い
る。
【0007】原画像を入力する時には、上記シアン(C),
マゼンタ(M),イエロー(Y) の反射光を入力装置で測定す
るが、このとき、該入力装置により歪みが発生する。
又、出力装置でも、同様な色歪みがあり、指定した色が
再現されない。
【0008】そこで、その歪みを補正するために、該発
生した歪みの特性に合わせた補正関数をマスキング法と
いう方法によって生成し補正している。図3(a1),(a2),
(a3)は、上記マスキング法による色補正方法を示してお
り、図3(a1)は、所定の関数項と、マスキング係数とを
行列演算することにより、期待する赤(R),緑(G),青(B)
を得る色補正方法を示している。ここで、N:行列の列
数、つまり、ここでは項数を示し、3:行列の行数、ここ
では、赤(R),緑(G),青(B)の3行を示し、1:行列の行数
を(ここでは、それぞれの値を出力するのに共通な関数
項を用いため1行でよい)を示している。
【0009】このように、マスキング法による補正関数
は、予め、次数, 項数などの関数の形を定めており、マ
スキング係数のみを最小二乗法によって決定する。通常
は、図3(a2)に示した二次マスキング法と呼ばれる二次
の項を含む9項の関数と定数を使用した関数を用いる。
【0010】特に、補正の精度を要求されるときには、
図3(a3)に示した三次マスキング法と呼ばれる三次の項
を含む23項の関数を使用する。二次, 三次と、使用する
項数が多くなれば、補正誤差も少なくなるが、それだけ
計算量も増加する。
【0011】上記マスキング法の原理については、例え
ば、 "色再現のための画像処理",小寺宏▲華▼著, 写真
工業出版社刊,1988,P44 〜P55 等に詳しい。上記のマス
キング法による補正関数は、予め、次数などを関数の形
を定めてあるため、全ての場合において、必ずしも最適
な補正関数を生成することができるとは限らない。
【0012】そこで、図3(b) に示したように、ニュー
ラルネットワークを用いて、この補正関数を生成させる
ことが知られている。例えば、「 "ニューラルネットに
よるカラーハードコピーの色修正",電子情報通信学会春
季全国大会論文集(1989 年),199 」に、印刷時の色修正
をニューラルネットワークを用いて行うことが示されて
いる。
【0013】該ニューラルネットワークは、学習によ
り、非線型な変換規則を獲得することが可能であること
から、上記マスキング法のように、予め、形を定めて、
ある補正関数を生成する方法より、よりその歪みに適し
た変換規則を得ることができる。
【0014】この場合、入力側のデータとして、例え
ば、カラーチャートによる赤(R),緑(G),青(B),或いは、
シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y) などの一次色, 又
は、高次の色データを用い、出力側の教師データとし
て、上記カラーチャートを、例えば、分光反射率計で測
定した赤(R),緑(G),青(B) の色データを用いて色補正系
を学習させていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来のマスキン
グ法においては、前述のように、色補正の際に使用する
次数が増加,即ち、項目数Nが増大すると、期待値に近
づき誤差を少なくすることができるが、計算量の増加が
著しくなるため、通常の場合には、上記二次マスキング
法を使用しているが現状であった。従って、計算時間の
著しい増加なしに、精度を向上させることができる色補
正方法が求められている。
【0016】又、図3(b) に示したように、ニューラル
ネットワーク 1を使用した従来の色補正法においては、
ある色が入力されれば、その装置の色歪みと逆の色特性
{教師信号}を学習したニューラルネットワーク 1に
より補正され、正確な色が出力される。
【0017】然し、ある一定の条件下での入力結果を用
いて学習しているため、学習データを作成した時と異な
る入力状態、例えば、画像入力装置 2の絞りの度合いの
違い、光源の違いによる照明の色や,明るさの違い、セ
ンサの経年変化などがあると、学習データと同一の色を
入力しても、異なる色として扱われ、正確な色に補正さ
れない。
【0018】この為、正確に補正するには、様々な入力
状態ごとに異なる色補正ネットワークが必要となり、こ
れを用意することは、現実的に不可能である。又、人間
が、常に、完全に同じ測定条件を作り出すことも、現実
的に不可能である。
【0019】又、図4(a) に示したように、学習用のカ
ラーチャートを使用し、このカラーチャート{学習用
色票}の色データをニューラルネットワーク 1に入力
し、このカラーチャートを分光反射率計で測定した色
データを教師信号として学習し、図4(b) に示したよ
うに、上記学習されたニューラルネットワーク 1を用い
て、原画像の色補正を行う場合、該分光反射率計では、
カラーチャートが持つ周波数スペクトルで計測してい
るので、明るさの条件の変化によって、教師信号の色
情報が異なることはない。
【0020】従って、図3(c) に示したように、例え
ば、明るい条件下においては、白色に対して、その白色
から得られる教師信号で学習し、灰色に対しては、そ
の灰色から得られる教師信号で学習しておき、同じニ
ューラルネットワーク 1も用いて、暗い条件下において
学習する場合を考えると、上記明るい条件下の白色が、
上記暗い条件下においては、上記明るい条件下での灰色
と同じ色情報となることがある。
【0021】ところが、この暗い条件下においても、上
記カラーチャートから得られる教師信号は、前述の
ように、白色のカラーチャートでは、同じ白色を指示
するものであるので、従来のニューラルネットワーク 1
による色補正方法では、入力側において、明るい条件下
の灰色と同じ色情報を示す白色のカラーチャートの色
が、例えば、暗い条件下で灰色を示している場合、上記
灰色の色情報は、明るい条件の元では、灰色の教師信号
で学習され、暗い条件下では、白色の教師信号で学
習されることになり、同じ入力情報 (例えば、上記灰
色) が2つの教師信号(白色,灰色)で学習されるこ
とは、従来のニューラルネットワーク 1では学習が不可
能であることがあることを示している。
【0022】本発明は上記従来の欠点に鑑み、カラース
キャナ, カラープリンタ,CRTディスプレイ, カラープロ
ッタ等の画像の入出力時の色補正を、ニューラルネット
ワークを使用して行う際に、上記入力条件の違いを吸収
して、常に、同じ測定条件下で学習しているのと同様に
学習することのできる、ニューラルネットワークによる
色補正回路を提供することを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理説
明図であり、図1(a) は、本発明によるニューラルネッ
トワークの構成例を示し、図1(b) は、本発明による色
補正回路の原理を説明している。上記の問題点は下記の
如くに構成したニューラルネットワークによる色補正方
法によって解決される。
【0024】(1) 画像入力装置 2において、該画像入力
装置 2の持つ色特性により歪んだ入力画像の色と正確な
色との関係を学習するニューラルネットワーク 1の入力
に、補正する原画像の色情報を扱う第1のユニット 10
の他に、入力時の状態を示す情報を扱う第2のユニット
11 を付加し、上記第1のユニットに入力する補正対象
の学習用色票の色情報を基に、教師信号を生成し、
上記第1のユニット 10 と、第2のユニット 11 を備え
たニューラルネットワーク 1を用いて、上記第1のユニ
ット 10 に入力された上記様々な入力状態に対応した学
習用色票の色情報と、上記第2のユニット 11 へ入力
された上記入力時の状態を示す色情報と、上記生成され
た教師信号とで学習し、その学習結果に基づいて、上
記画像入力装置 2に入力される原画像の色情報を補正
するように構成する。
【0025】(2) 上記第2のユニット 11 に入力する入
力時の状態を示す情報として、特定の単数,又は、複数
の基準色票の、上記様々な入力状態に対応した色情報
を、上記入力時の状態を示す値として使用するように構
成する。
【0026】(3) 上記第2のユニット 11 に入力する入
力時の状態を示す情報として、特定の単数,又は、複数
の基準色票の、上記様々な入力状態に対応した色情報
の平均値を、上記入力時の状態を示す値として使用する
ように構成する。
【0027】(4) 上記第2のユニット 11 に入力する入
力時の状態を示す情報として、特定の単数,又は、複数
の基準色票の色情報の色表現形式を、上記補正する色
情報の色表現形式とは異なる形式として使用するように
構成する。
【0028】(5) 上記第2のユニット 11 に入力する入
力時の状態を示す情報として、特定の単数,又は、複数
の基準色票の色情報を、任意の関数で変換した値を使
用するように構成する。
【0029】(6) 上記第2のユニット 11 に入力する入
力時の状態を示す情報として、特定の単数,又は、複数
の基準色票の色情報を、任意の関数で変換した値を使
用するように構成する。
【0030】
【作用】様々な入力状態下で、一つの色補正ニューラル
ネットワークで正確に色補正を行うには、そのニューラ
ルネットワークに、様々な入力状態での補正規則を学習
させればよい。
【0031】然し、単純に、様々な状態での補正規則を
学習させると、前述のように、同じ入力色情報 (例え
ば、前述の灰色) に対して、複数の補正情報 (所謂、教
師信号:上記の例では、白色と、灰色に対する教師信
号)を学習させることになり、ニューラルネットワーク
としては、学習が不可能な状態となる。
【0032】そこで、本発明においては、ニューラルネ
ットワークに対して、様々な入力状態を示す情報を入力
するように構成する。つまり、学習用の色情報(前述の
カラーチャートによる一次,又は高次の色情報)の他
に、上記入力状態を示す状態を、上記学習用の色情報を
入力するユニットとは異なる別のユニットに入力し、上
記学習用色情報から教師信号を生成して、ニューラル
ネットワークを構成する。
【0033】ここで、上記入力状態として、どのような
情報を入力するかが問題となるが、この情報に求められ
る条件は、入力状態の変化によって、入力目的の画像の
色情報が受ける影響と同じ影響を受ける情報であり、且
つ、教師信号には影響を与えない情報であることであ
る。
【0034】そこで、本発明においては、基準となる色
票を用意し、上記入力目的の画像と同時に、或いは、
同一の入力状態の下で、上記用意した基準となる色票
の色情報を、上記入力状態を表す情報として使用し、上
記本発明のニューラルネットワークの、上記入力目的の
画像の入力情報が入力されるユニットとは異なるユニッ
トに入力する。
【0035】そして、該ニューラルネットワークの学習
は、入力側の色情報として、様々な入力状態下での学習
用色票と、基準色票の色情報とを別々のユニットに
入力し、出力側の教師データとしては、上記学習用の
色票を、例えば、分光反射率計で測定した色情報を、
本来の色情報として使用し学習する。
【0036】図1(b) は、上記本発明のニューラルネッ
トワークによる色補正方法の原理を説明している。前述
のように、例えば、明るい条件下においては、白色に対
して、その白色から得られる教師信号で学習し、灰色
に対しては、その灰色から得られる教師信号で学習し
ておき、同じニューラルネットワークも用いて、暗い条
件下において学習する場合を考えると、上記明るい条件
下の白色が、上記暗い条件下においては、上記明るい条
件下での灰色と同じ色情報となることがある。
【0037】ところが、この暗い条件下においても、上
記カラーチャートから得られる教師信号は、前述の
ように、白色のカラーチャートでは、同じ白色を指示
するものであるので、従来のニューラルネットワークに
よる色補正方法では、入力側において、明るい条件下の
灰色と同じ色情報を示す白色のカラーチャートの色が、
例えば、暗い条件下で灰色を示している場合、上記灰色
の色情報は、明るい条件の元では、灰色の教師信号で
学習され、暗い条件下では、白色の教師信号で学習さ
れることになり、同じ入力情報 (例えば、上記灰色) が
2つの教師信号(白色,灰色)で学習されることにな
る。
【0038】そこで、本発明においては、上記同じ入力
情報が、2つの教師信号で学習されることがないよう
に、上記明るい条件下での灰色と、暗い条件下での灰色
とを識別する為に、教師信号には影響のない、上記学
習用の色情報とは別の、基準となる色情報、例えば、白
色を用意して、上記学習用の色情報が入力されるユニッ
トとは別のユニットに入力する。
【0039】即ち、明るい条件下において、上記ニュー
ラルネットワークで学習した場合、学習用の色情報の
内、例えば、白色と、灰色に着目して考えると、それぞ
れ、白色,灰色の教師信号で学習されることになる
が、本発明のニューラルネットワークにおいては、上記
基準となる色情報として、例えば、白色が、専用のユニ
ットに入力されて学習されている。
【0040】従って、学習用の白色を学習する場合に
は、その学習用の白色と、基準として用意した白色とを
入力として、上記学習用の白色の教師信号とで学習さ
れる。又、学習用の灰色を学習する場合には、その学習
用の灰色と、基準として用意した白色とを入力として、
灰色の教師信号とで学習される。
【0041】即ち、上記明るい条件下では、学習用の白
色は、基準色として用意された白色と、該学習用の白色
から生成された教師信号とで学習され、学習用の灰色
は、基準色として用意された白色と、該学習用の灰色か
ら生成された教師信号とで学習されることになる。
【0042】一方、上記暗い条件下では、学習用の白色
は、一見灰色として入力されると共に、基準色として用
意された白色も、同じ条件下であるので、一見して灰色
として別のユニットに入力され、該学習用の白色から生
成された教師信号とで学習され、学習用の灰色は、更
に暗い (濃い) 灰色として入力され、基準色として用意
された白色は、同じ条件下であるので灰色として入力さ
れて、該学習用の灰色から生成された教師信号とで学
習されることになる。
【0043】従って、明るい条件下の灰色は、基準色の
白色と、灰色の教師信号で学習されるのに対して、暗
い条件下での灰色は、上記明るい条件下での灰色と同じ
色情報であるが、本発明のニューラルネットワークで
は、上記基準色の白色が、該暗い条件下で灰色になった
色情報と、白色の教師信号で学習されることになるの
で、明るい条件下の灰色と、暗い条件下での灰色とで
は、学習時に入力される色情報の条件が異なり、従来方
法のように、入力された同じ色情報(上記、灰色)が異
なる教師信号で学習されることがなく、入力された同
じ色情報(上記、灰色)に、基準となる色票の同じ条
件下での色情報が付加された条件で学習される結果、両
者を識別することができ、入力状態が、学習時と同じで
なくても、比較的に少ない入力条件による学習で、ニュ
ーラルネットワークの補間機能により、ほぼ正しい色に
補正することができる効果が得られる。
【0044】
【実施例】以下本発明の実施例を図面によって詳述す
る。前述の図1が、本発明の原理説明図であり、図2
は、本発明の一実施例を示した図であって、図2(a)
は、本発明による学習回路を示し、図2(b) は、本発明
による入力画像の色補正回路を示している。
【0045】本発明においては、画像入力装置におい
て、該画像入力装置の持つ色特性により歪んだ入力画像
の色と正確な色との関係を学習するニューラルネットワ
ーク 1の入力に、補正する色情報を扱うユニット 10 の
他に、入力時の状態を示す情報を扱うユニット 11 を付
加し、上記補正する色情報を扱うユニットに入力する学
習用色票の色情報を基に教師信号を生成し、上記、
入力時の状態を示す情報として、特定の単数,又は、複
数の基準色票を同時に入力し、その基準色票の色情
報を使用する手段、上記特定の複数の基準色票の色情
報の平均値を入力時の状態を示す値として使用する手
段、又、上記基準色票の色情報の色表現形式を、補正
する色情報の表現形式(加色表現)とは異なる、例え
ば、Lab表色形式とする手段が、本発明を実施するの
に必要な手段である。尚、全図を通して同じ符号は同じ
対象物を示している。
【0046】以下、図1を参照しながら、図2によっ
て、本発明のニューラルネットワークによる色補正方法
を説明する。先ず、図1(a),図2(a) によって、本発明
のニューラルネットワーク 1の構成と、該ニューラルネ
ットワーク 1による学習方法を説明する。
【0047】本発明のニューラルネットワーク 1は、図
1(a),図2(a) に示されているように、学習用色票 (カ
ラーチャート) の一次, 又は、高次の色情報を入力す
るユニット 10 と、基準色票の色情報を入力するユニ
ット 11 を備えており、上記学習用色票を、例えば、
分光反射率計で測定したスペクトラムを基に、赤(R),緑
(G),青(B) に変換して教師信号を生成して、該ニュー
ラルネットワーク 1の出力側に入力するように構成され
ている。
【0048】画像入力装置 2に、予め、色情報が分かっ
ているカラーチャートを学習用色票として入力し、こ
の学習用色票から得られる一次, 又は、高次の色情報
を求め、次に、基準色票、例えば、白色を入力して、
該基準色票の色情報を求める。
【0049】上記学習用色票、基準色票による色情
報を求める処理を、様々な入力状態、例えば、前述のよ
うに、該画像入力装置 2の絞りの度合い, 光源の違いに
よる照明の色や明るさを変える等して行い、上記ニュー
ラルネットワーク 1の入力側の色情報 (入力側教師デー
タということもある) とする。
【0050】一方、例えば、分光反射率計で、上記学習
用色票であるカラーチャートを測定して、上記ニュー
ラルネットワーク 1の教師データ (出力側教師データと
いうことがある) とする。
【0051】上記求められている様々な入力状態での、
入力側の色情報{ユニット 10 に入力されている学習用
色票の色情報と、ユニット 11 に入力されている基準
色票の色情報}について、上記教師データを基に、
様々な入力状態での画像入力装置の持つ色特性により歪
んだ入力画像の色と、教師信号との関係を学習させ
る。 次に、この学習済のニューラルネットワーク 1を
使用して、図2(b) に示したように、目的とする原画像
を上記画像入力装置 2に入力し、その色情報を、上記
学習済のニューラルネットワーク 1のユニット 10 に入
力し、同時に、上記学習時に使用した基準色票を同じ
画像入力装置 2に入力し、得られた色情報を、それぞ
れ、ニューラルネットワーク 1のユニット 10,11に入力
する。
【0052】ニューラルネットワーク 1からは、原画像
について色を補正したものが出力される。上記学習時
には、様々な入力状態についての学習用色票と、基準
色票から得られた色情報について学習されているの
で、原画像に対する入力条件に対応して、正確な補正色
を得ることができる。上記基準色票については、1色
(通常、前述のように、白色を使用する)でも良いが、
複数の種類の色を用意することにより、補正精度を向上
させることができる。又、基準色票について、複数の
種類の色を用意すると、ニューラルネットワーク 1の、
ユニット 11 の数が増加し、計算量や、メモリ資源を増
加させる為、例えば、複数の色情報の平均をとったもの
を入力するようにすることにより、ニューラルネットワ
ーク 1のユニット 11 の数を減らすこともできる。又
補正の正確さを求める場合、上記基準色票の色情報
を、例えば、公知のLab系に変換したものとか、或い
は、2乗などの関数で変換し、上記基準色票の色情報
の特徴を拡大して入力することもできる。更に、上記基
準色票の色情報と、所定の関数で変換したものとを同
時に入力するようにしてもよい。このように、本発明の
ニューラルネットワークによる色補正方法は、画像入力
装置において、該画像入力装置の持つ色特性により歪ん
だ入力画像の色と正確な色との関係を学習するニューラ
ルネットワークの入力に、補正する色情報を扱うユニッ
トの他に、入力時の状態を示す情報を扱うユニットを付
加し、上記補正する色情報を扱うユニットに入力する学
習用色票の色情報を基に教師信号を生成し、上記、
入力時の状態を示す情報として、特定の単数,又は、複
数の基準色票を同時に入力し、その基準色票の色情報を
使用したり、上記特定の複数の基準色票の色情報の平均
値を入力時の状態を示す値として使用したり、又、上記
基準色票の色情報の色表現形式を、補正する色情報の表
現形式(加色表現)とは異なる、例えば、Lab表色形
式とするようにしたところに特徴がある。
【0053】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
ニューラルネットワークによる色補正によれば、光源等
の入力条件が異なっても、その入力条件にあった色補正
を行うことができ、同一色は、入力条件が異なっていて
も、同一色として扱うことができ、色補正の精度を向上
させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明の一実施例を示した図
【図3】従来の色補正方法を説明する図
【図4】従来のニューラルネットワークを使用して色補
正を行う回路例
【符号の説明】
1 ニューラルネットワーク 10 学習用色票の色情報を入力するユニット 11 基準色票の色情報を入力するユニット 2 画像入力装置 教師信号, 又は、教師データ 基準色票 学習用色
票, 又は、カラーチャート ○ ニューラルネットワークの各ユニット R,G,B 加色表現に使用される光の色
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 1/46 H04N 1/46 (72)発明者 長田 茂美 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−6594(JP,A) 特開 平6−36002(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像入力装置において、該画像入力装置
    の持つ色特性により歪んだ入力画像の色と正確な色との
    関係を学習するニューラルネットワークの入力に、補正
    する原画像の色情報を扱う第1のユニットの他に、入力
    時の状態を示す情報を扱う第2のユニットを付加し、 上記第1のユニットに入力する補正対象の学習用色票の
    色情報を基に、教師信号を生成し、 上記第1のユニットと、第2のユニットを備えたニュー
    ラルネットワークを用いて、上記第1のユニットに入力
    された様々な入力状態に対応した学習用色票の色情報
    と、上記学習用色票と同じ入力条件下において第2のユ
    ニットへ入力された基準色票の色情報と、上記生成され
    た教師信号とで学習し、 その学習結果に基づいて、上記画像入力装置に入力され
    る原画像の色情報を上記入力状態の違いを吸収して補正
    することを特徴とするニューラルネットワークによる画
    像入力装置の色補正方法。
  2. 【請求項2】 上記第1のユニットに前記原画像を入力
    し、 上記第2のユニットに、前記ニューラルネットワークの
    様々な入力状態における学習時に使用した基準色票を入
    力し、 その学習結果に基づいて、上記画像入力装置に入力され
    る原画像の色情報を補正することを特徴とする請求項1
    に記載のニューラルネットワークによる画像入力装置の
    色補正方法。
  3. 【請求項3】 上記第2のユニットに入力する入力時の
    状態を示す情報として、特定の単数、又は、複数の上記
    基準色票の、上記様々な入力状態に対応した色情報を、
    上記入力時の状態を示す値として使用することを特徴と
    する請求項1又は2に記載のニューラルネットワークに
    よる画像入力装置の色補正方法。
  4. 【請求項4】 上記第2のユニットに入力する入力時の
    状態を示す情報として、特定の単数、又は、複数の上記
    基準色票の、上記様々な入力状態に対応した色情報の平
    均値を、上記入力時の状態を示す値として使用すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のニューラルネット
    ワークによる画像入力装置の色補正方法。
  5. 【請求項5】 上記第2のユニットに入力する入力時の
    状態を示す情報として、特定の単数、又は、複数の上記
    基準色票の色情報の色表現形式を、上記補正する色情報
    の色表現形式とは異なる形式として使用することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載のニューラルネ
    ットワークによる画像入力装置の色補正方法。
  6. 【請求項6】 上記第2のユニットに入力する入力時の
    状態を示す情報として、特定の単数、又は、複数の上記
    基準色票の色情報を任意の関数で変換した値を使用する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のニ
    ューラルネットワークによる画像入力装置の色補正方
    法。
  7. 【請求項7】 上記第2のユニットに入力する入力時の
    状態を示す情報として、特定の単数、又は複数の上記基
    準色票の色情報を任意の関数で変換した値を使用するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のニュ
    ーラルネットワークによる画像入力装置の色補正方法。
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