JP3441787B2 - オートアンテナチューナーの制御方法、及びオートアンテナチューナー - Google Patents

オートアンテナチューナーの制御方法、及びオートアンテナチューナー

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JP3441787B2
JP3441787B2 JP08483594A JP8483594A JP3441787B2 JP 3441787 B2 JP3441787 B2 JP 3441787B2 JP 08483594 A JP08483594 A JP 08483594A JP 8483594 A JP8483594 A JP 8483594A JP 3441787 B2 JP3441787 B2 JP 3441787B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】送信機とアンテナ系(フィーダー
を含むアンテナ)との間に挿入接続され、自動的にイン
ピーダンスの整合を行うオートアンテナチューナーに
する。
【0002】
【従来の技術】アンテナ系の入力インピーダンスは、送
信周波数により変化する。そのため、従来より複数の周
波数帯を用いる、または周波数の変化が大きい送信機に
おいては、送信機とアンテナ系の間にオートアンテナチ
ューナーを設け、送信機に反射波の影響が生じないよう
自動的に、アンテナ系の入力インピーダンスと送信機の
出力インピーダンスの整合をとるようにしている。オー
トアンテナチューナーにおいては、整合完了条件(例え
ばSWR値が1.2 以下。)を満たすように整合回路が制
御される整合動作が行われ、整合完了条件が満たされる
と整合動作は停止される。一度整合動作が停止される
と、整合再開条件(例えばSWR値が1.2 より大き
い。)を満たすまでその状態が持続され、送信中に種々
の原因で整合がずれて整合再開条件が満たされると再び
整合動作が開始される。通常、整合再開条件のしきい値
は、優れた整合精度を得るために、整合完了条件のしき
い値と同じ値に設定されており、整合完了条件を満たさ
なくなると、即整合動作を再開するようにしている。そ
のため、常時、整合完了条件を満たす状態が保たれるの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のオ
ートアンテナチューナーによると、整合再開条件は、送
信信号の電波形式(SSBモードやAMモード等の送信
モード)に関係なく同じ条件に設定されている。つま
り、上述のように優れた整合精度を得るために、整合完
了条件のしきい値と同じ値のしきい値が採用されてい
る。しかし、例えば送信電力が大きく変動するSSBモ
ードで送信する場合、送信中に頻繁に整合動作の停止、
再開が繰り返されてしまうことになる。原因としては、
送信電力が大きく変化すると、整合再開条件を判断する
検出値(例えばSWR値)に誤差が生じ、整合動作停止
時の前記検出値が整合完了条件のしきい値付近である
と、同じしきい値である整合再開条件を満たしたと判断
してしまい、整合動作を再開してしまうことにある。
【0004】整合動作は整合回路内のバリコン(可変容
量コンデンサ)をモーターで回すことにより行われるの
で、上記のような状態になると、送信中、バリコンが頻
繁に正転/逆転駆動されてガタガタと振動し、操作者に
不快感を与えてしまうことになる。整合再開条件を整合
完了条件よりも、緩い条件(整合状態が整合完了条件か
ら多少はずれても整合動作を再開しないような条件、例
えばSWRしきい値を大きくする)と、SSBモードに
おける以上のような問題を解決できるが、それ以外のモ
ードでは整合精度が悪くなるという別の問題が発生す
る。
【0005】本発明は上記課題に鑑みて提案されたもの
であり、送信電力が大きく変動するSSBモード以外の
モードで送信する場合においては、従来同様に優れた整
合精度が得られ、SSBモードで送信する場合において
は、バリコンが頻繁に正転/逆転駆動するのを防止でき
るオートアンテナチューナーの制御方法を得ることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1にかかるオートアンテナチューナー
の制御方法は、SSBモードを含む複数の送信モードで
送信しうる送信機とアンテナ系との間に挿入接続され、
バリコンを備えた整合回路が制御されるオートアンテナ
チューナーであって、一旦整合動作が停止された後に、
整合再開条件を満たす場合には整合動作の再開が自動的
に行われるオートアンテナチューナーの制御方法におい
て、前記整合再開条件を前記送信モードの切り換えに応
じて変更するようにしたものである。そして、本発明の
請求項2にかかるオートアンテナチューナーは、SSB
モードを含む複数の送信モードで送信しうる送信機とア
ンテナ系との間に挿入接続され、バリコンを備えた整合
回路が制御されるオートアンテナチューナーであって、
一旦整合動作が停止された後に、整合再開条件を満たす
場合には整合動作の再開が自動的に行われるオートアン
テナチューナーにおいて、前記整合再開条件を前記送信
モードの切り換えに応じて変更する制御回路を備えてい
る構成とした。そして、請求項3にかかるオートアンテ
ナチューナーは、制御回路においては、送信モードをS
SBモードに切り換えたときに設定される整合再開条件
が、その他のモードに切り換えたときに設定される整合
再開条件よりも緩い条件に設定されていることを特徴と
している。
【0007】
【作用】本発明の請求項1、2によれば、オートアンテ
ナチューナーの整合動作が一旦停止された後に、整合再
開条件を満たす場合には整合動作の再開が自動的に行わ
れる。このとき、前記整合再開条件を、送信機における
送信モードの切り換えに応じて変更することにより、そ
れぞれの送信モードにおいて、最適な整合再開条件を得
ることができる。
【0008】例えば、SSBモードにおいては、他のモ
ードに比べて送信電力が大きく変動するので、整合再開
条件を満たすか否かを判断する検出値に誤差が発生しや
すい。よって、整合再開条件がSSBモード以外と同じ
であると、整合再開条件を満たしたと誤認してしまい、
整合動作の停止、再開が頻繁に繰り返されてしまう。し
かし、請求項3にかかるオートアンテナチューナーは、
SSBモードにおいては、整合再開条件を緩い条件に設
定することにより、上述したような整合動作の停止、再
開の頻繁な繰り返しが防止できる。なお、SSBモード
以外では、整合再開条件を厳しくすることにより、優れ
た整合精度が得られる。
【0009】
【実施例】本発明を図面に基づいて説明する。図1は本
発明の一実施例を示すブロック図である。図1におい
て、
【0010】1は送信機2とアンテナ系3との間に挿入
接続されたオートアンテナチューナーであり、コイルの
タップの選択とバリコンの回転とバリコンに接続するコ
ンデンサの組み合わせとによってインピーダンスを調整
する整合回路4と、送信機2とアンテナ系3とを直結す
るスルー回路5と、前記整合回路4もしくはスルー回路
5の何れかに切り換える切り換え回路6A,6Bと、S
WR値を検出するSWR検出回路7と、電圧と電流の比
からインピーダンスの絶対値を検出する絶対値検出回路
8と、電圧と電流の位相差からインピーダンスのリアク
タンス成分を検出するリアクタンス検出回路9と、マイ
クロコンピュータによる制御回路10と、上記各回路と
の間に必要なバッファ回路及びドライバ回路を備えてい
る。
【0011】前記整合回路4では、二つのバリコン41
A,41Bとコイル42とでT型回路が構成されてい
る。前記バリコン41A,41Bは、それぞれ駆動用の
モータ43A,43Bを備え、制御回路10によって調
整される。また、44A,44Bは、コンデンサ接続回
路としてのコンデンサ用リレー回路であり、前記バリコ
ン41A,41Bに対して直列コンデンサC1を接続す
るか、もしくは前記直列コンデンサC1を短絡するかを
切り換えるとともに、並列コンデンサC2,C3,C4
の中から最大で3つを選択してバリコン41A,41B
に並列に接続することによって、合成されたキャパシタ
ンスを変化させて、インピーダンスを整合させる構成と
なっている。前記コイル42には複数のタップが設けら
れ、コイル用リレー回路45によってそれらのタップを
選択して短絡もしくは接地することによってリアクタン
スを変化させ、インピーダンスを整合させる構成となっ
ている。
【0012】10はマイクロコンピュータを用いた制御
回路であり、自動整合制御の初期段階における制御プロ
グラムと、本発明の特徴となる図2に示した制御プログ
ラムを内蔵して、整合回路に対する制御と、コンデンサ
の選択にかかる制御、及び、オートアンテナチューナー
1の全体に対する制御機能を具備している。11はメモ
リであり、バンド毎の整合開始時における設定条件とな
るバンド条件テーブル、送信信号の電波形式毎の再整合
動作のモード条件テーブルが格納されている。前記バン
ド条件テーブルは、バンド毎の、コイル用リレー回路4
5に対する制御データ、コンデンサ用リレー回路44
A,44Bに対する送信周波数毎の標準的な制御デー
タ、バリコン41A,41Bの角度等のデータから構成
されている。前記モード条件テーブルとしては、バリコ
ンを回転させる整合動作の再開を行うか否かを判断する
整合再開条件が、送信モード毎に設定されている。前記
整合再開条件は、例えばSWR値がしきい値として用い
られており、SSBモードにおいてはSWR値が1.5 よ
り大きく、それ以外のモードにおいてはSWR値が1.2
より大きいという条件である。なお、整合再開条件とし
ては、SWR値をしきい値としたものに限定されず、ま
た、モード毎に書き換えも可能である。
【0013】送信機2から整合開始信号pとバンド信号
bとモード信号mとが制御回路10に入力されると、オ
ートアンテナチューナー1は自動整合制御の状態にな
る。初期段階における制御プログラムにおいては、ま
ず、前記バンド信号bに基づいてバンド条件テーブルを
参照し、コイル用リレー回路45に対する制御データ、
コンデンサ用リレー回路44A,44Bに対する送信周
波数毎の標準的な制御データ、バリコン41A,41B
の角度等のデータを読み出すとともに、モード条件テー
ブルを参照して、当該送信モードにおける整合再開条件
を読み出す。次に、読み出された前記制御データを参照
して、コンデンサ用リレー回路44A,44Bを制御す
るとともに、コイル42のタップを切り換え、バリコン
を所定の角度に設定する。
【0014】ここで、切り換え回路6A,6Bをスルー
回路側に切り換えて、前記絶対値検出回路8とリアクタ
ンス検出回路9とによってインピーダンスの絶対値及び
リアクタンス成分を測定し、前記バンド条件テーブルを
参照して最適な並列コンデンサを選択してから、前記切
り換え回路6A,6Bを整合回路側に切り換えるように
制御することもできる。その後は、バンド信号bが変更
されない限り図2に示す制御プログラムが実行される。
まず、ステップ1において、送信が開始される。ステッ
プ2においては、送信モードがSSBモードであるか否
かを判断し、それによって処理が分かれる。即ち、SS
Bモードのときには、ステップ3AにおいてSWR値が
検出され、それ以外のモードにおいてはステップ3Bに
おいてSWR値が検出される。なお、ステップ2におい
ては、3つ以上の複数のモードにより処理を分けるよう
にすることもできる。ステップ4Aにおいては、検出さ
れたSWR値がモード条件テーブルから読み出した整合
再開条件(SWR値が1.5 より大きい。)を満たす場合
には、ステップ5Aにおいて、整合動作が開始され、前
記整合再開条件を満たさない場合は、後述するステップ
8Aとなる。ステップ4Bにおいても同様に、検出され
たSWR値がモード条件テーブルから読み出した整合再
開条件(SWR値が1.2 より大きい。)を満たす場合に
は、ステップ5Bにおいて、整合動作が開始され、前記
整合再開条件を満たさない場合は、後述するステップ8
Bとなる。
【0015】ステップ5A,5Bにおいて整合動作が開
始されると、ステップ6A,6Bにおいて整合完了条件
(例えばSWR値が1.2 以下。)が満たされるまで整合
動作は持続し、前記整合完了条件が満たされると、ステ
ップ7A,7Bにより整合動作は停止する。ここで、整
合動作を行っても整合完了条件が満たされない場合もあ
るが、その場合の処理については本発明の主旨からはず
れるため、ここでは論じない。ステップ8A,8Bにお
いては、送信が終了するまで、前記ステップ3A,3B
からの動作が繰り返され、ステップ4A,4Bにおいて
整合再開条件が満たされると再びステップ5A,5Bに
おいて整合動作が開始される。
【0016】また、ステップ5,6,7における整合動
作中は、表示灯12を点滅させてオートアンテナチュー
ナーの動作中を示すとよい。このように、SSBモード
以外のモードにおいては、整合再開条件のSWRしきい
値を整合完了条件のSWRしきい値と同じにすることに
より、優れた整合精度が得られると共に、SSBモード
における整合再開条件のSWRしきい値は、整合完了条
件のSWRしきい値より大きく設定し、条件を緩くする
ことにより、SWR検出値の誤差による整合動作の停
止、再開の繰り返しによるバリコンの頻繁な正転/逆転
駆動はなくなるのである。
【0017】なお、バンド条件テーブルとモード条件テ
ーブルとをまとめて、一つのテーブルにしてもよい。こ
のとき、バンド切り換え信号とモード切り換え信号もま
とめて一つの切り換え信号にし、バンド切り換え信号に
基づいて、整合回路4の各種設定値とともに、バンド毎
にその送信モードが定まっていると仮定して、最適な整
合再開条件を読み出すようにするとよい。また、図2に
示したようなソフトウエアに依らずに、図3に示したよ
うに、送信モード毎の整合再開条件テーブルが記録され
たメモリ110 と、送信機2からのモード信号mに応じて
前記整合再開条件テーブルを切り換える切り換え手段12
0と、切り換えられた整合再開条件テーブルに基づい
て、前記整合回路4による整合動作を再開する再開制御
手段130 とを備えた制御回路10’で構成することも可
能である。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1、2によ
れば、オートアンテナチューナーの整合回路における整
合動作が一旦停止した後における、整合動作を再開する
か否かを判断する整合再開条件を、送信機における送信
モードの切り換えに応じて変更することにより、それぞ
れの送信モードにおいて、最適な整合再開条件を得るこ
とができる。そして、請求項3によれば、SSBモード
のように、送信電力が大きく変動するモードにおいて
は、整合再開条件を緩くすることにより、整合回路のバ
リコンの頻繁な正転/逆転駆動はなくなり、オートアン
テナチューナーを快適に使用できるという効果が得られ
ると共に、SSBモード以外のモードにおいては、整合
再開条件を厳しくすることにより、優れた整合精度を得
ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるオートアンテナチューナーの制
御方法の実施例によるオートアンテナチューナーのブロ
ック図である。
【図2】前記オートアンテナチューナーにおける制御プ
ログラムのフローチャートである。
【図3】オートアンテナチューナーの別実施例のブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 オートアンテナチューナー 2 送信機 3 アンテナ系 4 整合回路 41A,41B バリコン 5 スルー回路 6A,6B 切り換え回路 7 SWR検出回路 8 絶対値検出回路 9 リアクタンス検出回路 8,9 インピーダンス検出回路 10 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−186028(JP,A) 特開 昭60−254927(JP,A) 特開 昭59−50619(JP,A) 特開 平3−165110(JP,A) 特開 平3−10521(JP,A) 実開 昭62−155531(JP,U) 実開 昭59−108346(JP,U) 実開 平3−121737(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/02 - 1/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SSBモードを含む複数の送信モードで送
    信しうる送信機とアンテナ系との間に挿入接続され、バ
    リコンを備えた整合回路が制御されるオートアンテナチ
    ューナーであって、一旦整合動作が停止された後に、整
    合再開条件を満たす場合には整合動作の再開が自動的に
    行われるオートアンテナチューナーの制御方法におい
    て、 前記整合再開条件を前記送信モードの切り換えに応じて
    変更することを特徴とするオートアンテナチューナーの
    制御方法。
  2. 【請求項2】SSBモードを含む複数の送信モードで送
    信しうる送信機とアンテナ系との間に挿入接続され、バ
    リコンを備えた整合回路が制御されるオートアンテナチ
    ューナーであって、一旦整合動作が停止された後に、整
    合再開条件を満たす場合には整合動作の再開が自動的に
    行われるオートアンテナチューナーにおいて、 前記整合再開条件を前記送信モードの切り換えに応じて
    変更する制御回路を備えていることを特徴とするオート
    アンテナチューナー。
  3. 【請求項3】制御回路においては、送信モードをSSB
    モードに切り換えたときに設定される整合再開条件が、
    その他のモードに切り換えたときに設定される整合再開
    条件よりも緩い条件に設定されていることを特徴とする
    請求項2に記載のオートアンテナチューナー。
JP08483594A 1994-04-22 1994-04-22 オートアンテナチューナーの制御方法、及びオートアンテナチューナー Expired - Lifetime JP3441787B2 (ja)

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