JP3442447B2 - 浸炭又は浸炭窒化焼入れ方法 - Google Patents

浸炭又は浸炭窒化焼入れ方法

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JP3442447B2
JP3442447B2 JP33314793A JP33314793A JP3442447B2 JP 3442447 B2 JP3442447 B2 JP 3442447B2 JP 33314793 A JP33314793 A JP 33314793A JP 33314793 A JP33314793 A JP 33314793A JP 3442447 B2 JP3442447 B2 JP 3442447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材部品を浸炭又は浸
炭窒化焼入れする方法に関し、詳しくは浸炭又は浸炭窒
化処理した処理材を減圧下で油焼入れ処理する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】鋼材部品は、耐摩耗性及び疲れ強さを向
上させるために、浸炭焼入れや浸炭窒化焼入れなどの表
面処理が施される。上記浸炭焼入れは、処理材を900
〜1000℃程度の浸炭温度に加熱し、COを含む雰囲
気にさらして処理材表面からCを拡散浸透させる浸炭処
理を施した後、浸炭温度から直接焼入れたり、あるいは
改めて焼きならしをして組織を微細化した後焼入れたり
して行われる。浸炭焼入れされた処理材は、通常200
℃付近で焼もどしを行ってから使用される。
【0003】また、上記浸炭窒化焼入れは、上記した浸
炭焼入れにおいて、浸炭温度を900℃程度とし、CO
の他にさらにNH3 を含む雰囲気に処理材をさらすこと
により、処理材表面からC及びNを拡散浸透させること
により行われる。ところで、一般的な焼入処理において
は、オーステナイト化温度から処理材を急冷しなければ
ならないので、処理材の表面部と中心部との間に生じる
温度差が原因となって、処理材に熱応力が生じる。ま
た、鋼材はマルテンサイト変態を起こすことにより大き
く膨張し、処理材の表面が中心部よりも先に冷えてマル
テンサイト変態を起こす関係上、処理材に変態応力が生
じる。このように焼入れ処理した処理材には、熱応力及
び変態応力に起因した焼入歪みが発生する。
【0004】このため、焼入硬さを維持しつつ上記焼入
歪みをいかにして防ぐかが焼入れ技術において大きな課
題となるが、金属臨時増刊号(株式会社アグネ出版社、
1985年5月号)には、減圧下で油焼入れ処理するこ
とにより、焼入油の蒸気泡の発生状況を変化させ、これ
により焼入歪の低減や焼入硬さの向上を図ることができ
る旨開示されている。
【0005】この減圧焼入れは、油面圧を下げることに
より焼入油の蒸気泡の発生状況を変化させ、これにより
蒸気膜段階、沸騰段階、及び対流段階の3つの段階に順
に分けられる焼入油の冷却過程を変化させるものであ
る。つまり、油面圧が下がれば、焼入油の蒸気圧の上昇
により蒸気膜の発生量が多くなって、処理材の周囲が蒸
気膜で包まれて冷却速度が遅くなる蒸気膜段階が長くな
る。このため、急冷による熱応力の発生を抑えることが
でき、熱応力に起因する焼入歪みを抑制することができ
る。また、油面圧が下がれば、焼入油の沸点が低下する
ので、冷却速度が非常に速い沸騰段階が低温側に持ち越
されるようになり、より完全に硬化させることができ
る。したがって、減圧下での油焼入れにより、焼入歪み
の発生を抑えるとともに、焼入硬化を向上させることが
可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな従来の減圧油焼入れ方法によっても、処理材の焼入
歪みを効果的に防ぐことができなかった。特に、歯車部
品に代表される浸炭焼入れや浸炭窒化焼入れした処理材
は、上記した一般的な焼入れ処理と比較して焼入れ歪み
が発生しやすいので、これを効果的に防ぐことは困難で
ある。
【0007】本発明者は、減圧油焼入れによって焼入歪
みを効果的に防止することができない原因等について鋭
意研究した結果、上記蒸気膜段階で、処理材を包む蒸気
膜が膜厚の違い等により部分的に壊れたりし、これに起
因して処理材の冷却速度が場所により不均一となって熱
応力歪みが発生していることを突き止めた。本発明は、
上記蒸気膜段階で、均一な蒸気膜を安定に出現させ、熱
応力歪みによる焼入歪みを効果的に防止することのでき
る減圧油焼入れ方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本第
1発明の減圧油焼入れ方法は、浸炭又は浸炭窒化処理し
た処理材を、100℃における動粘度:xが9〜35c
Stである焼入油を用い、該焼入油の動粘度が3〜8c
Stとなる油温度で、下限が60Torrで上限が式a
で示される油面圧範囲の下で、焼入処理することを特徴
とする。
【0009】式a:油面圧(Torr)=−12.5x
+650, (9≦x≦35) また上記課題を解決する本第2発明の減圧油焼入れ方法
は、上記第1発明の条件で、かつ、油温度を160℃以
上でマルテンサイト変態開始点(以下、MS 点という)
以下として焼入処理した処理材を、さらに少なくとも1
60℃未満の温度の焼入れ剤を用いて2段目の焼入処理
することを特徴とする。
【0010】本第1及び第2発明における浸炭又は浸炭
窒化処理の条件は特に限定されず、通常の浸炭処理又は
浸炭窒化処理の条件とすることができる。本第1及び第
2発明で、焼入油の動粘度、油温度、及び油面圧を上記
のように限定した理由を以下に示す。まず、用いる焼入
油の動粘度を限定したのは蒸気膜段階で均一な蒸気膜を
安定に出現させるためであり、また焼入剤としての性能
面を考慮したためである。すなわち、100℃における
動粘度:xが35cStより高くなると、上記の油温度
・油面圧の範囲下にて、均一な蒸気膜が出現困難とな
り、かつ、焼入油としての所望の焼入性能を発揮できな
くなる。一方、100℃における動粘度:xが9cSt
より低くなると、蒸気膜は出現しやすくなるものの、処
理材の下方表面から発生した蒸気が上側表面へまわり込
み、処理材の上部での蒸気膜段階が極端に長くなり、蒸
気膜が不均一となる。
【0011】また、焼入処理時の焼入油の動粘度が所定
の範囲内となるように油温度を限定したのは、蒸気膜段
階で均一な蒸気膜を安定に出現させるためであり、また
焼入油の性能を安定して発揮できることを考慮したため
である。すなわち、焼入油は、焼入時での動粘度が低い
ほど、粘性抵抗に対する泡の成長エネルギーの増大割合
が大きくなるので、泡を発生しやすくなり、蒸気膜の発
生量が多くなる。このため、油温度が低すぎて焼入油の
動粘度が8cStよりも高くなると、蒸気膜段階で均一
な蒸気膜が安定して出現しにくくなる。一方、焼入時の
油温度が高すぎて焼入油の動粘度が3cStよりも低く
なると、前述の蒸気の上側へのまわり込みが、100℃
における動粘度:xが9〜35cStの範囲内である焼
入油を用いた場合でも生じ、処理材の上部での蒸気膜段
階が長くなり、蒸気膜が不均一となる。したがって、焼
入時の油温度は、焼入油の動粘度が3〜8cStとなる
ように限定した。
【0012】さらに、油面圧を上記のように限定したの
も蒸気膜段階で均一な蒸気膜を安定に出現させるためで
あり、また焼入油の蒸発による消耗を考慮したためであ
る。一般に、油面圧が低くなるほど、焼入油の蒸気圧が
上昇するので、(油面圧+油圧)に対する泡の蒸気圧の
増大割合が多くなり、泡が発生しやすくなって蒸気膜の
発生量が多くなる傾向にある。このため、油面圧が上記
式aで示される範囲より高くなると、蒸気膜段階で均一
な蒸気膜が安定して出現しにくくなる。一方、油面圧が
60Torrよりも低くなると、前述の蒸気の上側への
まわり込みが生じ、蒸気膜が不均一となり、かつ、油の
蒸発量も増え実用上適さなくなる。
【0013】ここで、泡の蒸気圧は(油面圧+油圧)と
つり合う関係にある。つまり、油面圧が低いほど、また
油圧が低いほど、泡の蒸気圧が低くなり、泡が発生しや
すくなる。そして、泡の蒸気圧、つまり泡の発生状態
は、油面圧が低くなるほど、油圧により支配される割合
が大きくなる。したがって、油面圧を低くするほど、油
面から浅い部分で発生する泡の量と深い部分で発生する
泡の量との差が、泡の発生量に対して大きくなる。この
ため、本第1発明及び第2発明において、例えば油中に
複数の処理材を深さ方向に縦に並べて浸漬した場合、浅
い部分に浸漬された処理材と、深い部分に浸漬された処
理材との間で、蒸気膜の発生状況を揃えて、各処理材間
のバラツキを無くすためには、油面圧を200Torr
以上とすることが好ましく、より好ましくは300To
rr以上とすることである。
【0014】また、本第2発明において、最初の焼入段
階で、油温度として160℃以上でMs 点以下という限
定を加えたのは、油温度をこの範囲とすることにより、
後述するように、処理材内のマルテンサイト変態開始時
間を揃えてマルテンサイト変態の進行を均一化させ、こ
れにより変態歪みを低減させるためである(マルテンパ
ー効果)。そして、浸炭又は浸炭窒化処理した鋼材のM
s 点は160℃を越えており、最初の焼入段階での油温
度が160℃より低いと上記マルテンパー効果が小さく
なるので、油温度を160℃以上とした。
【0015】さらに本第2発明において、2段目の焼入
処理に用いる焼入剤としては、特に限定されず、油、ア
ルカリ洗浄液、水などを用いることが好ましい。なお、
焼入剤を油とする場合、最初の焼入処理で用いた焼入油
と同程度の100℃動粘度:xを有する油を用いること
が好ましく、またこの油の温度は120℃以下(常温ま
で)とすることが好ましい。焼入剤としての油の温度が
120℃よりも高いと2段目の焼入処理することによる
効果を大きく期待できない。また焼入剤をアルカリ洗浄
液とする場合、焼入剤の温度は該アルカリ洗浄液の沸点
以下とする必要があり、40〜80℃程度とすることが
好ましい。焼入剤としてのアルカリ洗浄液の温度が40
℃よりも低いと、洗浄作用が小さくなる。
【0016】本第1発明及び本第2発明の浸炭又は浸炭
窒化焼入れ方法において、軸対称部品を焼入処理する場
合は、軸対称部品をその中心軸と焼入油面とが垂直とな
るように保持した状態で焼入処理することが好ましい。
この理由を以下説明する。従来の大気圧下での焼入れで
は、蒸気膜段階がほとんどなく、焼入れ直後から泡を発
生しながら、いわゆる核沸騰の状態で処理材が冷却され
る。このような核沸騰状態での冷却の場合、処理材の上
部と下部とで、核沸騰の状況(泡の発生状況)が大きく
異なるため、冷却特性に大きな違いが生じる。したがっ
て、従来の大気圧下での焼入処理の場合、処理材の上下
方向の歪みが、全体歪みよりも大きくなり問題となる。
一方、本第1発明及び第2発明のように、減圧下で焼入
処理する場合、処理材の周囲が蒸気膜で包まれる蒸気膜
段階が延長されるので、上下方向での冷却速度のバラツ
キが低減される。したがって、減圧下での焼入処理の場
合、処理材の上下方向の歪みよりも、処理材の全体歪み
が大きくなり問題となる。ここで、軸対称部品を減圧下
で焼入れ処理する場合、部品をその中心軸と焼入油面と
が平行となるように保持すると、中心軸が湾曲するよう
に歪み、中心軸周りの全体歪みが大きくなる。これに対
し、軸対称部品をその中心軸と焼入油面とが垂直となる
ように保持すれば、平行に保持した場合と比較して、中
心軸周りに蒸気膜が均一に流れ易くなり、蒸気膜がより
均一に安定に出現し易くなるため、中心軸周りの全体歪
みを低減できる。このような効果は、減圧下で焼入する
ことで上下方向の冷却速度を均一化した際に顕在化する
効果である。したがって、本第1発明及び第2発明にお
いて、軸対称部品を処理する場合は、部品をその中心軸
と焼入油面とが垂直となるように保持した状態で焼入処
理することが好ましい。
【0017】
【作用】本第1発明及び第2発明の浸炭又は浸炭窒化焼
入れ方法では、減圧下で油焼入処理することにより、焼
入油の蒸気圧の上昇により蒸気膜の発生量が多くなっ
て、処理材の周囲が蒸気膜で包まれて冷却速度が遅くな
る蒸気膜段階が長くなる。このため、焼入れ直後の急冷
による熱応力の発生を抑えることができ、熱応力に起因
する焼入歪みを抑制することができる。また、油面圧が
下がれば、焼入油の沸点が低下するので、冷却速度が非
常に速い沸騰段階が低温側に持ち越されるようになり、
より完全に硬化させることができる。したがって、減圧
下での油焼入れにより、焼入歪みの発生を抑えるととも
に、焼入硬化を向上させることが可能となる。
【0018】そして、本第1発明の方法では、上記条件
で焼入処理することにより、つまり100℃における動
粘度:xが所定範囲の焼入油を用い、所定の油温度及び
油面圧で焼入処理することにより、蒸気膜段階で均一な
蒸気膜を安定に出現させることができる。処理材が均一
な蒸気膜で包まれている間は、処理材の各部における冷
却速度が均一化されるので、処理材の場所、例えば上、
中、下における冷却速度や冷却温度の差が小さくなる。
したがって、本第1発明の方法によれば、処理材の熱応
力に起因する焼入歪みを極めて効果的に防止することが
可能となる。
【0019】なお、本第1発明の方法では、焼入油の動
粘度が3〜8cStの範囲となるように油温度が限定さ
れるので、用いる焼入油の動粘度に応じて油温度の領域
が移行する。ここで、例えば100℃における動粘度:
xが高い焼入油を用いると油温度の許容範囲が高温側に
移るので、油温度が処理材のMS 点よりも高くなる場合
がある。この場合、油浸漬中においてはマルテンサイト
変態が起こらないが、焼入油から引き上げられた後、放
冷等によりマルテンサイト変態が開始〜完了される。ま
た、油温度が処理材のMs 点よりも低く、かつ、Mf
(マルテンサイト変態が完了する温度)よりも高い場合
には、処理材は油浸漬中にマルテンサイト変態が開始さ
れ、焼入油から引き上げられた後、放冷等によりマルテ
ンサイト変態が完了される。さらに、油温度がMf 点よ
りも低い場合には、処理材は油浸漬中にマルテンサイト
変態が開始〜完了される。
【0020】本第2発明の方法では、上記第1発明の条
件で、かつ、油温度を160℃以上でMS 点以下とする
ことにより、処理材内のマルテンサイト変態開始時間を
揃え、変態の進行を均一化させることができる(以下、
マルテンパー効果という)。したがって、本第2発明で
は、上記熱応力に起因する焼入歪みの他に、変態応力に
起因する焼入歪みを低減することが可能となる。特に浸
炭焼入や浸炭窒化焼入した処理材の場合、高炭素層をも
つ表面部がマルテンサイト変態により大きく膨張するの
で、変態歪みが大きく発生するわけだが、本第2発明に
よれば、この変態歪みを効果的に抑制することができ
る。
【0021】また、本第2発明の方法では、処理材のマ
ルテンサイト変態は、上記条件での最初の焼入段階で開
始され、2段目の焼入処理の段階で完了されるか、又は
ほぼ完了され、焼入油から引き上げられた後、放冷等に
より完了される。そして、2段目の焼入処理することに
より、最初の焼入処理の終了後における処理材の温度ば
らつきを抑えることができ、さらに変態歪みを抑制する
ことが可能となる。
【0022】さらに、本第1発明及び第2発明におい
て、軸対称部品を焼入処理する場合、軸対称部品をその
中心軸と焼入油面とが垂直となるように保持した状態で
焼入処理すれば、平行に保持した場合と比較して、中心
軸周りに蒸気膜が均一に流れ易くなり、蒸気膜がより均
一に安定に出現し易くなるため、中心軸周りの全体歪み
を低減できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)焼入油として、100℃における動粘度:
xが8cSt(試験油)、12cSt(日本グリース
製、商品名:マルテンパV2500)、18cSt(日
本グリース製、商品名:マルテンパV2900)、25
cSt(日本グリース製、商品名:マルテンパNo
2)、32cSt(日本グリース製、商品名:マルテン
パV3200)、36cSt(試験油)の6種類を準備
した。
【0024】そして、各焼入油を用いて、焼入時の油温
度を100℃、130℃、160℃、180℃、200
℃、220℃、240℃の7段階に変化させ、それぞれ
の油温度について油面圧を50Torr、100Tor
r、200Torr、300Torr、500Tor
r、760Torrの6段階に変化させて、以下に示す
浸炭焼入処理をした。
【0025】処理材としては、歯車部品(ドライブピニ
オン、SCM420)を準備した。12個の処理材を一
つのトレイに上下に配置し、予熱室で500℃程度で予
熱した後、CO:20〜23%、H2 :31〜40%か
らなる吸熱型雰囲気ガスとプロパンガスからなる浸炭雰
囲気ガスが供給された浸炭処理室に装入した。浸炭処理
室では、まず昇温ゾーンで処理材を約950℃まで加熱
した後、浸炭ゾーン、拡散ゾーンで浸炭・拡散処理し
た。浸炭ゾーンでの処理時間は160分であり、拡散ゾ
ーンでの処理時間は80分である。また、浸炭時の炭素
ポテンシャル値は1.0%、拡散時の炭素ポテンシャル
値は0.85%である。
【0026】浸炭処理された処理材を、大気圧下の減圧
降温室に送り込んだ後、この減圧降温室を所定の圧力に
減圧し、850℃程度まで降温した。そして、所定の圧
力に減圧された減圧油焼入室に処理材を装入した。この
減圧油焼入室に装入された処理材は、所定の油温度とさ
れた所定の油が入れられた油槽に浸漬され、油焼入され
る。浸漬してから4分経過後、処理材は油槽から引き上
げられ、減圧油焼入室をN2 ガスで大気圧程度に復圧し
てから炉外に抽出されて、浸炭焼入処理を終了した。
【0027】(冷却カーブによる評価)上記浸炭焼入処
理において、処理材を油槽中に浸漬する焼入処理時に、
処理材の上部、中部、下部の3つの部分について、最大
冷却速度V0 と、その最大冷却速度V0 を示す時の温度
0 とを測定した。そして、上部、中部、下部の最大冷
却速度V0 の差、及び最大冷却速度V0 を示す温度T0
の差を計算した。
【0028】これらの結果に基づき、焼入油の100℃
における動粘度:xと油面圧、油温度との関係で、各焼
入油について、最大冷却速度V0 の差が30℃/sec
以下で、かつ最大冷却速度V0 を示す温度T0 の差が5
0℃以下となったときの油面圧、油温度の範囲を図1及
び図2に示す。図1及び図2に斜線で示す範囲が上記条
件を満たす油面圧及び油温度の範囲であり、これらの範
囲は同時に満たされなければならない。
【0029】これらの結果からも明らかなように、10
0℃における動粘度:xが9〜35cStの焼入油を用
い、焼入油の動粘度が3〜8cStとなる油温度で、下
限が60Torrで上限が前記式aで示される範囲の油
面圧で焼入処理することにより、処理材の上部、中部、
下部における最大冷却速度V0 の差を30℃/sec以
下とし、かつ、最大冷却速度V0 を示す温度T0 の差を
50℃以下とすることができることがわかる。また、減
圧下にて焼入油中の処理材の焼入状態を撮影観察できる
装置を開発し、上記条件で焼入処理することにより、焼
入時の蒸気膜段階で、均一な蒸気膜が安定に出現するこ
とが確認できた。
【0030】そして、上記最大冷却速度V0 の30℃/
sec以下で、かつ、最大冷却速度V0 を示す温度T0
の差が50℃以下であった場合、歯車部品の精度のばら
つきを極めて効果的に抑制することができた。これに対
し、最大冷却速度V0 の差が30℃/secを越えた
り、最大冷却速度V0 を示す温度T0 の差が50℃を越
えた場合は、歯車部品の精度のばらつきが抑制できなか
った。
【0031】ここで、鋼の丸棒試験片(φ20×長さ4
0mm、SCr420)を準備し、表1に示すように、
種々の焼入油を用い、かつ、油温度及び油面圧を種々変
更して、上記実施例1と同様に浸炭焼入処理し、そのと
きの最大冷却速度の差及び最大冷却速度を示す温度の差
をそれぞれ表1に示す。また、表1の試験No.1〜8
について、冷却速度と温度との関係、及び冷却時間と温
度との関係を示す冷却カーブの結果を順に図3〜図10
に示す。なお、図3〜図10中、実線、点線、一点鎖線
は、それぞれ処理材の上部、中部、下部での冷却カーブ
を示す。
【0032】
【表1】 No.1の試験片では、用いる焼入油の100℃におけ
る動粘度:xが36cStと高すぎるため、最大冷却速
度V0 の差が大きかった。No.2の試験片では、油面
圧が高すぎて前記式aで示される範囲を越えるため、最
大冷却速度V0の差及びこのV0 を示す温度差T0 がい
ずれも大きかった。No.4の試験片では、油面圧が低
すぎるため、最大冷却速度V0 の差が大きかった。N
o.5の試験片では、油面圧が高すぎて前記式aで示さ
れる範囲を越え、かつ、油温度が低すぎるため、最大冷
却速度V0 の差及びこのV0 を示す温度差T0 がいずれ
も大きかった。No.6の試験片では、油温度が低すぎ
るため、最大冷却速度V0 の差が大きかった。No.8
の試験片では、用いる焼入油の100℃における動粘
度:xが8cStと低すぎるため、最大冷却速度V0
示す温度差T0 が大きかった。
【0033】一方、用いる焼入油の100℃における動
粘度:x、油温度及び油面圧がいずれも本発明の範囲内
にあるNo.3及びNo.7の試験片では、最大冷却速
度V 0 の差及びこのV0 を示す温度差T0 がいずれも小
さかった。また、本発明の処理条件で、かつ、油面圧を
200Torr以上とした場合に、一つのトレイ内に上
下に2個配設された処理材間で、上記最大冷却速度の差
0 及び上記最大冷却速度V0 を示す温度の差T0 がい
ずれも小さくなった。これは、焼入油としてマルテンパ
ーNo.2(100℃での動粘度:xが25cSt)を
用い、油温度を180℃としたときの、油面圧と蒸気圧
比P50/P100 との関係を図11に示すように、油面圧
が低くなるほど、上記蒸気圧比P50/P100が小さくな
り、油面からの深さに応じて泡の発生状況が変化しやす
くなるためである。なお、P50は油面から50cmの深
さでの泡の平衡蒸気圧を示し、P100は油面から100
cmの深さでの泡の平衡蒸気圧を示す。したがって、こ
の蒸気圧比P50/P100 が小さくなるほど、油面からの
深さにより泡の発生量の差が大きくなる(浅いほど泡の
発生量が多くなる)。これにより、上記条件で、かつ、
油面圧を200Torr以上とすることにより、より好
ましくは油面圧を300Torr以上とすることによ
り、浅い部分に浸漬された処理材と、深い部分に浸漬さ
れた処理材との間で、蒸気膜の発生状況の差が小さくな
ることが確認できた。
【0034】なお、100℃における動粘度が8cSt
である焼入油を用いた場合、又は焼入油の動粘度が3c
Stより低くなるほど油温度を高くした場合、油面圧に
よらず、蒸気膜段階にて処理材の下部及び側面から生成
した蒸気が上端面にまわり込み、処理材上部での核沸騰
への移行が遅れ、最大冷却速度を示す温度の差が50〜
165℃となった。一方、100℃における動粘度が3
6cStである焼入油を用いた場合、又は焼入油の動粘
度が8cStより高くなるほどほど油温度を低くした場
合、油面圧によらず、蒸気の発生が不十分で蒸気膜が不
均一となり、処理材上部の冷却が早くなり、最大冷却速
度の差が30〜60℃/secとなった。
【0035】また、油面圧を上記式aで示される範囲よ
り高くした場合は、蒸気がほとんど発生せず、最大冷却
速度の差が40℃/sec以上となり、減圧焼入れの効
果がなかった。一方、油面圧を60Torrよりも低く
した場合、蒸気膜段階が長くなり過ぎて、蒸気膜段階か
ら沸騰段階へ移行する温度(特性温度)が低くなり過
ぎ、この結果最大冷却速度を示す温度の差が50℃より
も大きくなった。これは、処理材の下部及び側面から生
成した蒸気が上端面にまわり込み、処理材の上部でのみ
油との熱交換が遅れ核沸騰への移行が低温側へずれ込ん
だためと考えられる。
【0036】さらに、本実施例に係る浸炭焼入方法で
は、浸炭拡散処理した処理材を減圧下で所定時間保持し
て850℃程度まで降温させているので、O2 分圧の低
下によって処理材表面のOが解離し、また煤の付着が除
去されるので、処理材表面を光輝肌とすることができ、
焼入品質の向上に寄与する。 (実施例2)処理材として、上記実施例1と同様の歯車
部品(ドライブピニオン、SCM420)を準備し、1
00℃における動粘度が25cStの焼入油を用い、油
温度を220℃とし、油面圧を300Torrとして、
上記実施例1と同様の浸炭焼入処理をした。
【0037】上記浸炭焼入処理終了後、1分以内に、N
2 復圧下で、100℃の焼入油(100℃における動粘
度が25cSt)中に4分間浸漬して、2段目の焼入処
理をした。本実施例2により浸炭焼入処理した処理材に
おいては、最初の焼入処理で油温度を220℃として処
理材のMs 点に近づけているため、処理材内のマルテン
サイト変態の進行が均一化されており、しかも2段目の
焼入処理により最初の焼入終了時の温度ばらつきも抑え
られるので、変態歪みを極めて効果的に抑えることがで
きた。
【0038】(実施例3)処理材として、上記実施例1
と同様の歯車部品(ドライブピニオン、SCM420)
を準備し、100℃における動粘度が25cStの焼入
油を用い、油温度を220℃とし、油面圧を300To
rrとして、上記実施例1と同様の浸炭焼入処理をし
た。
【0039】上記浸炭焼入処理終了後、2分以内に、大
気圧下で80℃のアルカリ洗浄液(メタクリアCL−5
700、ソーダニッカ製)中に5分間浸漬して、2段目
の焼入処理をした。本実施例3により浸炭焼入処理した
処理材も、上記実施例2と同様に、変態歪みを極めて効
果的に抑えることができた。また、本実施例では、2段
目の焼入処理時の焼入剤をアルカリ洗浄液としたため、
2段目の焼入処理をしながら最初の焼入処理時の焼入油
を洗浄することができた。
【0040】(歯車部品の歯車精度評価)前記実施例1
に係る歯車部品(ドライブピニオン、SCM420)を
前記表1に示す試験No.1〜8と同じ条件で焼入処理
した歯車部品No.1〜8、上記実施例2で焼入処理し
た歯車部品No.9、上記実施例3で焼入処理した歯車
部品No.10、及び従来の大気圧焼入処理した歯車部
品No.0について、歯車精度評価をした。これは、図
12に示すように、歯面のうち加速面において、ねじれ
角(歯すじ)誤差Aと、圧力角(歯形)誤差Bとを、そ
れぞれ12個の試験部品について測定し、その平均値:
m及び標準偏差:σを求めることにより行った。ねじれ
角誤差Aの変化量の測定結果を図13に、圧力角誤差B
の変化量の測定結果を図14にそれぞれ示す。なお、歯
車部品No.0の従来の大気圧での焼入処理は、焼入
油:マルテンパーNo.2(100℃での同粘度:xが
25cSt)、油温度:130℃、油面圧:760To
rrの条件で行った。
【0041】この結果、焼入処理条件が本発明の範囲内
にある試料No.3、7、9、10では、いずれも歯車
精度のばらつきを極めて効果的に抑制できることが確認
できた。 (実施例4)処理材として、軸対称部品である歯車部品
(モジュール3.0、ヘリカルギア、材質SCM42
0)を多数準備し、100℃における動粘度が25cS
tの焼入油を用い、油温度を220℃とし、油面圧を3
00Torrとして、上記実施例1と同様の浸炭焼入処
理をした。
【0042】そして、焼入処理する際、多数の歯車部品
を縦積みした場合と、横置きした場合とで、歯車精度を
比較した。また、100℃における動粘度が25cSt
の焼入油を用い、油温度を130℃とし、油面圧を76
0Torrとして、大気圧下で焼入したものも、同様に
歯車精度を比較した。その結果を表2に示す。なお、各
精度のバラツキ範囲(6σの幅)で表は記載している。
【0043】
【表2】 表2からも明らかなように、従来の大気圧下での焼入処
理では、軸対称部品をその中心軸と焼入油面とが平行と
なるように保持する横置きのセット方法の方が、軸対称
部品をその中心軸と焼入油面とが垂直となるように保持
する縦積みのセット方法よりも、歯車精度の変化量のば
らつきが小さい。これは、大気圧下での焼入の場合、上
下方向における冷却速度のバラツキが大きくて支配的と
なる。縦積みにした場合、各部品の一つ一つの歯が上下
方向にバラツキを伴って変形し、それぞれの歯において
上下方向に大きな歪みのバラツキが発生した結果であ
る。
【0044】一方、減圧下での焼入処理では、軸対称部
品をその中心軸と焼入油面とが垂直となるように保持す
る縦積みのセット方法の方が、軸対称部品をその中心軸
と焼入油面とが平行となるように保持する横置きのセッ
ト方法よりも、歯車精度の変化量のばらつきが小さい。
これは、減圧焼入の場合、上下方向における冷却速度が
均一化されているので、上下方向における歪みのバラツ
キは小さくなり、中心軸周りの全体歪みが支配的となっ
た結果である。つまり、減圧焼入の場合、上下方向にお
ける冷却速度が均一化されているので、上下方向におけ
る歪みのバラツキは小さくなり、縦積みしても各部品の
一つ一つの歯において上下方向に大きな歪みは発生しな
い。また、中心軸と焼入油面とが垂直となる縦積みの場
合は、中心軸と焼入油面とが平行となる横置きの場合よ
りも、中心軸周りに蒸気膜が均一、かつ、安定に発現し
易いため、中心軸周りの全体歪みのバラツキが低減され
る。
【0045】なお、上述の実施例では、浸炭処理した処
理材を減圧下で油焼入処理する例について示したが、浸
炭処理する代わりに浸炭窒化処理した場合も同様の結果
を得ることができた。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本第1発明及び第2
発明の方法は、熱応力歪みを低減しつつ、処理材の焼入
硬化性を向上させることができるという減圧下で焼入処
理することによる効果に加えて、以下に示す効果も奏す
る。つまり、本第1発明及び第2発明の方法によれば、
用いる焼入油の動粘度、焼入時の油温度及び油面圧を所
定条件とすることにより、蒸気膜段階で均一な蒸気膜を
安定に出現させることができ、熱応力歪みをより効果的
に防止することが可能となる。
【0047】また、本第2発明の方法では、第1発明の
焼入条件を満たしつつ、さらに焼入時の油温度を160
℃以上とすることによるマルテンパー効果を奏するとと
もに、2段目の焼入処理することにより最初の焼入処理
の終了後における処理材の温度ばらつきを抑えることが
できるので、処理材の変態歪みをも極めて効果的に抑制
することが可能となる。
【0048】さらに、本第1発明及び第2発明の方法に
おいて、軸対称部品を焼入処理する場合、軸対称部品を
その中心軸と焼入油面とが垂直となるように保持した状
態で焼入処理すれば、平行に保持した場合と比較して、
中心軸周りの全体歪みを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼入油の100℃における動粘度と油面圧との
関係で、各焼入油について、処理材の各部位における最
大冷却速度の差が30℃/sec以下で、かつ最大冷却
速度を示す温度の差が50℃以下となったときの油面圧
の範囲を示す。
【図2】焼入油の100℃における動粘度と油温度との
関係で、各焼入油について、処理材の各部位における最
大冷却速度の差が30℃/sec以下で、かつ最大冷却
速度を示す温度の差が50℃以下となったときの油温度
の範囲を示す。
【図3】試験No.1の冷却カーブの評価結果を示す線
図である。
【図4】試験No.2の冷却カーブの評価結果を示す線
図である。
【図5】試験No.3の冷却カーブの評価結果を示す線
図である。
【図6】試験No.4の冷却カーブの評価結果を示す線
図である。
【図7】試験No.5の冷却カーブの評価結果を示す線
図である。
【図8】試験No.6の冷却カーブの評価結果を示す線
図である。
【図9】試験No.7の冷却カーブの評価結果を示す線
図である。
【図10】試験No.8の冷却カーブの評価結果を示す
線図である。
【図11】油面圧と蒸気圧比P50/P100 との関係を示
す線図である。
【図12】歯車部品について、Aねじれ角誤差とB圧力
角誤差とを説明する図である。
【図13】歯車部品について、Aねじれ角誤差の変化量
を示す図である。
【図14】歯車部品について、B圧力角誤差の変化量を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住友 誠 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 金沢 和雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 藤原 康之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 福原 和人 大阪市北区茶屋町18番21号 豊崎ビル 日本グリース株式会社内 (72)発明者 朝田 繁 大阪市北区茶屋町18番21号 豊崎ビル 日本グリース株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−350115(JP,A) 特開 平4−289115(JP,A) 杉山道生、外2名,真空油焼入れにお ける油面圧の影響,熱処理,日本,社団 法人日本熱処理技術協会,1984年10月, 第24巻、第5号,p.274−279 杉山道生、外3名,真空油焼入れにお ける冷却特性と焼入れひずみに及ぼす圧 力の影響,第18回学術講演大会予稿集, 日本,社団法人日本熱処理技術協会, 1984年 5月28日,p.19−20 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/02 - 1/84 C23C 8/00 - 12/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸炭又は浸炭窒化処理した処理材を、1
    00℃における動粘度:xが9〜35cStである焼入
    油を用い、該焼入油の動粘度が3〜8cStとなる油温
    度で、下限が60Torrで上限が式aで示される油面
    圧範囲の下で、焼入処理することを特徴とする浸炭又は
    浸炭窒化焼入れ方法。 式a:油面圧(Torr)=−12.5x+650,
    (9≦x≦35)
  2. 【請求項2】 浸炭又は浸炭窒化処理した処理材を、1
    00℃における動粘度:xが9〜35cStである焼入
    油を用い、該焼入油の動粘度が3〜8cStとなる油温
    度で、かつ、160℃以上でマルテンサイト変態開始点
    以下の油温度で、下限が60Torrで上限が式aで示
    される油面圧範囲の下で、焼入処理した後、さらに少な
    くとも160℃未満の温度の焼入れ剤を用いて2段目の
    焼入処理することを特徴とする浸炭又は浸炭窒化焼入れ
    方法。 式a:油面圧(Torr)=−12.5x+650,
    (9≦x≦35)
  3. 【請求項3】 前記処理材は軸対称部品であり、該軸対
    称部品をその中心軸と焼入油面とが垂直となるように保
    持した状態で前記焼入処理することを特徴とする請求項
    1又は2記載の浸炭又は浸炭窒化焼入れ方法。
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