JP3443816B2 - 変速制御装置 - Google Patents

変速制御装置

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JP3443816B2 JP2000191028A JP2000191028A JP3443816B2 JP 3443816 B2 JP3443816 B2 JP 3443816B2 JP 2000191028 A JP2000191028 A JP 2000191028A JP 2000191028 A JP2000191028 A JP 2000191028A JP 3443816 B2 JP3443816 B2 JP 3443816B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の変速機ギ
ヤ比を自動的に制御するための装置に関する。本発明
は、被牽引車を牽引する設備を備えた車両の自動変速機
に利用する。本発明は、被牽引車が連結されているか否
かにより自動変速機の制御論理マップを変更する技術の
改良に関する。本発明は、大型のトレーラを牽引するト
ラクタに利用するために開発された装置であるが、この
ほかにも牽引設備を備えた車両に広く利用することがで
きる。本発明は、クラッチペダルのないオートマチック
車にかぎらず、発進時にのみクラッチペダルを利用する
セミオートマチック車にも実施することができる。
【0002】
【従来の技術】プログラム制御回路を備え、変速機レバ
ーの操作情報、アクセル操作情報、その他運転操作情
報、および車速情報を取込み、設定された制御パターン
にしたがって変速機のギヤ比を自動的に演算設定する自
動車の自動変速機の技術が広く知られている。被牽引車
を牽引するための設備を備えた車両について、被牽引車
が連結されている状態と連結されていない状態とを識別
して、自動変速機の制御パターンを変更する技術につい
ては、特開平11−51169号公報に開示されたもの
がある。これは、牽引車(トラクタ)は被牽引車の連結
の有無に応じてエンジンの負荷が大きく変化するから、
被牽引車の「連結有り」の場合には「連結無し」の場合
より、変速機がギヤ比の大きいギヤを選択するようにそ
の制御パターンを構成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
技術は優れた技術であるが、本願発明者はこの従来例装
置を試験したところ次のような不都合に当面した。
【0004】すなわち、牽引車が被牽引車を連結してい
る状態にあるか否かの連結信号を自動的に発生する手段
を備えた車両では、連結器の機械的な切り離しを行うこ
とにより、あるいは連結器に設けられた電気系または空
気系の切り離しを行うことにより、連結信号は「連結有
り」の状態から「連結無し」の状態に自動的に転換され
る。一般に連結器の切り離し操作は車両が停車した状態
で行われるから、連結器の切り離しが実行された直後に
は、被牽引車の荷重はランディングギヤにより支持でき
るように用意されているものの、まだその一部の荷重は
牽引車の連結器にかかっている場合が多い。このような
状態では牽引車は緩やかに前進して被牽引車の連結器か
ら離れる必要があるところ、上述の装置では自動変速機
の制御パターンが連結信号により自動的に転換してい
る。すなわち発進ギヤは、牽引車が単独で走行するとき
のギヤ比の小さい位置に自動的に選択されている。した
がって緩やかな発進を行うにはきわめて注意深く運転操
作を行うことが必要であり、しばしば牽引車の急な飛び
だしや牽引車がエンストするなどの不都合が発生するこ
とになる。
【0005】これは当然に、運転者の運転操作により、
急発進が行われるようなことがないように、あるいはエ
ンストなどがないように、アクセルペダルを緩やかに踏
む、半クラッチの状態を維持する(セミ・オートマチッ
ク車の場合)などの注意によりカバーすべきことである
が、多くの場合には、運転者はその直前まで大きい負荷
荷重のある被牽引車を連結して運転してきたのであるか
ら、その感覚を急に変更することが追いつかない場合が
ある。
【0006】本発明はこのような背景に行われたもので
あって、連結器の連結を解除するための操作を実行した
後に、被牽引車から離れるために最初に牽引車が前進す
るときに、牽引車が緩やかに発進することができる装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、連結信号が連
結有りの状態から連結無しの状態に転換したあと最初に
牽引車が前進するときには、ギヤ比の大きい発進ギヤが
選択されるように、その自動変速機の制御パターンを設
定することを特徴とする。
【0008】すなわち本発明は、被牽引車連結の有無を
識別する連結信号を取込む手段(1)と、この連結信号
に応じて自動変速機の制御パターンを自動的に変更する
手段とを含むプログラム演算回路(2)を備えた変速制
御装置において、前記プログラム演算回路(2)は、前
記連結信号が連結有りの状態から連結無しの状態に転換
した後に牽引車が被牽引車の連結器から離脱するための
走行が行われたことを検出する手段と、この検出する手
段の検出出力が識別されるまで連結無しの状態で選択さ
れる発進ギヤよりギヤ比の大きいギヤを発進ギヤとして
選択する手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】上記括弧内の数字は、後から説明する実施
例図面の参照数字である。これは、本発明の構成を理解
しやすいように付すものであって、本発明を実施例に限
定して理解するためのものではない。
【0010】前記連結無しの状態で選択される発進ギヤ
よりギヤ比の大きいギヤを発進ギヤとして選択する手段
は、前記連結信号が連結なしに転換されても前記検出出
力が識別されるまでは連結有りの状態で選択される制御
パターンを維持する手段を含む構成とすることができ
る。
【0011】この構成により、牽引車は被牽引車を牽引
した状態で、貨物の積みおろし場などで停車し、被牽引
車を切り離す場合に、連結器の機械的な切り離し操作を
行った後に、最初に被牽引車から離れるときに、連結信
号は「牽引無し」の状態になっていても、自動変速機に
設定される発進ギヤはギヤ比の大きいギヤであって、緩
やかな発進を行うことができる。
【0012】牽引車が被牽引車から、例えば数メートル
離れたらこのような制御はもはや必要でなくなるから、
自動変速機の制御パターンは自動的に「牽引無し」の状
態に転換される。牽引車が被牽引車から数メートル離れ
たことは、牽引車の車輪回転パルスを取込むように構成
されている装置では、この車輪回転パルスを計数し、こ
れが所定値になったことにより検出することができる。
また、牽引車の車速情報を取込むように構成されている
装置では、この車速情報があらかじめ設定された所定値
になったことにより検出することができる。
【0013】この被牽引車の連結器から離脱するための
走行が行われたことを検出する手段は、最初の走行が行
われ牽引車が停止したときにその検出出力を発生するよ
うに構成することもできる。
【0014】本発明によるギヤ比の大きいギヤへの設定
や、被牽引車が牽引車から相応に離れたことなどは、運
転者がその都度意識することなく自動的に実行される。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明実施例装置の制御系
ブロック構成図である。図1に示す装置は、牽引車に設
けられた自動変速装置の制御系を説明する図である。す
なわち、この装置は、プログラム演算回路2を備え、こ
のプログラム演算回路2には、それぞれインターフェイ
スを介して、クラッチの操作情報3、ブレーキの操作情
報4、アクセルの操作情報5、および変速機レバー操作
情報6が入力する。またこのプログラム演算回路2に
は、この牽引車の車速情報7、機関回転速度情報8、変
速機のギヤ位置検出情報9が取込まれている。
【0016】そしてこのプログラム演算回路2は、これ
らの入力情報に基づき、内部に設定された制御パターン
21の論理にしたがって、最適なギヤ比を演算し、その
ギヤ比を変速機11に設定するように、その制御弁12
および13に弁開閉信号を送出するように構成されてい
る。このプログラム演算回路には、車両に搭載されたバ
ッテリ14から、キースイッチ15により制御されるリ
レー16の接点を介して電源電流が供給される。
【0017】このように構成された装置であって、本発
明の装置は、変速機に選択設定されるギヤ比を演算する
ための制御パターン21として、二つの論理の異なる制
御パターンP1 およびP2 を備えている。この制御パタ
ーンP1 はこの牽引車が被牽引車を連結して走行する場
合に選択する論理が記録されていて、制御パターンP 2
にはこの牽引車が単独で走行する場合に選択する論理が
記録されている。そして、この二つの制御パターンのい
ずれを選択するかは、連結信号1が被牽引車の「連結有
り」となっているか「連結無し」となっているかにより
自動的に実行される。この連結信号は、牽引車と被牽引
車が連結器により機械的に連結されたことを検出する接
点により自動的に発生する。
【0018】ここで本発明の特徴とするところは、この
プログラム制御回路がいずれの制御パターンを選択設定
するかの制御論理にある。これをフローチャートを用い
て説明する。図2は本発明実施例プログラム制御回路に
設定される演算論理要部を説明するフローチャートであ
る。すなわち本発明実施例装置では、連結信号を取込み
連結の有無にしたがって、上で説明した制御パターンP
1 またはP2 のいずれかを選択して設定する。しかし、
連結信号が「連結無し」の状態であって、これが「連結
有り」から「連結無し」に転換した後に未だ走行の履歴
がない場合には、連結信号が「連結無し」になっていて
も臨時に「連結有り」のときに選択すべき制御パターン
1 を選択設定するように構成されているところに特徴
がある。
【0019】このように構成することにより、連結の切
り離し操作を終えて最初に、牽引車が被牽引車から離れ
るときに、運転者が変速機レバーをD位置に移動させる
と、「連結有り」の制御パターンが実行されるから、発
進ギヤにギヤ比の大きいギヤが選択設定される。したが
って、牽引車が急発進する、あるいはエンストを起こす
などの不都合をなくすることができる。
【0020】この臨時に選択設定された制御パターンP
1 は、車速情報7が所定値を越えたとき(例えば2km
/h)に、被牽引車の連結が無い場合に選択設定される
制御パターンP2 に自動的に転換される。これによりこ
の臨時の状態は解除される。この構成により、運転者が
かりに注意を怠っていても、最初の発進時に急発進をし
たり、エンストを起こすことなどのない制御装置が得ら
れる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、連
結器の連結を解除するための操作を実行した後に、被牽
引車から離れるために最初に牽引車が前進するときに、
牽引車が緩やかに発進させることができる装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置のブロック構成図。
【図2】本発明実施例プログラム演算回路の演算論理を
説明する要部フローチャート。
【符号の説明】
1 被牽引車の連結を検出する連結信号 2 プログラム演算回路 3 クラッチ操作情報 4 ブレーキ操作情報 5 アクセル操作情報 6 変速機レバー操作情報 7 車速情報 8 機関回転速度情報 9 変速機のギヤ位置検出情報 11 変速機 12、13 変速機制御弁 14 バッテリ 15 キースイッチ 16 リレー 21 制御パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被牽引車連結の有無を識別する連結信号を
    取込む手段と、この連結信号に応じて自動変速機の制御
    パターンを自動的に変更する手段とを含むプログラム演
    算回路を備えた変速制御装置において、 前記プログラム演算回路は、前記連結信号が連結有りの
    状態から連結無しの状態に転換した後に牽引車が被牽引
    車の連結器から離脱するための走行が行われたことを検
    出する手段と、この検出する手段の検出出力が識別され
    るまで連結無しの状態で選択される発進ギヤよりギヤ比
    の大きいギヤを発進ギヤとして選択する手段とを備えた
    ことを特徴とする変速制御装置。
  2. 【請求項2】連結無しの状態で選択される発進ギヤより
    ギヤ比の大きいギヤを発進ギヤとして選択する手段は、
    前記連結信号が連結なしに転換されても前記検出出力が
    識別されるまでは連結有りの状態で選択される制御パタ
    ーンを維持する手段を含む請求項1記載の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記検出する手段は、前記牽引車の車速が
    所定値に達したときに前記検出出力を送出する手段を含
    む請求項1または2記載の変速制御装置。
  4. 【請求項4】前記検出する手段は、前記牽引車の走行距
    離が所定値に達したときに前記検出出力を送出する手段
    を含む請求項1または2記載の変速制御装置。
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