JP3444328B2 - 電動ホッチキスにおける綴り準備機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、真直状のステープ
ル針をコ字形に成形した後に打ち出す方式の電動ホッチ
キスにおいて、電源を入れて複数回空打ちした後に打ち
込み準備が完了する状態にする綴り準備機構に関する。 【０００２】 【従来技術】一般にこの種の電動ホッチキスは、真直状
のステープル針をシート状に連結したシート状ステープ
ルを送りローラの回転によってフォーミングプレートの
真下に送り、フォーミングプレートを下動させて前部の
ステープル針をコ字形に成形した後にドライバプレート
の真下に供給し、このドライバプレートを下動させて打
ち出すものとして構成されている。このように、シート
状ステープルを送りローラによってフォーミングプレー
トの真下まで送り、さらに送られたステープル針をフォ
ーミングプレートによってコ字形に成形した後に初めて
ドライバプレートによって実打することが準備された状
態となる。 【０００３】ところが、フォーミングプレートとドライ
バプレートと送る送りローラとは互いに連動するものと
して構成されているから、上記の送り工程と成形工程の
間にもドライバは上下動して空打ちを繰り返すことにな
る。このため、新品のステープラーに全く新しくステー
プルを装填した場合や、針詰まりが発生したためステー
プラーからシート状ステープルを除去した後に改めてス
テープルを装填したような場合は、いつ打ち込み準備が
可能になるかが不明となり、用紙をセットする前にステ
ープルが出てくるまで無駄打ちをしなければならず、こ
の作業も面倒であった。 【０００４】そのため、フォーミングプレートの下にス
テープル針が供給されたことを検出する検出機構を設け
ることにより、実打の準備が完了したことを知るように
したものも知られている。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
検出機構はドライバプレートと成形針の摺動を案内する
フェースプレートに穴を開け、アクチュエーター等を用
いて先頭の成形針がフェースプレートに当たる位置まで
きたかを検出し、さらにフォトインタラプタ等で検出す
る構成であった。このように、針一本分の変位は小さい
ためアクチュエーター等によって変位を増幅しなければ
ならず、増幅分だけアクチュエーター等の大きさも大き
くなり、コストも高くなるという欠点があった。 【０００６】本発明は上記欠点を解消し、大きなアクチ
ュエーターを必要とすることなく、フォーミングプレー
トの下にステープル針が供給されたことを検出すること
により実打の準備を完了させることができる綴り準備機
構を提供することをその課題とする。 【０００７】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る電動ホッチキスにおける綴り準備機構
は、真直状のステープル針をシート状に連結してなるシ
ート状ステープルの前部のステープル針を上下動により
コ字形に成形するフォーミングプレートと、フォーミン
グプレートにより成形された成形針を打ち出すドライバ
プレートとを重合配置したホッチキスにおいて、上記フ
ォーミングプレートの近傍には検知プレートを同時に移
動可能に設けるとともに、検知プレートにはフォーミン
グプレートの最下面よりも下方に突出可能な脚部を形成
し、上記フォーミングプレートと検知プレートとが下動
した際、フォーミングプレートの真下にあるときにステ
ープル針に検知プレートの脚部が先に当たることにより
フォーミングプレートと検知プレートとの間に生じた位
相差に基づく変位量を検出することを特徴とする。 【０００８】 【発明の実施の形態】図１は電動ホッチキスのステープ
ル打ち出し部分の要部を示す。この電動ホッチキスは、
マガジン１に真直状のステープル針をシート状に連結し
てなるシート状ステープル２を装填するとともに、この
シート状ステープル２を送り機構によりステープル供給
用通路３に沿ってマガジン１の前方に供給し、図２、図
３に示されるようにステープル供給用通路３の前端の凸
部３ａ上に送られた先頭ステープル針（２ａ）をフォー
ミングプレート４でコ字形に成形して成形ステ−プルＳ
とし、フォーミングプレート４が上方に復帰移動したと
きに成形ステープルＳをプッシャ６によって打ち出し部
７に押出し、さらにドライバプレート８を下動させて成
形ステープルＳを打ち出し、綴り台９上の被綴り材１０
に打ち込むもので、詳しい機構は実公平２−１４９４０
号公報等に示されている。フォーミングプレート４とド
ライバプレート８とは重合状態で配置され、電動モータ
（図示せず）によって一体に作動するように構成されて
いる。 【０００９】上記打ち出し部７は図３に示されるよう
に、マガジン１の前端に配置されたフェースプレート１
１の裏面に、ドライバプレート８と成形ステープルＳを
摺動案内可能に凹溝状に形成されている。 【００１０】シート状ステープル２の供給用通路３の前
端に形成された凸部３ａは打ち出し部７の後側に位置す
るとともに、フォーミングプレート４の真下に対応する
ように位置している。そして、シート状ステープル２の
前部のステープル針２ａが凸部３ａ上に送られた後にフ
ォーミングプレート４が下動することにより、フォーミ
ングプレート４の二股部４ａがステープル針の両側を押
し下げて折り曲げ、コ字形に成形する。 【００１１】ところで、図４(a) に示すように上記フォ
ーミングプレート４の近傍、つまりフォーミングプレー
ト４の上部と側部とを包囲して同一面をなすように検知
プレート１２が配置されている。検知プレート１２とフ
ォーミングプレート４とは同時に移動するようにバネ１
３で連結されている。また、検知プレート１２にはフォ
ーミングプレート４の最下面よりも下方に突出可能な脚
部１２ａが形成されている。この脚部１２ａの突出量ｈ
は少なくともステープルの肉厚よりも大きい方が望まし
い。 【００１２】これにより、フォーミングプレート４の真
下位置にシート状ステープル２がある状態で検知プレー
ト１２の脚部１２ａの先端が上記シート状ステープル２
の上面に当たったときに検知プレート１２の中央上部ａ
とフォーミングプレート４の上部ｂとが接合する位置
に、センサー１４が配置されている。このセンサー１４
は検知プレート１２とフォーミングプレート４との間に
生じる隙間を検出するもので、フォトインタラプタ等の
フォトセンサーでも、マイクロスイッチでも、その他の
適宜のセンサーでもよい。 【００１３】上記構成により、ドライバプレート８とと
もにフォーミングプレート４と検知プレート１２とを打
ち込み作動させたときに、図４(a) (b) のように凸部３
ａ上にシート状ステープル２の先頭ステープル針２ａが
送られていないときは、フォーミングプレート４と検知
プレート１２とは同時に同量だけ移動するから、両者間
に隙間は生じない。このため、センサー１４は作動せ
ず、ドライバプレート８は空打ちとなる。 【００１４】これに対し、ドライバプレート８とともに
フォーミングプレート４と検知プレート１２とを打ち込
み作動させたときにシート状ステープル２の先頭のステ
ープル針２ａが上記凸部３ａ上に送られているときは、
同図(c) のように、まず初めに検知プレート１２の脚部
１２ａの先端がステープル針２ａの上面に当たるので検
知プレート１２はそこで停止するが、フォーミングプレ
ート４はさらに二股部４ａの先端がステープル針２ａに
当たるまで下方に移動する。このため、検知プレート１
２とフォーミングプレート４との間には位相差による変
位量が生じる。この変位量は検知プレート１２とフォー
ミングプレート４との間に生じる隙間１５となって現わ
れるので、この隙間１５はセンサー１４によって検出さ
れる。フォーミングプレート４はさらに下動するから先
頭のステープル針２ａの両側部をフォーミングプレート
４の二股部４ａが押し下げて折り曲げ、コ字形に成形す
る。成形されたステープルＳはプッシャ６により打ち出
し部７に送られる。したがって、フォーミングプレート
４が検知プレート１２とともに初期位置に上昇復帰した
後、次段のサイクルで再びドライバプレート８が下動し
たときは、成形ステープルＳが打ち込まれることにな
る。 【００１５】上述のように、打ち込み作動が行なわれた
際に凸部３ａ上にステープル針があるときはセンサー１
４が検知プレート１２とフォーミングプレート４との位
相差を検出して検出信号を出力することにより、この検
出信号出力直後に先頭のステープル針２ａが成形されて
打ち込みの準備状態が完了し、次段の打ち込み作動から
実打できるようにすることができる。したがって、無駄
打ちも防止できる。 【００１６】しかも、検知プレート１２とフォーミング
プレート４との位相差に基づく変位量は少なくともステ
ープル針１本分の厚みよりも大きくすることができるの
で、変位量の検出は容易であり、安価なセンサーを用い
ても確実に検出することができるとともに、増幅する必
要がないので、大きなアクチュエーターも必要としな
い。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明に係るホッチキスのステープル打ち出し
部分の概要説明図 【図２】ステ−プル針の成形態様説明図 【図３】ステ−プル針の打込態様説明図 【図４】(a) (b) (c) は綴り準備の態様説明図 【符号の説明】 １ マガジン ２ シート状ステープル ２ａ 先頭のステープル針 ４ フォーミングプレート ８ ドライバプレート １２ 検知プレート １２ａ 脚部

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 真直状のステープル針をシート状に連結
   してなるシート状ステープルの前部のステープル針を上
   下動によりコ字形に成形するフォーミングプレートと、
   フォーミングプレートにより成形された成形針を打ち出
   すドライバプレートとを重合配置したホッチキスにおい
   て、 上記フォーミングプレートの近傍には検知プレートを同
   時に移動可能に設けるとともに、検知プレートにはフォ
   ーミングプレートの最下面よりも下方に突出可能な脚部
   を形成し、 上記フォーミングプレートと検知プレートとが下動した
   際、フォーミングプレートの真下にあるステープル針に
   検知プレートの脚部が先に当たることによりフォーミン
   グプレートと検知プレートとの間に生じた位相差に基づ
   く変位量を検出することを特徴とする電動ホッチキスに
   おける綴り準備機構。